図面 (/)

技術 過給機付エンジンの過給圧制御装置

出願人 マツダ株式会社
発明者 中川滋
出願日 1993年1月26日 (27年1ヶ月経過) 出願番号 1993-031265
公開日 1994年8月9日 (25年7ヶ月経過) 公開番号 1994-221174
状態 未査定
技術分野 過給機
主要キーワード 最終デューティ 出力制御量 比例値 低下方向 基準目標 圧力偏差 制御圧通路 時間比率
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1994年8月9日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (10)

目的

所定の条件下で過給圧をフィードバック制御するようにした過給付エンジンにおいて、フィードバック制御量の構成要素として積分項を設ける場合においても、常に良好な制御応答性が得られるようにすることを目的とする。

構成

過給圧を調節するウエストゲートバルブ12に連結したアクチュエータ14に供給する制御圧を、デューティソレノイドバルブ15を用いてデューティ制御することにより、ウエストゲートバルブ15の開度を調節するようにする。その場合に、ウエストゲートバルブ15の動作範囲を逸脱するような目標過給圧が設定される場合に、例えばデューティ上限値からベースデューティ値及び電圧補正デューティ値を減算した値と0とを比較し、両者の大きい方を最終フィードバックデューティ値として選択する。

概要

背景

自動車用などのエンジンにおいては、燃焼室への吸気充填効率を増大させるために過給機が備えられることがあり、この種の過給機としては、排気ガスエネルギーによって駆動される排気ターボ過給機や、エンジン出力により駆動される機械式過給機などが実用化されている。

このうち前者の排気ターボ過給機は、排気通路に設置したタービンと、吸気通路に設置したコンプレッサと、両者を連結する連結軸とを備え、燃焼後の排気ガスが持つ運動力によりタービンを回転させ、その回転力によってコンプレッサを駆動することにより、吸気強制的に圧縮するように構成したものであるが、この種の過給機においては、過過給を防止するために、例えば排気通路におけるタービンの上流部と下流部とをバイパスさせた通路に、排気ガスを逃がすウエストゲートバルブを設置する場合がある。このウエストゲートバルブは、一般にはコンプレッサの下流側における圧力が予め設定されたリリーフ圧を超えたときに開かれて、余剰の排気ガスをタービンを迂回して排出させるようになっているが、その場合にウエストゲートバルブが開かれるリリーフ圧は安全性を考慮して低めに設定されるのが通例である。

しかし、このようにウエストゲートバルブのリリーフ圧を低めに設定すると、過給機の能力を有効に利用しえないことになる。

そこで、近年においては、エンジンの耐久性を確保しつつ最大限出力性能を発揮させるために、例えば特開平2−163419号公報に記載されているように、過給機で生成される過給圧を所定の条件下でフィードバック制御する場合がある。

これは、ウエストゲートバルブに連結したダイヤフラムとコンプレッサの下流側の吸気通路とを結ぶ通路に、大気開放されたデューティソレノイドバルブを設置すると共に、エンジンの運転状態に応じて設定された目標過給圧と実際の過給圧(実過給圧)とを比較して、その差圧が解消するようにフィードバック制御量を設定し、更にこのフィードバック制御量とエンジンの運転状態に応じて設定した基本制御量とから上記デューティソレノイドバルブに出力するデューティ値を決定して、該デューティ値に従って上記デューティソレノイドバルブを作動させるようにしたものである。これによれば、上記リリーフ圧を限界付近まで上昇させることが可能となって、過給機の能力をフルに活用することが期待される。

概要

所定の条件下で過給圧をフィードバック制御するようにした過給付エンジンにおいて、フィードバック制御量の構成要素として積分項を設ける場合においても、常に良好な制御応答性が得られるようにすることを目的とする。

過給圧を調節するウエストゲートバルブ12に連結したアクチュエータ14に供給する制御圧を、デューティソレノイドバルブ15を用いてデューティ制御することにより、ウエストゲートバルブ15の開度を調節するようにする。その場合に、ウエストゲートバルブ15の動作範囲を逸脱するような目標過給圧が設定される場合に、例えばデューティ上限値からベースデューティ値及び電圧補正デューティ値を減算した値と0とを比較し、両者の大きい方を最終フィードバックデューティ値として選択する。

目的

この発明は、所定の条件下で過給圧をフィードバック制御するようにした過給付エンジンにおける上記の問題に対処するもので、フィードバック制御量の構成要素として積分項を設ける場合においても、良好な制御応答性が得られるようにすることを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

エンジン吸気通路に設置された過給機で生成される過給圧を所定の条件下でフィードバック制御するようにした過給付エンジンの過給圧制御装置であって、上記過給機で生成される過給圧を調整する過給圧調整手段と、エンジンの運転状態に基づいて目標過給圧を設定する目標過給圧設定手段と、上記過給機で生成される過給圧を検出する過給圧検出手段と、該検出手段で検出された実際の過給圧の目標過給圧に対する偏差を算出する偏差算出手段と、該算出手段で算出された過給圧の偏差に応じて、該偏差が解消するように少なくとも積分項を構成要素とするフィードバック制御量を設定するフィードバック制御量設定手段と、上記過給圧調整手段に対する出力制御量をその動作範囲に対応した所定の上限値と下限値との間に制限する出力制御量制限手段と、上記過給圧調整手段の動作範囲を逸脱するような目標過給圧が設定される場合に、上記制限手段で制限される前の出力制御量が上記上限値もしくは下限値となるようにフィードバック制御量を規制するフィードバック制御量規制手段とが設けられていることを特徴とする過給機付エンジンの過給圧制御装置。

請求項2

エンジンの吸気通路に設置された過給機で生成される過給圧を所定の条件下でフィードバック制御するようにした過給付エンジンの過給圧制御装置であって、上記過給機で生成される過給圧を調整する過給圧調整手段と、エンジンの運転状態に基づいて目標過給圧を設定する目標過給圧設定手段と、上記過給機で生成される過給圧を検出する過給圧検出手段と、該検出手段で検出された実際の過給圧の目標過給圧に対する偏差を算出する偏差算出手段と、該算出手段で算出された過給圧の偏差に応じて、該偏差が解消するように少なくとも積分項を構成要素とするフィードバック制御量を設定するフィードバック制御量設定手段と、上記過給圧調整手段に対する出力制御量をその動作範囲に対応した所定の上限値と下限値との間に制限する出力制御量制限手段と、上記過給圧調整手段の動作範囲を逸脱するような目標過給圧が設定される場合に、上記制限手段で制限される前の出力制御量が上記上限値もしくは下限値となるようにフィードバック制御量を規制するフィードバック制御量規制手段と、該規制手段により規制される前のフィードバック制御量から規制後のフィードバック制御量を減算した値を、規制前のフィードバック制御量を構成する上記積分項の今回値から減算することによりフィードバック制御量を更新するフィードバック制御量更新手段とが設けられていることを特徴とする過給機付エンジンの過給圧制御装置。

技術分野

0001

この発明は過給機付エンジン過給圧制御装置、特に過給圧を所定の条件下でフィードバック制御するようにしたものに関する。

背景技術

0002

自動車用などのエンジンにおいては、燃焼室への吸気充填効率を増大させるために過給機が備えられることがあり、この種の過給機としては、排気ガスエネルギーによって駆動される排気ターボ過給機や、エンジン出力により駆動される機械式過給機などが実用化されている。

0003

このうち前者の排気ターボ過給機は、排気通路に設置したタービンと、吸気通路に設置したコンプレッサと、両者を連結する連結軸とを備え、燃焼後の排気ガスが持つ運動力によりタービンを回転させ、その回転力によってコンプレッサを駆動することにより、吸気強制的に圧縮するように構成したものであるが、この種の過給機においては、過過給を防止するために、例えば排気通路におけるタービンの上流部と下流部とをバイパスさせた通路に、排気ガスを逃がすウエストゲートバルブを設置する場合がある。このウエストゲートバルブは、一般にはコンプレッサの下流側における圧力が予め設定されたリリーフ圧を超えたときに開かれて、余剰の排気ガスをタービンを迂回して排出させるようになっているが、その場合にウエストゲートバルブが開かれるリリーフ圧は安全性を考慮して低めに設定されるのが通例である。

0004

しかし、このようにウエストゲートバルブのリリーフ圧を低めに設定すると、過給機の能力を有効に利用しえないことになる。

0005

そこで、近年においては、エンジンの耐久性を確保しつつ最大限出力性能を発揮させるために、例えば特開平2−163419号公報に記載されているように、過給機で生成される過給圧を所定の条件下でフィードバック制御する場合がある。

0006

これは、ウエストゲートバルブに連結したダイヤフラムとコンプレッサの下流側の吸気通路とを結ぶ通路に、大気開放されたデューティソレノイドバルブを設置すると共に、エンジンの運転状態に応じて設定された目標過給圧と実際の過給圧(実過給圧)とを比較して、その差圧が解消するようにフィードバック制御量を設定し、更にこのフィードバック制御量とエンジンの運転状態に応じて設定した基本制御量とから上記デューティソレノイドバルブに出力するデューティ値を決定して、該デューティ値に従って上記デューティソレノイドバルブを作動させるようにしたものである。これによれば、上記リリーフ圧を限界付近まで上昇させることが可能となって、過給機の能力をフルに活用することが期待される。

発明が解決しようとする課題

0007

ところで、上記のように過給圧のフィードバック制御を行う場合に比例積分制御が採用されることがある。これは、実過給圧の目標過給圧に対する偏差に対応する比例値と、上記偏差に対応する積分因子を積分した積分値とでフィードバック制御量を構成するようにしたもので、上記偏差が頻繁に反転しても積分値がほぼ一定に保たれることから、この種フィードバック制御の安定性が向上するという利点がある。

0008

このように過給圧のフィードバック制御に比例積分制御を採用することにより制御の安定性が向上するという利点がある反面、次のような不都合を生じる場合がある。

0009

つまり、ウエストゲートバルブの動作範囲は最大限でも全開状態から全閉状態に限定される。そして、該ウエストゲートバルブを駆動するダイヤフラムの動作量と、該ダイヤフラムの動作量を制御するデューティソレノイドバルブに出力される制御信号のデューティ値とが1対1に対応しているものとすると、該デューティソレノイドバルブを作動させる出力制御量有効範囲は、最大限でもデューティ値に換算して0〜100%に制限される。

0010

ところで、エンジンの運転状態によっては、ウエストゲートバルブを全閉開度に制御した際に得られる過給圧よりも高圧側に目標過給圧が設定される場合がある。このような場合には、ウエストゲートバルブの動作はは休止した状態となり、フィードバック制御量の演算だけが行われることになる。その場合に、フィードバック制御量の一部を構成する比例値は、実過給圧が目標過給圧に近づくに従って次第に減少することになるが、他方の積分値は積分因子が加算されることにより実過給圧が目標過給圧に近づくに伴って増大することになり、フィードバック制御量としてみればデューティ値に換算して100%に収束していくと共に、フィードバック制御量に占める積分値の割合も次第に増加していく。

0011

このようにフィードバック制御量に占める積分値の割合が大きい状態で、エンジンの運転状態の変化などによって目標過給圧が上記ウエストゲートバルブの動作範囲で達成される過給圧制御領域内に設定されて、実過給圧が目標過給圧に到達したとする。この場合には、実過給圧は目標過給圧を一旦オーバーシュートした後、目標過給圧に収束されることになるのであるが、その場合に実過給圧が目標過給圧に到達した時点における積分値が過大であることからフィードバック制御量がなかなか反転しないことになる。したがって、フィードバック制御量が出力制御量に反映されるのが遅れて、過給圧が目標過給圧を必要以上にオーバーシュートしてしまうなど、制御応答性の点で問題を生じることになる。特に、基本制御量がデューティ値に換算して100%の付近に設定されている場合には、フィードバック制御量が出力制御量に反映されるのが益々遅れて、制御応答性を更に悪化させることになる。

0012

また、ウエストゲートバルブを全閉開度に制御した際に得られる過給圧よりも低圧側に目標過給圧が設定された場合においても、エンジンの運転状態の変化などによって目標過給圧が上記ウエストゲートバルブの動作範囲で達成される過給圧制御領域に移行するまでに長時間を要する場合には、過給圧が目標過給圧に到達した時点における積分値が過大なものとなって上記と同様な問題が発生することになる。

0013

そして、デューティソレノイドバルブの信頼性を担保するために、出力制御量に上限または下限のガードを設定している場合には、上記の問題が特に顕著に現れることになる。

0014

この発明は、所定の条件下で過給圧をフィードバック制御するようにした過給付エンジンにおける上記の問題に対処するもので、フィードバック制御量の構成要素として積分項を設ける場合においても、良好な制御応答性が得られるようにすることを目的とする。

課題を解決するための手段

0015

すなわち、本願の請求項1の発明(以下、第1発明という)に係る過給機付エンジンの過給圧制御装置は、エンジンの吸気通路に設置された過給機で生成される過給圧を所定の条件下でフィードバック制御するようにした過給付エンジンにおいて、上記過給機で生成される過給圧を調整する過給圧調整手段と、エンジンの運転状態に基づいて目標過給圧を設定する目標過給圧設定手段と、上記過給機で生成される過給圧を検出する過給圧検出手段と、該検出手段で検出された実際の過給圧の目標過給圧に対する偏差を算出する偏差算出手段と、該算出手段で算出された過給圧の偏差に応じて、該偏差が解消するように少なくとも積分項を構成要素とするフィードバック制御量を設定するフィードバック制御量設定手段と、上記過給圧調整手段に対する出力制御量をその動作範囲に対応した所定の上限値と下限値との間に制限する出力制御量制限手段と、上記過給圧調整手段の動作範囲を逸脱するような目標過給圧が上記目標過給圧設定手段によって設定される場合に、上記制限手段で制限される前の出力制御量が上記上限値もしくは下限値となるようにフィードバック制御量を規制するフィードバック制御量規制手段とを設けたことを特徴とする。

0016

そして、本願の請求項2の発明(以下、第2発明という)に係る過給機付エンジンの過給圧制御装置は、エンジンの吸気通路に設置された過給機で生成される過給圧を所定の条件下でフィードバック制御するようにした過給付エンジンにおいて、上記過給機で生成される過給圧を調整する過給圧調整手段と、エンジンの運転状態に基づいて目標過給圧を設定する目標過給圧設定手段と、上記過給機で生成される過給圧を検出する過給圧検出手段と、該検出手段で検出された実際の過給圧の目標過給圧に対する偏差を算出する偏差算出手段と、該算出手段で算出された過給圧の偏差に応じて、該偏差が解消するように少なくとも積分項を構成要素とするフィードバック制御量を設定するフィードバック制御量設定手段と、上記過給圧調整手段に対する出力制御量をその動作範囲に対応した所定の上限値と下限値との間に制限する出力制御量制限手段と、上記過給圧調整手段の動作範囲を逸脱するような目標過給圧が上記目標過給圧設定手段によって設定される場合に、上記制限手段で制限される前の出力制御量が上記上限値もしくは下限値となるようにフィードバック制御量を規制するフィードバック制御量規制手段と、該規制手段により規制される前のフィードバック制御量から規制後のフィードバック制御量を減算した値を、規制前のフィードバック制御量を構成する上記積分項の今回値から減算することによりフィードバック制御量を更新するフィードバック制御量更新手段とを設けたことを特徴とする。

0017

上記の構成によれば次のような作用が得られる。

0018

すなわち、第1、第2発明のいずれにおいても、エンジンの運転状態に基づいて設定された目標過給圧と、上記過給機で生成される実際の過給圧とが異なる場合には、その偏差が解消されるようにフィードバック制御量が設定される。そして、そのフィードバック制御量には、構成要素として積分項が設けられていることから、過給圧調整手段に対する出力制御量が、その動作範囲に対応した所定の上、下限値の間に含まれるときには、上記偏差が頻繁に反転しても積分項がほぼ一定に保たれることから、この種フィードバック制御の安定性が向上することになる。

0019

また、上記過給圧調整手段の動作範囲を逸脱するような目標過給圧が設定される場合には、出力制御量制限手段で制限される前の出力制御量が上記上限値もしくは下限値となるようにフィードバック制御量が規制される。これにより、実際の過給圧が目標過給圧に到達したときには、出力制御量にフィードバック制御量が可及的速やかに反映されることになって、良好な応答性が得られることになる。

0020

そして、第2発明によれば、規制前のフィードバック制御量から規制後のフィードバック制御量を減算した値を、規制前のフィードバック制御量を構成する積分項の今回値から減算することによりフィードバック制御量を更新するようにしているので、実際の過給圧が目標過給圧に到達した時点における積分項が著しく小さいものとなり、更に良好な応答性が得られることになる。

0021

以下、本発明の実施例について説明する。

0022

図1に示すように、エンジン1にはエアクリーナ2から吸入した空気を各気筒の燃焼室に供給する吸気通路3と、燃焼後の排気ガスを排出させる排気通路4とが設けられている。そして、吸気通路3には、上流側から、吸入空気量を検出するエアフローセンサ5と、過給機6を構成するコンプレッサ6aと、該コンプレッサ6aで加圧された空気を冷却するインタークーラー7と、エンジン出力ないし吸入空気量を調節するスロットルバルブ8と、サージタンク9とが設けられていると共に、該サージタンク9と各気筒との間に設けられた独立吸気通路には、それぞれ燃料噴射弁10…10が設置されている。

0023

一方、上記排気通路4には、上記コンプレッサ6aと共に過給機6を構成するタービン6bが設置されている。そして、このタービン6bとコンプレッサ6aとがタービンシャフト6cを介して連結されていることにより、燃焼後の排気ガスが持つ運動力によって回転するタービン6bの回転力が、該シャフト6cを介してコンプレッサ6aに伝達され、これにより該コンプレッサ6aが高速で回転して上記エアクリーナ2から吸入した空気を各気筒の燃焼室に加圧送給するようになっている。

0024

また、このエンジン1には、上記排気通路4におけるタービン6bの上流部と下流部とをバイパスするバイパス通路11と、該バイパス通路11を開閉するウエストゲートバルブ12と、該ウエストゲートバルブ12をリンク機構13を介して開閉駆動するダイヤフラム式アクチュエータ14とが備えられている。

0025

このアクチュエータ14には、上記吸気通路3におけるサージタンク9からデューティソレノイドバルブ15を介して導かれた制御圧通路16が接続されていると共に、上記デューティソレノイドバルブ15に接続された圧力開放通路17が上記エアフローセンサ5の下流側で吸気通路3に接続されている。そして、デューティソレノイドバルブ15に出力するデューティ値(ON,OFF時間のON時間比率)を変更することにより、上記アクチュエータ14に供給する制御圧を変えてウエストゲートバルブ12の開度を調節するようになっている。ここで、上記デューティ値は、これが大きくなるほど制御圧が大きくなり、それに伴ってウエストゲートバルブ12の開度が小さくなるようになっている。そして、最大のデューティ値を出力したときには、ウエストゲートバルブ12が全閉状態となり、また最小のデューティ値を出力したときにはウエストゲートバルブ12が全開状態となるように各部のパラメータが設定されている。

0026

さらに、このエンジン1には、過給圧などの制御を行うコントロールユニット(以下、ECUという)20が備えられている。このECU20には、エアフローセンサ5からの信号、スロットルバルブ8の開度を検出するスロットル開度センサ21からの信号、エンジン回転数を検出するエンジン回転センサ22からの信号、吸気通路3のサージタンク9に設置された圧力センサ23からの信号、当該自動車に搭載されたバッテリ電圧を検出するバッテリ電圧センサ24からの信号などが入力される。そして、ECU20は上記信号に基づいて燃料噴射弁10…10からの燃料噴射量の制御や、上記デューティソレノイドバルブ15を用いた過給圧制御を行うようになっている。

0027

次に、本実施例に係る過給圧制御を図2図8フローチャートを用いて説明する。

0028

まず、図2に示したメインルーチンを示すフローチャートに従って過給圧制御のアウトラインを説明すると、ECU20はステップS0で各種信号を読み込んだ上で、ステップS1で所定のサブルーチンに従って目標過給圧を算出すると共に、ステップS3で所定のサブルーチンに従ってベースデューティ値を算出する。そして、ステップS3で所定のサブルーチンに従って電圧補正デューティ値を算出し、またステップS4で所定のサブルーチンに従ってフィードバックデューティ値を算出した後、ステップS5で所定のサブルーチンに従って最終デューティ値を算出すると共に、ステップS6で該最終デューティ値に応じた駆動信号をデューティソレノイドバルブ15に出力する。これにより、ウエストゲートバルブ12は上記最終デューティ値に対応した開度に調節されることになる。

0029

そして、上記ステップS1における目標過給圧算出処理は、具体的には図3のフローチャートに従って次のように行われる。すなわち、ECU20はステップS10で各種信号を読み込んだ上で、ステップS11で予め設定された目標過給圧BMのマップにエンジン回転センサ22及びスロットル開度センサ21からの信号が示す現実のエンジン回転数neとスロットル開度θとを当てはめて、対応する値を目標過給圧bmとしてセットする。

0030

また、上記ベースデューティ値の算出処理は、図4のフローチャートに従って次のように行われる。つまり、ECU20はステップS20で各種信号を読み込んだ上で、ステップS21で予め設定されたデューティ値が0に対応する基準目標過給圧BM0のマップに、上記エンジン回転数neとスロットル開度θとを当てはめて、対応する値を基準目標過給圧b0として読み込むと共に、さらにステップS23を実行して上記目標過給圧bmから基準目標過給圧b0を減算した値を目標過給圧偏差量△bmとしてセットする。そして、ステップS24を実行して、予め設定されたベースデューティ値DBのマップに、上記目標過給圧偏差量△bmとエンジン回転数neとスロットル開度θとを当てはめて、対応する値をベースデューティ値dbとしてセットする。

0031

さらに、電圧補正デューティ値の算出処理は、図5のフローチャートに従って次のように行われる。すなわち、ECU20はステップS30で各種信号を読み込んだ上で、予め設定された電圧補正デューティ値DVのテーブルに、バッテリ電圧センサ24からの信号が示すバッテリ電圧vbを当てはめて、対応する値を電圧補正デューティ値dvとしてセットする。

0032

そして、本発明の特徴部分であるフィードバックデューティ値の算出処理は、具体的には図6及び図7のフローチャートに示すサブルーチンに従って次のように行われる。

0033

すなわち、ECU20はステップS40で各種信号を読み込んだ上で、ステップS41を実行してエンジン1の運転状態に応じて設定された目標過給圧bmから上記圧力センサ23からの信号が示す実過給圧brを減算した値を圧力偏差量△bとしてセットする。そして、ステップS42で予め設定された比例値Pのテーブルに上記圧力偏差量△bを当てはめて、対応する値を比例値pとしてセットすると共に、ステップS43で予め設定された積分因子△Iのテーブルに上記圧力偏差量△bを当てはめて、対応する値を積分因子△iとしてセットする。

0034

次に、ECU20はステップS44に進んで、更新用積分値iの前回値i’に上記積分因子△iを加算した値と−100と100とを比較し、3者の中間の値をF/B演算用積分値i0としてセットする。つまり、更新用積分値iの前回値i’に上記積分因子△iを加算した値が、−100と100との間に含まれるときには、その値がF/B演算用積分値i0として選択されることになる。

0035

ECU20は、次にステップS45を実行してエンジン回転数neが所定値Noよりも大きいか否かを判定し、YESと判定するとステップS46に進んでスロットル開度θが所定値Θoよりも大きいか否かを判定して、YESと判定したときにのみステップS47に進んで、上記比例値pにF/B演算用積分値i0を加算した値と所定のフィードバック上限値FBMX(例えば40%)とフィードバック下限値FBMN(例えば−40%)とを比較し、3者の中間の値を基本フィードバックデューティ値dfb0として選択した上で、図7のフローチャートのステップS48に進んでベースデューティ値dbと基本フィードバックデューティ値dfb0と電圧補正デューティ値dvとを加算した値を第1変数v1としてセットする。なお、上記ステップS45、46でNOと判定したときには、ステップS49に移って基本フィードバックデューティ値dfb0として0をセットする。

0036

次に、ECU20はステップS50に進み、第1変数v1がデューティ下限値DMN(例えば5%)よりも小さいか否かを判定し、YESと判定したときにはステップS51に進んで上記基本フィードバックデューティ値dfb0が0よりも小さな否かを判定して、YESと判定したときにはステップS52に進んで、上記デューテ下限値DMNからベースデューティ値db及び電圧補正デューティ値dvを減算した値と0とを比較し、両者の小さい方を最終フィードバックデューティ値dfbとして選択した上で、ステップS53に進んで上記比例値pにF/B演算用積分値i0を加算した値を第2変数v2としてセットする。

0037

なお、ECU20は上記ステップS51において基本フィードバックデューティ値dfb0が0よりも小さくないと判定したときには、ステップS54に移って基本フィードバックデューティ値dfb0をそのまま最終フィードバックデューティ値dfbとしてセットする。

0038

また、ECU20は上記ステップS50において、第1変数v1がデューティ下限値DMNよりも小さくないと判定したときには、ステップS55に移って今度は該第1変数v1がデューティ上限値DMX(例えば95%)よりも大きいか否かを判定し、YESと判定したときにはステップS56に進んで基本フィードバックデューティ値dfb0が0よりも大きいか否かを判定する。そして、基本フィードバックデューティ値dfb0が0よりも大きいと判定したときにはステップS57に進んで、上記デューティ上限値DMXからベースデューティ値db及び電圧補正デューティ値dvを減算した値と0とを比較し、両者の大きい方を最終フィードバックデューティ値dfbとして選択し、また基本フィードバックデューティ値dfb0が0よりも大きくないと判定したときには、ステップS58に移って基本フィードバックデューティ値dfb0を最終フィードバックデューティ値dfbとしてセットする。

0039

なお、ECU20は、上記ステップS55において第1変数v1がデューティ上限値DMXよりも大きくないと判定したとき、つまりベースデューティ値dbと基本フィードバックデューティ値dfb0と電圧補正デューティ値dvとを加算した値がデューティ上限値DMXとデューティ下限値DMNとの間に含まれると判定したときにも、上記ステップS58を実行して基本フィードバックデューティ値dfb0を最終フィードバックデューティ値dfbとしてセットするようになっている。

0040

以上のようにして最終フィードバックデューティ値dfbを設定すると、ECU20はステップS59に進んで上記ステップS53において設定した第2変数v2が最終フィードバックデューティ値dfbよりも小さいか否かを判定して、YESと判定するステップS60を実行して最終フィードバックデューティ値dfbから第2変数v2を減算した値を第3変数v3としてセットすると共に、ステップS61で上記基本フィードバックデューティ値dfb0が0よりも小さいか否かを判定する。そして、基本フィードバックデューティ値dfb0が0よりも小さいと判定したときには、次にステップS62に進んで基本フィードバックデューティ値dfb0に上記第3変数v3を加算した値が0よりも大きいか否かを判定して、YESと判定したときにはステップS64で更新用積分値iとして0をセットすると共に、NOと判定したときにはステップS63でF/B演算用積分値i0に上記第3変数v3を加算した値を更新用積分値iとしてセットする。

0041

また、ECU20は上記ステップS61において基本フィードバックデューティ値dfb0が0よりも小さくないと判定したときには、ステップS65に移ってF/B演算用積分値i0をそのまま更新用積分値iとしてセットする。

0042

一方、ECU20は、上記ステップS59において第2変数v2が最終フィードバックデューティ値dfbよりも小さくないと判定したときには、ステップS66に移って第2変数v2が最終フィードバックデューティ値dfbよりも大きいか否かを判定して、YESと判定するステップS67を実行して今度は第2変数v2から最終フィードバックデューティ値dfbを減算した値を第3変数v3としてセットすると共に、ステップS68で上記基本フィードバックデューティ値dfb0が0よりも大きいか否かを判定する。そして、基本フィードバックデューティ値dfb0が0よりも大きいと判定したときには、次にステップS69に進んで基本フィードバックデューティ値dfb0から上記第3変数v3を減算した値が0よりも小さいか否かを判定して、YESと判定したときにはステップS71で更新用積分値iとして0をセットすると共に、NOと判定したときにはステップS70でF/B演算用積分値i0に上記第3変数v3を加算した値を更新用積分値iとしてセットする。

0043

また、ECU20は上記ステップS68において基本フィードバックデューティ値dfb0が0よりも大きくないと判定するか、ステップS66で第2変数v2が最終フィードバックデューティ値dfbよりも大きくないと判定したときには、ステップS72に移って上記ステップS65と同様にF/B演算用積分値i0をそのまま更新用積分値iとしてセットする。

0044

そして、以上のようにして設定された更新用積分値iが、次回にF/B演算用積分値i0を更新する際に用いられる。

0045

また、上記図2のフローチャートにおけるステップS5の最終デューティ値の算出処理は、具体的には図8にフローチャートを示したサブルーチンに従って次のように行われる。つまり、ECU20はステップS80で各種信号を読み込んだ上で、ステップS81を実行して、ベースデューティ値db、最終フィードバックデューティ値dfb及び電圧補正デューティ値dvを加算した値とデューティ下限値DMNとデューティ上限値DMXとを比較し、3者の中間の値を最終デューティ値dyとして選択する。これにより、デューティソレノイドバルブ15に出力される最終デューティ値dyは、上記デューティ下限値DMNとデューティ上限値DMXとの間に制限されることになる。

0046

次に、実施例の作用を説明する。

0047

今、図9(a)(e)に示すように、最終デューティ値dyがデューティ上限値DMXに制限される状態が長く続いて、その間実過給圧brよりも高圧側に目標過給圧bmが設定されているものとする。そして、ベースデューティ値dbが100%に、また電圧補正デューティ値dvが5%に設定されているものと仮定する。

0048

このような場合には、従来においては、実過給圧brが目標過給圧bmに接近するに従って積分値が増大することから、同図(c)の鎖線で示すようにフィードバックデューティ値dfbがフィードバック上限値FBMXに張り付いた状態となる。この場合、実過給圧brが目標過給圧bmに接近するに伴って比例値が減少することから、実過給圧brが目標過給圧bmに到達した時点におけるフィードバックデューティ値dfbは積分値のみとなる。したがって、実過給圧brが目標過給圧bmを超えて、圧力低下方向に比例値や積分因子が加算されたとしてもフィードバックデューティ値dfbが零点を超えてマイナス側に減少するまでに長時間を要することになり、このため同図(e)に示すように最終デューティ値dyが減少し始めるまでにタイムラグが生じることになるのである。

0049

これに対して、この実施例においては、デューティ上限値DMXからベースデューティ値db及び電圧補正デューティ値dvを減算した値と0とを比較し、両者の大きい方を最終フィードバックデューティ値dfbとして選択するようになっているので、例えば実過給圧brが目標過給圧bmに到達した時点におけるベースデューティ値dbを80%とすると、デューティ上限値DMXの95%からベースデューティ値dbの80%及び電圧補正デューティ値dvの5%を減算した値は10%となる。そして、その10%が最終フィードバックデューティ値dfbとして設定されることになる。つまり、ガードがかけられる前の各デューティ値の合計が上記デューティ上限値DMXとなるようにフィードバックデューティ値dfbが規制されることになるのである。したがって、実過給圧brが目標過給圧bmを超えたときには、基本フィードバックデューティ値dfb0ないし最終フィードバックデューティ値dfbの減少に伴って最終デューティ値dyが減少することになり、良好な応答性が得られることになる。

0050

特に、実施例のように基本フィードバックデューティ値dfb0から最終フィードバックデューティ値dfbを減算した値を、F/B演算用積分値i0から減算することにより更新用積分値iを設定するようにしているので、更に良好な応答性が得られることになる。

発明の効果

0051

以上のように本発明によれば、過給圧調整手段の動作範囲を逸脱するような目標過給圧が設定される場合には、出力制御量制限手段で制限される前の出力制御量が上記上限値もしくは下限値となるようにフィードバック制御量が規制されるので、実際の過給圧が目標過給圧に到達したときには、出力制御量にフィードバック制御量が可及的速やかに反映されることになって、良好な応答性が得られることになる。

0052

そして、実施例のように、規制前のフィードバック制御量から規制後のフィードバック制御量を減算した値を、規制前のフィードバック制御量を構成する積分項の今回値から減算してフィードバック制御量を更新するようにすれば、実際の過給圧が目標過給圧に到達した時点における積分項が著しく小さいものとなり、更に良好な応答性が得られることになる。

図面の簡単な説明

0053

図1実施例に係るエンジンの制御システム図である。
図2過給圧制御のメインルーチンを示すフローチャート図である。
図3目標過給圧算出処理を示すフローチャート図である。
図4ベースデューティ値算出処理を示すフローチャート図である。
図5電圧補正デューティ値算出処理を示すフローチャート図である。
図6フィードバックデューティ値算出処理の一部を示すフローチャート図である。
図7同じくフィードバックデューティ値算出処理の一部を示すフローチャート図である。
図8最終デューティ値算出処理を示すフローチャート図である。
図9実施例の作用を示すタイムチャート図である。

--

0054

1エンジン
6過給機
12ウエストゲートバルブ
14アクチュエータ
15デューティソレノイドバルブ
20 ECU
23 圧力センサ

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • トヨタ自動車株式会社の「 内燃機関」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】モータジェネレータによってコンプレッサの駆動をアシスト可能なスーパーチャージャが設けられた内燃機関において、モータジェネレータによって発電された電力を蓄えるバッテリの充電状態に関わらず、過給圧... 詳細

  • 株式会社SUBARUの「 航空機用レシプロエンジンの過給システム、航空機用レシプロエンジン及び航空機」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】ターボチャージャーで多段過給を行う航空機用のレシプロエンジンにおいてターボラグを低減させることである。【解決手段】実施形態に係る航空機用レシプロエンジンの過給システムは、航空機用レシプロエンジ... 詳細

  • マツダ株式会社の「 エンジンの制御装置」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】エンジン冷間時におけるエミッション性能の悪化を抑制する。【解決手段】電動過給機53と、排気浄化触媒61と、排気浄化触媒61の活性状態を検出又は推定する手段と、エンジン本体10の有効圧縮比を変化... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ