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技術 帯状超電導シートから形成された超電導磁気遮蔽体

出願人 高圧ガス工業株式会社東洋アルミニウム株式会社
発明者 杉岡孝雄井上勝大谷光平佐藤学久田健次横手隆昌
出願日 1993年1月19日 (27年5ヶ月経過) 出願番号 1993-024835
公開日 1994年8月5日 (25年10ヶ月経過) 公開番号 1994-216565
状態 特許登録済
技術分野 物理蒸着 超電導ディバイスとその製造方法 電場又は磁場に対する装置又は部品の遮蔽 超電導導体及びその製造方法
主要キーワード 環状積層体 筒底面 円筒支持体 開口部端縁 冷間圧延シート 環状磁気 磁気遮蔽体 切開線
関連する未来課題
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図面 (4)

目的

Nb−Ti合金層と金属Al層との積層体から大径の円筒超電導磁気遮蔽体を形成するには、積層体に広幅圧延板から切り出すか、または円環状積層体拡径加工する必要があり、歩留の低下や複雑な加工を要し、現実的でない。また、小さな積層板筒状支持体の表面に多数貼り合わせる方式は、筒軸に平行な磁力線に対して超電導体閉ループが形成できず遮蔽能力が低下する。本発明は狭幅の積層体シートから、任意断面形状の筒状磁気遮蔽体を作ることを目的とする。

構成

Nb−Ti合金層を含む帯状圧延シート長手方向中央部を切開して閉環状シートを形成し、この閉環状シートを単位磁気遮蔽体として、所要形状支持体に多数覆設して、筒状の大型超電導磁気遮蔽体となす。

概要

背景

Nb−Ti合金などの超電導体とCu又はAlなど常電導性金属との多層積層体を、液体ヘリウム温度下で冷却して、超電導磁気遮蔽体に利用する技術は公知であり(特開昭61−183979号公報)、また、このNb−Ti積層体から形成したディスク円環板を多数重積した円筒体が、外部の強磁界遮蔽して、中空部磁界とする磁気遮蔽体も既に開示した(特開平2−97098号公報)。

磁気遮蔽体用のNb−Ti積層体は、Nb−Ti合金層間に介装されるAl又はCu等の常電導性金属層が、Nb−Ti合金層に浸透する磁束の流動の際に発する熱をヘリウム液相に伝導して冷却することにより、Nb−Ti合金層のフラックスジャンプを防止し、さらにNb−Ti合金層を20μm以下の薄層にし且つ多層に積層することによって、Nb−Ti積層体全体の最大磁気遮蔽磁界を大幅に増加させることは、既に開示した。

このNb−Ti積層体には、シート基板の表面にNb−Ti合金と金属Alとを交互にスパッタリングにより蒸着して形成する多層蒸着シートが利用されていた。この多層蒸着シートは、Nb−Ti合金層を層厚み1μm以下の極めて薄く形成し得て、安定性に優れた磁気遮蔽体を構成できる。さらに、Nb−Tiの板又は箔の両面に金属Al層接着して冷間圧延により形成し三層構造長尺シートを提案しているが(特開平3−283475号公報)、このシートから切り出した円環板(箔)を積層して円筒状の磁気遮蔽体に形成することも実施されている。この圧延シートは、層厚みに限界があるが、Nb−Ti合金層中に、冷間加工組織として多量の格子欠陥を導入し、且つ冷間加工後時効処理によりα−Tiの多数の微細粒子析出させることにより、臨界遮蔽電流密度を高めて磁気安定性を改善することが可能となった。

他方、管状の磁気遮蔽体では、Nb−Ti管とCu管とを同軸状に交互に挿嵌して、熱間で管圧延する圧着方法も知られ、このような多層同軸管をもって、磁気遮蔽体とする技術もある(特開平3−273700号)。

概要

Nb−Ti合金層と金属Al層との積層体から大径の円筒状超電導磁気遮蔽体を形成するには、積層体に広幅圧延板から切り出すか、または円環状積層体拡径加工する必要があり、歩留の低下や複雑な加工を要し、現実的でない。また、小さな積層板筒状支持体の表面に多数貼り合わせる方式は、筒軸に平行な磁力線に対して超電導体の閉ループが形成できず遮蔽能力が低下する。本発明は狭幅の積層体シートから、任意断面形状の筒状磁気遮蔽体を作ることを目的とする。

Nb−Ti合金層を含む帯状圧延シートの長手方向中央部を切開して閉環状シートを形成し、この閉環状シートを単位磁気遮蔽体として、所要形状支持体に多数覆設して、筒状の大型超電導磁気遮蔽体となす。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
5件

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請求項1

超電導体層常電導金属層とから成る積層体帯状シートをその長手方向に切開して、接合部のない閉環状シートとなし、当該閉環状シートをもって単位磁気遮蔽体となした環状超電導磁気遮蔽体

請求項2

超電導体層と常電導金属層とから成る積層体の帯状シートをその長手方向中央に折線部をもって2重折りとなし、両端部を残して当該折線部を切開して、一対の帯状部片を形成し、該一対の帯状部片を相反対側に湾曲して閉環状シートとなし、当該閉環状シートをもって単位磁気遮蔽体となした環状超電導磁気遮蔽体。

請求項3

超電導体層と常電導金属層とから成る積層体の帯状シートから一体に形成された閉環状シートであつて、当該閉環状シートは、両端部を共通し且つ相互に分離した一対の帯状部片が相反対方向に湾曲して成り、当該閉環状シートをもって単位磁気遮蔽体となした環状超電導磁気遮蔽体。

請求項4

上記単位磁気遮蔽体を複数層に積層して成る請求項1乃至3いずれか記載の環状超電導磁気遮蔽体。

請求項5

請求項1乃至4いずれか記載の環状超電導磁気遮蔽体を、筒状の支持体の周面に、筒軸方向に共軸状に並列して、覆設したことを特徴とする筒状超電導磁気遮蔽体。

請求項6

上記支持体の周面に並列して覆設した第1の環状超電導磁気遮蔽体の外周に第2の環状超電導磁気遮蔽体を並列して覆設し、第1の環状超電導磁気遮蔽体の相近接する周縁が第2の環状超電導磁気遮蔽体の周体により被覆されて成る請求項5記載の筒状超電導磁気遮蔽体。

請求項7

上記の超電導体層がNb−Ti合金層で、常電導金属層がCu層若しくはAl層であり、且つ、上記帯状シートが上記積層体を冷間圧延して成る請求項1乃至3いずれか記載の環状超電導磁気遮蔽体。

請求項8

上記帯状シートが上記積層体を冷間圧延工程後に時効熱処理してα−Ti相析出して成る請求項1乃至3いずれか記載の環状超電導磁気遮蔽体。

請求項9

上記の超電導体層がNb−Ti合金層、NbN化合物層及びNbN−TiN混晶体層のいずれか一種の層で、上記常電導金属層がCu層若しくはAl層であり、且つ、上記帯状シートはシート基板に当該超電導体層と当該常電導金属層とが交互にスパッター蒸着して形成された積層体から成る請求項1乃至3いずれか記載の環状超電導磁気遮蔽体。

技術分野

0001

本発明は、帯状超電導体シートから形成する大径の超電導磁気遮蔽体に関する。

背景技術

0002

Nb−Ti合金などの超電導体とCu又はAlなど常電導性金属との多層積層体を、液体ヘリウム温度下で冷却して、超電導磁気遮蔽体に利用する技術は公知であり(特開昭61−183979号公報)、また、このNb−Ti積層体から形成したディスク円環板を多数重積した円筒体が、外部の強磁界遮蔽して、中空部磁界とする磁気遮蔽体も既に開示した(特開平2−97098号公報)。

0003

磁気遮蔽体用のNb−Ti積層体は、Nb−Ti合金層間に介装されるAl又はCu等の常電導性金属層が、Nb−Ti合金層に浸透する磁束の流動の際に発する熱をヘリウム液相に伝導して冷却することにより、Nb−Ti合金層のフラックスジャンプを防止し、さらにNb−Ti合金層を20μm以下の薄層にし且つ多層に積層することによって、Nb−Ti積層体全体の最大磁気遮蔽磁界を大幅に増加させることは、既に開示した。

0004

このNb−Ti積層体には、シート基板の表面にNb−Ti合金と金属Alとを交互にスパッタリングにより蒸着して形成する多層蒸着シートが利用されていた。この多層蒸着シートは、Nb−Ti合金層を層厚み1μm以下の極めて薄く形成し得て、安定性に優れた磁気遮蔽体を構成できる。さらに、Nb−Tiの板又は箔の両面に金属Al層接着して冷間圧延により形成し三層構造長尺シートを提案しているが(特開平3−283475号公報)、このシートから切り出した円環板(箔)を積層して円筒状の磁気遮蔽体に形成することも実施されている。この圧延シートは、層厚みに限界があるが、Nb−Ti合金層中に、冷間加工組織として多量の格子欠陥を導入し、且つ冷間加工後時効処理によりα−Tiの多数の微細粒子析出させることにより、臨界遮蔽電流密度を高めて磁気安定性を改善することが可能となった。

0005

他方、管状の磁気遮蔽体では、Nb−Ti管とCu管とを同軸状に交互に挿嵌して、熱間で管圧延する圧着方法も知られ、このような多層同軸管をもって、磁気遮蔽体とする技術もある(特開平3−273700号)。

発明が解決しようとする課題

0006

筒状の超電導磁気遮蔽体を円環状の板から積層して形成する場合は、所望の内径及び外径並びに高さに任意に調整できるので、磁気遮蔽体の形成に有利である。

0007

近年、超電導マグネットを利用した機器の大型化に伴って、磁気遮蔽体も内径20cm〜2mもの大型のものが必要とされるに至り、そこで円環状のNb−Ti積層板も大径のものが必要となってきた。

0008

しかるに、大径の磁気遮蔽体を上記円環板から形成するとなると、広幅の積層圧延シートを必要とし、さらに、内径のくり抜き部分が大きくて歩留が悪いと言う問題があった。。また、上記同軸管を利用する場合には、拡径のための複雑な圧延工程を要し、現実的ではなかった。

0009

大径の磁気遮蔽体を、円筒状支持体の外面に帯状の積層シートを多数回捲着して形成することもできるが、円筒の軸心方向磁力線に対して磁気遮蔽を行なうには、超電導体であるNb−Ti合金層は軸心廻りの遮蔽電流が流れるように円周方向に短絡している必要がある。そこで、積層体のシートの両端部を、相隣接するNb−Ti合金層同士が接触するように、超電導性低融点合金接合する方法もあるが、この接合部での僅かの電気抵抗によって発熱し局部的な常電導転移によって、磁気遮蔽能不安定化消失が生じるなどの問題があった。

0010

本発明は、以上の問題に鑑み、Nb−Ti合金などの超電導体層とCu又はAlなどの常電導性金属層との積層体に成形容易な冷間圧延シート又は多層蒸着シートを利用して、これら狭幅長尺シートから所望の任意径に形成された筒状磁気遮蔽体を提供しようとするものである。

0011

本発明の超電導磁気遮蔽体は、超電導体層と常電導金属層とから成る積層体の帯状シートを、その長手方向に切開して、接合部のない閉環状シートとなし、当該閉環状シートをもって単位磁気遮蔽体となした環状超電導磁気遮蔽体である。

0012

本発明の閉環状シートは、超電導体層と常電導金属層とから成る積層体の帯状シートから一体に形成されるが、帯状シートをその長手方向中央に折線部をもって2重折りとなし、両端部を残して当該折線部を切開して、一対の帯状部片を形成し、該一対の帯状部片を相反対側に湾曲して閉環状となしたもので、この閉環状シートをもって単位磁気遮蔽体とするものである。

0013

また、当該閉環状シートは、両端部を共通し且つ相互に分離した一対の帯状部片が相反対方向に湾曲して成り、当該閉環状シートをもって単位磁気遮蔽体とするものでもよい。

0014

本発明には、このような単位磁気遮蔽体を複数層に積層して環状に形成された超電導磁気遮蔽体が含まれ、また、この環状超電導磁気遮蔽体を、筒状の支持体の周面に、且つ筒軸方向に並設して覆設し固定して筒状に形成した超電導磁気遮蔽体が含まれる。

0015

このような筒状の磁気遮蔽体として、特に、上記支持体の周面に並列して覆設した第1の環状超電導磁気遮蔽体の外周に第2の環状超電導磁気遮蔽体を並列して覆設し、第1の環状超電導磁気遮蔽体の相近接する周縁が第2の環状超電導磁気遮蔽体の周体により、被覆されて形成されるものがある。各環状超電導磁気遮蔽体の超電導層同士を非接触状態として、第1及び第2の環状超電導磁気遮蔽体が配置されているものが、好ましい。

0016

帯状シートは、上述のような冷間圧延シート又は多層蒸着シートが利用できる。まず、冷間圧延シートについては、超電導体層にはNb−Ti合金層を利用し、常電導金属層には、Cu層若しくはAl層を利用して、上記積層体を冷間圧延して帯状シートにしたものが好適に採用される。この帯状シートは、積層体を圧下率25〜99%の強度の圧延をし、その冷間圧延工程後に時効熱処理してNb−Ti合金層中にα−Ti相微細粒子を析出分散させたものが特によい。

0017

他方、多層蒸着シートの場合は、超電導体層としてNb−Ti合金、NbN化合物及びNbN−TiN混晶体のいずれか一種の層を、上記常電導金属層としてCu層若しくはAl層を、適当幅の長尺シート基板に交互にスパッター蒸着して上記帯状シートに形成された積層体から成るものが利用される。

0018

本発明の超電導磁気遮蔽体を、図面に基づいて以下に、説明する。図1は、同図(D)に示すようなNb−Ti合金層40とAl層41との3層積層体から冷間圧延により帯状シート10を成形し、この帯状シート10から閉環状シート1に形成した単位磁気遮蔽体を示したものである。

0019

図1(A)に示す帯状シート10には、両端部21,22を除いて、長手方向のほぼ中央線上に切開部6を設けてあり、両端部21,22の折れ線5上で2重に折りたたむと、図1(B)に示すように、共通の両端部21,22に一体に取着された一対の帯状部片11,13が形成され、この一対の帯状部片11,13を湾曲させると、帯状部片11,13の切開部6が開口部端縁となる閉環状シート1を形成でき、この閉環状シート1をもって、単位磁気遮蔽体にする。閉環状シート1には、外側に、帯状シート10の端部21、22が耳状に残る。

0020

図1(B)において、閉環状シート1の開口部を貫通する方向の磁力線9が作用した場合には、シート1を構成するNb−Ti超電導体層40を流れる遮蔽電流91は、一対の帯状部片11、13と耳状の両端部21、22及びその曲折部5を流れるように閉ループを形成し、この遮蔽電流91が、外部磁界を遮蔽するように作用する。そして、閉ループ91を形成するNb−Ti超電導体層40には、接続部がないので、経時的安定度の高い永久電流が流れる。

0021

図1(C)は、図1(A)に示した帯状シート10によって構成した他の態様の閉環状シート1を示す。この場合、切開部6を設けた帯状シート10の一対の帯状部片11,13をシート面法線方向に互いに湾曲状に変位させて、環状に開口したもので、この場合も、閉環状シート1廻りにNb−Ti超電導体層40を流れる遮蔽電流91の閉ループが形成され、当該超電導体層40には同様に接続部がない。

0022

閉環状シート1を円形に形成した場合、その内径は、帯状シート10の切開部6の長さによって定まるので、帯状シート10の長さを適宜選ぶことにより、シート幅に関係なく、任意の大きさの直径の環状磁気遮蔽体にできる。

0023

帯状シート10に上述のようなα−Ti相析出冷間圧延シートを利用すると、この冷間圧延シートは、圧延方向の最大遮蔽電流密度がその垂直方向のそれより大きいと言う異方性を示すのであるが、切開線6が圧延方向7と平行であるので、閉環状シート1廻りの超電導電流ループ91はその大部分が圧延方向7に平行に流れ(図1(B))、従って最大遮蔽磁界を高めることが可能となる。他方、端部21,22は当該超電導電流ループ91が圧延方向7と概ね直交するが、この端部長さを相対的に大きくして遮蔽電流密度を相対的に低減することにより、この磁気不安定性から逃れることができる。従って本発明の超電導磁気遮蔽体は、素材の帯状シート10の圧延方向に最大遮蔽電流を増加させるような異方性があるほど優れた磁気遮蔽能を発現する。

0024

図2(A)は、図1(B)の閉環状シート1を3枚重ねて積層した単位磁気遮蔽体としてなしたものを示すが、多数枚の閉環状シート1を重ね合わせることによって、多層の閉環状シートとなして、磁気遮蔽能を大きくすることができる。

0025

図2(B)は、閉環状シート1の外周に耳状に突出した端部21、22を、外周面添着するように折り畳んだものである。

0026

図2(C)は、多層閉環状シート1の単位磁気遮蔽体3から形成した円筒状の超電導磁気遮蔽体8を示しているが、円筒状の支持体80(通常は、アルミニウム製)の外周に、4列の単位磁気遮蔽体3a・・・を外覆並設して第1の超電導磁気遮蔽体とする。次いで、この第1の超電導磁気遮蔽体の単位磁気遮蔽体3a・・・の外周に、3列の単位磁気遮蔽体3b・・・を外覆並設して第1の超電導磁気遮蔽体としたものである。この場合、単位磁気遮蔽体3を形成する閉環状シート1の積層数が多いほど、軸方向の磁界に対する磁気遮蔽能が増大するので好ましい。

0027

また、外側の第2の磁気遮蔽体を成す単位磁気遮蔽体3b・・・が内側第2の磁気遮蔽体を構成して相隣接する単位磁気遮蔽体3a・・・の当接した周縁やその隙間を覆うように配置するのが、半径方向の磁界に対する磁気遮蔽能が増大する。この場合、各環状超電導磁気遮蔽体3a・・・,3b・・・の超電導層40同士を非接触状態として、第1及び第2の環状超電導磁気遮蔽体が配置されていることが、筒状遮蔽体の各部での半径方向の最大遮蔽磁界を均一化するのに好ましい。超電導層40同士を非接触状態とするのは、単位磁気遮蔽体の環状シート1に超電導体層40と常電導金属層41との積層体シートを使用するので、容易に実現できる。

0028

閉環状シート1は、通常は可撓性があり、また閉環状シート1の内径あるいは開口部の大きさは、帯状シート10からの形成の際の切開部6の長さを調節するか若しくは、閉環状シート1の外周に突出した端部21、22の折り畳み長さを調整して自由に調整できるから、支持体80の形状を磁気遮蔽空間の形状に合致するように適宜選んで、所望の形状及び大きさの超電導磁気遮蔽体に形成するとができる。例えば、支持体80を、四角筒状や太鼓胴状等所望の筒状にあるいはその筒底面部分球面状又は鏡板状に選んで、その外周または内周に上記閉環状シート1を被着して、磁気遮蔽体とするのである。

0029

上記実施例は、帯状の圧延シートから形成された閉環状シート1を利用した例を示したが、帯状シートとしては、スパッタリングによる積層シートも同様に利用できる。この場合には、長尺のAl箔に、Nb−Ti合金層とAl層とを1μm厚み以下に交互にスパッタ蒸着して、多層の蒸着層を形成し、この多層蒸着シートを所定長さに裁断し、長手方向に切開して閉環状シート1とするのである。

0030

図3には、帯状シート10の切開を工夫したさらに大径の単位磁気遮蔽体が示されている。この例は、同図(A)に示すように、帯状シート10にその一端を切り欠く第1の切開部61がシート長手方向の中央部に設けられ、当該第1の切開部61により切開かれた端部21,22を切り残して、第2の切開部62が第1の切開部61の端部を迂回するように長手方向に設けられたもので、図3(B,C)に示すように、展開すると、大径の閉環状シート1が得られ、これを単位磁気遮蔽体として、同様に、積層すると、筒状の超電導磁気遮蔽体を構成することができる。

0031

次に、本発明の超伝導磁気遮蔽体の磁気遮蔽能を以下のように調べた。帯状シート10は、Nb−Ti合金層の両面にAl層を接合して、冷間圧延により成形した幅50mmの三層構造の箔(Nb−Ti層厚34μm、Al層厚8μm、時効焼鈍材)を長さ150mmに切断し、長手方向の中央線上に90mm長さの切開をして、直径約50mm、高さ25mmの閉環状シート1を形成し、次いで、図2(A)に示すように、この閉環状シート1を10枚重ね合わせて、単位磁気遮蔽体3とした。

0032

単位磁気遮蔽体3を、図2(C)に示すように、アルミニウム製の外径50mm、高さ120mm、厚み3mmの円筒支持体80の外周に、上層及び下層の2層に計7列にわたり低温用接着剤により覆設接着して、超電導磁気遮蔽体8を形成した。

0033

液体ヘリウム中において、超電導マグネットの軸心上に配置して、磁気遮蔽体の中空部内にホール素子磁気センサーを固定して、磁界を印加した。上記単位磁気遮蔽体3単独では、軸方向の外部磁界5000Gまでは、中空部内は実質的に零磁界にすることができた。又、上記の超電導磁気遮蔽体8は、軸方向及び径方向の外部磁界約1Tに対して、中空部内は中心軸状で実質的に零磁界に遮蔽することができた。

0034

次に、外形400mm、高さ350mm、厚さ3mmのステンレス鋼製支持体の外周に上記3層構造のNb−Ti圧延シートを用いて大型の磁気遮蔽体を試作して、磁気遮蔽能力を調べた。

0035

組立は、幅100mmの上記圧延シートの長手方向に切開線をいれて、直径400mm、高さ50mmの閉環状シートを形成し、この閉環状シート20枚重積して形成した単位磁気遮蔽体6列を支持体の外周に低温用接着剤で軸方向に被着して、磁気遮蔽体とした。

0036

試験結果は、液体ヘリウム温度において、磁気遮蔽体の軸方向の磁場1500Gに対して中空部内は実質的に零磁界にすることができた。

発明の効果

0037

本発明の筒状の超電導磁気遮蔽体は、超電導体層と常電導金属層との積層体の閉環状シートを利用するが、閉環状シートは当該積層体の狭幅帯状シートから形成され、その開口部の寸法形状は、帯状シートの幅に依存せず、単に帯状シートの中央部切開長さにより決められるので、任意の大きさの閉環状シートが簡便に得られ、従って、超電導体層を含む素材の大きさに限定されず、大型の超電導磁気遮蔽体が製作できる。

0038

また、帯状シートから単位磁気遮蔽体を形成する際に、超電導材料の歩留がよく、複雑な熱間加工機械加工を必要とせず、簡便に目的形状の磁気遮蔽体が得られる。

図面の簡単な説明

0039

図1超電導体層と常電導金属との積層体の帯状シートの平面図(A)、当該帯状シートから形成した閉環状シートの斜視図(B、C)及び当該帯状シートの積層構造を示す断面図(D)。
図2閉環状シートの斜視図(A、B)と、当該閉環状シートを組み合わせて構成した円筒状超電導磁気遮蔽体の斜視図(C)。
図3切開された帯状シート(A)と、展開して閉環状シート(B、C)との斜視図。

--

0040

1閉環状シート
10帯状シート
21、22 端部
3 単位磁気遮蔽体
6切開部(縁)
8超電導磁気遮蔽体
80 支持体

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