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技術 スクラップ溶解を利用した低燐溶銑の製造方法

出願人 JFEエンジニアリング株式会社
発明者 井上明彦小松喜美川上正弘亀水晶狛谷昌紀
出願日 1992年12月25日 (28年0ヶ月経過) 出願番号 1992-346049
公開日 1994年7月12日 (26年5ヶ月経過) 公開番号 1994-192716
状態 未査定
技術分野 炭素鋼又は鋳鋼の製造 銑鉄の精製;鋳鉄の製造;転炉法以外の製鋼 炭素鋼又は鋳鋼の製造
主要キーワード 酸化損失 精錬温度 溶銑輸送容器 燐含有量 チャージ毎 次溶解 精錬剤 攪拌用ガス
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1994年7月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

目的

本発明は、転炉、または、転炉形式精錬容器を用いスクラップの大量溶解を利用した低燐溶銑の製造方法を目的とする。

構成

転炉、または、転炉形式の精錬容器を用い、1回の脱燐精錬で溶解可能な量よりも多い量のスクラップを予め一括投入し、脱燐精錬を複数回行うことを特徴とする低燐溶銑の製造方法である。

概要

背景

溶銑脱燐精錬においては精錬温度低温であるほど熱力学的に有利とされているため、溶銑が凝固することや製鋼作業等の次工程での製鋼精錬等の障害が生じない範囲で、処理温度を可及的低温とする。このため、溶銑と共にスクラップを使用して溶銑温度を可及的に低温とすることがコスト的にも有利である。従って、スクラップの溶解を促進させることが重要である。

スクラップの溶解を促進させる方法としては、例えば特開昭63−286507号公報にみられるように炭材を添加して熱付加をするものや、特開平1−147011号公報に見られるようにスクラップのサイズならびに形状を溶解しやすいように加工し、また、精錬中の攪拌強化する方法等がある。これらの従来技術中、炭材を添加して熱付加する方法は、精錬時間が延長して精錬能率が低下するうえに、CO2 排出量が増加して環境に悪影響を及ぼす。スクラップのサイズならびに形状を加工する方法は、コストが上昇しする。精錬中の攪拌を強化する方法は、脱燐に必要なスラグ酸素含有量が溶銑中のCの酸化により低下するという問題があった。

概要

本発明は、転炉、または、転炉形式精錬容器を用いスクラップの大量溶解を利用した低燐溶銑の製造方法を目的とする。

転炉、または、転炉形式の精錬容器を用い、1回の脱燐精錬で溶解可能な量よりも多い量のスクラップを予め一括投入し、脱燐精錬を複数回行うことを特徴とする低燐溶銑の製造方法である。

目的

本発明は、精錬時間の延長、スクラップ加工工程、溶銑中Cの酸化損失等を生じることなくスクラップの大量溶解を利用した低燐溶銑の製造方法を目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

下記の工程を備えたことを特徴とする低燐溶銑の製造方法(a)転炉、又は転炉形式精錬容器を用意し、(b)前記転炉、又は転炉形式の精錬容器に所定量の溶銑と1回の脱燐処理で溶解可能な重量よりも多い重量のスクラップ装入し、(c)続いて、所定の脱燐精錬を行ない、(d)未溶解のスクラップを炉内に残留させて、溶解している低燐溶銑を排出し、(e)所定重量の溶銑を再び前記転炉、又は転炉形式の精錬容器に装入し、脱燐精錬を行なう。

請求項2

前記転炉、又は転炉形式の精錬容器に代えて、電気炉を使用することを特徴とする請求項1記載の低燐溶銑の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、転炉または、転炉形式精錬容器を用いるスクラップの大量溶解を利用した低燐溶銑の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

溶銑脱燐精錬においては精錬温度低温であるほど熱力学的に有利とされているため、溶銑が凝固することや製鋼作業等の次工程での製鋼精錬等の障害が生じない範囲で、処理温度を可及的低温とする。このため、溶銑と共にスクラップを使用して溶銑温度を可及的に低温とすることがコスト的にも有利である。従って、スクラップの溶解を促進させることが重要である。

0003

スクラップの溶解を促進させる方法としては、例えば特開昭63−286507号公報にみられるように炭材を添加して熱付加をするものや、特開平1−147011号公報に見られるようにスクラップのサイズならびに形状を溶解しやすいように加工し、また、精錬中の攪拌強化する方法等がある。これらの従来技術中、炭材を添加して熱付加する方法は、精錬時間が延長して精錬能率が低下するうえに、CO2 排出量が増加して環境に悪影響を及ぼす。スクラップのサイズならびに形状を加工する方法は、コストが上昇しする。精錬中の攪拌を強化する方法は、脱燐に必要なスラグ酸素含有量が溶銑中のCの酸化により低下するという問題があった。

発明が解決しようとする課題

0004

本発明は、精錬時間の延長、スクラップ加工工程、溶銑中Cの酸化損失等を生じることなくスクラップの大量溶解を利用した低燐溶銑の製造方法を目的とする。

0005

(1)下記の工程を備えたことを特徴とする低燐溶銑の製造方法である。(a)転炉、又は転炉形式の精錬容器を用意し、(b)前記転炉、又は転炉形式の精錬容器に所定量の溶銑と1回の脱燐処理で溶解可能な重量よりも多い重量のスクラップを装入し、(c)続いて、所定の脱燐精錬を行ない、(d)未溶解のスクラップを炉内に残留させて、溶解している低燐溶銑を排出し、(e)所定重量の溶銑を再び前記転炉、又は転炉形式の精錬容器に装入し、脱燐精錬を行なう。
(2)前記転炉又は転炉形式の精錬容器に代えて、電気炉を使用することを特徴とする(1)記載の低燐溶銑の製造方法。

0006

本発明は、スクラップを予め大量に転炉等に装入して精錬を行うため、精錬容器内に残留するスクラップは十分予熱された状態になり、次の精錬以降でのスクラップは溶解容易となる点を利用した低燐溶銑の製造方法である。

0007

本発明の精錬方法図1及び図2によって説明する。図1の転炉1に精錬2回分以上の重量のスクラップ2と精錬1回分の溶銑3を装入し、所定量の精錬剤酸素を添加して脱燐精錬を行う。脱燐精錬を実施した後、転炉1を傾動し、精錬後の溶銑4を溶銑輸送容器5へ排出する。この際、溶解しなかったスクラップ6を転炉1内に残したまま次に精錬する溶銑7を装入し脱燐精錬を実施する。

0008

こうして、精錬後のスクラップ残留量が無くなるまで精錬を繰返す。精錬1回あたりのスクラップ溶解は図2に示す挙動をとる。ここで図2を説明する。図2スクラップ装入後の精錬回数と精錬1回あたりのスクラップ溶解量を示す図である。

0009

この図はヒートサイズ350ton転炉においてスクラップの寸法を500mm×220mm×500mmとして添加した場合における精錬1回あたりのスクラップ溶解量(ton数)を示す。本図でパラメータKは精錬中の平均温度(℃)×精錬時間(分)を意味する。Kが20000である場合とは、例えば精錬時間が1400℃で12分継続し、その後2分間は1350℃で推移した場合、図2に示す係数Kは1400×12+1350×2≒20000である。

0010

このような温度挙動においては、図2から第1回の精錬では10ton溶解する。次に、第2回目の精錬では約25ton溶解する。同様に3回目の精錬では35ton溶解し、4回及び5回の精錬では、それぞれ40tonのスクラップが溶解する。以上のようなことを示す。

0011

同様にKが10000の時及びKが30000の場合にはそれぞれ図に示すような1回当たりのスクラップ溶解量を示す。この図から従来の精錬法、即ち各ヒート毎にスクラップを装入する方法では350ton転炉において1回の溶解量は10tonにすぎない。しかし、予め初回において150tonのスクラップを装入したとすれば1回目で10ton、2回目で25ton、3回目で35ton、4回,5回目ではそれぞれ40ton溶解する。

0012

従って、このような精錬では、平均のスクラップ溶解量は30tonである。従って従来の精錬法に比較し約3倍のスクラップ溶解が可能となる。即ち本精錬においては安価なスクラップを予め大量に投入しておき順次溶解することにより1チャージあたりの平均の溶解量を約3倍とすることができる。

0013

以上がスクラップの溶解量の各チャージ毎の挙動を示すものである。この場合、所定量の石灰生石灰蛍石酸化鉄等の一般的な精錬剤を添加し、あわせて主に酸素を上吹きし、精錬剤を溶解しつつ脱燐を行なう。

0014

この精錬時間は、通常350ton転炉で約12分である。なお転炉とは、通常の上吹き酸素転炉、或いは上吹き酸素と炉底からアルゴンまたは窒素などの攪拌用ガスを吹き込む転炉などをいう。転炉形式の精錬容器とはほぼ転炉に従来の転炉の形式をとりながら、主に溶銑の脱燐処理を行う脱燐用転炉などを意味する。尚、本発明においては低燐すなわち燐含有量の低い溶銑を製造し、この溶銑を次の脱炭工程により最終的に目的とする鋼に精錬する。本発明の脱燐精錬錬は、電気炉においても実施できることは、当業者に自明である。

0015

精錬容量350ton転炉に、150tonの板状スクラップ(寸法500mm×500mm×220mm)と340tonの溶銑を装入し(図1左上)、表1に示す精錬剤を添加し、あわせて酸素を添加して脱燐処理を実施した(図1右上)。約12分の脱燐精錬後転炉を傾動し、処理後の溶銑を溶銑輸送容器に排出した(図1左下)。この際溶解したスクラップは前述の図2に示すとおり約10tonであり140tonのスクラップが転炉炉内に残留した。そこで更に325tonの溶銑を装入し脱燐精錬を実施する。こうしてスクラップ残留量が無くなるまで精錬を繰り返す。

0016

この点を具体的に説明すると
第1回の脱燐精錬…340tonの溶銑と150tonのスクラップにより350tonの低燐溶銑が製造される。
第2回目の精錬…325tonの溶銑と残留する140tonのスクラップとから350tonの低燐溶銑が製造できる。図2に示すとおり約25tonのスクラップが溶解したためである。
第3回の精錬…315tonの溶銑と残留した115tonのスクラップから350tonの低燐溶銑が製造できる。図2から35tonのスクラップが溶解したためである。

0017

第4回目の精錬…310tonの溶銑と残留した80tonのスクラップとから350tonの低燐溶銑が製造できる。この理由は図2から約40tonのスクラップが溶解したためである。
第5回の精錬…310tonの溶銑と残留した約40tonのスクラップから350tonの低燐溶銑が製造できる。この理由も図2に示すとおり第5回の精錬では約40tonのスクラップが溶解するためである。

0018

以上の結果、最初のスクラップの約150tonが5回の脱燐精錬によって溶解されたことになり、従って1チャージ平均約30tonのスクラップが溶解したことになる。この場合における脱燐精錬前における溶銑成分と脱燐精錬後における溶銑成分を表2に示した。表2から溶銑の燐含有量0.110wt%は精錬後0.012wt%と低下し、次の脱炭反応工程においては脱燐精錬をする必要が解消した。なお表1に使用した精錬剤の原単位を示す。この精錬剤の使用量は脱燐平衡と精錬の温度を考慮して定められた量であり、かつこの量であれば目的とする前述の脱燐精錬が可能となるからであった。

0019

0020

発明の効果

0021

本発明によれば、溶銑脱燐精錬中に、スクラップの溶解と次の脱燐精錬中におけるスクラップの余熱を同時に実施できる。このため、精錬時間の延長やスクラップ加工の手間費用、或いは溶銑中のCの酸化損失の増加を生じることなくスクラップの溶解を促進させることができる。一般的にスクラップのコストは溶銑に比べて低いため、及び溶銑温度を低く保つことが出来るため、経済的に低燐溶銑を製造できることになる。また、この発明の副次的効果は、スクラップ装入に要する時間の短縮及びそのことによる精錬能率の向上が得られる。

図面の簡単な説明

0022

図1発明の実施例における一連の精錬工程を示す図である。
図2本発明における脱燐精錬1回あたりのスクラップ溶解量を示した図である。

--

0023

1転炉
2スクラップ
3脱燐精錬前の溶銑
4 脱燐精錬後の溶銑
5溶銑輸送容器
6 未溶解のスクラップ
7 次の脱燐精錬用の溶銑

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