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技術 フィードバック式加工条件補正装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 加藤千智
出願日 1992年12月26日 (28年0ヶ月経過) 出願番号 1992-358239
公開日 1994年7月12日 (26年5ヶ月経過) 公開番号 1994-190686
状態 特許登録済
技術分野 工作機械の自動制御 数値制御 数値制御
主要キーワード 補正計算式 受信許可状態 最終補正値 中間期間 目標回数 変動時期 補正カウンタ 不一致量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1994年7月12日)のものです。
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図面 (20)

目的

加工されたワークの寸法誤差フィードバックすることにより、次に加工されるべきワークの加工条件補正する装置において、手動補正自動補正より優先させ、かつ、手動補正の直後であっても自動補正の精度が確保されるようにする。

構成

エンジンクランクシャフトジャーナル面円筒研削する加工システムと共に使用されるフィードバック式の定寸点補正装置を、作業者キーボード50を操作するのに応じて定寸装置14がそれの定寸点を補正するとともに、ワークの寸法を測定する全数測定機16による測定値に基づいて制御装置20が定寸装置14の定寸点を自動補正するものとする。さらに、その制御装置20を、手動補正が行われたならば自動補正を中断し、その手動補正の影響を受けたワークが全数測定機16により測定される時期以後に自動補正を再開するものとする。

概要

背景

上記フィードバック加工条件補正装置の一形式として次のようなものが既に存在する。これは、(a) 複数のワークの各々を順に加工する加工機と、(b) 外部から供給される補正値に基づいて加工機の加工条件を決定し、その決定した加工条件に従ってその加工機を制御する加工機制御手段と、(c) 加工機により加工された複数のワークの各々の寸法を順に測定する測定機とを備えた加工システムのそれら加工機制御手段と測定機とに接続されて使用されるべきフィードバック式加工条件補正装置であって、測定機による測定値に基づき、加工機により次に加工されるべきワークの加工条件の補正値を自動補正値として逐次決定して加工機制御手段に供給する自動補正を行う自動補正手段を含むものである。

概要

加工されたワークの寸法誤差をフィードバックすることにより、次に加工されるべきワークの加工条件を補正する装置において、手動補正を自動補正より優先させ、かつ、手動補正の直後であっても自動補正の精度が確保されるようにする。

エンジンクランクシャフトジャーナル面円筒研削する加工システムと共に使用されるフィードバック式の定寸点補正装置を、作業者キーボード50を操作するのに応じて定寸装置14がそれの定寸点を補正するとともに、ワークの寸法を測定する全数測定機16による測定値に基づいて制御装置20が定寸装置14の定寸点を自動補正するものとする。さらに、その制御装置20を、手動補正が行われたならば自動補正を中断し、その手動補正の影響を受けたワークが全数測定機16により測定される時期以後に自動補正を再開するものとする。

目的

このような事情背景とし、請求項2の発明は、前記請求項1の発明を上記案出したフィードバック式加工条件補正装置に適用した場合の一態様を提供することを課題としてなされたものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

(a) 複数のワークの各々を順に加工する加工機と、(b) 外部から供給される補正値に基づいて前記加工機の加工条件を決定し、その決定した加工条件に従ってその加工機を制御する加工機制御手段と、(c) 前記加工機により加工された複数のワークの各々の寸法を順に測定する測定機とを備えた加工システムのそれら加工機制御手段と測定機とに接続されて使用されるべきフィードバック式加工条件補正装置であって、作業者指令に基づき、前記加工機により次に加工されるべきワークの前記加工条件の補正値を手動補正値として決定して前記加工機制御手段に供給する手動補正を行う手動補正手段と、前記測定機による測定値に基づき、前記加工機により次に加工されるべきワークの前記加工条件の補正値を自動補正値として逐次決定して前記加工機制御手段に供給する自動補正を行い、前記手動補正手段により手動補正が行われたならばその自動補正を中断し、その手動補正手段から前記加工機制御手段に供給された手動補正値の影響を受けた前記加工条件に従って加工されたワークが前記測定機により測定される時期以後に自動補正を再開する自動補正手段とを含むことを特徴とするフィードバック式加工条件補正装置。

請求項2

前記自動補正手段が、前記測定機による測定値を逐次蓄積し、最新の測定値のみならずその蓄積された過去の測定値にも基づいて前記自動補正値を逐次決定して前記加工機制御手段に供給する自動補正を行い、前記手動補正手段により手動補正が行われたならばその自動補正を中断し、その手動補正手段から前記加工機制御手段に供給された手動補正値の影響を受けた前記加工条件に従って加工されたワークが前記測定機により測定される時期以後に、前記測定値の蓄積を無蓄積状態から再開して自動補正を再開するものである請求項1記載のフィードバック式加工条件補正装置。

技術分野

0001

本発明は、加工されたワークの寸法誤差に関する情報をフィードバックすることにより次に加工されるべきワークの加工条件補正するフィードバック式加工条件補正装置に関するものである。

背景技術

0002

上記フィードバック式加工条件補正装置の一形式として次のようなものが既に存在する。これは、(a) 複数のワークの各々を順に加工する加工機と、(b) 外部から供給される補正値に基づいて加工機の加工条件を決定し、その決定した加工条件に従ってその加工機を制御する加工機制御手段と、(c) 加工機により加工された複数のワークの各々の寸法を順に測定する測定機とを備えた加工システムのそれら加工機制御手段と測定機とに接続されて使用されるべきフィードバック式加工条件補正装置であって、測定機による測定値に基づき、加工機により次に加工されるべきワークの加工条件の補正値を自動補正値として逐次決定して加工機制御手段に供給する自動補正を行う自動補正手段を含むものである。

発明が解決しようとする課題

0003

本出願人の研究により、加工条件の補正を自動補正にのみ依存する場合には、ワークの寸法に関する品質を向上させるのに限度があり、部分的に手動補正に依存することが加工品質向上にとって大切であることが判明した。

0004

手動補正が必要となる場合には例えば、加工機における加工具交換されたために加工誤差急変する場合が挙げられる。自動補正は基本的には、加工誤差はほぼ連続的に変化することを前提として実行されるため、加工誤差が急変する場合にはそれほど高い精度で加工条件を補正することができないからである。

0005

加工機と測定機との間にその測定機による測定を待つワークが存在することを許容する加工システムが存在し、このような加工システムにおいて測定を待つワークが存在する場合には、加工機に何らかの異常が発生しても、その異常の影響を受けたワークが測定機に到達するまでは、その異常を発見することができず、その異常を解消するための自動補正を行うこともできない。そこで、加工機によるワークの加工直後にワークの加工誤差を定期的にチェックし、異常を迅速に発見することが提案されており、この場合にも、そのチェック結果に応じて、加工条件を迅速に補正するために、手動補正が必要となる。

0006

このような知見に基づき、請求項1の発明は、フィードバック式加工条件補正装置において、自動補正のみならず手動補正も可能とすることを課題としてなされたものである。

0007

ところで、本出願人は先に、前記形式のフィードバック式加工条件の一態様として次のようなものを案出し、特願平4−61305号,特願平4−235402号等の明細書に開示した。それは、前記自動補正手段が、測定機による測定値を逐次蓄積し、最新の測定値のみならずその蓄積された過去の測定値にも基づいて自動補正値を逐次決定して加工機制御手段に供給する自動補正を行うものであるフィードバック式加工条件補正装置である。

0008

なお、ここに「最新の測定値のみならずその蓄積された過去の測定値にも基づいて自動補正値を逐次決定する」とは例えば、 今回の測定値とワークの目標寸法との差である今回の誤差値とそれの変化傾向とに基づいて自動補正値を逐次決定する態様や、 今回の測定値とそれの変化傾向とその変化傾向の変化傾向とに基づいて自動補正値を逐次決定する態様や、 今回の測定値の真の値を過去の測定値に基づいて推定し、その推定した真の値を今回の測定値とみなして自動補正値を逐次決定する態様などを意味する。なお、ここに「今回の誤差値の変化傾向」とは例えば、今回の誤差値と前回の誤差値との差である今回の微分値であり、また、「その変化傾向の変化傾向」とは例えば、今回の微分値と前回の微分値との差である今回の2回微分値である。

0009

このような事情背景とし、請求項2の発明は、前記請求項1の発明を上記案出したフィードバック式加工条件補正装置に適用した場合の一態様を提供することを課題としてなされたものである。

課題を解決するための手段

0010

請求項1の発明は、図1に示すように、前記加工機1,加工機制御手段2および測定機3を備えた加工システムと共に使用されるべき形式のフィードバック式加工条件補正装置を、(a)作業者指令に基づき、加工機1により次に加工されるべきワークの前記加工条件の補正値を手動補正値として決定して加工機制御手段2に供給する手動補正手段4と、(b) 測定機3による測定値に基づき、加工機1により次に加工されるべきワークの加工条件の補正値を自動補正値として逐次決定して加工機制御手段2に供給する自動補正を行い、手動補正手段4により手動補正が行われたならばその自動補正を中断し、その手動補正手段4から加工機制御手段2に供給された手動補正値の影響を受けた加工条件に従って加工されたワークが測定機3により測定された時期以後に自動補正を再開する自動補正手段5とを含むものとしたことを特徴とする。

0011

なお、ここにおける「手動補正手段4」は例えば、手動補正値を直接に加工機制御手段2に供給する態様としたり、自動補正手段5を介して間接に加工機制御手段2に供給する態様とすることができる。

0012

また、ここにおいて「自動補正を中断する」とは、自動補正値の決定および、その自動補正値の加工機制御手段2への供給のうちの少なくとも供給を中断することを意味する。

0013

また、ここにおいて「自動補正を再開する」とは、「自動補正を中断する」態様が自動補正値の決定も供給も中断するものである場合には、それら決定も供給も再開することを意味し、一方、「自動補正を中断する」態様が自動補正値の供給のみを中断するものである場合には、その供給のみを再開することを意味する。

0014

また、ここにおいて「その手動補正値の影響を受けた加工条件に従って加工されたワークが測定機3により測定される時期」とは、前記加工システムが加工機と測定機との間にその測定機による測定を待つワークが存在することを許容するものであって、このような加工システムにおいてその測定を待つワークが実際に存在する場合には、普通、「その手動補正値の影響を受けた加工条件に従って加工された複数のワークのうち先頭のものが測定機3により測定される時期」を意味する。

0015

また、ここにおいて「その手動補正値の影響を受けた加工条件に従って加工されたワークが測定機3により測定された時期以後に」とは、「測定された時期と同じ時期に」か、または「測定された時期より後の時期に」を意味する。

0016

請求項2の発明は、請求項1の発明における自動補正手段5を、測定機3による測定値を逐次蓄積し、最新の測定値のみならずその蓄積された過去の測定値にも基づいて自動補正値を逐次決定して加工機制御手段2に供給する自動補正を行い、手動補正手段4により手動補正が行われたならばその自動補正を中断し、その手動補正手段4から加工機制御手段2に供給された手動補正値の影響を受けた加工条件に従って加工されたワークが測定機3により測定される時期以後に、測定値の蓄積を無蓄積状態から再開して自動補正を再開するものとしたことを特徴とする。

0017

請求項1および2の各発明に係るフィードバック式加工条件補正装置においてはいずれも、手動補正手段4により、作業者の指令に基づき、加工機1により次に加工されるべきワークの加工条件の補正値が手動補正値として決定されて加工機制御手段2に供給される。

0018

さらに、自動補正手段5により、測定機3による測定値に基づき、加工機1により次に加工されるべきワークの加工条件の補正値が自動補正値として逐次決定されて加工機制御手段2に供給される。ただし、手動補正手段4により手動補正が行われた場合には、自動補正手段5により、それの自動補正が中断され、手動補正手段4から加工機制御手段2に供給された手動補正値の影響を受けた加工条件に従って加工されたワークが測定機3により測定された時期以後に自動補正が再開される。

0019

すなわち、手動補正が自動補正より優先して実行されるとともに、自動補正においては、それに先行する手動補正の影響を受けたワークより前方のワーク、すなわち手動補正の影響を受けていないワークについての測定値ではなく、手動補正の影響を受けたワークについての測定値に基づいて自動補正値が決定されるのである。したがって、例えば、加工機1と測定機3との間にその測定機3による測定を待つ待機ワークが存在する場合であっても、手動補正の影響を受けていない待機ワークについての測定値の影響を受けることなく自動補正値が決定されることとなるから、手動補正の直後であっても自動補正の精度が確保されるのである。

0020

特に、請求項2の発明に係るフィードバック式加工条件補正装置においては、自動補正手段5により、測定機3による測定値が逐次蓄積され、最新の測定値のみならずその蓄積された過去の測定値にも基づいて自動補正値が逐次決定されて加工機制御手段2に供給される。ただし、手動補正手段4により手動補正が行われた場合には、自動補正手段5により、それの自動補正が中断され、手動補正手段4から加工機制御手段2に供給された手動補正値の影響を受けた加工条件に従って加工されたワークが測定機3により測定された時期以後に、測定値の蓄積が無蓄積状態から再開されて自動補正が再開される。

0021

すなわち、自動補正においては、それに先行する手動補正の影響を受けたワークより前方のワーク、すなわち手動補正の影響を受けていないワークについての測定値は蓄積されず、手動補正の影響を受けたワークについての測定値が蓄積されるのである。したがって、加工機1と測定機3との間にその測定機3による測定を待つワークが存在するか否かを問わず、手動補正の影響を受けていないワークについての測定値は蓄積されないから、手動補正の直後であっても自動補正の精度が確保されるのである。

発明の効果

0022

以上の説明から明らかなように、請求項1および2の各発明によれば、自動補正のみならず手動補正を行うことも可能となり、しかも、手動補正の直後であっても自動補正の精度が確保されるため、フィードバック式加工条件補正装置の信頼性が向上するという効果が得られる。

0023

特に、請求項2の発明によれば、蓄積した過去の測定値にも基づいて自動補正が行われるフィードバック式加工条件補正装置において、手動補正の直後であっても自動補正の精度が確保されるという効果が得られる。

0024

以下、請求項1および2の発明に共通の一実施例であるフィードバック式の定寸点補正装置を図面に基づいて詳細に説明する。

0025

この定寸点補正装置は、自動車エンジンクランクシャフトを加工すべきワークとし、それに予め形成されている複数のジャーナル面の各々を加工部位として円筒研削する加工システムと共に使用される。ここにクランクシャフトとは、図2に示すように、互いに同軸的に並んだ7個の外周円筒面(以下、単に「円筒面」という)であるジャーナル面を有するワークである。

0026

加工システムは、具体的には、図3に示すように、加工ライン,加工機10,2個のインプロセス測定機12(図には1個として示す),定寸装置14,モータコントローラ15,全数測定機16,ワーク数カウンタ18,制御装置20,補助記憶装置22等から構成されており、以下、それら要素について個々に説明する。

0027

加工ラインは、図において矢印付きの太い実線で表されており、複数のワークが一列に並んで上流側から下流側に向かって(図において左側から右側に向かって)搬送されるものである。

0028

加工機10は、クランクシャフトの7個のジャーナル面の各々に対し、加工具としての円形状の砥石により、円筒研削を行うものである。具体的には、図4に示すように、複数の砥石が同軸的に並んだ砥石群30とクランクシャフトとを接触回転させることにより、7個のジャーナル面すべてに対して同時に円筒研削を行うマルチ研削盤である。以下、その構成を簡単に説明する。

0029

加工機10は、ワークのためのワークテーブル32を備えている。このワークテーブル32は加工機10の図示しない主フレームに取り付けられている。ワークテーブル32には、ワークをそれの軸線回りに回転可能に保持する保持装置(図示しない)とその保持されたワークを回転させるワークモータ34とが設けられている。

0030

加工機10はさらに、砥石群30のための前進後退テーブル36とスイングテーブル38とを備えている。前進・後退テーブル36は前記主フレームに、前記ワークテーブル32に保持されているワークに対する直角な方向における往復運動が可能な状態で取り付けられている。一方、スイングテーブル38は、その前進・後退テーブル36に、砥石軸線(図において一点鎖線で示す)上にそれに直交する状態で設定されたスイング軸線(図において紙面に直角な方向に延びる直線)を中心としたスイングが可能(右回転左回転も可能)な状態で取り付けられている。前進・後退テーブル36の前進・後退は主フレームに固定の前進・後退モータ40により、スイングテーブル38のスイングは前進・後退テーブル36に固定のスイングモータ42によりそれぞれ実現される。

0031

すなわち、この加工機10においては、砥石軸線とワークの回転軸線との成す角度(以下、「切込み角」という)がスイングモータ42により調整可能なのである。

0032

前記2個のインプロセス測定機12はこの加工機10に取り付けられている。それらインプロセス測定機12はそれぞれ、図2に示すように、1個の円筒面を外周両側から挟む一対の測定子を有し、電気マイクロメータ方式によりその円筒面の直径を測定するものである。それらインプロセス測定機12は、7個のジャーナル面について個々に用意されているわけではなく、同図に示すように、両端のジャーナル面、すなわち第1ジャーナル面と第7ジャーナル面(以下、「2個の端円筒面」ともいう)についてのみ用意されている。

0033

前記定寸装置14は、図4に示すように、それらインプロセス測定機12にそれぞれ接続されている。定寸装置14は、CPU,ROM,RAMおよびバスを含むコンピュータ主体として構成されていて、加工機10による研削中、2個の端円筒面のそれぞれの直径を各インプロセス測定機12を介して監視し、それら各端円筒面における残存切込み量最終寸法に到達するまでに切り込むことが必要な量)が各設定量(各端円筒面ごとに存在する)に到達したときにはその旨の信号(以下、「設定量到達信号」という)を、各最終寸法すなわち各定寸点(各端円筒面ごとに存在する)に到達したときにはその旨の信号(以下、「定寸点到達信号」という)を前記モータコントローラ15に各端円筒面に関連付けてそれぞれ出力する。

0034

定寸装置14はまた、各定寸点の補正が可能に設計されている。具体的には、前記制御装置20から各補正値U(各端円筒面ごとに存在する)が供給されれば、現在の各定寸点にその各補正値Uを加算することによって現在の各定寸点を更新し、供給されなければ現在の各定寸点をそのままに維持するように設計されている。すなわち、定寸装置14は、制御装置20により定寸点が自動補正されるようになっているのである。

0035

定寸装置14には図3に示すように、キーボード50が接続されており、そのキーボード50が作業者により操作されると、定寸装置14は、その操作に応じた手動補正値だけ現在の定寸点を変更する手動補正を行うようにも設計されている。定寸装置14はまた、最新の手動補正値と定寸点とをそれぞれ自身のRAMに記憶するとともに、自発的に制御装置20に送信する。ただし、制御装置20は定寸装置14からそれら最新の手動補正値と現在の定寸点とを常に受信するわけではないため、定寸装置14は制御装置20が受信を許すときに限って送信を行うことになる。

0036

前記モータコントローラ15は図4に示すように、それら定寸装置14,前進・後退モータ40等に接続されている。モータコントローラ15は、作業者からの指令や定寸装置14からの信号等に基づき、前進・後退モータ40等を制御する。

0037

ところで、加工機10は、粗研,精研,スパークアウト等のいくつかの段階を順に経て一回の円筒研削を終了する。粗研は、前記残存切込み量が前記設定量に達するまで実行され、精研は、直径が前記定寸点に達するまで実行される。定寸装置14から各端円筒面ごとに供給されるべき2個の設定量到達信号はその供給時期が一致しないのが普通であり、モータコントローラ15は、粗研段階では、信号供給時期の不一致量に応じて前進・後退モータ40およびスイングモータ42を制御し、これにより、前記切込み角を適正に制御する。また、精研においては、それに先立つ粗研において切込み角が適正となっているはずであるから、モータコントローラ15は、前進・後退モータ40のみを運転させることにより、砥石群30のワークへの切込みを続行し、2個の端円筒面のいずれかについてでも定寸点到達信号が供給されれば、前進・後退モータ40を停止させ、スパークアウトを行った後に、前進・後退モータ40を逆回転させることにより砥石群30をワークから後退させる。なお、精研段階でも切込み角を制御するようにすることもできる。

0038

前記全数測定機16は、図3に示すように、加工ラインの、加工機10の下流側に配置されている。全数測定機16は、1個のワークにおける円筒面の数と同数ポストプロセス測定機44を有し、前記インプロセス測定機12と同じ方式により、加工機10から搬出されたワークすべてについて順に、円筒面すべてについて個々に直径を測定する。この全数測定機16が前記制御装置20の入力側に接続されている。

0039

前記ワーク数カウンタ18は、同図に示すように、加工ライン上において加工機10と全数測定機16との間にその全数測定機16による測定を待つ待機ワークの数を測定するものである。ワーク数カウンタ18は、加工機10からのワークの搬出を検出する第1センサ(例えば、リミットスイッチ等)46と、全数測定機16へのワークの搬入を検出する第2センサ(例えば、リミットスイッチ等)48とに接続されていて、第1センサ46によりワーク搬出が検出されるごとに待機ワーク数カウント値を1ずつ加算し、一方、第2センサ48によりワーク搬入が検出されるごとにそのカウント値を1ずつ減算し、これにより、待機ワーク数の現在値を測定する。

0040

前記制御装置20は、CPU,ROM,RAMおよびバスを含むコンピュータを主体として構成されており、そのROMにおいて定寸点補正ルーチンを予め記憶させられている。また、この制御装置20は、前記補助記憶装置22にも接続されていて、全数測定機16から入力された測定値X,それに基づいて決定した補正値U等をすべて保存するように設計されている。一連の加工の終了後に作業者がその加工状況診断する際などに使用するためである。

0041

上記定寸点補正ルーチンの主要部が図5〜10にフローチャートで表されており、それら図に基づいて制御装置20の構成を説明するが、まず、概略的に説明する。

0042

この制御装置20は、全数測定機16により測定された寸法に基づく寸法情報をフィードバックすることにより、加工機10により次に加工されるべきワークについての定寸点の補正値Uを決定するものである。この加工システムにおいては、加工機10と全数測定機16との間に寸法測定を待つワークが存在することを許容するように設計されている。そのため、この制御装置20は、入力信号が補正値U、出力信号が寸法情報であるとともにそれら入力信号と出力信号との間にむだ時間MSが存在する制御システムを想定し、フィードバック式で定寸点を補正する。すなわち、本実施例においては、定寸点が各請求項の発明における「加工条件」の一態様なのである。

0043

この制御装置20における処理の流れを、簡単に説明すれば、図11に示すようになる。

0044

まず、第1ステップとして、全数測定機16から測定値Xが入力され、続いて、第2ステップとして、その測定値Xから隣接間ばらつきを除去するために、今回までに取得された測定値Xに対して移動平均値Pが算出される。コンピュータのRAMには、測定値X等が蓄積される演算データメモリ(図示しない)が設けられており、それに蓄積されている測定値Xに基づいて移動平均値Pが算出される。

0045

次に、第3ステップとして、その移動平均値Pに対して両端直径補正(後に詳述する)が行われ、さらに、第4ステップとして、その両端直径補正が行われた複数の移動平均値P(これも演算データメモリに蓄積される)に基づき、今回の誤差値R,微分値Tおよび2回微分値Dがそれぞれ寸法情報として算出される。その後、第5ステップとして、その寸法情報と、ワーク数カウンタ18により測定された待機ワーク数(前記むだ時間MSに相当する)とに基づき、ファジィ演算によって補正値Uが算出される。続いて、第6ステップとして、その補正値Uが、それの連続性が考慮されることによって補正され、さらに、第7ステップとして、その補正値Uが、定寸装置14との関係において設定された不感帯内にあるか否かが判定され、不感帯内になければ、第8ステップとして、その補正値Uが定寸装置14に送信される。

0046

また、この制御装置20においては、全数測定機16によりワークが測定されるごとに今回の補正値Uを決定する連続的補正ではなく、間欠的に決定する間欠的補正が採用されている。また、補正値Uが間欠的に補正されるに伴って、演算データメモリも間欠的にクリアされる。

0047

なお、この制御装置20には、ワークの7個のジャーナル面すべてについて個々に測定値Xが入力されるが、基本的には、第1ジャーナル面および第7ジャーナル面のそれぞれの測定値X、すなわち、各端円筒面の測定値Xに基づいて、前記定寸装置14における各端円筒面に対応する補正値Uがそれぞれ決定される。

0048

以上、この制御装置20の全体の流れを簡単に説明したが、以下、この流れにおける各概念について個々に詳しく説明する。

0049

まず、移動平均値Pの算出について説明する。

0050

測定値Xは全数測定機16により時系列データとして取得され、多くの隣接間ばらつきを含んでいる。そこで、本実施例においては、隣接間ばらつきを除去してワークの真の寸法を推定するために、今回の測定値Xおよび前回までに取得された最新の少なくとも1個の測定値Xにつき、図12グラフで概念的に示すように、重み付きの移動平均値Pが算出され、それが測定値Xの真の値として使用される。なお、このグラフにおいて「i」は、全数測定機16により測定されたワークの数(以下、「測定ワーク数」という)を表している。他のグラフにおいても同様である。

0051

この移動平均値Pは原則として、次のようにして算出される。すなわち、今回までに取得された最新のK(2以上の固定値)個の測定値Xに基づき、次式(K=5の場合)で表される如き計算式を用いて今回の移動平均値Pi が算出されるのである。

0052

0053

しかし、この原則を貫くときは、演算データメモリに蓄積されている測定値Xの数がK個に達しない間は、移動平均値Pを算出することができず、図13に示すように、これを用いて算出されるべき誤差値Rも微分値Tも算出することができないこととなり、ひいては、新たな補正値Uを決定することができない時間が長くなってしまう。なお、この図は、左側から右側に向かうにつれて測定ワーク数iが増加することとして表されている。後述の図14および図15についても同様である。

0054

そこで、本実施例においては、演算データメモリに蓄積されている測定値Xの数がK個に達しない場合には、達する場合とは異なる特別の規則に従って、移動平均値Pが算出される。

0055

その特別の規則には置換型移動平均値算出規則可変型移動平均値算出規則とがある。以下、詳しく説明する。

0056

まず、置換型移動平均値算出規則は、図14に示すように、存在する予定のK個の移動平均値Pのうち実際には存在しないものの各々を、各移動平均値Pが取得されるべき回と同じ回に取得された測定値Xそのもので置換するという規則である。これは、同じ回に取得される測定値Xと移動平均値Pとは本来互いに近似するという性質に基づくものであって、この規則に従って移動平均値Pを算出することを置換型移動平均値算出という。

0057

この置換型移動平均値算出においては、各回の移動平均値Pの置換が行われた時期が、その後においてはじめて原則通りに移動平均値Pが算出された時期から少し前であるか、かなり前であるかを問わず、移動平均値Pを測定値Xで置換することによって仮想的に取得することは可能である。しかし、この場合には、次のような問題がある。すなわち、1個の微分値Tを算出するのに使用されるL個の移動平均値Pにおいて仮想的に算出された移動平均値Pが占める割合が多いほど、その微分値Tの精度が低下し、ひいては補正値Uの精度も低下するおそれがあるという問題があるのである。

0058

この問題を解決するためには、1個の微分値Tを算出するのに使用される仮想的な移動平均値Pの数を制限すればよい。同図の例は、そのような制限が付された例であって、この場合には、最新の正規の移動平均値Pより過去に3回の間に限り(すなわち、置換制限数Zが3個)、仮想的な移動平均値Pの算出が許容されている。このように制限を付された場合には、たとえ置換型移動平均値算出をしても、演算データメモリに蓄積されている測定値Xの数が少ない間は、移動平均値Pを算出することができない。

0059

一方、可変型移動平均値算出規則は、測定値Xの数(Kより小さい数)の各々について個別に重み付き移動平均値計算式を用意し、演算データメモリに蓄積されている測定値Xの数に合致する計算式を選択し、それを用いて移動平均値Pを取得するという規則である(図15参照)。この規則に従って移動平均値Pを算出することを可変型移動平均値算出という。ここに個別に用意される重み付き移動平均値計算式には例えば次のようなものを選ぶことができる。

0060

0061

この例においては、演算データメモリに蓄積されている測定値Xの数が1個であっても、移動平均値Pの算出が可能である。したがって、この例においては、演算データメモリに蓄積されている測定値Xの数が少ないから移動平均値Pを算出することはできないという事態は起こらない。

0062

なお、本実施例においては、以上のような移動平均値Pの特別な手法による算出(以下、特別移動平均値算出という)の実行の許否が作業者によって指令され、さらに、その特別移動平均値算出が指令される場合には、その種類の選択も作業者からの指令に応じて行われるようになっている。すなわち、特別移動平均値算出指令が出されている場合には必ず、置換型移動平均値算出指令と可変型移動平均値算出指令とのいずれかが出されるようになっているのである。

0063

ここで、上記重み付き移動平均値算出式における重み係数bの決定手法について説明する。

0064

各重み係数bの値は、原変動である測定値Xの中から除去すべき成分波周波数との関係において決定されるが、例えば、各重み係数bの値を、それが乗じられるべき測定値Xが最新の測定値Xに対して新しいものであるほど、ほぼ比例的に増加するように決定することができる(図12参照)。例えば、前述の、bi-4 ,bi-3 ,bi-2 ,bi-1 およびbi をそれぞれ、1,2,3,4および5とすることができるのである。

0065

また、加工機10と全数測定機16との間に存在する待機ワークの数が0であるか、または0でなくてもそれがほとんど変化しない場合のように、移動平均によって測定値Xの中から除去すべき成分波の周波数がほとんど変化しない場合には、各重み係数bの値を例えば次のようにして決定することができる。

0066

まず、原変動である測定値Xの中から除去すべきs個の成分波の各々の角振動数をω1 ,ω2 ,・・・,ωj ,・・・,ωs とし、次式を作る。

0067

0068

そして、この式の係数1,as-1 ,・・・,a0 ,・・・,as-1 ,1のうちの1〜a0 をそれぞれ、重み係数bi-s ,bi-(s-1),・・・,bi に決定するのである。

0069

この制御装置20が接続される加工システムにおいては、前述のように、ワークの全円筒面のうちの2個の端円筒面の直径にのみ基づいて砥石群30が作動させられる。そのため、2個の端円筒面の測定値Xのみを考慮し、それ以外の円筒面の測定値Xを考慮しないで定寸点を補正する場合には、各円筒面の加工精度がそれの全体において十分に均一にならない場合がある。

0070

そこで、本実施例においては、この問題を解決するために次のような技術が採用されている。すなわち、図16にグラフで概念的に示すように、ワークにおける各円筒面の軸方向位置(図に「1J」〜「7J」で表す)と各円筒面の直径(すなわち、移動平均値P)とが比例関係にあると仮定し、2個の端円筒面の測定値Xをそれぞれ補正するという両端直径補正という技術が採用されているのである。

0071

この両端直径補正の一具体例は、次のようである。すなわち、両端直径補正計算式として、

0072

0073

なる式が採用され、これを用いることにより、各端円筒面の移動平均値Pの修正値が算出されるのである。ただし、
x:ジャーナル面の番号(第1ジャーナル面から第7ジャーナル面に向かって1から7まで付されている)
x′:7個のxの値の平均値
y:xの各値における移動平均値Pの修正値
P:xの各値における移動平均値Pの計算値
P′:7個の移動平均値Pの計算値の平均値

0074

具体的には、第1ジャーナル面については、上記式の「x」に1を代入することによって、移動平均値Pの修正値y1 が取得され、また、第7ジャーナル面については、「x」に7を代入することによって、移動平均値Pの修正値y7 が取得される。

0075

なお、本実施例においては、この両端直径補正の実行の許否も作業者によって指令されるようになっている。

0076

また、本実施例においては、移動平均値Pに対して両端直径補正が行われるようになっているが、移動平均値Pの基礎となる測定値Xそのものに対して両端直径補正を行うこともできる。

0077

ワークについて取得する寸法情報には、前述のように、誤差値Rのみならず、それの微分値Tとその微分値Tの微分値である2回微分値Dとがある。誤差値Rは「寸法誤差」の一態様であり、微分値Tは「寸法誤差の変化傾向」の一態様であり、2回微分値Dは「変化傾向の変化傾向」の一態様である。

0078

このように、誤差値R以外のパラメータにも基づいて補正値Uを決定することとしたのは、誤差値Rのみに基づいて補正値Uを決定する場合より、それの微分値Tまたは2回微分値Dにも基づいて補正値Uを決定する場合の方が、加工機10の実際の状態をより正確に推定することができ、定寸点の補正精度が向上するからである。なお、誤差値Rのみならず微分値Tにも基づいて補正値Uを決定する技術は、本出願人の特願平4−61305号として出願されており、また、さらに2回微分値Dにも基づいて補正値Uを決定する技術は、本出願人の特願平4−235402号として出願されている。

0079

微分値Tは、図17にグラフで概念的に示すように、原則として、今回取得された誤差値Rおよび前回までに取得された最新の少なくとも1個の誤差値Rから成るL(2以上の固定値)個の誤差値Rが測定ワーク数iの増加に対してほぼ比例すると仮定し、それらL個の誤差値Rが適合する1次回帰線を特定し、それの勾配を微分値T(1次回帰線の傾きをθラジアンとした場合のtan θに一致する)として取得される。

0080

具体的には、1次回帰線の式として、例えば、

0081

0082

なる式が採用される。ただし、
x:測定ワーク数iの値
x′:L個のxの値の平均値
y:xの各値における誤差値Rの真の値
R:xの各値における誤差値Rの計算値
R′:L個の誤差値Rの計算値の平均値
そして、

0083

0084

の値が、微分値Tとなる。しかし、この原則を貫くと、移動平均値Pの算出の場合と同様に、演算データメモリに蓄積されている誤差値Rの数がL個に達しない場合には、微分値Tを算出することができない。

0085

そこで、本実施例においては、移動平均値Pの算出の場合に準じて、移動平均値Pの数(Lより小さい数)の各々について個別に1次回帰線の式を用意し、演算データメモリに蓄積されている誤差値Rの数に合致する式を選択し、それを用いて微分値Tを取得するという技術が採用されている。

0086

なお、本実施例においては、可変型微分値算出の実行の許否も作業者によって指令されるようになっている。

0087

2回微分値Dは微分値Tと同様にして算出される。すなわち、今回までに取得された最新のQ(2以上の固定値)個の微分値Tが測定ワーク数iの増加に対してほぼ比例すると仮定し、それらQ個の微分値Tが適合する1次回帰線を特定し、それの勾配を2回微分値D(1次回帰線の傾きをθラジアンとした場合のtanθに一致する)として取得する。

0088

なお、本実施例においては、2回微分値Dの使用の許否も作業者によって指令されるようになっている。

0089

また、本実施例においては、この2回微分値Dについては、微分値Tに係る可変型微分値算出に相当する技術は採用されていないが、採用することはもちろん可能である。

0090

この制御装置20においては、補正値Uの決定のために、間欠的補正,むだ時間考慮型補正,ファジィ演算(図11の第5ステップ),連続性考慮(同図の第6ステップ)および不感帯考慮(同図の第7ステップ)なる技術が採用されている。以下、それらについて個々に詳しく説明する。

0091

(1)間欠的補正
定寸点補正に際し、全数測定機16によりワークの寸法が測定されるごとに、加工機10により次に加工されるべきワークの定寸点の補正値Uを決定する連続的補正なる補正手法を採用することができる。しかし、この連続的補正を採用する場合には次のような問題がある。すなわち、全数測定機16により測定されるワークすべてについて個々に補正値Uを決定しなければならないため、制御装置20に大きな負担がかかってしまうという問題があるのである。

0092

この問題を解決するため、本実施例においては、間欠的補正なる補正手法が採用されている。

0093

この間欠的補正を図18にグラフで概念的に示す。このグラフは、加工機10と全数測定機16との間に複数の待機ワークが存在する場合に取得されるものであり、このグラフにおいて「測定おくれ」とは、加工機10と全数測定機16との間の待機ワークの数に相当する。また、「Ui 」は今回の補正値を、「Ui+1」は次回の補正値をそれぞれ表している。したがって、今回の補正値Ui の影響は測定おくれの後にはじめて寸法誤差に現れ、また、同様に、次回の補正値Ui+1 の影響も測定おくれの後にはじめて寸法誤差に現れることとなる。また、このグラフは、複数のワークを順に、互いに同じ定寸点の下で加工した場合にはそれら各ワークの寸法誤差が測定ワーク数iの増加に対してほぼ比例的に増加すると仮定した場合に取得されるものでもある。なお、それらの事情は以下のグラフにおいても同様である。

0094

この間欠的補正を実施する方式として本出願人は2つの態様を案出した。以下、それら各方式について詳しく説明する。

0095

間欠的補正の第1の方式
この定寸点補正装置は、前述のように、加工機10と全数測定機16との間にワークが存在することを許容する加工システムと共に使用されるべきものであるから、前回の補正値Uの影響を受けた定寸点の下で加工されたワークがその直後に全数測定機16により測定されるとは限らず、いくつか別のワークの測定を経た後にはじめて測定される場合もある。したがって、前回の補正値Uの影響を直接に今回の補正値Uに反映させることが必要である場合には、前回の補正値Uの影響を受けた定寸点の下で加工された少なくとも1個のワークが全数測定機16により測定されるごとに、今回の補正値Uを決定することが望ましい。

0096

このような事情を背景として、第1の方式は、図19にグラフで概念的に示すように、全数測定機16による測定値Xを逐次蓄積し、蓄積された測定値Xの数が設定複数個以上となったときに、それら蓄積された最新の設定複数個の測定値Xに基づいて今回の補正値Ui を決定し、その今回の補正値Ui の影響を受けた定寸点の下で加工された少なくとも1個のワークうち最初に全数測定機16により測定されることとなる先頭補正対象ワークがその測定を終了する時期以後に(例えば、その測定の終了直後に)、それの測定値Xの蓄積を無蓄積状態から再開するものとされている。

0097

この方式は例えば、今回の補正値Ui を決定して定寸装置14に送信してから、次回の補正値Ui+1 を決定して定寸装置14に送信するまでの補正間隔期間は、補正値Uを決定せず、定寸装置14における定寸点が同じ値に維持されるような態様として実施することができる。そして、この場合には普通、測定ワーク数iと寸法誤差との間に比例関係が成立するとの前提の下に、今回の補正値Ui の大きさが、その今回の補正値Ui の影響を受けた複数のワークの寸法誤差が全体としてほぼ均一に0に近づくように決定される。

0098

しかし、この実施態様では次のような問題が生ずる。すなわち、各回の補正の実行時期が、測定値Xの実際の変動とは無関係に、測定値Xの蓄積数によって一義的に決まってしまい、各回の補正が本当に必要な時期に実行されないという問題が生ずるのである。

0099

この問題を解決するためには、補正値Uの送信につき、定寸装置14との関係において不感帯を設定し、決定された補正値Uが実質的に0である場合には、その補正値Uの定寸装置14への送信を行わず、演算データメモリをクリアすることなく、新たな測定値Xの取得を待って、補正値Uの決定をやり直せばよい。このようにすれば、各回の補正が本当に必要な時期にタイムリーに実行されることになる。なお、補正値Uに不感帯を設定するという技術は、本出願人の特願平4−278146号として出願されている。

0100

しかし、このようにしても、その各回の補正の終了後に測定値Xに予定外の変化が生じた場合には、その変化に迅速に対応して定寸点を補正することはできない。各回の補正の終了後に測定値Xに予定外の変化が発生した場合には、その予定外の変化は演算データメモリに蓄積されて次回の補正値Ui+1 に反映されるのであって、このように次回の補正まで待たなければその予定外の変化に対応して定寸点を補正することができないのである。そのため、各回の補正の終了後に測定値Xに予定外の変化が生じた場合には、ワークの寸法誤差が十分には0に近づかないという問題がある。

0101

この問題を解決するためには前記第1の方式を次のような態様で実施すればよい。すなわち、図20にグラフで概念的に示すように、一回の間欠的補正を、前記態様における間欠的補正(例えば、図19において「Ui 」を決定すること)である主補正に後続して補助補正を行うものとすることにより、主補正の終了後に測定値Xに発生する予定外の変化に、補助補正により迅速に対応して定寸点を補正する態様で実施すればよいのである。

0102

ここに「主補正」とは、全数測定機16による測定値Xを逐次蓄積し、蓄積された測定値Xの数が設定複数個以上となったときに、それら蓄積された最新の設定複数個の測定値Xに基づいて今回の補正値Uを決定し、それを最終補正値UFとするものである。

0103

また、「補助補正」とは、その主補正の終了後にも測定値Xの蓄積を続行し、その主補正の終了後から(例えば、その主補正の終了直後から)、その主補正の最終補正値UF の影響を受けた定寸点の下で加工された少なくとも1個のワークのうち最初に全数測定機16により測定されることとなる先頭補正対象ワークより1回だけ先に加工されたワークについてその測定が終了する時期以前まで(例えば、その測定の終了時期まで)、その全数測定機16によりワークが測定されるごとに、蓄積された最新の設定複数個の測定値Xに基づき、主補正の最終補正値UF と同じ規則に従って各回の暫定補正値UP を決定し、その決定した各回の暫定補正値UP から前回の補正値(前回が主補正である場合には、その主補正の最終補正値UF 、前回が補助補正のある回である場合には、その回の暫定補正値UP )を引いたものを各回の最終補正値UF に決定するものである。

0104

この補助補正においては、本来であれば、それに先立って行われる主補正の影響を受けたワークの測定値Xに基づいて最終補正値UF が決定されるべきである。しかし、主補正の影響を受けたワークが、加工直後には全数測定機16により測定されず、いくつか別のワークの測定を経た後にはじめて測定される。そこで、本実施例においては、主補正の影響が重複して、次に加工されるべきワークに対応する定寸点に反映されないように、主補正に係る先頭補正対象ワークより1回だけ先に加工されたワークについて測定が終了する時期以前まで、各回の測定値Xに基づいて主補正におけると同じ規則に従って決定した補正値が暫定補正値UP とされ、それから主補正の影響が除去されたものが補助補正の最終補正値UF とされる。以上、主補正と補助補正の初回との関係について説明したが、補助補正におけるある回とその次の回との関係についても同様である。

0105

しかし、これら主補正と補助補正とを行う態様においては、補助補正をそれの属するある回の間欠的補正の終了時期まで必ず実行することとした場合には、制御装置20自身にやや大きな負担がかかるという問題が生ずる。

0106

この問題を解決するためには、補助補正の実行回数を制限すればよい。すなわち、一連の補助補正における最終補正値UF の決定回数を測定し、その測定した決定回数が設定値に達したときにその一連の補助補正を終了すればよいのである。しかし、この対策では、補助補正の終了時期が主補正の終了時期との関係において固定されてしまい、補助補正の実行時期が、主補正の終了後における測定値Xの予定外の変化に対応するのに最適になるとは限らないという問題がある。

0107

この問題を解決するためには、補助補正を次のような態様で実施すればよい。すなわち、補助補正における最終補正値UF にも、主補正における最終補正値UF と同様に、定寸装置14との関係における不感帯を設け、一連の補助補正の当初において決定した最終補正値UF がその不感帯内にある場合には、その最終補正値UF を定寸装置14に送信せず、事実上その一連の補助補正の実行を開始せず、その後決定された最終補正値UF が不感帯から外れた場合に初めて、その最終補正値UF を送信し、その一連の補助補正の実行を開始する態様で実施すればよいのである。

0108

しかし、以上のようにしただけでは、主補正および補助補正の実行時期が測定値Xの変動時期に十分には合致せず、主補正および補助補正が本当に必要な時期に実行されないことがある。このような事態を回避するためには、補助補正を次のような態様で実施すればよい。すなわち、一連の補助補正における最終補正値UF の決定回数が設定値に達したときに、主補正およびその一連の補助補正のうち少なくともその一連の補助補正において決定された複数の最終補正値UF の和が実質的に0でない場合には、その一連の補助補正を終了するが、実質的に0である場合には、少なくとも補助補正の実行時期が適当ではなかったと推定されるから、補助補正を続行し、新たに最終補正値UF の決定回数の測定を0から開始する態様で実施すればよいのである。

0109

そして、本実施例においては、補正値決定の方式として、主補正のみで補助補正を行わない方式と、主補正のみならず補助補正をも行う方式とのいずれかが作業者の指令に応じて選択されるようになっている。すなわち、補助補正指令が出されれば後者の方式が選択され、出されなければ前者の方式が選択されるようになっているのである。

0110

また、本実施例においては、その補助補正の方式として、補助補正の続行を行う方式と、行わない方式とのいずれかが作業者の指令に応じて選択されるようにもなっている。

0111

さらにまた、本実施例においては、その補助補正の続行方式として、続行されるべき補助補正の初回の最終補正値UF について不感帯を考慮して補助補正を続行する方式(以下、「補助補正再開方式」という)と、不感帯を考慮しないで続行する方式(以下、「補助補正延長方式」という)とのいずれかが作業者の指令に応じて選択されるようにもなっている。前者の方式を選択するための指令を補助補正再開指令といい、後者の方式を選択するための指令を補助補正延長指令といい、それら指令のいずれも出されていない場合には、補助補正の続行許可指令が出されていないと判断されるようになっている。

0112

間欠的補正の第2の方式
間欠的補正を上述の第1の方式で実施する場合には、加工機10と全数測定機16との間に待機ワークが存在するときには、今回の補正値Uの決定直後から測定値Xの蓄積を開始することができない。そのため、今回の補正値Uの決定時期から次回の補正値Uの決定時期までにかかる時間(以下、「補正間隔時間」という)は、図19に示すように、その今回の補正値Uに係る先頭補正対象ワークが全数測定機16に到達する時間(加工機10と全数測定機16との間に存在する待機ワークの数の関連する)と、その後測定値Xの蓄積が開始されて設定複数個の測定値Xが蓄積されるまでの時間との和となる。そのため、加工機10と全数測定機16との間に多くの待機ワークが存在することを避け得ないような場合には、補正間隔時間が長くなることを避け得ない。

0113

この第2の方式はこの問題を解決するために案出されたものであって、図21にグラフで概念的に示すように、全数測定機16による測定値Xを逐次蓄積し、蓄積された測定値Xの数が設定複数個以上となったときに、それら蓄積された最新の設定複数個の測定値Xに基づいて今回の補正値Uを決定し、その今回の補正値Uの決定時期以後に(例えば、今回の補正値Uの決定時期直後に)、測定値Xの蓄積を無蓄積状態から再開し、その再開時期から、その今回の補正値Uに係る先頭補正対象ワークより1回だけ先に加工されたワークについてその測定が終了する時期近傍(その時期ちょうど、少し前、または少し後)までの中間期間は、その全数測定機16によりワークが測定されるごとに、各回の実際の測定値Xと今回の補正値Uとに基づき、それら各ワークがその今回の補正値Uの影響を受けた定寸点の下で加工されたと仮定した場合にそれら各ワークについて測定される値を予測し、その予測した測定値Xを実際の測定値Xとみなして蓄積するものである。本実施例においては、その予測の一例として、上記中間期間における実際の測定値Xにその今回の補正値Uを加算することにより、実際の測定値Xを今回の補正値Uだけシフトするデータシフト処理が採用されている。

0114

この第2の方式もまた、前記第1の方式の場合と同様に、一回の間欠的補正が主補正と回数制限付きかつ続行可能な補助補正とを含み(これを図22にグラフで概念的に示す)、かつ、主補正および補助補正について不感帯なる概念が採用され、かつ、補助補正の続行方式の選択が可能な態様として実施されている。そして、本実施例においては、作業者の指令に応じて第1の方式と第2の方式との択一も可能とされている。具体的には、作業者がデータシフト処理を許可するか否かを指令し、許可した場合にはデータシフト処理が、許可しない場合に第1の方式が選択されるようになっている。

0115

なお付言すれば、この第2の方式は、測定値予測技術、すなわち、前回の補正値Uの影響を受けた定寸点の下で加工された少なくとも1個のワークのうち今回の補正値Uが決定された後に全数測定機16により測定されるものの各々につき、それの各回の実際の測定値Xと今回の補正値Uとに基づき、それら各ワークが今回の補正値Uの影響を受けた定寸点の下で加工されたと仮定した場合にそれら各ワークについて取得されるべき測定値を予測するという技術を、間欠的補正に応用することによって取得されたものであるが、この測定値予測技術は、前記連続的補正に応用することもできる。

0116

加工機10と全数測定機16との間に待機ワークが存在する場合には、連続的補正を実行する際においても、前回の補正値Uの影響を受けたワークを直ちに全数測定機16により測定することができないという事情は同じである。そのため、この場合には、実験結果,シミュレーション結果等に基づく統計的手法により、今回の補正値Uを決定することになる。そして、その統計的手法に代えてこの測定値予測技術を利用することができるのである。

0117

(2)むだ時間考慮型補正
全数測定機16による測定を待つ待機ワークの数が変動する場合には、複数のワークを同じ定寸点の下で加工した場合であっても、ワークの寸法誤差が変動する。そこで、本実施例においては、その待機ワークの数をむだ時間MSとして測定し、それに応じて補正値Uの決定規則を変更することにより、各回の補正値Uを決定するむだ時間考慮型補正も採用されている。なお、この技術は、本出願人の特願平4−158787号として出願されている。

0118

なお、本実施例においては、このむだ時間考慮型補正の実行の許否も作業者によって指令されるようになっている。

0119

(3)ファジィ演算を用いた補正値Uの決定
補正値Uは、寸法情報を入力変数としてファジィ演算を行うことによって決定される。

0120

本実施例においては、補正値Uの決定方式として3種類存在する。すなわち、誤差値Rおよび微分値Tのみをそれぞれ入力変数としたファジィ演算による第1の決定方式と、 誤差値R,微分値Tおよび2回微分値Dをそれぞれ入力変数としたファジィ演算による第2の決定方式と、 誤差値R,微分値Tおよびむだ時間MSをそれぞれ入力変数としたファジィ演算による第3の決定方式とが存在するのである。そして、本実施例においては、前記2回微分値使用指令が出された場合には第2の決定方式、前記むだ時間考慮型補正指令が出された場合には第3の決定方式、それら指令がいずれも出されなかった場合には第1の決定方式がそれぞれ選択される。

0121

なお、第1の決定方式の一具体例は本出願人の特願平4−61305号明細書に既に開示され、第2の決定方式の一具体例は本出願人の特願平4−235402号明細書に既に開示され、第3の決定方式の一具体例は本出願人の特願平4−158787号明細書に既に開示されている。

0122

(4)連続性考慮
前述のように、測定ワーク数iの増加につれてワークの寸法誤差がほぼ比例的に増加するのが一般的であるため、定寸点の補正値Uに連続性を持たせること、すなわち、加工の進行につれて滑らかに変化させることがワークの寸法ばらつきを抑制するのに望ましい。そこで、本実施例においては、その事実に着目し、図23にグラフで概念的に示すように、まず、連続性を無視して補正値Uが決定され、それが暫定値(以下、「暫定補正値U」という。なお、前述の暫定補正値UP とは異なる)とされ、今回までに取得された最新のM(2以上の固定値)個の暫定補正値Uが測定ワーク数iの増加に対してほぼ比例すると仮定され、それらM個の暫定補正値Uについて前記の場合と同様な1次回帰線の式が特定される。そして、その式を用いて現在の補正値Uの真の値が推定され、それが補正値Uの最終値(以下、「最終補正値U* 」という。なお、前述の最終補正値UF とは異なる)とされる。なお、この技術は、本出願人の特願平4−61306号として出願されている。

0123

具体的には、1次回帰線の式として、例えば、

0124

0125

なる式が採用される。ただし、
x:測定ワーク数iの値
x′:M個のxの値の平均値
y:xの各値における暫定補正値Uの真の値
U:xの各値における暫定補正値Uの計算値
U′:M個の暫定補正値Uの計算値の平均値

0126

そして、上記式の「x」に今回の測定ワーク数iの値を代入すれば、今回の最終補正値U* が取得されることになる。

0127

なお、本実施例においては、この連続性考慮型補正の実行の許否も作業者によって指令されるようになっている。

0128

また、作業者からその連続性考慮型補正指令が出された場合(ただし、前記2回微分値使用指令は出されていない場合)に測定値Xから最終補正値U* が取得されるまでの過程を代表的に、図24に概念的に図示する。この図は、それの左側から右側に向かうにつれて、測定ワーク数iの値が増加することとして表されている。図から明らかなように、演算データメモリへの測定値Xの蓄積を無蓄積状態から開始する場合には、(K+L+M−2)個の測定値Xが蓄積されたときに初めて1個の最終補正値U* が取得されることになるであり、これが前述の、測定値Xの蓄積に係る「設定複数個」の一態様なのである。

0129

(5)不感帯考慮
前述のように、主補正および補助補正に係る最終補正値U* の送信については、定寸装置14との関係における不感帯が設定され、各回に決定した最終補正値U* がその不感帯内にある場合には、その最終補正値U* の定寸装置14への送信が省略される。この様子を図25にグラフで概念的に示す。

0130

(6) その他
制御装置20は、定寸装置14による手動補正が行われた場合には、手動補正を自動補正より優先させるとともに、手動補正の直後であっても自動補正の精度が確保されるように設計されている。具体的には、制御装置20は、定寸装置14において手動補正が行われたか否かを逐次監視し、行われない場合には自動補正を行うが、行われた場合には自動補正を中断し、その手動補正の影響を受けた定寸点の下で加工された先頭補正対象ワークが全数測定機16により測定される時期以後に、測定値Xの演算データメモリへの蓄積を無蓄積状態から再開して自動補正を再開するようにも設計されている。制御装置20は、自動補正値を決定するために過去の測定値Xをも使用するように設計されており、しかも、この制御装置20が使用される加工システムにおいては加工機10と全数測定機16との間に待機ワークが存在することが許容されることから、手動補正の影響を受けていないワークの測定値Xをその影響を受けたワークの測定値Xと区別することなく蓄積し、その蓄積された測定値Xに基づいて自動補正値を決定することとした場合には、手動補正の影響を受けていないワークの測定値Xにより自動補正値の精度が低下するおそれがあるからである。

0131

また、本実施例においては、定寸装置14における手動補正の有無の監視が、制御装置20の起動当初と、制御装置20が各回の自動補正値を送信しようとするごとにそれに先立って行われるようになっている。制御装置20の起動当初にも定寸装置14における手動補正の有無を監視するのは、制御装置20の停止中に定寸装置14において手動補正が行われることがあるからである。

0132

以上、制御装置20による定寸点補正の内容を概略的に説明したが、以下、定寸点補正ルーチンを表す図5〜10のフローチャートに基づき、具体的に説明する。

0133

まず、図5のステップS1(以下、単に「S1」で表す。他のステップについても同じとする)において、補助記憶装置22から数値や指令がパラメータとして入力される。ここに「数値」とは、前述の、移動平均値Pに係る重み係数bの値,置換制限数Z,補助補正制限数S等を意味し、また、「指令」とは、前述の、特別移動平均値算出指令等を意味する。

0134

続いて、S2において、定寸装置14が最新の手動補正値および定寸点を制御装置20に送信する機能(以下、「手動補正値送信機能」という)を有しているか否かが判定される。ここに、手動補正値送信機能を有する場合とは、定寸装置14が、作業者によりキーボード50を介して定寸装置14に入力された手動補正値およびそれを反映した定寸点を自身のRAMに記憶するのみならず、制御装置20に自発的に送信するように設計されている場合をいい、一方、手動補正値送信機能を有しない場合とは、定寸装置14は、入力された手動補正値およびそれを反映した定寸点を自身のRAMに記憶するのみで、制御装置20に自発的に送信するようには設計されていない場合をいう。

0135

定寸装置14は前述のように、この手動補正値送信機能を有しているため、このS2の判定はYES(図において「Y」で表す。他のステップについても同じとする。)となる。したがって、S3に移行し、ここにおいて、制御装置20が、定寸装置14からの最新の定寸点を表す信号の受信を許可する受信許可状態となり、最新の定寸点が受信される。受信された最新の定寸点は制御装置20のRAMに記憶されるとともに、補助記憶装置22に保存される。

0136

その後、S4において、定寸装置14のRAMのフラグの状態から手動補正があったか否かが判定される。手動補正がなかったと仮定すれば、判定がNOとなり、直ちにS8に移行するが、あったと仮定すれば、判定がYESとなり、S5において、制御装置20が、定寸装置14からの最新の手動補正値を表す信号の受信を許可する受信許可状態となり、その最新の手動補正値が受信される。受信された最新の手動補正値は、制御装置20のRAMに記憶され、さらに補助記憶装置22に保存される。その後、S6において、演算データメモリがクリアされる。手動補正と共に演算データメモリに蓄積されているデータがすべて消去されるのである。その後、S8に移行する。

0137

以上、S2の判定がYESとなる場合について説明したが、仮に定寸装置14が手動補正値送信機能を有していないと仮定すれば、判定がNO(図において「N」で表す。他のステップについても同じとする)となり、S7において、制御装置20が、定寸装置14のRAMから最新の定寸点を読み込んで制御装置20のRAMに記憶する状態となり、さらに、その最新の定寸点が補助記憶装置22に保存される。

0138

ここで、制御装置20が定寸装置14における最新の手動補正値と定寸点とをそれぞれ監視する目的について説明する。

0139

まず、制御装置20が最新の定寸点を監視する目的について説明する。制御装置20は、定寸装置14の定寸点の補正値(現在の定寸点を変動させる量)を自動的に決定し、その決定した補正値に従って定寸装置14は自身の定寸点を補正することになる。しかし、定寸点が取り得る範囲には制限があり、それを超える定寸点が決定された場合には、定寸装置14の作動が停止させられる。そこで、本実施例においては、定寸装置14の最新の定寸点を逐次監視し、自動的に決定した補正値でその定寸点が補正されるとそれの許容範囲を超えてしまう場合には、その自動補正値の定寸装置14への送信が禁止されるようになっている。このように、定寸装置14の事情を考慮しない一方的な自動補正によって定寸装置14の定寸点が許容範囲を超えることを防止するために、制御装置20は定寸装置14における最新の定寸点を監視するのである。なお、定寸装置14において定寸点が許容範囲を超えることとなる場合に自動補正値の送信を禁止する処理は、図示しない別のルーチンの実行によって実現される。

0140

次に、制御装置20が最新の手動補正値を監視する目的について説明する。制御装置20は、前述のように、作業者により前記データシフト処理の使用を許可するデータシフト処理指令が出された場合には、全数測定機16による最新の測定値Xに基づき、加工機10により加工されたが未だ全数測定機16により測定されてはいない各ワークが最新の補正値Uの影響を受けた定寸点の下で加工されたと仮定した場合にそれら各ワークについて測定される値を予測する。この際、定寸装置14の定寸点が制御装置20により自動補正されている場合には、全数測定機16による最新の測定値Xに最新の自動補正値を加算することによって上記予測が行われ、これに対して、定寸装置14自身により手動補正されている場合には、最新の測定値Xに最新の手動補正値を加算することによって上記予測が行われる。このように、制御装置20が定寸装置14における手動補正値の影響を考慮して測定値Xの予測を行うために、定寸装置14における最新の手動補正値を監視する必要があるのである。

0141

定寸装置14が手動補正値送信機能を有している場合も有していない場合もその後、S8において、全数測定機16により測定された測定値Xであって未だ全数測定機16から制御装置20に送信されていないものの有無が判定される。今回はそのような測定値Xがないと仮定すれば、判定がNOとなり、S9に移行する。

0142

このS9においては、前記S2と同様にして、定寸装置14が手動補正値送信機能を有しているか否かが判定される。定寸装置14は手動補正値送信機能を有しているから、判定がYESとなり、S10において、前記S4と同様にして、定寸装置14において手動補正があったか否かが判定される。

0143

今回は手動補正がなかったと仮定すれば、判定がNOとなり、S11において、制御装置20に接続されているキーボード(図示しない)が作業者により操作されたか否か、すなわち、作業者によるキー入力の有無が判定される。無ければ判定がNOとなって直ちにS8に戻るが、有れば判定がYESとなり、S12において、そのキーボードからデータが入力され、S13において、そのデータに応じて前記パラメータが変更され、さらに、その変更されたパラメータが補助記憶装置22に保存され、その後、S14において、演算データメモリがクリアされ、その後、S8に戻る。

0144

これに対して、今回は手動補正があったと仮定すれば、S10の判定がYESとなり、S15において、前記S5と同様にして定寸装置14から最新の手動補正値が受信されて記憶され、続いて、S16において、後述のワーク待ちフラグがONされ、S17において、演算データメモリがクリアされる。その後、S8に戻る。

0145

これに対して、定寸装置14が手動補正値送信機能を有していないと仮定すれば、S9の判定がNOとなり、S18において、定寸装置14から最新の定寸点が読み込まれ、それがRAMに記憶されるとともに、補助記憶装置22に保存され、その後、S19において、補助記憶装置22から前回の定寸点が入力される。その後、S20において、今回の定寸点が前回の定寸点から変更されているか否かが判定される。すなわち、手動補正値送信機能のない定寸装置において手動補正が行われたか否かが、定寸点の変化状況から判定されるのである。今回は定寸点の変更はないと仮定すれば、判定がNOとなり、直ちにS11に移行するが、定寸点の変更があったと仮定すれば、S20の判定がYESとなり、S21において、ワーク待ちフラグがONされ、S22において、演算データメモリがクリアされ、その後、S11に移行する。

0146

以上、全数測定機16において送信すべき測定値Xがない場合について説明したが、あった場合には、S8の判定がYESとなり、S23において、その測定値Xが全数測定機16から入力される。測定値Xは、7個のジャーナル面すべてについて個々に入力される。その測定値Xは演算データメモリに蓄積されるとともに補助記憶装置22に保存され、その後、図4のS24に移行する。

0147

このS24においては、前記パラメータの値に基づき、作業者によりデータシフト処理指令が出されているか否かが判定される。以下、まず、データシフト処理指令が出されていない場合について説明する。

0148

この場合、S24の判定がNOとなり、S25において、ワーク待ちフラグがONであるか否かが判定される。

0149

このワーク待ちフラグは、定寸装置14における定寸点であって最新の手動補正値または自動補正値の影響を受けたものの下で加工された少なくとも1個のワークのうち先頭のものである先頭補正対象ワークが全数測定機16により測定されたか、それともその測定を待っているのかを監視するためのものである。このワーク待ちフラグは、OFFでその先頭補正対象ワークが測定を終了したこと、すなわちワーク待ち状態にないことを示し、一方、ONで先頭補正対象ワークが測定を終了しないこと、すなわちワーク待ち状態にあることを示す。このワーク待ちフラグはRAMに設けられており、コンピュータの電源投入に伴ってONされ、図示しない別のプログラムの実行により、その先頭補正対象ワークが全数測定機16による測定を終了するごとに、OFFされる。また、本ルーチンの実行により、手動補正が行われるごとに、および各回の間欠的補正が終了するごとに、ONされる。今回はワーク待ちフラグがONではないと仮定すれば、S25の判定がNOとなり、S26に移行する。

0150

このS26においては、演算データメモリから過去の測定値Xが入力される。その後、S27において、今回の移動平均値Pの算出の可否が判定される。演算データメモリに蓄積されている測定値Xの数がK個以上であるか否かが判定されるのである。今回は、蓄積されている測定値Xの数がK個以上ではないと仮定すれば、判定がNOとなり、S28において、特別移動平均値算出指令の有無が判定される。無ければ判定がNOとなり、直ちにS8に戻る。したがって、本ルーチンの今回の実行においては、結局、自動補正値すなわち最終補正値U* が0とされることになる。

0151

これに対して、特別移動平均値算出指令が有れば、S28の判定がYESとなり、S29において、可変型移動平均値算出指令の有無が判定される。無ければ判定がNOとなり、S30に移行する。なお、可変型移動平均値算出指令と置換型移動平均値算出指令とは択一される指令であるから、可変型移動平均値算出指令が無ければ必ず置換型移動平均値算出指令が有ることになる。

0152

このS30においては、置換型移動平均値算出の可否が判定される。具体的には、演算データメモリに蓄積されている測定値Xの数がK(原則通り移動平均値Pを算出するのに必要な測定値Xの数)−Z(置換制限数)より小さいか否かが判定され、そうであれば、置換型移動平均値算出が不可能である(正確には、禁止されている)と判定され、そうでなければ可能である(正確には、許可されている)と判定される。不可能であればS8に戻るが、本ルーチンの実行(S8以下のステップの実行)が何回も繰り返されるうちに可能となれば、判定がYESとなり、S31において、今回の測定値Xがそのまま今回の移動平均値Pとされ、S32において、それが演算データメモリに蓄積されるとともに、補助記憶装置22に保存される。その後、S37に移行する。

0153

これに対して、可変型移動平均値算出指令が有れば、S29の判定がYESとなり、S33において、前記可変型移動平均値算出手法により移動平均値Pが算出され、S34において、それが演算データメモリに蓄積されるとともに、補助記憶装置22に保存される。その後、S37に移行する。

0154

その後、本ルーチンの実行が何回も繰り返されるうちに、演算データメモリに蓄積されている測定値Xの数がK個以上となったと仮定すれば、S27の判定がYESとなり、S35において、移動平均値Pが原則通り算出され、S36において、それが演算データメモリに蓄積されるとともに、補助記憶装置22に保存される。その後、S37に移行する。

0155

このS37においては、両端直径補正指令の有無が判定され、無ければ判定がNOとなり、直ちに図7のS39に移行するが、有れば判定がYESとなり、S38において、前記2個の端円筒面の移動平均値Pについて前記両端直径補正が行われ、その結果に応じて、演算データメモリの内容が変更される。その後、図7のS39に移行する。

0156

このS39においては、今回の移動平均値Pから、ワークの寸法の目標値A0を引いた値が今回の誤差値Rとされ、続いて、S40において、それが演算データメモリに蓄積されるとともに、補助記憶装置22に保存される。

0157

その後、S41において、微分値Tの算出の可否が判定される。演算データメモリに蓄積されている移動平均値Pの数がL個以上であるか否かが判定されるのである。今回は、移動平均値Pの数が不足していると仮定すれば、判定がNOとなり、S42に移行する。このS42においては、可変型微分値算出指令の有無が判定され、無ければ判定がNOとなり、直ちにS8に戻って、本ルーチンの今回の実行が終了するが、有れば判定がYESとなり、S43において、演算データメモリに蓄積されている移動平均値Pが2個以上であるか否か、すなわち、前記可変型微分値算出が可能であるか否かが判定され、可能でなければ判定がNOとなり、直ちにS8に戻るが、可能であれば判定がYESとなり、S44において、可変型微分値算出手法により今回の微分値Tが算出され、S45において、それが演算データメモリに蓄積されるとともに、補助記憶装置22に保存される。その後、S48に移行する。

0158

その後、本ルーチンの実行が何回も繰り返されるうちに、演算データメモリに蓄積されている移動平均値Pの数がL個以上となったと仮定すれば、S41の判定がYESとなり、S46において、微分値Tが原則通り算出され、S47において、それが演算データメモリに蓄積されるとともに、補助記憶装置22に保存される。その後、S48に移行する。

0159

このS48においては、2回微分値使用指令の有無が判定され、有れば判定がYESとなり、S49において、2回微分値Dの算出の可否が判定される。演算データメモリに蓄積されている微分値Tの数がQ個以上であるか否かが判定されるのである。今回は、蓄積されている微分値Tの数がQ個以上ではないと仮定すれば、判定がNOとなり、直ちにS8に戻って、本ルーチンの今回の実行が終了する。本ルーチンの実行が何回も繰り返されるうちに、演算データメモリに蓄積されている微分値Tの数がQ個以上となったと仮定すれば、S49の判定がYESとなり、S50において、前述のようにして2回微分値Dが算出され、S51において、それが演算データメモリに蓄積されるとともに、補助記憶装置22に保存される。その後、S55に移行する。

0160

これに対して、2回微分値使用指令が無ければ、S48の判定がNOとなり、S52において、むだ時間考慮型補正指令の有無が判定される。無ければ判定がNOとなり、直ちにS55に移行するが、有れば判定がYESとなり、S53において、ワーク数カウンタ18からむだ時間MSが入力され、S54において、それが演算データメモリに蓄積されるとともに、補助記憶装置22に保存される。その後、S55に移行する。

0161

このS55においては、ファジィ演算により暫定補正値Uが算出される。このファジィ演算のためのファジィルールは3種類ある。すなわち、 2回微分値Dを使用することもむだ時間MSを考慮することもなく、誤差値Rと微分値Tとに基づいて暫定補正値Uを算出するためのファジィルールと、 2回微分値Dを使用することなく、誤差値Rと微分値Tとむだ時間MSとに基づいて暫定補正値Uを算出するためのファジィルールと、 むだ時間MSを考慮することなく、誤差値Rと微分値Tと2回微分値Dとに基づいて暫定補正値Uを算出するためのファジィルールとがあるのである。そして、このステップにおいては、作業者からの指令に応じてファジィルールが選択され、それを用いてファジィ演算が行われ、誤差値R,微分値T,2回微分値Dおよびむだ時間MSのうち必要なものに基づいて暫定補正値Uが算出されることになる。その後、S56において、それが演算データメモリに蓄積されるとともに、補助記憶装置22に保存される。その後、図8のS57に移行する。

0162

このS57においては、連続性考慮型補正指令の有無が判定され、無ければ判定がNOとなり、S58において、暫定暫定値Uがそのまま最終補正値U* とされ、S59において、それが補助記憶装置22に保存される。これに対して、連続性考慮型補正指令が有れば、S57の判定がYESとなり、S60において、連続性考慮型補正の可否が判定される。演算データメモリに蓄積されている暫定補正値Uの数がM個以上であるか否かが判定されるのである。今回は、蓄積されている暫定補正値Uの数がM個以上ではないと仮定すれば、判定がNOとなり、直ちにS8に戻り、本ルーチンの今回の実行が終了する。その後、本ルーチンの実行が何回も繰り返されるうちに、演算データメモリに蓄積されている暫定補正値Uの数がM個以上となったと仮定すれば、S60の判定がYESとなり、S61において、演算データメモリに蓄積されている最新のM個の暫定補正値Uに基づき、前述のようにして最終補正値U* が算出される。その後、S62において、それが演算データメモリに蓄積されるとともに、補助記憶装置22に保存される。

0163

S59または62の実行が終了すれば、図9のS63において、補助補正指令の有無が判定される。今回は無いと仮定すれば判定がNOとなり、S64において、今回の最終補正値U* を定寸装置14に送信すべきか否か、すなわち、その最終補正値U* が不感帯から外れているか否かが判定される。今回は不感帯内にあると仮定すれば、判定がNOとなり、S65において、前記ファジィ演算において適合したファジィルールが補助記憶装置22に保存される。その後、直ちにS8に戻って、本ルーチンの今回の実行が終了する。

0164

これに対して、最終補正値U* が不感帯から外れていると仮定すれば、S64の判定がYESとなり、S66において、定寸装置14が手動補正値送信機能を有しているか否かが判定される。有しているから判定がYESとなり、S67においてその定寸装置14における手動補正の有無が判定され、なければ判定がNOとなり、S68において、最終補正値U* が定寸装置14に送信され、それが補助記憶装置22に保存される。その後、S69において、補助補正指令が有るか否かが判定される。今回は無いと仮定されているから、判定がNOとなり、S70において、前記S65と同様に、適合したファジィルールが補助記憶装置22に保存される。

0165

これに対して、定寸装置14において手動補正があったと仮定すれば、S67の判定がYESとなり、S71において、定寸装置14からの最新の手動補正値および定寸点が受信されて記憶され、S72において、ワーク待ちフラグがONされ、S73において、演算データメモリがクリアされ、その後、S8に戻る。

0166

また、定寸装置14が手動補正値送信機能を有してはいないと仮定すれば、S66の判定がNOとなり、S74において、定寸装置14から最新の定寸点が読み込まれ、それがRAMに記憶されるとともに、補助記憶装置22に保存され、S75において、RAMから前回の定寸点が読み込まれる。その後、S76において、その前回の定寸点と最新の定寸点とから、定寸点の変更があったか否かが判定され、すなわち、手動補正値送信機能を有していない定寸装置において手動補正があったか否かが判定され、変更がなければ判定がNOとなり、前記S68に移行するが、あれば判定がYESとなり、S77において、ワーク待ちフラグがONされ、S78において、演算データメモリがクリアされ、その後、S8に戻る。

0167

これに対して、補助補正指令があると仮定すれば、S63の判定がYESとなり、S79において、補助補正の実行中であるか否かが判定される。補助補正の実行回数を表す補助補正カウンタの値が1以上であるか否かが判定されるのである。今回は0であると仮定すれば、判定がNOとなり、前記S64以下のステップ群に移行して前記主補正が行われる。このステップ群のうちS69においては、補助補正指令があるか否かが判定され、今回はあると仮定されているから、判定がYESとなり、S80において、補助補正カウンタの値が1だけインクリメントされることになる。

0168

これに対して、現在補助補正の実行中であって、補助補正カウンタの値が0ではないと仮定すれば、S79の判定がYESとなり、S81以下のステップ群に移行して補助補正が行われる。S81においては、今回の最終補正値U* (前記今回の暫定補正値UP に相当する)から前回の最終補正値U* を引いた値が今回の送信値(前記今回の最終補正値UF に相当する)とされ、S82においては、定寸装置14が手動補正値送信機能を有しているか否かが判定される。有しているから判定がYESとなり、S83において、その定寸装置14における手動補正の有無が判定され、なかったと仮定すれば、判定がNOとなり、S84において、その送信値が定寸装置14に送信される。補助補正が行われるのである。その後、S85において、その送信値が補助記憶装置22に保存され、S86において、補助補正カウンタがインクリメントされ、その後、前記S80に移行する。一方、手動補正があったと仮定すれば、S83の判定がYESとなり、S87において定寸装置14からの手動補正値が受信され、S88において、ワーク待ちフラグがONされ、S89において、演算データメモリがクリアされ、その後、S8に戻る。

0169

これに対して、定寸装置14が手動補正値送信機能を有してはいないと仮定すれば、S82の判定がNOとなり、前記S74以下のステップ群に移行して、自動補正の許否が判定され、許可されればその自動補正値が定寸装置14に送信されることになる。また、この場合、S69の判定がYESとなり、S80において、補助補正カウンタがインクリメントされる。

0170

S70の実行が終了すると、図10のS90において、補助補正指令の有無が判定される。今回は無いと仮定すれば、判定がNOとなり、S91において、ワーク待ちフラグがONされ、S92において、演算データメモリがクリアされ、その後、S93において、データシフト処理指令の有無が判定される。今回はないと仮定されているから、判定がNOとなり、直ちにS8に戻る。

0171

これに対して、今回は補助補正指令があると仮定すれば、S90の判定がYESとなり、S94において、今回の補助補正を終了させるべきであるか否かが判定される。具体的には、補助補正カウンタの現在値が設定値(図5のS1において補助記憶装置22から入力されたもの)以上となったか否かが判定される。今回はそうではないと仮定すれば、判定がNOとなり、直ちにS8に戻る。

0172

その後、本ルーチンの実行が何回も繰り返されるうちに、補助補正カウンタの現在値が設定値以上となったと仮定すれば、S94の判定がYESとなり、S95において、今回の補助補正およびそれに先行する主補正のうち少なくとも今回の補助補正において定寸装置14に送信された補正値すべての和(以下、「合計補正値」という)が算出される。その後、S96において、その合計補正値が0であるか否か、すなわち、少なくとも今回の補助補正が本当に必要な時期に行われなかったと推定されるから今回の補助補正を続行する必要があるか否かが判定される。今回はその必要がないと仮定すれば、判定がNOとなり、S97において、ワーク待ちフラグがONされ、S98において、演算データメモリがクリアされ、S99において、データシフト処理指令の有無が判定される。今回はないと仮定されているから、判定がNOとなり、直ちにS8に戻る。

0173

これに対して、今回の補助補正を続行する必要があると仮定すれば、S96の判定がYESとなり、S100において、補助補正再開指令の有無が判定される。今回は補助補正再開指令ではなく、補助補正延長指令があると仮定すれば、判定がNOとなり、S101において、補助補正カウンタの値が1とされ、その後、S8に戻る。したがって、本ルーチンの次回の実行時には、補助補正カウンタの現在値が0ではないため、図9のS79の判定がNOとなり、S64に移行することになる。

0174

これに対し、今回は補助補正延長指令ではなく、補助補正再開指令が有ると仮定すれば、図10のS100の判定がYESとなり、S102において、補助補正カウンタの値が0とされ、その後、S8に戻る。したがって、本ルーチンの次回の実行時には、補助補正カウンタの現在値が0であるから、図9のS79の判定がYESとなり、S81に移行することになる。

0175

ワーク待ちフラグがONされている状態で図6のS25が実行される場合には、それの判定がYESとなり、S103において、演算データメモリがクリアされ、その後、S8に戻ることになる。すなわち、定寸点の手動補正または自動補正の直後からは、図5のS23の存在にもかかわらず、演算データメモリへの測定値X等の蓄積は事実上行われず、その最新の手動補正または自動補正の影響を受けた定寸点の下で加工されたワークが最初に全数計測機16により測定されたときにワーク待ちフラグがOFFされ、図6のS25の判定がNOとなり、演算データメモリへの測定値X等の蓄積が再開されることになるのである。

0176

以上、データシフト処理指令が出されていない場合について説明したが、次に、出されている場合について説明する。

0177

この場合には、図6のS24の判定がYESとなり、S104以下のステップ群に移行する。S104においては、データシフト処理を禁止するべきであるか否かが判定される。最新の手動補正値または自動補正値に係る先頭補正対象ワークについて全数測定機16による測定が終了した場合には、もはやデータシフト処理を行う必要がなく、行うとかえって測定値Xの誤差が増加してしまうから、このような場合にはデータシフト処理を禁止するのである。

0178

先頭補正対象ワークの測定が終了したか否かの判定は、具体的には、RAMに記憶されているデータシフト処理の目標回数(これの記憶については後述する)、すなわち、最新の手動補正値または自動補正値が定寸装置14に送信されたときに加工機10と全数測定機16との間に存在していたワークの数を、全数測定機16により測定が終了するごとに1ずつ減算し、その結果、0となったときに、先頭補正対象ワークの測定が終了したと判定されるものである。

0179

今回は未だ先頭補正対象ワークの測定が終了していないと仮定すれば、判定がNOとなり、S105において、最新の手動補正値または自動補正値が今回のシフト量に決定され、その後、S106において、今回の測定値Xにその今回のシフト量を加算することによって今回の測定値Xが変更され、それが演算データメモリに蓄積されるとともに、補助記憶装置22に保存される。その後、S107において、演算データメモリから過去の測定値Xが入力され、S27以下の、移動平均値Pの算出に備える。

0180

その後、図10のS93において、データシフト処理指令の有無が判定されれば、今回はあると仮定されているから、判定がYESとなり、S108において、ワーク数カウンタ18からむだ時間MSが入力され、次回のデータシフト処理の目標回数としてRAMに記憶され、さらに、補助記憶装置22に保存される。その後、S8に戻る。

0181

また、同図のS99の判定も、上記の場合と同様に、YESとなり、S109において、ワーク数カウンタ18からむだ時間MSが入力され、次回のデータシフト処理の目標回数としてRAMに記憶され、さらに、補助記憶装置22に保存される。その後、S8に戻る。

0182

このように、データシフト処理の目標回数は、間欠的補正の終了に伴って行われることになるが、図示はしないが、手動補正の終了に伴っても行われ、また、本ルーチンの初回の実行に備えてそれの標準値が予めROMに記憶させられている。

0183

その後、本ルーチンの実行が何回も繰り返されるうちに、最新の手動補正値または自動補正値に係る先頭補正対象ワークについて全数測定機16による測定が終了したと仮定すれば、図6のS104の判定がYESとなり、S110において、今回のシフト量が0とされ、その後、S106に移行する。すなわち、今回は、実際の測定値Xがそのまま演算データメモリに蓄積されることになるのである。

0184

このように、データシフト処理が許可される場合には、ワーク待ちフラグのON・OFFとは無関係に測定値Xの演算データメモリへの蓄積が行われ、その結果、自動補正の間隔時間が短くなる。

0185

以上の説明から明らかなように、本実施例においては、加工機10が請求項1および2の各発明における「加工機1」の一態様を構成し、定寸装置14およびモータコントローラ15が「加工機制御手段2」の一態様を構成し、全数測定機16が「測定機3」の一態様を構成し、キーボード50と定寸装置14のうちそのキーボード50の操作に応じて定寸点を変更する部分とが互いに共同して「手動補正手段」」の一態様を構成し、制御装置20のうち図5〜10の定寸点補正ルーチンを実行する部分が、ワーク数カウンタ18と共同して「自動補正手段5」の一態様を構成しているのである。

0186

以上、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、この他の態様で本発明を実施することができる。

0187

例えば、上記実施例においては、演算データメモリに蓄積されている測定値Xの数が前記設定複数個に達しない段階でも、移動平均値P,誤差値R,微分値T等が逐次算出されて演算データメモリに蓄積され、蓄積されている測定値Xの数が設定複数個に達したときに1個の最終補正値U* が決定されるようになっていた。しかし、蓄積されている測定値Xの数が設定複数個に達しない段階では、それら移動平均値P等を全く算出せず、蓄積されている測定値Xの数が設定複数個に達したときに初めて、それら移動平均値P等をまとめて算出して1個の最終補正値U* を決定するようにして本発明を実施することができる。

0188

また、前記実施例は、クランクシャフトをワークとし、それの複数のジャーナル面(外周円筒面)をそれぞれ加工部位として円筒研削する加工システムと共に使用される定寸点補正装置に本発明を適用した場合の一例であったが、他の加工システムと共に使用される定寸点補正装置に本発明を適用することができるのはもちろんである。他の加工システムには例えば、自動車のエンジンのシリンダブロックを加工すべきワークとし、それに予め形成された複数のシリンダボア内周円筒面)をそれぞれ加工部位としてホーニングする加工システムを選ぶことができる。

0189

また、前記実施例は、複数の加工部位が設定されているワークを加工する加工システムに本発明を適用した場合の一例でもあったが、1個の加工部位しか設定されていない加工システムにも適用することができるのはもちろんである。

0190

また、前記実施例は、複数の加工部位が設定されているワークを加工する加工システムであり、かつ、それら加工部位すべてについてはインプロセス測定機を備えていないものに本発明を適用した場合の一例でもあったが、それら加工部位すべてについてインプロセス測定機を備えている加工システムにも本発明を適用することができるのはもちろんである。

0191

これらの他にも特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施することができる。

図面の簡単な説明

0192

図1請求項1および2の各発明の構成を概念的に示す図である。
図2請求項1および2の発明に共通の一実施例であるフィードバック式の定寸点補正装置と共に使用される加工システムにおいてクランクシャフトが砥石により研削される状態を示す斜視図である。
図3上記加工システム全体を示すシステム図である。
図4上記加工システムにおける加工機の構成を示す図である。
図5図4における制御装置20のコンピュータにより実行される定寸点補正ルーチンの一部を示すフローチャートである。
図6その定寸点補正ルーチンの別の一部を示すフローチャートである。
図7その定寸点補正ルーチンのさらに別の一部を示すフローチャートである。
図8その定寸点補正ルーチンのさらにまた別の一部を示すフローチャートである。
図9その定寸点補正ルーチンのさらにまた別の一部を示すフローチャートである。
図10その定寸点補正ルーチンのさらにまた別の一部を示すフローチャートである。
図11その定寸点補正ルーチンの処理全体の流れを概念的に示す図である。
図12図11における隣接間ばらつき除去の内容を概念的に示すグラフである。
図13その隣接間ばらつき除去の一例を説明するための図である。
図14図13における隣接間ばらつき除去の一例を改良した一例を説明するための図である。
図15図14における隣接間ばらつき除去の一改良例をさらに改良した一例を説明するための図である。
図16図11における両端直径補正の内容を概念的に示すグラフである。
図17図11における寸法情報取得において、誤差値Rから微分値Tが算出される手法を概念的に示すグラフである。
図18定寸点補正の一方式である間欠的補正を概念的に示すグラフである。
図19その間欠的補正の第1の方式を概念的に示すグラフである。
図20その第1の方式の一実施態様を概念的に示すグラフである。
図21図18の間欠的補正の第2の方式を概念的に示すグラフである。
図22その第2の方式の一実施態様を概念的に示すグラフである。
図23図11における連続性考慮の内容を概念的に示すグラフである。
図24図5〜10の定寸点補正ルーチンにおいて測定値Xから最終補正値U* が誘導される過程の一例を説明するための図である。
図25図11における不感帯考慮の内容を概念的に示すグラフである。

--

0193

10加工機
12インプロセス測定機
14定寸装置
15モータコントローラ
16 全数測定機
20制御装置
44ポストプロセス測定機
50 キーボード

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