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技術 冷媒循環サイクルの膨張弁制御装置

出願人 ボッシュ株式会社
発明者 大沢隆司
出願日 1992年12月16日 (28年2ヶ月経過) 出願番号 1992-354424
公開日 1994年7月8日 (26年7ヶ月経過) 公開番号 1994-185814
状態 未査定
技術分野 車両の冷房 不可逆サイクルによる圧縮式冷凍機械 車両用空気調和
主要キーワード センサ検出温度 演算定数 通気空気 稼働条件 メイン制御ルーチン 各制御機器 冷媒循環サイクル PI制御値
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

目的

膨張弁熱負荷の変動に対して精度良く制御できると共に、冷媒循環サイクル過熱度の変動を滑らかにする。

構成

熱負荷が所定値以上変化した場合、目標過熱度設定値初期設定値から所定値変化させ、膨張弁開度制御因子である目標過熱度と実過熱度との差を熱負荷の変化に対応させて変化させることができるために、熱負荷の変化に対して瞬時に膨張弁開度を制御でき、また前記目標過熱度の設定値による膨張弁開度制御が所定時間実行された後、実過熱度が前記目標過熱度の変化と同方向に変化した場合には、前記目標過熱度の設定値を徐々に初期設定値に戻し、さらに実過熱度が前記目標過熱度の変化と逆方向に変化した場合には、前記目標過熱度の設定値を所定時間継続させた後、初期設定値に戻すようにしたことによって、冷媒の過熱度を一定に保つ。

概要

背景

従来の冷媒流量制御は、例えば特開昭60−178254号公報に示されるように、冷房サイクル状態値を検知し、この状態値と設定値偏差に基づいてPID制御する冷媒流量制御装置において、より広範囲サイクル条件にわたって安定した冷媒流量制御を可能とするために、冷房サイクルの稼働条件を検知し、この検知値に応じてPID制御の制御定数切り換えるようにしたものである。

概要

膨張弁熱負荷の変動に対して精度良く制御できると共に、冷媒循環サイクル過熱度の変動を滑らかにする。

熱負荷が所定値以上変化した場合、目標過熱度の設定値を初期設定値から所定値変化させ、膨張弁開度制御因子である目標過熱度と実過熱度との差を熱負荷の変化に対応させて変化させることができるために、熱負荷の変化に対して瞬時に膨張弁開度を制御でき、また前記目標過熱度の設定値による膨張弁開度制御が所定時間実行された後、実過熱度が前記目標過熱度の変化と同方向に変化した場合には、前記目標過熱度の設定値を徐々に初期設定値に戻し、さらに実過熱度が前記目標過熱度の変化と逆方向に変化した場合には、前記目標過熱度の設定値を所定時間継続させた後、初期設定値に戻すようにしたことによって、冷媒の過熱度を一定に保つ。

目的

このために、この発明は、膨張弁を熱負荷の変動に対して精度良く制御できると共に、冷媒循環サイクルの過熱度の変動を滑らかにすることのできる冷媒循環サイクルの膨張弁制御装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
4件

この技術が所属する分野

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請求項1

少なくともコンプレッサコンデンサエバポレータ膨張弁配管結合してなる冷媒循環サイクルにおいて、前記冷媒循環サイクルを流れる冷媒の実過熱度を検出する実過熱度検出手段と、前記冷媒循環サイクルの熱負荷の変化を検出し、この熱負荷の変化が所定値以上であるか否かを判定する熱負荷変化判定手段と、この熱負荷変化判定手段によって熱負荷変化が所定値以上であると判定された場合、前記冷媒循環サイクルの目標過熱度設定値初期設定値から所定値変化させる目標過熱度設定手段と、この目標過熱度の設定値による制御を所定時間継続した後、前記実過熱度検出手段によって検出された実過熱度が前記目標過熱度の変化と同方向に変化した場合には、前記目標過熱度の設定値を徐々に前記初期設定値に戻し、実過熱度が前記目標過熱度の変化と逆方向に変化した場合には、前記目標過熱度の設定値を実過熱度が初期目標過熱度に達するまで保持した後、前記初期設定値に戻す目標過熱度調整手段と、前記実過熱度検出手段による実過熱度を、前記目標過熱度調整手段及び目標過熱度調整手段とによって設定された前記目標過熱度に一致させるように前記膨張弁の開度を制御する膨張弁開度制御手段とを具備することを特徴とする冷媒循環サイクルの膨張弁制御装置

技術分野

0001

この発明は、車両用空調装置に使用される冷媒循環サイクルの一部を構成する膨張弁の制御を行ない、冷媒循環サイクルに流れる冷媒量を調節するようにした冷媒循環サイクルの膨張弁制御装置に関する。

背景技術

0002

従来の冷媒流量制御は、例えば特開昭60−178254号公報に示されるように、冷房サイクル状態値を検知し、この状態値と設定値偏差に基づいてPID制御する冷媒流量制御装置において、より広範囲サイクル条件にわたって安定した冷媒流量制御を可能とするために、冷房サイクルの稼働条件を検知し、この検知値に応じてPID制御の制御定数切り換えるようにしたものである。

発明が解決しようとする課題

0003

しかし、この引例においては、過熱度を検出するセンサ応答遅れのために、実際の過熱度が急減しても過熱度の検出値は変化しない状態が発生し、この間においては制御定数を変更しても過熱度の低下を抑制できず、過熱度が付近まで下がってしまうためにリキッドバックが発生する問題点があり、またこれを解消するためにPID制御の制御定数を大きくすると、膨張弁の弁開度ハンチングが発生するという問題点があった。

0004

このために、この発明は、膨張弁を熱負荷の変動に対して精度良く制御できると共に、冷媒循環サイクルの過熱度の変動を滑らかにすることのできる冷媒循環サイクルの膨張弁制御装置を提供することにある。

0005

しかして、この発明は、少なくともコンプレッサコンデンサエバポレータ、膨張弁を配管結合してなる冷媒循環サイクルにおいて、前記冷媒循環サイクルを流れる冷媒の実過熱度を検出する実過熱度検出手段と、前記冷媒循環サイクルの熱負荷の変化を検出し、この熱負荷の変化が所定値以上であるか否かを判定する熱負荷変化判定手段と、この熱負荷変化判定手段によって熱負荷変化が所定値以上であると判定された場合、前記冷媒循環サイクルの目標過熱度の設定値を初期設定値から所定値変化させる目標過熱度設定手段と、この目標過熱度の設定値による制御を所定時間継続した後、前記実過熱度検出手段によって検出された実過熱度が前記目標過熱度の変化と同方向に変化した場合には、前記目標過熱度の設定値を徐々に前記初期設定値に戻し、実過熱度が前記目標過熱度の変化と逆方向に変化した場合には、前記目標過熱度の設定値を実過熱度が初期目標過熱度に達するまで保持した後、前記初期設定値に戻す目標過熱度調整手段と、前記実過熱度検出手段による実過熱度を、前記目標過熱度調整手段及び目標過熱度調整手段とによって設定された前記目標過熱度に一致させるように前記膨張弁の開度を制御する膨張弁開度制御手段とを具備することにある。

0006

したがって、この発明においては、熱負荷が所定値以上変化した場合、前記冷媒循環サイクルの目標過熱度の設定値を初期設定値から所定値変化させ、膨張弁開度制御因子である目標過熱度と実過熱度との差を熱負荷の変化に対応させて変化させることができるために、熱負荷の変化に対して瞬時に膨張弁開度を制御でき、また前記目標過熱度の設定値による膨張弁開度制御が所定時間実行された後、実過熱度が前記目標過熱度の変化と同方向に変化した場合には、前記目標過熱度の設定値を徐々に前記初期設定値に戻し、さらに実過熱度が前記目標過熱度の変化と逆方向に変化した場合には、前記目標過熱度の設定値を所定時間継続させた後、初期設定値に戻すようにすることによって、冷媒の実過熱度を一定に保つことができ、上記課題を達成できるものである。

0007

以下、この発明の実施例について図面により説明する。

0008

図1において示される冷媒循環サイクル1は、例えば自動車に搭載されるもので、空調ダクト2に配された第1の熱交換器3と、空調ダクト2外に配された第2の熱交換器4とを備えている。

0009

空調ダクト2の最上流側には、図示しない内外気切換装置が設けられ、内気導入口と外気導入口とをインテークドアによって選択的に開口するようになっている。この空調ダクト2に選択的に導入された内気若しくは外気は、図示しない送風機の回転により吸引され、第1の熱交換器3に送られて熱交換され、所望の吹出口から車室内に供給されるようになっている。

0010

第1の熱交換器3の一端3aと第2の熱交換器4の一端4aは、四方弁5の第1及び第2ポート(I, II)にそれぞれ配管接続され、また四方弁5の第3ポート(III)はコンプレッサ6の吐出側Aに配管接続され、第4ポート(IV) はアキュムレータ7を介してコンプレッサ6の吸入側Bに配管接続されている。この四方弁5によって、コンプレッサ6の吐出側Aが第1の熱交換器3に接続し、且つコンプレッサ6の吸入側が第2のあ熱交換器4に接続する場合(第1接続状態)と、コンプレッサ6の吐出側Aが第2の熱交換器4に接続し、且つコンプレッサ6の吸入側Bが第1の熱交換器3に接続する場合(第2接続状態)とを切り換えることができるようになっている。

0011

また、第1の熱交換器3の他端3bは、電気式膨張弁8の一端8aに配管接続され、第2の熱交換器4の他端4bは、電気式膨張弁8の他端8bに配管接続されている。

0012

しかして、暖房用として上記冷媒循環サイクルを使用する要請がある場合には、四方弁5が第1の接続状態になるように切り換えられるので、コンプレッサ6の吐出側Aが第1の熱交換器3に、吸入側Bが第2の熱交換器4にそれぞれ接続されることとなり、コンプレッサ6の吐出側Aから吐出された圧縮冷媒は、第1の熱交換器3に入り、ここで空調ダクト2の上流側から送られてきた空気と熱交換されて通気空気暖房しつつ凝縮液化され、電気式膨張弁8で減圧された後、第2の熱交換器4に至り、空調ダクト外の空気と熱交換された蒸発気化してコンプレッサ6に戻るものである。

0013

これに対して、冷房用として上記構成の冷媒循環サイクルを使用する要請がある場合には、四方弁5が第2接続状態となるように切り換えられるので、コンプレッサ6の吐出側Aは第2の熱交換器4に接続され、吸入側Bは第1の熱交換器3に接続されることとなり、コンプレッサ6から吐出された圧縮冷媒は、第2の熱交換器4で放熱(凝縮液化)し、電気式膨張弁8で減圧されて第1の熱交換器3に至り、ここで空調ダクト2の上流から送られてきた空気と熱交換されて通過空気を冷却しつつ蒸発気化し、コンプレッサ6に戻るものである。

0014

以上の構成の冷媒循環サイクル1には、電気式膨張弁8と第1の熱交換器3との間に、その間を流れる冷媒の温度(Tint)を検出する第1の温度センサ10が、電気式膨張弁8と第2の熱交換器4との間に、その間を流れる冷媒の温度(Tout)を検出する第2の温度センサ11が、またコンプレッサ6の吐出側A近傍に吐出冷媒の温度(Td)を検出する第3の温度センサ12が、さらにコンプレッサ6の吸入側に吸入冷媒の温度(TS)を検出する第4の温度センサ13がそれぞれ設けられている。さらに、第1の熱交換器3には、第1の熱交換器3の温度(Te)を検出するダクトセンサ14が設けられ、これら第1乃至第4の温度センサ10〜13の出力信号及びダクトセンサ14の出力信号は、図2に示すようにコントロールユニット15に入力される。

0015

コントロールユニット15は、A/D変換器マルチプレクサ等を含む入力回路、ROM、RAM、CPU等を含む演算処理回路駆動回路等を含む出力回路を有する公知のもので、前記センサ10〜14の出力信号が入力されるほか、イグニッションスイッチ16や、この空調装置稼働させるエアコンスイッチ(A/Cスイッチ)17からの信号、温度設定器18からの設定信号、さらにコンプレッサの回転数を示す信号、図示しない送風機(ブロアファン)の駆動電圧(VB )が入力され、これらの信号を予め定められた所定のプログラムに沿って処理し、コンプレッサ6の能力、ブロアファンの能力、前記電気式膨張弁8の開度、四方弁5の切り換え等を制御するようになっている。

0016

次に、コントロールユニット15による電気式膨張弁(電気エキスパン)8の制御が、図3及び図4フローチャートに示され、以下このフローチャートに従って説明する。

0017

コントロールユニット15は、各空調機器の制御を行なうメイン制御ルーチンから所定の時間間隔で、ステップ100からこの制御動作を開始し、ステップ110においてイグニッションスイッチ(IgSW)16が投入されたか否かの判定を行なう。

0018

この判定において、イグニッションスイッチ16が投入されていない場合(OFF)は、ステップ120からメイン制御ルーチンに復帰し、投入されている場合(ON)は、ステップ130に進んでイグニッションスイッチ16の投入直後(IgSW OFF →ON)であるか否かの判定を行い、投入直後である場合(Y)は、ステップ140において電気式膨張弁8の開度Kを全閉状態(0〔P〕)に固定してコントロールユニット15が認識する膨張弁開度にズレが生じないようにした後、ステップ150に進み、投入直後でない場合(N)は、直接ステップ150に進んで、エアコンスイッチ(A/C SW)16が投入されているか否かの判定を行う。

0019

尚、この実施例において、パルス数が0〜30〔P〕において電気式膨張弁8は全閉状態であり、600〔P〕において全開状態となるものであり、その間において電気式膨張弁8の開度はリニアに変化するものである。

0020

この判定において、エアコンスイッチ16が投入されていない場合(OFF)は、ステップ220に進んで現状を維持をし、投入されている場合(ON)は、ステップ160において空調状態暖房モード或いは温度設定器18がフルヒート(F/H)に設定された状態であるかの判定を行なう。この判定において、空調状態が暖房モード或いは温度設定器18がフルヒート(F/H)に設定された状態である場合(Y)は、ステップ170において電気式膨張弁8の開度Kを暖房用の開度K2(例えば350〔P〕)に設定し、暖房モード或いはフルヒートに設定されていない場合(N)はステップ180に進む。

0021

ステップ180においては、空調状態が冷房モード或いは温度設定器18がフルクール(F/C)に設定された状態であるかの判定を行なう。この判定において、空調状態が冷房モード或いは温度設定器18がフルクール(F/C)に設定された状態でない場合(N)は、前記ステップ220に進んで現状維持とし、空調状態が冷房モード或いは温度設定器18がフルクール(F/C)に設定された状態である場合(Y)は、ステップ190に進んでコンプレッサ起動後t2(例えば2分)時間が経過したか否かの判定を行なう。

0022

この判定において、コンプレッサ起動後t2時間が経過していない場合(N)には、冷媒循環サイクル1が安定していないとして、電気式膨張弁8の開度KをK1(例えば200〔P〕)に設定し、コンプレッサ起動後t2時間が経過した場合(Y)には、ステップ210に進んで実過熱度SH1を演算するものである。尚、実過熱度SH1は、第4の温度センサ13の出力信号(Ts )と第1の温度センサ10の出力(Tint)との差(Ts −Tint )として演算されるものである。

0023

ステップ230においては、前記実過熱度SH1の判定が行なわれる。この判定において、実過熱度SH1が所定値α(例えば10°C)より小さい場合には制御Aが選択され、所定値β(例えば18°C)より大きい場合には制御Bが選択されるもので、この所定値α及びβ間においてはヒステリシスが形成され、この間においては制御Aが優先されるようになっている。

0024

前記ステップ230の判定において、制御Aが判定された場合には、ステップ240に進んで、下記するステップ280の膨張弁開度KのPI制御値演算における各演算定数a,b,cの値をa1,b1,c1(例えば、a1=5〔P/deg 〕,b1=2〔P/deg ・分〕,c1=200〔P〕)に設定し、制御Bが選択された場合には、ステップ250に進んで、各演算定数a,b,cをa2,b2,c2(例えばa2=10〔P/deg 〕,b2=4〔P/deg ・分〕,c2=200〔P〕)に設定するものである。これによって、膨張弁開度Kは、実過熱度SH1が所定値β以上である場合には大きめに設定されることとなり、所定値α以下の場合には、小さめに設定されることとなるため、実過熱度SH1が高い場合には膨張弁を開く方向に、低い場合には膨張弁を絞る方向に制御されるものである。

0025

この後、ステップ260において下記するフローチャートによって目標過熱度SH0が設定され、ステップ270において、実過熱度SH1と目標過熱度SH0の偏差ΔTが演算され、ステップ280においてこの偏差ΔT及び前記ステップ240若しくはステップ250において設定された演算定数a,b,cによって下記する数式1により演算されるものである。

0026

K=aΔT+b∫ΔTdt+c

0027

この演算の後、ステップ290において、前記ステップ280において演算された膨張弁開度Kが所定値K3(例えば80〔P〕)以下であるか否かの判定を行なう。この判定において,所定値K3以下である場合(Y)には、ステップ300に進んで膨張弁開度Kを下限値K6(例えば80〔P〕)に設定してステップ350に進み、所定値K3以上である場合(N)には、ステップ310に進んで所定値K4(例えば470〔P〕)以上であるか否かの判定を行なう。この判定において膨張弁開度Kが所定値K4以上である場合(Y)は、ステップ340に進んで膨張弁開度Kを上限値K5(例えば470〔P〕)に設定してステップ350に進み、所定値K4以下の場合には、前記ステップ280において演算された膨張弁開度Kをそのまま膨張弁開度Kとしてステップ350に進むものである。

0028

ステップ350において、前記ステップ280において演算された膨張弁開度K及びステップ340、ステップ350において設定された膨張弁開度Kに基づいた制御信号が電気式膨張弁8に出力され、冷媒循環サイクル1に流れる冷媒量が調整されるものである。この後、ステップ360からメイン制御ルーチンに復帰するものである。

0029

以上の電気エキスパン制御において、目標過熱度SH0の設定ルーチンは、例えば図5のフローチャートに示すもので、以下このフローチャートに従って説明する。

0030

ステップ260から開始される目標過熱度SH0の設定制御は、ステップ400において、先ず目標過熱度SH0に初期設定値QA(例えば10°C)を設定する。この設定の後、ステップ410において、FLAG1=1であるか否かの判定を行い、FLAG1=1の場合(Y)は、ステップ420乃至440を回避してステップ450に進み、FLAG1=1でない場合(N)は、ステップ420に進むものである。尚、FLAG1は、目標過熱度SH0の設定を変更したことを示すフラッグである。

0031

ステップ420においては、冷媒循環サイクル1の熱負荷が所定値以上減少したか否かの判定を行なう。この熱負荷(T)は、少なくとも外気温度(Ta)、車室内温度(Tr)、日射量(Qs)、設定温度(Td)、及びダクトセンサ14によって検出されるエバポレータ温度(Te)から下記する数式2によって求められるものである。

0032

T=M1・Ta+M2・Tr+M3・Qs+M4・Te−M5・Td+M6

0033

尚、M1,M2,M3,M4,M5は演算定数であり、M6は補正項である。

0034

このステップ420の判定において、熱負荷が所定値以上減少したと判定された場合(Y)にはステップ430に進み、所定値以上減少していないと判定された場合(N)は、ステップ530からこの目標過熱度SH0の設定ルーチンを抜けて前述の電気エキスパン制御ルーチンに復帰し、目標過熱度SH0を初期設定値QAに設定して制御を実行するものである。

0035

前記ステップ420の判定において熱負荷が所定値以上減少したと判定された場合、ステップ430において目標過熱度SH0を前記初期設定値QAよりも高い設定値QB(例えば、15°C)に設定し、ステップ440において設定を変更したことを示すフラッグFLAG1に1を設定する。

0036

ステップ450では、ステップ430による目標過熱度SH0の設定変更の後、t1時間(例えば30秒)が経過したか否かの判定を行い、経過していない場合(N)はステップ530からこの制御を抜け、経過後(Y)はステップ460において、実過熱度SH1が初期設定値QA以下であるか否かの判定を行なう。

0037

この判定において、実過熱度SH1が初期設定値QA以上である場合(図9(b)のSH1’の場合)、言い換えれば所定時間経過後に実過熱度の上昇を検出した場合は、ステップ470に進んで図9(c)に示すように目標過熱度SH0を所定mの割合でQBからQAに段階的に下げ(SH0=SH0−m)、ステップ480の判定において、目標過熱度SH0が初期設定値QAに戻るまでこのステップ470における動作を繰り返すものである。

0038

尚、mは(QB−QA)/t2〔deg/分〕で演算されるもので、t2は目標過熱度SH0が設定値QBから初期設定値QAに戻るのに必要な時間である。

0039

これによって、QBに設定された目標過熱度SH0をQBに基づいて膨張弁開度Kを演算し、電気式膨張弁8を制御するために第1の温度センサ10の検出遅れによる実過熱度SH1の低下を防止でき、また所定時間経過後に実過熱度SH1が上昇していることが確認された場合には段階的に目標過熱度SH0の値を低減していくために、実過熱度SH1の急激な上昇を抑制でき、実過熱度の変化を滑らかにすることができるものである。

0040

この制御の後、ステップ480に判定において、目標過熱度SH0が初期設定値QAと等しくなった場合(Y)はステップ510において目標過熱度SH0に初期設定値QAを設定し、ステップ520においてFLAG1に0を設定してステップ530からこのルーチンを抜けるものである。

0041

尚、図9は実過熱度SH1が所定時間t1経過後に初期設定値QAより大きくなった場合の特性を示すもので、図9(d)のように熱負荷の変動によりブロアファンの風量がF1からF2に低下した状態を示し、この熱負荷の減少により図9(a)は第4の温度センサ13の検出値(Ts)及び第1の温度センサ10の検出値(Tint )の変化の状態を示し、図9(c)は目標過熱度SH0が熱負荷の変動に基づいて設定値が変更された状態を示し、図9(b)は目標過熱度SH0の設定変更に対する実過熱度SH1の変化を示したものである。

0042

また、図10は実過熱度SH1が所定時間t1経過後に初期設定値QAより大きくなった場合の特性を示すもので、(a)〜(d)に示すものは、図9に示すものに対応するものである。

0043

また、前記ステップ460の判定において、実過熱度SH1が初期設定値QAより小さい場合(図10(b)におけるSH1”に示す場合)は、実過熱度SH1の低下が目標過熱度SH0を増加させても実過熱度SH1が低下していることが確認されるために、ステップ500の判定において実過熱度SH1が初期設定値QAと等しくなるまで、図10(c)で示すように、ステップ490において目標過熱度SH0を設定値QBに保持するものである。

0044

この目標過熱度SH0を設定値QBに固定することにより実過熱度SH1の低下を抑制し、実過熱度SH1の変化を滑らかにすることができるものである。

0045

その後、前記ステップ500の判定において、実過熱度SH1が初期設定値QAと等しくなったと判定された場合(Y)は、ステップ510に進んで目標過熱度SH0初期設定値QAを設定し、ステップ520においてFLAG1に0を設定してステップ530からこのルーチンを抜けるものである。

0046

以上の構成の目標過熱度SH0設定ルーチンにおいて、上記実施例では、ステップ420の熱負荷の所定値以上の減少(急激な減少)を、熱負荷信号Tによって判定するようにしたが、この熱負荷信号Tの急激な減少による各制御機器の制御の変更を検出することによって熱負荷の急激な減少を判定するようにしても良いものである。例えば、図6に示すように、ステップ420の判定に代えて、ブロア制御電圧VBが所定時間内に所定値以上減少したか否かを判定するステップ421を設け、このステップ421の判定において熱負荷の急減を検出するものである。具体的には、ブロア制御電圧VBの変化量ΔVBの所定時間Δtにおける変化率(ΔVB/Δt)が所定値(−V0)以下である場合(ΔVB/Δt≦−V0)には、熱負荷が所定値以上減少したと判定するものである。尚、ステップ421の判定においてブロア制御電圧の変化が所定値以上減少した場合(Y)には図5に示すステップ430に進み、(N)の場合にはステップ530に進むものである。

0047

また、図7に示すステップ422は、前記ステップ420の判定に代えて、コンプレッサ回転数Nが所定時間内に所定値以上減少したか否かを判定するステップ422を設け、このステップ422の判定において熱負荷の急減を検出するものである。具体的には、コンプレッサ回転数Nの変化量ΔNの所定時間Δtにおける変化率(ΔN/Δt)が所定値(−N0)以下である場合(ΔN/Δt≦−N0)には、熱負荷が所定値以上減少したと判定するものである。尚、ステップ421の判定においてコンプレッサ回転数の変化が所定値以上減少した場合(Y)には図5に示すステップ430に進み、(N)の場合にはステップ530に進むものである。

0048

以上のように、空調装置における各制御機器の具体的な変動を検出することにより、冷媒循環サイクル1における実質的な熱負荷の変動を検出することができるものである。

0049

さらに、図8において示すフローチャートは、図5に示すステップ420の位置に挿入されるもので、ステップ423〜425に示す判定において、ブロア制御電圧VB及びコンプレッサ回転数Nの変化状態を判定するものである。ステップ423の判定において、ブロア制御電圧VBが所定時間内に所定値以上減少し、さらにステップ425の判定においてコンプレッサ回転数Nが所定値以上減少したと判定された場合(ステップ423及びステップ425の判定において共に(Y)の場合)には、ステップ427に進んでブロア制御電圧の変化率及びコンプレッサ回転数の変化率に基づき下記する数式3によって目標過熱度の変動値ΔQAを演算するものである。

0050

ΔQA=−ε2 (ΔVB/Δt)−ε1 (ΔN/Δt)

0051

尚、ε1 はブロア制御電圧の変化率から変動値ΔQAを演算するための演算手数であり、ε2 はコンプレッサ回転数の変化率から変動値ΔQAを演算するための演算定数である。

0052

また、前記ステップ423の判定において、ブロア制御電圧VBの変化率が所定値以上減少していない場合(N)で、ステップ424の判定においてコンプレッサ回転数Nの変化率が所定値以上変化している場合(Y)には、ステップ426においてコンプレッサ回転数Nの変化率に基づいて変動値ΔQAが下記する数式4によって演算されるものである。

0053

ΔQA=−ε1 (ΔN/Δt)

0054

前記ステップ423の判定においてブロア制御電圧VBの変化率が所定値以上減少している場合(Y)で、前記ステップ425の判定においてコンプレッサ回転数Nの変化率が所定値以上変化していない場合(N)には、ステップ428においてブロア制御電圧VBの変化率に基づいて変動値ΔQAが下記する数式5によって演算される。

0055

ΔQA=−ε1 (ΔVB/Δt)

0056

前記ステップ426乃至428によって設定された変動値ΔQAは、ステップ429において初期設定値QAに加えられて設定値QBになるものである(QB=QA+ΔQA)。尚、ステップ429によって目標過熱度SH0の設定値QBを設定した後は、図5のステップ430に進んで上記の制御を行なうものである。また前記ステップ423及び424の判定で共に(N)が判定された場合には、図5のステップ530に進むものである。

0057

これによって、目標過熱度SH0の設定値QBをブロア制御電圧の変化率及びコンプレッサ回転数の変化率によって設定できるために、上記実施例において示した設定値QBを固定した場合よりもさらにきめ細かく実過熱度SH1を制御できるものである。

0058

以上、熱負荷の急減における実過熱度の減少を抑制する制御について説明したが、熱負荷の急増における実過熱度の上昇を抑制する制御を付加した制御を図11に示し、以下このフローチャートに従って説明する。尚、上記熱負荷の急減における実過熱度の減少を抑制する制御については、同一であるため説明を省略する。

0059

目標過熱度SH0の設定ルーチンにおいて、ステップ400におけて目標過熱度SH0に初期設定値QAを設定した後、ステップ405においてFLAG2が1に設定されているか否かの判定を行なう。この判定において1に設定されている場合(Y)は、下記するステップ640に進み、設定されていない場合(N)は、前記ステップ410に進むものである。

0060

熱負荷の急増における実過熱度の上昇を抑制する制御は、ステップ420の熱負荷が所定値以上減少したか否かの判定において減少していない(N)場合に、ステップ600の判定から開始されるもので、このステップ600の判定において、熱負荷が所定値以上増加したと判定された場合(Y)にはステップ620に進み、増加していない場合(N)にはステップ610からこのルーチンを抜けて図4のステップ270に進むものである。

0061

ステップ620においては、目標過熱度SH0に初期設定値QAより低い設定値QD(QD<QA;例えば5°C)を設定し、ステップ630において設定値QDを設定したことを示すフラッグFLAG2に1を設定するものである。

0062

ステップ640において目標過熱度SH0を設定値QDに設定した制御を所定時間t1継続させ、その後ステップ640において実過熱度SH1が初期設定値QA以上であるか否かの判定を行なう。この判定において、実過熱度SH1が初期設定値QA以下である場合には、ステップ660において目標過熱度SH0を段階的に初期設定値QAまで上げて行くもので(SH0=SHO+n)、ステップ680の判定において目標過熱度SH0が初期設定値QAと等しくなるまで、この動作が継続されるものである。

0063

これによって、実過熱度SH1の急激な下降を抑制でき、実過熱度SH1の滑らかな変化を得ることができるものである。

0064

また、前記ステップ650の判定において、実過熱度SH1が初期設定値QA以上であると判定された場合(Y)には、ステップ670に進んで、ステップ690の判定によって実過熱度SH1が初期設定値QAと等しくなるまで(SH1=QA)、目標過熱度SH0は設定値QDに保持されるものである。

0065

この後、前記ステップ680及び690の判定において、実過熱度SH1が初期設定値QAと等しいと判定された場合(Y)は、ステップ700において目標過熱度SH0に初期設定値QAを設定し、ステップ710においてFLAG2に0を設定して、ステップ720からこのルーチンを抜けるものである。

0066

また、ステップ600で示す熱負荷所定値以上増加の判定を、図6で示すステップ421の内容をΔVB/Δt≧+V0としたものに置き換えたり、また図7で示すステップ422の内容をΔN/Δt≧+N0としたものに置き換えたり、さらに図8で示すステップ423をΔVB/Δt≧+V0とし、ステップ424及び425をΔN/Δt≧+N0としたものに置き換えることにより、さらに実過熱度SH1の変化を滑らかにする等の効果を上げることができるものである。

0067

以上のように、図5で示す熱負荷の急減による実過熱度の減少を抑制するための目標過熱度設定ルーチンに、熱負荷の急増による実過熱度の増加を抑制するための目標過熱度設定ルーチンを付加することにより熱負荷の急減及び急増に対応することのできる電気式膨張弁の制御を遅滞なく行なうことができるものである。

発明の効果

0068

以上説明したように、この発明によれば、熱負荷が所定値以上変化した場合、前記冷媒循環サイクルの目標過熱度の設定値を初期設定値から所定値変化させ、膨張弁開度の制御因子である目標過熱度と実過熱度との差を熱負荷の変化に対応して変化させることができるために、熱負荷の変化に対して瞬時に膨張弁開度を制御でき、温度センサの検出遅れによる過熱度の変動を精度良く抑制することができるものである。

0069

また、前記目標過熱度の設定値による膨張弁開度制御が所定時間実行された後、実過熱度が目標過熱度の変化と同方向に変化した場合には、前記目標過熱度の設定値を徐々に初期設定値に戻し、さらに実過熱度が前記目標過熱度の変化と逆方向に変化した場合には、前記目標過熱度の設定値を所定時間継続させた後、初期設定値に戻すようにしたことによって、冷媒の過熱度の変動を滑らかにすることができ、安定した過熱度を得ることにできるものである。

図面の簡単な説明

0070

図1この発明の実施例に係る冷媒循環サイクルを示す構成図である。
図2冷媒循環サイクルの制御を行なうハード構成を示すブロックダイアグラムである。
図3コントロールユニットにおいて実行される電気式膨張弁の制御例の前半部分を示すフローチャート図である。
図4コントロールユニットにおいて実行される電気式膨張弁の制御例の後半部分を示すフローチャート図である。
図5目標過熱度SH0設定ルーチンを示すフローチャート図である。
図6目標過熱度SH0設定ルーチンにおけるステップ420に代わるブロア制御電圧VB判定のステップを示した説明図である。
図7目標過熱度SH0設定ルーチンにおけるステップ420に代わるコンプレッサ回転数N判定のステップを示した説明図である。
図8目標過熱度SH0設定ルーチンにおけるステップ420に代わるブロア制御電圧VB判定及びコンプレッサ回転数N判定のステップを示すと共に、変動値ΔQAの演算を示した説明図である。
図9実過熱度SH1が初期設定値QA以上である場合の(a)はセンサ検出温度TsとTint 、(b)は実過熱度SH1、(c)は目標過熱度SH0、(d)はファン風量の特性を示した説明図である。
図10実過熱度SH1が初期設定値QA以下である場合の(a)はセンサ検出温度TsとTint 、(b)は実過熱度SH1、(c)は目標過熱度SH0、(d)はファン風量の特性を示した説明図である。
図11熱負荷が上昇した場合の目標過熱度設定ルーチンを付加した目標過熱度SH0設定ルーチンを示すフローチャート図である。

--

0071

1冷媒循環サイクル
2空調ダクト
3 第1の熱交換器
4 第2の熱交換器
5四方弁
6 コンプレッサ

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