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技術 シート状全芳香族ポリアミド成形物

出願人 帝人株式会社
発明者 篠木孝則山本至郎
出願日 1992年12月22日 (27年3ヶ月経過) 出願番号 1992-342405
公開日 1994年7月5日 (25年8ヶ月経過) 公開番号 1994-184982
状態 特許登録済
技術分野 紙(4) 有機絶縁材料 絶縁物体
主要キーワード 原素材 脱落防止効果 耐久度 加工要求 アラミドシート 磁性異物 マイカ製 パルプ状粒子
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目的

耐コロナ性コロナ耐久性)が良好で表面平滑性にも優れた電気絶縁材料として有用なシート全芳香族ポリアミド成形物を提供する。

構成

10〜90%の雲母粒子と90〜10%の全芳香族アミド紙料フィブリッド、繊維)を含む水分散液から湿式成形によりシート状成形物を得る際、上記水分散液にノニオン系高分子凝集剤を添加することにより、コロナ耐久度を150分以上としたシート状成形物。

概要

背景

近年、電気機器特に変圧器電動機、変換器等の密閉系発熱機器高容量化、小型化が求められる結果、高温での使用が不可避となり、その絶縁材料全芳香族ポリアミド(以下「アラミド」と略称することがある)を用いた耐熱性アラミドシートあるいはアラミドボードが用いられるに到った。

しかし、通常のアラミドシートあるいはアラミドボードの如き有機電気絶縁材料の有する耐久性、特に耐コロナ性の範囲を超えた高度の電気絶縁性が要求される分野には、無機天然雲母剥層品が使用されてきたが、良質且つ大型の天然雲母は産出量限界がある上、高価であり、その上、剥層品は柔軟性に欠けるため、コスト面及び成形加工性に種々問題があった。

この天然雲母剥層品を使用する代りに、原料的に入手しやすい細粒化された集成雲母に少量の高分子フィブリッドを均一に混入せしめ且つ熱カレンダー処理することで熱融着させ一体化する方法が提案されている(特開昭57—149703号、特開昭57—167374号公報等)。しかし、かかる熱溶融により接着されたシートは、強力が発現しない上に、柔軟性に欠けるため、電気電子部品としての複雑な加工要求応えられないという問題があった。

また、粒状雲母と実質上溶融されていない全芳香族ポリアミドフィブリッドもつれあった混合物からの耐高温性シート状構造物を得ようという試みも提案されている(特公昭43—20421号公報)。しかし、混抄される粒状雲母中、粒子径の小さい部分が全芳香族ポリアミドフィブリッドに捕捉され難いため、雲母粒子シート形成後の加熱圧縮成形時に脱落しやすく、耐コロナ性のバラツキの原因となるという問題があった。

また、雲母粒子と全芳香族ポリアミド繊維からなり、雲母粒子を全芳香族ポリアミドで被い且つ連結してなるいわゆる雲母包含パルプを用いた、油含浸性改良を狙ったシートも知られている(特公昭52—35763号、特公昭53—7961号公報)。しかし、この方法による雲母包含パルプは、全芳香族ポリアミド繊維との接着性に優れ且つ微細雲母粒子の脱落防止も期待できるが、繁雑な包含パルプ製造工程を必要とするため、実用上不利であった。

概要

耐コロナ性(コロナ耐久性)が良好で表面平滑性にも優れた電気絶縁材料として有用なシート状全芳香族ポリアミド成形物を提供する。

10〜90%の雲母粒子と90〜10%の全芳香族アミド紙料(フィブリッド、繊維)を含む水分散液から湿式成形によりシート状成形物を得る際、上記水分散液にノニオン系高分子凝集剤を添加することにより、コロナ耐久度を150分以上としたシート状成形物。

目的

かかる状況に鑑み、本発明の第一の目的は、良好な電気絶縁性なかんずく実用上重要な一定負荷電圧下での長時間抵抗性いわゆるコロナ耐久性を向上させ、さらに微細雲母粒子脱落防止効果に基づく表面平滑性を改良したシート状全芳香族ポリアミド成形物を提供することにある。他のもう一つの目的は、雲母という無機質粒子を全芳香族ポリアミド成形物中へ安定に導入することにより、難燃性、熱及び吸湿時の寸法安定性等に優れた安価な電気絶縁材料となるシート状全芳香族ポリアミド成形物を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

10〜90重量%の雲母粒子と90〜10重量%の全芳香族ポリアミド紙料とを主たる配合成分とする水分散液から湿式成形してなるシート状成形物であって、成形時に上記の水分散液にノニオン系高分子凝集剤を添加して作成したことを特徴とするコロナ耐久度負荷電圧20KV/mm、交流周波数1,000Hz)が150分以上のシート全芳香族ポリアミド成形物

請求項2

全芳香族ポリアミド紙料が全芳香族ポリアミドフィブリッド及び全芳香族ポリアミド繊維であり、且つ全芳香族ポリアミド繊維の含有量がシート状成形物全構成成分に対して30重量%以下である請求項1記載のシート状全芳香族ポリアミド成形物。

請求項3

全芳香族ポリアミドが、実質的にポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)、ポリ(p—フェニレンテレフタルアミド)及び/又はコポリ(p—フェニレン/3,4′—ジフェニルエーテル・テレフタルアミド)である請求項1又は2記載のシート状全芳香族ポリアミド成形物。

請求項4

ノニオン系高分子凝集剤が、実質的にポリアクリル酸アミド及び/又はポリエチレンオキシド系化合物からなる請求項1記載のシート状全芳香族ポリアミド成形物。

請求項5

ノニオン系高分子凝集剤の添加量が、シート状成形物全構成成分に対して0.01〜5重量%である請求項1又は4記載のシート状全芳香族ポリアミド成形物。

請求項6

雲母粒子、全芳香族ポリアミド紙料及びノニオン系高分子凝集剤の各成分を水中に分散させた後、湿式抄造するか、あるいはパルプモールド法でシート状にした後、乾燥し加熱加圧した請求項1記載のシート状全芳香族ポリアミド成形物。

技術分野

0001

本発明は、耐熱性で且つ電気絶縁性(とりわけ耐コロナ性)、寸法安定性及び難燃性に優れ、さらに成形性とその表面平滑性も良好なシート全芳香族ポリアミド成形物(いわゆるアラミドシートあるいはアラミドボード)に関するものである。

背景技術

0002

近年、電気機器特に変圧器電動機、変換器等の密閉系発熱機器高容量化、小型化が求められる結果、高温での使用が不可避となり、その絶縁材料も全芳香族ポリアミド(以下「アラミド」と略称することがある)を用いた耐熱性のアラミドシートあるいはアラミドボードが用いられるに到った。

0003

しかし、通常のアラミドシートあるいはアラミドボードの如き有機電気絶縁材料の有する耐久性、特に耐コロナ性の範囲を超えた高度の電気絶縁性が要求される分野には、無機天然雲母剥層品が使用されてきたが、良質且つ大型の天然雲母は産出量限界がある上、高価であり、その上、剥層品は柔軟性に欠けるため、コスト面及び成形加工性に種々問題があった。

0004

この天然雲母剥層品を使用する代りに、原料的に入手しやすい細粒化された集成雲母に少量の高分子フィブリッドを均一に混入せしめ且つ熱カレンダー処理することで熱融着させ一体化する方法が提案されている(特開昭57—149703号、特開昭57—167374号公報等)。しかし、かかる熱溶融により接着されたシートは、強力が発現しない上に、柔軟性に欠けるため、電気電子部品としての複雑な加工要求応えられないという問題があった。

0005

また、粒状雲母と実質上溶融されていない全芳香族ポリアミドフィブリッドもつれあった混合物からの耐高温性シート状構造物を得ようという試みも提案されている(特公昭43—20421号公報)。しかし、混抄される粒状雲母中、粒子径の小さい部分が全芳香族ポリアミドフィブリッドに捕捉され難いため、雲母粒子シート形成後の加熱圧縮成形時に脱落しやすく、耐コロナ性のバラツキの原因となるという問題があった。

0006

また、雲母粒子と全芳香族ポリアミド繊維からなり、雲母粒子を全芳香族ポリアミドで被い且つ連結してなるいわゆる雲母包含パルプを用いた、油含浸性改良を狙ったシートも知られている(特公昭52—35763号、特公昭53—7961号公報)。しかし、この方法による雲母包含パルプは、全芳香族ポリアミド繊維との接着性に優れ且つ微細雲母粒子の脱落防止も期待できるが、繁雑な包含パルプ製造工程を必要とするため、実用上不利であった。

発明が解決しようとする課題

0007

かかる状況に鑑み、本発明の第一の目的は、良好な電気絶縁性なかんずく実用上重要な一定負荷電圧下での長時間抵抗性いわゆるコロナ耐久性を向上させ、さらに微細雲母粒子脱落防止効果に基づく表面平滑性を改良したシート状全芳香族ポリアミド成形物を提供することにある。他のもう一つの目的は、雲母という無機質粒子を全芳香族ポリアミド成形物中へ安定に導入することにより、難燃性、熱及び吸湿時の寸法安定性等に優れた安価な電気絶縁材料となるシート状全芳香族ポリアミド成形物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、雲母粒子と全芳香族ポリアミドのフィブリッド(及び全芳香族ポリアミド繊維)とを含む水分散液から湿式成形した後の、乾燥、加熱、加圧の一体化過程で発生する微小粒子径雲母の脱落が、湿式成形前の水分散液に少量のノニオン系高分子凝集剤を添加することによって防止できることを見出し、本発明に到達した。

0009

すなわち、本発明は、10〜90重量%の雲母粒子と90〜10重量%の全芳香族ポリアミド紙料(すなわち全芳香族ポリアミドフィブリッド又はこれと全芳香族ポリアミド繊維との両者)とを主たる配合成分とする水分散液から湿式成形してなるシート状成形物であって、湿式成形時に上記の水分散液にノニオン系高分子凝集剤を添加して作成された、コロナ耐久度負荷電圧20KV/mm、交流周波数1,000Hz)が150分以上のシート状アラミド成形物に係るものである。

0010

本発明に使用する雲母は、必ずしも板状の一枚物である必要はなく、微粒子を水に分散させた後シート状に集積した、安価ないわゆる「集成マイカ」でよい。雲母の種類としては、磁性異物(例えば鉄粉)あるいは形状の大きな異物(例えばシリカ粉)等が含まれていない限り、白雲母絹雲母、金雲母、黒雲母等いずれの種類でも差支えない。特に白雲母の「集成マイカ」が実用的である。これら集成マイカは、通常、広範な粒度分布を持つものである。勿論、その粒度分布は集成マイカ製造条件に依存するが、市販品の多くは、300メッシュをも通過する極微小粉末状雲母を少量含んでいる。

0011

本発明のシート状成形物における雲母粒子の量は、該雲母粒子及び全芳香族ポリアミド紙料を含む全構成成分をベースにして10〜90重量%とすることが必要である。10重量%未満では、前述の雲母添加効果余りなく、90重量%を越えると得られるシート状成形物の機械的強度及び電気特性が低下するので好ましくない。最も好ましい含有量は30〜70重量%である。

0012

全芳香族ポリアミド紙料とは、これを水中に分散した後、抄造、乾燥し、必要なら熱圧着するか、あるいは、予め金網型枠で予賦成形し、これを乾燥熱圧着することでシート状の全芳香族ポリアミド成形物をつくることができる原素材を意味する。その構成成分は、主として全芳香族ポリアミドフィブリッド及び全芳香族ポリアミド繊維からなる。

0013

全芳香族ポリアミド紙料のシート全構成成分に対する配分比は、90〜10重量%とする。90重量%を越えると、得られたシート状成形物の電気絶縁性を損い、10重量%未満では、強伸度機械的特性の低下及び電気絶縁性を損うので、好ましくない。特に好ましい範囲は70〜30重量%である。

0014

上記紙料には、全芳香族ポリアミドのフィブリッド(パルプとも呼ばれる)の他に、全芳香族ポリアミドの繊維(特に短繊維)を共存させると、得られる成形物の機械的特性を向上させるので望ましい。繊維の量は成形物全構成成分の30重量%以下、特に好ましくは5〜20重量%である。30重量%を越えると電気絶縁性が損われ易いので望ましくない。

0015

ここで言う全芳香族ポリアミドとは、実質的に、ポリ(m—フェニレンイソフタルアミド)、すなわち、ポリマー繰返し単位少くとも80モル%以上がm—フェニレンイソフタルアミドであるもの、及び/又は、実質的にポリマー繰返し単位が下記式(I)に示されるポリ(p—フェニレンテレフタルアミド)あるいは実質的にポリマー繰返し単位が下記式(II)と下記式(III )からなる共重合体コポリ(p—フェニレン/3,4′—ジフェニルエーテル・テレフタルアミド)を総称する。

0016

0017

勿論、本発明の成形物を製造する際、基本物性を損わない範囲の他のポリマー、例えばポリエチレンテレフタレートからなる紙料を少量混合することは差支えない。

0018

既述した如く、広範な粒度分布をもつ雲母粒子と全芳香族ポリアミド紙料を所定割合で水中に分散させた後、抄紙機による抄造あるいは金網型枠による予備賦形を行う際、該水分散液中にノニオン系高分子凝集剤を少量共存させると雲母混合の作用効果が著しく高められるというのが本発明の骨格である。

0019

本発明において、ノニオン系高分子凝集剤の添加量は、シート状成形物全構成成分に対して0.01〜5重量%とする。この添加量が0.01重量%未満では効果発現が不充分であり、5重量%を越えると水の粘度を必要以上に高めて濾水性を損ったり、得られた成形物の電気絶縁性を低下させるので好ましくない。好ましい添加量は0.05〜1.0重量%である。このノニオン系高分子凝集剤は、通常の水質例えばpH3〜10領域で問題なく使用できる。

0020

代表的なノニオン系高分子凝集剤の例としては、三井サイアナミッド社の「アコフロックN—100」「アコフロック102」、興化学工業(株)の「コーナンフロックZH—760」、田工業(株)の「クリフロックPN—162」「クリフロックPN—131」、ダイヤフロック(株)の「アクパーズ」、住友精化(株)の「PEO—PF」等、ポリアクリル酸アミドあるいはポリエチレンオキシド系化合物を挙げることができる。

0021

本発明のシート状アラミド成形物を製造するには、例えば、集成マイカの所定量を適当な水中にとり、ゆっくり攪拌し微粒子状に分散させる。他方、全芳香族ポリアミド紙料は、公知の方法で所期濾水度を持つよう調整されたフィブリッドと必要なら既述範囲に入る量の繊維とを水の配されたチェスト攪拌機タンク)にとる。次に上記雲母分散水をこのチェストに移し、よく攪拌する。ノニオン系高分子凝集剤は、所定量をこのチェストで添加するか、抄紙の場合は後の種箱等の段階で配合しても差支えない。勿論、最初の雲母分散水中に添加するなど如何なる方法で添加しても差支えない。この凝集剤は、通常、固型か濃厚水溶液で市販されているので、予め濃度1〜5%の水溶液に調整したものを使用するのが生産上便利である。

0022

抄紙には、通常の円網、短網、長網のいずれの抄紙機も利用できる。このようにして得られたシートを所定の寸法に断載、積層し、必要なら熱風乾燥機で乾燥した後、プレス加工する。プレス加工の好ましい温度と圧力は、シート組成によって異なるが、一般に230〜330℃、10〜100kg/cm2 を挙げることができる。この際、適当な形状の金型を用いれば、所望の形状に賦型したシート状成型物とすることができる。

0023

立体的(三次元的)なシート状成形物を必要とする場合、例えば上記チェストから適当量の内容物を大型容器にとり、吸引装置のついた金網型枠を中へ入れて吸引成形するいわゆるパルプモールド法で予備成形し、次いで、乾燥後、所定の形状をした金型で圧縮成形する方法を採用してもよい。その際の最適温度、圧力はスラリー構成成分によって変化するが、それぞれ約230〜330℃、10〜100kg/cm2 である。

0024

本発明で用いられる全芳香族ポリアミドフィブリッドと繊維は、通常、湿式抄造あるいは湿式成形に使用されるものでよい。

0025

繊維としては、繊度0.1〜10デニール、長さ3〜20mmのものが広く利用できる。また、フィブリッドは、水分散剤から湿式成形する際の濾水性を妨げない範囲なら、よく叩解されていることが得られる成形物の機械的及び電気特性をよくする上から望ましい。最も好ましい濾水度は、成形物の厚さ、雲母粒子の混率、粒度分布等により異なるが、カナディアン標準濾水度(CSF)で80〜200mlに入るのが望ましい。

0026

本発明は、広範な粒度分布を持つ集成マイカを使いこなすこと、即ち、水中に分散させた後、全芳香族ポリアミド紙料と混合成形する際、例えば250メッシュの篩を通過するような微細粉末を含んでいても成形物の電気特性、特にコロナ耐久性を損わない点を大きな特徴としている。広範な粒度分布のものを使用する場合、ある限度未満の粒径をした雲母を予めカットする便法もあるが、工業生産時、分別の工程が必要な点、さらに分別残りの微粉末雲母処理の問題等考えると、工程が繁雑になりコスト的に不利である。本発明ではその必要がないので工業的に有利である。

0027

なお、雲母微粉末凝集効果は、ノニオン系高分子凝集剤の外、アニオン系高分子凝集剤カチオン系高分子凝集剤でも認められるが、後二者は電気特性を損うので適当でない。

0028

かくして、本発明のシート状成形物は、後述する方法で測定されるコロナ耐久度が150分以上であり、ノニオン系高分子凝集剤を用いないものに較べて大幅に耐コロナ性が改善されている。

発明の効果

0029

上述した如く、本発明によれば、雲母粒子と全芳香族ポリアミド紙料とを湿式成形し、成形物の電気特性、特にコロナ耐久性向上をはかる際、少量のノニオン系高分子凝集剤を存在させることにより、耐久性の平均値が向上すると同時にバラツキ変動率)が減少する。実用上電気絶縁材料の設計は、性能の平均値ではなくバラツキの下限値を考慮してなされるので、これの減少は材料の信頼性が向上することになり極めて有利になる。したがって、本発明の成形物は電気絶縁材料として特に有用である。

0030

もう一つの効果は、凝集剤添加により成形物表面平滑性を増すことである。そのため、本発明のシート状成形物はダスト汚れ等が付き難くなり、自動車エンジン室客室との隔壁材等常時高温にさらされると同時に不燃性が要求される場所にも利用できる。

0031

次に実施例を挙げて本発明を詳述する。実施例に示す特性値は、以下の測定方法で求めた値である。なお単に「部」とあるは重量部を表わす。
(a)対数粘度:95%硫酸中で濃度0.5g/100mlの対数粘度を30℃で測定した(単位;dl/g)。
(b)絶縁破壊電圧(BDV):JIS—C2111に準拠交流電圧で測定(単位;KV/mm)。
(c)コロナ耐久度:20℃、65%RH、周波数1,000Hz、負荷電圧20KV/mmの交流電圧下、試験片10個中5個が絶縁破壊するまでの時間(単位;分)。
(d)コロナ変動率:上記コロナ耐久度テストで2番目試料破壊時間(1番目は他要因入り易いので除外)と5番目の試料破壊時間(コロナ耐久度)との差をコロナ耐久度で除し百分率で表わした(単位;%)。
(e)表面平滑度:JIS—P8119(1976)ベック試験器による測定方法に準拠(単位;秒)。

0032

(ア)フィブリッドと繊維の作成
界面重縮合で作成したポリ(m—フェニレンイソフタルアミド)重合体(対数粘度1.6)から通常の方法でカナディアン標準濾水度(CSF)170mlのポリ(m—フェニレンイソフタルアミド)(以下「m—アラミド」と略称)のフィブリッド(パルプ状粒子)と、繊度2.0デニール、長さ6mm、強度5.8g/d、伸度40%のm—アラミド繊維を得た。

0033

(イ)雲母粒子の粒度分布
湿式篩方式で全量16メッシュ篩を通過、60メッシュ付近分布ピークが存在し、250メッシュ篩通過分が7%ある硬質焼成集成マイカ(日本マイカ製作所 CZ2T)を全実験に供した。

0034

(ウ)シートの作成
上記(ア)で作成したm—アラミドフィブリッド(P)、繊維(F)と(イ)に記述した雲母粒子(M)の合計75部を、配合比がそれぞれP/F/M=60/10/30(実施例1)、P/F/M=40/10/50(実施例2)、P/F/M=20/10/70(実施例3)になるよう約600倍の水中に分散させた。

0035

次いで、これらの水分散液にそれぞれノニオン系高分子凝集剤としてポリアクリル酸アミド(商品名「アクリパーズ」ダイヤフロック社製)0.075部(原料全量に対し0.1重量%)添加し、室温で約1分間攪拌した。ノニオン系高分子凝集剤「アクリバーズ」は1%水溶液に溶解し、剤成分(非水成分)として0.1重量%になるよう添加した。

0036

この分散スラリーを抄巾60cmの円網抄紙機で抄造し、130℃のヤンキードライヤーで乾燥して、ロール巻取った(抄速2m/min )。このロール2本からシートを取出し、290℃の予熱層を通した直後、設定温度300℃、線圧200kg/cmの2本の金属ロール間を通し、貼合せカレンダー加工し(加工速度2m/min )シートを得た。それらの結果とシート物性を下記の表1に示す。

0037

比較のため、実施例1〜3と全く同様に、ただしノニオン系高分子凝集剤を加えずに抄造し、カレンダー加工した。これらの結果と物性を表1に併記する。

0038

0039

これらの実験によりノニオン系高分子凝集剤の添加による効果が確認された。

0040

(エ)シートの作成
実施例1〜3で使用したものと同じフィブリッドと雲母粒子の計75部をそれぞれ下記表2の配合比になるよう約600倍の水中に分散させた。次いで、各水分散液にノニオン系高分子凝集剤「アクリパーズ」を0.15部(原料全量に対し0.2重量%)添加し、実施例1〜3(ウ)と同様の方法により抄造、乾燥し、ロールに巻取った。

0041

次いで、同様の方法により貼合せカレンダー加工を実施し、シートを製造した。それぞれの結果とシート物性を表2に示す。

0042

0043

これらの実験から、電気絶縁性、特にコロナ耐久度に及ぼす雲母粒子の添加量は、10〜90重量%、好ましくは30〜70重量%であることが明らかになった。

0044

実施例1〜3において、ノニオン系高分子凝集剤としてポリアクリル酸アミド(「アクリパーズ」)の代りに、ポリエチレンオキシド(商品名「PEO—PF」住友精化(株)製)を0.1重量%用いる以外は、全く同様にして抄造、乾燥、カレンダー加工をした。それらの結果を表3に示す。

0045

0046

これらの実験により、ポリエチレンオキシドも雲母混抄紙の電気絶縁性向上に極めて有効であることが判明した。

0047

また、実施例1〜11(比較例1〜4対比)より、凝集剤添加により表面平滑性が向上するのは雲母混抄紙の場合であり、雲母非含有のアラミド100%紙(比較例4参照)の場合、顕著な作用効果が認められないことが理解される。

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