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技術 電子機器の静電気放電耐性試験用模擬実験装置

出願人 株式会社日立システムズ
発明者 金子実高井敏光佐藤努秋永孚彦
出願日 1992年12月3日 (28年0ヶ月経過) 出願番号 1992-323948
公開日 1994年6月24日 (26年6ヶ月経過) 公開番号 1994-174772
状態 特許登録済
技術分野 電子回路の試験 電気的特性試験と電気的故障の検出 電子回路の試験
主要キーワード 模擬実験装置 実施例実験 接続用導線 絶縁性支柱 長方形金属板 矩形金属板 構成部材相互 荷物運搬用台車
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図面 (12)

目的

使い古したフリーアクセス床板間で発生する静電気放電模擬実験を、実際の場合と略同じ条件で実行し得る電子機器静電気放電耐性試験用模擬実験装置を提供することにある。

構成

フリーアクセス床板に似せた2枚の金属板を、基準大地面に対し、種々の位置、姿勢に配置して放電電極とし、それらの一方を接地、他方に高抵抗を介して直流高圧電源を接続して上記両板間に静電気放電を発生させ、この静電気放電位置に対して接続用ケーブルを含む被試験電子機器を種々の相対位置、状態に配置して、電子機器動作に対する静電気放電の影響を検査する。

概要

背景

情報処理などのためにオフィスビルディングに多数の電子機器が導入されるようになったが、それらの電子機器への電源からの配線機器同士の相互配線、特にそれらの更新配置変更を容易にするために、建屋の本来の床面から少し、例えば30cm程度、離して、矩形金属板に適度の導電性を有するプラスチック板を貼った板を配列して形成させた所謂フリーアクセス床構造が利用されるようになった。

本来、上記のようなフリーアクセス床板(矩形金属板の室内側表面に適度の導電性を有するプラスチック板を貼った板)やそれらの支持脚は、それぞれ導電性金属により製作し、相互間も導通状態となるように施工されている。しかし、長期間使用していると、隣接する各部が繰返し多数回の振動、衝撃、摺動などにより摩耗して相互間に隙間が生じ、また時には床ワックスかけられて、構成部材相互間の導通状態が損なわれ、他部分から絶縁状態となるフリーアクセス床板も生ずる。このような他部分から絶縁状態となった電気的に浮いたフリーアクセス床板は、その上を荷物運搬用台車が移動したり人間が歩行したりすると帯電し、帯電した電荷量が多くなり、隣接する(大抵は接地状態の)フリーアクセス床板との間に高い電圧印加されるようになると、遂には両者間に静電気放電が発生するようになる。そのような状態を図9に示す。

上記のようにしてフリーアクセス床で発生した静電気放電に起因するノイズ電波が、例えば、フリーアクセス床とその下の建屋本来の床との間に布設された電子機器間相互接続用ケーブルの位置にまで伝搬し、伝導性ノイズとなってケーブルを伝わって電子機器に悪影響を及ぼすものと推定される。この様子を図10に示す。

概要

使い古したフリーアクセス床板間で発生する静電気放電の模擬実験を、実際の場合と略同じ条件で実行し得る電子機器の静電気放電耐性試験用模擬実験装置を提供することにある。

フリーアクセス床板に似せた2枚の金属板を、基準大地面に対し、種々の位置、姿勢に配置して放電電極とし、それらの一方を接地、他方に高抵抗を介して直流高圧電源を接続して上記両板間に静電気放電を発生させ、この静電気放電位置に対して接続用ケーブルを含む被試験電子機器を種々の相対位置、状態に配置して、電子機器動作に対する静電気放電の影響を検査する。

目的

本発明は、実際に電子機器を据付け使用している現場で生じるESDに起因する誤動作の原因について確実に解明されるまでは、上記現場で生じる静電気放電の発生環境に出来るだけ近付けた試験条件とすることが肝要と考え、電子機器の静電気放電耐性試験を現場の状態に極力類似させた条件下で実行できるようにした模擬実験装置を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

それぞれ所定の面積と厚みをもつ長方形金属板2枚を、双方の特定の辺を互いに略平行に隣接させ、且つ、板面を基準大地面に平行に基準大地面から所定の高さに絶縁性支柱により支持させ、それらの一方は上記基準大地面から絶縁したまま、他方は所定のインピーダンスを介して基準大地面に接続した状態で、夫々を、任意の電圧を発生可能な直流高圧電源端電極に接続し、両金属板の上記平行な隣接2辺の間に直流高電圧印加して静電気放電を発生させ、放電発生時電極となる上記隣接2辺に対し所定の位置に配置した、接続用導線を含む試験対象電子機器静電気放電耐性試験するための電子機器の静電気放電耐性試験用模擬実験装置

請求項2

2枚の金属板の略平行な隣接2辺の間の間隔を所定長に保持したまま、印加電圧を順次上昇させて、上記隣接2辺の間に静電気放電を発生させるようにした請求項1記載の電子機器の静電気放電耐性試験用模擬実験装置。

請求項3

2枚の金属板の略平行な隣接2辺の間に所定の電圧を印加したまま、上記両金属板の双方または何れか一方に、所定の速度または加速度を与えて、上記隣接2辺を漸次接近させることにより、上記隣接2辺の間に静電気放電を発生させるようにした請求項1記載の電子機器の静電気放電耐性試験用模擬実験装置。

請求項4

金属板の基準大地面からの高さを任意に変更可能にした請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子機器の静電気放電耐性試験用模擬実験装置。

請求項5

2枚の金属板の何れの面積をも任意に変更可能にした請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子機器の静電気放電耐性試験用模擬実験装置。

請求項6

それぞれ所定の面積と厚みを有する長方形金属板2枚を、基準大地面に対し両者夫々任意の距離、姿勢をとり、両者が任意に所定の相対位置、相対姿勢をとるように絶縁性支持手段により支持させ、両者の一方は上記基準大地面から絶縁したまま、他方は所定のインピーダンスを介して基準大地面に接続した状態で、それぞれ、任意の電圧を発生可能な直流高圧電源の端電極に接続して、両者間に直流高電圧を印加して静電気放電を発生させ、両者に対し所定の位置に配置した、筐体と接続用導線を含む試験対象電子機器の静電気放電耐性を試験するための電子機器の静電気放電耐性試験用模擬実験装置。

請求項7

0〜±20kV発生できる直流高圧電源を用いた請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子機器の静電気放電耐性試験用模擬実験装置。

請求項8

静電気放電を1回または任意に所定の回数だけ間歇的に繰返し発生させるようにした請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子機器の静電気放電耐性試験用模擬実験装置。

技術分野

0001

本発明は、電子機器を設置するのに便利なフリーアクセス床面使い古されて、フリーアクセス床を構成する金属板間静電気放電が生ずるようになった場合の模擬実験をして、上記のような静電気放電の悪影響を受けないような電子機器やそれらの設置方法を研究、開発するための電子機器の静電気放電耐性試験用模擬実験装置に関する。

背景技術

0002

情報処理などのためにオフィスビルディングに多数の電子機器が導入されるようになったが、それらの電子機器への電源からの配線機器同士の相互配線、特にそれらの更新配置変更を容易にするために、建屋の本来の床面から少し、例えば30cm程度、離して、矩形金属板に適度の導電性を有するプラスチック板を貼った板を配列して形成させた所謂フリーアクセス床構造が利用されるようになった。

0003

本来、上記のようなフリーアクセス床板(矩形金属板の室内側表面に適度の導電性を有するプラスチック板を貼った板)やそれらの支持脚は、それぞれ導電性金属により製作し、相互間も導通状態となるように施工されている。しかし、長期間使用していると、隣接する各部が繰返し多数回の振動、衝撃、摺動などにより摩耗して相互間に隙間が生じ、また時には床ワックスかけられて、構成部材相互間の導通状態が損なわれ、他部分から絶縁状態となるフリーアクセス床板も生ずる。このような他部分から絶縁状態となった電気的に浮いたフリーアクセス床板は、その上を荷物運搬用台車が移動したり人間が歩行したりすると帯電し、帯電した電荷量が多くなり、隣接する(大抵は接地状態の)フリーアクセス床板との間に高い電圧印加されるようになると、遂には両者間に静電気放電が発生するようになる。そのような状態を図9に示す。

0004

上記のようにしてフリーアクセス床で発生した静電気放電に起因するノイズ電波が、例えば、フリーアクセス床とその下の建屋本来の床との間に布設された電子機器間相互接続用ケーブルの位置にまで伝搬し、伝導性ノイズとなってケーブルを伝わって電子機器に悪影響を及ぼすものと推定される。この様子を図10に示す。

発明が解決しようとする課題

0005

いわゆる合成樹脂で作られた安価なカーペットなどが利用されるようになってから、その上を歩行する人間の身体が相当な高電位おそらくは20kV程度になるまで静電気が帯電し、他物体との間で静電気放電を生じ、人間が電気ショックをうけるなどの問題が発生するようになった。

0006

情報処理用などの電子機器を配設した室内で、たとえ床がフリーアクセス床で略完全な接地状態になっていても、その上を歩く人間の靴底が例えば合成樹脂など絶縁性良好でしかも摩擦で静電気を発生し易い物質で作られている場合には、その人間の身体は高電位に帯電してしまう。そのような人間が、上記電子機器に近接して静電気放電が発生すると、それにより電子機器の動作に悪影響を生ずる恐れがあることは容易に考えられる。

0007

電子機器が静電気放電(ESD)の悪影響に対し、何の程度までなら耐えられるか、即ち電子機器の静電気放電耐性(ESDイミュニティ)を試験する規格が、IEC国際電気標準会議)によってIEC Pub.801-2(1984), IEC Pub.801-2 2nded.(1991,April)として定められた。また、この規格に適合するESDシミュレータも既に市販されるようになっている。但し、上記改定試験規格は人間が持つ鍵や指輪と電子機器との間に静電気放電が生じたマンメタル(man-metal)放電電流波形は鋭く立ち上がる第1尖頭値とそれに続く主尖頭値をもつ)の場合を想定して(この場合が実際に電子機器に最も悪い影響を与えると考えて)規定されたものである。この規格の改定時に、IBMは実際には所謂スチール家具と電子機器間のESD、即ちファーチャ(furniture)放電と呼ばれ、放電電流立上りはマン−メタルに比較して緩やかであるが電流振動波形しばらく継続するようなESDの方が実際に近いとして反対したと伝えられ、IBMでは自身が考案したIBM式と呼ばれるESDシミュレータを用いている。

0008

本発明者等は、上記IEC規格に適合するESDシミュレータを用いて、IECのESDイミュニティ試験の特定の基準値(ESDの放電電圧)を満足することを確認した機器でも、実際に現場で使用してみると、上記特定の基準値よりも低い電圧によって生じたESDによって誤動作する例があり、また、逆に、現場で実際に誤動作したことが確認されている電子機器に対して、上記IECイミュニティ試験を実施しても、何等誤動作しない例も実在することを発見した。このことは、実際に現場で発生しているESDは、IECのESDイミュニティ試験時に発生しているESDとは、性質が異なることを示唆している。

0009

本発明は、実際に電子機器を据付け使用している現場で生じるESDに起因する誤動作の原因について確実に解明されるまでは、上記現場で生じる静電気放電の発生環境に出来るだけ近付けた試験条件とすることが肝要と考え、電子機器の静電気放電耐性試験を現場の状態に極力類似させた条件下で実行できるようにした模擬実験装置を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を解決するために本発明においては、先ずフリーアクセス床板に似せた、それぞれ所定の面積と厚みをもつ長方形金属板2枚を、双方の特定の辺を互いに略平行に隣接させ、且つ、板面を基準大地面に平行に、基準大地面から所定の高さに絶縁性支柱により支持させ、それらの一方は上記基準大地面から絶縁したまま、他方は所定のインピーダンスを介して基準大地面に接続した状態で、夫々を、任意の電圧を発生可能な直流高圧電源端電極に接続し、両金属板の上記平行な隣接2辺の間に直流高電圧を印加して静電気放電を発生させ、放電発生時電極となる上記隣接2辺に対し所定の位置に配置した、接続用導線を含む試験対象電子機器の静電気放電耐性を試験することにした。

0011

上記試験に際し、2枚の金属板の略平行な隣接2辺の間の間隔を所定長に保持したまま、印加電圧を順次上昇させて、上記隣接2辺の間に静電気放電を発生させることも、2枚の金属板の略平行な隣接2辺の間に所定の電圧を印加したまま、上記両金属板の双方または何れか一方に、所定の速度または加速度を与えて、上記隣接2辺を漸次接近させることにより、上記隣接2辺の間に静電気放電を発生させることも、更には、金属板の基準大地面からの高さを任意に変更して、又は、2枚の金属板の何れの面積をも任意に変更して上記各試験が行えるようにする。

0012

更に、やや大型の筐体を備えた電子機器を据え付けた場合の現場の状況を考え、それぞれ所定の面積と厚みを有する長方形金属板2枚を、基準大地面に対し両者夫々任意の距離、姿勢をとり、両者が任意に所定の相対位置、相対姿勢をとるように絶縁性支持手段により支持させ、両者の一方は上記基準大地面から絶縁したまま、他方は所定のインピーダンスを介して基準大地面に接続した状態で、それぞれ、任意の電圧を発生可能な直流高圧電源の端電極に接続して、両者間に直流高電圧を印加して静電気放電を発生させ、両者に対し所定の位置に配置した、筐体と接続用導線を含む試験対象電子機器の静電気放電耐性を試験することも可能にする。但し、この場合、実際に大切なのは、筐体に見立てた金属板が床板に見立てた金属板の上に直立している場合である。

0013

なお、直流高圧電源は±20kVまで発生できることが必要で、また、静電気放電を1回または任意に所定の回数だけ間歇的に繰返し発生させることができるようにしておくことも必要である。

0014

上記のような手段をとれば、情報処理用などの電子機器を実際に据付けた現場で生ずるであろう殆ど全てのESD発生環境を模擬できることは明らかである。本発明装置により模擬実験を行う際は、実験者が機器の取扱いや現象の観察などを容易に正確に行えるように、建屋の床(必ずしもフリーアクセスである必要はない)に、通常の適当な高さの、例えば、木製(導電性が低く静電容量も余りない)のや台を置き、その上に先ず導電性金属板を敷いて基準大地面とし、その上に本発明模擬実験装置を載置するものとする。このような状態を図11に示す。

0015

図1は本発明第1実施例を示す図である。図中にハンマーとあるのは、フリーアクセス床板に似せた接地した方のアルミニウム板に所定のインパルス力積)を与えるための手段で、すべて剛体で製作し、ハンマーの腕と支持棒との間には実質的に摩擦が存在しないように(例えば球軸受を用いて)しておく。また、上記支持棒や、それを両端で支持する柱の間隔は、図を判り易くするために長く描いてあるが、実際には短くて差支えない。使用に際しては、このハンマーの腕が水平になるまで持ち上げ、急に離して、ハンマーに加わる重力モーメントにより自由に回転させ、接地した方のアルミニウム板に所定のインパルスを与えさせる。ハンマーの質量や、その腕の長さなどは勿論所定値とする。インパルスは質量×速度=運動量であるが、実際に所定の速度を得るには、所定の高さから所定の質量の地球重力で自然落下させることにより、その錘がアルミニウム板に衝突するときの速度を所定値にするのが、多数回の実験を繰り返しても均一性を保ち易いため上記のようにした。上記の場合に、ハンマーの質量10kg、落下する距離1m、とすれば、ハンマーがアルミニウム板に衝突するときの速度vは、v2=2gh(但しg=地球重力による加速度、h=1m)から得られ、インパルスは10kg×vとなる。また、接地した方のアルミニウム板は、図示の如くレール上に回転自在な車輪を介して横(水平)方向に自由に移動できるようにしてある。実験に際して、腕が水平になったハンマーの支持手段を急に除去することが重要で、誤差の原因になり易い。また上記レールが水平になっていることも重要である。この実施例により、基準大地面から同じ高さに隣接して配設した2枚のアルミニウム板夫々の、隣接した2辺の間の距離を所定値にして、これら2辺間に印加する電圧を次第に上昇させてESDを発生させることも、所定の加速度で、所定の電圧を印加されている隣接2辺を近付けながらESDを生じさせる実験もできる。実際にフリーアクセス床板同士の間に生じている隙間は、本発明者の調査では最大2mm程度であった。従って、隣接2辺間の距離を一定にして、印加電圧を上昇させて行ってESDを発生させる実験は最大たとえば2mmの隙間から最小たとえば0.5mm位まで行えば良い。なお、ESDの実験では、環境の空気中の塵埃、特に期に衣服から生ずると見られる繊維の影響は甚大で、最初に妙に低い印加電圧で放電したりするのは大抵塵埃の影響である(繊維屑は通常初回の放電で焼損して無くなり次回から通常値に戻る)。また、上記、2枚の板を近付ける実験を行う場合には、例えば2辺の間隔を10mmに設定しておいて、印加電圧は最大20kVから始めて、種々の印加電圧で実験するものとする。

0016

実験に用いる直流高圧電源の模式的説明図を図7に示しておく。放電制御回路は、放電を1回だけやらせる(単発)、又は所定の時間間隔で所定回繰返し発生させるなどの制御を行う。保護抵抗は例えば2GΩである。既述のIECのESD耐性試験規格で定められた高圧電源は、電源自体の接地してない方の電極を静電気放電の一方の電極とし、供試電子装置相手電極にして、これら両電極間に放電させて、供試電子装置の動作が如何なる影響を受けるかを調べるものであるのに対して、本発明模擬実験装置の場合は、ESDを発生させる電極となるのは、フリーアクセス床板に模擬した2枚のアルミニウム板の辺などであり、また、静電気放電の電源となるのは上記アルミニウム板に蓄積された電荷であり、放電電流が流れるのはESD部以外は基準大地から上記アルミニウム板の一方に至る接地線(及び基準大地と電荷が蓄積されたアルミニウム板の間の静電容量など)である。本発明の高圧電源の役目は上記2枚のアルミニウム板の基準大地面から絶縁されている方の1枚に所定の電圧になるまで電荷を与えてやることであり、ESDが生じた後に、この高圧電源から更に電荷が速やかに補充されるようなことは避けなければならない。従って、本発明装置の場合の保護抵抗はIECの電源の場合の放電抵抗330Ωとは全く目的が異なっており、抵抗値は上記のように例えば2GΩと大きくしてある。

0017

なお、2枚のアルミニウム板を支える支持脚は長短何種類か用意して、実際に実験対象電子機器を据付けようとしている現場のフリーアクセス床と略同じ高さに支持して実験できるようにする。

0018

図2は本発明第2実施例を示す図である。この実施例は2枚の隣接する導電体の板が基準大地面に対して平行でなく傾斜しているときは、如何なる影響がでるかを実験するための装置である。第1実施例に対して大きく異なっている点は、支持脚は絶縁物たとえばテフロンよりなる支持台を支えており、2枚のアルミニウム板は夫々支持台に蝶番取付けられ、図示を省略した手段によって板面は支持台の枠面に対し任意の固定角度で支持されている。かかる構造であるから、ハンマーによって移動可能な接地してある方の支持台にインパルスを与えると、支持台と一緒にアルミニウム板も移動する。その他の点は第1実施例の場合と同様である。

0019

図3は実際に電子機器を据付ける現場で実験できるようにした第3実施例の説明図である。図3中、白くしてある個所は通常のフリーアクセス床面で、灰色にしてある個所が、実験装置である。図4(a)は実験装置部分の平面図、図4(b)は側面図、図4(c)は図4(a)中に示したA−A’線断面図である。この実験装置でもアルミニウム板はテフロン製の支持枠内に支持されている。アルミニウム板の大きさは他部分の通常のフリーアクセス床の金属板より僅かに小さく、図4(a)で判るように任意に隙間を作れる(この板と左方のフリーアクセス床板との間に所望の隙間を作るため)ようになっている。また、アルミニウム板の1辺に上方へ突出した部分が設けてあるのは所定のインパルスを加えるためにハンマーで叩く部分である。図中の寸法はmm単位である。図4で示す実験装置のアルミニウム板は周囲のフリーアクセス床板とは異なり、絶縁支持されているから、図7に示す高圧電源で、先ず此の絶縁支持されているアルミニウム板に、任意に所定の電圧を印加する。図3では簡単にするため図示してないが、高圧電源の一方の電極は接地してあるものとする。このような構造で、他部分すなわち図3で実験装置の左方のフリーアクセス床板に充分接近させることができる。図4(a)を見れば判るように右方にはテフロンの枠があって、右方の通常のフリーアクセス床板には近付けない。

0020

図5は、現場へ運搬するのに便利な可搬型にした第4実施例実験装置を示す図である。図4(a)、(b)、(c)の各図に示した第3実施例実験装置では、テフロン枠内に載置したアルミニウム板をハンマーで叩くようにしてあったが、ハンマーに所定のインパルスを与えるということは現場では案外厄介なことなので、図5に示す可搬型では、3本の同一仕様圧縮ばねをテフロン枠とアルミニウム板の右辺との間に平行させて挿入し、それらを図示の如く所定長圧縮した状態にしておく。図示のレバーを左に押すと、留金外れて上記圧縮ばねは自由に延びられるようになり、所定の力でアルミニウム板を左方へ押す。また、第3図に示した場合は、実験室で用いているのと同様な高圧電源を用いていたが、この可搬型実験装置では高圧電源もテフロン枠の上にアルミニウム板を股いで取付けてある。但し、実際に使用する際には、図示してないが、この高圧電源の一方の電極を基準大地面に接地して用いることは言うまでもない。実際に電子機器を据付ける現場で、第3図に示した場合と同様に、1枚のフリーアクセス床板を取り去り代りに其処へこの可搬型実験装置を嵌め込んで実験すれば良い。

0021

図6に示す第5実施例実験装置では、2枚のアルミニウム板を一平面上に図示の如く配列し、相互に摺動可能にテフロン枠に嵌めてある。アルミニウム板の上下端部はテフロン枠の溝に係合しており、どの方向に向けてもテフロン枠から外れない。テフロン枠には第4実施例で用いたのと同様な高圧電源および加速度発生用圧縮ばねが図示の如く装備されている。支持脚の垂直方向の棒の上で、任意の高さにテフロン枠を保持する腕を固定することができる。図6では、垂直方向の2本の支持脚上で2枚のアルミニウム板を支持するテフロン枠は略水平に保持されているが、水平に限定されることなく、2本の支持脚上で保持用腕を固定する高さを異ならせ傾斜させても良い。図6に示した装置では、1平面上に配列された2枚のアルミニウム板の基準大地面に対する方向、位置を、それらを保持するテフロン枠ごと自由に変えられるに過ぎないが、2枚のアルミニウム板をそれぞれ別のテフロン枠(アルミニウム板の上下端を溝に係合させて支持する相対向する2辺と、これら2辺を片持ち方式で支持する1辺よりなる)に、枠から外れず、かつ枠内で摺動可能に支持させ、両テフロン枠をそれぞれ2本の支持脚で図6に示すように支持させれば、2枚のアルミニウム板は、基準大地面に対しても、また相互間でも、全く自由な相対位置、相対姿勢をとれる。実際には、基準大地面に接地したアルミニウム板の一方を、このように保持しながら、他方には図5に示した可搬型実験装置を図6に示す如く基準大地面に対し自由な位置、姿勢を採れるように支持して利用すれば、上記2枚の、全く自由な相対位置、相対姿勢にあるアルミニウム板のテフロン枠に遮られない辺の間でESDを生じさせる実験を行うことができる。

0022

なお、図8は、図3に示した場合の図4に示した実験装置の代りに、図5に示した可搬型実験装置を嵌め込んだ状態を示す図である。

0023

なお、本発明者等の実験によれば、電子機器(相互間接続用ケーブルを含む)に対するESDの影響は極めて微妙で、特にケーブルと大地間の関係(大地上をはわせる、フリーアクセス床支持脚の中央部に絶縁して取付ける、フリーアクセス床面の裏に密着させる)には複雑な対応を示す。

発明の効果

0024

以上説明したように本発明によれば、使い古したフリーアクセス床板間で発生する静電気放電の模擬実験を、実際に生起し得ると考えられる殆ど全ての場合と同じ条件で発生させることが可能となり、それら種々の条件下での静電気放電模擬実験により、電子機器の静電気放電耐性を向上させるための実験的研究を存分に行うことが可能になる。

図面の簡単な説明

0025

図1本発明第1実施例を示す斜視図である。
図2本発明第2実施例を示す斜視図である。
図3実際に電子機器を据付ける現場で実験できるようにした本発明第3実施例の説明図である。
図4第3実施例でフリーアクセス床板の1枚を取外し、そこに嵌め込んで静電気放電発生実験を行うのに用いる実験装置を示す図で、図4(a)はその平面図、図4(b)はその側面図、図4(c)は図4(a)中に示すA−A’線断面図である。
図5現場へ運搬するのに便利な可搬型にした第4実施例実験装置を示す斜視図である。
図6本発明第5実施例実験装置を示す斜視図である。
図7本発明に使用する高圧電源のブロック図である。
図8実際に電子機器を据付ける現場でフリーアクセス床板の1枚を取外し、可搬型実験装置を嵌め込んだ状態を示す図である。
図9フリーアクセス床面を使い古した結果、他部分から絶縁状態となったフリーアクセス床板が生じ、かかる床板が荷物運搬用台車の移動や、人間の歩行により帯電し、遂に隣接するフリーアクセス床板との間に静電気放電が発生するようになった状態を示す図である。
図10フリーアクセス床で発生した静電気放電に起因するノイズ電波が、例えば、フリーアクセス床とその下の建屋本来の床との間に布設された電子機器間相互接続用ケーブルの位置にまで伝搬し、伝導性ノイズとなってケーブルを伝わって電子機器に悪影響を及ぼす様子を示す図である。
図11建屋の床に、木製の机などを置き、その上に導電性金属板を敷いて基準大地面とし、その上に本発明模擬実験装置を載置した、静電気放電実験を行う環境を説明する図である。

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