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技術 ガス絶縁装置の事故点標定装置

出願人 富士電機株式会社
発明者 山田守
出願日 1992年11月16日 (28年0ヶ月経過) 出願番号 1992-304209
公開日 1994年6月10日 (26年5ヶ月経過) 公開番号 1994-162877
状態 特許登録済
技術分野 絶縁性に関する試験 電気的特性試験と電気的故障の検出 ガス絶縁開閉装置 開閉器の消弧装置
主要キーワード 定常圧力 内部アーク 波尾長 波頭長 圧力上昇分 パルス性ノイズ 各周期毎 閃絡事故
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図面 (11)

目的

閃絡事故が何時発生しても事故を確実に検知するとともに電気的ノイズを除去し誤判定を防ぐ。

構成

圧力センサからの信号70を処理する信号処理部がサンプリングデータの積分開始時刻を1周期δt分だけ順次遅らせて繰り返し積分を実施する。また、信号処理部が圧力センサの出力信号から所定時間前の出力信号の平均レベルを差し引き、この信号差各周期毎にサンプリングするとともに、時系列的に続く複数の信号差からなるグループに分け、各グループ内での最小の信号差をサンプリングデータとする。

概要

背景

密閉されたタンク内で閃絡事故が生じてもその事故点を外部からは目視することができないので、事故点標定装置が設置されていないと、直ちに回線切り替え修理が出来ない。そのために、最近ではGISの各ガス区画圧力センサなど事故時に生ずる現象を外部から検知するものが設けられるようになった。

図6は従来のガス絶縁装置の事故点標定装置の一例を示す構成図である。ガス絶縁装置のタンク1が4つのガス区画A、B、C、Dに区画されている。タンク1の内部は、SF6ガスとともに図示されていない電気機器収納されている。事故点標定装置は各ガス区画A、B、C、Dに設けられた圧力センサ2によって内部閃絡時のガス圧上昇をとらえ事故発生区画を標定するものである。圧力センサ2の出力信号2Sは、それぞれ信号処理部3、判断部4を介して表示部5に送られる。

図6において、圧力センサ2はタンク1内のガス圧力に比例する信号2Sを出力する。信号処理部3は信号2Sを変換するとともに一定期間毎に積分し、判断部4に信号3Sとして出力する。判断部4は信号3Sのレベルと所定の基準値と比較し、前者の方が大きくなったときに事故が発生したものと判断して報知信号4Sを出力する。表示部5は報知信号4Sを受けたときに、どのガス区画からその報知信号4Sが入力されたかをパネルなどに表示し、事故発生区画を知らせる。

図7は、閃絡事故時のガス圧力特性を示すタイムチャートである。縦軸は、図6における圧力センサ2の出力信号2Sであり、波形6は時刻t1 で内部閃絡が生じた場合の特性を示している。正常時のガス圧力は定常圧力Paであるが、時刻t1 から内部アークによってガスが加熱されるのでガス圧力がPmまで上昇する。時刻t2 まで内部アークが持続したときに、系統につながる保護装置などが回路遮断するとアーク消滅する。それにつれて、ガスが冷却されるのでガス圧力も降下し、時刻t3 で定常圧力Paに戻る。通常t2 −t1 は数100ms程度、t3 −t2 は数秒程度である。定常圧力Paはそのガス絶縁装置に封入されれたガスの圧力であり、Pm−Paは閃絡時のアーク電流の大きさに依存する。Pm−Paが所定の値より大きくなったときに閃絡事故が生じたと判定することができる。

図8は図6の装置による圧力上昇分の信号処理経過を示すタイムチャートである。横軸の時刻は、周期δt毎に目盛りが刻まれ、また縦軸は圧力上昇を示す。上段の波形7は、図7の波形6から定常圧力Paのレベルを差し引いて得られた圧力上昇分の特性を示す。黒丸7Aは、時刻および圧力上昇をそれぞれ横軸、縦軸の各目盛りディジタル化し、波形7をサンプリングしたものである。下段の黒丸8Aは、上段の黒丸7Aを時刻ts から積分を開始して得られたものである。

図8において、時刻te まで、すなわち、所定の期間TO だけ積分して得られた値Iを図6判断部4が所定の基準値IO と比較し、Iの方が大きいと事故と判断する。TO は例えば数秒に選ばれ、アークの接続する期間が含まれるようにする。波形7の波高値が所定の値より大きくなったときに閃絡事故が生じたものと判断することもできるが、地絡事故のようにアーク電流が小さく、圧力上昇分があまり余り大きくない場合に検出感度が足りなくなる。圧力上昇分をアークの持続時間に渡って積分することにより、事故検出感度を高めている。なお、所定の基準値IO とは、温度変化などによって正常時に生ずる圧力上昇分に積分期間TO を乗じたものである。

概要

閃絡事故が何時発生しても事故を確実に検知するとともに電気的ノイズを除去し誤判定を防ぐ。

圧力センサからの信号70を処理する信号処理部がサンプリングデータの積分開始時刻を1周期δt分だけ順次遅らせて繰り返し積分を実施する。また、信号処理部が圧力センサの出力信号から所定時間前の出力信号の平均レベルを差し引き、この信号差各周期毎にサンプリングするとともに、時系列的に続く複数の信号差からなるグループに分け、各グループ内での最小の信号差をサンプリングデータとする。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
1件

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請求項1

タンク内に絶縁ガスとともに電気機器収納し、複数にガス区画されたガス絶縁装置において、ガス圧力に比例する電気信号を出力する圧力センサを各ガス区画に設け、内部閃絡時の圧力上昇を検知して事故発生区画標定するためのものであって、前記圧力センサの出力信号各周期毎サンプリングデータに変換し、このサンプリングデータを一定期間に渡って積分して出力する信号処理部と、この信号処理部の出力する積分値と所定の基準値とを比較することにより事故が発生したものと判断して報知信号を出力する判断部と、この報知信号を受け事故発生区画を表示する表示部とにより構成され、前記信号処理部がサンプリングデータの積分開始時刻を1周期分だけ順次遅らせて繰り返し積分を実施してなることを特徴とするガス絶縁装置の事故点標定装置

請求項2

請求項1記載のものにおいて、判断部が、基準値を所定時間前に積分されたサンプリングデータの積分値とすることを特徴とするガス絶縁装置の事故点標定装置。

請求項3

請求項1または2記載のものにおいて、信号処理部が圧力センサの出力信号から所定時間前の出力信号の平均レベルを差し引き、この信号差を各周期毎にサンプリングするとともに時系列的に続く複数の信号差からなるグループに分け、各グループ内での最小の信号差をサンプリングデータとすることを特徴とするガス絶縁装置の事故点標定装置。

請求項4

請求項1または2記載のものにおいて、信号処理部が、圧力センサの出力信号から所定時間前の出力信号の平均レベルを差し引き、この信号差を各周期毎にサンプリングするとともに時系列的に続く複数の信号差からなるグループに分け、各グループ内での最小の信号差と時系列的続く1グループ前の最小の信号差との積をサンプリングデータとすることを特徴とするガス絶縁装置の事故点標定装置。

技術分野

0001

この発明は、タンク内にSF6ガスとともに開閉機器収納されたガス絶縁開装置GIS)の事故発生区画標定とするための装置に関する。

背景技術

0002

密閉されたタンク内で閃絡事故が生じてもその事故点を外部からは目視することができないので、事故点標定装置が設置されていないと、直ちに回線切り替え修理が出来ない。そのために、最近ではGISの各ガス区画圧力センサなど事故時に生ずる現象を外部から検知するものが設けられるようになった。

0003

図6は従来のガス絶縁装置の事故点標定装置の一例を示す構成図である。ガス絶縁装置のタンク1が4つのガス区画A、B、C、Dに区画されている。タンク1の内部は、SF6ガスとともに図示されていない電気機器が収納されている。事故点標定装置は各ガス区画A、B、C、Dに設けられた圧力センサ2によって内部閃絡時のガス圧上昇をとらえ事故発生区画を標定するものである。圧力センサ2の出力信号2Sは、それぞれ信号処理部3、判断部4を介して表示部5に送られる。

0004

図6において、圧力センサ2はタンク1内のガス圧力に比例する信号2Sを出力する。信号処理部3は信号2Sを変換するとともに一定期間毎に積分し、判断部4に信号3Sとして出力する。判断部4は信号3Sのレベルと所定の基準値と比較し、前者の方が大きくなったときに事故が発生したものと判断して報知信号4Sを出力する。表示部5は報知信号4Sを受けたときに、どのガス区画からその報知信号4Sが入力されたかをパネルなどに表示し、事故発生区画を知らせる。

0005

図7は、閃絡事故時のガス圧力特性を示すタイムチャートである。縦軸は、図6における圧力センサ2の出力信号2Sであり、波形6は時刻t1 で内部閃絡が生じた場合の特性を示している。正常時のガス圧力は定常圧力Paであるが、時刻t1 から内部アークによってガスが加熱されるのでガス圧力がPmまで上昇する。時刻t2 まで内部アークが持続したときに、系統につながる保護装置などが回路遮断するとアーク消滅する。それにつれて、ガスが冷却されるのでガス圧力も降下し、時刻t3 で定常圧力Paに戻る。通常t2 −t1 は数100ms程度、t3 −t2 は数秒程度である。定常圧力Paはそのガス絶縁装置に封入されれたガスの圧力であり、Pm−Paは閃絡時のアーク電流の大きさに依存する。Pm−Paが所定の値より大きくなったときに閃絡事故が生じたと判定することができる。

0006

図8図6の装置による圧力上昇分の信号処理経過を示すタイムチャートである。横軸の時刻は、周期δt毎に目盛りが刻まれ、また縦軸は圧力上昇を示す。上段の波形7は、図7の波形6から定常圧力Paのレベルを差し引いて得られた圧力上昇分の特性を示す。黒丸7Aは、時刻および圧力上昇をそれぞれ横軸、縦軸の各目盛りディジタル化し、波形7をサンプリングしたものである。下段の黒丸8Aは、上段の黒丸7Aを時刻ts から積分を開始して得られたものである。

0007

図8において、時刻te まで、すなわち、所定の期間TO だけ積分して得られた値Iを図6判断部4が所定の基準値IO と比較し、Iの方が大きいと事故と判断する。TO は例えば数秒に選ばれ、アークの接続する期間が含まれるようにする。波形7の波高値が所定の値より大きくなったときに閃絡事故が生じたものと判断することもできるが、地絡事故のようにアーク電流が小さく、圧力上昇分があまり余り大きくない場合に検出感度が足りなくなる。圧力上昇分をアークの持続時間に渡って積分することにより、事故検出感度を高めている。なお、所定の基準値IO とは、温度変化などによって正常時に生ずる圧力上昇分に積分期間TO を乗じたものである。

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、前述したような従来の装置は、閃絡事故を見すごしてしまう場合があるという問題があった。また、パルス性電気的ノイズ侵入すると従来の装置は誤判定する場合があるという問題もあった。図9は、図6の装置による信号の積分順序を示すタイムチャートである。各積分処理は時刻に対して一定の積分期間TO 進む毎に新しく積分が開始される。すなわち、圧力上昇分は時刻に対して一定の積分期間TO 毎に繰り返し積分され、判断部によって、その各々の積分値が基準値と比較されている。

0009

閃絡事故は何時発生するか不明である。上段は閃絡事故が時刻TO と2TO との間で生じた場合である。一方下段は閃絡事故が時刻2TO の直前で生じた場合である。上段の場合、波形7の斜線が引かれた範囲7Bが全域に渡って積分される。しかし、下段の場合は、同じ波形7であっても斜線の範囲7Cと点々の範囲7Dとでは別々に積分される。したがって、下段のような積分期間に万一事故が生ずると、信号処理部から判断部に送られる積分値は約半分になるので、基準値より小さいものと誤判定する可能性がある。

0010

図10は、図6の装置にノイズが侵入した場合の信号処理経過をタイムチャートである。上段の波形9は電気的ノイズの一例を示し、黒丸9Aは波形9をサンプリングしたものである。下段の黒丸10Aは上段の黒丸9Aを時刻ts から積分を開始したものである。電気的ノイズはその持続時間が数msから数10msのパルス性のものが多く、そのレベルは検出したい圧力上昇分を数倍も越える場合がある。また、ノイズの発生頻度ランダムであり、積分期間TO に多数発生する場合もある。そのために、図10の下段のようにノイズを積分すると積分期間TO の積分値I1 は所定の基準値IO を容易に越え誤判定につながる。従来は、事故時に10KA以上の大電流が数100ms以上継続した場合に、ようやく事故検出が可能であり、数KAの電流が100ms流れた程度ではノイズのために誤判定するという欠点があった。

0011

この発明の目的は、閃絡事故が何時発生しても事故を確実に検知するとともに、電気的ノイズを除去し誤判定するものを防ぐことにある。

課題を解決するための手段

0012

上記目的を達成するために、この発明によれば、タンク内に絶縁ガスとともに電気機器を収納し、複数にガス区画されたガス絶縁装置において、ガス圧力に比例する電気信号を出力する圧力センサを各ガス区画に設け、内部閃絡時の圧力上昇を検知して事故発生区画を標定するためのものであって、前記圧力センサの出力信号を各周期毎のサンプリングデータに変換し、このサンプリングデータを一定期間に渡って積分して出力する信号処理部と、この信号処理部の出力する積分値と所定の基準値とを比較することにより事故が発生したものと判断して報知信号を出力する判断部と、この報知信号を受け事故発生区画を表示する表示部とにより構成され、前記信号処理部がサンプリングデータの積分開始時刻を1周期分だけ順次遅らせて繰り返し積分を実施してなるものとし、かかる構成において、判断部が、基準値を所定時間前に積分されたサンプリングデータの積分値とするものとする。

0013

さらに、上記構成において、信号処理部が圧力センサの出力信号から所定時間前の出力信号の平均レベルを差し引き、この信号差を各周期毎にサンプリングするとともに時系列的に続く複数の信号差からなるグループに分け、各グループ内での最小の信号差をサンプリングデータとする、または、信号処理部が、圧力センサの出力信号から所定時間前の出力信号の平均レベルを差し引き、この信号差を各周期毎にサンプリングするとともに時系列的に続く複数の信号差からなるグループに分け、各グループ内での最小の信号差と時系列的続く1グループ前の最小の信号差との積をサンプリングデータとする。

0014

この発明の構成によれば、信号処理部がサンプリングデータの積分開始時刻を1周期分だけ順次遅らせて繰り返し積分を実施する。これによって、事故時の圧力上昇期間全域に渡って積分する演算が必ず実効されるので、事故を見逃すことなしに確実に事故を検知することができる。

0015

かかる構成において、判断部が基準値を所定時間前に積分されたサンプリングデータの積分値とする。これにより、基準値が正常時のサンプリングデータの積分値となるとともに、ガス温度の変動やガス洩れなどによってガス圧力が多少変動しても常に現状の定常ガス圧力に対する積分値となる。したがって、基準値の設定のときにガス温度やガス洩れなどを全く考慮しなくてもよい。

0016

さらに、上記構成において、信号処理部が、圧力センサの出力信号から所定時間前の出力信号の平均レベルを差し引く。この信号差を各周期毎にサンプリングするとともに時系列的に続く複数の信号差からなるグループに分け、各グループ内での最小の信号差をサンプリングデータとする。これにより、パルス性の電気的ノイズが侵入した場合、各周期内で最も小さいノイズだけをサンプリングするのでサンプリングデータのノイズレベルが低減される。

0017

あるいはまた、上記構成において、信号処理部が、圧力センサの出力信号から所定時間前の出力信号の平均レベルを差し引き、この信号差を各周期毎にサンプリングするとともに時系列的に続く複数の信号差からなるグループに分け、各グループ内での最小の信号差と時系列的に続く1グループ前の最小の信号差との積をサンプリングデータとする。これにより、最小信号差のいずれか一方レベルが非常に小さくなっている場合が多いので、サンプリングデータのノイズレベルが大幅に低減される。

0018

以下この発明を実施例に基づいて説明する。図1はこの発明の実施例にかかる事故点標定装置の信号処理部による信号の積分順序を示すタイムチャートである。横軸の時刻は、周期δt毎に目盛りが刻まれ、また、縦軸は圧力上昇を示す。図は時刻taとtbの間に閃絡事故による波形70が生じた場合を示している。信号処理部は実際には波形70をディジタルにサンプリングデータに変換して積分するが、図では便宜上、サンプリングされる前の波形で示してある。積分期間は一定値の6周期分(6δt)とし、積分はその積分開始時刻を1周期分(δt)だけ順次遅らせて繰り返し実施される。すなわち、図1において、積分期間TO1、TO2、・・・、TOi(iは自然数)の順に積分が実施さる。図1の波形70は上段から下段へと6個示されてあるが、すべて同じものであり、積分処理を上段から下段へと積分の開始をδtだけずらしながら実行している様子を示したものである。信号処理部における信号の積分順序以外は従来の装置と全く同様に信号の処理が行われる。

0019

図1の最上段において、波形70の積分が積分期間To7とTO13 とで斜線の範囲70Aと点々の範囲70Bとに2分されている。いずれの場合も判断部において所定の基準値と比較すると、その積分値の方が小さくなる可能性があるので事故と判定されない。しかし、積分期間がTO9ないしTo11 になると波形70の全幅が1つの積分期間に含まれるようになり、必ず閃絡事故を検出することができる。このように積分を繰り返し実行することによって、どの時点で閃絡事故が生じても事故を見逃すことがなくなる。

0020

この発明の異なる実施例として、判断部が図1における波形70の積分値と比較するための基準値を所定時間前に積分したものとすることができる。すなわち、積分期間Toiが6δtに設定されているとき、例えばその積分期間Toiの積分開始時刻より常に12δt前に積分されたものを基準値とする。積分期間Toiが6δt進めば、基準値も6δt進めたものに入れ換えて両者の比較が行われる。このように、基準値として所定時間だけしか遅れていない値を使うことによって、現状に近い状態の値と常時比較することができる。そのために、ガス温度の変動やガス洩れが生じても常に精度よく事故を検知することができる。

0021

図2はこの発明のさらに異なる実施例にかかる事故点標定装置による圧力上昇分の信号処理経過を示すタイムチャートである。図2の最上段において波形7と黒丸7Aは、図8で示されたものと同じ波形の圧力上昇分である。横軸の時刻は周期δt毎に目盛りが刻まれている。中段の黒丸11Aは上段の黒丸7Aを時系列的に続く2個ずつのグループ12に分け、各グループ12内で小さい方のレベルをプロットしたものである。最下段の黒丸13Aは黒丸11Aを時刻tsから積分を開始した結果を示す。

0022

図2において、所定期間TO だけ積分した値Iを判断部が所定の基準値IO と比較し、Iの方が大きいときに事故と判断して報知信号を出力することは従来の装置と同様である。信号処理部がこのような処理を行うことによって、次に示すようにパルス性ノイズを除去することができる。図3図2と同じ手順でノイズを処理した経過を示すタイムチャートである。すなわち、図3の最上段は装置に侵入したノイズの波形14と、周期δt毎にサンプリングされた黒丸14Aである。ただし、波形14からは定常圧力のレベルが差し引かれてある。中段の黒丸15Aは、黒丸14Aを2個ずつのグループ12に分け、各グループ12内で小さい方のレベルをプロットしたものである。最下段の黒丸16Aは黒丸15Aを時刻tsから積分を開始した結果を示す。一方、白丸17Aは図8または図10で示した従来の装置によって最上段の黒丸14Aを時刻ts から積分を開始した結果を示す。

0023

図3において、中段の黒丸15Aは最上段のそれに比べて大幅にそのレベルが減少している。これは、ノイズの波形14が周期δtとほぼ同等の接続時間であるために、グループ12のうちに零レベルに近い黒丸14Aの存在する場合が多くなるこによる。前述したようにノイズの波形14は数msから数10ms持続するものが多い。したがって、δtとして50ms程度に設定すると効果的である。最下段に示されるように、従来の装置による時刻teまでの積分値I3 はこの実施例によるノイズ除去によって数分の1のI2 まで低下する。

0024

図4はこの発明のさらに異なる実施例にかかる事故点標定装置の信号処理経過を示すタイムチャートである。図4の最上段における波形7および黒丸7A、2段目における黒丸11Aは図2と同じ手順で処理されたものである。横軸の時刻も周期δt毎に目盛りが刻まれている。3段目の黒丸18Aは2段目において隣接する黒丸11A同士を掛算相手24として得られた掛算値である。最下段の黒丸19Aは黒丸18Aを時刻tsから積分を開始した結果を示す。

0025

図4において、所定期間TO だけ積分した値Jを判断部が所定の基準値IO と比較し、Jの方が大きいときに事故と判断して報知信号を出力することは図2の場合と同様である。なお、図4では波形11と18とが多少異なる。前述したように、一般に圧力上昇の波形7は、その波尾長波頭長と比べて桁違いに長い。そのために波形7の波尾長部分には周期δtの目盛りで多数刻むことができる。したがって、実際には波形18が波形11に対して大きく変歪することはない。信号処理部がこのような処理を行うことによって、次に示すようにパルス性ノイズを除去することができる。

0026

図5図4と同じ手順でノイズを処理した経過を示すタイムチャートである。図5の最上段における波形14は、図3で示したものと同じ波形のノイズである。また、最上段の黒丸14A、および2段目における黒丸15Aは、図3と同じ手順で処理されたものである。3段目の黒丸22Aは、2段目において隣接する黒丸15A同士を掛算の相手24として得られた掛算値である。最下段の黒丸23Aは黒丸22Aを時刻tsから積分を開始した結果を示す。

0027

図5において、3段目の黒丸22Aはそのレベルがすべてになっており、ノイズが完全に除去されている。これは、2段目における黒丸15Aにおいて、隣接するもの同士の一方のレベルが零になっているためである。どのような場合においても、黒丸22Aのようにすべて零になるとは限らないが、このような信号の処理によってノイズを大幅に除去することができる。事故時のアーク電流が小さく圧力上昇が小さい場合でも、このようなノイズ除去によって確実に事故を検知することができるようになった。例えば、閃絡事故を定常ガス圧力の5ないし10%の圧力上昇があったときとして設定しても、誤判定なしに確実に事故を検知することができる。

0028

なお、図2または図4の実施例において、グループ12は2個の信号差で構成した。しかし、一般に3個以上の複数の信号差よりグループを構成してもよく、また、信号差の時間間隔も任意でよい。そのグループ内の最小の信号差がサンプリングデータとして採用される。

発明の効果

0029

この発明は前述のように、信号処理部がサンプリングデータの積分開始時刻を1周期分だけ順次遅らせて繰り返し積分を実施する。これによって、圧力上昇を見逃すことがなくなり確実に閃絡事故を検知することができる。かかる構成において、判断部が基準値を所定時間前に積分されたサンプリングデータの積分値とする。これによって、基準値の設定のときにあらかじめガス温度やガス洩れなどを全く考慮しなくてもよく、圧力上昇分の小さい閃絡事故も確実に検知可能である。

0030

さらに、上記構成において、信号処理部が、圧力センサの出力信号から所定時間前の出力信号の平均レベルを差し引く。この信号差を各周期毎にサンプリングするとともに時系列的に続く複数の信号差からなるグループに分け、各グループ内での最小の信号差をサンプリングデータとする。これにより、サンプリングデータのノイズレベルが低減され事故の検出感度が向上する。

0031

あるいはまた、上記構成において、信号処理部が圧力センサの出力信号から所定時間前の出力信号平均レベルを差し引く。この信号差を各周期毎にサンプリングするとともに時系列的に続く複数の信号差からなるグループに分け、各グループ内での最小の信号差と時系列的に続く1グループ前の最小の信号差との積をサンプリングデータとする。これにより、サンプリングデータのノイズレベルが大幅に低減され、事故の検出感度がさらに向上する。

図面の簡単な説明

0032

図1この発明の実施例にかかる事故点標定装置による信号の積分順序を示すタイムチャート
図2この発明のさらに異なる実施例にかかる事故点標定装置の信号処理経過を示すタイムチャート
図3図2と同じ手順でノイズを処理した経過を示すタイムチャート
図4この発明のさらに異なる実施例にかかる事故点標定装置の信号処理経過を示すタイムチャート
図5図4と同じ手順でノイズを処理した経過を示すタイムチャート
図6従来のガス絶縁装置の事故点標定装置の一例を示す構成図
図7閃絡事故のガス圧力特性を示すタイムチャート
図8図6の装置による圧力上昇分の信号処理経過を示すタイムチャート
図9図6の装置による信号の積分順序を示すタイムチャート
図10図6の装置にノイズが侵入した場合の信号処理経過を示すタイムチャート

--

0033

1タンク
2圧力センサ
3信号処理部
4 判断部
5 表示部
7事故時の圧力上昇波形
70 事故時の圧力上昇波形
14ノイズの波形

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