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技術 経済性に優れた高張力調質鋼の製造方法

出願人 住友金属工業株式会社
発明者 藤田大輔
出願日 1992年11月19日 (28年1ヶ月経過) 出願番号 1992-310330
公開日 1994年6月7日 (26年6ヶ月経過) 公開番号 1994-158160
状態 未査定
技術分野 鋼の加工熱処理
主要キーワード 焼入れ焼戻し熱処理 機械的特性値 揚水発電所 目標性能 厚鋼材 水圧鉄管 組立て作業性 溶接施工性
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目的

靱性溶接性とともに経済的を備えた引張強さ950N/mm2以上の高張力調質鋼の製造方法を提供する。

構成

C:0.10〜0.18%、Si: 0.05〜0.15%、Mn: 0.60〜1.00%、Cr: 0.40〜1.00%、Ni:0.50〜1.00%、Mo: 0.40〜0.80%、Ti:0.010〜0.030 %、Nb:0.010〜0.030 %、B:0.0004〜0.0015%およびCu:0.50 %以下を含有し、かつ、Cr/Moが2.0 以下、Mn+Cr+Moが2.50%以下であり、さらに溶接割れ感受性指数PCMが0.29以下、炭素当量Ceq. が0.53以上である鋼を、1150〜1200℃に加熱して 650〜900 ℃で圧下率を30%以上として熱間圧延を行った後、Ac3点以上に再加熱して焼入れし、次いでAc1点以下で焼戻しすることを特徴とする高張力調質鋼の製造方法。

効果

高価なNiの含有量を少なくして、引張強さ950N/mm2以上の高強度と高靱性を備え、しかも溶接性が優れた高張力調質鋼を製造することができる。

概要

背景

近年、溶接構造物の大型化に伴い構造物の軽量化を図るために高張力鋼が使用される傾向が増大してきている。これは、設計における軽量化のメリットはもとより、加工および施工側においてもそれに伴う運搬組立て作業性の向上、さらには各種構造部材薄肉化による溶接施工性の向上などのメリットを最大限に享受しうることにもよる。

例えば、近年、揚水発電所ペンストックを始め、圧力容器橋梁あるいは海洋構造物などの溶接構造物においても、大型化の傾向はますます著しく、使用される高張力鋼の特性も高性能化されてきている。最近では、HT980(引張強さ980N/mm2)クラスのものも開発されており、本出願人も、特公平1−20210 号公報において、HT 980クラスの溶接性の良好な高強度高靱性鋼材の製造方法を示した。これは、成分系の特徴として、C: 0.07〜0.15%、Si:0.15 %以下、Mn:0.40〜1.00%、Cr: 0.40〜1.20%、Ni:2.0〜4.2 %、Mo: 0.40〜0.80%、V: 0.01〜0.06%、B:0.004〜0.0015%およびCu:0.50 %以下で、かつ前記溶接割れ感受性指数PCM( 以下、単にPCMという) が0.31以下の鋼から製造された板厚40〜150mm の鋼板Ac3点〜1000℃に加熱後、焼入れし、次いで 560〜630 ℃に再加熱後焼戻しして、降伏点が 980N/mm2 以上、引張強さが 950N/mm2 以上、 vTrs( 衝撃破面遷移温度)が−60℃以下の鋼材を得る方法である。

同じく、本出願人による特公平1−25371 号公報では、成分系の特徴として、C: 0.07〜0.15%、Si:0.15 %以下、Mn: 0.40〜1.20%、Cr: 0.40〜1.20%、Ni: 1.00〜3.50%、Mo: 0.40〜0.80%、V: 0.01〜0.06%、Nb:0.005〜0.030 %およびB:0.004〜0.0015%、さらに必要に応じてCu:0.50 %以下、Ca:0.005%以下およびW:1.00 %以下の1種以上を含有し、PCMが0.28以下の鋼を1050℃以上に加熱した後熱圧延し、続いてAc3点〜1050℃に再加熱後焼入れし、次いでAc1点以下で焼戻しした後水冷して、降伏点が 880N/mm2 以上、引張強さが950N/mm2以上、 vTrsが−60℃以下の調質高張力厚鋼材を得る製造方法を示した。

これらの方法では、CおよびSiをともに0.15%までに抑制したSi−Mn系に、Cr、Ni、Mo、Cu、V、NbおよびBなどを添加した鋼材を調質(焼入れ、焼戻し)して、強度と靱性を確保するとともに、PCMを限定して溶接熱影響部の硬さを低下させ溶接時の割れ感受性を改善している。しかしながら、いずれも高強度と靱性を両立させるためにNiを多量に含有させており、経済性をも有する高張力調質鋼の製造方法とはいえない。

概要

靱性、溶接性とともに経済的を備えた引張強さ950N/mm2以上の高張力調質鋼の製造方法を提供する。

C:0.10〜0.18%、Si: 0.05〜0.15%、Mn: 0.60〜1.00%、Cr: 0.40〜1.00%、Ni:0.50〜1.00%、Mo: 0.40〜0.80%、Ti:0.010〜0.030 %、Nb:0.010〜0.030 %、B:0.0004〜0.0015%およびCu:0.50 %以下を含有し、かつ、Cr/Moが2.0 以下、Mn+Cr+Moが2.50%以下であり、さらに溶接割れ感受性指数PCMが0.29以下、炭素当量Ceq. が0.53以上である鋼を、1150〜1200℃に加熱して 650〜900 ℃で圧下率を30%以上として熱間圧延を行った後、Ac3点以上に再加熱して焼入れし、次いでAc1点以下で焼戻しすることを特徴とする高張力調質鋼の製造方法。

高価なNiの含有量を少なくして、引張強さ950N/mm2以上の高強度と高靱性を備え、しかも溶接性が優れた高張力調質鋼を製造することができる。

目的

本発明の目的は、靱性、溶接性とともに経済性を備えた引張強さが950N/mm2以上の高張力調質鋼の製造方法を提供することにある。

効果

実績

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請求項1

重量%で、C:0.10〜0.18%、Si: 0.05〜0.15%、Mn: 0.60〜1.00%、Cr: 0.40〜1.00%、Ni:0.50〜1.00%、Mo: 0.40〜0.80%、Ti:0.010〜0.030 %、Nb:0.010〜0.030 %、B:0.0004〜0.0015%およびCu:0.50 %以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、かつ、Cr/Moが2.0 以下、Mn+Cr+Moが2.50%以下であり、さらに下記 (I)式で表される溶接割れ感受性指数PCMが0.29以下、炭素当量Ceq. が0.53以上である鋼を、1150〜1200℃に加熱して 650〜900 ℃の温度域圧下率を30%以上として熱間圧延を行った後、Ac3点以上の温度域に再加熱して焼入れし、次いでAc1点以下の温度域で焼戻しすることを特徴とする高張力調質鋼の製造方法。PCM=C%+{( Mn%+Cr%+Cu% )/20}+(Si%/30)+(Ni%/60)+(Mo%/15)+(V%/10)+5B% ・・・・・(I)

技術分野

0001

この発明は、高い強度と良好な靱性とが要求される水圧鉄管ペンストック)、橋梁などの構造用高張力調質鋼の製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、溶接構造物の大型化に伴い構造物の軽量化を図るために高張力鋼が使用される傾向が増大してきている。これは、設計における軽量化のメリットはもとより、加工および施工側においてもそれに伴う運搬組立て作業性の向上、さらには各種構造部材薄肉化による溶接施工性の向上などのメリットを最大限に享受しうることにもよる。

0003

例えば、近年、揚水発電所のペンストックを始め、圧力容器、橋梁あるいは海洋構造物などの溶接構造物においても、大型化の傾向はますます著しく、使用される高張力鋼の特性も高性能化されてきている。最近では、HT980(引張強さ980N/mm2)クラスのものも開発されており、本出願人も、特公平1−20210 号公報において、HT 980クラスの溶接性の良好な高強度高靱性鋼材の製造方法を示した。これは、成分系の特徴として、C: 0.07〜0.15%、Si:0.15 %以下、Mn:0.40〜1.00%、Cr: 0.40〜1.20%、Ni:2.0〜4.2 %、Mo: 0.40〜0.80%、V: 0.01〜0.06%、B:0.004〜0.0015%およびCu:0.50 %以下で、かつ前記溶接割れ感受性指数PCM( 以下、単にPCMという) が0.31以下の鋼から製造された板厚40〜150mm の鋼板Ac3点〜1000℃に加熱後、焼入れし、次いで 560〜630 ℃に再加熱後焼戻しして、降伏点が 980N/mm2 以上、引張強さが 950N/mm2 以上、 vTrs( 衝撃破面遷移温度)が−60℃以下の鋼材を得る方法である。

0004

同じく、本出願人による特公平1−25371 号公報では、成分系の特徴として、C: 0.07〜0.15%、Si:0.15 %以下、Mn: 0.40〜1.20%、Cr: 0.40〜1.20%、Ni: 1.00〜3.50%、Mo: 0.40〜0.80%、V: 0.01〜0.06%、Nb:0.005〜0.030 %およびB:0.004〜0.0015%、さらに必要に応じてCu:0.50 %以下、Ca:0.005%以下およびW:1.00 %以下の1種以上を含有し、PCMが0.28以下の鋼を1050℃以上に加熱した後熱圧延し、続いてAc3点〜1050℃に再加熱後焼入れし、次いでAc1点以下で焼戻しした後水冷して、降伏点が 880N/mm2 以上、引張強さが950N/mm2以上、 vTrsが−60℃以下の調質型高張力厚鋼材を得る製造方法を示した。

0005

これらの方法では、CおよびSiをともに0.15%までに抑制したSi−Mn系に、Cr、Ni、Mo、Cu、V、NbおよびBなどを添加した鋼材を調質(焼入れ、焼戻し)して、強度と靱性を確保するとともに、PCMを限定して溶接熱影響部の硬さを低下させ溶接時の割れ感受性を改善している。しかしながら、いずれも高強度と靱性を両立させるためにNiを多量に含有させており、経済性をも有する高張力調質鋼の製造方法とはいえない。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の目的は、靱性、溶接性とともに経済性を備えた引張強さが950N/mm2以上の高張力調質鋼の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明の要旨は、下記の高張力調質鋼の製造方法にある。

0008

重量%で、C:0.10〜0.18%、Si: 0.05〜0.15%、Mn: 0.60〜1.00%、Cr: 0.40〜1.00%、Ni:0.50〜1.00%、Mo: 0.40〜0.80%、Ti:0.010〜0.030 %、Nb:0.010〜0.030 %、B:0.0004〜0.0015%およびCu:0.50 %以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、かつ、Cr/Moが2.0 以下、Mn+Cr+Moが2.50%以下であり、さらに下記 (I)式で表される溶接割れ感受性指数PCMが0.29以下、炭素当量Ceq. が0.53以上である鋼を、1150〜1200℃に加熱して 650〜900 ℃の温度域圧下率を30%以上として熱間圧延を行った後、Ac3点以上の温度域に再加熱して焼入れし、次いでAc1点以下の温度域で焼戻しすることを特徴とする高張力調質鋼の製造方法。

0009

PCM=C%+{(Mn%+Cr%+Cu%)/20}+(Si%/30)+(Ni%/60)+(Mo%/15)+(V%/10)+5B% ・・・・・(I)なお、Ceq. は一般に定義される下記の式による。

0010

Ceq. =C%+ (Mn%/6) + (Si%/24) + (Ni%/40) + (Cr%/5)+ (Mo%/4) + (V%/14)

0011

本発明は、上記の素材鋼化学組成と熱間圧延から焼戻しまでの条件を適切に定めたことの総合的な効果として前記の目的を達成するのであるが、まず、本発明方法の主な特徴を列挙すると次の (イ)〜 (ヘ)のとおりである。

0012

(イ)Niの含有量を低下させて経済性を確保する。

0013

(ロ)Ni含有量の低下による母材の強度と靱性の低下をNbで補う。すなわち、適量のNbを含有させることにより含Nb析出物による析出効果を一層高め、結晶粒細粒化を図り、母材の強度と靱性を確保する。

0014

(ハ)Tiを含有させることによりTiN を析出させ、溶接時の結晶粒の粗大化を防止し、継手性能の向上を図る。

0015

(ニ)Cr/Moで2.0 以下、Mn+Cr+Moで2.50%以下とし、さらにPCMが0.29以下、かつCeq. が0.53以上になるように合金元素含有量を制限して溶接割れ感受性を抑制する。

0016

(ホ)NbとTiを複合で含有させるとNbの固溶が阻害され、圧延前の加熱温度が1150℃未満ではほとんど固溶しないため、Nbの析出効果は発揮されない。また、前記温度が1200℃を超えるとNbの析出効果が飽和し、スラブ表面割れが発生するので、1150〜1200℃に加熱して熱間圧延を施す。

0017

(ヘ)Nbの固溶化を促進するために、圧延加熱温度を上記の1150〜1200℃の範囲とし、さらに 650〜900 ℃の温度域で圧下率を30%以上として熱間圧延を行い、γ粒の微細化を図る。

0018

次に、素材鋼の化学組成を前記のように定めた理由を説明する。以下、成分含有量の%は重量%を意味する。

0019

C:0.10〜0.18%鋼の焼入性向上と強度確保のために必要な成分である。0.10%未満では、目標とする引張強さ950N/mm2以上の特性が得られない。一方、0.18%を超えると溶接性および低温靱性を悪化させる。よって、C含有量の範囲は0.10〜0.18%に限定した。

0020

Si:0.05〜0.15%脱酸および強度確保に有効な成分であり、そのためには0.05%以上の含有量が必要である。一方、0.15%を超えると溶接継手部の靱性が悪化する。よって、Si含有量の範囲は0.05〜0.15%とした。

0021

Mn:0.60〜1.00%鋼の焼入性を確保する上で重要な成分であるが、0.60%未満ではこの効果がない。一方、1.00%を超えると溶接性と母材の靱性をともに劣化させる。よって、Mn含有量の範囲は0.60〜1.00%に限定した。

0022

Ni:0.50〜1.00%母材と溶接継手部の低温靱性および強度の確保に有効な成分である。そのためには、0.50%以上の含有量が必要である。一方、経済性を考慮して上限を1.00%とした。

0023

Cr: 0.40〜1.00%鋼の焼入性を確保する上で重要な成分であるが、0.40%未満ではこの効果がない。一方、1.00%を超えると溶接性と母材の靱性をともに劣化させる。よって、Cr含有量の範囲は0.40〜1.00%に限定した。

0024

Mo:0.40〜0.80%焼入性を向上させ、かつ焼戻し軟化抵抗を高めて強度を上昇させる効果を有する。0.40%未満ではその効果がなく、一方、0.80%を超えるとその効果が飽和し、高価な元素であることから経済性も損なう。よって、Mo含有量の範囲は0.40〜0.80%とした。

0025

Cr/Mo: 2.0 以下、Mn+Cr+Mo: 2.50%以下Mn、CrおよびMoは、いずれも上記のように焼入れ性または強度を向上させるが、Cr/Moが2.0 を超えると母材の靱性は向上するものの、Moの析出効果が減少するため所望の強度は確保できない。一方、Mn+Cr+Moが2.50%を超えると強度向上効果が飽和し、かつ母材および継手部の靱性は低下する。よって、さらに、前記の単独の成分含有量の範囲を満たすと同時に、Cr/Moで2.0 以下、かつMn+Cr+Moで2.50%以下とした。

0026

Ti: 0.010〜0.030 %溶接継手部の靱性向上に有効であるため、 0.010%以上含有させる必要があるが、過剰のTiは母材の靱性劣化を起こすので 0.030%以下とした。

0027

Nb: 0.010〜0.030 %結晶粒微細化によって母材の強度と靱性を確保するのに有効な成分である。0.010 %未満では、その効果が期待できない。一方、0.030 %を超えて多量に含有させると溶接継手部の靱性を劣化させる。よって、Nb含有量の範囲は 0.010〜0.030 %とした。

0028

B:0.0004〜0.0015%微量の含有量で焼入れ性を大幅に向上させ、さらに母材の靱性も向上させる成分である。そのためには、少なくとも0.004 %以上含有させる必要がある。一方、0.0015%を超えるとその効果が飽和し逆に母材の靱性を劣化させる。よって、B含有量の範囲は0.0004〜0.0015%とした。

0029

Cu:0.5 %以下強度と耐食性を向上させるために必要な成分であるが、0.5 %を超えると母材の熱間加工脆性、靱性および溶接性を劣化させる。

0030

PCM: 0.29%以下従来から鋼材の溶接性を表す指標として利用されているものであり、溶接性も具備させるには小さいことが望ましい。本発明の方法の素材鋼でPCMを0.29%以下に抑えれば、後の実施例で示すように、Y開先拘束割れ試験における割れ停止に必要な予熱温度を150 ℃以下にすることができる。

0031

Ceq.:0.53以上Ceq. は鋼の焼入れ性を表す指数の一つである。本発明では、一般的に用いられる前記の式を用いる。このCeq. が0.53を下廻ると焼入れ性が不足し、目標の強度が得られない。

0032

次に、熱間圧延およびその後の熱処理条件の限定理由について説明する。

0033

本発明の素材鋼の熱間圧延は、いわゆる制御圧延ではなく、オーステナイト単相高温域で圧延を終了する通常の熱間圧延である。しかし、その時の鋼の加熱温度の範囲を1150〜1200℃、圧延温度の範囲を 650〜900 ℃、圧下率を30%以上とする。加熱温度が1200℃、圧延温度が900 ℃をそれぞれ超えると、細粒化のためにNbとTiを含有させた鋼であってもオーステナイト粒が粗大化して母材靱性が劣化するため、それぞれの上限は加熱温度で1200℃、圧延温度で900 ℃とした。

0034

一方、加熱温度が1150℃未満では、γ粒へのNbの固溶を図りその後の微細な含Nb析出物によるγ粒の微細化を起こさせて強度と靱性を向上させようとする効果を発揮させることができなくなる。また、圧延温度が650 ℃未満では、圧延そのものが困難となる。よって、それぞれの下限は、加熱温度で1150℃、圧延温度で650 ℃とした。このときの圧下率が30%未満では、充分な細粒組織が得られないので、熱間圧延の圧下率は30%以上とした。

0035

熱間圧延終了後は、次の理由でAc3点以上の温度域まで再加熱して焼入れし、次いでAc1点以下の温度で焼戻しを行う。すなわち、焼入れ後鋼組織を均一にするため焼入れ温度は、オーステナイト単相域からの焼入れが行えるAc3点以上の温度とし、焼戻し温度は、過度の強度低下を避けるためにAc1点以下の温度とする。

0036

表1に示す化学組成の連続鋳造鋳片を表2に示す条件で熱間圧延し、熱間圧延後、さらに表2に示す温度で焼入れ焼戻し熱処理を施して、板厚75mmの高張力調質鋼を製造した。

0037

このようにして得られた鋼材の機械的特性値、靱性および溶接性についての性能評価結果を表2に併せて示す。なお、溶接性は、入熱1.7kJ/cmの CO2アーク溶接溶接棒L−80、室温25℃、湿度70%)でJIS Z 3121に定められるY開先拘束割れ試験を行い、割れ停止に必要な予熱温度で、靱性は衝撃破面遷移温度vTrsで、それぞれ評価した。

0038

表2からわかるように、全ての条件が本発明で定める範囲の本発明例では、いずれも目標値を上廻る良好な性能のものが得られた。

0039

比較例1〜9および比較例13〜16は、化学組成が本発明で定める範囲外のものであるが、その他の条件が本発明で定める範囲内であっても、性能のいずれかが目標に達しなかった。比較例10、11、12は、本発明例Aと同一化組成のものであるが、熱間圧延の温度条件が本発明で定める範囲外であるため、性能のいずれかが目標に達しなかった。すなわち、比較例10では、圧延加熱温度が下限を下廻っているため、Nbによる微細化効果が得られず、引張強さ、靱性ともに所定の目標値に達しなかった。比較例11は、圧延加熱温度が上限を超える例であるが、目標性能は達成したものの性能向上効果は明らかに飽和しており、またスラブ表面荒れが発生した。したがって、同程度の性能が得られるならば、圧延加熱温度はやはり本発明で定める範囲とすべきであることがわかった。比較例12では、熱間圧延仕上温度が上限を超えているため、比較例10と同様の結果しか得られなかった。

0040

0041

発明の効果

0042

本発明の方法によれば、一般に高強度化のために使用されている高価なNiの含有量を少なくして、引張強さ950N/mm2以上の高強度と高靱性を備え、しかも溶接性が優れた高張力調質鋼を製造することができる。

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