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技術 球状顆粒およびその製造法

出願人 旭化成株式会社
発明者 柳沼義仁坂元千穂
出願日 1992年11月26日 (26年8ヶ月経過) 出願番号 1992-316896
公開日 1994年6月3日 (25年2ヶ月経過) 公開番号 1994-157353
状態 特許登録済
技術分野 医薬品製剤
主要キーワード エアジェットシーブ 酸不溶解 摩損性 球状核 シングルトラック パウダーコーティング 片山化学製 CF装置
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目的

球状顆粒製造時において顆粒同士凝集を抑え、さらには摩損性が低く顆粒表面が平滑なフィルムコーティングに適した球状顆粒を提供する。

構成

核粒子および、平均粒径が20μm以下であり、かつ比表面積が1.3m2/g以上であるβ−1、4グルカン粉末を含有する被覆層からなることを特徴とする球状顆粒。

概要

背景

近年、徐放性または持効性製剤に関する検討がおこなわれ、経口投与製剤剤形としては、胃排出速度、吸収性等において個体差がみられず、また食事の影響の少ないことから、顆粒剤が有効とされている。この顆粒剤は各種コーティングをほどこしたコーティング顆粒として用いられることが多く、そのまま顆粒剤とするか、あるいはカプセル充填してカプセル剤とするか、あるいは適当な賦形剤とともに錠剤として用いられている。

コーティングに供する顆粒剤の多くは球状であり、その製造方法は大きくは2つに分類される。第一には、主薬と適当な賦形剤を結合剤とともに混合した後、押し出し造粒マルメライザー等で球形化する方法。第二には、遠心流動コーティング造粒装置(以下、CF装置という。)に核粒子投入し結合剤を噴霧しながら粉状散布剤もしくは液状散布剤を被覆して球形化する方法である。(核粒子を転動させ、これに結合剤を噴霧し、粉状散布剤を供給して被覆し、造粒・球形化する方法を特にパウダーコーティングという。)このCF装置による方法は、医薬品化合物結晶粒子あるいは賦形剤等の核粒子あるいは上記第一法もしくは第二法により得た医薬品化合物を含む球状核粒子あるいは医薬品化合物を含まない球状核粒子の表面に、水あるいは結合剤を含む溶液スプレーしながら主薬を含む散布剤をコーティングする方法で、第一法に比べ真球度が高く粒度分布の狭い球状顆粒が得られることから、近年広く用いられている。

しかしながらこの方法は、核粒子が糖類のような水易溶性のものの場合、核粒子自身の表面が水性結合液に溶解し、粘着性増し、そのため核粒子同士の凝集が発生すること、あるいは、散布する主薬が水易溶性の場合、核粒子の表面で散布剤が水性結合液に溶解し、粘着性が増し、結局顆粒同士の凝集が発生することから、最終的に球状顆粒の造粒収率が低下するという問題点を持つ。この問題は、核粒子の粒径が小さくなればなるほど著しくなり造粒収率も更に低下する。

また、パウダーコーティング法により得られた球状顆粒を用いてさらに流動層コーティング装置フィルムコーティングを行う場合、球状顆粒の強度が低いためにコーティング初期に球状顆粒の破壊、ケズレ剥離等の障害が生じ、結局造粒収率が低下するという問題がある。さらに、表面に凹凸のある球状顆粒に徐放性フィルムを施す場合、球状顆粒表面に凹凸があるためフィルムに部分的に膜厚の不均一な箇所ができ、そのためフィルムが損傷しやすくなり製剤からの医薬品成分の精緻な溶出コントロールが困難となるという問題がある。

パウダーコーティング法において散布剤中にβ−1、4グルカン粉末一種である結晶セルロースを配合することが、特開昭60−228410号公報、特開昭62−126127号公報、特開平1−230513号公報、特開平3−20215号公報および特開平3−204810号公報等により公知である。特開昭61−148114号公報には、ニフェジピン単独又はトウモロコシデンプン、結晶セルロース、ショ糖等の賦形剤とニフェジピンの混合物を、例えば、ボールミルハンマーミルあるいはライカイ機粉砕することによって10μm以下のニフェジピンの微粉末を調製し、この微粉末を用いてパウダーコーティングを行うとの記述がある。この方法はニフェジピンを微細化する際に配合する賦形剤の一つとして結晶セルロースが示されているが、微細化後の結晶セルロースの物性に関する記述はない。また、特開昭62−132号公報には、粒度均一性の高い球状顆粒を製造する目的で、薬効を示さない非毒性の炭水化物結晶粒子を遠心力により回転させ、該粒子上に、一層微粉の同種または異種の炭水化物(乳糖グラニュー糖等)を被覆し、球状核顆粒を得るとの記述がある。この方法もまたCF装置によるパウダーコーティング方法に関するものであるが、散布剤には一層微粉の炭水化物がよいとある以外、特にその物性に関する記述はない。又、特開平3−227916号公報には、有機酸結晶粒子を糖類で被覆した球状顆粒の記述がある。この中で、有機酸結晶粒子の粒径は850μm以下が好ましく、又、被覆する糖類の粒径は、有機酸結晶粒子の粒径の20%以下が好ましいとあり、糖類の平均粒径に関する記述はあるが糖類の物性に関する記述はない。又、特開昭63−301816号公報には、顆粒強度が強くしかも崩壊性のすぐれた有核顆粒を得る目的として、主薬と低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとを粉状散布剤中に配合するとの記述がある。その際に粉状散布剤に粉状の添加剤を配合してもよく、その添加剤としては例えば賦形剤(乳糖、コーンスターチ、グラニュー糖、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等)、結合剤、崩壊剤安定化剤着色剤などが用いられ、その粒径としては一般に約100μm以下、好ましくは約50μm以下とある。この方法には添加剤の平均粒径の記述はあるが特定の粉体物性を有する結晶セルロースに関する記述は全くない。

概要

球状顆粒製造時において顆粒同士の凝集を抑え、さらには摩損性が低く顆粒表面が平滑なフィルムコーティングに適した球状顆粒を提供する。

核粒子および、平均粒径が20μm以下であり、かつ比表面積が1.3m2/g以上であるβ−1、4グルカン粉末を含有する被覆層からなることを特徴とする球状顆粒。

目的

本発明は上記の従来技術の問題点を解決すること、つまり、球状顆粒製造時において顆粒同士の凝集を抑え、さらには摩損性が低く顆粒表面が平滑なフィルムコーティングに適した球状顆粒を提供することを課題としている。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

核粒子および、平均粒径が20μm以下であり、かつ比表面積が1.3m2/g以上であるβ−1、4グルカン粉末を含有する被覆層からなることを特徴とする球状顆粒

請求項2

核粒子の表面を水性結合剤で湿潤させながら、平均粒径が20μm以下であり、かつ比表面積が1.3m2/g以上であるβ−1、4グルカン粉末を含有する散布剤で該核粒子を被覆することを特徴とする球状顆粒の製造法

技術分野

0001

本発明は、球状顆粒およびその製造法に関する。さらに詳しくは、核粒子と特定された粉体物性を有するβ−1、4グルカン粉末を含有する被覆層からなる球状顆粒、およびその製造法に関する。

背景技術

0002

近年、徐放性または持効性製剤に関する検討がおこなわれ、経口投与製剤剤形としては、胃排出速度、吸収性等において個体差がみられず、また食事の影響の少ないことから、顆粒剤が有効とされている。この顆粒剤は各種コーティングをほどこしたコーティング顆粒として用いられることが多く、そのまま顆粒剤とするか、あるいはカプセル充填してカプセル剤とするか、あるいは適当な賦形剤とともに錠剤として用いられている。

0003

コーティングに供する顆粒剤の多くは球状であり、その製造方法は大きくは2つに分類される。第一には、主薬と適当な賦形剤を結合剤とともに混合した後、押し出し造粒マルメライザー等で球形化する方法。第二には、遠心流動コーティング造粒装置(以下、CF装置という。)に核粒子を投入し結合剤を噴霧しながら粉状散布剤もしくは液状散布剤を被覆して球形化する方法である。(核粒子を転動させ、これに結合剤を噴霧し、粉状散布剤を供給して被覆し、造粒・球形化する方法を特にパウダーコーティングという。)このCF装置による方法は、医薬品化合物結晶粒子あるいは賦形剤等の核粒子あるいは上記第一法もしくは第二法により得た医薬品化合物を含む球状核粒子あるいは医薬品化合物を含まない球状核粒子の表面に、水あるいは結合剤を含む溶液スプレーしながら主薬を含む散布剤をコーティングする方法で、第一法に比べ真球度が高く粒度分布の狭い球状顆粒が得られることから、近年広く用いられている。

0004

しかしながらこの方法は、核粒子が糖類のような水易溶性のものの場合、核粒子自身の表面が水性結合液に溶解し、粘着性増し、そのため核粒子同士の凝集が発生すること、あるいは、散布する主薬が水易溶性の場合、核粒子の表面で散布剤が水性結合液に溶解し、粘着性が増し、結局顆粒同士の凝集が発生することから、最終的に球状顆粒の造粒収率が低下するという問題点を持つ。この問題は、核粒子の粒径が小さくなればなるほど著しくなり造粒収率も更に低下する。

0005

また、パウダーコーティング法により得られた球状顆粒を用いてさらに流動層コーティング装置フィルムコーティングを行う場合、球状顆粒の強度が低いためにコーティング初期に球状顆粒の破壊、ケズレ剥離等の障害が生じ、結局造粒収率が低下するという問題がある。さらに、表面に凹凸のある球状顆粒に徐放性フィルムを施す場合、球状顆粒表面に凹凸があるためフィルムに部分的に膜厚の不均一な箇所ができ、そのためフィルムが損傷しやすくなり製剤からの医薬品成分の精緻な溶出コントロールが困難となるという問題がある。

0006

パウダーコーティング法において散布剤中にβ−1、4グルカン粉末の一種である結晶セルロースを配合することが、特開昭60−228410号公報、特開昭62−126127号公報、特開平1−230513号公報、特開平3−20215号公報および特開平3−204810号公報等により公知である。特開昭61−148114号公報には、ニフェジピン単独又はトウモロコシデンプン、結晶セルロース、ショ糖等の賦形剤とニフェジピンの混合物を、例えば、ボールミルハンマーミルあるいはライカイ機粉砕することによって10μm以下のニフェジピンの微粉末を調製し、この微粉末を用いてパウダーコーティングを行うとの記述がある。この方法はニフェジピンを微細化する際に配合する賦形剤の一つとして結晶セルロースが示されているが、微細化後の結晶セルロースの物性に関する記述はない。また、特開昭62−132号公報には、粒度均一性の高い球状顆粒を製造する目的で、薬効を示さない非毒性の炭水化物結晶粒子を遠心力により回転させ、該粒子上に、一層微粉の同種または異種の炭水化物(乳糖グラニュー糖等)を被覆し、球状核顆粒を得るとの記述がある。この方法もまたCF装置によるパウダーコーティング方法に関するものであるが、散布剤には一層微粉の炭水化物がよいとある以外、特にその物性に関する記述はない。又、特開平3−227916号公報には、有機酸結晶粒子を糖類で被覆した球状顆粒の記述がある。この中で、有機酸結晶粒子の粒径は850μm以下が好ましく、又、被覆する糖類の粒径は、有機酸結晶粒子の粒径の20%以下が好ましいとあり、糖類の平均粒径に関する記述はあるが糖類の物性に関する記述はない。又、特開昭63−301816号公報には、顆粒強度が強くしかも崩壊性のすぐれた有核顆粒を得る目的として、主薬と低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとを粉状散布剤中に配合するとの記述がある。その際に粉状散布剤に粉状の添加剤を配合してもよく、その添加剤としては例えば賦形剤(乳糖、コーンスターチ、グラニュー糖、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等)、結合剤、崩壊剤安定化剤着色剤などが用いられ、その粒径としては一般に約100μm以下、好ましくは約50μm以下とある。この方法には添加剤の平均粒径の記述はあるが特定の粉体物性を有する結晶セルロースに関する記述は全くない。

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は上記の従来技術の問題点を解決すること、つまり、球状顆粒製造時において顆粒同士の凝集を抑え、さらには摩損性が低く顆粒表面が平滑なフィルムコーティングに適した球状顆粒を提供することを課題としている。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らはこの課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達したものである。即ち、本発明は核粒子および、平均粒径が20μm以下でありかつ比表面積が1.3m2/g以上であるβ−1、4グルカン粉末を含有する被覆層からなることを特徴とする球状顆粒、およびその製造方法に関するものである。

0009

以下、本発明について説明する。本発明でいう核粒子とは、医薬品成分結晶粒子、賦形剤結晶粒子、医薬品成分と賦形剤を混合し造粒した球状顆粒、賦形剤のみを造粒した球状顆粒などのことで、例としては、結晶セルロースのみからなる球状顆粒(旭化成工業(株)製、商品名:セルフィア<登録商標>)およびショ糖およびコーンスターチまたはショ糖のみからなる球状顆粒(フロイント産業(株)製、商品名:ノンパレル)および白糖結晶(塩水精糖(株)製、商品名:シュクレーヌ)等があげられる。その大きさは最終製剤の大きさ及び被覆量により適宜選択すべきものであるが、平均粒径としては150〜2000μm程度である。平均粒径が約300μm以下になると本発明の効果がさらに顕著となる。

0010

本発明でいうβ−1、4グルカン粉末は、リンターパルプなどのセルロース物質酸加水分解あるいはアルカリ酸化分解あるいは両者を組み合わせて分解した後、精製し、乾燥後あるいは乾燥中あるいは乾燥前に粉砕あるいは磨砕して得られるものである。結晶セルロースはその一例である。β−1、4グルカン粉末の平均粒径は20μm以下であり、かつBET法吸着物質として窒素を使用する)により測定される比表面積は1.3m2/g以上であることが必要である。平均粒径が20μmより大きくなると、および、もしくは比表面積が1.3m2/gより小さくなると球状顆粒の摩損度が大きくなるため、フィルムコーティングを行う際の機械的応力によって被覆層のケズレや剥離が生じてしまうため適当ではない。β−1、4グルカン粉末の被覆層における含有率は特に限定はないが約5重量%以上であることが好ましく、約20重量%以上であれば摩損度が顕著に低くなりさらに好ましい。

0011

本発明でいう被覆層とは、核粒子の周囲をほぼ均一な厚さで被覆している層状の部分のことであり、上記のβ−1、4グルカン粉末の他に医薬品成分および添加剤からなる。医薬品成分は薬効を示すものであれば特に限定されず、人間用あるいは動物用の区別を問わない。医薬品成分は1種、または2種以上を使用しても良い。但し、球状顆粒の核粒子を製造する目的であれば医薬品成分を配合しなくてもよい。ここで添加剤とは、賦形剤、結合剤、滑沢剤等、をいう。賦形剤の例としては、白糖、乳糖、マンニトールグルコース等の糖類、コーンスターチ、部分α化デンプンリン酸カルシウム等があげられ、結合剤の例としては、ショ糖、α化デンプンメチルセルロースカルボキシメチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースポリビニルピロリドンプルランデキストリンアラビアゴム等があげられ、滑沢剤の例としては、タルクステアリン酸マグネシウムステアリン酸カルシウム等があげられる。医薬品成分および添加剤の大きさは核粒子の平均粒径にもよるが約50μm以下であることが好ましい。核粒子に対する被覆層の量は製剤設計上および医薬品成分の特性により異なるが通常1重量%以上である。

0012

本発明でいう球状顆粒はその大きさが200〜2000μm程度の平均粒径をもつ、球状の粒子のことである。この球状顆粒はそのまま顆粒剤(もしくは細粒剤)として用いるか、公知の方法でフィルムコーティングし、フィルムコーティング顆粒剤(もしくは細粒剤)として用いるか、核粒子としてさらに医薬品成分や機能を付与する成分(ワックスなどの添加剤)を被覆して用いるか、あるいはこれらを公知の方法で充填してカプセル剤として用いるか、あるいは錠剤として用いる。

0013

本発明の球状顆粒は次のようにして製造される。即ち、核粒子の表面を水性結合剤で湿潤させながら、平均粒径が20μm以下であり、かつ比表面積が1.3m2/g以上であるβ−1、4グルカン粉末を含有する散布剤で該核粒子を被覆することによって製造される。さらに具体的には、コーティング装置に核粒子を仕込み、転動あるいは流動させた状態で、例えば水性結合剤を噴霧し、核粒子の表面を湿潤させながら上記のβ−1、4グルカン粉末を含有する散布剤を供給し被覆し、これを乾燥後篩過調粒することにより、製造される。

0014

ここで散布剤とは被覆層を主に構成する医薬品成分および、あるいは添加剤の原料粉体を意味する。また、水性結合剤とは、ヒドロキシプロピルセルロースなどの水溶性高分子水溶液を意味する。この水溶液に溶解性改良などの目的で、エタノールなどの有機溶媒を含んでいてもかまわない。β−1、4グルカン粉末はそれ以外の散布剤成分と交互に供給するなどして使用することも可能だが、均一に混合して使用することにより特に顆粒の合一が抑えられ、製造収率の向上に寄与する。この際、使用されるβ−1、4グルカン粉末の平均粒径が20μm以下であると、得られる球状顆粒の表面は平滑となるが、平均粒径が20μmよりも大きいと、コーティングフィルムの膜厚に影響を及ぼすほどの凹凸が生じるようになる。特に平均粒径が10μm以下であると、表面の平滑性がより向上する。また、その比表面積が1.3m2/g以上であることが必要であり、それ未満である場合は顆粒の合一を抑えることができず収率が低下してしまい、さらには製造された球状顆粒の摩損度は大きくなってしまう。この理由は明らかではないが、比表面積が大きいと結合液の保持能力が大きくなり、その結果、顆粒の合一を引き起こす原因となる結合液や水溶性成分による粘着性を低減させ、かつ、粒子が柔らかいために散布剤被覆時の顆粒粒子の転動により被覆層の圧密化が容易に進むためと推察される。コーティング装置としては、CF装置が望ましいが、転動流動層コーティング装置、流動層コーティング装置、パンコーティング装置等それに代わる装置でもよい。流動層あるいは転動流動層コーティング装置のような装置の場合、水性結合剤と添加剤粉末を混合し、スラリー状として核粒子に噴霧し、被覆することも可能である。

0015

以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、実施例における粉体および顆粒物性の測定法を下記に示す。
・粉体の平均粒径(μm)
ロータップ式篩振盪機(平工製作所製シーブシェーカーA型)によりJIS標準篩(Z8801−1987)を用いて試料50gを30分間分し、累積50重量%の粒度を平均粒径とした。粒径が小さくて篩分け法で平均粒径が求められない場合はエアジェットシーブ法を用いて測定した。エアジェットシーブ法は試料5gを仕込み、篩上に残る試料の重量が一定になるまで風力吸引篩過し、最初の試料仕込み重量に対する篩上に残った試料の重量を測定し、重量パーセントを求め累積50%の粒度を平均粒径とした。

0016

・比表面積(m2/g)
島津製作所(株)フローソーブII(2300PC−2A)を用い、BET1点法にて測定した。吸着物質には窒素を使用した。
・核粒子の粒度分布
ロータップ式篩振盪機(平工製作所製シーブシェーカーA型)によりJIS標準篩(Z8801−1987)を用いて試料10gを5分間篩分し、粒度分布を求めた。

0017

・球状顆粒の粒度分布
ロータップ式篩振盪機(平工製作所製シーブシェーカーA型)によりJIS標準篩(Z8801−1987)を用いて試料30gを5分間篩分し、粒度分布を求めた。
・球状顆粒の凝集度(%)
ロータップ式篩振盪機(平工製作所製シーブシェーカーA型)によりJIS標準篩(Z8801−1987)を用いて試料30gを5分間篩分した各篩上の留分ごとに、目視により各留分上の凝集した顆粒の個数を数え全顆粒の個数に対する凝集した顆粒の個数%を計算した。目視による計測が困難な場合には顕微鏡法を用いて測定した。顕微鏡法とは顆粒を光学顕微鏡にて写真撮影し、その写真に写っている全顆粒の個数および凝集している顆粒の個数を数え、上記と同様に個数%を計算するものである。但し、検体数は200個とした。

0018

・球状顆粒の摩損度(%)
試料10gおよび直径5mmの鋼球50個を100ml容量のガラス瓶(直径34mm)に入れ万能シェーカーにて20分間振盪したのち目開きが125μmのJIS標準篩(Z8801−1987)で篩過し、篩上の残分の重量を測定し摩損度を求めた。

0019

なお、実施例は以下の試料を使用した。
試料(A)、(B);市販DPパルプ細断し、10%塩酸中で105℃、20分間加水分解して得られた酸不溶解残渣をろ過、洗浄、乾燥後、気流式粉砕機セイシン企業(株)製、商品名:シングルトラックジェットミル、STJ−200型)で粉砕し、原料供給量を変えることによって平均粒径の異なる試料(A)、(B)を得た。試料(A)、(B)の物性を表1に示す。

0020

試料(C);結晶セルロース(商品名:アビセル<登録商標>PH−F20、旭化成工業(株)製)を試料(C)とした。試料(C)の物性を表1に示す。
試料(D);結晶セルロース(商品名:アビセル<登録商標>PH−101、旭化成工業(株)製)を分級し、微粉側を試料(D)とした。試料(D)の物性を表1に示す。

0021

試料(E);局方コーンスターチ(日澱化学(株)製)を試料(E)とした。試料(E)の物性を表1に示す。

0022

あらかじめ50μm以下に粉砕した安息香酸ナトリウム片山化学製試薬特級)216gと試料(A)24gを混合し、これを散布剤とする。結晶セルロース製球状顆粒(旭化成工業(株)、商品名:セルフィア<登録商標>CP−203、150〜300μm)600gをCF装置(フロイント産業(株)製、CF−360)に入れ、ローター回転数160rpm、給気温度40℃とし、ヒドロキシプロピルセルロース水溶液3重量%を8〜10g/minで噴霧しながら散布剤をスパチュラにて一定間隔で供給してパウダーコーティングし、40℃、16時間乾燥オーブンにて乾燥し、調粒後150〜500μmの球状顆粒を得た。得られた球状顆粒の物性を表2に示す。

0023

散布剤を安息香酸ナトリウム192gおよび試料(A)48gの混合粉体とした以外は実施例1と同様の操作を行い、150〜500μmの球状顆粒を得た。得られた球状顆粒の物性を表2に示す。

0024

散布剤を安息香酸ナトリウム168gおよび試料(A)72gの混合粉体とした以外は実施例1と同様の操作を行い、150〜500μmの球状顆粒を得た。得られた球状顆粒の物性を表2に、また球状顆粒表面の電子顕微鏡写真を図1に示す。

0025

散布剤を安息香酸ナトリウム192gおよび試料(B)48gの混合粉体とした以外は実施例1と同様の操作を行い、150〜500μmの球状顆粒を得た。得られた球状顆粒の物性を表2に示す。

0026

散布剤を安息香酸ナトリウム192gおよび試料(C)48gの混合粉体とした以外は実施例1と同様の操作を行い、150〜500μmの球状顆粒を得た。得られた球状顆粒の物性を表2に示す。

0027

散布剤を安息香酸ナトリウム240gとした以外は実施例1と同様の操作を行い、150〜500μmの球状顆粒を得た。得られた球状顆粒の物性を表2に示す。

0028

散布剤を安息香酸ナトリウム168gおよび試料(D)72gの混合粉体とした以外は実施例1と同様に操作を行い、150〜500μmの球状顆粒を得た。得られた球状顆粒の物性を表2に示す。

0029

散布剤を安息香酸ナトリウム168gおよび試料(E)72gの混合粉体とした以外は実施例1と同様に操作を行い、150〜500μmの球状顆粒を得た。得られた球状顆粒の物性を表2に、また球状顆粒表面の電子顕微鏡写真を図2に示す。

0030

あらかじめ50μm以下に粉砕した安息香酸ナトリウム168gと試料(A)72gを混合し、これを散布剤とする。白糖結晶(塩水港精糖(株)製、商品名:シュクレーヌ、150〜250μm)600gをCF装置(フロイント産業(株)製、CF−360)に入れ、ローター回転数160rpm、給気温度40℃とし、ヒドロキシプロピルセルロース水溶液3%(W/W)を4〜5g/minで噴霧しながら散布剤をスパチュラにて一定間隔で供給してパウダーコーティングし、40℃、16時間乾燥オーブンにて乾燥し、調粒後150〜500μmの球状顆粒を得た。得られた球状顆粒の凝集度は22.3%であった。

0031

散布剤を安息香酸ナトリウム240gとした以外は実施例6と同様の操作を行い、150〜500μmの球状顆粒を得た。得られた球状顆粒の凝集度は39.9%であった。

0032

散布剤を安息香酸ナトリウム168gおよび試料(E)72gの混合粉体とした以外は実施例6と同様に操作を行い、150〜500μmの球状顆粒を得た。得られた球状顆粒の凝集度は31.8%であった。

0033

あらかじめ50μm以下に粉砕したテオフィリン和光純薬製、試薬1級)150g、試料(C)75gおよび粉糖(九州精糖製)75gを混合し、これを散布剤とする。結晶セルロース製球状顆粒(旭化成工業(株)、商品名:セルフィア<登録商標>CP−305、300〜500μm)600gをCF装置(フロイント産業(株)製、CF−360)に入れ、ローター回転数160rpm、給気温度40℃とし、ヒドロキシプロピルセルロース水溶液3重量%を8〜10g/minで噴霧しながらあらかじめ混合しておいた散布剤をスパチュラにて一定間隔で供給してパウダーコーティングし、40℃、16時間乾燥オーブンにて乾燥し、調粒後350〜710μmの球状顆粒を得た。得られた球状顆粒の凝集度は3.0%であった。

0034

散布剤をテオフィリン150gおよび粉糖150gとした以外は実施例7と同様に操作を行い、350〜710μmの球状顆粒を得た。得られた球状顆粒の凝集度は8.7%であった。

0035

あらかじめ50μm以下に粉砕したスルピリン(保栄薬工(株)製、日本薬局方品)150g、試料(C)75gおよび粉糖75gを混合し、これを散布剤とする。ショ糖とデンプンからなる球状顆粒600g(フロイント産業(株)製、商品名:ノンパレル101、355〜500μm)をCF装置(フロイント産業(株)製、CF−360)に入れ、ローター回転数160rpm、給気温度40℃とし、ヒドロキシプロピルセルロース水溶液3重量%を6〜8g/minで噴霧しながらあらかじめ混合しておいた散布剤をスパチュラにて一定間隔で供給してパウダーコーティングし、40℃、16時間乾燥オーブンにて乾燥し、調粒後355〜710μmの球状顆粒を得た。得られた球状顆粒の凝集度は5.6%であった。

0036

散布剤をスルピリン150gおよび粉糖150gとした以外は実施例8と同様に操作を行い、355〜710μmの球状顆粒を得た。得られた球状顆粒の凝集度は11.2%であった。

0037

ノンパレル101の代わりにショ糖製球状顆粒600g(フロイント産業(株)製、商品名:ノンパレル103、355〜500μm)とした以外は実施例8と同様の操作を行い、355〜710μmの球状顆粒を得た。得られた球状顆粒の凝集度は6.2%であった。

0038

散布剤をスルピリン150gおよび粉糖150gとした以外は実施例9と同様に操作を行い、355〜710μmの球状顆粒を得た。得られた球状顆粒の凝集度は15.4%であった。表2より、比較例1の主薬のみの場合と比べ実施例1〜3ではβ−1、4グルカン粉末の添加量が増加するにつれて球状顆粒の凝集率が著しく低下することがわかる。さらにコーンスターチ(比較例2)や分級セルロース(比較例3)を使用した場合にはβ−1、4グルカン粉末使用の場合と比べて、調製された球状顆粒の凝集度が大きく、また摩損度も大きいことがわかる。

0039

また、白糖結晶はCF装置で造粒する際にかなり凝集が発生しやすい核粒子であるが、比較例4の主薬のみの場合と比べ実施例5ではβ−1、4グルカン粉末を添加することにより、著しい凝集率の低下が見られた。比較例5ではβ−1、4グルカン粉末をコーンスターチにおきかえてみたが効果はほとんどみられなかった。

0040

さらに実施例3(図1)と比較例3(図2)より、コーンスターチを含有した散布剤を用いるよりも、β−1、4グルカン粉末を含有した散布剤を用いて造粒した球状顆粒のほうが平滑な顆粒表面が得られることがわかる。

0041

0042

発明の効果

0043

本発明の球状顆粒は、従来の球状顆粒に比較して摩損度が低いため、フィルムコーティング時に被覆層のケズレ、剥離が少ない。また、球状顆粒を製造する際に散布剤中にβ−1、4グルカン粉末を配合しているので、球状顆粒の表面が平滑となる。そのため、この顆粒を用いて製した徐放性フィルムコーティング顆粒のフィルムは平滑で、かつ膜厚が均一となるため、医薬品成分の精緻な溶出コントロールが可能となる。また、β−1、4グルカン粉末が過剰の結合剤を適度に吸収して顆粒表面の粘着性を抑えるため顆粒同士の凝集は著しく低下し造粒収率が高くなる。この効果は、主薬が水易溶性の場合または核粒子の平均粒径が小さくなる場合に特に顕著である。

図面の簡単な説明

0044

図1本発明の球状顆粒表面の電子顕微鏡写真の一例。
図2従来の球状顆粒表面の電子顕微鏡写真の一例。

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