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技術 分散型情報処理方法およびその装置

出願人 株式会社日立製作所
発明者 福井千尋渡部悌鹿山昌宏川上潤三
出願日 1992年11月16日 (28年11ヶ月経過) 出願番号 1992-305576
公開日 1994年5月31日 (27年4ヶ月経過) 公開番号 1994-149756
状態 拒絶査定
技術分野 計算機間の情報転送 計算機・データ通信 マルチプログラミング 給配電網の遠方監視・制御
主要キーワード 空間的移動 出力変化特性 評価機構 発電電気量 検査項目データ 部分系統 各診断項目 実行負荷
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この項目の情報は公開日時点(1994年5月31日)のものです。
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図面 (20)

目的

クライアントが有するクライアントに特有処理手続きと、データとそのデータ操作処理手続きを有するサーバの機能を結合させるため、クライアントが有する処理手続きをサーバに移動させ、サーバ上で処理をさせることにより、クライアントの要求に合った個性的な処理を実現する。

構成

各計算機ノード分散配置されたデータの位置情報202を有し、計算機ノード情報処理機構11で実行中の処理手続き200が参照すべき分散データの位置を分析するアクセスデータ分析機構201と、処理手続き200がデータを参照しようとした場合、前記データが他のノード20にあると判明した場合は、当該処理手続きの実行を中断他ノード20へ転送して処理手続きの実行を再開させ、他ノード20に元からある処理手続き2001と協調して処理を行う。

概要

背景

一つの計算機システムを一つの計算機ノードとし、前記計算機ノードを複数、計算機ネットワークにより結合した分散情報処理システムは、計算機負荷を分散させる目的のものと、それぞれの機能を分割して平行して処理を行なう機能分散の目的のものがある。

本発明では、後者の機能分散型のシステムに関する。一般に、このような機能分散型情報処理システムでは、図21に示す様に、複数の計算機ノード10、20が、ネットワーク1を介して結合されている。それぞれの計算機ノード10、20は、情報処理機構11、21、処理手続きを格納する機構12、22、並びに前記処理手続きが参照するデータ13、23から構成される。

この様な構成をとる分散システムでは、それぞれの計算機ノード10、20は、それぞれの目的と機能があり、それに必要な処理手続きとデータをそのノード内に蓄積している。しかしながら、このような分割を行なっていても、手続き処理の内容によっては、他ノードに格納されたデータを参照する必要がでてくる。図22は、この概念を示したものであり、10の計算機ノードaで実行中の処理手続き14が、計算機ノードbと計算機ノードcのデータ23と33を参照する例を示している。

このような他ノードに格納されたデータをアクセスするための機構として、処理手続きにとって自ノードと他ノードのデータを見かけ上区別せずアクセスできるための遠隔データアクセス機構が提案されている。他ノードのファイルシステムをアクセスする機構として、例えば、Unixオペレーティングシステムで実用化されているNFS(Network File System)やRFS(Remote File System)などがその代表的なものである。また、分散配置されたデータを統一的にアクセスするために、ネットワーク上のデータに関しての資源管理機構を設け、この管理機構を介して他のノードデータをアクセスする方法が、例えば、特開平1-166158号公報や特開平2-230439号公報などにより知られている。

図23に、そのような従来の分散型情報検索システムの概念を示す。図23において、ある条件1に合致するデータの検索データベースサーバであるサーバノード依頼し、その結果をクライアントノード返送させている。次に条件1による検索結果を考慮した処理を実施した後、条件2に合致するデータの検索をデータベースサーバへ依頼し、その結果を得た後、次の処理に移っている。これらの場合の検索結果は、条件1などに該当するすべてのデータである。このような手順を踏む場合、検索されるデータが画像データなどを含むマルチメディア対象システムとなると、クライアントノードとサーバノードの間を往復するデータ量は膨大なものとなるという問題点があった。

さらに、他ノードに分散されたデータをアクセスする処理手続きが明確に分離される場合、処理手続きを前記の他ノードにあらかじめ配置しておき、自ノードから他ノードへメッセージ送り、処理を依頼する方法も提案されている。これはクライアントサーバモデルと呼ばれる方法によるものであり、すなわちクライアントがサーバに処理を依頼する形態を取るものである。また、見方を変えれば、この手法はオブジェクト指向型処理方法であり、データとそのデータを操作する手続きを一体化したオブジェクトにメッセージを送付して処理実行を依頼する方法である。この方法の公知例としては、例えば、特開昭62-126457号公報などがある。

概要

クライアントが有するクライアントに特有な処理手続きと、データとそのデータ操作処理手続きを有するサーバの機能を結合させるため、クライアントが有する処理手続きをサーバに移動させ、サーバ上で処理をさせることにより、クライアントの要求に合った個性的な処理を実現する。

各計算機ノードに分散配置されたデータの位置情報202を有し、計算機ノードの情報処理機構11で実行中の処理手続き200が参照すべき分散データの位置を分析するアクセスデータ分析機構201と、処理手続き200がデータを参照しようとした場合、前記データが他のノード20にあると判明した場合は、当該処理手続きの実行を中断し他ノード20へ転送して処理手続きの実行を再開させ、他ノード20に元からある処理手続き2001と協調して処理を行う。

目的

本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、分散情報処理環境において、処理を要求する計算機ノードの個性的な処理要求に見合った処理を、処理対象のデータが備えられた計算機ノード上で実行することができ、しかも、計算機ノード間のデータ転送を低減し、かつ情報処理を効率良く行うことのできる分散型情報処理方法およびその装置を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
9件

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請求項1

複数の計算機ノードネットワークを介して接続されている分散型情報処理方法において、自ノードから送付した処理手続きが計算機ノード間を移動した後、他ノードに予め格納された処理手続き及びデータと連係して処理をすることにより、処理手続きの送付元特有情報処理を実現することを特徴とする分散型情報処理方法。

請求項2

前記計算機ノードのそれぞれに推論エンジン備え付けられている場合において、前記計算機ノード間を移動するものが、推論エンジンが参照する知識ベースの全部もしくは一部であることを特徴とする請求項1記載の分散型情報処理方法。

請求項3

前記計算機ノード間を移動するものが、処理手続き及びデータを含むことを特徴とする請求項1記載の分散型情報処理方法。

請求項4

前記移動する処理手続きが、複数の計算機ノードを巡回することを特徴とする請求項1記載の分散型情報処理方法。

請求項5

計算機ノード間を移動した処理手続きが、移動先の計算機ノードに常駐することを特徴とする請求項1記載の分散型情報処理方法。

請求項6

複数の計算機ノードに分散配置された複数の分散データ位置情報を有し、自計算機ノード情報処理機構で実行すべき処理手続きがあるとき、前記処理手続きのどの部分がどの計算機ノードに格納された分散データを参照する必要があるのかを内蔵した前記位置情報を用いて判定し、参照すべきデータの格納された計算機ノードを単位として、前記処理を処理単位に分割するとともに、分割され、計算機ノード毎にグループ化された処理単位が、実行されるべき計算機ノードにおいて実行可能な形態で格納されているかを判定し、格納されていなければ、前記の処理単位を前記の実行されるべき計算機ノードへ転送し、他の計算機ノードの情報処理機構で前記処理単位を実行させることを特徴とする請求項1記載の分散型情報処理方法。

請求項7

複数の計算機ノードに分散配置された分散データの位置情報を有し、自計算機ノードの情報処理機構で実行すべき処理手続きがあるとき、前記処理手続きのどの部分がどの計算機ノードに格納された分散データを参照する必要があるのかを、内蔵した前記位置情報を用いて判定し、参照すべきデータの格納された計算機ノードを単位として、前記処理を処理単位に分割し、分割され、計算機ノード毎にグループ化された処理単位が、実行されるべき他の計算機ノードにおいて実行された場合の計算機負荷量と、前記処理単位を前記実行されるべき計算機ノードへ転送する場合の計算機とネットワークの負荷量と、当該処理単位をネットワークを介して転送する負荷量と、当該処理単位の計算結果を他ノードから自ノードへ返送する場合の計算機とネットワークの負荷量を評価を行い、前記推定された各負荷量により、実行すべき処理手続きを、他ノードへ転送して処理させるべきか、他ノードにあるデータを自ノードへ転送させて自ノードで当該処理単位を実行すべきかを判断するとともに、分割され、計算機ノード毎にグループ化された処理単位が、実行されるべき計算機ノードにおいて実行可能な形態で格納されているかを判定し、格納されていなければ、前記の処理単位を前記の実行されるべき計算機ノードへ転送し、前記計算機ノードの情報処理機構で前記処理単位を実行させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の分散型情報処理方法。

請求項8

各計算機ノードに分散配置されたデータの位置情報を有し、自計算機ノードの情報処理機構で実行中の処理手続きが参照すべき前記分散データの位置を分析するとともに、前記の実行中の処理手続きがデータを参照しようとした場合、前記データが自ノードにある場合は、そのまま処理を続行し、前記データが他のノードにあると判明した場合は、当該処理手続きの実行を中断し、前記他ノードへ転送し、前記他ノードで処理手続きの実行を再開させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の分散型情報処理方法。

請求項9

各計算機ノードに分散配置されたデータの位置情報を有し、自計算機ノードの情報処理機構で実行中の処理手続きが参照すべき分散データの位置を分析し、前記実行中の処理手続きが参照するデータが他ノードにある場合、ノード間の遠隔データアクセス機構を介して該データにアクセスする際の計算機およびネットワークの負荷量と、前記実行中の処理手続きを中断して他ノードへ転送する際の計算機およびネットワークの負荷量と、該処理手続きを他ノードで実行した際の計算機の負荷量と、計算結果を自ノードへ返送する際の計算機とネットワークの負荷量とを評価し、他ノードで実行するのが好ましいと判断された場合には、当該処理手続きの実行を中断し、前記他ノードへ転送し、前記他ノードで処理手続きの実行を再開させ、計算結果を自ノードへ返送することを特徴とする請求項1記載の分散型情報処理方法。

請求項10

複数の計算機ノードがネットワークを介して接続されている分散型情報処理装置において、処理手続き及びデータが予め格納された他ノードと、処理を依頼する側の計算機システムに特有な処理手続きを前記他ノードに送付する自ノードとを備え、前記自ノードから送付した処理手続きは前記他ノードの処理手続き及びデータと連係して処理をするようになされたことを特徴とする分散型情報処理装置。

請求項11

前記計算機ノードのそれぞれに推論エンジンが備え付けられている場合において、前記計算機ノード間を移動するものが、推論エンジンが参照する知識ベースの全部もしくは一部であることを特徴とする請求項10記載の分散型情報処理装置。

請求項12

前記計算機ノード間を移動するものが、処理手続き及びデータを含むことを特徴とする請求項10記載の分散型情報処理装置。

請求項13

前記移動する処理手続きが、複数の計算機ノードを巡回することを特徴とする請求項10記載の分散型情報処理装置。

請求項14

計算機ノード間を移動した処理手続きが、移動先の計算機ノードに常駐することを特徴とする請求項10記載の分散型情報処理装置。

請求項15

複数の計算機ノードに分散配置された複数の分散データの位置情報を有し、自計算機ノードの情報処理機構で実行すべき処理手続きがあるとき、前記処理手続きのどの部分がどの計算機ノードに格納された分散データを参照する必要があるのかを内蔵した前記位置情報を用いて判定し、参照すべきデータの格納された計算機ノードを単位として、前記処理を処理単位に分割する手段と、分割され、計算機ノード毎にグループ化された処理単位が、実行されるべき計算機ノードにおいて実行可能な形態で格納されているかを判定し、格納されていなければ、前記の処理単位を前記の実行されるべき計算機ノードへ転送し、他の計算機ノードの情報処理機構で前記処理単位を実行させる手段と、を備えたことを特徴とする請求項10記載の分散型情報処理装置。

請求項16

複数の計算機ノードに分散配置された分散データの位置情報を有し、自計算機ノードの情報処理機構で実行すべき処理手続きがあるとき、前記処理手続きのどの部分がどの計算機ノードに格納された分散データを参照する必要があるのかを、内蔵した前記位置情報を用いて判定し、参照すべきデータの格納された計算機ノードを単位として、前記処理を処理単位に分割する手段と、分割され、計算機ノード毎にグループ化された処理単位が、実行されるべき他の計算機ノードにおいて実行された場合の計算機負荷量と、前記処理単位を前記実行されるべき計算機ノードへ転送する場合の計算機とネットワークの負荷量と、当該処理単位をネットワークを介して転送する負荷量と、当該処理単位の計算結果を他ノードから自ノードへ返送する場合の計算機とネットワークの負荷量を評価する手段と、前記手段により推定された各負荷量により、実行すべき処理手続きを、他ノードへ転送して処理させるべきか、他ノードにあるデータを自ノードへ転送させて自ノードで当該処理単位を実行すべきかを判断する手段と、分割され、計算機ノード毎にグループ化された処理単位が、実行されるべき計算機ノードにおいて実行可能な形態で格納されているかを判定し、格納されていなければ、前記の処理単位を前記の実行されるべき計算機ノードへ転送し、前記計算機ノードの情報処理機構で前記処理単位を実行させる手段と、を備えたことを特徴とする請求項10記載の分散型情報処理装置。

請求項17

各計算機ノードに分散配置されたデータの位置情報を有し、自計算機ノードの情報処理機構で実行中の処理手続きが参照すべき前記分散データの位置を分析する手段と、前記の実行中の処理手続きがデータを参照しようとした場合、前記データが自ノードにある場合は、そのまま処理を続行し、前記データが他のノードにあると判明した場合は、当該処理手続きの実行を中断し、前記他ノードへ転送し、前記他ノードで処理手続きの実行を再開させる手段と、を備えたことを特徴とする請求項10記載の分散型情報処理装置。

請求項18

各計算機ノードに分散配置されたデータの位置情報を有し、自計算機ノードの情報処理機構で実行中の処理手続きが参照すべき分散データの位置を分析する手段と、前記実行中の処理手続きが参照するデータが他ノードにある場合、ノード間の遠隔データアクセス機構を介して該データにアクセスする際の計算機およびネットワークの負荷量と、前記実行中の処理手続きを中断して他ノードへ転送する際の計算機およびネットワークの負荷量と、該処理手続きを他ノードで実行した際の計算機の負荷量と、計算結果を自ノードへ返送する際の計算機とネットワークの負荷量とを評価する手段と、当該処理手続きの実行を中断し、前記他ノードへ転送し、前記他ノードで処理手続きの実行を再開させ、計算結果を自ノードへ返送する機能を備えた手段と、を備えたことを特徴とする請求項10記載の分散型情報処理装置。

技術分野

0001

本発明は、分散コンピュータ処理システムに係わり、特に、分散された計算機システムそれぞれが処理手続きとデータを保持している場合、複数の計算機システムの処理手続きが連係して処理を行なうことにより、処理を依頼する計算機システムに個性的な処理を実現する分散情報処理方法及びその装置に関する。

背景技術

0002

一つの計算機システムを一つの計算機ノードとし、前記計算機ノードを複数、計算機ネットワークにより結合した分散情報処理システムは、計算機負荷を分散させる目的のものと、それぞれの機能を分割して平行して処理を行なう機能分散の目的のものがある。

0003

本発明では、後者の機能分散型のシステムに関する。一般に、このような機能分散型情報処理システムでは、図21に示す様に、複数の計算機ノード10、20が、ネットワーク1を介して結合されている。それぞれの計算機ノード10、20は、情報処理機構11、21、処理手続きを格納する機構12、22、並びに前記処理手続きが参照するデータ13、23から構成される。

0004

この様な構成をとる分散システムでは、それぞれの計算機ノード10、20は、それぞれの目的と機能があり、それに必要な処理手続きとデータをそのノード内に蓄積している。しかしながら、このような分割を行なっていても、手続き処理の内容によっては、他ノードに格納されたデータを参照する必要がでてくる。図22は、この概念を示したものであり、10の計算機ノードaで実行中の処理手続き14が、計算機ノードbと計算機ノードcのデータ23と33を参照する例を示している。

0005

このような他ノードに格納されたデータをアクセスするための機構として、処理手続きにとって自ノードと他ノードのデータを見かけ上区別せずアクセスできるための遠隔データアクセス機構が提案されている。他ノードのファイルシステムをアクセスする機構として、例えば、Unixオペレーティングシステムで実用化されているNFS(Network File System)やRFS(Remote File System)などがその代表的なものである。また、分散配置されたデータを統一的にアクセスするために、ネットワーク上のデータに関しての資源管理機構を設け、この管理機構を介して他のノードデータをアクセスする方法が、例えば、特開平1-166158号公報や特開平2-230439号公報などにより知られている。

0006

図23に、そのような従来の分散型情報検索システムの概念を示す。図23において、ある条件1に合致するデータの検索データベースサーバであるサーバノードへ依頼し、その結果をクライアントノード返送させている。次に条件1による検索結果を考慮した処理を実施した後、条件2に合致するデータの検索をデータベースサーバへ依頼し、その結果を得た後、次の処理に移っている。これらの場合の検索結果は、条件1などに該当するすべてのデータである。このような手順を踏む場合、検索されるデータが画像データなどを含むマルチメディア対象システムとなると、クライアントノードとサーバノードの間を往復するデータ量は膨大なものとなるという問題点があった。

0007

さらに、他ノードに分散されたデータをアクセスする処理手続きが明確に分離される場合、処理手続きを前記の他ノードにあらかじめ配置しておき、自ノードから他ノードへメッセージ送り、処理を依頼する方法も提案されている。これはクライアントサーバモデルと呼ばれる方法によるものであり、すなわちクライアントがサーバに処理を依頼する形態を取るものである。また、見方を変えれば、この手法はオブジェクト指向型処理方法であり、データとそのデータを操作する手続きを一体化したオブジェクトにメッセージを送付して処理実行を依頼する方法である。この方法の公知例としては、例えば、特開昭62-126457号公報などがある。

発明が解決しようとする課題

0008

前述の如き、従来の遠隔データアクセス機構は、分散された計算機ノードの数と分散配置されたデータへのアクセスの頻度が少ない場合は極めて効率良く機能する。しかしながら、分散環境を構成する計算機ノードの個数および参照するデータ量が増大するにしたがって、各計算機ノードおよびネットワークにかかる負担が著しく増大し、処理性能が低下するという問題点があった。

0009

一方、クライアント・サーバモデルに基づく手法では、実行すべき処理手続きをあらかじめ全て分析しておき、サーバに前もって配置しておく必要がある。この分析作業は分散された計算機ノードとデータの種類が少ない場合は問題がないが、ノード数と処理すべき手続きの種類が増大するにつれ、膨大な作業量が必要となる。また、実際の大規模かつ広域的な分散環境では要求仕様の変更や追加が発生し、利用されるデータ種類もまた更新されるため、その都度、サーバに配置された処理手続きを変更または追加する必要がある。特に、クライアントが要求する処理内容は千差万別であり、これら全ての要求に応答可能な処理手続きをサーバ側で用意することは容易なことではない。

0010

本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、分散情報処理環境において、処理を要求する計算機ノードの個性的な処理要求に見合った処理を、処理対象のデータが備えられた計算機ノード上で実行することができ、しかも、計算機ノード間のデータ転送を低減し、かつ情報処理を効率良く行うことのできる分散型情報処理方法およびその装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0011

かかる問題を解決するため、本発明は、基本的には、クライアント側が要求する処理内容のうち、クライアント側に特有の処理手続きを、サーバ側に転送することにより、サーバ側にあらかじめ格納されている処理手続き及びデータと前記の転送された処理手続きが、例えば、サブルーチンのはめ込みを行ったり、転送されたプログラムが互いにデータを交換しながらファイル読み出し又は書き込みを行うなど、互いに連係して処理を行なうようにしたことを特徴とする。

0012

そして、より具体的な例としては、以下に示す構成から得られる分散型情報処理方法およびその装置が挙げられる。
(1)複数の計算機ノードに分散配置されたデータの位置情報を有し、自計算機ノードの情報処理機構で実行すべき処理手続きがあるとき、前記処理手続きのどの部分がどの計算機ノードに格納された分散データを参照する必要があるのかを内蔵した位置情報を用いて判定し、参照すべきデータの格納された計算機ノードを単位として、前記処理を処理単位に分割する手段と、分割され、計算機ノード毎にグループ化された処理単位が、実行されるべき計算機ノードにおいて実行可能な形態で格納されているかを判定し、格納されていなければ、前記の処理単位を前記の実行されるべき計算機ノードへ転送し、前記計算機ノードの情報処理機構で実行させる手段と、を備えたことを特徴とする構成。
(2)複数の計算機ノードに分散配置されたデータの位置情報を有し、自計算機ノードの情報処理機構で実行すべき処理手続きがあるとき、前記処理手続きのどの部分がどの計算機ノードに格納された分散データを参照する必要があるのかを、内蔵した位置情報を用いて判定し、参照すべきデータの格納された計算機ノードを単位として、前記処理を処理単位に分割する手段と、分割され、計算機ノード毎にグループ化された処理単位が、実行されるべき他の計算機ノードにおいて実行された場合の計算機負荷と、前記処理単位を前記実行されるべき計算機ノードへ転送する場合の計算機とネットワークの負荷と、当該処理単位をネットワークをネットワークを介して転送する負荷量と、当該処理単位の計算結果を他ノードから自ノードへ返送する場合の計算機とネットワークの負荷を、評価する手段と、前記手段により推定された各負荷量により、実行すべき処理手続きを、他ノードへ転送して処理させるべきか、他ノードにあるデータを自ノードへ転送させて自ノードで当該処理単位を実行すべきかを判断する手段と、を備えたことを特徴とする構成。
(3)各計算機ノードに分散配置されたデータの位置情報を有し、計算機ノードの情報処理機構で実行中の処理手続きが参照すべき分散データの位置を分析する手段と、前記処理手続きがデータを参照しようとした場合、前記データが自ノードにある場合は、そのまま処理を続行し、前記データが他のノードにあると判明した場合は、当該処理手続きの実行を中断し、前記他ノードへ転送し、前記他ノードで処理手続きの実行を再開させる手段と、を備えたことを特徴とする構成。
(4)各計算機ノードに分散配置されたデータの位置情報を有し、計算機ノードの情報処理機構で実行中の処理手続きが参照すべき分散データの位置を分析する手段と、前記実行中の処理手続きが参照するデータが他ノードにある場合、ノード間の遠隔データアクセス機構を介して該データにアクセスする際の計算機およびネットワークの負荷量と、前記実行中の処理手続きを中断して他ノードへ転送する際の計算機およびネットワークの負荷量と、該処理手続きを他ノードで実行した際の計算機の負荷量と、計算結果を自ノードへ返送する際の計算機とネットワークの負荷量とを評価する手段と、当該処理手続きの実行を中断し、前記他ノードへ転送し、前記他ノードで処理手続きの実行を再開させ、計算結果を自ノードへ返送する機能を備えた手段と、を備えたことを特徴とする構成。

0013

前述の特徴を備えた分散型情報処理方法およびその装置においては、処理を依頼する側が有する特有の処理手続きを、該処理手続きの送付先が予め格納している処理手続き及びデータに移動させ、これらが連係して処理を行うことにより、処理を依頼する計算機システムの要求に合った個性的な処理を実現可能とする。

0014

以下に添付の図を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。以下の説明において、実施例1〜4は本発明の基本概念について記載した例を示し、実施例5〜9は本発明を具体的に個々のシステムに適用した場合の例を示す。なお、実施例を説明するための図において、同一機能を有するものは同一符号を付し、重複説明は省略する。
(1)実施例1
図1は他ノードへ移動して処理を行う場合の一例である。

0015

図1において、10の計算機ノードaで実行すべき処理手続き14がある。処理手続き分析機構100は、内蔵する分散データ配置情報101を参照し、参照すべき分散データが配置されている計算機ノードにより、処理手続き14を処理単位に分割した後、グループ化する。図1における141、142、143は分割され、かつグループ化された処理単位の例であり、141は計算機ノードaに配置されたデータ13を参照する処理単位aであり、142は計算機ノードbに配置されているデータ23を参照する処理単位bと処理単位b’であり、143は計算機ノードcに配置されたデータ33を参照する処理単位cである。

0016

150は処理単位実行制御機構であり、前記の分割された処理単位141、142、143を所定の計算機ノードで実行させるための制御を行なう。図2は150の基本的な動作フローを示した図である。150は各処理単位を実行する対応する計算機ノードを識別するとともに、前記計算機ノードに当該処理単位が、前記計算機ノードの情報処理機構で実行可能な形態で登録されているかを検索し、登録されていなければ、当該処理単位を前記計算機ノードへネットワークを経由して転送する。処理単位の転送が終了すると、150は当該計算機ノードへ処理単位の実行要求発行する。

0017

図1においては、処理単位142は20である計算機ノードbへ転送されたのち、20に配置されているデータ23を参照しながら20の計算機ノードbで実行される。
(2)実施例2
図3は他ノードへ移動して処理を行う場合の他の例である。

0018

図3において、10の計算機ノードaで実行すべき処理手続き14がある。処理手続き分析機構100は、内蔵する分散データ配置情報101を参照し、参照すべき分散データが配置されている計算機ノードにより、処理手続き14を処理単位に分割した後、グループ化する。図1における141、142、143は分割され、かつグループ化された処理単位の例であり、141は計算機ノードaに配置されたデータ13を参照する処理単位aであり、142は計算機ノードbに配置されているデータ23を参照する処理単位bと処理単位b’であり、143は計算機ノードcに配置されたデータ33を参照する処理単位cである。

0019

160は分割された処理単位の実行時の負荷を評価する手段である。160は各処理単位について以下に述べる負荷量を評価する。ここでいう負荷量には様々な因子があるが、例えば、計算機のCPU時間入出力に要する時間、ネットワーク上での転送時間、本発明の処理が計算機の記憶装置占有する記憶容量などがある。

0020

a)処理単位が指定された計算機ノード上で実行された場合の計算機負荷量。
b)処理単位が指定された計算機ノードに転送される場合の計算機とネットワーク上の負荷量。
c)処理単位が指定された計算機ノード上で処理を実行した後、計算結果を自ノードに返送する必要がある場合、その計算結果を返送するのに要する計算機とネットワーク上の負荷量。

0021

d)処理単位を指定された計算機ノードへ転送せずに、前記処理単位が参照すべきデータは前記計算機ノードから自ノードに転送し、自ノードで処理を行わせた場合の計算機とネットワークの負荷量。
e)処理単位を指定された計算機ノードへ転送せずに、前記処理単位が参照すべきデータをは前記計算機ノードと自ノードの情報処理機構を経由してアクセスする事により、自ノードで処理を行わせた場合の計算機とネットワークの負荷量。

0022

処理単位実行負荷評価機構160は上記の5つの負荷量を比較評価し、各計算機ノードとネットワークに最も負担を与えない組み合わせを判断し、その判断によって、処理単位の実行を制御する。図3の150は処理単位実行制御機構であり、処理単位が指定された計算機ノード上で実行されることが最も負担が軽いと判断された場合に利用される。151は遠隔データ転送制御機構は、他ノードにあるデータを自ノードに転送して自ノードで処理単位を実行することが最も良いと判断された場合に利用される。図5において、計算機ノードbのデータbである23は、151に指示により計算機ノードaに転送され、23を参照する処理単位bは計算機ノードaで実行される。

0023

処理単位実行制御機構150は、前記の分割された処理単位141、142、143を所定の計算機ノードで実行させるための制御を行なう。図2は処理単位実行制御機構150の基本的な動作フローを示した図である。また、処理単位実行制御機構150は各処理単位を実行する対応する計算機ノードを識別するとともに、前記計算機ノードに当該処理単位が、前記計算機ノードの情報処理機構で実行可能な形態で登録されているかを検索し、登録されていなければ、当該処理単位を前記計算機ノードへネットワークを経由して転送する。処理単位の転送が終了すると、150は当該計算機ノードへ処理単位の実行要求を発行する。

0024

152は遠隔データアクセス制御機構であり、自ノードの情報制御機構と他ノードの制御機構を介して、遠隔データアクセスを実現する機構であり、前記方法が最も良いと判断された場合に利用される。
(3)実施例3
図4は実行中の処理手続きが計算機ノードを移動する場合の一実施例である。

0025

図4において、10の計算機ノードaで実行中の処理手続き200がある。前述の2つの構成では、処理手続きに対する分析は実行前であったが、この構成ではすでに情報処理機構11で実行中である。処理手続き200が参照するデータは、アクセスデータ分析機構201を介して200に提供される。201は200が要求するデータがどの計算機ノードに配置されているかの位置情報202を格納しており、もし、200が計算機ノードa内に格納されているデータ13をアクセスする場合は、そのまま参照させる。更に、200が他の計算機ノードにあるデータを参照する必要のある場合は、当該ノードへ200を転送し、処理を続行させる。図4では20の計算機ノードbに格納されたデータ23を参照する必要があるので、20の情報処理機構21へ200を転送し、21で200の処理を続行する。他ノード20にすでに格納されている処理手続き2001があれば、例えば、サブルーチンのはめ込みを行ったり、転送されたプログラムが互いにデータを交換しながらファイルの読み出し又は書き込みを行うなど、これと連係して処理を実行する。

0026

図5は実行中の処理手続きの移動の様子を示したものである。すなわち、処理手続き200が10の計算機ノードaにあるデータ13を参照する必要がある場合は、計算機ノードaで実行され、処理の続行により、他ノード20の計算機ノードbにあるデータ23を参照する必要が発生した場合は、計算機ノードbに移動する。更に13にアクセスする必要があれば、また10にもどり、更に別の計算機ノードcにあるデータを参照する必要のある場合は、計算機ノードcへ移動する。

0027

上記のように、処理手続き200は必要があれば複数の計算機ノードを巡回して、処理を実行する。
(4)実施例4
図6は実行中の処理手続きが計算機ノードを移動する場合の他の実施例である。

0028

図6において、図4と同様に、10の計算機ノードaで実行中の処理手続き200がある。処理手続き200が参照するデータは、アクセスデータ分析機構201を介して200に提供される。アクセスデータ分析機構201は200が要求するデータがどの計算機ノードに配置されているかの位置情報202を格納しており、もし、200が計算機ノードa内に格納されているデータ13をアクセスする場合は、そのまま参照させる。もし200が他の計算機ノードにあるデータを参照する必要のある場合は、処理負荷評価機構204を介して、以下に示す負荷量の評価を実行する。

0029

a)処理手続きが他の計算機ノード上で実行された場合の計算機負荷量。
b)処理手続きが他の計算機ノードに転送される場合の計算機とネットワーク上の負荷量。
c)処理手続きが他の計算機ノード上で処理を実行した後、計算結果を自ノードに返送する必要がある場合、その計算結果を返送するのに要する計算機とネットワーク上の負荷量。

0030

d)処理手続きを他の計算機ノードへ転送せずに、前記処理手続きが参照すべきデータは前記計算機ノードから自ノードに転送し、自ノードで処理を行わせた場合の計算機とネットワークの負荷量。
e)処理手続きを指定された計算機ノードへ転送せずに、前記処理手続きが参照すべきデータをは前記計算機ノードと自ノードの情報処理機構を経由してアクセスする事により、自ノードで処理を行わせた場合の計算機とネットワークの負荷量。

0031

処理負荷評価機構204は上記の負荷量を比較評価し、各計算機ノードとネットワークにもっとも負担を与えない組み合わせを判断し、その結果により処理手続きの実行を制御する。処理手続き200を他ノード20へ転送せずに自ノードで実行することが良いと判断された場合には、遠隔データアクセス機構205を介して、自ノードで処理を続行する。他ノードで実行することがよいと判断された場合は処理を中断させ、処理手続き実行制御機構203により、他ノード20へ200を転送、処理を続行させる。図6では他ノード20の計算機ノードbに格納されたデータ23を参照する必要があるので、他ノード20の情報処理機構21へ200を転送し、21で200の処理を続行する。

0032

また、この構成でも、図5で示したように、必要があれば、複数の計算機ノードを巡回して、処理を実行する。次に、本発明を実際のシステムに適用した実施例について説明する。
(5)実施例5
図7に複数のデータベースシステムがそれぞれデータベースサーバとしネットワークに接続されている分散型データベースシステムの例を示す。

0033

図7において、300はデータ検索サービスをユーザに提供する計算機であり、クライアントサーバとして機能する。301はマンマシンインタフェースを介してユーザから与えられた検索条件であり、複数の検索条件x、検索条件yなどからなっている。302は検索条件分析機構であり、図1で示した構成の処理単位実行制御機構150に相当する。302は、ネットワークに接続している各データベースサーバに格納されたデータの種類に関する情報を格納している分散データ配置情報303を参照しながら、どの検索条件がどのデータベースサーバで実行すべきかを決定する。

0034

転送プログラム生成機構304は検索条件分析機構302によって決定された検索条件を実際に実行する検索条件実行手続きを生成する機構であり、305の検索条件実行モジュールライブラリから必要なモジュールを取り出し、転送すべきプログラムを生成する。生成された検索プログラム308は、サーバノードである306のデータ検索処理機構307に転送され格納される。データ検索処理機構307では、310のデータベース管理機構とのリンク機構を介してデータベースの検索を実行する。

0035

図8は、図7の検索プログラムの動作の概念を示したものである。クライアントノードでは、検索条件xが与えられた場合、検索条件xを実行する処理手続きを305を用いて生成する。検索条件yが与えられた場合も同様に処理手続きを生成する。更に検索条件xと検索条件yの組み合わせ条件に合致するデータを得る必要のある場合は、組み合わせ条件の検証を行う処理手続きを生成する。

0036

サーバノードでは、前述の検索実行モジュールを受け取った後、その実行を行い、検索結果をそれぞれ、サーバノード内に保存する。その後、組み合わせ条件検索プログラムが転送されてきた場合には、さきに実行して保存してある条件xと条件yの検索結果を用いて、組み合わせ条件の処理を実行する。その結果は最終検索結果としてクライアントノードへ返送される。

0037

本実施例での具体的なデータ検索の例を以下に述べる。311に格納されるデータとして、例えば、人事データなどのデータであり、個人記号表現できる属性データのほか、顔面の画像データや体内健康状態を示すレントゲン写真などがあるとする。検索条件として、例えば、男性であるとか身長170cm以上であるとかの条件は記号で表現可能である。

0038

その他に、検索条件として、特定の顔の特徴をもった人間を検索したい場合、前記の顔の特徴は、特定の画像データ処理プログラムで検索する必要があるとする。この検索はクライアントにより変化するものであり、前もってサーバ側で用意することは不可能である。本実施例では、前記の顔の特徴を判定するプログラムは図7の305から取り出され、307での処理プログラム308となる。308はリンク機構309を介して、データベース管理機構310が提供する機能を用いて、顔の特徴抽出と検索を実施する。

0039

本実施例によれば、次に示す効果がある。
a)通常のデータベース検索では、ある条件に合致するデータをサーバから得ようとした場合、該当するデータが多くなると転送量が膨大なものとなり、計算機とネットワークに過大な負担をかけるという問題があるが、本実施例によれば、データの転送量よりもプログラムの転送量が少ないようなケースの場合、計算機およびネットワークにかかる負担が減少するため、データ検索のスループットが向上するという効果がある。

0040

b)複数の検索条件がある場合、それぞれの検索条件によって得られた中間データをサーバ側に保持する事により、不要なデータ転送を抑制することができる。
c)検索条件の実行手続きをクライアント側で生成するとともに、その手続きに、サーバ側は標準的にサポートするデータ検索機構を組み合わせることが可能なので、複雑かつ柔軟でクライアント側の個性に合った検索処理を実行することができる。
(6)実施例6
図9は本発明をオブジェクト指向型システムに適用した一例である。

0041

図9において、ふたつの計算機ノード320と321がネットワークで接続され、それぞれがオブジェクトと呼ばれる処理単位によって情報処理が行なわれている。オブジェクトは、その中にデータとそのデータを操作する手続きプログラムをカプセル化したものであり、前記の手続きをメソッドと呼ぶ。外部からはオブジェト内のデータは直接操作できず、メソッド起動の要求を行なうメッセージを当該オブジェクトに送付することにより、オブジェクト内のデータの操作およびその結果を得る。

0042

本実施例では、図9に示すメッセージ伝達分析制御機構322を備え付けたことを特徴とする。メッセージ伝達分析制御機構322は、図6で示したアクセスデータ分析機構201に相当するものである。メッセージ伝達分析制御機構322は計算機ノード320内の各オブジェクトが発信しようとしているメッセージの送付先を内蔵する分散データ配置情報を用いて分析する。メッセージ伝達分析制御機構322は各オブジェクトのメッセージをそのまま発信したほうが良いと判断した場合は、そのまま他ノードへメッセージを発信させる。図9において、オブジェクト323のメッセージはそのまま計算機ノード321内にあるオブジェクト325へ発信されている。

0043

一方、オブジェクトが移動したほうがよいと判断された場合は、図12の324の如く、計算機ノード321へ移動してオブジェクト324’として処理を続行する。オブジェクト324’は計算機ノード321内でオブジェクト325とメッセージを交換しながら、処理を続行する。本実施例によれば、次に示す効果がある。

0044

a)通常のオブジェクト指向型システムでは、メッセージによりデータの操作を要求する。操作の指示を伝えるメッセージは比較的データ量が少ないが、操作結果をメッセージの発信もとへ返送する必要があるケースでは、メッセージの返信に大量なデータ転送が発生する可能性がある。メッセージのやり取りが頻繁に起きるとデータが多くなると転送量が膨大なものとなり、計算機とネットワークに過大な負担をかけるという問題があるが、本実施例によれば、データの転送量よりもオブジェクトの転送量が少ないようなケースの場合、計算機およびネットワークにかかる負担が減るため、オブジェクトで実行されるメソッドの処理効率が向上するという効果がある。

0045

b)メッセージを発信するオブジェクトは、メッセージを受け取るオブジェクトがどの種類のメッセージを受け入れ可能かを知っている必要がある。しかしながら、本実施例によれば、メッセージを発信するオブジェクトが相手先出向くため、相手先ノード直接処理ができ、クライアントの要求に合った個性的な処理が実現できるという利点がある。また、相手先に移動したオブジェクトがそのままそこに常駐すれば、相手先ノードで提供する機能のバージョンアップを実現する手段として利用可能である。
(7)実施例7
図10に、携帯式個人用健康管理システムの実施例を示す。健康管理には、各人の健康状態について、血液検査尿検査などの検査を行なう必要があるが、ここで示す実施例腕時計タイプの携帯式個人健康管理システムである。

0046

図10において、350は本実施例の健康管理システムのうちの移動ユニットである。移動ユニット350内には、CPU351と、プログラムライブラリ352とデータベース353が備えられている。さらに、このプログラムライブラリ352には個人用にチューニングされた各種診断プログラム354、データベース353には各診断項目検査結果355がそれぞれ備えられている。

0047

移動ユニット350は腕時計タイプの携帯型であり、人間の腕に装着され人間と共に移動する。一方、移動ユニット350が訪れる様々な公共的な場所には各種のデータ検査機構が設置されている。図10に示したデータ検査機構の例は、トイレ診断システム356である。トイレの診断システム356には、小便器から得られる尿成分を分析する尿分析装置357と検査データを蓄えるデータ格納装置358とデータ処理を行なうCPU359が備えられている。

0048

尿の健康診断には、尿内の蛋白や血液(血尿)など様々な項目と共に個人的な分析項目がある。これらの特殊な検査を行なうプログラムを全てトイレの診断システム356内に格納することは不可能である。本実施例では、個人に特有のプログラムは、ライブラリ352に格納された診断プログラム354をCPU359へダウンロードすることにより処理を行ない、分析データ361は移動ユニット350へアップロードすることにより、移動ユニット350の各診断項目検査結果データベース353へ格納される。ここで述べたダウンロードやアップロードには無線が用いられる。

0049

これらの処理は、個人がトイレに入り、用を済ませ、トイレを出るまでに行なわれ、したがって、個人が意識せずとも日常行動の中で自動的に実行される。図10ではトイレでの尿検査の例を示したが、ほかにも、人間が近づく公共的な場所で次のような検査の例が考えられる。
a)鏡に向かっている間に顔色を検査する。

0050

b)椅子に座っている間に、脈数を検査する。
c)風呂に入っている間に、体温を検査する。
などについて検査が可能である。以上のように、公共的な場所に様々な検査機構を設け、人間の手にはめられた健康管理サブシステムが、行く先々で自分の有する個人向けにチューニングされた健康診断プログラムを検査機構へダウンロードし、結果を自分のデータベースに格納する。この個人が自宅に戻ると、図11に示すように、自動的に健康管理システム363のデータ収集装置362が、データベース353に蓄積された検査項目データを吸い上げ、所定の診断を行なった後、診断結果364を出力する。もちろん、この健康管理システムの設置箇所家庭に限る必要はなく、公共的な場所に設置されていてもよい。

0051

本実施例によれば、次に示す効果がある。
a)健康管理のための検査機構が、公共の場所に分散配置されており、前記公共場所に訪れるごとに、様々な検査が自動的に行なわれ、自然に検査データが移動ユニットに蓄積されるため、豊富な健康管理が可能となると共に、各人の健康診断にかかる負担を低減することができる。

0052

b)健康診断に必要な処理内容は個人毎に異なり、必要に応じ、自分の腕に装着した移動ユニットから、各種検査システムにダウンロードされ、結果をアップロードするため、個人向けにチューニングされた個性的な検査と診断が可能となる。また、各検査システムの構造が簡単になると共に、融通性にとんだ検査が可能となる。

0053

c)診断プログラムの物理的な移動は人間の空間的移動によっており、前記のプログラムを検査システムに移動する場合は、近距離のみ到達できる無線によっており、プログラムの移動実現手段が極めて簡単になる。また、データまたはプログラムの転送量も至近距離で行なわれるため、移動手段が簡単になる。
(8)実施例8
次に、本発明を分散型制御システムに適用した実施例を示す。

0054

プラント監視制御システムなどの一つのプラントの制御システムや電力系統システム交通制御システムなどの広域制御システムは、制御対象状態量観測し、しかるべき情報処理を行なった後、制御対象に対し制御信号を発生する。制御対象が更に部分系に分割できる場合は、監視制御システムをも分割し、分割した監視制御システムを統括する機構を設けた階層的な分散制御システムがある。

0055

図12分散型監視制御システムの典型的な構成例である。図12において、404は通信ネットワークであり、それに、システム全体を統括して制御する上位ノードである400と部分系の制御を担当する下位ノード401、402、403が接続している。下位ノード401、402、403はそれぞれ制御対象404、405、406を担当している。分散制御システムの実例が電力系統システムや交通制御システムの様な場合、その制御対象が広域な範囲にわたっており、地域又は制御目的に応じて制御対象を分割し、これらの分割した対象を部分的に制御する分散制御方法が取られている。

0056

図13電力系統を例に取った場合を示す。図13において、上位ノード400の下に下位ノード401、402、403があり、通信ネットワークを介して指令又は報告を行なっている。制御対象である電力系統は、それぞれ、404、405、406の部分系統に分割され、それぞれ、401、402、403が制御を担当している。なお、図13において、407は発電所、408は送電線、409は変電所母線を表している。なお、ここでは上位ノードや下位ノードと称したが、実際の例では、例えば、上位ノードは中央給電指令所とすると、下位ノードは地方給電指令所や発電所などが相当する。

0057

次に具体的な制御例として、中央給電指令所で行われる火力発電機需給制御の一例を示す。電力システムにおいて、電気総消費量総需要と呼ばれる)と発電電気量の総和は常に等しくなければならない。火力発電機を初めとする発電機の発電量増減はある程度の時間が必要であり、急激には変動させることができない。そこで、総需要をある程度の期間(数分〜数十分)で予測しておき、この予測に合わせて発電機に対し出力の増減を指令しておく。これが需給制御と呼ばれるものである。図14はこの概念を示したものであり、現在時刻からn分後の時点で総需要が図14曲線のように予測された場合、現在の発電量とその予測値との差が不足する。この場合、各発電機の出力を増やす必要があるが、それぞれの発電機には特性があり、ある発電機は高速に出力を上げることができるが、他の発電機の動き鈍いと言ったように、特性にばらつきがある。図15はこれを示した図であり、中央給電指令所では、これらの発電機の特性を考慮して、出力の上昇を指令しなければならないが、発電機の出力変化特性は、発電所内のボイラー動特性を初め、様々なパラメータを考慮しなければ一意に決まらない。現状では、この動特性は、たとえば100kW/分といった固定したデータが中央給電指令所所のコンピュータのデータベースにあるのみで、これを使った出力指令を計算している。

0058

本実施例は、発電所の監視制御用コンピュータに、前提条件を与えて現時点の出力変化特性を判定させ、その特性を中央給電指令所に返信させることで、正確な現時点の動特性を収拾し、より正確な需給制御を実現することを目的としている。図16に本実施例のより具体的なブロック構成図を示す。図16において、400は中央給電指令所であり、その内部の情報処理機構410で需給制御プログラム411が稼働するようになっている。この需給制御プログラム411内では予測された総需要に対し、どの発電機の出力を増減させるかを判定するサブルーチン412がある。413は各発電所へ送付する動特性決定プログラムを各種格納したライブラリーであり、414は中央給電指令所の操作員が与えた前提条件によって必要な動特性決定プログラムを生成して各発電所に送付する機構である。

0059

一方、火力発電所401では内部の情報処理機構415に中央給電指令所から送付されてきた特性決定プログラム416とプラント内状態推定プログラム417がある。プラント内部状態推定プログラム417は予めこの発電プラント用に合わせて設計されている。また、火力発電所401には発電機419やボイラー420などの発電プラント構成要素から得られる観測データ418が備えられている。特性決定プログラム416とプラント内部状態推定プログラム417は互いに協調をとりながら、現時点の発電プラント内の状態を推定するとともに、現時点の発電機の出力変化動特性を算出する。

0060

図17は、この発電機の出力変化動特性の例である。発電プラントはその内部に複雑な制御系を有しており、与えられた制約条件に合わせて様々な運転形態が可能である。例えば、図17では、燃料比などの経済性を考慮した場合の発電機出力変化動特性と、プラントの構成要素へのダメージは多少犠牲にしても最大限の出力変化を求めた場合の動特性が例として示されている。

0061

通常の運転状態では経済性を重んじるのは普通であるが、発電量が不足し大停電が起きるやも知れぬ緊急時では多少の機器に与えるダメージを無視してでも発電量を増やす必要がある。この様に、様々な前提条件を含んだ動特性決定プログラムを発電所のコンピュータに与えることにより、中央給電指令所の操作員が求める動特性を得ることが可能となる。

0062

本実施例によれば以下に述べる効果がある。
a)発電機の出力変化動特性を、様々な制約条件下で求めることができるので、中央給電指令所において、操作員の要求に合わせた火力発電機の出力増減の決定が可能となる。
(9)実施例9
次に、前記実施例と同様、階層分散型による電力システム監視制御システムの例を示す。本実施例は、電力系統の操作手順立案するシステムに適用した一例である。

0063

図18は、例題とする電力系統図である。図18において、430、431、432は発電所であり、433、434、435、436、437、438、439は変電所である。現在において送電線441と444は系統から切り放されており電力は流れていない。ここで、送電線440を工事のため系統から切り放す必要がでた場合が、本実施例の例題である。送電線440をそのまま、系統から切り放すと、下流にある変電所438が電力供給を断たれて停電となる。この停電を防ぐ為に様々な操作を行う必要がある。これが電力系統の操作手順の立案の例である。

0064

この場合、いろいろな操作手順が考えられる。一番単純な手順は、停止中の送電線441を系統につなぎ、その後、送電線440を切り放すことである。その他に、441をつないでしまうと、発電所431は変電所438と439の両方に電力を供給することになり、過負荷の恐れがあるので、送電線444を稼働させ、変電所437は発電所432から電力供給をうけ、発電所431は438のみ供給する手順も考えられる。図19は、この後者の手順を実行した後の系統の接続状態である。

0065

図20は、本実施例の構成図である。上位ノードとして地方給電指令所500があり、下位ノードとして501の制御所Aと502の制御所Bがある。制御所Aは図18の変電所433、434、436と送電線440と441を管轄している。一方、制御所Bは変電所435、437と送電線443と441を管轄している。地方給電指令所500には操作手順を立案するシステムとして推論エンジン知識ベースからなる操作手順立案システム503がある。地方給電指令所500は、配下の制御所を含め、図18に示した系統全体制御管理しているが、個別の変電所や送電線の観測された状態量は、下位ノードである制御所に詳細なデータがある。

0066

図20の図示例では、503は二つの操作手順504と505をその知識ベースに蓄積されたルール系統構成に関するデータより生成した。このどちらが良いかを判定するには、過負荷のチェックが必要である。また、過負荷していなくとも、過負荷に近い負荷率は避けるべきである。これらのチェックすべき項目を実現する計算プログラムと操作手順のシーケンスが504と505であり、制御所501と502へ送付される。各制御所では受け取った手順表により、手順ごとに変化する系統構成(接続状態)を基に、送電線に流れる電力潮流を推定し、過負荷や負荷率の値を算出し、結果を地方給電指令所500へ返送する。また、各制御所に与えられた手順の実現を不可能にする特定の情報、(例えば、上位ノードに報告していなかった遮断器故障など)があれば、これも含めて、上位ノードへ、手順の評価結果を報告する。

0067

503の操作手順立案システムは、この様にして、下位ノードへ各種の処理指示を出し、その結果をうけとることにより、より、優れた手順を作成する。本実施例によれば、下記の効果がある。
a)上位ノードが、立案した手順を下位ノードに開陳するとともに評価させているので、下位ノードに蓄積されたデータをも用いることで、優れた手順が立案できる。

発明の効果

0068

以上の説明から理解されるように、本発明によれば、分散情報処理環境において、処理を要求する計算機ノードの個性的な処理要求に見合った処理を、処理対象のデータがある計算機ノード上で実行することが可能となる。また、計算機ノード間のデータ転送が低減されるため、効率の良い情報処理が可能となる。

図面の簡単な説明

0069

図1他ノードへ移動して処理を行なう手段のブロック図。
図2他ノードへ処理手続き移動判定アルゴリズム
図3他ノードへ移動して処理を行なう手段のブロック図。
図4実行中の処理手続きが計算機ノードを移動するための手段のブロック図。
図5処理手続きの巡回を示す図。
図6実行中の処理手続きが計算機ノードを移動するための手段のブロック図。
図7個性的データ検索を行なう実施例のブロック図。
図8個性的データ検索の処理フロー
図9移動型オブジェクトの作動図
図10携帯式健康管理システムの構成図。
図11携帯式健康管理システムの作動図。
図12分散型監視制御システムの構成図。
図13電力系統を例にした分散型監視制御システムの構成図。
図14総需要予想曲線。
図15発電機出力変化動特性図。
図16需給制御システムへの適用例のブロック図。
図17様々な条件下での発電機出力変化動特性図。
図18モデル系統図。
図19モデル系統図。
図20系統操作手順立案システムへの適用例を示すブロック図。
図21分散情報処理の一般的構成を示した図。
図22他ノードにあるデータへのアクセスを示すブロック図。
図23データベースでの条件照合のフロー図。

--

0070

1…ネットワーク
10、20、30、300、306…計算機ノード
11、21、31…情報処理装置
12、22、32…各計算機ノードにあるデータ
14、24…各計算機ノードにある処理手続き
100…処理手続き分析機構
101…分析データ配置情報
150…処理単位実行制御機構
160…処理単位実行負荷評価機構
201…アクセスデータ分析機構
204…処理負荷評価機構
302…検索条件分析機構
350…携帯式健康管理システムの移動ユニット
363…携帯式健康管理システムの固定ユニット
400…中央給電指令所
401…火力発電所
500…地方給電指令所
501、502…制御所

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