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技術 溶鋼の取鍋電極加熱精錬法

出願人 新日鐵住金株式会社
発明者 荒井雅之小泉文夫山上安夫磯田一立野健治
出願日 1992年11月12日 (28年1ヶ月経過) 出願番号 1992-302730
公開日 1994年5月27日 (26年7ヶ月経過) 公開番号 1994-145764
状態 特許登録済
技術分野 溶融状態での鋼の処理
主要キーワード 製造工程能力 低酸化度 LF処理 フレコンバック 溶解割合 加熱精錬 フラックス使用量 回収スラグ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1994年5月27日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

目的

本発明は溶鋼二次精錬工程であるLF処理法に関し、S含有量の高いLF処理後スラグ回収し、これを高S鋼のLF精錬リサイクルすることにより、脱Sの抑制、LF造滓材の削減、滓化時間の短縮をはかる。

構成

溶鋼の二次精錬工程であるLF処理において、高塩基度低酸化度スラグにより脱S処理を行った後、該スラグを回収し、高S鋼で脱S抑制の必要な鋼種のLF処理にリサイクルし、添加Sの歩留向上、LFフラックス使用量の削減をはかる。さらに前記リサイクルスラグを利用して脱S抑制処理を行うに際して、珪石等のSiO2 源を添加し、スラグ塩基度を3〜5の範囲に制御することにより、脱Sを制御しつつ、脱介在物を促進する。

概要

背景

近年、鋼材に対する品質要求はその利用技術の高度化、多様化とともに厳しさを増し高純度鋼製造へのニーズは益々高まっている。このような高純度鋼製造の要求に対して製鋼工程では溶銑予備処理あるいは二次精錬設備の拡充をはかってきた。特に溶鋼の脱S及び脱介在物をはかる精錬については、強還元且つ高塩基度スラグによる精錬が必要であり、LFプロセスの導入によりこのスラグ精錬が可能となり、低S鋼及び高清浄度鋼製造工程能力が大幅に向上した。

従来の技術として、LF工程においてはスラグ塩基度高位確保及び徹底したスラグ酸化度(FeO+MnO)の低減をはかることにより、脱S反応促進あるいは鋼中介在物の低減をはかることが一般的に行われている(例えば、日本鉄鋼協会:第126・127回西記念技術講座、1988)。また一方では近年において、高清浄度を要求される鋼種の中においても鋼材の被削性を向上させるために積極的にSを添加し、鋼中S濃度を高くする必要がある鋼種が増加傾向にある。しかし、上記のとおり従来のLF工程でのスラグ精錬技術では、溶鋼の清浄化と脱Sが同時に促進されてしまい、現状の清浄度を確保するための高塩基度操業では、添加したSの溶鋼中への溶解割合が低く、多量にSを添加する必要があった。

概要

本発明は溶鋼の二次精錬工程であるLF処理法に関し、S含有量の高いLF処理後スラグを回収し、これを高S鋼のLF精錬リサイクルすることにより、脱Sの抑制、LF造滓材の削減、滓化時間の短縮をはかる。

溶鋼の二次精錬工程であるLF処理において、高塩基度・低酸化度スラグにより脱S処理を行った後、該スラグを回収し、高S鋼で脱S抑制の必要な鋼種のLF処理にリサイクルし、添加Sの歩留向上、LFフラックス使用量の削減をはかる。さらに前記リサイクルスラグを利用して脱S抑制処理を行うに際して、珪石等のSiO2 源を添加し、スラグ塩基度を3〜5の範囲に制御することにより、脱Sを制御しつつ、脱介在物を促進する。

目的

このように高清浄且つ被削性を有する鋼種の従来LF精錬においては、脱介在物を目的とする高清浄化処理優先するためスラグ塩基度を高くせざるを得ず、Sの添加歩留が低下することにより多量にSを添加する必要がある。また、LF処理を行うに当たっては生石灰アルミナ軽焼ドロマイト等の高価な造滓材を添加し、さらに滓化させるため、精錬前溶鋼の十分な熱裕度の確保が必要であることなどの改善すべき課題がある。

本発明は前記従来法の問題点を解決できるLF操業法の提供を目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

溶鋼二次精錬工程である取鍋電極加熱精錬法において、高塩基度且つ低酸化度スラグにより脱S処理を行った後、該スラグ回収し、これを高S鋼で脱S抑制の必要な鋼種精錬に再使用することを特徴とする溶鋼の取鍋電極加熱精錬法。

請求項2

請求項1記載の脱S処理後の回収スラグを用いて脱S抑制精錬を行うに際して、スラグ塩基度が下記の範囲を満足するようにSiO2 源を添加することを特徴とする溶鋼の取鍋電極加熱精錬法。3≦スラグ塩基度;(%CaO/%SiO2 )≦5

技術分野

0001

本発明は溶鋼二次精錬工程である取鍋電極加熱精錬(以下LFと言う)法に関するものである。

背景技術

0002

近年、鋼材に対する品質要求はその利用技術の高度化、多様化とともに厳しさを増し高純度鋼製造へのニーズは益々高まっている。このような高純度鋼製造の要求に対して製鋼工程では溶銑予備処理あるいは二次精錬設備の拡充をはかってきた。特に溶鋼の脱S及び脱介在物をはかる精錬については、強還元且つ高塩基度スラグによる精錬が必要であり、LFプロセスの導入によりこのスラグ精錬が可能となり、低S鋼及び高清浄度鋼製造工程能力が大幅に向上した。

0003

従来の技術として、LF工程においてはスラグ塩基度高位確保及び徹底したスラグ酸化度(FeO+MnO)の低減をはかることにより、脱S反応促進あるいは鋼中介在物の低減をはかることが一般的に行われている(例えば、日本鉄鋼協会:第126・127回西記念技術講座、1988)。また一方では近年において、高清浄度を要求される鋼種の中においても鋼材の被削性を向上させるために積極的にSを添加し、鋼中S濃度を高くする必要がある鋼種が増加傾向にある。しかし、上記のとおり従来のLF工程でのスラグ精錬技術では、溶鋼の清浄化と脱Sが同時に促進されてしまい、現状の清浄度を確保するための高塩基度操業では、添加したSの溶鋼中への溶解割合が低く、多量にSを添加する必要があった。

発明が解決しようとする課題

0004

このように高清浄且つ被削性を有する鋼種の従来LF精錬においては、脱介在物を目的とする高清浄化処理優先するためスラグ塩基度を高くせざるを得ず、Sの添加歩留が低下することにより多量にSを添加する必要がある。また、LF処理を行うに当たっては生石灰アルミナ軽焼ドロマイト等の高価な造滓材を添加し、さらに滓化させるため、精錬前溶鋼の十分な熱裕度の確保が必要であることなどの改善すべき課題がある。

0005

本発明は前記従来法の問題点を解決できるLF操業法の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0006

すなわち本発明は、溶鋼の二次精錬工程の一つであるLF処理において、高塩基度且つ低酸化度スラグにより脱Sを行った後、該高S含有スラグ回収し、これを高S鋼で脱Sを抑制することが必要な鋼種の精錬に再使用することを特徴とするLF精錬法を要旨とする。

0007

さらに本発明は、鋼中T[O]の低減が要求される清浄鋼の精錬には、前記高S含有スラグの再使用にあたり、珪石等のSiO2 源を添加することによりスラグ塩基度を3〜5に制御して精錬することを特徴とするLF精錬法を要旨とする。

0008

従来、LF処理は図1の従来法に示す工程で行っており、毎回新規の造滓材を添加していた。本発明者らは、図1本発明法に示すように、LFにて脱S処理を行った後の高塩基度(CaO/SiO2 )、低酸化度(T.Fe+MnO)であり、且つ高S含有のスラグをLFでの脱S抑制が必要な処理に再使用すると、S添加歩留が向上し、溶鋼中の介在物を生成する鋼中T[O]の増大を伴なわずに、さらに従来処理法に比較してスラグの生成が迅速となり、LFトータルの処理時間が短縮され、大幅なエネルギーコストの削減が可能であることを見出した。

0009

即ちLF工程での脱S反応は次の式にて説明される。
〔S〕+(O2+) = (S2+)+〔O〕………………(1)
〔S〕+(CaO)=(CaS)+〔O〕………………(2)
従って、溶鋼の脱S反応を抑制するためには、(1)式右辺スラグ中(S2+)または溶鋼中〔O〕の活量を増大させるか、あるいは(1)式左辺のスラグ中(O2+)の活量を低下させることが有効である。この内、〔O〕活量の増大及び(O2+)活量の低下はスラグ酸化度が上昇し、且つ(2)式のスラグ中(CaO)が低下することによる塩基度の低下を伴うことから、溶鋼の高清浄度を維持しつつ脱S反応を抑制するためには、スラグ中の(S2+)の活量増大が最も有効であることは物理化学的に明らかである。

0010

よって脱S後のS含有量の高いスラグの再使用によりスラグの高塩基度、低酸化度を維持しつつ、スラグ中のSの活量を高めることが可能となり、溶鋼の清浄度を低下させずに脱S反応を抑制できることになる。本発明者らは、上記目標とする反応を実機で確認したところ、図2に示すとおり生石灰、アルミナ、軽焼ドロマイト等の新規造滓材をそれぞれ添加して処理する従来法より、脱S後のS含有率が0.25〜0.35%と高い高塩基度、低酸化度のスラグを再使用する本発明法の方が溶鋼の脱S率が低下するのが確認された。さらに、図2に示すとおり、LF処理後スラグ塩基度5近傍より溶鋼の脱S率は急減し、また図3に示すとおりスラグ塩基度が3近傍よりスラグ酸化度の指標であるスラグ中のT.Fe濃度急増することを見出した。従ってLF脱S後のスラグを再使用することでスラグ中のS濃度を高め、Sの活量を高位に保持し、且つ上記範囲にスラグ中の塩基度を制御することによって、脱S反応をさらに効率的に抑制でき、より高S含有の高清浄度鋼製造への適用が可能となる。

0011

塩基度の制御は、必要に応じて珪石等のSiO2 源を添加することにより制御可能であり、添加量については再使用するスラグの組成及び量より容易に決定できる。ところで、LF脱S抑制処理後スラグは、再度LF脱S処理に利用することも可能であり、この場合は、生石灰等の添加による高塩基度レベルへのスラグ組成コントロールが必要である。

0012

また、スラグの再使用法については、安全を考慮する上で排滓・冷却後、破砕し、フレコンバック詰めにて添加する方法が最適と考えられるが、この限りではない。

0013

脱S及び低酸素化精錬を行ったLF処理後スラグを回収し、LFにおける脱S抑制処理に該回収スラグを10kg/T再使用した。表1は脱S及び低酸素化処理を行った鋼種の成分系と脱S抑制処理を行った鋼種の成分系を示す。また表2は脱S処理後回収したスラグ組成及び該スラグを脱S抑制処理に再使用した後のスラグ組成及び品質状況を示す。さらに表3に比較のために従来法にて脱S抑制処理を行った実績も併せて示す。ここで従来法とは、生石灰、軽焼ドロマイト、アルミナ等の造滓材を新たに添加し、処理に必要なスラグを生成させて処理する方法を示す。

0014

表3に示す結果から分かるように、従来法に比較して本発明法による溶鋼清浄度(T[O]レベル)は従来法並が得られており、問題は見られず、さらに本発明法では再使用スラグを用いることにより滓化時間が短縮されるため、LF総処理時間が短縮され、その他LF添加S歩留が向上し、造滓材である生石灰等の使用量も低減した。

0015

0016

0017

発明の効果

0018

以上の説明からわかるように本発明によれば次のような効果が奏される。第1は、LF処理中の脱S反応が抑制され、添加するS歩留が向上すること、さらに下工程であるRHあるいは連鋳工程における鋼中S濃度の低下が抑制されることである。即ち、鋼中S濃度を高めて被削性の向上をはかる必要のある鋼種については、本発明は有効であり、容易に必要な塩基度が制御できることから清浄度の維持(介在物量の低減)が可能となる。

0019

第2は、LF工程における添加フラックス量の大幅削減がはかられること、さらに第3としてスラグの滓化が迅速であり、LFの処理時間が短縮され、エネルギーあるいは耐火物コストの削減がもたらされることである。

図面の簡単な説明

0020

図1従来法および本発明法の工程を対比して示す図である。
図2LF処理後スラグ塩基度と脱S率の関係を表す図である。
図3LF処理後スラグ塩基度とスラグ中T.Fe含有率の関係を表す図である。

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