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技術 シアノアクリレート系接着剤組成物

出願人 東亞合成株式会社
発明者 高橋伸海野亜佐子奥山登志夫
出願日 1992年11月11日 (26年8ヶ月経過) 出願番号 1992-324665
公開日 1994年5月27日 (25年1ヶ月経過) 公開番号 1994-145606
状態 拒絶査定
技術分野 接着剤、接着方法
主要キーワード 軟化材料 瞬間接着性 シアノアクリレート系瞬間接着剤 被着材料 ショア硬度計 ラップ幅 接着剤工業 アニオン重合促進剤
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この項目の情報は公開日時点(1994年5月27日)のものです。
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目的

高温多湿な条件下における接着機能すなわち耐湿熱性および柔軟性が向上し、かつ刺激臭の改善されたシアノアクリレート系接着剤組成物を提供することを目的とする。

構成

アルコキシアルキル2−シアノアクリレートアクリロイル基またはメタクリロイル基分子内に3個以上有する多官能性化合物からなるシアノアクリレート系接着剤組成物。

効果

本発明のシアノアクリレート系接着剤組成物は、優れた耐湿熱性と柔軟性を有するとともに、刺激臭が低減化されたものであり、各種産業界、医療分野レジャー分野、さらには一般家庭学童文具材料等において従来のものより更に幅広く利用される。

概要

背景

2−シアノアクリレートを主成分とするシアノアクリレート系接着剤は、主成分の2−シアノアクリレートが微量の水分および塩基性物質の存在により、容易にアニオン重合して急速に硬化するという性質を有するため、瞬間接着剤として広く各種産業界、医療分野レジャー分野、更には一般家庭において賞用されている。

当該シアノアクリレート系接着剤は、硬質塩ビやABS等の被着材料に対しては優れた耐湿熱性を示すが、クロロプレンゴムやEPDMなどの合成ゴムあるいはベークライトの様に窒素含有化合物硫黄含有化合物を含有する材料の接着における耐湿熱性は悪い。

シアノアクリレート系接着剤が、クロロプレンゴムやEPDM等の合成ゴムおよびベークライト等の接着における耐湿熱性が悪い理由としては、湿度や熱がこれら材料からの窒素含有化合物や硫黄含有化合物のブリードを促進して接着界面蓄積させ、接着強度を低下させることと、ブリード物シアノアクリレートポリマーの分解を促進することが考えられる。

またシアノアクリレート系接着剤は、接着後接着部材外部応力内部応力が掛かると、接着強度が低下する。この原因は、以下のように考えられる。

即ち、シアノアクリレート系接着剤の硬化物は硬くて、柔軟性がないため、外部応力および内部応力の緩和作用に乏しい。そのため、応力が接着層および接着界面に及ぼす影響が大きく、その結果接着剤層破壊や接着面との剥がれが起こり、接着強度が低下するものと考えられる。

産業界では耐久性が要求される箇所の接着には、ウレタン系接着剤エポキシ系接着剤アクリル系接着剤等が、また柔軟性が要求される箇所の接着には、感圧接着剤ホットメルト接着剤等が用いられている。

しかし、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤等は、「二液混合作業、あるいは被着材表面の事前プライマー処理が必要なため作業性が悪い」、「接着速度が遅いため生産性が悪い」、また感圧接着剤やホットメルト接着剤は「耐久性が悪い」等の問題があり、産業界からは耐久性、柔軟性に優れ、かつ作業性、生産性の向上ができる接着剤の開発が強く望まれている。

1液瞬間接着性を特徴とするシアノアクリレート系接着剤は、前記の作業性および生産性の向上を解決できる接着剤ではあるが、既に説明したように耐久性および柔軟性(応力緩和作用及び風合い)に乏しく、またシアノアクリレート刺激臭が強く、接着作業環境に問題を残している。

一方、シアノアクリレート系接着剤に可撓性を付与する目的で、フタル酸エステルセバシン酸エステル、特開昭63−284279に記載されている飽和共重合ポリエステルを配合する公知技術がある。しかしながら、これら柔軟化材料は、シアノアクリレートポリマー中で分散して存在するだけであるため、耐湿熱性に関しては逆効果になる。

また、他に可撓性を付与する目的で特開昭58−185666に記載されているC1〜C4のアルキル(メタ)アクリレート、或いはC1〜C4のアルコキシアルキル(メタ)アクリレートを配合する公知技術がある。これら(メタ)アクリレートはシアノアクリレートポリマー中で分散して存在するだけでなく、高温加熱により、ラジカル重合して耐久性を向上させる可能性を有している。

しかしながら、窒素含有化合物や硫黄含有化合物を含むクロロプレンゴムの接着においては、特開昭58−185666に記載されているC1〜C4のアルキル(メタ)アクリレート、或いはC1〜C4のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート配合組成物でも、本発明の目的の一つである耐湿熱性を満足させることはできないのである。

以上の様な背景から、難接着材料といわれている窒素含有化合物や硫黄含有化合物等を含有する材料、例えばクロロプレンゴム、EPDM等の合成ゴムおよびベークライト等に対しても優れた耐湿熱性を有する柔軟で刺激臭の改善された瞬間接着剤の開発が強く望まれている。

概要

高温多湿な条件下における接着機能すなわち耐湿熱性および柔軟性が向上し、かつ刺激臭の改善されたシアノアクリレート系接着剤組成物を提供することを目的とする。

アルコキシアルキル2−シアノアクリレートとアクリロイル基またはメタクリロイル基分子内に3個以上有する多官能性化合物からなるシアノアクリレート系接着剤組成物。

本発明のシアノアクリレート系接着剤組成物は、優れた耐湿熱性と柔軟性を有するとともに、刺激臭が低減化されたものであり、各種産業界、医療分野、レジャー分野、さらには一般家庭や学童文具材料等において従来のものより更に幅広く利用される。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
7件

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技術分野

0001

本発明は、高温多湿な条件下における接着機能すなわち耐湿熱性および柔軟性が向上し、かつ刺激臭の改善されたシアノアクリレート系接着剤組成物に関するものであり、接着剤工業および該接着剤を利用する各種産業において広く利用されるものである。

背景技術

0002

2−シアノアクリレートを主成分とするシアノアクリレート系接着剤は、主成分の2−シアノアクリレートが微量の水分および塩基性物質の存在により、容易にアニオン重合して急速に硬化するという性質を有するため、瞬間接着剤として広く各種産業界、医療分野レジャー分野、更には一般家庭において賞用されている。

0003

当該シアノアクリレート系接着剤は、硬質塩ビやABS等の被着材料に対しては優れた耐湿熱性を示すが、クロロプレンゴムやEPDMなどの合成ゴムあるいはベークライトの様に窒素含有化合物硫黄含有化合物を含有する材料の接着における耐湿熱性は悪い。

0004

シアノアクリレート系接着剤が、クロロプレンゴムやEPDM等の合成ゴムおよびベークライト等の接着における耐湿熱性が悪い理由としては、湿度や熱がこれら材料からの窒素含有化合物や硫黄含有化合物のブリードを促進して接着界面蓄積させ、接着強度を低下させることと、ブリード物シアノアクリレートポリマーの分解を促進することが考えられる。

0005

またシアノアクリレート系接着剤は、接着後接着部材外部応力内部応力が掛かると、接着強度が低下する。この原因は、以下のように考えられる。

0006

即ち、シアノアクリレート系接着剤の硬化物は硬くて、柔軟性がないため、外部応力および内部応力の緩和作用に乏しい。そのため、応力が接着層および接着界面に及ぼす影響が大きく、その結果接着剤層破壊や接着面との剥がれが起こり、接着強度が低下するものと考えられる。

0007

産業界では耐久性が要求される箇所の接着には、ウレタン系接着剤エポキシ系接着剤アクリル系接着剤等が、また柔軟性が要求される箇所の接着には、感圧接着剤ホットメルト接着剤等が用いられている。

0008

しかし、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤等は、「二液混合作業、あるいは被着材表面の事前プライマー処理が必要なため作業性が悪い」、「接着速度が遅いため生産性が悪い」、また感圧接着剤やホットメルト接着剤は「耐久性が悪い」等の問題があり、産業界からは耐久性、柔軟性に優れ、かつ作業性、生産性の向上ができる接着剤の開発が強く望まれている。

0009

1液瞬間接着性を特徴とするシアノアクリレート系接着剤は、前記の作業性および生産性の向上を解決できる接着剤ではあるが、既に説明したように耐久性および柔軟性(応力緩和作用及び風合い)に乏しく、またシアノアクリレートは刺激臭が強く、接着作業環境に問題を残している。

0010

一方、シアノアクリレート系接着剤に可撓性を付与する目的で、フタル酸エステルセバシン酸エステル、特開昭63−284279に記載されている飽和共重合ポリエステルを配合する公知技術がある。しかしながら、これら柔軟化材料は、シアノアクリレートポリマー中で分散して存在するだけであるため、耐湿熱性に関しては逆効果になる。

0011

また、他に可撓性を付与する目的で特開昭58−185666に記載されているC1〜C4のアルキル(メタ)アクリレート、或いはC1〜C4のアルコキシアルキル(メタ)アクリレートを配合する公知技術がある。これら(メタ)アクリレートはシアノアクリレートポリマー中で分散して存在するだけでなく、高温加熱により、ラジカル重合して耐久性を向上させる可能性を有している。

0012

しかしながら、窒素含有化合物や硫黄含有化合物を含むクロロプレンゴムの接着においては、特開昭58−185666に記載されているC1〜C4のアルキル(メタ)アクリレート、或いはC1〜C4のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート配合組成物でも、本発明の目的の一つである耐湿熱性を満足させることはできないのである。

0013

以上の様な背景から、難接着材料といわれている窒素含有化合物や硫黄含有化合物等を含有する材料、例えばクロロプレンゴム、EPDM等の合成ゴムおよびベークライト等に対しても優れた耐湿熱性を有する柔軟で刺激臭の改善された瞬間接着剤の開発が強く望まれている。

発明が解決しようとする課題

0014

本発明は、特に窒素含有化合物や硫黄含有化合物を含有する被着材料、例えばクロロプレンゴム、EPDM等の合成ゴムおよびベークライト等に対しても優れた接着耐湿熱性を有し、かつ外部応力や内部応力を緩和し風合いもよくする柔軟性を有し、更に刺激臭も改善されたシアノアクリレート系瞬間接着剤を提供しようとするものである。

課題を解決するための手段

0015

本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、特定の2−シアノアクリレートに特定の多官能性化合物を添加することにより得られる組成物が、優れた耐湿熱性および柔軟性(応力緩和作用及び風合い)を発現する接着剤組成物となることを見いだし、本発明を完成するに至った。

0016

即ち、本発明は、アルコキシアルキル2−シアノアクリレートとアクリロイル基またはメタクリロイル基分子内に3個以上有する多官能性化合物(但しアルコール残基中にジペンタエリスリトール残基を有するエステルは除く)からなることを特徴とするシアノアクリレート系接着剤組成物に関するものである。

0017

以下に、本発明の接着剤組成物について説明する。本発明組成物のアルコキシアルキル2−シアノアクリレートにおけるアルコキシ基には、アルコキシ基が付加したアルコキシアルコキシ基さらにはその基にさらにアルコキシ基が付加した基等が包含され、それらの具体例としては次のようなものが挙げられる。

0018

すなわち、本発明に用いられるアルコキシアルキル2−シアノアクリレートの具体例として、2−シアノアクリル酸のメトキシエチルエトキシエチルプロポキシエチルイソプロポキシエチルブトキシエチル、ヘキシロキシエチル、2−エチルヘキシロキシエチル、ブトキシエトキシエチル、ヘキシロキシエトキシエチル、2−エチルヘキシロキシエトキシエチル、メトキシプロピルメトキシプロポキシプロピル、メトキシプロポキシプロポキシプロピル、エトキシプロピル、エトキシプロポキシプロピル等のエステルが挙げられるが、本発明はこれらに限られるものではない。

0019

本発明に用いられる好ましいアルコキシアルキル2−シアノアクリレートは、メトキシエチル2−シアノアクリレート、およびエトキシエチル2−シアノアクリレートである。

0020

又、本発明において上記アルコキシアルキル2−シアノアクリレートの一部、使用量の半分程度迄で、本発明の目的が損なわれない範囲で、従来広く用いられている一般的なアルキル或いはアルケニルシアノアクリレートで置換することができ、それらの具体例としては次のようなものが挙げられる。

0021

すなわち、2−シアノアクリル酸のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルn−ブチルイソブチルペンチル、アリル等のエステルである。

0022

これらの内、好ましい2−シアノアクリレートは、エチル、イソプロピル、イソブチルのエステルである。

0023

本発明に用いられるアクリロイル基またはメタクリロイル基(以下両者を合わせて(メタ)アクリロイル基といいそれに基づくエステルを(メタ)アクリレートという)を分子内に3個以上有する多官能性化合物の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、およびペンタエリスリトール変性ポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。

0024

本発明に用いられる多官能性化合物の配合量は、両者の合計量を基準にして、多官能性化合物が好ましくは5〜50重量%、更に好ましくは10重量%〜40重量%である。多官能性化合物の配合量が、5重量%より少ないと十分な耐久性と柔軟性がえられず、一方50重量%を越えると硬化不良および接着強さの低下を引き起こすようになる。

0025

シアノアクリレート系接着剤には、常法に従い所望成分として下記に示す安定剤、重合促進剤増粘剤、その他の添加剤が適宜配合されていてもよい。
[安定剤]貯蔵安定性向上のための重合抑制剤としては、例えばハイドロキノン亜硫酸ガス等が添加される。
[重合促進剤や開始剤]接着速度を速めるためには、アニオン重合促進剤として、ポリアルキレンオキサイドおよびその誘導体クラウンエーテルおよびその誘導体、シラクラウンエーテルおよびその誘導体、カリサレン誘導体など、またラジカル開始剤としてハイドロパーオキサイドパーオキシエステルケトンパーオキサイドパーオキシケタールジアルキルパーオキサイドジアシルパーオキサイドパーオキシジカーボネート等の有機過酸化物が添加される。
[増粘剤]2−シアノアクリレートは、本来無色透明の低粘度液状のものであるが、これに増粘剤として、例えば、各種(メタ)アクリレートのホモポリマー或いはコポリマーアクリルゴムセルロース誘導体シリカなどを溶解或いは分散して粘稠液或いはチクソ性を有する液とすることもできる。
[その他添加剤]その他染料および顔料可塑剤希釈剤等を配合することもできる。

0026

以下、実施例及び比較例により更に詳しく本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでない。
実施例1〜6、比較例1〜8
表1に示される組成の接着剤を常法により調製した。

0027

0028

上記の組成の接着剤の特性を以下の手順で測定しその結果を表2に記載し本発明組成物の評価を行った。
〇硬化物の硬度と刺激臭
刺激臭に関しては、人の臭覚で比較例と比較して、良好な場合に○印とした。また、硬度はショア硬度計Dタイプで評価した。

0029

〇クロロプレンゴムの接着における耐湿熱性
テストピースの準備]
JISK6850に準じた3mm(厚さ)×25mm(幅)×100mm(長さ)サイズのクロロプレンゴムを準備する。
[テストピースの接着]
ラップ幅12.5mmで接着し、セットする迄、指で圧締する。
更に500gの荷重掛け、24時間接養生する。
環境試験
〜の手順で接着したテストピースを70℃×95%RHの恒温恒湿環境下に72時間暴露する。
接着強度測定
〜の手順で接着したテストピースを、室温下でJISK6850に準じて引張り剪断接着強さを測定した(初期強度)。尚、表中*印は基材が破壊したことを示す。
で環境試験に暴露したテストピースを室温に戻して、室温下でJISK6850に準じて引張り剪断接着強さを測定した(耐湿熱性試験後の強度)。

0030

表2から明らかなように、本発明組成物は、ショア硬度Dで約15以下という柔軟性を示すとともに、クロロプレンゴムの接着において、耐湿熱性試験後も、4(kgf/cm2)以上の高い接着強度を示し、耐湿熱性に優れていることが判る。

0031

一方、比較例に示した組成物は、柔軟性が無い、耐湿熱性に劣る、刺激臭が大きい等本発明組成物に比較して劣るものであり、比較例に対して本発明組成物が優れたものであることが判る。

0032

発明の効果

0033

本発明のシアノアクリレート系接着剤組成物は、優れた耐湿熱性と柔軟性を有するとともに、刺激臭が低減化されたものであり、このような特性を有する瞬間接着剤は従来のものより更に多くの用途において幅広く利用され、各種産業界、医療分野、レジャー分野、さらには一般家庭や学童文具材料において幅広く利用される非常に有用なものである。

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