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技術 強磁場シールド付きSQUIDセンサーとこれを利用したSQUIDシステム

出願人 西垣和高圧ガス工業株式会社
発明者 西垣和杉岡孝雄井上勝大谷光平佐藤学
出願日 1992年10月1日 (27年8ヶ月経過) 出願番号 1992-289276
公開日 1994年4月28日 (26年2ヶ月経過) 公開番号 1994-118151
状態 拒絶査定
技術分野 磁気的変量の測定 超電導ディバイスとその製造方法 超電導用冷却・容器・薄膜 電場又は磁場に対する装置又は部品の遮蔽
主要キーワード 多重積層体 設定強度 磁気外乱 磁気検出コイル 磁気的測定 移動制御機構 静磁界強度 磁束検出素子
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図面 (9)

構成

SQUID素子を収容した容器が、超電導体薄層常電導金属層との多重積層体による円筒体中空部に収容され、SQUID素子と検出コイルとを接続する線状の磁束トランスフォーマが超電導体チューブ挿通されて、SQUID素子容器が検出コイルとともに、液体ヘリウム浴中で、かつ超電導マグネット中空部京磁界に配置されて、SQUID測定システムを構成する。

効果

超電導体の積層体の中空部に収容されたSQUID素子は、マグネット中空部に配置されても完全磁界になり、強力な外部磁場による測定誤差を除去でき、従って検出コイルにより強力な静磁場中での被測定物の発する微弱変動磁界検出測定に有効である。

概要

背景

微弱な磁場を検出測定する装置として、超電導量子干渉磁束計(以下、SQUIDと称する)が知られかつ実用に供されている。SQUIDは、まず、超電導リングの接続された1又は2のジョセフソン素子で形成され、超電導リングに電磁結合された入力コイル磁気検出コイルと超電導リングに結合された出力コイルを備えて超電導量子干渉磁束検出素子部(以下SQUID素子部と称する。)を構成している。

SQUIDセンサーは、このSQUID素子部の入力コイルが磁気検出コイルと磁束トランスフォーマにより接続されて閉ループが構成されたものである。また、SQUID素子部の超電導リングに結合された出力コイルは、SQUID素子部からの出力信号磁束密度に変換する制御部に接続されて、SQUIDセンサーと制御部をもってSQUIDを成している。

SQUIDは、検出コイルにおける磁場で、10-14 Tもの極めて微弱な磁場を測定できるので、試料磁気測定地球磁場測定、磁気資源探査生体磁気計測等に利用されてきた。

SQUIDはこのような微弱磁場の磁気測定に適しているが、他方、SQUID素子部には超電導体によるジョセフソン回路を含むので、地磁気都市磁場など外部磁場が作用すると大きな誤差雑音を生じる。そこで従来は、SQUID素子部を金属NbやNb−Ti合金などの超電導体容器内に収容保持して、地磁気や都市磁場を遮蔽するようにしたSQUIDが利用されていた。

本出願人は既に、超電導体を利用した磁気遮蔽体について、超電導体薄層と常電導金属薄層とを多層積重ね積層体とすることにより、磁気遮蔽能力を著しく改善した磁気遮蔽体を提案した(特開昭63−233577号、特開平1−295498号)。また、このような積層体が捲回された円筒状の捲積体や、円環板を多数重積して形成した円筒体も提案した。いずれも、外部磁場に対して筒体中空部が形成する磁界を利用するものである。

概要

SQUID素子を収容した容器が、超電導体薄層と常電導金属層との多重積層体による円筒体の中空部に収容され、SQUID素子と検出コイルとを接続する線状の磁束トランスフォーマが超電導体チューブ挿通されて、SQUID素子容器が検出コイルとともに、液体ヘリウム浴中で、かつ超電導マグネット中空部京磁界に配置されて、SQUID測定システムを構成する。

超電導体の積層体の中空部に収容されたSQUID素子は、マグネット中空部に配置されても完全零磁界になり、強力な外部磁場による測定誤差を除去でき、従って検出コイルにより強力な静磁場中での被測定物の発する微弱な変動磁界の検出測定に有効である。

目的

効果

実績

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請求項1

磁場検出コイルと、SQUID素子部と、当該磁場検出コイル及び当該SQUID素子部を接続する磁束トランスフォーマと、から成るSQUIDセンサーにおいて、SQUID素子部もしくは当該素子部を収容した容器と当該磁束トランスフォーマとが超電導体層常電導体層との積層体から成る中空磁気遮蔽体中空部内装され、且つ当該磁場検出コイルが当該磁気遮蔽体の開口部より先方に突出して配置されて、成り、上記SQUIDセンサーが、超電導マグネットの形成する強磁場中に配置されて、当該強磁場中に配置された被測定物の発する微弱変動磁場検出測定するようにした強磁場シールド付きSQUIDセンサー。

請求項2

上記磁気遮蔽体の積層体が、帯状の超電導体層と常電導金属層とを捲回した捲積体、又は、環板状若しくは筒状の超電導体層と常電導体層とを共軸状に多層に積層した積層体である請求項1記載のSQUIDセンサー。

請求項3

上記磁気遮蔽体は、積層体の超電導体層と常電導金属層との層間若しくは常電導金属層と常電導金属との層間に、当該常電導金属層より電気抵抗率の大きい抵抗体層若しくは絶縁層が介在されて成る請求項1記載のSQUIDセンサー。

請求項4

請求項1乃至3記載のSQUIDセンサーの一部若しくは全部が中空状超電導マグネットのボア部に固定的に若しくは位置制御可能に挿入されて、被測定物を配置する測定室が当該ボア部内に設けられ、当該検出コイルが検出した当該ボア部における当該強磁場中の被測定物の発する微少変動磁場をSQUIDセンサーに接続された制御部により測定するようにしたSQUIDシステム

請求項5

当該超電導マグネットのボア部内側に、当該ボア部内側の磁界より最大磁界遮蔽量の小さい筒状の超電導磁場安定体が同軸状に配置されて、当該磁場安定体が、当該超電導マグネットの形成する磁場の一部若しくは大部を透過させて、当該ボア部内で且つ磁場安定体の中空部内に配置された被測定物における磁界を一定強度に保持安定させるように配置された請求項4記載のSQUIDシステム。

請求項6

上記超電導磁場安定体が、帯状の超電導体層と常電導金属層とを捲回した捲積体、又は、環板状若しくは筒状の超電導体層と常電導体層とを共軸状に多層に積層した積層体である請求項5記載のSQUIDシステム。

技術分野

0001

本発明は、強磁場中での微少交播磁界強度を測定するための磁気遮蔽を施したSQUIDセンサーとSQUIDシステムに関する。

背景技術

0002

微弱な磁場を検出測定する装置として、超電導量子干渉磁束計(以下、SQUIDと称する)が知られかつ実用に供されている。SQUIDは、まず、超電導リングの接続された1又は2のジョセフソン素子で形成され、超電導リングに電磁結合された入力コイル磁気検出コイルと超電導リングに結合された出力コイルを備えて超電導量子干渉磁束検出素子部(以下SQUID素子部と称する。)を構成している。

0003

SQUIDセンサーは、このSQUID素子部の入力コイルが磁気検出コイルと磁束トランスフォーマにより接続されて閉ループが構成されたものである。また、SQUID素子部の超電導リングに結合された出力コイルは、SQUID素子部からの出力信号磁束密度に変換する制御部に接続されて、SQUIDセンサーと制御部をもってSQUIDを成している。

0004

SQUIDは、検出コイルにおける磁場で、10-14 Tもの極めて微弱な磁場を測定できるので、試料磁気測定地球磁場測定、磁気資源探査生体磁気計測等に利用されてきた。

0005

SQUIDはこのような微弱磁場の磁気測定に適しているが、他方、SQUID素子部には超電導体によるジョセフソン回路を含むので、地磁気都市磁場など外部磁場が作用すると大きな誤差雑音を生じる。そこで従来は、SQUID素子部を金属NbやNb−Ti合金などの超電導体容器内に収容保持して、地磁気や都市磁場を遮蔽するようにしたSQUIDが利用されていた。

0006

本出願人は既に、超電導体を利用した磁気遮蔽体について、超電導体薄層と常電導金属薄層とを多層積重ね積層体とすることにより、磁気遮蔽能力を著しく改善した磁気遮蔽体を提案した(特開昭63−233577号、特開平1−295498号)。また、このような積層体が捲回された円筒状の捲積体や、円環板を多数重積して形成した円筒体も提案した。いずれも、外部磁場に対して筒体中空部が形成する磁界を利用するものである。

発明が解決しようとする課題

0007

近年、静的な強磁場による人や動物の脳や心臓などの生体反応を、生体が発生する微弱磁場をSQUIDで検出測定して、調査する試みがなされ、この場合、被測定物超電導マグネットの中空部など強磁界中に置いて、検出コイルをこの被測定物に近接させて配置する必要があり、そこでSQUID素子部を強磁場から保護する必要がある。

0008

上記従来のSQUID素子部を収容する磁気遮蔽体は金属NbやNb−Ti合金の単体により成形されたものであるため、この磁気遮蔽体は液体ヘリウム温度で臨界遮蔽磁場が数千G程度に過ぎず、臨界遮蔽磁場以上のマグネットの磁場が印加されると、磁場は磁気遮蔽体を透過して、SQUID素子部の超電導リングやジョセフソン素子に超電導電流誘起させ、大きな測定誤差を生じる。また超電導マグネットの発生する1〜10Tの極めて強力な磁界中での磁場測定にあっては、磁気遮蔽体の透過磁場が強大であるので、素子部の超電導リングも常電導体転移させて、素子の機能を失う。

0009

そこで、超電導マグネットによる強磁場の影響を避けるために、SQUID素子部を強磁場外に離す必要があるが、この様な場合、検出コイルとSQUID素子部との距離が大きくなって、磁束トランスフォーマが長くなり、磁束トランスフォーマが振動し易く、振動に伴って透過磁場による磁束トランスフォーマに誘導電圧が発生して測定誤差が生じ易くなる。

0010

また、SQUID素子部を超電導マグネットから離して、上記磁気遮蔽容器が十分遮蔽できる弱磁場中で、超低温に保持するとすれば、SQUID素子部を個別に冷却する液体ヘリウム槽を設けるか、又は、超電導マグネットの冷却槽を大型化して、SQUID素子部を収容する必要があり、いずれも装置の断熱低温容器を大型化する必要があった。

0011

さらに、被測定物に静磁場を印加する超電導マグネットは、通常は永久電流モードで使用されるが、外部直流電源からマグネットのコイル切り離して閉回路を形成するための永久電流スイッチ部には僅かであるが電気抵抗があって、永久電流は経時的に低減するので、印加静磁場も変化する。測定中の静磁場の変化は、被測定物の磁気反応に影響を及ぼし、さらにSQUIDセンサーの検出コイルは誤差として検出する。そこで、超電導マグネットが形成する静磁場を安定化する必要があった。

0012

磁場安定化に関しては、本出願人は、筒状の超電導体の常電導領域との混合状態を利用した磁場安定器を提案している(特開平2−267904号)。

0013

本発明は、以上のような諸問題に鑑み、SQUID素子部及び磁束トランスフォーマを磁気的に遮蔽する超電導磁気遮蔽体の最大遮蔽磁界を高めることにより、超電導マグネットの形成する静磁界強度を大きくして被測定物への印加磁場強化し、その磁気的測定を可能にすると共に、SQUIDセンサー及びその磁気遮蔽体の形状を極力小さくして磁気外乱の影響を防止し、超電導マグネットの形成する強磁場の安定度を高めて、SQUIDシステム全体としての測定精度を高くすることを目的としてなされたものである。

課題を解決するための手段

0014

本発明のSQUIDセンサーは、磁場検出コイルと、SQUID素子部と、当該磁場検出コイル及び当該SQUID素子部を接続する磁束トランスフォーマと、から成るSQUIDセンサーであるが、SQUID素子部もしくは当該素子部を収容した容器と当該磁束トランスフォーマとが、超電導体層と常電導体層との積層体から成る中空状磁気遮蔽体の中空部に内装されて構成されたことを特徴としている。そして、上記SQUIDセンサーが、超電導マグネットの形成する強磁場中に配置されて、当該強磁場中に配置された被測定物の発する微弱変動磁場を検出測定するようにした強磁場シールド付きSQUIDセンサーである。

0015

磁束トランスフォーマの当該中空状磁気遮蔽体は通常管状化され、その管端は上記SQUID素子部の磁気遮蔽体の開口部に突出されて一体に接合されるか、又は別体に当該開口部内に挿通して固定される。特に、短い管状の磁気遮蔽体がSQUID素子部の磁気遮蔽体と一体化されて、磁束トランスフォーマを極力短縮したものが、磁束トランスフォーマの固定の容易さと振動防止のために良い。

0016

本発明はまた、このSQUIDセンサーの一部又は全部が強磁場を発生させる中空状超電導マグネットのボア部に固定的に若しくは位置制御可能に挿入されて、被測定物を配置する測定室が当該ボア部内に設けられ、当該検出コイルが検出した当該ボア部における当該強磁場中の被測定物の発する微弱変動磁場をSQUIDセンサーに接続された制御部により測定するようにしたSQUIDシステムを包含する。

0017

さらにこのシステムは、超電導マグネットのボア部内側に、当該ボア部内側の磁界より最大磁界遮蔽量の小さい筒状の超電導磁場安定体が同軸状に配置されており、当該磁場安定体が、当該超電導マグネットの形成する磁場の一部若しくは大部を透過させて、当該ボア部内で且つ磁場安定体の中空部内に配置された被測定物における磁界を一定強度に維持安定させるように配置されたものがよい。

0018

SQUID素子部が挿通された磁気遮蔽体の基本構成図1及び図2に示すが、SQUID素子部は、収容容器30内に収蔵され、当該容器30は、円筒状の超電導磁気遮蔽体4の中空部に収容固定されている。そこで外部磁場は、超電導磁気遮蔽体4で遮蔽されるので、SQUID素子部に外部磁場は作用しない。

0019

図1の磁気遮蔽体4は、超電導体の薄層の円環板41と、常電導性金属の薄層の円環板42とを、交互に積層して、円筒状に成形したものであり、このような積層体は、積層面に垂直な方向、即ち中空部中心軸に平行な方向の磁力線9に対して、優れた磁気遮蔽能力を示し、その中空部内は、ほぼ完全零磁場が得られる。

0020

SQUID素子部(不図示)を収容した容器30は磁気遮蔽体4の中空部に内装され、超電導性磁束トランスフォーマ2は超電導体の管20から成る超電導磁気遮蔽体4aに充填材24を介在させて挿通されているから、SQUID素子部容器30と磁束トランスフォーマ2とは、外部磁場から完全に遮断される。

0021

図2(A)には、超電導体薄層41と常電導金属層42との積層体の積層面が筒体の中心軸と平行な磁気遮蔽体を示しているが、このような積層体は同図(C)のように管状の薄層41、42を同心円状に多層に重ねたものや、同図(D)のように薄層41、42の帯体を筒状に捲積したものが利用される。

0022

このような同軸状又は捲積状の磁気遮蔽体4は筒体中心軸に垂直方向の磁力線に対して顕著な磁気遮蔽効果を示し、特に図2(C)の同軸状積層体は、筒体中心軸方向に平行な磁力線に対しても磁気遮蔽効果がある。

0023

図2(A)の磁束トランスフォーマ用の磁気遮蔽体4aも同様に、図2(C)又は(D)の同軸状又は捲積状の積層体を利用する。

0024

超電導体には、ヘリウム温度下では、Nb−Ti合金、NbN−TiN系混晶体、Nb3 SnやNb−Sn化合物、Bi−Pb合金等が利用できる。超電導体層間に介在された常電導性の金属層は、磁束流動に伴う発熱伝導して冷却し、超伝導体が常電導体化するフラックスジャンプの発生を防止して、超電導体を安定化させ、最大磁気遮蔽量を高くする。常電導性の金属層には、Al、Cu又はオーステナイト系ステンレス鋼等が利用できる。

0025

超電導磁気遮蔽体は、可能なかぎり、薄い超電導体薄層を利用して層数を多くするのが、最大磁気遮蔽量を高めるのに好ましい。そうすれば、超電導マグネットの中空部(ボア部)の1〜10T程度の強磁場に磁気遮蔽体を配置することができ、SQUID素子部は、強力な外部磁場から遮断される。

0026

抵抗体層又は絶縁体層は、各超電導体層を超電導的にも常電導的にも電気的に遮断されて孤立化し、一の超電導体層に発生した遮蔽電流揺らぎは、他の超電導体層にほとんど影響を与えず、従って磁気遮蔽体全体として安定化させる。このような抵抗体としては、常電導金属がCuやAlであるときは、Cu−Ni合金が使用でき、絶縁体としては例えばAlNの薄体が、いずれも熱伝導度の大きいことから好ましく使用される。絶縁体としては、他に合成樹脂フィルム接着剤硬化層が利用できる。

0027

超電導体の薄層の積層体の中空体に開口部があっても、開口部近傍の超電導体の薄層が開口部周りの閉回路を形成する場合には、外部磁場は開口部内に浸透しない。そこで、磁気遮蔽体にその中空部を閉止せずに開口部を設けることによって、中空部内を浸漬液体の環流孔として利用して、冷却媒体の液体ヘリウムを流通させ、内部のSQUID素子部及び磁束トランスフォーマを液体ヘリウム温度に効果的に維持することができる。

0028

本発明のSQUIDシステムは、このように強磁場シールド付きのSQUIDセンサーが、超電導マグネットのボア部に配置され、SQUIDセンサーのSQUID素子部と磁束トランスフォーマとは超電導マグネットの磁場から遮蔽されているので、ボア部内に配置された被測定物に近接させることにより、強磁場との相互作用により被測定物の発生する微弱な変動磁場を検出しその出力をSQUIDの制御部で測定することができる。

0029

筒状の超電導磁場安定体は、上記の磁気遮蔽体とは異なり、その最大磁界遮蔽量を超電導マグネットのボア部内側の強磁界よりも小さく設計された超電導積層体が利用され、超電導マグネットの形成する磁場の大部分を浸透して、その中空部の被測定物に印加する。この状態で、超電導マグネットの励磁電流の僅かな低減によって強磁界が変動しても、磁場安定体の中空部内の磁界は一定で変化しない。

0030

超電導磁場安定体の作用を図3によって説明する。同図(A)のように、超電導磁場安定体79と超電導コイル7との間の空間の磁界を外部磁界Hoとし、超電導磁場安定体79の中空部内の磁界を内部磁界Hiとして、表す。

0031

同図(B)に、超電導磁場安定体の内部磁界Hiに及ぼす外部磁界Hoの効果を示すと、超電導コイル7の励磁により増加する外部磁界Hoが、その超電導磁場安定体79の最大遮蔽磁気量Hcを超えるまでは、超電導体筒体の磁気遮蔽効果により、内部磁界Hiは零であるが、最大遮蔽磁気量Hcを超えて外部磁界Hoを増加させると、外部磁場の一部が超電導体筒体の内側に浸透して、図中曲線ABに従って内部磁界Hiは増加する。

0032

外部磁界HoをHob1 に達した後に低減したときには、内部磁界Hiは外部磁界Hob1 で定まるHibでほぼ一定となり、外部磁界HoがHob1 とHob2 との範囲で変動しても内部磁界Hibは直線BCの範囲でほとんど変動しない。また、システム外環境磁場、地磁気や都市浮遊磁場の変動に対しても磁場安定体の中空部内の磁界はほとんど変化しない。従って、検出コイルは、超電導マグネットの発生磁場や環境磁場の変動を感応しない。

0033

図7は、SQUIDシステムの概要図であるが、真空断熱容器8の内部に、液体ヘリウム浴6に浸漬された超電導マグネット7が、そのボア部(中空部)70の中心軸を垂直にして固定されており、その中空部70には当該真空断熱容器8の底部82より上方に突出した湾出部5が設けられ、湾出部5をもって、常圧常温中の測定室5とされている。

0034

超電導マグネット7の中空部70上方には、真空断熱容器8の上蓋部に固定されたフランジ部81より垂下されたSQUID素子部容器30と、その容器30の下部に接続された磁場検出コイル1とが設けられ、当該磁場検出コイル1は、測定室5の真上に配置されている。

0035

図4は、磁気遮蔽したSQUIDセンサの磁気遮蔽体の断面図を示す。磁気遮蔽体4は、超電導薄層には厚み20μm以下のNb−Ti合金箔を、また、常電導金属層にはCu箔を、それぞれ円環状に切出して、交互に多数積層した筒体である。

0036

他の磁気遮蔽体としては、厚み60μm程度のAl基板に、Nb−Ti0.4μmとCu0.8μmとを交互にスパッタリングにより全層50層蒸着してのち円環板状に打抜いて単位積層板とする。次いでこの単位積層板を絶縁体層である合成樹脂フィルムを介して所望数積層して、円筒体に成形する。

0037

このような円筒体は、上面及び下面をフランジ53、52によりボルト54で締め付け挟着して、磁気遮蔽体4とする。

0038

SQUID素子部(不図示)を収容した容器30は、支持管32に接続されて、吊設管56の内部から挿入されて、磁気遮蔽体4の中空部40の中間位置に固定され、その検出コイル1はコイル保持管20に接続されて、磁気遮蔽体4の開口部より外側へ突出されている。

0039

コイル保持管20には、磁気検出コイル1とSQUID素子部3(不図示)とを接続する磁束トランスフォーマ2が挿通されているが、コイル保持管20自体を、例えば図2(C)に示したような同軸状の超電導体の積層管で形成されて磁気遮蔽体を兼ねている。

0040

他の実施例として、図5にコイル保持管20の詳細を示すが、Nb−Ti合金線で形成された磁束トランスフォーマ2が絶縁被覆されて、Nb−Ti合金線の検出コイル1と接続され、コイル用非磁性ボビン10を先端に取着した非磁性のコイル保持管20に挿通されている。

0041

コイル保持管20には、管状の超電導磁気遮蔽体4aが挿通固定されて、磁束トランスフォーマ2は、縒線にして磁気遮蔽体4a内に挿通されて、磁気遮蔽されている。

0042

SQUID素子部3(不図示)からのリード線は、図7のSQUID装置において、吊設管56の上端から取り出されて制御部34及び解析装置35に接続されている。

0043

図6には、他の実施例に係る磁気シールド付SQUIDセンサーの断面を示している。コイル保持管20は、SQUID素子部収容用の容器30を磁気遮蔽する上記積層構造の磁気遮蔽体4と一体に形成されて、その先側が縮径されて、磁気遮蔽体4aとし、その先端には検出コイル用非磁性ボビン10が固定されている。

0044

図7のSQUID装置には、超電導マグネット7の内側に、かつ測定室5を内包して、中空状の超電導磁場安定体79が固定され、当該磁場安定体79の上蓋部には、SQUID素子部からのコイル保持管20を貫通する開口部が設けられ、検出コイル1が当該磁場安定体79の内側に配置されている。

0045

磁場安定体79は、Nb−Ti合金など第2種超電導体の単体で形成するか、又はこれら超電導体薄層とCu薄層との積層体で形成する。この場合には、その最大遮蔽磁界が超電導マグネットの発生磁界より小さくしておき、測定室5における使用励磁磁界が形成される。

0046

SQUIDシステムの使用に際しては、図7の配置において、被測定物を測定室5に定置し、外部電線75より超電導マグネットを作動させて、測定室5内の磁界強度設定強度になるまで励磁する。設定磁界強度に達すると、超電導マグネットの励磁電流を減じて、または遮断して、当接磁場安定体79を永久磁石化して、測定室5内の磁界を一定に保持し、SQUID素子部による被測定物の発する微少な変動磁場を測定する。

0047

図8は、横型SQUIDシステムの断面図であるが、真空断熱容器8は中空部が両端に開口する円筒状であって、中空部70を以て水平な測定室とし、当該真空断熱容器8内には、超電導マグネット7とそのボア部内を貫通するように筒状磁気安定体79が同軸状に配置され、当該容器8内に液体ヘリウム6が充填してある。

0048

他方、本発明の強磁場シールド付きSQUIDセンサーは、専用の管状の真空断熱容器88の先端部内に収容固定されて液体ヘリウム6で冷却されており、移動制御機構(不図示)により、真空断熱容器88を上下前後左右の微量移動調整可能としてあり、SQUIDセンサーの先端の検出コイル1を正確に位置づけることができる。この装置では、超電導マグネット7の外回りに円筒状の超電導磁気遮蔽体77が固定されて、磁気の外部漏洩を防いでいる。

発明の効果

0049

SQUID素子部及び磁束トランスフォーマがいずれも、超電導体薄層と常電導金属層との積層体より成る中空状磁気遮蔽体によって、覆われているから、極めて強力な磁界中にあっても、完全に磁気遮蔽されるので、SQUID素子部の外乱磁場を除去して、検出コイルが検出する微弱な変動磁場を検出測定することができる。

0050

従って、本発明の磁気遮蔽機能付きのSQUID素子部は、超電導マグネット中空部の形成する1〜5Tもの強力な磁場中に定置して利用できるから、検出コイルとSQUID素子部間の距離を最短に配置し得て、かつ、SQUID素子部冷却用ヘリウム浴を小容量にして、装置全体を小型コンパクトにすることができる。

0051

SQUID装置の超電導マグネットの中空部内に、中空状の磁気安定体が配置され、当該安定体の中空部を測定用励磁空間に利用するので、超電導マグネットの磁場の経時変化があっても、測定空間の磁界強度の変化は少ないので、精密な磁気測定に利用できる。

図面の簡単な説明

0052

図1SQUID素子部容器及び磁気遮蔽体の配置図(A)と、磁気遮蔽体の構成図(B,C)。
図2SQUID素子部容器及び磁気遮蔽体の配置図(A)と、磁気遮蔽体の断面図(B)及び斜視図(C,D)。
図3磁場安定体の概念図(A)と磁場安定体の内部磁場及ぼす外部磁場の影響を示す図(B)。
図4本発明の実施例に係るSQUID素子部を固定した磁気遮蔽体の断面図。
図5磁束トランスフォーマの保持管の断面図。
図6他の実施例に係る磁気シールド付きSQUIDセンサーの断面図。
図7SQUIDシステムの装置全体図。
図8他の実施例に係る横型SQUIDシステムの装置断面図。

--

0053

1磁場検出コイル
2磁束トランスフォーマ
20コイル保持管
30SQUID素子部容器
4超電導磁気遮蔽体
4a 超電導磁気遮蔽体
5測定室
6液体ヘリウム浴
7超電導マグネット
79 磁場安定体
8真空断熱容器
9 磁力線

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  • 東洋インキSCホールディングス株式会社の「 電磁波シールドシート、および電子部品搭載基板」が 公開されました。( 2020/04/09)

    【課題】クッション密着性が良好であり、電子部品の搭載により形成された段差部に確実に追従変形するとともに該段差部内において基板に形成されたグランドパターンとの接続が確実に行われ、高い接続信頼性によって長... 詳細

  • 株式会社熊平製作所の「 金属検出装置」が 公開されました。( 2020/04/09)

    【課題】金属物の検出精度を低下させることなく、送信コイルや検出コイルの振動による誤検出を抑制できるようにする。【解決手段】金属検出装置は、送信コイル10と検出コイル11の少なくとも一方の振動を検出し、... 詳細

  • 株式会社ジェイテクトの「 磁気測定装置及び磁気測定方法」が 公開されました。( 2020/04/09)

    【課題】回転角センサに対するロータの磁気的な対応関係を確認できる磁気測定装置及び磁気測定方法を提供する。【解決手段】測定部10は、基準構造部品120の周方向における磁気とロータ101の軸方向両端の周方... 詳細

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