図面 (/)
目的
構成
まず、電波発射手段3を複数搭載した飛翔体4を飛行移動体1からレーダ2に向けて射出する。射出された飛翔体4は、レーダ2の近傍において電波発射手段3を散布する。散布された電波発射手段3は、レーダ2からの電波を受信し、レーダ2にECM電波を発射する。従来の電波発射手段5は、飛行移動体1の近傍、すなわち、レーダ2から距離r1だけ離れた遠い位置に散布されていたが、本発明では、電波発射手段3が飛翔体4により運ばれて、レーダ2の近傍、すなわち、レーダ2から距離r2だけの近い位置に散布される。したがって、レーダ2に到着するECM電波の電力は、従来に比べ、(r1/r2)2 倍になり、大きな実効電力をレーダ2に対して供給可能となる。
概要
背景
従来の射出型ECM装置は、レーダからの電波を受信し、このレーダに対しECMを行う複数の小型な電波発射装置と、航空機等に装備され、これらの電波発射装置を航空機等から散布する散布装置とから成っている。
この射出型ECM装置の使用に際しては、散布装置が、保持していた電波発射装置を火薬等の起爆により放出し、放出された電波発射装置は航空機等の近傍に散布される。散布された電波発射装置は、落下しながら、レーダからの電波を受信し、このレーダに対しECMを行う。ECMには各種の手法があるが、この散布型の小電力電波発射装置では、例えば、同一周波数の電波を切れ目なくレーダに戻すことを行い、これによって、レーダ側では航空機等の飛行の識別ができなくなる。
概要
飛行移動体がレーダによって探知されないようにするための飛翔体射出型ECM装置に関し、探知レーダに対し、有効なECMを行うことを目的とする。
まず、電波発射手段3を複数搭載した飛翔体4を飛行移動体1からレーダ2に向けて射出する。射出された飛翔体4は、レーダ2の近傍において電波発射手段3を散布する。散布された電波発射手段3は、レーダ2からの電波を受信し、レーダ2にECM電波を発射する。従来の電波発射手段5は、飛行移動体1の近傍、すなわち、レーダ2から距離r1だけ離れた遠い位置に散布されていたが、本発明では、電波発射手段3が飛翔体4により運ばれて、レーダ2の近傍、すなわち、レーダ2から距離r2だけの近い位置に散布される。したがって、レーダ2に到着するECM電波の電力は、従来に比べ、(r1/r2)2 倍になり、大きな実効電力をレーダ2に対して供給可能となる。
目的
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、探知レーダに対し、有効なECMを行う飛翔体射出型ECM装置を提供することを目的とする。
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
技術分野
0001
本発明は、飛行移動体がレーダによって探知されないようにするための飛翔体射出型ECM装置に関し、特に航空機等の飛行移動体から射出され、航空機等の飛行状態を探知するレーダに対し電波妨害(以下、これを「ECM」という)を行なって飛行移動体がレーダによって探知されないようにする飛翔体射出型ECM装置に関する。
背景技術
0002
従来の射出型ECM装置は、レーダからの電波を受信し、このレーダに対しECMを行う複数の小型な電波発射装置と、航空機等に装備され、これらの電波発射装置を航空機等から散布する散布装置とから成っている。
0003
この射出型ECM装置の使用に際しては、散布装置が、保持していた電波発射装置を火薬等の起爆により放出し、放出された電波発射装置は航空機等の近傍に散布される。散布された電波発射装置は、落下しながら、レーダからの電波を受信し、このレーダに対しECMを行う。ECMには各種の手法があるが、この散布型の小電力電波発射装置では、例えば、同一周波数の電波を切れ目なくレーダに戻すことを行い、これによって、レーダ側では航空機等の飛行の識別ができなくなる。
発明が解決しようとする課題
0005
しかし、射出型ECM装置の電波発射装置は、重量、寸法等の物理的な制約、およびコスト上の制約から、小型簡便な装置とならざるを得ず、そのため、発射できるECM電波の電力も大幅に制限されたものとなっており、かつ、電波発射装置がレーダから離れた位置で散布されるので、レーダに届いたECM電波の電力は減少してしまい、必ずしも十分なECM効果を得ることができなかった。
0006
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、探知レーダに対し、有効なECMを行う飛翔体射出型ECM装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0008
電波発射手段3は、レーダ2からの電波を受信し、レーダ2にECM電波を発射するものである。また、飛翔体4は、電波発射手段3を複数搭載し、飛行移動体1から射出されて飛行し、レーダ2の近傍に電波発射手段3を散布するものである。
0010
以上の構成により、図1において、まず、電波発射手段3を複数搭載した飛翔体4を飛行移動体1からレーダ2に向けて射出する。射出された飛翔体4は、レーダ2の近傍において電波発射手段3を散布する。散布された電波発射手段3は、レーダ2からの電波を受信し、レーダ2にECM電波を発射する。
0011
従来の電波発射手段5は、飛行移動体1の近傍、すなわち、レーダ2から距離r1だけ離れた遠い位置に散布されていたが、本発明では、電波発射手段3が飛翔体4により運ばれて、レーダ2の近傍、すなわち、レーダ2から距離r2だけの近い位置に散布される。
0012
ところで、ECM理論によれば、レーダ2に到着する、電波発射手段3からのECM電波の電力は、両者の距離の2乗に反比例する。したがって、レーダ2に到着するECM電波の電力は、従来に比べ、(r1/r2)2 倍になり、大きな実効電力をレーダ2に対して供給可能となる。これにより、従来の小型で小電力の電波発射手段を用いても、有効なECMを行うことが可能となる。
0013
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図2は本発明の飛翔体射出型ECM装置を構成する飛翔体の構成図である。飛翔体10は、複数の電波発射装置11a〜11cを散布部12に搭載している。散布部12は電波発射装置11a〜11cを、例えば6発ずつ4組、合計24発保持し、後述の誘導制御部13からの指令に基づき同時に6発ずつ射出する。この射出は、保持装置(図示せず)を火薬で開放することにより行われる。電波発射装置11a〜11cの構成については、図3を参照して後述する。
0014
飛翔体10には他に、誘導制御部13、推進部14、および操舵部15が設けられる。誘導制御部13は、推進部14および操舵部15を制御して、飛翔体10をレーダに向けて誘導するとともに、散布部12を制御して、適切なタイミングで電波発射装置11a〜11cを散布する。
0015
図3は本発明の飛翔体射出型ECM装置を構成する電波発射装置の内部構成を示すブロック図である。電波発射装置11a〜11cはいずれも同一の構造をしているので、代表して電波発射装置11aの内部構成を示す。
0016
電波発射装置11aは、例えば、長さ20cm、太さ2.5cmの円柱状をなし、空中線部11aa、送受信部11ab、電源部11ac、および姿勢制御部11adを有している。空中線部11aaおよび送受信部11abは、レーダからの電波を受信し、このレーダに対しECM電波を送信するためのものであり、また、姿勢制御部11adは、電波発射装置11aの空中での姿勢を制御するためのものである。電源部11acは、上記各部に電流を供給する電源である。
0017
つぎに、以上のように構成される飛翔体射出型ECM装置の作動を説明する。まず、飛翔体10は、自身を搭載していた航空機等の飛行移動体から、脅威となるレーダに向けて発射される。この発射位置は、レーダから十分離れた位置から行われる。飛翔体10は、誘導制御部13で制御された推進部14および操舵部15によって、レーダに向けて飛行する。そして、レーダの近傍に至ると、誘導制御部13からの指令により、散布部12が電波発射装置11a〜11cをレーダの近傍に散布する。誘導制御部13からの上記指令は、ECM効果、レーダの数や配置、周波数使用数等を考慮して予め設定されたシーケンスに沿ってなされる。
0018
飛翔体10から散布された、例えば電波発射装置11aは、姿勢制御部11adからの姿勢制御を受けつつ降下する。この降下の間、空中線部11aaおよび送受信部11abはレーダからの電波を受信し、このレーダにECM電波を送信する。
0019
こうした電波発射装置のレーダ近傍への散布により、例えば、電波発射装置を、レーダからの距離が従来の1/10である位置に散布した場合、レーダに及ぼすECM電波の電力は、約100倍となり、大きなECM効果をもたらす。
0020
なお、飛翔体10は常に飛行移動体の前方を飛行し、これによって、飛翔体10から散布された電波発射装置が、飛行移動体よりもレーダに近い位置にあるようにする。こうすることにより、レーダが送信周波数を頻繁に変える対抗処置をとった場合でも、飛行移動体に対する探知を妨害できる。すなわち、従来のように、飛行移動体から散布された電波発射装置が、飛行移動体よりもレーダから遠い位置になってしまう場合、レーダにECM電波が届く前に、飛行移動体から反射波が戻ってしまい、その上、つぎにはレーダは異なった周波数で探知を行うため、電波発射装置が変更周波数に追従しても、常時、一歩遅れており、その結果、飛行移動体は探知されてしまうという可能性があった。ところが、本発明のように、電波発射装置が、飛行移動体よりもレーダに近い位置にあれば、先にECM電波がレーダに届くので、レーダが送信周波数を頻繁に変える処置をとっても、飛行移動体が探知されてしまうという危険性が回避できる。
0021
上記実施例では、飛翔体10が、誘導制御部13によってレーダに向けて誘導されるようにしているが、飛翔体を飛行移動体から発射するときにレーダに向けて狙いをつけて発射し、その後の誘導は行わないようにして、飛翔体の小型化、軽量化、低コスト化等を図ってもよい。
発明の効果
0022
以上説明したように本発明では、脅威となる探知レーダの近傍に、ECMを行う電波発射装置を散布するようにする。このため、小電力の電波発射装置であっても、探知レーダに対し、有効なECMを行うことが可能となり、飛行移動体の防御に寄与するところが大きい。
図面の簡単な説明
--
0024
1飛行移動体
2レーダ
3電波発射手段
4飛翔体
5 従来の電波発射手段