図面 (/)

技術 ピッチ系炭素繊維の製造方法

出願人 株式会社ペトカ
発明者 玉木敏夫
出願日 1992年9月22日 (27年6ヶ月経過) 出願番号 1992-252940
公開日 1994年4月19日 (25年11ヶ月経過) 公開番号 1994-108316
状態 未査定
技術分野 タール、ピッチの処理 無機繊維
主要キーワード 通常ピッチ 汎用炭素繊維 脱気孔 成形粒子 ピッチ調整 力学的性 酸素リッチ メルトスピニング法
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1994年4月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

目的

高強度、高弾性率で、熱伝導率及び電気伝導性が高く、摺動性が良い光学的等方性ピッチ系炭素繊維製造法を提供すること。

構成

(A)ピッチ酸素含有ガスを吹き込みながら熱処理して得られた軟化点230〜300℃の光学的等方性ピッチ100重量部に対し、(B)ナフタレンルイス酸触媒の存在下重合して得られた軟化点200〜270℃の光学的等方性ピッチ10〜50重量部を溶融混合したのち、紡糸,不融化,炭化し、光学的異方性成分を含む光学的等方性ピッチ系炭素繊維を製造する。

概要

背景

ピッチ系炭素繊維力学的性能は紡糸ピッチの性能に大きく左右され、光学的等方性ピッチからは強度及び弾性率の低い汎用(GP)炭素繊維が得られ、一方光学的異方性相を含むメソフェーズ液晶)ピッチからは強度及び弾性率の高い高性能(HP)炭素繊維が得られることが知られている。

しかし、メソフェーズピッチを用いて炭素繊維を製造する場合、メソフェーズピッチが紡糸の際、繊維軸方向に配列するため、炭化及び黒鉛化処理において、繊維表面に開裂入り易い。この問題を改善するため従来種々の検討がなされて来ている。そこで、特開昭62−170528号公報には、ピッチ調整工程に於いて、光学的異方性ピッチに光学的等方性ピッチを添加,混合することにより、その表面層が光学的等方性成分、及びその中心部が光学的異方性成分からなる二層構造をなし、炭素繊維の繊維表面に開裂を生じさせない方法が開示されている。

しかしながら、この方法においては、光学的等方性ピッチを、光学的異方性ピッチに単に溶融混合して紡糸用ピッチとするために、光学的異方性成分が均質に分散しにくく、その結果紡糸性が悪い上、充分に満足しうる上記二重構造活性炭素繊維が得られないという問題がある。

概要

高強度、高弾性率で、熱伝導率及び電気伝導性が高く、摺動性が良い光学的等方性ピッチ系炭素繊維の製造法を提供すること。

(A)ピッチに酸素含有ガスを吹き込みながら熱処理して得られた軟化点230〜300℃の光学的等方性ピッチ100重量部に対し、(B)ナフタレンルイス酸触媒の存在下重合して得られた軟化点200〜270℃の光学的等方性ピッチ10〜50重量部を溶融混合したのち、紡糸,不融化,炭化し、光学的異方性成分を含む光学的等方性ピッチ系炭素繊維を製造する。

目的

本発明は、このような事情のもとで、安価で豊富なピッチを原料とし、優れた紡糸性を有する上、かつ繊維物性の良い汎用炭素繊維を効率よく製造する方法を提供することを目的としてなされたものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

(A)ピッチ酸素含有ガスを吹き込みながら熱処理して得られた軟化点230〜300℃の実質上光学的等方性ピッチ100重量部に対し、(B)紡糸時の応力によって光学的異方性に転換する性質を有する軟化点200〜270℃の実質上光学的等方性ピッチ10〜50重量部を溶融混合し、次いでこの混合物を、紡糸することを特徴とする光学的異方性成分を含む光学的等方性ピッチ系炭素繊維の製造方法。

請求項2

(B)紡糸時の応力によって光学的異方性に転換する性質を有する軟化点200〜270℃の実質上光学的等方性ピッチが、ナフタレンルイス酸触媒の存在下に重合して得られたピッチである請求項1記載の光学的等方性ピッチ系炭素繊維の製造方法。

技術分野

0001

本発明は光学的異方性成分を含む光学的等方性ピッチ系炭素繊維の製造方法の改良に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、優れた紡糸性を有する上に、表層部が光学的等方性であり、内部に光学的異方性成分を含むため、摺動性又は導電性に優れた光学的等方性ピッチ系炭素繊維の製造法に関する。

背景技術

0002

ピッチ系炭素繊維の力学的性能は紡糸用ピッチの性能に大きく左右され、光学的等方性ピッチからは強度及び弾性率の低い汎用(GP)炭素繊維が得られ、一方光学的異方性相を含むメソフェーズ液晶)ピッチからは強度及び弾性率の高い高性能(HP)炭素繊維が得られることが知られている。

0003

しかし、メソフェーズピッチを用いて炭素繊維を製造する場合、メソフェーズピッチが紡糸の際、繊維軸方向に配列するため、炭化及び黒鉛化処理において、繊維表面に開裂入り易い。この問題を改善するため従来種々の検討がなされて来ている。そこで、特開昭62−170528号公報には、ピッチ調整工程に於いて、光学的異方性ピッチに光学的等方性ピッチを添加,混合することにより、その表面層が光学的等方性成分、及びその中心部が光学的異方性成分からなる二層構造をなし、炭素繊維の繊維表面に開裂を生じさせない方法が開示されている。

0004

しかしながら、この方法においては、光学的等方性ピッチを、光学的異方性ピッチに単に溶融混合して紡糸用ピッチとするために、光学的異方性成分が均質に分散しにくく、その結果紡糸性が悪い上、充分に満足しうる上記二重構造活性炭素繊維が得られないという問題がある。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、このような事情のもとで、安価で豊富なピッチを原料とし、優れた紡糸性を有する上、かつ繊維物性の良い汎用炭素繊維を効率よく製造する方法を提供することを目的としてなされたものである。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、光学的異方性化しにくい実質上光学的等方性ピッチと紡糸時に光学的異方性化する実質上光学的等方性ピッチとを所定の割合で混合したのち、この混合物を所定の温度で紡糸することにより、表層部が光学的等方性を示し、内部が光学的異方性を示す二重構造の炭素繊維が得られることを見出した。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。

0007

すなわち、本発明は、(A)ピッチに酸素含有ガスを吹き込みながら熱処理して得られた軟化点230〜300℃の実質上光学的等方性ピッチ100重量部に対し、(B)紡糸時の応力によって光学的異方性に転換する性質を有する軟化点200〜270℃の実質上光学的等方性のピッチ、例えばナフタレンルイス酸触媒の存在下に重合して得られた軟化点200〜270℃の実質上光学的等方性ピッチ10〜50重量部を溶融混合し、次いでこの混合物を、常法により溶融紡糸することを特徴とするピッチ系炭素繊維の製造方法を提供するものである。

0008

本発明の紡糸用ピッチにおいて、(A)成分として用いられる実質上光学的等方性ピッチは、原料ピッチに酸素含有ガスを吹き込みながら熱処理して得られた軟化点が230〜300℃のものである。原料ピッチの種類については、酸素含有ガスを吹き込みながら熱処理することにより、実質上光学的等方性で、上記軟化点を有するピッチを与えるものであればよく特に制限はないが、例えば原油蒸留残渣油,流動接触分解FCC)重質油ナフサ分解残渣油エチレンボトム油などの石油系ピッチ(重質油)、コールタール石炭液化油などの石炭系ピッチ(重質油)をろ過,蒸留水添接触分解などの処理工程を経て調製されたものが挙げられるが、これらの中で、特に酸素に対する反応性高軟化点などの点から、流動接触分解重質油が好適である。

0009

これらの原料ピッチの処理方法については、酸素含有ガスを吹き込みながら熱処理することにより、実質上光学的等方性で、上記軟化点を有するピッチを与える方法であればよく、特に制限はないが、以下に示す処理方法が好ましく用いられる。すなわち、まず原料ピッチに酸素含有ガスを吹き込みながら、常圧ないし0.3kg/cm2・G程度の微圧下で、好ましくは300〜370℃の範囲の温度において熱処理を行い、光学的異方性成分が生成する直前で、該熱処理を停止する。この場合、熱処理時間は、通常5〜12時間程度である。この熱処理により、キノリン不溶分(以下、QIと称する)の含有量が0〜15重量%程度と低く、かつ光学的異方性成分を含まないある程度重合・架橋の進んだ210〜280℃程度の軟化点を有する光学的等方性ピッチが得られる。次に必要に応じて、このようにして得られた実質上光学的等方性ピッチに、さらに酸素含有ガスを吹き込みながら通常100Torr以下、好ましくは5〜30Torrの減圧下にし、300〜370℃程度の温度で、10分間ないし3時間、好ましくは20分間ないし1時間の熱処理を行い、ピッチの軟化点を230〜300℃に高めてもよい。上記の熱処理に用いられる酸素含有ガスとしては、例えば空気や酸素リッチ気体などが挙げられるが、入手の容易さなどの点から空気が好適である。また、酸素の使用量は、通常ピッチ1kg当たり、0.2〜5NL/分、好ましくは0.5〜2NL/分であり、空気の場合は酸素の量の約4倍量である。酸素含有ガスを用いず、窒素などの不活性ガスを用いると、光学的等方性構造が保持しにくく、光学的異方性成分が多くなり、本発明の目的が達せられない。

0010

この処理はバッチ式連続式のいずれの方式で行ってもよいが、連続的に熱処理を行う場合、装置としては脱気孔付き押出機であれば特に制限されないが、例えば、プラスチック成形粒子製造用ペレタイザー、混合・混練機などや、縮重合に伴う種々の副生物などの脱気・除去をも兼ねるセルフクリーニングタイプの押出機などを挙げることができる。

0011

このようにして得られた(A)成分の実質上光学的等方性ピッチは、QI含有量が0〜25重量%程度、一般的には5重量%以下と低く、かつ230〜300℃の高軟化点(メトラー法で測定)を有している。該軟化点が230℃未満では得られる繊維の強度が劣るし、300℃を超えると粘度が高すぎ紡糸が困難になる上、光学的異方性成分が混在しやすくなる。本発明の紡糸用ピッチにおいては、(B)成分として、紡糸時の応力によって光学的異方性に転換する性質を有する軟化点200〜270℃の実質上光学的等方性のピッチ、例えばナフタレンをルイス酸触媒の存在下、重合して得られた軟化点200〜270℃の実質上光学的等方性ピッチが用いられる。

0012

ナフタレンの重合にあたっては、ナフタレンをルイス酸触媒の存在下に、230〜300℃程度の温度で加熱処理する。処理時間については、温度及び触媒の種類や量によって左右され、一概に定めることができないが、重合物が実質上光学的等方性ピッチであり、かつ200〜270℃の軟化点になるまで加熱処理する。処理時間は一般的には10分ないし5時間程度である。この際用いられるルイス酸触媒としては、例えばフッ化水素三フッ化ホウ素無水塩化アルミニウム無水塩化第二鉄などが挙げられ、これらは一種用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。又、(A)成分との混合を容易にし、かつ紡糸を円滑に行うため、(B)成分の軟化点は(A)成分と近似した200〜270℃の範囲であることが好ましい。

0013

本発明においては、上記(A)成分のピッチ100重量部に対して、(B)成分のピッチを10〜50重量部の割合で溶融混合し、光学的等方性の紡糸用ピッチを得る。

0014

このようにして得られた紡糸用ピッチの軟化点は、通常210〜290℃の範囲にあり、またQI含有量は、通常0〜15重量%の範囲にある。

0015

上記紡糸用ピッチは、従来公知の溶融紡糸法により紡糸される。このピッチは光学的等方性ピッチであるため、紡糸性が良く、また(B)成分のピッチは紡糸時に光学的異方性に転換するので紡糸した繊維は表層部が等方性を示し、内部が異方性を示す二重構造を有している。この二重構造は、該繊維の断面を偏光顕微鏡による観察によって確認することができる。光学的異方性部分が繊維の内部に集中する理由は不明であるが、紡糸ノズル内の応力分布の影響が考えられる。

0016

この紡糸繊維を従来公知の方法により、不融化及び炭化することにより、従来の光学的等方性ピッチ系炭素繊維に比較して、高強度、高弾性率で、熱伝導率及び電気伝導性が高く、摺動性が良い光学的等方性ピッチ系炭素繊維が得られる。

0017

次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。

0018

実施例1
(1)(A)成分ピッチの調製
FCCデカントオイルフラッシュ蒸留し、495〜500℃/常圧の留分をカットして得られたFCC重質油(軟化点70℃)を原料ピッチとして用い、これを350℃で1NL/kg・分の空気を吹き込みながら、9時間熱処理することにより、軟化点250℃(メトラー軟化点)、QI含有量3重量%の光学的等方性ピッチが収率70%で得られた。このピッチを偏光顕微鏡で観察したところ、光学的異方性成分が含まれていないことが分かった。
(2)(B)成分ピッチの調製
ナフタレン1モルに対して、フッ化水素2モル及び三フッ化ホウ素0.5モルの割合で混合し、240℃で30分間重合させた。重合後、ルイス酸触媒を除去することにより、軟化点230℃(メトラー軟化点)の光学的等方性ピッチが得られた。このピッチを偏光顕微鏡で観察したところ、光学的異方性成分が含まれていないことが分かった。
(3)紡糸用ピッチの調製
上記(1)において得られた光学的等方性ピッチ100重量部に対して、上記(2)において得られた光学的等方性ピッチ30重量部を添加し、280℃で30分間溶融混合攪拌し、紡糸用ピッチを調製した。このピッチを偏光顕微鏡で観察したところ、光学的等方性ピッチであった。また上記紡糸用ピッチは、軟化点が245℃(メトラー軟化点)、QI含有量が3重量%であった。

0019

この紡糸用ピッチを、紡糸温度270℃で、内径0.3mmのノズルからメルトスピニング法により巻取速度500m/分で紡糸して18μmのピッチ繊維を得た。その断面を偏光顕微鏡により観察したところ、表層部が等方性を示し、内部が異方性を示す二重構造を有することが確認された。このピッチ繊維を不融化速度3℃/分で120℃から300℃まで昇温して、不融化した。その後、不活性ガス雰囲気において1500℃及び2000℃で炭化した、その物性は次表の通りであった。

0020

0021

比較例1
実施例1(1)と同様にして得られた軟化点265℃の光学的等方性ピッチ80重量部に、軟化点265℃の光学的異方性ピッチ20重量部を微粉砕して混合したのち、350℃で溶融攪拌し紡糸用ピッチを得た。このピッチを紡糸温度290℃で紡糸したが、断糸が多く、紡糸できなかった。

発明の効果

0022

本発明によると、光学的等方性ピッチでありながら、紡糸時に一部が光学的異方性ピッチに転換する紡糸用ピッチが容易に得られる。この紡糸用ピッチは紡糸性が良好であるとともに、高強度、高弾性率で、熱伝導性及び電気伝導性に優れ、摺動性が良い光学的等方性ピッチ系炭素繊維を与えることが出来る。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ