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技術 石炭の熱分解方法

出願人 株式会社神戸製鋼所
発明者 橋本健治三浦孝一前一広大隈修井上聡則
出願日 1992年9月29日 (28年2ヶ月経過) 出願番号 1992-260136
公開日 1994年4月19日 (26年8ヶ月経過) 公開番号 1994-108056
状態 未査定
技術分野 コークス工業
主要キーワード ピリジン蒸気 膨潤炭 常圧沸点 添加溶剤 鎖状有機化合物 低温熱分解 タール収率 圧窒素ガス
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この項目の情報は公開日時点(1994年4月19日)のものです。
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目的

石炭分子構造中に存在する水素結合等の非共有結合を簡単な操作で確実に解裂することにより、低温条件下であっても架橋反応を抑制してタール収率の向上を図ることのできる石炭の熱分解法を提供する。

構成

分子中にへテロ原子を含有する有機化合物を石炭に吸収させておき、該化合物によって非共有結合を解裂させた状態で石炭の熱分解を行う。

概要

背景

従来の石炭熱分解法は、石炭を不活性雰囲気或は水素等の還元性雰囲気熱分解して、メタン等の燃料ガスBTX等の有用化学物質を含んだ液生成物タール)を製造するものである。しかしこれらの方法では、最も価値の高いタールの収率が低く、大量のチャーが発生する為、経済効率が著しく低いという欠点があり、効率よくタール収率を向上させる技術が望まれている。

タール収率が低い理由は、石炭の熱分解によって発生したフラグメントが安定化される前に再結合し、チャーが生成するためであることが分かっており、この熱分解フラグメントの再結合には、石炭中水素結合に代表される非共有結合が大きな役割を果たしていることも分かっている。その為石炭を熱分解する前に予め非共有結合を開放改質することにより、石炭転換効率の向上を図る試みがなされている。例えば石炭中の水酸基が水素結合の形成に関与することに鑑み、該水酸基をアルキル基置換する方法(O−アルキル法)、テトラリン等の低極性水素供与性溶剤を加えて石炭を膨張させることによって石炭中の水素結合を一部切断すると共に、石炭熱分解反応中に水素供与を図る方法などが挙げられる。

一方タール等の揮発分収率を向上させるためには低温で熱分解することが好ましいが、これまでの技術では実用的な収率が得られていなかった。その為、低温でも高い収率の得られる石炭熱分解方法の開発が望まれていた。

概要

石炭の分子構造中に存在する水素結合等の非共有結合を簡単な操作で確実に解裂することにより、低温条件下であっても架橋反応を抑制してタール収率の向上を図ることのできる石炭の熱分解法を提供する。

分子中にへテロ原子を含有する有機化合物を石炭に吸収させておき、該化合物によって非共有結合を解裂させた状態で石炭の熱分解を行う。

目的

本発明はこのような事情に着目してなされたものであって、その目的は従来技術の上記諸問題を解消し、簡便な操作で、かつ、より完全に非共有結合を解裂することにより、低温熱分解であっても架橋反応を抑制し、タール収率の向上を大幅に図り得る石炭の熱分解方法を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

ヘテロ原子を有する有機化合物原料石炭に接触させて該石炭に吸収させたものを、300℃以上の温度域熱分解することを特徴とする石炭の熱分解方法

請求項2

原料石炭に吸収される前記有機化合物が、無水無灰石炭に対して0.5〜15重量%となる様に膨潤される請求項1記載の石炭の熱分解方法。

請求項3

前記有機化合物の蒸気を原料石炭に接触させて行う請求項1記載の石炭の熱分解方法。

請求項4

前記有機化合物を含有する常圧沸点250℃以下の溶剤を原料石炭に接触させて行うものである請求項1記載の石炭の熱分解方法。

技術分野

0001

本発明は燃料あるいは各種化原料となるガス状或は液状炭化水素を製造する為の改良された石炭熱分解方法に関するものである。

背景技術

0002

従来の石炭熱分解法は、石炭を不活性雰囲気或は水素等の還元性雰囲気熱分解して、メタン等の燃料ガスBTX等の有用化学物質を含んだ液生成物タール)を製造するものである。しかしこれらの方法では、最も価値の高いタールの収率が低く、大量のチャーが発生する為、経済効率が著しく低いという欠点があり、効率よくタール収率を向上させる技術が望まれている。

0003

タール収率が低い理由は、石炭の熱分解によって発生したフラグメントが安定化される前に再結合し、チャーが生成するためであることが分かっており、この熱分解フラグメントの再結合には、石炭中水素結合に代表される非共有結合が大きな役割を果たしていることも分かっている。その為石炭を熱分解する前に予め非共有結合を開放改質することにより、石炭転換効率の向上を図る試みがなされている。例えば石炭中の水酸基が水素結合の形成に関与することに鑑み、該水酸基をアルキル基置換する方法(O−アルキル法)、テトラリン等の低極性水素供与性溶剤を加えて石炭を膨張させることによって石炭中の水素結合を一部切断すると共に、石炭熱分解反応中に水素供与を図る方法などが挙げられる。

0004

一方タール等の揮発分収率を向上させるためには低温で熱分解することが好ましいが、これまでの技術では実用的な収率が得られていなかった。その為、低温でも高い収率の得られる石炭熱分解方法の開発が望まれていた。

発明が解決しようとする課題

0005

石炭分子中の非共有結合を開放する為の上記処理技術は、タール等の液状生成物への転化率向上に寄与することが知られているが、これらの方法はいずれも煩雑な操作を伴うか、テトラリンのような比較的高価な原料を用いなければならないか、あるいは効果面においていまだ満足できない面があるといった問題を残している。例えば、O−アルキル化法の場合では、高価なアルキル化試剤を用いる上、長時間の還流処理が必要である。またテトラリン等の低極性水素供与性溶剤による膨潤処理の場合は、石炭分子中の非共有結合のうち、特に強い結合力を有する水素結合に対する効果が小さく、その為500℃以下の低温熱分解でのタール収率を向上させる効果が小さい。従ってこれらの前処理技術の場合は、タール収率向上を図る為には、少なくとも500℃以上の熱分解温度が必要となる。またテトラリン等の水素供与性溶剤は比較的高価であり、且つ熱分解において消費されるため、連続処理の場合、溶剤再生あるいは補充の必要がある。

0006

本発明はこのような事情に着目してなされたものであって、その目的は従来技術の上記諸問題を解消し、簡便な操作で、かつ、より完全に非共有結合を解裂することにより、低温熱分解であっても架橋反応を抑制し、タール収率の向上を大幅に図り得る石炭の熱分解方法を提供するものである。

課題を解決するための手段

0007

上記の目的を達成することのできた本発明の石炭熱分解方法は次のような構成としている。即ち、ヘテロ原子を有する有機化合物を予め原料石炭に吸収させ得られた石炭を、300℃以上の温度で熱分解することを特徴とするものである。

0008

石炭に吸収される有機化合物は、分子内にヘテロ原子(例えばN,O,S,P等)を有することにより、石炭内の極性部位に強吸着する有機化合物であれば有効であり、フェノールナフトール安息香酸アニリン等の様に水酸基、カルボキシル基アミノ基、メルカプト基といった極性基置換基として有する芳香族化合物フランピリジンキノリンイソキノリンインドールカルバゾール等の複素環化合物;およびそれらのアルキル置換体アンモニア脂肪族アミン脂肪族カルボン酸などの様に水酸基、カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基等を有する鎖状有機化合物を用いることができる。また、これらの有機化合物を実質的に含む各種溶剤、例えば石炭液化油ナフサ熱分解タールなども有効である。

0009

これら有機化合物の石炭への吸収方法は、該有機化合物自体又は該有機化合物を含む溶剤を蒸気として含浸させる方法、該石炭を溶剤中に浸漬する方法等、いずれの方法であっても構わないが、要はこれらの方法によって原料石炭が有機化合物が膨潤されるものであり、以下膨潤処理を称することがある。この様な膨潤処理は石炭の熱分解が開始する温度以下、例えば最も低温で熱分解が始まる褐炭の場合、200℃以下で行うことが必要である。要は石炭の熱分解反応時に上記化合物を吸収させておくことが必要なのである。原料石炭に対する有機化合物の吸収量は格別制限されるものではないが、一般的には無水無灰石炭に対して0.5〜15%の範囲となる様に吸収させることが推奨される。0.5%未満では非共有結合の解裂効果が不十分となり、一方15%を超える量の吸収を行っても吸収による効果がすでに15%あたりで飽和に達しているので不経済になるだけである。

0010

上記有機化合物による石炭の処理は、石炭分子内に存在する非共有結合の状態に大きな変化を与える。例えばピリジンやフェノール等で石炭を膨潤すると、石炭の有する非共有結合が殆ど切断され、テトラリンのような低極性溶剤では解裂しなかった強い水素結合も解裂する。しかもピリジンやフェノール等は石炭中の非共有結合を形成している極性部位に強吸着し、容易には脱離しない。従って300℃付近から始まるラジカル生成反応においても、架橋反応を抑制しつつ石炭を熱分解することが可能となる。この結果、従来の低極性溶剤による膨潤処理では、無処理灰と比較して、せいぜい500℃以上でしか熱分解特性の向上が認められなかったが、ピリジンやフェノール等による膨潤処理では、より完全な非共有結合開放により、500℃以下でも熱分解特性の向上が認められ、タール収率の著しい増加が認められる。

0011

尚、本発明において使用する有機化合物のうち、熱分解を受けにくい化合物、例えばピリジン類は、石炭の熱分解時にチャーにより分解されずに脱離できるので、回収、再利用することが可能である。

0012

褐炭を室温下、ピリジン蒸気で膨潤した後、100℃で1時間窒素パージし、ピリジン蒸気膨潤炭(ピリジン含有量6.3wt%)を調製した。このように調製した試料キューリーポイントパイロライザーを用いて、常圧窒素ガスのもと386℃で熱分解を行なった。その結果、表1に示すように、全揮発分収率17%、タール収率9%が得られた。

0013

比較例A
実施例1で用いた原料褐炭を、上記処理をしないで386℃で熱分解した結果、全揮発分収率9%、タール収率は2%であった。

0014

比較例B
実施例1で用いた原料褐炭をテトラリンで膨潤処理し、386℃で熱分解した結果、全揮発分収率は9%、タール収率は2%であった。その他485℃、590℃、764℃で熱分解を行なった実施例、比較例A,Bを表1に併せて示す。いずれの実施例も300℃以上の低温から高温まで、従来法と比べて著しくタール収率が向上していることが明らかである。

0015

発明の効果

0016

本発明に係る石炭の熱分解法によれば、極めて簡便な方法で石炭の非共有結合を効果的に解裂することができるので、低温域の架橋反応を抑制し、そのためにタール収率を向上し得る。また低温域(500℃以下)での飛躍的なタール収率向上により、熱分解処理緩和をはかることができ、高温域(500℃以上)では水素供与性を有しない溶剤を用いるにもかかわらず、テトラリン膨潤処理と比べて遜色のないタール収率を得ることができる。またピリジン等の有機化合物は石炭熱分解時に、分解されずに回収されるので、再利用すれば添加溶剤の使用量低減に寄与することが可能となる。

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