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技術 窒素酸化物を含有する排ガスの浄化処理方法

出願人 財団法人石油産業活性化センタ-堺化学工業株式会社コスモ石油株式会社工業技術院長
発明者 菅沼藤夫北爪章博川付正明仲辻忠夫清水宏益浜田秀昭伊藤建彦
出願日 1991年2月1日 (29年10ヶ月経過) 出願番号 1991-033524
公開日 1994年4月19日 (26年8ヶ月経過) 公開番号 1994-106029
状態 特許登録済
技術分野 触媒による排ガス処理 触媒 触媒
主要キーワード 酸素率 Cu含有率 大型設備 交換イオン 含炭素 シリカアルミナゲル 全酸化物 Ni含有率
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目的

NOxを、使用する触媒活性を低下することなく、効率的に除去すること、及びこのNOx除去により排出されることのある不完全燃焼生成物を除去することを目的とする。

構成

過剰の酸素が存在する酸化雰囲気中、上記の排ガス中に存在する又は外部から導入される炭化水素類又は含酸素化合物(以下、炭化水素類)の存在下において、該排ガスを、遷移金属イオン交換処理した金属酸化物を含んでなる触媒と接触させる。この触媒は、酸化雰囲気で、酸素と炭化水素類との反応よりもNOxと炭化水素類との反応を優先的に促進させて、排ガス中のNOxを高効率で除去することができる。また、上記触媒と接触させた後の排ガスを酸化触媒と接触させて、不完全燃焼生成物を除去する。

概要

背景

各種の排ガス中の窒素酸化物(以下、“NOx”)は、健康に有害であり、かつ光化学スモッグ酸性雨発生原因ともなり得るため、その効果的な除去手段の開発が望まれている。

従来、このNOxの除去方法として、触媒を用いて排ガス中のNOxを低減する方法が既にいくつか実用化されている。例えば、(イ)ガソリン自動車における三元触媒法や、(ロ)ボイラー等の大型設備排出源からの排ガスについてアンモニアを用いる選択的接触還元法が挙げられる。また、その他の提案されている方法としては、(ハ)炭化水素を用いる排ガス中のNOx除去方法として、銅等の金属を担持させたアルミナ等の金属酸化物を触媒として炭化水素の存在下でNOxを含むガスと接触させる方法(特開昭63−100919号公報等)がある。

概要

NOxを、使用する触媒の活性を低下することなく、効率的に除去すること、及びこのNOx除去により排出されることのある不完全燃焼生成物を除去することを目的とする。

過剰の酸素が存在する酸化雰囲気中、上記の排ガス中に存在する又は外部から導入される炭化水素類又は含酸素化合物(以下、炭化水素類)の存在下において、該排ガスを、遷移金属イオン交換処理した金属酸化物を含んでなる触媒と接触させる。この触媒は、酸化雰囲気で、酸素と炭化水素類との反応よりもNOxと炭化水素類との反応を優先的に促進させて、排ガス中のNOxを高効率で除去することができる。また、上記触媒と接触させた後の排ガスを酸化触媒と接触させて、不完全燃焼生成物を除去する。

目的

本発明は、以上の(イ)〜(ハ)に存在する各種の問題について検討した結果なされたものであって、酸化雰囲気において、ガソリン機関は勿論のこと、ディーゼル機関の排ガスをはじめ、種々の設備から発生する排ガス中のNOxを効率良く除去することができる排ガス中の窒素酸化物の除去方法を提案することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
4件

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請求項1

過剰の酸素が存在する酸化雰囲気中、炭化水素類若しくは含酸素化合物の存在下において、遷移金属イオン交換処理した金属酸化物を含んでなる触媒窒素酸化物を含む排ガスとを接触させることを特徴とする窒素酸化物を含有する排ガスの浄化処理方法

請求項2

過剰の酸素が存在する酸化雰囲気中、炭化水素類若しくは含酸素化合物の存在下において、遷移金属イオン交換処理した金属酸化物を含んでなる触媒と窒素酸化物を含む排ガスとを接触させ、次いで該排ガスを酸化触媒に接触させることを特徴とする窒素酸化物を含有する排ガスの浄化処理方法。

技術分野

0001

本発明は、過剰の酸素が存在する全体として酸化条件下において、排ガスを、少量添加した炭化水素類若しくは含酸素化合物、あるいは排ガス中に存在する炭化水素類若しくは含酸素化合物の存在下で、特定の触媒と接触させて、該排ガス中の窒素酸化物を除去する窒素酸化物を含有する排ガスの浄化処理方法に関する。

背景技術

0002

各種の排ガス中の窒素酸化物(以下、“NOx”)は、健康に有害であり、かつ光化学スモッグ酸性雨発生原因ともなり得るため、その効果的な除去手段の開発が望まれている。

0003

従来、このNOxの除去方法として、触媒を用いて排ガス中のNOxを低減する方法が既にいくつか実用化されている。例えば、(イ)ガソリン自動車における三元触媒法や、(ロ)ボイラー等の大型設備排出源からの排ガスについてアンモニアを用いる選択的接触還元法が挙げられる。また、その他の提案されている方法としては、(ハ)炭化水素を用いる排ガス中のNOx除去方法として、銅等の金属を担持させたアルミナ等の金属酸化物を触媒として炭化水素の存在下でNOxを含むガスと接触させる方法(特開昭63−100919号公報等)がある。

発明が解決しようとする課題

0004

上記(イ)の方法は、自動車燃焼排ガス中に含まれる炭化水素成分一酸化炭素を触媒によって水と二酸化炭素とし、同時にNOxを還元して窒素とするものであるが、NOxに含まれる酸素量と、炭化水素成分及び一酸化炭素が酸化されるのに必要とする酸素量とが化学量論的に等しくなるように燃焼を調整する必要があり、ディーゼル機関のように過剰の酸素が存在する系では、原理的に適用は不可能である等の重大な問題がある。

0005

また、(ロ)の方法では、非常に有毒であり、かつ多くの場合高圧ガスとして取扱わねばならないアンモニアを用いるため、取扱が容易でなく、しかも設備巨大化し、小型の排ガス発生源、特に移動性発生源に適用することは技術的に極めて困難である上、経済性もよくない。

0006

一方、(ハ)の方法は、ガソリン自動車を主な対象としており、ディーゼル機関の排ガス条件下では適用が困難であると共に、触媒の活性も不充分である。すなわち、アルミナに銅等を担持した触媒では、ディーゼル機関から排出される硫黄酸化物により被毒されるばかりでなく、添加した金属の凝集等による触媒の活性低下も起こるため、ディーゼル機関からの排ガス中のNOxを除去するには適さず、実用化には至っていない。

0007

本発明は、以上の(イ)〜(ハ)に存在する各種の問題について検討した結果なされたものであって、酸化雰囲気において、ガソリン機関は勿論のこと、ディーゼル機関の排ガスをはじめ、種々の設備から発生する排ガス中のNOxを効率良く除去することができる排ガス中の窒素酸化物の除去方法を提案することを目的とする。

0008

本発明者等は、上記目的を達成するために、研究を重ねた結果、特定の触媒を用いることにより、硫黄酸化物が含まれている排ガスにおいても、活性の低下を引き起こすことなく、効率的にNOxを除去することができることを見出し、本発明を完成するに至った。

0009

すなわち、本発明の窒素酸化物を含有する排ガスの浄化処理方法は、過剰の酸素が存在する酸化雰囲気中、炭化水素類若しくは含酸素化合物の存在下において、遷移金属イオン交換処理した金属酸化物を含んでなる触媒とNOxを含む排ガスとを接触させることを特徴とし、また上記と同一条件で上記の触媒と接触させ、次いで該排ガスを酸化触媒に接触させることをも特徴とする。

0010

以下、本発明方法の詳細を作用と共に説明する。本発明方法において、触媒の構成成分として使用する金属酸化物は、イオン交換能を有するものであればよく、従ってイオン交換能を有する水酸化物及び水酸化物と酸化物との中間的な化学組成を有する含水酸化物も、この金属酸化物に含まれる。

0011

単独金属酸化物(金属種が1種の酸化物)では、Al,Fe,Ce,Sb等の多価金属の酸化物がイオン交換能を有するが、Si,Sn,Ti,Zr等の周期表の第IV族元素の酸化物等がよく例示される〔例えば、A.Clearfield(編)Inorgnic Ion Exchange Materials,CRCPress Inc.1982年,142頁以下〕。勿論、複合金属酸化物(金属種が2種以上の酸化物)も、イオン交換能があれば本発明方法における触媒の構成成分として使用でき、本発明方法で称する金属酸化物に含まれる。

0012

このような金属複合酸化物調製法は特になく、従来公知の方法で調製できる。従来公知の金属酸化物の調製法としては、乾式法湿式法が挙げられる。乾式法としては、硝酸塩のような熱分解し易い金属塩の熱分解による方法や、金属の焼成による方法が挙げられる。

0013

湿式法としては、単独金属酸化物では、通常、沈澱法が挙げられる。例えば、金属塩の水溶液沈澱剤を添加して金属の水酸化物あるいは炭酸塩等を沈澱させ、濾過水洗・乾燥し、要すれば焼成して所望の金属酸化物とする。複合金属酸化物では、通常、共沈法混練法あるいは沈着法等が挙げられる。共沈法では、金属塩の混合水溶液に適当な沈澱剤を添加して水酸化物又は炭酸塩を沈澱させ、濾過・水洗・乾燥させ、要すれば焼成して所望の金属酸化物を得る。混練法では、別々に調製した所望の金属のゲル状又はスラリー状の水酸化物又は炭酸塩をニーダー等で混合・混練したものを乾燥し、要すれば焼成して得る。沈着法では、予め調製したゲル又はスラリー状の金属水酸化物又は炭酸塩を、例えば硝酸塩,硫酸塩,酢酸塩塩化物等の金属塩の水溶液に浸漬し、次いで沈澱剤を添加して金属成分をゲル又はスラリーに沈着させた後、濾過・水洗・乾燥し、要すれば焼成して夫々の複合金属酸化物を得る。

0014

本発明方法における触媒は、上記の金属酸化物に遷移金属イオン交換処理したものであるが、遷移金属としては、第I族b亜族,第II族,第III族,第IV族,第V族,第VI族,第VII族,第VIII族に属する遷移金属、具体的には、銅,亜鉛カドミウムランタンジルコニウムチタンバナジウムクロムマンガン,鉄,コバルトニッケル白金等の各金属すなわち広義の遷移金属(例えば、化学大辞典,第5巻,昭和36年,共立出版株式会社,437頁以下)が挙げられる。

0015

上記の遷移金属イオン交換の方法については、特に制限はなく、通常、公知の方法で行うことができるが、ゼオライト燐酸ジルコニウム等の酸性塩、あるいはイオン交換樹脂等のイオン交換常用される手段、すなわち所望の金属の硝酸塩や硫酸塩のような単純な酸の金属塩の水溶液による浸漬処理(すなわち、酸性側での処理)では、よくイオン交換しない場合があり、この場合にはアルカリ側でのイオン交換処理、特に所望の金属のアンミン錯塩による交換処理や一旦アンモニウムイオン交換処理したものを所望の金属水溶液で浸漬処理するなどの方法が有効である(例えば、Advanced In Catalysis,第20巻,1969年,Academic Press Inc,112頁以下:触媒,第22巻,第6号,1980年,385頁以下)。

0016

金属酸化物のアンモニウムイオン交換は、次のようにして行う。金属酸化物をアンモニア水に浸漬し、時々振盪攪拌し、数時間ないし1週間程度放置してアンモニウムイオン交換させる。このときの温度は、特に加温の必要はなく、室温でよい。次いで、濾過・水洗した後、乾燥(風乾)してアンモニウムイオン交換体を得る。

0017

金属酸化物の遷移金属イオン交換処理は、以下のようにして行う。すなわち、金属酸化物又はそのアンモニウムイオン交換体を上記の適当な遷移金属塩の水溶液に数時間ないし1昼夜程度浸漬する。このとき要すれば約50〜100℃程度の温度に加熱,攪拌してイオン交換させた後、水洗・乾燥し、所望のイオン交換した金属酸化物を得る。イオン交換していない過剰の遷移金属塩は、濾液金属イオンが検出されなくなるまで充分に水洗して除くことができる。交換イオン種は1種類でもよいが2種類以上でもよい。使用する金属酸化物も1種類のみでもよいが、2種類以上でもよい。なお、上記の処理により金属酸化物に導入した遷移金属の状態については、その全部が実質上交換イオンの状態であることが好ましいが、その一部が交換イオンの状態でなくても本発明方法においては有効である。

0018

また、本発明方法においては、上記の遷移金属イオン交換処理した金属酸化物に担体等の添加物を含有させてもよい。この担体としては、通常よく使用される無機担体が使用でき、特に制限はなく、例えば本発明方法における金属酸化物も担体として使用可能であり、また軽石珪藻土等の天然物も使用できる。これらの担体物質は、1種類でも、2種類以上を複合させて使用してもよい。

0019

これらの担体等の添加物は、遷移金属イオン交換処理金属酸化物の触媒特性阻害せずに遷移金属イオン交換処理金属酸化物をよく分散させたり、共働して触媒活性選択性を向上させたり、反応熱の除去を助けたり、成型性を改善する等の効果がある。

0020

担体に遷移金属イオン交換処理金属酸化物を担持させる方法については、特に制限はなく、遷移金属イオン交換処理金属酸化物を、1)水に分散して担体物質と混合し、余分な水分を濾過・蒸発等で除いて担体上に沈着させたり、2)ヒドロゲル状の担体物質と混練する、等の従来公知の方法で行うことができる。

0021

担体等の添加物を使用する場合の該添加物の配合量は、担体等の添加物を配合した触媒の約95wt%以下、好ましくは約10〜80wt%の範囲内である。

0022

触媒は、粉末状,顆粒状,ペレット状,ハニカム状、その他任意の形で使用することができ、その形状、構造は特に問わない。また、触媒を成型して使用する場合には、成型時に通常使用される粘結剤すなわちシリカゾルポリビニルアルコール等、あるいは滑剤すなわち黒鉛ワックス脂肪酸塩カーボンワックス等を使用することができる。

0023

また、本発明方法おける触媒は、要すれば焼成処理を行うが、焼成処理については、触媒調製のどの段階においても行うことができ、焼成温度は、触媒の組成等にもよるが、一般には約200〜1000℃、好ましくは約300〜700℃である。

0024

本発明方法の処理対象となるNOx含有ガスとしては、ディーゼル自動車定置式ディーゼル機関等のディーゼル機関排ガス、ガソリン自動車等のガソリン機関排ガスをはじめ、硝酸製造設備、各種の燃焼設備等の排ガスを挙げることができる。

0025

これら排ガス中のNOxの除去は、上記触媒を用いて、該触媒に、酸化雰囲気中、上記の炭化水素類若しくは含酸素化合物の存在下で、排ガスを接触させることにより行う。

0026

ここで、酸化雰囲気とは、排ガス中に含まれる一酸化炭素,水素及び炭化水素と、本発明方法おいて必要に応じて添加される炭化水素類若しくは含酸素化合物の還元性物質とを、完全に酸化して水と二酸化炭素に変換するのに必要な酸素量よりも過剰な酸素が含まれている雰囲気をいい、例えば、自動車等の内燃機関から排出される排ガスの場合には空燃比が大きい状態(リーン領域)の雰囲気であり、通常、過剰酸素率は約20〜200%程度である。この酸化雰囲気中において、上記の触媒は、炭化水素類若しくは含酸素化合物と酸素との反応よりも、炭化水素類若しくは含酸素化合物とNOxとの反応を優先的に促進させて、NOxを還元分解除去する。

0027

なお、本発明方法における触媒は、酸化雰囲気でよく作用するが、還元性雰囲気ではNOxに対する還元分解活性が低下するので、酸化雰囲気中にて反応を行わせるのが好ましい。

0028

存在させる炭化水素類若しくは含酸素化合物すなわちNOxを還元分解除去する還元性物質としては、排ガス中に残存する炭化水素や燃料等の不完全燃焼生成物であるパティキュレート等でもよいが、上記反応を促進させるのに必要な量よりも不足している場合には、外部より炭化水素類若しくは含酸素化合物を添加する必要がある。

0029

存在させる炭化水素類若しくは含酸素化合物の量は、特に制限されず、例えば要求されるNOx除去率が低い場合には、NOxの還元分解に必要な理論量より少なくてよい場合もある。但し、必要な理論量より過剰な方が還元反応がより進むので、一般的には過剰に添加するのが好ましい。通常は、炭化水素類若しくは含酸素化合物の量は、NOxの還元分解に必要な理論量の約20〜2,000%過剰、好ましくは約30〜1,500%過剰に存在させる。

0030

ここで、必要な炭化水素類若しくは含酸素化合物の理論量とは、反応系内に酸素が存在するので、本発明方法においては、二酸化窒素(NO2)を還元分解するのに必要な炭化水素類若しくは含酸素化合物と定義するものであり、例えば、炭化水素類としてプロパンを用いて1,000ppmの一酸化窒素(NO)を酸素存在下で還元分解する際のプロパンの理論量は200ppmとなる。一般には、排ガス中のNOx量にもよるが、存在させる炭化水素類若しくは含酸素化合物の量は、メタン換算で約50〜10,000ppm程度である。

0031

本発明方法における上記の触媒によってNOxを還元させる還元性物質としては、可燃性有機化合物等の含炭素物質であればいかなる物質も有効であるが、実用性からいえば、窒素,硫黄ハロゲン等の化合物は価格,二次的な有害物質の発生,あるいは触媒の損傷等の問題が多く、またカーボンブラック石炭等の固体物質触媒層への供給,触媒との接触等の点から一般に好ましくなく、炭化水素類若しくは含酸素化合物が好ましい。そして、触媒層への供給の点からは気体状又は液体状のものが、また反応の点からは反応温度気化するものが特に好ましい。

0032

本発明方法における炭化水素類の具体例としては、気体状のものとして、メタン,エタンエチレン,プロパン,プロピレンブタンブチレン等の炭化水素ガスが、液体状のものとして、ペンタンヘキサンオクタンヘプタンオクテンベンゼントルエンキシレン等の単一炭化水素や、ガソリン灯油軽油重油等の鉱油炭化水素油が、例示される。また、含酸素化合物は、含酸素有機化合物を意味し、メチルアルコールエチルアルコールプロピルアルコールオクチルアルコール等のアルコール類ジメチルエーテルエチルエーテルプロピルエーテル等のエーテル類酢酸メチル酢酸エチル油脂類等のエステル類アセトンメチルエチルケトン等のケトン類等の含酸素有機化合物が例示される。これらの炭化水素類若しくは含酸素化合物は、1種のみを使用してもよいが、2種以上を使用してもよい。

0033

なお、排ガス中に存在する燃料等の未燃焼ないしは不完全燃焼生成物、すなわち炭化水素類やパテキュレート類等も還元剤として有効であり、これらも本発明方法における炭化水素類に含まれる。このことから、本発明方法における触媒は、排ガス中の炭化水素類やパテキュレート等の減少・除去触媒としての機能をも有しているということができる。

0034

反応は、上記の触媒を配置した反応器を用意して、酸化雰囲気中で、炭化水素類若しくは含酸素化合物を存在させて、NOx含有排ガスを通過させることにより行う。このときの反応温度は、触媒及び炭化水素類若しくは含酸素化合物の種類により最適温度が異なるが、排ガスの温度に近い温度が排ガスの加熱設備等を必要としないので好ましく、一般には約100〜800℃、特に約200〜600℃の範囲が好ましい。反応圧力は、特に制限されず、加圧下でも減圧下でも反応は進むが、通常の排気圧で排ガスを触媒層へ導入して反応を進行させるのが便利である。空間速度は、触媒の種類,他の反応条件,必要なNOx除去率等で決まり、特に制限はないが、概して約500〜100,000Hr-1、好ましくは約1,000〜70,000Hr-1の範囲である。なお、本発明方法において、内燃機関からの排ガスを処理する場合は、上記触媒は、排気マニホールドの下流に配置するのが好ましい。

0035

また、本発明方法で排ガスを処理した場合、処理条件によっては、未燃焼の炭化水素類や一酸化炭素のような公害の原因となる不完全燃焼生成物が処理ガス中に排出される場合がある。このような場合の対策として、上記の触媒(以下、“還元触媒”と称する)で処理したガスを酸化触媒に接触させる方法を採用することができる。

0036

本発明方法で使用することができる酸化触媒としては、一般に上記の不完全燃焼生成物を完全燃焼させる物であればどのような物でもよいが、活性アルミナシリカジルコニア等の多孔質担体に、白金,パラジウムルテニウム等の貴金属、ランタン,セリウム,銅,鉄,モリブデン等の卑金属酸化物三酸化コバルトランタン、三酸化鉄ランタン,三酸化コバルトストロンチウム等のペロブスカイト型結晶構造物等の触媒成分を単独又は2種以上を組合わせて担持させたものが挙げられる。これらの触媒成分の担持量は、貴金属では担体に対して約0.01〜2wt%程度であり、卑金属酸化物等では約5〜70wt%程度である。勿論、特に卑金属酸化物等では、担体に担持しないで使用することもできる。

0037

酸化触媒の形状,成型等の目的で添加する添加物については、還元触媒の場合のそれと同様であり、種々のものを使用することができる。

0038

上記の還元触媒と酸化触媒の使用比率や、酸化触媒に担持させる触媒成分量等は、要求性能に応じて適宜選択可能であり、特に酸化除去する物質が一酸化炭素のような炭化水素の中間酸化物である場合には、還元触媒と酸化触媒とを混合して使用することも可能であるが、一般には、還元触媒を排気上流側に、酸化触媒を排気下流側に配置する。

0039

本発明方法において、これらの触媒を用いて排ガスを浄化する具体例としては、還元触媒を配置した反応器を排ガス導入部前段)に、酸化触媒を配置した反応器を排ガス排出部(後段)に配置する方法や、1つの反応器に夫々の触媒を要求性能に応じた比率で配置する方法等がある。

0040

還元触媒(A)と酸化触媒(B)の比率は、一般には(A)/(B)で表して約0.5〜9.5/9.5〜0.5の範囲で用いられる。

0041

酸化触媒の使用温度については、還元触媒の使用温度と同じでなくてもよいが、一般には前述の還元触媒の使用温度の範囲内で使用できるものを選択するのが加熱冷却設備を特に必要とせず好ましい。

0042

次に、本発明方法の実施例を挙げるが,本発明方法は、これらの実施例によって制限されるものではない。
実施例1
(アンモニア交換シリカの調製)市販のシリカゲルキセロゲル)100gを、1Nのアンモニア水1リットルに室温で浸漬した。これを時々振盪攪拌し、1夜放置した後、濾過・水洗した。この操作を2回繰り返した後、濾取した浸漬物を風乾してアンモニア交換シリカを得た。

0043

(Cu交換シリカの調製)上記のようにして得たアンモニア交換シリカ30gを、0.3Nの硝酸第2銅水溶液200mlに室温で浸漬した。これを時々振盪攪拌し、1夜放置した後、濾過し、濾液に銅イオンが検出されなくなるまで充分に水洗した。この後、濾取した浸漬物を乾燥し、500℃で2時間焼成してCu交換シリカ触媒を得た。このもののCu含有率は、9.7wt%であった。

0044

(NOxの除去反応)上記のようにして調製した触媒1gを常圧流通式反応装置充填して、2000ppmの一酸化窒素(以下、“NO”と記す)と10%の酸素、及び600ppmのプロピレンを含むヘリウムガス(以下、“He”と記す)を毎分60mlの流速で流して反応を行った。反応ガス分析ガスクロマトグラフを用いて行い、NOの還元分解率は生成した窒素の収率から求め、この結果を表1に示した。

0045

実施例2
実施例1のシリカゲル30gと、硝酸ニッケル水溶液にアンモニア水を充分に滴下混合して調製した0.3Nニッケルアンミン錯塩水溶液200mlとを使用する以外は、実施例1と同様の操作によりNi交換シリカを調製した。このもののNi含有率は、5.1wt%であった。このものを触媒として、実施例1と同様にしてNOの還元分解率を調べた。この結果を表1に併せて示した。

0046

実施例3〜5
(アンモニア交換シリカアルミナの調製)実施例1のシリカゲルの代わりにシリカアルミナゲル(キセロゲル)100gを使用する以外は、実施例1と同様の操作によりアンモニア交換シリカアルミナを得た。

0047

金属イオン交換シリカアルミナの調製)上記のようにして得たアンモニア交換シリカアルミナ(アルミナ30wt%含有)30gと、硝酸ニッケル(実施例3),硝酸第二鉄(実施例4),硝酸コバルト(実施例5)の0.3N水溶液とを夫々使用する以外は、実施例1と同様の操作により、ニッケル,鉄,コバルト交換シリカアルミナを夫々得た。これらのもののNi,Fe,Co含有率は、夫々3.4wt%,6.8wt%,3.0wt%であった。

0048

(NOxの除去反応)上記のようにして調製した触媒を夫々使用し、夫々実施例1と同様にしてNOx還元分解率を調べた。これらの結果を表1に併せて示した。

0049

実施例6
実施例2のNi交換シリカの調製において、シリカゲルの代わりに実施例3のシリカアルミナを、Niアンミン錯塩水溶液の代わりにテトラアンミン白金(II)塩酸塩(1水塩)0.8gを、200mlの水に溶かした溶液を使用して、イオン交換処理を1回のみ行う以外は、同様の操作によりPt交換シリカアルミナを調製した。このもののPt含有率は、1.3wt%であった。これを触媒として、混合ガスの組成をNOが1000ppm,プロピレンが1000ppm,酸素が10%,Heがバランスとする以外は、実施例1と同様にしてNOの還元分解率を調べた。この結果を表1に併せて示した。

0050

実施例7〜8
実施例2において、アンモニア交換シリカの代わりに市販の水酸化ジルコニウム含水酸化ジルコニウム)を、Niアンミン錯塩水溶液の代わりにCu(実施例7),Ni(実施例8)のアンミン錯塩水溶液を夫々使用する以外は、同様の操作により、夫々Cu,Ni交換水酸化ジルコニウムを夫々調製した。これらのもののCu,Ni含有率は、夫々6.2wt%,2.3wt%であった。これらのものを触媒として、実施例1と同様にしてNOの還元分解率を調べた。この結果を表1に併せて示した。

0051

実施例9
実施例1において、混合ガスの組成をNOが1000ppm,メチルアルコールが600ppm,酸素が10%,Heがバランスとする以外は、同様にしてNOの還元分解率を調べた。この結果を表1に併せて示した。

0052

実施例10
触媒として実施例1のCu交換シリカを0.1g使用する以外は、実施例6と同様にしてNOの還元分解率を調べた。この結果を表1に併せて示した。

0053

比較例1〜2
実施例1のシリカゲル(比較例1),実施例3のシリカアルミナゲル(比較例2)を、夫々500℃で3時間焼成したものを触媒として使用し、実施例1と同様にしてNOの還元分解率を調べた。この結果を表1に併せて示した。

0054

比較例3〜5
実施例1のシリカゲル27gを、硝酸第二銅(3水塩)9.1g(比較例3),硝酸ニッケル(6水塩)11.7g(比較例4),硝酸コバルト(6水塩)11.7g(比較例5)を夫々水200mlに溶かした液に、夫々加え、よく攪拌分散させ、これらに水酸化ナトリウム水溶液を滴下して夫々の水酸化物をシリカゲル上に沈着させた。これらを濾取し、よく水洗した後、乾燥し、更に500℃で3時間焼成して夫々の酸化物担持(担持量約10wt%)シリカを調製した。これらのものを夫々触媒として、実施例1と同様にしてNOの還元分解率を調べた。この結果を表1に併せて示した。

0055

実施例11〜14
(触媒の調製)実施例1と同様の方法で調製したNi交換シリカに、滑剤として少量の粉末状のポリエチレングリコールを加え、よく混和した後、1/8″のペレット状に打錠成型した。これを500℃で3時間焼成して供試触媒とした。

0056

(NOxの除去反応)上記のようにして調製した触媒60mlを常圧流通式反応装置に充填して、ディーゼル機関より発生した排ガスに、実施例11では所定量のプロピレンを混合したものを、400℃に保った触媒層に毎分4リットルの流速で送入して反応を行った。実施例13では、上記の排ガスに還元剤としてプロピレンの代わりに軽油を触媒層の入口で毎時0.6mlの割合で添加したものを、実施例11と同様にして触媒層に送入して反応を行った。実施例12及び14では、上記の排ガスをそのまま、実施例11と同様にして触媒層に送入して反応を行った(すなわち、排ガスにプロピレン等の還元剤を添加しないで、該排ガス中の炭化水素,パテキュレート等の還元性物質によりNOxの除去反応を行った)。排ガス及び反応ガス中のNOxを、化学発光式NOx分析計で分析してNOx除去率を算出した。この結果を表2に示した。また、ディーゼル機関の運転条件及び排ガスの組成を表3に示した。

0057

実施例15,参考例
NO還元分解触媒として実施例8のNi交換ジルコニウム1gを反応器の上流に、未反応炭化水素等の酸化触媒として市販の0.5%パラジウム担持アルミナ触媒1gを下流に、夫々充填し、実施例8と同様にしてNOの還元分解率を調べた(実施例15)。この結果を表4に示した。

0058

更に、参考のために、上記の酸化触媒を充填しない場合について、実施例15と同様にしてNOの還元分解率を調べた(参考例)。この結果を表4に併せて示した。

0059

表4から明らかなように、酸化触媒を充填していない参考例では、未反応のプロピレン及び不完全酸化物である一酸化炭素が流出しているが、酸化触媒を充填した実施例15では、完全酸化物である炭酸ガスのみが流出していることが判る。

0060

0061

0062

0063

0064

以上の各表から明らかなように、本発明方法では、過剰の酸素の存在下においても、NOxの還元分解が効率的に起こり、硫黄酸化物を含む実際の排ガスに対して有効であることが判る。

発明の効果

0065

以上詳述したように、本発明方法によれば、酸素が過剰に存在する酸化雰囲気において、効率的に排ガス中のNOxを除去することができる。これは、本発明方法における遷移金属イオン交換処理した金属酸化物を含む触媒が、炭化水素類若しくは含酸素化合物の存在下で、NOxと炭化水素類若しくは含酸素化合物との反応を優先的に促進させるからである。

0066

更に、酸化触媒を使用することにより、反応条件によっては排出されることがある未反応あるいは生成する炭化水素,一酸化炭素,あるいはその他の酸化中間生成物等の公害問題を引き起こす可能性がある物質を完全に酸化して、二酸化炭素及び水蒸気にすることができる。

0067

このように、本発明方法は、ディーゼル機関排ガスをはじめ種々の設備からの排ガス中から効率よくNOxを除去することができ、工業的価値が極めて高いものである。

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