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図面 (15)

構成

画素内にセル厚勾配を設け、且つ該セル厚勾配の方向に画素を分割して複数の副画素で1画素を構成し、1副画素を除いて他の副画素においては、ドメインウォール間の距離をある一定値を下回らないように制御して階調表示を行う強誘電性液晶表示素子

効果

ドメインウォールの結合等による階調表示の乱れが抑えられ、精度の高い階調表示を行なうことができる。

概要

背景

強誘電性液晶FLC)を用いた表示素子に関しては特開昭61−94023号公報等に記載されているように、透明電極を形成し配向処理を施した2枚のガラス基板を、透明電極が内面になるように1〜3μm程度のセルギャップを保って構成した液晶セルに、強誘電性液晶を注入したものが知られている。

強誘電性液晶を用いた上記表示素子の特徴は、2つ有る。1つは、強誘電性液晶が自発分極を持つことにより外部電界と自発分極の結合力とをスイッチングに利用できることであり、もう1つは、強誘電性液晶分子長軸方向が自発分極の向きと1対1に対応しているため外部電極極性によってスイッチングできることである。

強誘電性液晶は、一般にカイラルスメクティック液晶(SmC* SmH*)を用いているのでバルク状態では液晶分子長軸ねじれ配向を示すが、上述の1〜3μm程度のセルギャップを有するセル内に注入した状態にすることにより、液晶分子長軸のねじれを解消できる。この現象については、p213〜p234 N.A.CLARK et al.,MCLC,1983,Vol 94.等に記載されている。

強誘電性液晶は、2つの安定状態光透過状態及び光遮断状態とし、主として2値(明・暗)の表示素子として利用されているが、多値表示、即ち中間調表示も可能である。中間調表示法の1つは、画素内の双安定状態(光透過状態又は光遮断状態)の面積比を制御することにより中間的な光透過状態を実現するものである。上記のような階調表示方法(以下、面積変調法という)について詳しく説明する。

図9は強誘電性液晶素子スイッチングパルス電圧Vと透過光量Iの関係を模式的に示した図であり、初め完全な光遮断(暗)状態にあった画素に一方極性の単発パルス印加した後の透過光量Iを、単発パルスの電圧Vの関数としてプロットしたグラフである。パルス電圧Vが閾値Vth以下の時(V<Vth)透過光量は変化せず、パルス印加後の透過状態は図10(b)のように印加前の状態を示す図10(a)と変わらない。パルス電圧Vが閾値を越えると(Vth<V)画素内の一部分が他方の安定状態、即ち図10(c)に示す光透過状態に遷移し、全体として中間的な透過光量を示す。更にパルス電圧Vが大きくなり、飽和値Vsat 以上(Vsat <V)になると、図10(d)に示すように画素全部が光透過状態になるので光量は一定値に達する(飽和する)。

即ち、面積階調法は画素に印加する電圧を、パルス電圧VがVth<V<Vsatを満たすように制御して、そのパルス電圧Vに対応した中間調を表示するものである。

しかし、上述のような単純な駆動方式を用いると以下に述べるような問題を生じる場合がある。即ち、図9に示した電圧−透過光量の関係がセル厚と温度に依存するため、表示パネル内にセル厚分布温度分布があると、一定の電圧を持つパルス電圧の印加に対して、表示パネルの場所によって異なる階調が表示されてしまう問題が生じる場合がある。

図11は、このことを説明するための図であり、図9と同じく、パルス電圧Vと透過光量Iとの関係を示したグラフであるが、異なった温度における両者の関係、即ち高温での関係を示す曲線Hと低温での関係を示す曲線Lを示している。一般に、表示サイズが大きいディスプレイでは同一パネル内に温度分布が生じてくることは珍しくない。従って、ある駆動電圧Vapによって中間調を表示しようとしても、図11に示すようにI1 からI2 までの範囲にわたって同一パネル内での中間調レベルがばらついてしまい、均一な階調表示状態を得ることができなくなる場合がある。

以上のような問題を解決するために、本出願人が先に提案した駆動法(以下4パルス法という)が既に考え出されている。「4パルス法」は、本願図12,13に示されている通り、1つのパネル内の同一走査線上にあり、互いに異なる閾値を有する複数の画素すべてに対して、複数のパルス(図12パルスA、B、C、D)を印加することにより、図13に示すように最終的には等しい光透過量を得るようにしたものである。尚、図12中T1 、T2 、T3 はパルス(B)、(C)、(D)に同期して設定された選択時間である。また、図13中Q0 、Q0'、Q1 、Q2 、Q3 は画素の階調レベルを示し、Q0 は黒(0%)、Q0'は白(100%)である。図13中の画素は画素内に閾値分布を持ち、図中左側から右側へ向かって(VthからVsat へ向かって)閾値が高くなっている。

さらに、本出願人は本発明に先立ち画素シフト法という駆動法を提案している。画素シフト法は複数の走査信号線に同時に異なる走査信号を入力して、選択することにより、複数の走査線にまたがった電界強度の分布を作り、階調表示をする方式である。

この方法によれば、温度変化による閾値の変動を、複数の走査線に渡って書き込み領域シフトさせることによって吸収できる。

このような駆動法(4パルス法、画素シフト法)は、画素内で一様なしきい値分布があるときに有効で、図4に示したようなセル厚勾配をもったセルにおける駆動に適したものであった。

概要

1画素内にセル厚勾配を設け、且つ該セル厚勾配の方向に画素を分割して複数の副画素で1画素を構成し、1副画素を除いて他の副画素においては、ドメインウォール間の距離をある一定値を下回らないように制御して階調表示を行う強誘電性液晶表示素子

ドメインウォールの結合等による階調表示の乱れが抑えられ、精度の高い階調表示を行なうことができる。

目的

効果

実績

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請求項1

対向配置した1対の電極基板間強誘電性液晶を挟持し、上下電極の交差部で各画素を構成する液晶表示素子であって、各画素内に閾値勾配を設け、且つ各画素の周囲に少なくとも一部に遮光した電極部を設け該遮光電極部とそれにつながる画素部との境界部にドメインウォールを形成しないことを特徴とする強誘電性液晶表示素子

請求項2

閾値勾配がセル厚勾配により設けられていることを特徴とする請求項1記載の強誘電性液晶表示素子。

請求項3

対向配置した1対の電極基板間に強誘電性液晶を挟持し、上下電極の交差部で各画素を構成する液晶表示素子であって、各画素が複数の副画素から構成され、各画素において、1副画素を除く他の副画素においてはドメインウォール間の間隔が一定以上になるように電圧印加することを特徴とする強誘電性液晶表示素子。

請求項4

各画素の周囲の少なくとも一部に遮光した電極部を設け該遮光電極部とそれにつながる画素部との境界にドメインウォールを形成しないことを特徴とする請求項3記載の強誘電性液晶表示素子。

請求項5

対向配置した1対の電極基板間に強誘電性液晶を挟持し、上下電極の交差部で各画素を構成する液晶表示素子であって、各画素内に閾値勾配を設け、該閾値勾配の方向に平行に各画素を複数の副画素に分割し、電極幅が最小の副画素を除く他の副画素においてはドメインウォール間の間隔が一定以上になるように電圧を印加することを特徴とする強誘電性液晶表示素子。

請求項6

閾値勾配がセル厚勾配により設けられていることを特徴とする請求項5記載の強誘電性液晶表示素子。

請求項7

各画素の周囲の少なくとも一部に遮光した電極部を設け該遮光電極部とそれにつながる画素部との境界にドメインウォールを形成しないことを特徴とする請求項5記載の強誘電性液晶表示素子。

請求項8

閾値勾配の方向と平行な方向の電極幅が、閾値勾配の方向に垂直な方向の電極幅よりも長いことを特徴とする請求項5記載の強誘電性液晶表示素子。

技術分野

0001

本発明は、強誘電性液晶FLC)を用いた表示素子に関し、特にマトリクス駆動方式階調表示を行う液晶表示素子に関する。

背景技術

0002

強誘電性液晶(FLC)を用いた表示素子に関しては特開昭61−94023号公報等に記載されているように、透明電極を形成し配向処理を施した2枚のガラス基板を、透明電極が内面になるように1〜3μm程度のセルギャップを保って構成した液晶セルに、強誘電性液晶を注入したものが知られている。

0003

強誘電性液晶を用いた上記表示素子の特徴は、2つ有る。1つは、強誘電性液晶が自発分極を持つことにより外部電界と自発分極の結合力とをスイッチングに利用できることであり、もう1つは、強誘電性液晶分子長軸方向が自発分極の向きと1対1に対応しているため外部電極極性によってスイッチングできることである。

0004

強誘電性液晶は、一般にカイラルスメクティック液晶(SmC* SmH*)を用いているのでバルク状態では液晶分子長軸ねじれ配向を示すが、上述の1〜3μm程度のセルギャップを有するセル内に注入した状態にすることにより、液晶分子長軸のねじれを解消できる。この現象については、p213〜p234 N.A.CLARK et al.,MCLC,1983,Vol 94.等に記載されている。

0005

強誘電性液晶は、2つの安定状態光透過状態及び光遮断状態とし、主として2値(明・暗)の表示素子として利用されているが、多値表示、即ち中間調表示も可能である。中間調表示法の1つは、画素内の双安定状態(光透過状態又は光遮断状態)の面積比を制御することにより中間的な光透過状態を実現するものである。上記のような階調表示方法(以下、面積変調法という)について詳しく説明する。

0006

図9強誘電性液晶素子スイッチングパルス電圧Vと透過光量Iの関係を模式的に示した図であり、初め完全な光遮断(暗)状態にあった画素に一方極性の単発パルス印加した後の透過光量Iを、単発パルスの電圧Vの関数としてプロットしたグラフである。パルス電圧Vが閾値Vth以下の時(V<Vth)透過光量は変化せず、パルス印加後の透過状態図10(b)のように印加前の状態を示す図10(a)と変わらない。パルス電圧Vが閾値を越えると(Vth<V)画素内の一部分が他方の安定状態、即ち図10(c)に示す光透過状態に遷移し、全体として中間的な透過光量を示す。更にパルス電圧Vが大きくなり、飽和値Vsat 以上(Vsat <V)になると、図10(d)に示すように画素全部が光透過状態になるので光量は一定値に達する(飽和する)。

0007

即ち、面積階調法は画素に印加する電圧を、パルス電圧VがVth<V<Vsatを満たすように制御して、そのパルス電圧Vに対応した中間調を表示するものである。

0008

しかし、上述のような単純な駆動方式を用いると以下に述べるような問題を生じる場合がある。即ち、図9に示した電圧−透過光量の関係がセル厚と温度に依存するため、表示パネル内にセル厚分布温度分布があると、一定の電圧を持つパルス電圧の印加に対して、表示パネルの場所によって異なる階調が表示されてしまう問題が生じる場合がある。

0009

図11は、このことを説明するための図であり、図9と同じく、パルス電圧Vと透過光量Iとの関係を示したグラフであるが、異なった温度における両者の関係、即ち高温での関係を示す曲線Hと低温での関係を示す曲線Lを示している。一般に、表示サイズが大きいディスプレイでは同一パネル内に温度分布が生じてくることは珍しくない。従って、ある駆動電圧Vapによって中間調を表示しようとしても、図11に示すようにI1 からI2 までの範囲にわたって同一パネル内での中間調レベルがばらついてしまい、均一な階調表示状態を得ることができなくなる場合がある。

0010

以上のような問題を解決するために、本出願人が先に提案した駆動法(以下4パルス法という)が既に考え出されている。「4パルス法」は、本願図12,13に示されている通り、1つのパネル内の同一走査線上にあり、互いに異なる閾値を有する複数の画素すべてに対して、複数のパルス図12パルスA、B、C、D)を印加することにより、図13に示すように最終的には等しい光透過量を得るようにしたものである。尚、図12中T1 、T2 、T3 はパルス(B)、(C)、(D)に同期して設定された選択時間である。また、図13中Q0 、Q0'、Q1 、Q2 、Q3 は画素の階調レベルを示し、Q0 は黒(0%)、Q0'は白(100%)である。図13中の画素は画素内に閾値分布を持ち、図中左側から右側へ向かって(VthからVsat へ向かって)閾値が高くなっている。

0011

さらに、本出願人は本発明に先立ち画素シフト法という駆動法を提案している。画素シフト法は複数の走査信号線に同時に異なる走査信号を入力して、選択することにより、複数の走査線にまたがった電界強度の分布を作り、階調表示をする方式である。

0012

この方法によれば、温度変化による閾値の変動を、複数の走査線に渡って書き込み領域シフトさせることによって吸収できる。

0013

このような駆動法(4パルス法、画素シフト法)は、画素内で一様なしきい値分布があるときに有効で、図4に示したようなセル厚勾配をもったセルにおける駆動に適したものであった。

発明が解決しようとする課題

0014

画素内で、複数のドメインを形成して透過光量を制御することにより階調表示を行う場合における問題点は、図2に示すように2つのドメインウォールがある距離dより接近すると、結合してしまうという現象があることである。図2(a)は、画素内の特異な2点A,Bで核が発生し、後ドメインウォールが拡大してゆくプロセスの途中で、A,Bより発した2つのドメイン21,22のドメインウォール間の距離がある値dより短くなると結合して(a2)のようになることを示している。この距離dは、配向膜の種類(ポリイミド,SiO斜方蒸着など)によっても異なるし、セル厚によっても異なり、更には強誘電性液晶のSmC* 相での層構造によっても異なる(例えば、シェブロン型もしくはブックシェルフ型、クワジーブックシェルフ型など)。しかしながら、およそドメインウォールである限り、その配向に固有な距離である最小近接ドメイン距離dというものが存在する。そして、その距離未満にあるドメインウォールの存在は非常に不安定で、配向膜表面微少な変化や、印加電圧FF時の反電場の量によりその存在の有無が左右され、更に確率的なゆらぎも大きい。

0015

図2(b)にはセル厚に勾配を設けたセルにおいて一次元的に成長したドメインウォールが、既存のドメインウォールと結合する状況を示す。セル厚勾配の場合には、画素内で、印加電界強度が分布を持っているが、やはり、最小近接ドメイン距離dというものが定義できる。従来例の説明の項で述べたように、階調駆動方法として、4パルス法や、画素シフト法を用いる場合においては画素内で、複数のドメインウォールが存在しなくてはならない。

0016

更に、その最小近接距離dが有限の大きさを持つと、その距離未満のドメインウォールの接近はできないために、階調表示の精度が悪くなってしまう。

0017

図3を用いてこの点を説明する。図3において(a)は画素の断面図であり、セル厚が図中下から上へと増大している。電圧Vを印加するとセル厚d1の部分が最も電界強度が弱くd2の部分が最も電界強度が強い。このような画素に、例えば画素シフト法等で書き込むと(b)のように、同一画素内に2本のドメインウォールを生じることがある。セル厚勾配を持つ方向の画素の長さをlとするとき、図3(b)における画素の白ドメインと黒ドメインの比率は、白ドメインのセル厚勾配方向の幅をxとする時x/l×100(%)と表わされる。

0018

この画素内反転比率(白ドメインと黒ドメインの比率)で階調表示を行うとすると、(b)における2つのドメインウォール21と22を電圧により制御しようとすれば、2つのドメインウォール間隔が、不安定であってはならない。しかしながら、(c)に示したように、2つのドメインウォールがある距離d以下に近づくと、その存在は非常に不安定になり安定的な階調駆動ができない。(c)の限界距離をdとするとこの画素における階調表示の最小単位は、このdによって制約され、階調段数としてはl/d階調しか表示できない。強誘電性液晶のドメインウォールの混在による階調表示にはこのような問題点があった。

課題を解決するための手段

0019

上記のような問題点を解決するために、1つの画素を構成する電極を分割して駆動する方式を提案した。

0020

本願第1の発明は、対向配置した1対の電極基板間に強誘電性液晶を挟持し、上下電極の交差部で各画素を構成する液晶表示素子であって、各画素内に閾値勾配を設け、且つ各画素の周囲に少なくとも一部に遮光した電極部を設け該遮光電極部とそれにつながる画素部との境界部にドメインウォールを形成しないことを特徴とする強誘電性液晶表示素子であり、本願第2の発明は、対向配置した1対の電極基板間に強誘電性液晶を挟持し、上下電極の交差部で各画素を構成する液晶表示素子であって、1画素が複数の副画素から構成され、1副画素を除く他の副画素においてはドメインウォール間の間隔が一定以上になるように電圧を印加することを特徴とする強誘電性液晶表示素子であり、第3の発明は、対向配置した1対の電極基板間に強誘電性液晶を挟持し、上下電極の交差部で各画素を構成する液晶表示素子であって、各画素毎に凹凸を設けて1画素内に閾値勾配を設け、該閾値勾配の方向に平行に1画素を複数の副画素に分割し、電極幅が最小の副画素を除く他の副画素においてはドメインウォール間の間隔が一定以上になるように電圧を印加することを特徴とする強誘電性液晶表示素子である。上記第2及び第3の発明において、画素の周囲の少なくとも一部に遮光した電極部を設け該遮光電極部とそれにつながる画素部との境界にドメインウォールを形成しないことが望ましい。また、第1及び第3の発明においては、閾値勾配がセル厚勾配により設けられていることが好ましい。また、第2の発明において、閾値勾配の方向と平行な方向の電極幅が、閾値勾配の方向に垂直な方向の電極幅よりも長いことが望ましい。

0021

本発明は一次元的な閾値分布ないしは電界強度の分布を、少なくとも局所的に持つものには応用できるが、以下の説明はセル厚分布を画素内に作る方式を例に取って説明する。

0022

図4画素電極の構成を示した。図4(b)は画素の平面図であり、図4(a)に、画素内のセル厚分布を示してある。画素面積は勾配方向の長さをl,それと直交した方向の長さをmとすると、l×mである。また、図中(d)はドメインウォールが接近できる最近接距離である。このような画素を(d)に示したような分割した電極で構成する。(c)には画素内でのセル厚分布を示している。セル厚勾配方向の電極長さはlであり、その直交方向の電極部分の和はm(o+n=m)である。従って、全電極面積としては(b)も(d)も等しい。

0023

図4(d)に示すように、1画素を2つの副画素S1,S2で構成する。この副画素のセル厚勾配方向とは直交方向の電極幅nとmの関係はn×l=m×dという関係が望ましいが配向等によってはdが非常に小さな値を取るので、n×l>m×dという関係に取る方が、プロセス上無理なく実現できるので好ましい。また、n×l<m×dという関係の画素電極を複数個設けることも可能であるが、分割した画素電極の面積の和は、m×d以上でなくてはならない。それは、図4におけるS1のように面積の大きい副画素上に、幅d以下のドメインを形成しないためである。

0024

次に図5を用いて、本発明の作用を説明する。図5において(a1)〜(a4)は図4(b)に相当する、従来の画素構成であり、(b1)〜(b4)は図4(d)に相当する。(a1)〜(a4)、(b1)〜(b4)は、温度T1℃のときの画素の状態であり、(a1)、(b1)は80%の透過率を表わし、(a2)、(b2)は50%の透過率を表わし、(a3)、(b3)は30%の透過率を表わす。(a4)、(b4)はd/l×100%以下の透過率を表わしている。本図においては(a1)〜(a4)の画素に次走査ライン上の画素が0%の時、画素シフト法で書き込んだ場合の温度変動時(T1〜T2)のドメインの動きを示した(T1℃<T2℃)。

0025

(a4)の画素は、画素内ではドメインウォールの最近接距離以下の幅のドメインを持っている。しかし後述の実施例2に示すように、画素外の液晶分子反転できるような電極構成にすれば、上述のドメインの不安定性はない。しかし、このようなセルにおいても、セル全体ないしは当該画素の温度がT1℃からT2℃に上昇した場合には次のような問題が起こる。

0026

図5(c1)〜(c4)は図4の(b)の構成の画素で従来構成の画素を示す。(d1)〜(d4)は本発明にかかる、図4(d)に相当する画素である。また(c1)〜(c4)、(d1)〜(d4)は、前述した画素シフト法を用いて階調表示を行った時の温度T2℃の時の画素の様子である。

0027

図5(c1)、(c2)、(c3)ではドメインウォールの間隔は十分に離れているため、ドメインウォールの結合を生じないが、(c4)に示すようにドメインウォール間の距離が最近接距離d未満の場合には画素によっては不確実なドメインウォールの結合を生じる場合がある。このようなドメインウォールの不安定性が階調表示にとって、望ましくないことは既に述べた。これを改善したのが(b1)〜(b4)(T1℃),(d1)〜(d4)(T2℃)である。(b1)〜(b4),(d1)〜(d4)のうち、(b2),(b3),(d2),(d3)の階調表示においては、従来例と比べて、画素が分割されている以上に特徴はないが、(b1),(b4),(d1),(d4)においては各々の画素への書き込み方法が異なっている。

0028

図5において(a1)は黒ドメインが、(a4)においては白ドメインが、最近接距離d以下になっている。このような、階調表示をする場合においては、(b1),(b4)に示すように図4(d)で示した、S1画素を全部黒もしくは白にして、面積の小さなS2画素を逆に白もしくは黒にする。これは、同一電極内で、ドメイン間隔がdを下回る状態を回避するためであり、副画素S2内に順次書き込んでゆくことによって、d/l×100%以下の階調表示も可能となる。最後には、S2画素内に、最近接距離d以下のドメインが形成されるが、その部分の不安定性が画素全体の階調表示に及ぼす影響は従来例に比べて著しく減少している。そのことを、T2℃のときの画素状態である(c1)〜(c4),(d1)〜(d4)を用いて説明する。

0029

画素シフト法により駆動すると、温度上昇に伴い、画素電極上をドメインウォールが移動する事態が起こる。この時、従来例によると(c4)に示したように、ドメインウォールの結合が生じてしまう。しかるに本発明によれば、T1℃で、b1,b4のように書き込んでおく(S1電極上に最近接距離d以下のドメイン幅を作らない)ことにより、温度変動によっても、(d1),(d4)に示したように、S1電極上にドメインウォールがなくなり、S2電極上に最近接距離d以上の幅のドメインウォールができるのでドメインウォールの結合は発生しない。

0030

しかしながら、S2電極上へ書き込み濃度増していくとついには、最近接距離d以下のドメインが形成されてしまい、それが階調表示の精度を決定する。しかしこの時の精度は従来例に比べて大に改善されている。

0031

従来例によれば、最近接距離をd、セル厚勾配方向の電極長さをlとすると、d/l×100%が最小階調単位となる。

0032

しかし、本発明によれば、図4(d)を参照して画素電極S2上に、できた幅dのドメインの面積の全体に占める割合は
d・n/((o+r)・l)=(d・n)/(m・l)
であり、階調表示の最小単位はdn/ml×100%となる。これは従来例のd/l×100%に比べると、n/mになっている。

0033

次に実施例によって、具体的な効果を検証する。

0034

(実施例1)第1の実施例としては、図1に示したように、1画素を6つの電極によって構成し、画素の長手方向に、セル厚勾配を形成して液晶セルを作成した。図1において6つの電極部は20μm幅電極と、50μm幅電極を1組として、カラーフィルターを併設したもので、Rはカラーフィルタが赤のもの、Gは緑、Bは青を示している。画素間は約15μmで、ITO電極に接触して、金属配線(Mo:1500Å)がなされている。このようにパターニング形成された電極基板上に、Ta2 O5 を約500Å形成して、その上に、日立化成社製のポリイミド系配向膜LQ−1802を約250Åの厚さで塗布焼成(270℃/1hr)した。この基板を、図6(a)の情報信号側電極基板として用い、図7に示した凹凸状の電極基板を図6(b)の走査信号側電極基板として図6中の点線のように、電極面を対向させて組み合わせた。(d1=1.1μm,d2=1.65μm)
図7に示した凹凸基板は、ガラス基板上に、アクリルUV硬化樹脂を用いて図のような凹凸形状を金型からガラス基板上に転写し、その上に、ITO膜スパッタリングにより形成し、さらにITOを、に沿ってパターニングして後、図6(a)の基板同様に、LQ−1802の約250Å薄膜を形成した。ラビング方向は上下基板で同一方向で且つ畝の法線に対し図6基板(a),(b)共に右側に8°傾けて行った。こうすることにより、上下基板間(どちらを上に見ても同じ)で、上基板から下基板へ、右ネジ方向に16°回転したラビング方向を持たせた。使用した液晶は、表1に示したものを用いた。

0035

ID=000003HE=055 WI=104 LX=0530 LY=2050
本実施例における構成においては最近接ドメイン間隔dは約20μmであり、従来例図5(a1)〜(a4)のような画素構成の場合には、階調表示の最小単位は
(d/l)×100=(20/300)×100=6.7%
であったのに比べ、本発明によると
{(d・n)/(m・l)}×100={(20μm・20μm)/(210μm・300μm)}×100=0.63%
となって大巾に階調精度が改善されている。

0036

(実施例2)実施例1において説明した通り、強誘電性液晶のドメイン間には、そのセル構成ないしは配向状態に起因した、最小近接距離dというものが存在する。図5(c4)に示したような、同一電極上に、2つのドメインウォールが存在し、且つその距離がd未満の場合にはドメインウォールの結合が顕著であるが、図5(a1)や(a4)に相当する場合でも図5(c4)のようなドメインウォールの結合(縮少)が生じることがある。これは、画素外のドメインウォールが図5(a1)の場合には白に、図5(a4)の場合には黒になっているような場合である。このように画素内に、ドメインウォールが1本しか存在しない場合でも画素端からのドメインウォールの結合を防ぐために、図8に示すように、画素外も反転する領域を設けることが本実施例の趣旨である。

0037

図8において、81は、基板に対して凹凸な形状を有するITO電極で、82は81に対向して設けられたITO電極である。84はセル厚の厚い部分の勾配方向の電極マージンであり、83はセル厚の薄い部分の電極81のマージンである。このマージン部分も、導体で形成されている(電極81と83,84は、電気的に結合されていて同電位)がITO電極83,84は遮光されていて、画像情報の表示には寄与しない。85のドメインウォールを形成する場合には、図中Xの幅に渡って書き込みを行い、実際に表示されるのはY−Xの部分である。ドメインの結合を完全に防ぐためには、Yの幅がドメインウォールの最近接距離d以上であることが望ましいが、ITO電極83,84にはセル厚の勾配が無い場合などはYがd未満であっても効果があることが確認できた。また、ITO電極83,84にセル厚勾配がある場合でも、Yがない場合に比べれば、Y<dであってもドメインウォールの安定性は大いに改善される。

0038

図8において、90は、ガラス基板上にCr膜蒸着して作った光遮光膜であり、ITO電極83,84の透過光を遮断する役割を持つ。ITO電極83,84は、ITO電極85上の画素内のドメインウォールを安定化させるために設けられたもので、画像情報の表示には寄与しないからである。図8において、Y=20μm,L=300μm、として遮光層90の厚みは約1000Åとした。89は、UV硬化性樹脂を用いて金型による型取り方式で作形し、その上に、ITO膜(1400Å)をスパッタリング法により形成、ITO膜上には、日立化成社製配向膜LQ−1802を約60Åの膜厚で形成し、ラビングは、上下同一方向に行いその方向は、セル厚の勾配方向と同一とした。セル厚はd1=1.65μm,d2=1.1μmとして使用した。強誘電性液晶は、表1に示したものを使用した。

0039

(実施例3)第3の実施例において、図14に示したセル構成を実現した。図14において、141はガラス基板、142は金属配線であり、143はITO電極、144は配向膜である。145はUV硬化樹脂であり、146は金属配線である。147は表1に示した、強誘電性液晶である。ラビング方向は、上下基板とも同一方向で、その方向は図14で右側から左側に向けで行った。

0040

本実施例では、セル厚勾配を持つ画素の勾配側に金属配線を兼ねた遮光層を設けた。金属配線142は、約5000Åの膜厚を持ち、UV硬化樹脂146は3000Åの膜厚を持ち、金属はMoをスパッタにより形成、パターンエッチングして形成した。

0041

金属配線142はその厚みに差を付けることで、配向を均一に行うことができる。金属配線146は3000Å程度以下が望ましく、金属配線142はUV硬化樹脂145との段差が3000Å以下になる厚さに形成することが、配向制御上望ましい。(ラビング処理上のムラを防止できる)

発明の効果

0042

以上説明してきたように、画素内に複数のドメインウォールを形成して階調表示を行う場合において、ドメインウォール間隔がドメインウォールの結合等の不安定性を生じる距離未満にならないように、副画素を用いて、階調表示をすることで、良好な階調表示が得られた。尚これはセル厚勾配法に限定されるものではない。

図面の簡単な説明

0043

図1本発明の実施例の画素構成を示す図である。
図2ドメインウォールの結合の説明図である。
図3画素シフト法等におけるドメインウォールの結合の説明図である。
図4本発明の画素構成を示す図である。
図5本発明の作用の説明図である。
図6本発明の実施例の電極構成を示す図である。
図7本発明の実施例のセル厚勾配を示す図である。
図8本発明のその他の実施例を示す図である。
図9強誘電性液晶素子のスイッチングパルス電圧と透過光量の関係を模式的に示した図である。
図10パルス電圧による透過状態を示す図である。
図11温度分布による閾値特性ズレの説明図である。
図124パルス法の説明図である。
図134パルス法の説明図である。
図14本実施例のセル厚勾配を示す図である。

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