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技術 廃棄物の固化方法及びその装置並びに固化体及び固化材

出願人 株式会社日立製作所株式会社日立パワーソリューションズ
発明者 西高志松田将省野下健司菊池恂泉田龍男玉田慎木内好正
出願日 1992年9月18日 (28年2ヶ月経過) 出願番号 1992-249937
公開日 1994年4月15日 (26年7ヶ月経過) 公開番号 1994-102397
状態 特許登録済
技術分野 固体廃棄物の処理 汚染除去及び汚染物処理
主要キーワード 薬剤貯蔵タンク 吸着皮膜 金属廃材 空隙面積 水酸イオン濃度 沈殿皮膜 標準組成 圧縮塊
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1994年4月15日)のものです。
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図面 (12)

目的

本発明の目的は不燃性雑固体廃棄物焼却灰等の廃棄物の固化において、廃棄物に含まれる両性金属固型化材との反応による水素ガスの発生を防止し、人工バリアとしての性能が確保された健全固化体を提供することにある。

構成

本発明では両性金属と固型化材との反応抑制のため、

(1)固化材に両性金属の表面に保護皮膜を生成する

(2)固化材にセメント水和反応を促進する

(3)固化材のアルカリ度の低減化

の3つの手段のいずれか1つまたは任意の複数を実施することを特徴とする。

効果

本発明によれば、廃棄物をその分別や前処理を必要としない簡便な方法で健全な固化体を作成することができる。

概要

背景

原子力発電所等から発生する放射性廃棄物を最終的に地下埋設処分するためには、廃棄物に含まれる放射性核種が外部に拡散しにくいような処理を施す、即ち廃棄物を専用容器内に安定な形態に固型化処理して人工的なバリアを付与することが要求されている。このような固型化材料には、従来よりアスファルトプラスチックセメントをはじめとする水硬性固化材モルタルコンクリートは一般的な材料で、かつ安価で強度等の物性に優れた材料であり、放射性非放射性に係わらず廃棄物の固型化材に広く使用されている。特にセメント系の固化材は安価であり、取扱,固化操作が容易であるため広く用いられている。セメントの中は一般に高アルカリ性であり、放射性核種であるコバルト−60やニッケル−63,超ウラン元素等が水酸化物沈殿として固定化されるため、放射性核種を封じ込める人工バリア材として好適である。耐熱性耐放射線性に優れることも利点の一つとしてあげられる。

原子力発電所から発生する放射性廃棄物には、定期検査等の現場作業で発生する配管バルブ類金属廃材保温材コンクリート片使用済みのHEPAフィルタ等の不燃性雑固体廃棄物がある。また、可燃性の雑固体廃棄物を焼却処理したときに発生する焼却灰がある。可燃性の廃棄物を焼却した後の焼却灰や不燃性の雑固体廃棄物中には、アルミニウム亜鉛といった金属が含まれている場合がしばしばあり、またガス炉ではMagnox燃料を構成するスプリッタアルミニウム合金が使われており、使用済み燃料に伴って廃アルミニウム合金が発生する。従って、これらの金属を健全な人工バリア機能を有した状態でこれらの廃棄物を固型化処理する技術の開発が求められている。しかし、これらの廃棄物はそのままドラム缶に詰め、発電所内に保管されているのが現状であり、安定な固化体に固型化処理し、地下埋設処分することが強く望まれている。

不燃性雑固体廃棄物や焼却灰をセメント等のアルカリ系の固化材で固化した場合、しばしば物性の好ましくない固化体ができることが指摘されている。その原因としてこれらの廃棄物にはセメント中アルカリ成分と反応して水素ガスを発生する金属片、あるいは金属粉が微量含まれており、セメントが硬化する途中でアルミニウム等の金属と反応して水素を発生させ、その水素が固化体中気泡や亀裂を発生させることが明らかになってきた。しかし、金属同志は外観も類似しており、該当する金属片や金属粉だけを廃棄物中から分別することは物理的に困難な状況にある。

このような固化時の問題点を解決したものとして、特公平2−62200号公報,特開平4-200680号公報及び特開昭57−51163公報に記載されたものがある。

概要

本発明の目的は不燃性の雑固体廃棄物,焼却灰等の廃棄物の固化において、廃棄物に含まれる両性金属と固型化材との反応による水素ガスの発生を防止し、人工バリアとしての性能が確保された健全な固化体を提供することにある。

本発明では両性金属と固型化材との反応抑制のため、

(1)固化材に両性金属の表面に保護皮膜を生成する

(2)固化材にセメントの水和反応を促進する

(3)固化材のアルカリ度の低減化

の3つの手段のいずれか1つまたは任意の複数を実施することを特徴とする。

本発明によれば、廃棄物をその分別や前処理を必要としない簡便な方法で健全な固化体を作成することができる。

目的

本発明の第1の目的は、廃棄物をアルカリ性の固化材で固化する処理において、廃棄物の前処理や分別処理を必要としない、かつ固化材の特性を十分に発揮でき、廃棄物に含まれる両性金属と固化材の反応による水素ガスの発生を抑制できる廃棄物の固化方法及び固化装置並びに固化体及び固化材を提供することにある。

本発明の第2の目的は、廃棄物をアルカリ性の固化材で固化する処理において、前処理工程で、廃棄物に含まれる両性金属と固化材の反応による水素ガスの発生を抑制できる廃棄物の固化方法及び固化装置並びに固化体及び固化材を提供することにある。

本発明の第3の目的は、廃棄物をアルカリ性の固化材で固化する処理において、廃棄物に含まれる両性金属と固化材の反応による水素ガスの発生をほぼゼロにする廃棄物の固化方法及び固化装置又は水素ガスの発生をほぼゼロにした固化体を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
5件
牽制数
11件

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請求項1

両性金属を含む放射性廃棄物セメント系の水硬性固化材固化する固化方法において、前記両性金属の表面に水素発生を防止する保護皮膜を形成する薬剤を配合することを特徴とする廃棄物の固化方法。

請求項2

前記薬剤は、前記放射性廃棄物を固化する時に前記固化材と配合されることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物の固化方法。

請求項3

前記薬剤は、前記固化材と事前に配合され、その後前記放射性廃棄物を固化することを特徴とする請求項1に記載の廃棄物の固化方法。

請求項4

両性金属を含む放射性廃棄物をセメント系の水硬性固化材で固化する固化方法において、薬剤で前記両性金属の表面に水素発生を防止する保護皮膜を形成するステップと、少なくとも前記固化剤混練水とを混練するステップと、及び前記放射廃棄物を前記混練物で固化するステップを有することを特徴とする廃棄物の固化方法。

請求項5

両性金属を含む放射性廃棄物をセメント系の水硬性固化材で固化する固化方法において、前記両性金属の表面に水素発生を防止する保護皮膜を形成する薬剤と前記固化剤及び混練水とを混練するステップと、前記放射性廃棄物を固化容器投入するステップと、及び前記混練物を前記固化容器に注入し前記放射性廃棄物を固化するステップを有することを特徴とする廃棄物の固化方法。

請求項6

両性金属を含む放射性廃棄物をセメント系の水硬性固化材で固化する固化方法において、前記両性金属の表面に水素発生を防止する保護皮膜を形成する薬剤と前記固化剤と及び混練水及び前記放射性廃棄物とを混練するステップと、前記混練物を前記固化容器に注入し前記放射性廃棄物を固化するステップを有することを特徴とする廃棄物の固化方法。

請求項7

両性金属を含む放射性廃棄物をセメント系の水硬性固化材で固化する固化方法において、少なくとも前記固化材及び混練水とを混練するステップと、薬剤で前記両性金属の表面に水素発生を防止する保護皮膜を形成するステップと、前記保護皮膜形成後、前記混練物で前記放射性廃棄物を固化するステップを有することを特徴とする廃棄物の固化方法。

請求項8

前記薬剤は、無機リン酸及びその中性塩有機リン酸及びその中性塩(ホスホン酸塩),重合リン酸及びその中性塩,ポリリン酸珪素ケイ酸及びその中性塩,重合ケイ酸及びその中性塩,硝酸塩リチウムを含有する無機塩極性基電気陰性度の高い元素を含む有機化合物並びに両性金属のキレート化剤の中から選ばれた物であることを特徴とする請求項1,4,5,6又は7に記載の廃棄物の固化方法。

請求項9

前記放射性廃棄物は原子力発電所から発生する不燃性雑固体廃棄物及び可燃性廃棄物焼却処理により発生する焼却灰のうちいずれか一方を含むことを特徴とする請求項1,4,5,6又は7に記載の廃棄物の固化方法。

請求項10

更に、前記両性金属の表面に水素発生を防止する保護皮膜を形成する薬剤とともに前記固化材のアルカリ度を低下させる薬剤で処理することを特徴とする請求項1,4,5又は6に記載の廃棄物の固化方法。

請求項11

両性金属を含む廃棄物をアルカリ性固化材で固化する固化方法において、酸化皮膜沈殿皮膜又は吸着皮膜のいずれかを前記両性金属の表面に形成することを特徴とする廃棄物の固化方法。

請求項12

両性金属を含む廃棄物を固化材で固化する固化方法において、前記両性金属の表面に水素発生を防止する保護皮膜を形成することを特徴とする廃棄物の固化方法。

請求項13

両性金属を含む放射性廃棄物をセメント系の水硬性固化材で固化する固化方法において、前記固化材の水和反応を促進する薬剤を配合することを特徴とする廃棄物の固化方法。

請求項14

前記薬剤は、前記放射性廃棄物を固化する時に前記固化材と配合されることを特徴とする請求項13に記載の廃棄物の固化方法。

請求項15

前記薬剤は、前記固化材と事前に配合され、その後前記放射性廃棄物を固化することを特徴とする請求項13に記載の廃棄物の固化方法。

請求項16

両性金属を含む放射性廃棄物をセメント系の水硬性固化材で固化する固化方法において、薬剤で前記固化材の水和反応を促進するステップと、少なくとも前記固化材と混練水とを混練するステップと、及び前記放射性廃棄物を前記混練物で固化するステップを有することを特徴とする廃棄物の固化方法。

請求項17

両性金属を含む放射性廃棄物をセメント系の水硬性固化材で固化する固化方法において、前記固化材の水和反応を促進する薬剤と前記固化材及び混練水を混練するステップと、前記放射性廃棄物を固化容器に投入するステップと、及び前記混練物を前記固化容器に注入し前記放射性廃棄物を固化するステップを有することを特徴とする廃棄物の固化方法。

請求項18

両性金属を含む放射性廃棄物をセメント系の水硬性固化材で固化する固化方法において、前記固化材の水和反応を促進する薬剤と前記固化材と及び混練水及び前記放射性廃棄物とを混練するステップと、前記混練物を前記固化容器に注入し前記放射性廃棄物を固化するステップを有することを特徴とする廃棄物の固化方法。

請求項19

前記薬剤は、カルシウムを含有する無機塩,ケイ酸ナトリウム水ガラス),CaO,Al2O3の焼結体であるアルミン酸カルシウム類,明礬石(アルイト)の中から選ばれた物であることを特徴とする請求項13,16,17又は18に記載の廃棄物の固化方法。

請求項20

前記放射性廃棄物は原子力発電所から発生する不燃性の雑固体廃棄物及び可燃性廃棄物の焼却処理により発生する焼却灰のうちいずれか一方を含むことを特徴とする請求項13,16,17又は18に記載の廃棄物の固化方法。

請求項21

更に、前記固化材の水和反応を促進する薬剤とともに前記固化材のアルカリ度を低下させる薬剤を処理することを特徴とする請求項13,16,17又は18に記載の廃棄物の固化方法。

請求項22

更に、前記固化材の水和反応を促進する薬剤とともに前記両性金属の表面に水素発生を防止する保護皮膜を形成する薬剤で処理することを特徴とする請求項13,16,17又は18に記載の廃棄物の固化方法。

請求項23

更に、前記固化材の水和反応を促進する薬剤とともに前記両性金属の表面に水素発生を防止する保護皮膜を形成する薬剤と前記固化材のアルカリ度を低下させる薬剤とで処理することを特徴とする請求項13,16,17又は18に記載の廃棄物の固化方法。

請求項24

前記固化材のアルカリ度を低下させる薬剤は、前記固化材中のアルカリ成分であるNa2O,K2O,CaOをSiO2 ,Al2O3を主成分とする無機材で置換し、Na2O,K2O,CaOの含有割合低減化調整するものであることを特徴とする請求項10,21又は23に記載の廃棄物の固化方法。

請求項25

両性金属を含む廃棄物を水の存在下でアルカリ性固化材で固化する固化方法において、前記固化材の水和反応を促進させるステップを有することを特徴とする廃棄物の固化方法。

請求項26

両性金属を含む放射性廃棄物をセメント系の水硬性固化材で固化する固化装置において、前記両性金属の表面に水素発生を防止する保護皮膜を形成させる手段を有することを特徴とする廃棄物の固化装置。

請求項27

両性金属を含む放射性廃棄物をセメント系の水硬性固化材と混練水とで固化する固化装置において、前記両性金属の表面に水素発生を防止する保護皮膜を形成する薬剤を保持する手段と、前記固化材を保持する手段と、前記混練水を保持する手段と、少なくとも前記固化材と前記混練水とが供給されそれらを混練する手段と、及び前記混練物によって前記放射性廃棄物を固化する手段を有することを特徴とする廃棄物の固化装置。

請求項28

両性金属を含む放射性廃棄物をセメント系の水硬性固化材と混練水とで固化する固化装置において、前記両性金属の表面に水素発生を防止する保護皮膜を形成する薬剤を保持する手段と,前記固化材を保持する手段と,前記混練水を保持する手段と,前記薬剤と前記固化材及び前記混練水とが供給されそれらを混練する手段と,前記放射性廃棄物を固化容器に投入する手段と、及び前記混練物を前記固化容器に注入し前記放射性廃棄物を固化する手段を有することを特徴とする廃棄物の固化装置。

請求項29

両性金属を含む放射性廃棄物をセメント系の水硬性固化材と混練水とで固化する固化装置において、前記両性金属の表面に水素発生を防止する保護皮膜を形成する薬剤を保持する手段と,前記固化材を保持する手段と,前記混練水を保持する手段と,前記放射性廃棄物を保持する手段と,前記薬剤と前記固化材と前記放射性廃棄物及び前記混練水とが供給されそれらを混練する手段と,前記混練物を前記固化容器に注入する手段を有することを特徴とする廃棄物の固化装置。

請求項30

両性金属を含む放射性廃棄物をセメント系の水硬性固化材と混練水とで固化する固化装置において、前記両性金属の表面に水素発生を防止する保護皮膜を形成する薬剤を保持する手段と,前記放射性廃棄物を固化容器に投入する手段と,前記薬剤を前記薬剤保持手段から前記固化容器に注入する手段と,前記固化材を保持する手段と,前記混練水を保持する手段と,前記固化材及び前記混練水とが供給されそれらを混練する手段と,前記混練物を前記固化容器に注入する手段とを有することを特徴とする廃棄物の固化装置。

請求項31

前記保護皮膜を形成する薬剤は、無機リン酸及びその中性塩,有機リン酸及びその中性塩(ホスホン酸塩),重合リン酸及びその中性塩,ポリリン酸珪素,ケイ酸及びその中性塩,重合ケイ酸及びその中性塩,硝酸塩,リチウムを含有する無機塩,極性基に電気陰性度の高い元素を含む有機化合物並びに両性金属のキレート化剤の中から選ばれた物であることを特徴とする請求項27,28,29又は30に記載の廃棄物の固化装置。

請求項32

両性金属を含む廃棄物を固化材で固化する固化装置において、前記両性金属の表面に水素発生を防止する保護皮膜を形成する手段を有することを特徴とする廃棄物の固化装置。

請求項33

両性金属を含む放射性廃棄物をセメント系の水硬性固化材で固化する固化装置において、前記固化材の水和反応を促進する手段を有することを特徴とする廃棄物の固化装置。

請求項34

両性金属を含む放射性廃棄物をセメント系の水硬性固化材と混練水とで固化する固化装置において、前記固化材の水和反応を促進する薬剤を保持する手段と,前記固化材を保持する手段と,前記混練水を保持する手段と,少なくとも前記固化材と前記混練水とが供給されそれらを混練する手段と,及び前記混練物によって前記放射性廃棄物を固化する手段を有することを特徴とする廃棄物の固化装置。

請求項35

両性金属を含む放射性廃棄物をセメント系の水硬性固化材と混練水とで固化する固化装置において、前記固化材の水和反応を促進する薬剤を保持する手段と,前記固化材を保持する手段と,前記混練水を保持する手段と,前記薬剤と前記固化材及び前記混練水とが供給されそれらを混練する手段と,前記放射性廃棄物を固化容器に投入する手段と、及び前記混練物を前記固化容器に注入し前記放射性廃棄物を固化する手段を有することを特徴とする廃棄物の固化装置。

請求項36

両性金属を含む放射性廃棄物をセメント系の水硬性固化材と混練水とで固化する固化装置において、前記両性金属の表面に水素発生を防止する保護皮膜を形成する薬剤を保持する手段と,前記固化材を保持する手段と,前記混練水を保持する手段と,前記放射性廃棄物を保持する手段と,前記薬剤と前記固化材と前記放射性廃棄物及び前記混練水とが供給されそれらを混練する手段と,前記混練物を前記固化容器に注入する手段を有することを特徴とする廃棄物の固化装置。

請求項37

前記薬剤を保持する手段は、前記固化材を保持する手段と同一であることを特徴とする請求項34,35又は36に記載の廃棄物の固化装置。

請求項38

前記薬剤は、カルシウムを含有する無機塩,ケイ酸ナトリウム(水ガラス),CaO,Al2O3の焼結体であるアルミン酸カルシウム類,明礬石(アルナイト)の中から選ばれた物であることを特徴とする請求項34,35又は36に記載の廃棄物の固化装置。

請求項39

前記放射性廃棄物は原子力発電所から発生する不燃性の雑固体廃棄物及び可燃性廃棄物の焼却処理により発生する焼却灰のうちいずれか一方を含むことを特徴とする請求項26,27,28,29,30,33,34,35又は36に記載の廃棄物の固化装置。

請求項40

前記薬剤を保持する手段は、前記固化材を保持する手段と同一であることを特徴とする請求項27,28,29,30,34,35又は36に記載の廃棄物の固化装置。

請求項41

両性金属を含む廃棄物を水の存在下でアルカリ性固化材で固化する固化装置において、前記固化材の水和反応を促進させる手段を有することを特徴とする廃棄物の固化装置。

請求項42

両性金属を含む放射性廃棄物をセメント系の水硬性固化材と混練水とで固化して得られる固化体において、前記両性金属の表面に水素発生を防止する保護皮膜を形成させる薬剤を添加して得られることを特徴とする固化体。

請求項43

前記保護皮膜を形成する薬剤は、無機リン酸及びその中性塩,有機リン酸及びその中性塩(ホスホン酸塩),重合リン酸及びその中性塩,ポリリン酸珪素,ケイ酸及びその中性塩,重合ケイ酸及びその中性塩,硝酸塩,リチウムを含有する無機塩,極性基に電気陰性度の高い元素を含む有機化合物並びに両性金属のキレート化剤の中から選ばれた物であることを特徴とする請求項42に記載の固化体。

請求項44

両性金属を含む廃棄物を固化材で固化して得られる固化体において、前記両性金属の表面に水素発生を防止する保護皮膜を形成させる薬剤を添加して得られることを特徴とする固化体。

請求項45

両性金属を含む放射性廃棄物をセメント系の水硬性固化材と混練水とで固化して得られる固化体において、前記固化材の水和反応を促進する薬剤を添加して得られることを特徴とする固化体。

請求項46

前記薬剤は、カルシウムを含有する無機塩,ケイ酸ナトリウム(水ガラス),CaO,Al2O3の焼結体であるアルミン酸カルシウム類,明礬石(アルナイト)の中から選ばれた物であることを特徴とする請求項45に記載の廃棄物の固化体。

請求項47

前記放射性廃棄物は原子力発電所から発生する不燃性の雑固体廃棄物及び可燃性廃棄物の焼却処理により発生する焼却灰のうちいずれか一方を含むことを特徴とする請求項42又は45に記載の固化体。

請求項48

両性金属を含む廃棄物を水の存在下でアルカリ性固化材で固化して得られる固化体において、前記固化材の水和反応を促進させる薬剤を添加して得られることを特徴とする固化体。

請求項49

両性金属を含む廃棄物を固化するための固化材であって、前記固化材はセメント系の水硬性固化材と前記両性金属の表面に水素発生を防止する保護皮膜を形成させる薬剤とを有していることを特徴とする固化材。

請求項50

両性金属を含む廃棄物を固化するための固化材であって、前記固化材は固化するための混練水と前記両性金属の表面に水素発生を防止する保護皮膜を形成させる薬剤とを有していることを特徴とする固化材。

請求項51

前記保護皮膜を形成する薬剤は、無機リン酸及びその中性塩,有機リン酸及びその中性塩(ホスホン酸塩),重合リン酸及びその中性塩,ポリリン酸珪素,ケイ酸及びその中性塩,重合ケイ酸及びその中性塩,硝酸塩,リチウムを含有する無機塩,極性基に電気陰性度の高い元素を含む有機化合物並びに両性金属のキレート化剤の中から選ばれた物であることを特徴とする請求項49又は50に記載の固化材。

請求項52

廃棄物を固化するための固化材であって、前記固化材はセメント系の水硬性固化材と前記水硬性固化材の水和反応を促進する薬剤とを有していることを特徴とする固化材。

請求項53

廃棄物を固化するための固化材であって、前記固化材は固化するための混練水と固化時に使用されるセメント系の水硬性固化材の水和反応を促進する薬剤とを有していることを特徴とする固化材。

請求項54

前記薬剤は、カルシウムを含有する無機塩,ケイ酸ナトリウム(水ガラス),CaO,Al2O3の焼結体であるアルミン酸カルシウム類,明礬石(アルナイト)の中から選ばれた物であることを特徴とする請求項52又は53に記載の固化材。

技術分野

0001

本発明は廃棄物の固化固型化)方法及びその装置並びに固化によって得られる固化材及びその固化材に係わり、特に原子力発電所から発生する不燃性雑固体廃棄物あるいは可燃性固体焼却処理で発生する焼却灰固化方法及びその装置並びに固化によって得られる固化材及びその固化材に関する。

背景技術

0002

原子力発電所等から発生する放射性廃棄物を最終的に地下埋設処分するためには、廃棄物に含まれる放射性核種が外部に拡散しにくいような処理を施す、即ち廃棄物を専用容器内に安定な形態に固型化処理して人工的なバリアを付与することが要求されている。このような固型化材料には、従来よりアスファルトプラスチックセメントをはじめとする水硬性固化材モルタルコンクリートは一般的な材料で、かつ安価で強度等の物性に優れた材料であり、放射性非放射性に係わらず廃棄物の固型化材に広く使用されている。特にセメント系の固化材は安価であり、取扱,固化操作が容易であるため広く用いられている。セメントの中は一般に高アルカリ性であり、放射性核種であるコバルト−60やニッケル−63,超ウラン元素等が水酸化物沈殿として固定化されるため、放射性核種を封じ込める人工バリア材として好適である。耐熱性耐放射線性に優れることも利点の一つとしてあげられる。

0003

原子力発電所から発生する放射性廃棄物には、定期検査等の現場作業で発生する配管バルブ類金属廃材保温材コンクリート片使用済みのHEPAフィルタ等の不燃性の雑固体廃棄物がある。また、可燃性の雑固体廃棄物を焼却処理したときに発生する焼却灰がある。可燃性の廃棄物を焼却した後の焼却灰や不燃性の雑固体廃棄物中には、アルミニウム亜鉛といった金属が含まれている場合がしばしばあり、またガス炉ではMagnox燃料を構成するスプリッタアルミニウム合金が使われており、使用済み燃料に伴って廃アルミニウム合金が発生する。従って、これらの金属を健全な人工バリア機能を有した状態でこれらの廃棄物を固型化処理する技術の開発が求められている。しかし、これらの廃棄物はそのままドラム缶に詰め、発電所内に保管されているのが現状であり、安定な固化体に固型化処理し、地下埋設処分することが強く望まれている。

0004

不燃性雑固体廃棄物や焼却灰をセメント等のアルカリ系の固化材で固化した場合、しばしば物性の好ましくない固化体ができることが指摘されている。その原因としてこれらの廃棄物にはセメント中アルカリ成分と反応して水素ガスを発生する金属片、あるいは金属粉が微量含まれており、セメントが硬化する途中でアルミニウム等の金属と反応して水素を発生させ、その水素が固化体中気泡や亀裂を発生させることが明らかになってきた。しかし、金属同志は外観も類似しており、該当する金属片や金属粉だけを廃棄物中から分別することは物理的に困難な状況にある。

0005

このような固化時の問題点を解決したものとして、特公平2−62200号公報,特開平4-200680号公報及び特開昭57−51163公報に記載されたものがある。

発明が解決しようとする課題

0006

特公平2−62200号公報には、焼却灰をセメントで固化するにあたり、焼却灰とアルカリを予め混合し固化前に水素ガスの発生をある程度終了させておき、セメントと焼却灰との混合後の水素発生を抑制する方法が開示されている。また同公報には、焼却灰であるZnOやPbOがセメント固化時の水和反応の進行を阻害することが開示されている。

0007

しかし、前者の方法によれば、焼却灰のセメント固化において前処理工程が必要となり、アルミニウム等の金属の含有量が多いときには前処理に長時間を要する。逆に両性金属を含有していない焼却灰に対しても無駄な前処理を施す結果となる。また、この前処理工程で金属は溶解するので金属が汚染している場合や放射化している場合には、放射性核種を処理溶液に分散する結果となり、固化体の人工バリアとしての隔離性能を確保するためには、新たな対策が必要となる。更に、前処理工程で可燃性ガスである水素を多量に発生することは、安全上好ましくない。

0008

また後者の水和に関する記述は、ZnOやPbOがセメント固化時の水和反応の進行を阻害することが開示されているのみであり、水和反応を促進することが水素の発生を抑制できるとする本願発明の要旨とは全く関係ない。

0009

二番目の特開平4−200680 号公報には、アルミニウムを含有する不燃性雑固体のセメント固化において、固化時のセメント中のアルカリ成分を制御し、セメントの混練後の混練物であるセメントペーストのpHを13以下に低減することにより、水素発生を抑制した固化体を作成する方法が開示されている。

0010

しかし、同公報に開示された方法によれば、ペーストのpHを低減することにより水素の発生を低減することができるが、発生量をほぼゼロとみなせるレベルまで下げることはできない。また、前述したように高アルカリであることがコバルト−60,ニッケル−63等が安定して固化される要件であるので、セメントのpHを下げ過ぎると、セメント本来の持つ放射性核種を安定に固化できる機能を低下させる結果となる。

0011

このような金属がセメントのようなアルカリ性物質と反応し、水素を発生する問題は必ずしも放射性廃棄物処理固有の問題ではなく、一般の産業廃棄物の分野でも問題視されている。特開昭57−51163 号公報では、都市ゴミの焼却灰や産業廃棄物を固化材に相当する添加剤結合剤を加えて成形するときに、アルミニウムがアルカリと反応して水素を発生するという事象に対して、アルミニウムが水素ガスを発生せずに安定なpH5〜9の中性に近い条件において所定の成形物を得る方法、及び事前にpH10〜12という高アルカリ条件下で含有アルミニウムを全て反応させた後に所定の成形物を作成することにより、物性の優れた成形物ができることを開示している。

0012

しかし、前者の方法は、pHが5〜9以外の媒質(例えばセメント系の水硬性固化材)を用いて固型化することは困難である。また、後者の方法は、事前にアルカリ雰囲気でアルミニウムを前処理した後、固型化する方法では特願平2− 62200 号公報に開示されている方法と同様の問題がある。

0013

本発明の第1の目的は、廃棄物をアルカリ性の固化材で固化する処理において、廃棄物の前処理や分別処理を必要としない、かつ固化材の特性を十分に発揮でき、廃棄物に含まれる両性金属と固化材の反応による水素ガスの発生を抑制できる廃棄物の固化方法及び固化装置並びに固化体及び固化材を提供することにある。

0014

本発明の第2の目的は、廃棄物をアルカリ性の固化材で固化する処理において、前処理工程で、廃棄物に含まれる両性金属と固化材の反応による水素ガスの発生を抑制できる廃棄物の固化方法及び固化装置並びに固化体及び固化材を提供することにある。

0015

本発明の第3の目的は、廃棄物をアルカリ性の固化材で固化する処理において、廃棄物に含まれる両性金属と固化材の反応による水素ガスの発生をほぼゼロにする廃棄物の固化方法及び固化装置又は水素ガスの発生をほぼゼロにした固化体を提供することにある。

課題を解決するための手段

0016

前記第1及び第2の目的は、廃棄物をアルカリ性の固化材で固化する処理において、固化処理時に、廃棄物に含まれる両性金属の表面に保護皮膜を生成することにより達成される。

0017

また、前記第2の目的は、廃棄物をアルカリ性の固化材で固化する処理において、固化処理前に、廃棄物に含まれる両性金属の表面に保護皮膜を生成することにより達成される。

0018

また、前記第1及び第2の目的は、廃棄物をアルカリ性の固化材で固化する処理において、固化処理時に、固化材の水和反応を促進することによっても達成される。

0019

さらに、前記第3の目的は、廃棄物をアルカリ性の固化材で固化する処理において、廃棄物に含まれる両性金属の表面に保護皮膜を生成する、固化材の水和反応を促進する、本来固化材の有しているアルカリ度を低下させることのうち少なくとも2つ以上の手段を用いることによって達成される。

0020

本発明で言う両性金属には酸性液中でもアルカリ性液中でも溶解してイオン化し、同時に水素を発生する性質を持つ金属で、具体的にはアルミニウム,亜鉛,すず,鉛及びこれらの金属を主成分とする合金等が該当する。

0021

また、本発明で言うアルカリ性固化材としては、セメント系の水硬性固化材が一般的である。セメント系の水硬性固化材にはCaO,SiO2 ,Al2O3を主成分とする普通ポルトランドセメント早強ポルトランドセメント耐硫酸塩ポルトランドセメント高炉セメントシリカセメントケイ酸ナトリウム水ガラス),フライアッシュセメントアルミナセメント膨張セメント油井セメント等を水と混練したペースト、それに砂等の粉末状骨材を配合したモルタル、さらに砂利等の粒状の粗骨材を配合したコンクリートが該当する。

0022

アルカリ性固化材と両性金属の反応を模式的にあらわすと次のように表すことができる。

0023

金属+水+水酸イオン→ 金属の水酸化物イオン+水素(数1)
数1を用いて各解決するための手段を説明する。

0024

第1に、保護皮膜を形成する手段を説明する。この手段は、数1の左辺において、金属自身に作用し、金属表面に保護皮膜、即ちイオンの拡散を遅延する層を形成することにより、式1の反応速度を低下させる、即ち水素発生速度を低下させる。前記保護皮膜を形成するには薬剤を添加することが望ましい。この保護皮膜には大別して(1)酸化皮膜不動態皮膜)(2)沈殿皮膜(3)吸着皮膜の三つのタイプがある。このうち、両性金属の酸化皮膜はアルカリ中で耐食性がなく、酸化皮膜を生成するタイプの薬剤は、アルカリ性固化材中で使用するのには適切ではなく、アルカリ性固化材中では沈殿皮膜,吸着皮膜を生成する薬剤が適することを、発明者らの実験によってわかった。両性金属の表面に不溶性の沈殿皮膜を生成するタイプの薬剤としては、無機リン酸塩及びその中性塩有機リン酸塩及びその中性塩(ホスホン酸塩),重合リン酸塩及びその中性塩,ポリリン酸珪素ケイ酸塩及びその中性塩,重合ケイ酸塩及びその中性塩,硝酸塩リチウムを含有する無機塩等がある。又、金属表面に静電的にまたは化学的吸着皮膜を形成するタイプの薬剤としては、アミン類メルカプタン及びアルキルベンゼンスルホン酸類のように極性基窒素酸素,燐,イオウ等の電気陰性度の高い元素を含む有機化合物、並びにヒドロキシキノリン等のキレート化剤等がある。これらの薬剤を、例えば固化材に配合して、水で混練し、廃棄物を固型化する際には、これらの薬剤は水に溶解,分散し、廃棄物中の両性金属表面で作用し皮膜を形成する。

0025

これらの薬剤の添加量は、固化材に対して0.1 〜10%が適量であり、固化処理前に金属に直接保護皮膜を形成しても、固化時において固化材の混練前に固化材粉末または混練水に配合しても、混練後にぺーストに添加しても同様の効果が得られる。

0026

従って、第1の手段を用いれば第1及び第2の目的を達成することができる。次に、第2のセメント等の固化材の水和反応を促進させる手段について説明する。この手段は、数1の左辺において反応に寄与する水(自由水)を早期に結晶水化する、即ちセメントの水和反応を促進することにより、数1の反応速度を低下させる、即ち水素発生速度を低下させる作用を持つ。水和反応を促進させるには、次のような薬剤を添加することが望ましい。水和反応を促進させる薬剤としては、カルシウムを含有する無機塩(例えば塩化カルシウム硝酸カルシウム等),ケイ酸ナトリウム(水ガラス),CaO,Al2O3の焼結体であるアルミン酸カルシウム類,明礬石アルイト)等がある。これら薬剤は、(1)固化材ぺースト中のカルシウムイオンの濃度を高めることによりセメント成分の水和反応を加速する、(2)添加薬剤自身がセメント成分と反応して新たな水和物を作る、のいずれか、あるいは両方の作用をし、自由水を早期に結晶水化する働きがある。さらに、発明者らは上記カルシウムを含有する無機塩、及び重合リン酸塩は両性金属表面に保護皮膜を形成する作用とセメントの水和反応を促進する作用を併せ持つという好ましい性質があることを実験的に明らかにした。

0027

これらの薬剤の添加量は、10%以上添加すると固化材の硬化に悪影響を及ぼすので、固化材に対して0.1〜10%、好ましくは0.1〜5%が適量であり、固化材の混練前に固化材粉末に配合しても、混練後にぺーストに添加しても同様の効果が得られる。

0028

従って、第2の手段を用いれば第1及び第2の目的を達成することができる。最後に、第3の手段である固化材が有するアルカリ度低下させる手段を説明する。この手段は、数1の左辺において、固化材ぺースト中の水酸イオン濃度を低減する(pHを下げる)作用により、式1の反応速度を低下させる、即ち水素発生速度を低下させる。たえば、固化材としてセメントを考える。セメント中のアルカリ成分であるNa2O,K2O,CaOは、セメントと水とを混合すると下記反応によりアルカリ性を示す。

0029

Na2O + 水 → 2NaOH
K2O + 水 → 2KOH (数2)
CaO + 水 → Ca(OH)2
従って、固化材中のアルカリ度を低減する方法、即ち固化材中のアルカリ成分であるNa2O,K2O,CaOの含有割合を低減する方法としては、(1)本来Na2O,K2Oの含有量が少ない低アルカリセメント白色セメントを使用する方法と、(2)SiO2 ,Al2O3を主成分とする無機材をセメントに配合して希釈、即ち、Na2O,K2O,CaOの含有割合をSiO2 ,Al2O3等の酸化物置換することによりNa2O,K2O,CaOの含有割合を低減化する方法がある。もちろん(2)の方法を(1)に適用して更に支障のない程度にアルカリ度を低下させることもできる。SiO2 ,Al2O3を主成分とする無機材には砂,砂利等の骨材高炉スラグシリカフーム,フライアッシュ等の一般産業における副産物が適当であるが、モンモリロナイトバーミキュライトクリノプチロライトクリストバライトカオリナイト等の放射性核種の吸着性能を有する天然の無機材を添加すれば固化体の人工バリアとしての性能を向上させる効果が付加される。

0030

これら無機材の添加量はセメントと添加材を合計した固形物あたりに5〜80%の広範囲で選択できるが、固化材ペーストの注入性や強度を考慮すれば、30〜60%の範囲が望ましい。

0031

本発明は、固化材と両性金属の反応抑制のために、主として薬剤を添加することによって(1)固化材に両性金属の表面に保護皮膜を生成する、(2)固化材のの水和反応を促進する、及び(3)固化材のアルカリ度を低減する、の三つの手段を取ることを特徴としているが、それぞれの手段は単独でも水素発生量低減効果があり、複数で実施すればさらに大きな効果が得られる。特に(1)の薬剤はセメントの水和反応を遅延させる傾向があるので、(2)との併用が望ましい。 従って、上記した三つの手段のうち少なくとも二つ以上の手段を用いれば第3の目的を達成することができる。

0032

実施例1
第1の実施例は、原子力発電所から発生する紙類木片樹脂等を焼却処理したときに生じる焼却灰をセメント系の水硬性固化材に保護皮膜形成用薬剤と水和反応促進用薬剤を配合して容器内に安定に固型化する場合に関するものである。本実施例を図1により説明する。まず、固化容器1に焼却灰を所定量投入しておく。固化容器1は通常のドラム缶でもよいが、コンクリートの内張りが施してあるものが望ましい。固化材貯蔵タンク3より定量供給装置4を介して混練機2へ固化材を所定の量投入し、水タンク5から電磁バルブ6を介して混練水を所定量注入する。さらに、保護皮膜形成用薬剤タンク7より定量供給装置8を介して、本発明の両性金属表面に保護皮膜を生成するための薬剤の中から選ばれた1種を所定量、混練機2へ投入する。この薬剤は予め固化材又混練水に配合しておいてもよいし、あるいは、保護皮膜形成用薬剤タンク7を固化材貯蔵タンク3又は水タンク5に配置し固化材又は混練水と配合するようにしてもよい。前者の場合は、保護皮膜形成用薬剤タンク7,定量供給装置8は不要になる。混練機2の撹拌翼はこれらの投入のあいだ作動させておくことが望ましい。また、β−ナフタレン系の減水剤を固化材に対して1〜5%添加することによって水/固化材比を低減することができ、作成された固化体の物性を改善することができる。所定の時間、混練した後、作成されたぺーストはシャッター9を介して固化容器1へ注入される。この時、水和反応促進用薬剤タンク15より定量供給装置16を介して、本発明の水和反応促進用薬剤の中から選ばれた1種を所定量、固化容器1に投入する。ここへ撹拌翼10を挿入し、焼却灰と固化材のぺーストを均一に混合する。撹拌翼10は切離し可能な機構を有しており、一定時間撹拌した後、撹拌翼を切離し、上蓋をしてそのまま養生し固化体が完成する。撹拌翼10は、混練終了後、切り離さずに引き抜いて繰返し使用することも可能である。水和反応促進用薬剤は予め固化材に配合しておくことも可能であるが、混練機でのポットライフを確保するためには、固化容器1に固化材ぺーストを注入する際に添加するのが望ましい。固化材貯蔵タンク3にはセメント系の水硬性固化材の粉末貯蔵されているが、セメントのアルカリ度を示すR2O値が0.4%以下のセメントが望ましい。また、骨材を予め配合しておくことも可能である。

0033

次に具体的な実施例について述べる。固型化した焼却灰の組成を表1に示す。

0034

0035

表1の組成のように、焼却灰にはセメントと反応するアルミニウム及びその酸化物,鉛,亜鉛が相当量含まれていた。まず最初に固化材として普通ポルトランドセメントを用いて、水セメント比0.4 で混練したぺーストを注入して上記焼却灰を固型化した。焼却灰と固化材ぺーストの体積比は1:1であった。その結果、作成された固化体には水素が発生した痕跡と見られるボイドクラックが発生した。そこで、表2に示すようにセメントとしてアルカリ度のやや低い耐硫酸塩セメントを、保護皮膜形成用薬剤としてポリリン酸珪素を、水和反応促進用薬剤として硝酸カルシウムを用いた場合を同様の条件で焼却灰を固型化した。

0036

0037

その結果、固型化した固化体にはボイドやクラックの発生は皆無であり、健全な固化体を作成することが可能になった。この固化体を水に浸漬する試験を実施したが、外観に変化は見られず、健全性を維持した。

0038

本実施例では既に述べたように、耐硫酸塩セメントの代わりに白色セメント,シリカセメント,高炉セメント,フライアッシュセメント等を使用することができる。またシリカフュームの代わりに高炉スラグ,フライアッシュ,シャモット等が使用可能である。保護皮膜形成用薬剤としてポリリン酸珪素の代わりにはリチウム塩,硝酸塩やホスホン酸及びその塩,無機及び有機リン酸及びその塩,アミンメルカプタン類等が使用可能である。水和反応促進用薬剤として硝酸カルシウムの代わりには塩化カルシウム,水ガラス,アルミン酸カルシウム等が使用可能である。

0039

ここで、保護皮膜形成用薬剤と水和反応促進用薬剤の効果について述べる。

0040

先ず、セメント中で、保護皮膜形成用薬剤の効果を調べるため、セメントペーストの上澄み液を用いたアルミニウム片腐食試験を実施した。上澄み液ではセメントの水和反応の影響を除外できるので、保護皮膜を生成する薬剤の純粋な効果を調べるのに都合がよい。用いたセメントは普通ポルトランドセメントと実施例1で用いた耐硫酸塩セメントで両者を比較すると表3のような組成の違いがある。

0041

0042

即ち、耐硫酸塩セメントでは耐硫酸性を高めるため、セメント中のアルカリ成分であるNa2O,K2Oの含有量が小さく、本発明の目的に適合するセメントである。実験方法を次に述べる。まずセメント100重量部と水道水100重量部を撹拌機で十分に混合した後、吸引濾過し上澄み液を作成した。この時の上澄み液のpHは普通ポルトランドセメントで13.9,耐硫酸塩セメントで13.4であった。この上澄み液を100cc試験管に採り、アルミニウム片1gを浸漬し実験を開始した。発生する水素ガスは水上置換捕集し、体積を測定した。使用した薬剤は重合リン酸塩の一種であるポリリン酸珪素,有機リン酸の一種であるニトリトリメチレンホスホン酸、及び塩化カルシウム,硝酸リチウムであった。添加量は上澄み液100重量部に対し、添加薬剤1重量部であった。

0043

本実験における水素発生量の経時変化図2に示す。薬剤無添加の上澄み液では、普通ポルトランドセメントでは24時間で約120cc,耐硫酸塩セメントで40ccの水素ガスが発生したが、耐硫酸塩セメントの上澄み液にポリリン酸珪素、及びニトリロトリスメチレンホスホン酸を添加したアルミニウム片からは1/10の4cc、塩化カルシウム,硝酸リチウムを添加したアルミニウム片からは1/20の2ccに発生量を低減できることがわかった。24時間経過後、試験後のアルミニウム片を取り出し、表面を観察した結果、ポリリン酸珪素、及びニトリロトリスメチレンホスホン酸を添加したアルミニウム片では白色でゲル状の沈殿物が均一に金属表面に析出し保護皮膜が形成されていた。一方、塩化カルシウム,硝酸リチウムを添加したアルミニウム片では、更に緻密な結晶性の沈殿物が析出していた。このような沈殿皮膜の形成により、アルミニウム表面の溶解反応が抑制され、水素発生量が低減されることが本実験により確認された。

0044

保護皮膜形成用薬剤の効果を確かめる第2の実験として、同様の条件でpH=13.5 のNaOH水溶液中のアルミニウム片に対しても実施した。NaOH水溶液中ではセメントの上澄み液中よりもアルミニウムの腐食反応が著しく水素発生量も多い。添加薬剤として、アルカリ金属の硝酸塩である硝酸ナトリウム硝酸カリウム,硝酸リチウム、またリチウム含有の別の塩として塩化リチウムをそれぞれ1モル/lとなるように加えた。

0045

第2の実験における水素発生量の経時変化を図3に示す。無添加のpH=13.5のNaOH水溶液中のアルミニウム片では5時間で約600ccの水素ガスが発生した。硝酸ナトリウム、硝酸カリウムを添加したアルミニウム片では400ccに減少し、塩化リチウムでは100cc、硝酸リチウムでは40ccにそれぞれ減少することがわかった。本実験結果から、添加薬剤の硝酸根の効果も認められたが、リチウムの効果が大きいことがわかった。また、水素発生量の経時変化の曲線が1時間経過後から横ばいになっていることから、アルミニウム片とアルカリ溶液が接触後、しばらくしてから保護皮膜が完全なものになることがわかった。

0046

次に、水和反応促進用薬剤を固化材に配合することによって、両性金属とセメントの反応による水素発生を抑制する効果について述べる。

0047

標準組成として普通ポルトランドセメントを水/セメント比0.32 で混練したぺーストを作成し、セメントの水和反応促進薬剤として塩化カルシウム、第1の実施例で使用した硝酸カルシウムをそれぞれセメントに対して1重量%添加した。参照データとして、水酸化カルシウム供試した。実験手順はセメントぺースト50ccにアルミニウム片を1g投入し、発生ガスを水上置換で捕集し、体積を測定した。

0048

本実験における水素発生量の経時変化を図4に示す。無添加の普通ポルトランドセメントのペーストにおいてはアルミニウム片投入後より6時間経過までに約30ccの水素が発生し、その後横ばいとなった。これは6時間で普通ポルトランドセメントの初期の水和反応が終了し、アルミニウム片の溶解反応に寄与する自由水がほぼなくなったことを意味している。塩化カルシウム、及び硝酸カルシウムを添加した系では、セメントの水和反応が促進され約2時間で水素発生曲線は横ばいとなった。この間の水素発生量は無添加の場合の1/10の3ccであった。一方、水酸化カルシウムを添加した系ではセメントの水和反応の促進作用は見られず、水素発生量は若干増大した。このことから、カルシウム塩のなかでも溶解度の大きい中性塩が水和反応促進に効果が大きく、溶解度の小さい塩は効果がないことがわかった。

0049

塩化カルシウム、及び硝酸カルシウムの代わりにケイ酸ナトリウム(水ガラス),CaO,Al2O3の焼結体であるアルミン酸カルシウム類,明礬石(アルナイト)を用いても同様の効果が得られる。これらの薬剤の添加量は固化材に対して0.1 〜10%、好ましくは0.1〜5% が適量であり、1%でも十分な効果が得られた。

0050

最後に、保護皮膜形成用薬剤と水和反応促進用薬剤の両方の効果を調べるため、前実験で用いた水和反応促進用薬剤に加えて、保護皮膜形成用薬剤の一例として塩化カルシウム1%,ポリリン酸珪素を5%添加した系についても、同様の実験を実施した。その結果は同じく図4に示したように、水素発生量は塩化カルシウム、及び硝酸カルシウムを添加した系の1/3となった。従って、セメントの水和反応を促進する薬剤と両性金属表面に保護皮膜を形成する薬剤を併用することによって、セメントと両性金属であるアルミニウムの反応による水素発生量を大幅に低減できることがわかった。

0051

以上説明したように、本実施例によれば、前処理に必要がなく、かつ固化体中の可燃性の水素発生を大幅に低減できるので、水素による破壊を防止でき、安定した固化体、それを得るための固化方法及び固化装置を提供できる。

0052

また、本実施例では放射性廃棄物である焼却灰を混練機に投入しないプロセスであるので、混練機の洗浄メンテナンスが容易で、大量に発生する混練機の洗浄廃液は非放射性で処理が不要となる利点がある。

0053

以上の実施例では、セメントとして低アルカリセメントを用いたが、通常のセメントを用いアルカリ度を低減させることで同様な効果を得ることができる。以下、アルカリ度を低下させたときの効果を示す。

0054

本実験は、固化材中のアルカリ成分であるNa2O,K2O,CaOの含有割合を低減化調整する方法に、保護皮膜形成用薬剤と水和反応促進用薬剤の両方を添加するを組み合わせた方法に関するものである。

0055

使用したセメントは普通ポルトランドセメントとNa2O,K2Oの合計の含有率が0.4 %である白色セメントである。これらのセメントのNa2O,K2O,CaOの含有割合をさらに低減化調整するために、セメントを希釈するための骨材として川砂高炉水砕スラグを添加した。実施した固化材のペースト条件とペーストのpHを表4に示す。

0056

0057

このようにセメント中のアルカリ成分であるNa2O,K2Oの含有率を低減化調整したセメントのペーストはpHが低くなっており、さらに骨材の添加によって低減された。これら4種類のペースト50ccに両性金属として亜鉛顆粒1gを投入し、水素発生量の経時変化を調べた結果を図5に示す。各ペーストについてセメントの初期の水和反応が終了する6時間後に、水素発生はほぼ横ばいとなるが、トータルの発生量はペーストのpHに依存しており、pHが低いほど水素発生量は低くなることがわかった。本実施例により、セメント中のアルカリ成分であるNa2O,K2Oの含有率を低減化調整し、さらに骨材を添加する方法が水素発生量の低減に有効であることが確認された。

0058

セメント中のNa2O,K2Oの含有率の合計値(R2O 値)と亜鉛顆粒からの水素発生量の相対値の関係を図6に示す。この関係から、両性金属とセメントの反応による水素発生量を低減するためにはR2O値を0.6% 以下、好ましくは0.4% 以下に調整するのがよい。次に骨材の添加量と水素発生量(相対値)、固化材の相対強度、及び両者相加平均でえられる評価関数との関係を図7に示す。ペーストの注入し易さを示す注入性指標は、固化体の相体強度と同様な傾向を示す。図7によれば、骨材の添加量は多ければ多いほど水素発生に対しては効果的であるが、80%を超えると固型化材としての強度が不十分になるので80%以下が好ましい。骨材の添加量が増えるとペースト粘性も増大し、注入性指標が小さくなり注入性が悪くなる。従って、望ましい骨材の添加量は固化材重量全体に対して、30〜60%であった。

0059

次に亜鉛顆粒の表面に保護皮膜を形成する薬剤として、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムをDの組成のペーストに1%添加した。アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの分子親水基疎水基からなり、金属側へは親水基がセメントペースト側へは疎水基が配向することにより金属表面を保護する。その結果、水素発生量はDの組成の場合の1/5に減少した。さらに、セメントの水和促進剤である塩化カルシウムを1%加えることにより、水素発生量はさらに1/2に減少した。

0060

以上のように、固化材のアルカリ度を低減する方法により、両性金属との反応による水素発生量を低減することが可能である。従って、実施例1に更に固化材のアルカリ度を低減する方法を加味することにより、水素発生量をほぼゼロに近いレベルまで低減することができる。

0061

実施例2
第2の実施例は、第1の実施例と同様、原子力発電所から発生する紙類,木片,樹脂等を焼却処理したときに生じる焼却灰を容器内に安定に固型化する方法に関するものである。

0062

第2の実施例を図8により説明する。本実施例では固化材貯蔵タンク3より定量供給装置4を介して混練機2へ固化材を所定の量投入し、水タンク5から電磁バルブ6を介して混練水を所定量注入し、所定の時間、混練する点は同じである。固化材貯蔵タンク3にはセメント系の水硬性固化材の粉末が貯蔵されているが、セメントのアルカリ度を示すR2O値が0.4%以下のセメントが望ましい。また、骨材を予め配合しておくことも可能である。本発明の保護皮膜形成用薬剤の中から選ばれた1種及び水和反応促進用薬剤は予め固化材に配合しておく。ここで、焼却灰は焼却灰貯蔵タンク11より定量供給装置12を介して所定量混練機2へ投入され、固化材と共に混練される。所定の時間混練した後、作成されたペーストはシャッター9を介して固化容器1へ注入され、上蓋をしてそのまま養生し固化体が完成する。

0063

第2の実施例によれば、第1の実施例同様、前処理の必要がなく、かつ固化体中の可燃性の水素発生を大幅に低減できるので、水素による破壊を防止でき、安定した固化体、それを得るための固化方法及び固化装置を提供できる。

0064

また、第2の実施例によれば、混練機2での高剪断力高速混練が可能であるので、固化体の均質性が向上すると共に、焼却灰の充填可能量を向上させることができる。

0065

実施例3
第3の本実施として、原子力発電所から発生する金属廃棄物を固型化するのに好適なシステムを示す。

0066

第3の実施例を図9により説明する。まず、固化容器1に適当な大きさに切りそろえた雑金属廃棄物を充填し、加振台13の上に設置しておく。固化容器は通常のドラム缶でもよいが、コンクリートの内張りが施してあるものが望ましい。固化材貯蔵タンク3より定量供給装置4を介して混練機2へ固化材を所定の量投入し、水タンク5から電磁バルブ6を介して混練水を所定量注入する。さらに薬剤タンク7より定量供給装置8を介して、本発明の保護皮膜形成用薬剤の中から選ばれた1種を所定量、混練機2へ投入する。この薬剤は予め固化材に配合しておくと、薬剤タンク7,定量供給装置8は不要になる。混練機2の撹拌翼はこれらの投入のあいだ作動させておくことが望ましい。また、β−ナフタレン系の減水剤を固化材に対して1〜5%添加することによって水/固化材比を低減することができ、作成された固化体の物性を改善することができる。混練機2の撹拌翼には駆動モーターへの負荷からペーストの粘性を評価できる機能を有することが望ましい。所定の時間、混練した後、作成されたペーストはシャッター9を介して固化容器1へ注入する。ここで、加振台13を作動させ固化容器1に振動を与えることにより、廃棄物間の空隙への固化材の侵入を促進することができる。

0067

固化材貯蔵タンク3にはセメント系の水硬性固化材の粉末が貯蔵されているが、セメントのアルカリ度を示すR2O値が0.4%以下のセメントが望ましい。また、骨材を予め配合してアルカリ度を低下させることも可能である。セメントの水和反応促進用薬剤は予め固化材に配合しておくことも可能であるが、混練機でのポットライフを確保するためには、固化容器1に固化材ペーストを注入する際に添加するのが望ましい。従って、本実施例においても第3の実施例同様に、ペーストを注入する際に水和反応促進用薬剤タンク15より定量供給装置16を介して、本発明の水和反応促進用薬剤の中から選ばれた1種を所定量、固化容器1に投入する。

0068

また、上記においては保護皮膜形成用薬剤を固化材と共にペーストを作成したが、金属廃棄物を固化容器1に投入する前に、直接保護皮膜形成用薬剤を溶解して溶解水浸すことにより、予め保護皮膜を形成しても同様に目的を達成することができる。

0069

第3の実施例においても第1の実施例で用いた表2の組成の固化材を使用した。まず固化材の注入性を評価した。充填状況の評価は、セメントの硬化後、固化体を縦方向に切断し、切断面における空隙面積が10%以下であれば良好とした。評価結果を図10に示す。混練機2の撹拌翼の駆動モーターへの負荷から評価した固化材ペーストの粘度が5000cp以下であれば、加振しなくても固化材の充填状況は良好であった。また固化材ペーストの粘度が5000cp〜8000cpであれば加振することにより、良好な充填ができた。従って、金属廃棄物を固型化する場合には、固化材ペーストの粘度を8000cp以下に制御することにより、廃棄物を充填した固化容器の上方からの固化材注入法により簡便に固型化でき、廃棄物と固化材の混練操作が不要となり固化設備を簡素化できる。

0070

第3の実施例により固型化した固化体にはボイドやクラックの発生は皆無であり、健全な固化体を作成することが可能になった。この固化体を水に浸漬する試験を実施したが、外観に変化は見られず、健全性を維持した。

0071

従って、第3の実施例によれば、前の2実施例と同様に前処理の必要がなく、かつ固化体中の可燃性の水素発生を大幅に低減できるので、水素による破壊を防止でき、安定した固化体、それを得るための固化方法及び固化装置を提供できる。

0072

また、固化する前に予め廃棄物に保護皮膜を形成することで、前処理工程で、廃棄物に含まれる両性金属と固化材の反応による水素ガスの発生を抑制できる廃棄物の固化方法及び固化装置並びに固化体及び固化材を提供することができる。
実施例4
最後に、第4の実施例を図11を用いて説明する。第4の実施例は基本的には第3の実施例と同じである。異なる点は、図11に示すように不燃性の雑固体廃棄物を圧縮減容した圧縮塊14にしたり、不燃性の雑固体廃棄物を溶融処理した後の硬化物にしたり、ありは焼却灰をペレット化した後、それら硬化物を固化容器1に入れ、ペーストを注入し固化する点である。

0073

本実施例においては、第3の実施例と同様な効果が期待できる。

発明の効果

0074

以上説明したように、本発明によれば次の効果が期待できる。

0075

第1に、廃棄物をアルカリ性の固化材で固化する処理において、廃棄物の前処理や分別処理を必要としない、かつ固化材の特性を十分に発揮でき、廃棄物に含まれる両性金属と固化材の反応による水素ガスの発生を抑制できる廃棄物の固化方法及び固化装置並びに固化体及び固化材を提供できる。

0076

第2に、廃棄物をアルカリ性の固化材で固化する処理において、前処理工程で、廃棄物に含まれる両性金属と固化材の反応による水素ガスの発生を抑制できる廃棄物の固化方法及び固化装置並びに固化体及び固化材を提供できる。

0077

最後に、廃棄物をアルカリ性の固化材で固化する処理において、廃棄物に含まれる両性金属と固化材の反応による水素ガスの発生をほぼゼロにする廃棄物の固化方法及び固化装置又は水素ガスの発生をほぼゼロにした固化体を提供できる。

図面の簡単な説明

0078

図1図1は、本発明の第1の実施例を示す。
図2図2は、保護皮膜形成用薬剤の効果を示す実験結果を示し、両性金属とセメントとの混合時の水素発生量経時変化を示す。
図3図3は、保護皮膜形成用薬剤の効果を示す実験結果を示し、NaOH水溶液中の水素発生量経時変化を示す。
図4図4は、水和反応促進用薬剤での効果を示す実験結果を示し、両性金属とセメントとの混合時の水素発生量経時変化を示す。
図5図5は、固化材のアルカリ度の影響を示し、セメント中のアルカリ成分含有率と水素発生量の関係を示す。
図6図6は、固化材のアルカリ度の影響を示し、R2O 値と水素発生量の関係を示す。
図7図7は、固化材のアルカリ度の影響を示し、骨材の添加量と固化体の相対強度,評価関数及び水素発生量との関係を示す。
図8図8は、本発明の第2の実施例を示し、焼却灰を固型化するのに適した固化装置を示す。
図9図9は、本発明の第3の実施例を示し、不燃性の雑固体廃棄物を固化するのに適した固化装置を示す。
図10図10は、固化材ペーストの流動性と固化材の充填状態の関係を示す。
図11図11は、本発明の第4の実施例を示し、不燃性の雑固体廃棄物等の硬化物をを固化するのに適した固化装置を示す。

--

0079

1…固化容器、2…混練機、3…固化材貯蔵タンク、4,8,12,16…定量供給装置、5…水タンク、6…電磁バルブ、7…保護皮膜形成用薬剤貯蔵タンク、9…シャッター、10…撹拌器、11…焼却灰貯蔵タンク、13…加振台、14…圧縮塊、15…水和反応促進用薬剤貯蔵タンク。

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