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技術 Ti−Si−N系複合硬質膜及びその製造方法

出願人 増本健井上明久本田技研工業株式会社TPR株式会社YKK株式会社
発明者 増本健井上明久野崎勝敏西山信行山口正志竹田英樹山形寛
出願日 1992年9月16日 (28年3ヶ月経過) 出願番号 1992-270808
公開日 1994年4月5日 (26年8ヶ月経過) 公開番号 1994-093421
状態 特許登録済
技術分野 物理蒸着
主要キーワード 耐高温材 Si系合金材料 結晶質セラミックス 耐摩耗膜 結晶質微粒子 立ち基板 硬質薄膜 アモルファス形成能
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この項目の情報は公開日時点(1994年4月5日)のものです。
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図面 (5)

目的

基材に対する密着性に優れ、折り曲げに強く、高い硬度を示すTi−Si−N系複合硬質膜を特別な工程を付加することなく形成する。

構成

Tia Sib (ここで、75at%≦a≦85at%、15at%≦b≦25at%、但し、a+b=100at%)の組成を有する蒸発源材料を用い、窒素系反応ガス供給量窒素分圧一定に、又は連続的もしくは段階的に変化するように制御しながら、スパッタ法又はイオンプレーティング法により所定量の反応ガスを含む不活性ガス雰囲気中で基材上に成膜を行う。この方法により、Ti−Si系非晶質金属母相中にTiN結晶質微粒子が全体的に均一に分散している均一組成の膜、又は非晶質金属母相中に分散しているTiN結晶質微粒子の割合が膜厚方向に増大して非晶質金属から結晶質セラミックスへ連続的もしくは段階的に変化している構造傾斜膜が得られる。

概要

背景

概要

基材に対する密着性に優れ、折り曲げに強く、高い硬度を示すTi−Si−N系複合硬質膜を特別な工程を付加することなく形成する。

Tia Sib (ここで、75at%≦a≦85at%、15at%≦b≦25at%、但し、a+b=100at%)の組成を有する蒸発源材料を用い、窒素系反応ガス供給量窒素分圧一定に、又は連続的もしくは段階的に変化するように制御しながら、スパッタ法又はイオンプレーティング法により所定量の反応ガスを含む不活性ガス雰囲気中で基材上に成膜を行う。この方法により、Ti−Si系非晶質金属母相中にTiN結晶質微粒子が全体的に均一に分散している均一組成の膜、又は非晶質金属母相中に分散しているTiN結晶質微粒子の割合が膜厚方向に増大して非晶質金属から結晶質セラミックスへ連続的もしくは段階的に変化している構造傾斜膜が得られる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

Tia Sib (ここで、75at%≦a≦85at%、15at%≦b≦25at%、但し、a+b=100at%)の組成を有する非晶質金属母相中にTiN結晶質微粒子が均一に分散していることを特徴とするTi−Si−N系複合硬質膜

請求項2

非晶質金属母相中にTiN結晶質微粒子が全体的に均一に分散している均一組成の膜であることを特徴とする請求項1に記載のTi−Si−N系複合硬質膜。

請求項3

非晶質金属母相中に分散しているTiN結晶質微粒子の割合が膜厚方向に増大してTi−Si系の非晶質金属からTiN結晶質セラミックスへ連続的もしくは段階的に変化している構造傾斜膜であることを特徴とする請求項1に記載のTi−Si−N系複合硬質膜。

請求項4

Tia Sib (ここで、75at%≦a≦85at%、15at%≦b≦25at%、但し、a+b=100at%)の組成を有する蒸発源材料を用い、窒素系反応ガス供給量窒素分圧一定に、又は連続的もしくは段階的に変化するように制御しながら、スパッタ法又はイオンプレーティング法により所定量の反応ガスを含む不活性ガス雰囲気中で基材上に成膜を行い、Ti−Si系非晶質金属母相中にTiN結晶質微粒子が分散している膜を形成することを特徴とするTi−Si−N系複合硬質膜の製造方法。

請求項5

不活性ガスと反応ガスの全圧を3〜6Paにすることを特徴とする請求項4に記載の方法。

請求項6

反応ガスとして窒素ガス又はNH3ガスを用い、窒素分圧として0.03〜0.06Paの範囲においてTiN結晶質微粒子を生成させることを特徴とする請求項4又は5に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、Ti−Si−N系複合硬質膜及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、Ti−Si系非晶質金属母相中にTiN結晶質微粒子を均一に分散したTi−Si−N系複合硬質膜及びその製造方法に関する。

0002

Ti−Si系合金は、軽くて高強度な材料として知られていると共に、アモルファス形成能が高いことを特長とする材料である。そして、その硬さは300Hk程度あり、樹脂材料等への耐摩耗膜としての応用も考えられる。しかしながら、実用面では、さらに硬く密着性の良い特性を示すことが望まれる。

0003

本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、非晶質膜中に高硬度を有するセラミックス微粒子を均一に分散させることで、基材に対する密着性に優れ、折り曲げに強く、高い硬度を示すTi−Si−N系複合硬質膜を提供しようとするものである。さらに本発明の目的は、非晶質金属母相中にセラミックス微粒子を膜厚方向に増大するように分散させた構造傾斜膜とすることにより、Ti−Si系合金材料より高強度であり、かつ、膜全体としてはセラミックス材料の欠点である脆性緩和された、高硬度の表面を有するTi−Si−N系複合硬質膜を提供することにある。さらに本発明の目的は、前記のような優れた性質を有するTi−Si−N系複合硬質膜を特別な工程を付加することなく基材上に形成できる方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0004

前記目的を達成するために、本発明によれば、Tia Sib (ここで、75at%≦a≦85at%、15at%≦b≦25at%、但し、a+b=100at%)の組成を有する非晶質金属母相中にTiN結晶質微粒子が均一に分散していることを特徴とするTi−Si−N系複合硬質膜が提供される。ここで、Ti−Si−N系複合硬質膜は、非晶質金属母相中にTiN結晶質微粒子が全体的に均一に分散している均一組成の膜であってもよいし、あるいは、非晶質金属母相中に分散しているTiN結晶質微粒子の割合が膜厚方向に増大してTi−Si系の非晶質金属からTiN結晶質セラミックスへ連続的もしくは段階的に変化している構造傾斜膜であってもよい。

0005

さらに本発明によれば、前記複合硬質膜を提供すべく、Tia Sib (ここで、75at%≦a≦85at%、15at%≦b≦25at%、但し、a+b=100at%)の組成を有する蒸発源材料を用い、窒素系反応ガス供給量窒素分圧一定に、又は連続的もしくは段階的に変化するように制御しながら、スパッタ法又はイオンプレーティング法により所定量の反応ガスを含む不活性ガス雰囲気中で基材上に成膜を行い、Ti−Si系非晶質金属母相中にTiN結晶質微粒子が分散していることを特徴とするTi−Si−N系複合硬質膜の製造方法が提供される。反応ガスとしては窒素ガス又はNH3ガスを用い、窒素分圧として0.03〜0.06Pa、好ましくは0.04〜0.05Paの範囲においてTiN結晶質微粒子を生成させる。また、好ましくは不活性ガスと反応ガスの全圧を3〜6Pa、最も好ましくは5Pa程度に制御する。

0006

本発明は、スパッタ法又はイオンプレーティング法により基材上に成膜を行うに際して、ターゲット蒸発材料)として不活性ガス雰囲気中で膜を形成した時に非晶質となる組成のTi−Si系材料を用い、窒素を反応ガスとして蒸発材料の内の特定の成分の一部を窒素と反応させ窒化物とし、非晶質材料中に均一に分散させることを特徴とする。すなわち、Tia Sib (ここで、75at%≦a≦85at%、15at%≦b≦25at%、但し、a+b=100at%)の組成を有する蒸発源材料を用い、窒素系反応ガスを供給しながら、スパッタ法又はイオンプレーティング法により所定量の反応ガスを含む不活性ガス雰囲気中で基材上に成膜を行い、Ti−Si系非晶質金属母相中にTiN結晶質微粒子が分散している膜を形成する。薄膜X線回折によるとTi−Si−N系薄膜のTi−Si系非晶質相から結晶質への変化は、窒素分圧がスパッタガス全圧に対して0.01%程度で起こり、非常に小さな窒素分圧で非晶質から結晶質への変化が起きる事が確認された。この非晶質から結晶質への変化が生じている膜を透過電子顕微鏡で観察した結果、マトリックスの非晶質金属母相中に1〜5nm程度の極めて微細結晶相が約5nmの間隔で分散している事が判明した。このナノ粒子分散型非晶質傾斜膜は高硬度と結晶化に対する高い安定性を有していた。

0007

上記蒸着手段としては、スパッタリング法やイオンプレーティング法などを挙げることができる。また、蒸発源としては一つの蒸発源に必要組成を含む化合物、混合物であってもよいし、複数の蒸発源を同時に用いることによって個々の蒸発源が単一組成であってもよいし、また前記蒸発源の組合せであっても良い。また、形成する膜は、全体が均一組成であってもよいし、基材と接する膜の組成と膜最表面の組成に違いがあり、膜厚方向に連続的にもしくは段階的に変化していても良い。すなわち、不活性ガス(Ar,He,Ne,Xe,Kr等)を導入してガス圧(全圧)を3〜6Paの低圧に保った蒸着装置内に、反応ガス(N2 ,NH3 等)の供給量を窒素分圧として前記したように全圧の0.01%程度、即ち0.03〜0.06Paの範囲に一定に制御することにより、Ti−Si−系非晶質金属母相中にTiN結晶質微粒子が全体的に均一に分散している均一組成の膜が得られる。一方、反応ガスの供給量を連続的もしくは段階的に変化するように制御することにより、非晶質金属母相中に分散しているTiN結晶質微粒子の割合が膜表面に向って増大しており、膜厚方向にTi−Si系の非晶質金属からTiN結晶質セラミックスへ連続的もしくは段階的に変化している構造傾斜膜が得られる。

0008

以下、本発明の実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。

0009

実施例1
(85at%Ti−15at%Si)からなるターゲットをマグネトロンスパッタ蒸着装置内の電極(+極)に対向させて配置し、電極とターゲットの間に、ターゲットと40mmの距離でガラス板からなる被蒸着基板を配置した。前記スパッタ装置内真空ポンプにて排気したのち、同装置内にアルゴンガスを供給し、装置内のガス圧(全圧)を1Paとした。コーティングに先立ちガラス基板を固定している治具高周波電源つなぎ、100Wのパワーをかけガラス基板を10分間スパッタエッチングした。ついで、ターゲットに直流電源をつなぎ、ターゲットサイズφ80mmに対し0.3Aの電流を流し、20分間の予備放電を行なった。なおこの時、ガラス基板の前にはシャッターとしてステンレス板を配置し、予備放電によるガラス基板へのコーティングがなされないようにした。この予備放電は、ターゲット表面に吸着したガスや湿気を取りのぞくことが目的である。上記予備放電の後、シャッターを取りのぞきガラス基板に対するコーティングを開始した。但し、コーティングに先立ち基板予熱することは行なわなかった。コーティング中、反応ガスである窒素ガス分圧は、電気的に制御できる流量調節計によって0Paから0.225Paまで所定の値に保ち、60分間にわたって膜厚20μmの膜を形成した。

0010

図1乃至図4は、窒素ガス分圧0.04Paで形成した膜断面のTEM(透過電子顕微鏡)写真である。図1倍率15万倍の明視野像であり、図2図1と同じ試料電子線回折像である。図3図1と同じ試料の倍率15万倍の暗視野像であり、微細な結晶の分散状態がわかる。図4図1と同じ試料の高倍観察で、倍率120万倍のTEM像を示し、所々に小さな格子像集まり見え、その周辺は格子像がなく、非晶質中に微細な結晶が均一に分散していることがわかる。これらのTEM写真から明らかなように、窒素ガス分圧0.04Paから0.05Paの範囲において、非晶質成分中に均一にセラミックス粒子を分散させることができた。図5は、膜のヌープ硬さを示す。比較のために窒素ガス分圧0Pa、0.225Paの条件で作製した膜の硬度も示す。図5に示す結果から明らかなように、硬度は、非晶質膜中に均一にセラミックス粒子が分散しているときが最も高い値を示した。比較例の全体がセラミックスの結晶となった場合に硬度が低いのは、この組成のセラミックス膜の脆さや、成膜時に発生した膜中の応力の影響によるものと考えられる。

発明の効果

0011

以上詳述した如く、本発明の方法によれば、基材に対し良好に密着し、高い硬度の表面を有する緻密なTi−Si−N系複合耐摩耗性膜を、処理工程に特別の工程を追加することなく製造することができる。また、本発明で得られるTi−Si−N系複合硬質膜は、Ti−Si系非晶質金属母相中にTiN結晶質微粒子が全体的に均一に分散している均一組成の膜であり、あるいは、非晶質金属母相中に分散しているTiN結晶質微粒子の割合が膜厚方向に増大しており、膜厚方向にTi−Si系の非晶質金属からTiN結晶質セラミックスへ連続的もしくは段階的に変化している構造傾斜膜であり、基材に対する密着性に優れ、折り曲げに強く、高い硬度を有するなど、優れた特性を示す。このように、本発明のTi−Si−N系複合硬質膜は、機械的、電気的に優れた特性を示すとともにセラミックス材料の欠点である脆性が緩和されているので、電気電子材料高強度材料耐摩耗材料耐高温材料などとして使用でき、産業上の種々の用途に供することができる。

図面の簡単な説明

0012

図1実施例1で作製したTi−Si−N系複合硬質薄膜の倍率15万倍の明視野像を示す透過電子顕微鏡写真である。
図2図1と同じ試料のTi−Si−N系複合硬質薄膜の電子線回折像を示す透過電子顕微鏡写真である。
図3図1と同じ試料のTi−Si−N系複合硬質薄膜の倍率15万倍の暗視野像を示す透過電子顕微鏡写真である。
図4図1と同じ試料のTi−Si−N系複合硬質薄膜の倍率120万倍のTEM像を示す透過電子顕微鏡写真である。
図5実施例1で作製したTi−Si−N系複合硬質薄膜のヌープ硬さと窒素ガス分圧の関係を示すグラフである。

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