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技術 マレイミド系共重合体の製造方法

出願人 株式会社日本触媒
発明者 藤岡和親山口稔
出願日 1992年9月4日 (28年11ヶ月経過) 出願番号 1992-237480
公開日 1994年3月29日 (27年5ヶ月経過) 公開番号 1994-087932
状態 未査定
技術分野 重合方法(一般) スチレン系重合体 アクリル系重合体 付加系(共)重合体、後処理、化学変成
主要キーワード ホイルカバー 共重合性比 ABS樹脂 スピーカーボックス エアスポイラー マレイミド系単量体単位 ブロック部分 塩素化塩化ビニル樹脂
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この項目の情報は公開日時点(1994年3月29日)のものです。
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目的

芳香族ビニル系単量体およびマレイミド系単量体を必須成分とする単量体成分溶媒に溶解した状態でラジカル重合させて組成分布が狭くかつ乳化剤を含まないマレイミド系共重合体を、高温かつ高真空を必要とする脱溶媒工程を経ずに得る。

構成

単量体成分は溶解するがマレイミド系共重合体は溶解しない溶媒(S)を反応系に供給する単量体成分の総量100重量部に対して50〜500重量部の割合で反応系に仕込んでおき、ラジカル重合により生成したマレイミド系共重合体を溶媒から析出させる。溶媒(S)は、C5 〜C8 の脂肪族炭化水素およびC1 〜C4 のアルコール類からなる群から選ばれる1種以上である。

概要

背景

マレイミド系単量体芳香族ビニル系単量体、ならびに、必要に応じて他の単量体を共重合して得られるマレイミド系共重合体は、優れた耐熱性を持ち、そのまま耐熱性材料として用いられたり、ABS樹脂ナイロン樹脂とのアロイや各種樹脂材料耐熱性向上剤としても検討されている。

マレイミド系共重合体は、従来、懸濁重合乳化重合溶液重合等の方法により製造されている。これらの中でも、懸濁重合法は、生成した共重合体を反応系から単離するのが容易である。しかし、懸濁重合法では、芳香族ビニル系単量体とマレイミド系単量体は交互共重合性が強いので、交互共重合体の生成が先行し、その後、残留する一方の単量体の単独重合体が生成する。このため、得られたマレイミド系共重合体は、非常に広い組成分布を有する。

他方、溶液重合法乳化重合法では、各単量体の逐次添加を工夫することにより、組成分布の狭いマレイミド系共重合体を得ることが検討されている。乳化重合法では、得られる共重合体の軟化温度が高くなると、乳濁液からの共重合体の分離が困難であり、しかも、乳化剤等の添加剤が残留しやすく着色したり、透明性が低下したりするという問題がある。

溶液重合法では、米国特許第2,971,939号で示されるように芳香族ビニル系単量体を予め反応系に仕込み、マレイミド系単量体の添加速度を調整することによって交互共重合体の生成を防止することができる。しかしながら、溶液重合法によれば、反応液から溶剤未反応単量体を除去して固体状重合体を得るためには、高温度かつ高真空を必要とする脱溶剤工程が必要となり、プロセスや装置が複雑になり、コスト的に不利であると共に、マレイミド系共重合体は、一般に、高いTg(ガラス転移温度)を有するため、溶融温度が極めて高く、脱溶媒工程での処理温度を高くする必要があり、熱劣化や着色を起こしやすいという問題がある。

概要

芳香族ビニル系単量体およびマレイミド系単量体を必須成分とする単量体成分溶媒に溶解した状態でラジカル重合させて組成分布が狭くかつ乳化剤を含まないマレイミド系共重合体を、高温かつ高真空を必要とする脱溶媒工程を経ずに得る。

単量体成分は溶解するがマレイミド系共重合体は溶解しない溶媒(S)を反応系に供給する単量体成分の総量100重量部に対して50〜500重量部の割合で反応系に仕込んでおき、ラジカル重合により生成したマレイミド系共重合体を溶媒から析出させる。溶媒(S)は、C5 〜C8 の脂肪族炭化水素およびC1 〜C4 のアルコール類からなる群から選ばれる1種以上である。

目的

そこで、発明者らは、これらの溶液重合法における利点を活かし、しかも、脱溶剤工程が不要になる重合方法見出すことを考えたのである。この発明は、組成分布が狭くかつ乳化剤を含まないマレイミド系共重合体を、高温かつ高真空を必要とする脱溶媒工程を経ずに得ることができるマレイミド系共重合体の製造方法を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

芳香族ビニル系単量体(a)およびマレイミド系単量体(b)を必須成分とする単量体成分溶媒に溶解した状態でラジカル重合させてマレイミド系共重合体を製造するにあたり、単量体成分は溶解するがマレイミド系共重合体は溶解しない溶媒(S)を、反応系に供給する単量体成分の総量100重量部に対して50〜500重量部の割合で反応系に仕込んでおき、ラジカル重合により生成したマレイミド系共重合体を溶媒から析出させることを特徴とするマレイミド系共重合体の製造方法。

請求項2

反応系に仕込んでおく溶媒が、炭素数5〜8の脂肪族炭化水素および炭素数1〜4のアルコール類からなる群から選ばれる1種以上である請求項1記載のマレイミド系共重合体の製造方法。

請求項3

単量体成分が、芳香族ビニル系単量体(a)35〜60wt%、マレイミド系単量体(b)40〜65wt%およびこれらと共重合可能な他の単量体(c)0〜25wt%〔ただし、(a)、(b)および(c)の合計量は100.0wt%である。〕からなる請求項1または2記載のマレイミド系共重合体の製造方法。

技術分野

0001

この発明は、芳香族ビニル系単量体マレイミド系単量体を必須成分とする単量体成分ラジカル重合するマレイミド系共重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、この発明は、使用する単量体は溶解するが生成したマレイミド系共重合体は溶解しない溶媒を予め所定量反応系に仕込んでおき、単量体を溶媒に溶解した状態でラジカル重合させ、生成したマレイミド系共重合体を反応液から析出させるマレイミド系共重合体の製造方法に関する。

背景技術

0002

マレイミド系単量体と芳香族ビニル系単量体、ならびに、必要に応じて他の単量体を共重合して得られるマレイミド系共重合体は、優れた耐熱性を持ち、そのまま耐熱性材料として用いられたり、ABS樹脂ナイロン樹脂とのアロイや各種樹脂材料耐熱性向上剤としても検討されている。

0003

マレイミド系共重合体は、従来、懸濁重合乳化重合溶液重合等の方法により製造されている。これらの中でも、懸濁重合法は、生成した共重合体を反応系から単離するのが容易である。しかし、懸濁重合法では、芳香族ビニル系単量体とマレイミド系単量体は交互共重合性が強いので、交互共重合体の生成が先行し、その後、残留する一方の単量体の単独重合体が生成する。このため、得られたマレイミド系共重合体は、非常に広い組成分布を有する。

0004

他方、溶液重合法乳化重合法では、各単量体の逐次添加を工夫することにより、組成分布の狭いマレイミド系共重合体を得ることが検討されている。乳化重合法では、得られる共重合体の軟化温度が高くなると、乳濁液からの共重合体の分離が困難であり、しかも、乳化剤等の添加剤が残留しやすく着色したり、透明性が低下したりするという問題がある。

0005

溶液重合法では、米国特許第2,971,939号で示されるように芳香族ビニル系単量体を予め反応系に仕込み、マレイミド系単量体の添加速度を調整することによって交互共重合体の生成を防止することができる。しかしながら、溶液重合法によれば、反応液から溶剤未反応単量体を除去して固体状重合体を得るためには、高温度かつ高真空を必要とする脱溶剤工程が必要となり、プロセスや装置が複雑になり、コスト的に不利であると共に、マレイミド系共重合体は、一般に、高いTg(ガラス転移温度)を有するため、溶融温度が極めて高く、脱溶媒工程での処理温度を高くする必要があり、熱劣化や着色を起こしやすいという問題がある。

発明が解決しようとする課題

0006

溶液重合法は上に述べたような問題点を有するものの、懸濁重合法に対しては、マレイミド系単量体と芳香族ビニル系単量体の交互共重合体の生成を防ぎやすいという利点を有し、しかも、乳化重合法に対しては、乳化剤を使用する必要がなく物性の優れた共重合体を得ることができるという利点を有している。

0007

そこで、発明者らは、これらの溶液重合法における利点を活かし、しかも、脱溶剤工程が不要になる重合方法見出すことを考えたのである。この発明は、組成分布が狭くかつ乳化剤を含まないマレイミド系共重合体を、高温かつ高真空を必要とする脱溶媒工程を経ずに得ることができるマレイミド系共重合体の製造方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するために、この発明は、芳香族ビニル系単量体(a)およびマレイミド系単量体(b)を必須成分とする単量体成分を溶媒に溶解した状態でラジカル重合させてマレイミド系共重合体を製造するにあたり、単量体成分は溶解するがマレイミド系共重合体は溶解しない溶媒(S)を、反応系に供給する単量体成分の総量100重量部に対して50〜500重量部の割合で反応系に仕込んでおき、ラジカル重合により生成したマレイミド系共重合体を溶媒から析出させることを特徴とするマレイミド系共重合体の製造方法を提供する。

0009

この発明では、単量体(a)および(b)、ならびに、必要に応じて使用される単量体(c)を溶媒に溶解した状態で重合を行ってマレイミド系共重合体を生成させるのであるが、生成した共重合体が溶媒から析出するように、使用する単量体は溶解するが生成するマレイミド系共重合体は溶解しない溶媒(S)を予め反応系に仕込んでおくのである。

0010

予め反応系に仕込んでおく溶媒(S)の量は、反応系に供給する単量体成分の総量100重量部に対して50〜500重量部の割合になっている必要があり、80〜200重量部の割合が好ましい。このような割合になっていると、単量体を溶媒に溶解して反応系に逐次添加することにより反応系の溶媒の組成が変化していっても、マレイミド系共重合体が反応系の溶媒から析出するのである。50重量部未満では単量体とともに添加される溶媒および未反応単量体により反応系の溶媒組成が変動し、マレイミド系共重合体が析出しなくなるという問題があり、500重量部を越えると重合速度が遅くなるとともに反応液中の共重合体濃度が低すぎて生産性が低下するという問題がある。

0011

予め反応系に仕込んでおく溶媒(S)は、単量体成分は溶解するがマレイミド系共重合体は溶解しない溶媒であれば特に限定されないが、たとえば、炭素数5〜8の(C5 〜C8 の)脂肪族炭化水素、炭素数1〜4の(C1 〜C4 の)アルコール類四塩化炭素エーテル類などのうちの、いずれか1種の単独溶媒、または、2種以上の混合溶媒である。中でも、単量体成分の溶解性が高くかつマレイミド系共重合体を析出させやすいという理由から、C5 〜C8 の脂肪族炭化水素およびC1 〜C4 のアルコール類から選ばれた1種または2種以上が好ましい。

0012

C5 〜C8 の脂肪族炭化水素は、炭素数が5から8までのいずれかである、脂肪族飽和炭化水素および環式飽和炭化水素であり、たとえば、n−ヘプタンn−ヘキサンn−ペンタンシクロヘキサンn−オクタン、および、これらの異性体である。脂肪族炭化水素であっても、炭素数4以下のものは、常温気体であるためラジカル重合の際の溶媒として用いることができず、炭素数9以上のものは、マレイミド系共重合体が溶解しやすくなり、安定な析出状態が得られにくくなるおそれがある。炭素数5から8までのいずれかであっても脂肪族炭化水素でなければ、やはりマレイミド系共重合体が溶解しやすくなるおそれがある。

0013

C1 〜C4 のアルコール類は、たとえば、メタノールエタノールプロパノールブタノールイソプロパノール等である。アルコール類であっても、炭素数5以上のものは、反応中にマレイミド系共重合体が膨潤したり凝集したりして反応中の攪拌が困難になるか、あるいは、分離工程を経て得られる重合体中に残留しやすくなるおそれがある。

0014

この発明で用いられる芳香族ビニル系単量体(a)は、下式(I):

0015

0016

〔式中、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ、独立に水素または炭素数1〜5のアルキル基、R4 はアリール基または置換アリール基である。〕で表される芳香族ビニル化合物であり、たとえば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン(o−,m−,p−メチルスチレンをビニルトルエンとも言う)、1,3−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−第3級ブチルスチレンなどのアルキルスチレンα−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン;ビニルナフタレン;o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、2,4−ジブロモスチレンなどのハロゲン化スチレン;2−メチル−4−クロロスチレンなどのハロゲン化アルキルスチレン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を使用することができる。生産性および物性のバランスの点からは、特に、スチレン、ビニルトルエンおよびα−メチルスチレンからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いるのが望ましい。なお、芳香族ビニル系単量体(a)を用いずに、脂肪族ビニル系単量体を用いると、単量体の反応性が低く、また得られた共重合体の耐熱性が低く、かつ吸湿性が大きいという問題がある。

0017

この発明で用いられるマレイミド系単量体(b)は、下式(II):

0018

0019

〔式中、R5 は水素、または、炭素数1〜15の、アルキル基、シクロアルキル基置換アルキル基、アリール基もしくは置換アリール基である。〕で表されるマレイミド化合物であり、たとえば、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−ターシャリブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−クロルフェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−ブロモフェニルマレイミド、N−ナフチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、2−ヒドロキシエチルマレイミド、N−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−カルボキシフェニルマレイミド、N−ニトロフェニルマレイミド等を挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上を使用することができる。

0020

この発明では、必要に応じて、単量体(a)および単量体(b)と共重合可能なその他の単量体(c)を用いることができる。単量体(c)は、単量体(a)および単量体(b)以外の、エチレン性不飽和結合を持つ化合物であり、たとえば、耐衝撃性耐溶剤性、相溶性を向上させるという目的で使用される。単量体(c)としては、たとえば、アクリロニトリルメタクリロニトリルエタクリニトリルフェニルアクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;シクロアルキル基およびベンジル基を含む、炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタアクリル酸エステル(たとえば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等);エチレンプロピレンイソブチレンジイソブチレン等のオレフィン類ブタジエンイソプレン等のジエン類塩化ビニル塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;メチルビニルエーテルブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類酢酸ビニルプロピオン酸ビニル等の飽和モノカルボン酸ビニルエステル類酢酸アリルプロピオン酸アリル等の飽和脂肪族モノカルボン酸アリルエステル類またはメタリルエステル類エチレングリコールジ(メタ)アクリレートジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼントリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物ジメタクリレートハロゲン化ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物のジまたはトリ(メタ)アクリレート等の多価(メタ)アクリレート類ジアリルフタレートトリアリルイソシアヌレート等の多価アリレート類;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸マレイン酸フマル酸あるいはこれらの半エステル化物等が挙げられ、目的に応じて1種または2種以上が用いられるが、それらの種類および使用量はこの発明の目的を逸脱しない範囲で選択すればよい。

0021

単量体成分は、芳香族ビニル系単量体(a)とマレイミド系単量体(b)を必須成分とし、必要に応じて、その他の単量体(c)を有する。芳香族ビニル系単量体(a)の使用量は、35〜60wt%の範囲が好ましく、40〜60wt%の範囲がより好ましい。マレイミド系単量体(b)の使用量は、40〜65wt%の範囲が好ましく、40〜60wt%の範囲がより好ましい。単量体(c)の使用量は、0〜25wt%の範囲が好ましく、0〜20wt%の範囲がより好ましい。ただし、単量体(a)、(b)および(c)の合計量は100wt%である。単量体(a)の使用量が上記範囲を上回ると、生成するマレイミド系共重合体の耐熱性が低下するとともに、熱可塑性樹脂と配合する際の相溶性が低下し、下回るとマレイミド系共重合体の加工性および/または耐衝撃性が低下する。単量体(b)の使用量が上記範囲を上回ると生成するマレイミド系共重合体の成形加工性が悪くなるとともに耐衝撃性が低下し、下回るとマレイミド系共重合体が樹脂組成物に充分な耐熱性を付与することができなくなる。単量体(c)の使用量が上記範囲を上回ると、生成するマレイミド系共重合体の加工性や耐衝撃性等における物性のバランスが得られにくくなる。

0022

この発明では、単量体成分を溶媒に溶解した状態でラジカル重合させる。単量体のラジカル重合は適宜行うことができるが、下記またはのやり方により行うのが好ましい。
反応系に予め仕込んでおいた溶媒(S)に対して、単量体(a)および(b)のそれぞれの全量を逐次添加して溶解させながらラジカル重合を行う。

0023

単量体(a)の一部と溶媒(S)とを反応系に仕込み、単量体(a)の一部が溶媒(S)に溶解してなる溶液に対して、単量体(b)の全量と単量体(a)の残量を逐次添加して溶解させながらラジカル重合を行う。ここで単量体を逐次添加するとは、単量体を一度に添加するのではなく、滴下のように連続的または断続的に添加したり、一定時間間隔ごとに複数回に分けて添加したりすることである。

0024

単量体(c)は、予め反応系に仕込んでおく溶媒に溶解してもよいし、単量体(a)および(b)とは別々に供給してもよいし、単量体(a)および/または(b)と混合して供給してもよく、特に限定はない。使用する単量体(c)の共重合性を考慮して初期仕込み分と徐々に供給する分との割り振りを設定すれば共重合体中に均質に存在させることができる。

0025

反応系に逐次添加する単量体は、液体である場合にはそのまま供給してもよいが、必要に応じて〔特に、固体の単量体(主に、マレイミド系単量体である。)である場合〕溶媒または他の単量体に溶解して供給してもよい。ここで使用される溶媒は、該単量体を溶解し、かつ、予め反応系に仕込んでおく溶媒(S)と相溶するものであれば特に限定はなく、たとえば、予め反応系に仕込んでおく溶媒と同じでも異なっていてもいずれでもよく、あるいは、単量体成分は溶解するがマレイミド系共重合体は溶解しない溶媒でも単量体成分もマレイミド系共重合体も溶解する溶媒でもいずれでもよい。仮に、マレイミド系共重合体が溶解する溶媒を使用しても、予め反応系に仕込んでおく溶媒を上記特定の範囲内の量に設定しておくことにより、マレイミド系共重合体の析出が妨げられることはない。逐次添加する単量体を溶解するための溶媒の使用量は、上記特定の溶媒の使用量を越えない範囲が好ましい。これは、反応系の溶媒組成が変動した場合でもマレイミド系共重合体が析出状態で得られるようにするためである。逐次添加する単量体を溶解するための溶媒は、前記溶媒(S)のほかに、たとえば、トルエンキシレンエチルベンゼンなどの芳香族溶媒メチルエチルケトン(MEKと略す)、メチルイソブチルケトンシクロヘキサノンなどのケトンジメチルフォルムアミドジメチルアセトアミドジメチルスルフォキシドなどの極性を有する有機溶媒が例示され、これらのうちの、いずれか1種の単独溶媒、または、2種以上の混合溶媒である。

0026

この発明の方法によれば、マレイミド系共重合体は反応系の溶媒から析出し、スラリー状態で得られるため、溶液重合法によって高分子量重合体を得ようとする際にみられる著しい粘度上昇が防止できる上に、脱溶媒工程においても高い溶融粘度状態で重合体を取り扱う必要もないため、熱劣化などの心配がなく、特に分子量の大きいマレイミド系共重合体を製造するのに有利である。

0027

この発明の製造方法により得られるマレイミド系共重合体の組成は、反応系における単量体モル比(b)/(a)によって決定される。すなわち、この単量体モル比が大きいほどマレイミド系単量体単位(B)の含有量が高いマレイミド系共重合体が生成し、この単量体モル比が小さいほど芳香族ビニル系単量体単位(A)の含有量が高いマレイミド系共重合体が生成する。この発明においても、重合体が溶媒に溶解した状態で生成する溶液重合法と同様に、使用する単量体の共重合性比を考慮してそれぞれの単量体の供給方法を工夫することによって共重合体の組成をコントロールすることができる。

0028

なお、この発明では、反応系にラジカル重合開始剤連鎖移動剤などを存在させてもよい。重合開始剤としては、たとえば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイドベンゾイルパーオキサイドラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどの過酸化物アゾビスイソブチロニトリルアゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリルなどのアゾ化合物など、マレイミド系単量体と芳香族ビニル系単量体の共重合に通常用いられる化合物が、通常の使用量で使用される。重合開始剤は、その全量を反応系に予め仕込んでおいてもよいし、反応時に逐次供給するようにしてもよい。

0029

この発明では、重合反応時不活性ガス(通常、窒素ガス)により反応系内の溶存酸素を除去して重合を行う。これは、酸素重合禁止剤として作用するからである。重合は、たとえば、温度60〜200℃で1〜20時間行う。反応系に入れた全単量体重合転化率は、たとえば50〜95wt%となるようにするのが好ましい。逐次導入する単量体のすべてを供給し終わった後、必要に応じてそのままの温度・雰囲気でまたはそれらの少なくとも1つを適宜変えて重合反応を継続させてもよい。

0030

重合反応が始まると、生成したマレイミド系共重合体が反応液から析出してくる。反応を終えた後、反応液を冷却し、析出した固体のマレイミド系共重合体を濾別遠心分離デカンテーションスプレードライフィルタープレスなどにより液と分離した後、乾燥を行い、粉末状のマレイミド系共重合体を得ることができる。

0031

上記のようにして製造されたマレイミド系共重合体は、好ましくは、芳香族ビニル系単量体単位(A)35.0〜60.0wt%、マレイミド系単量体単位(B)40.0〜65.0wt%、および、その他の単量体単位(C)0〜25wt%から構成されている。芳香族ビニル系単量体単位(A)は、上記芳香族ビニル系単量体(a)から、マレイミド系単量体単位(B)は上記マレイミド系単量体(b)から、その他の単量体単位(C)は上記その他の単量体(c)からそれぞれ導かれる。芳香族ビニル系単量体単位(A)、マレイミド系単量体単位(B)およびその他の単量体単位(C)の配列は、ランダムであっても、ブロック部分を有していてもかまわない。

0032

この発明の製造方法により得られたマレイミド系共重合体は、たとえば、重量平均分子量5万〜100万、数平均分子量2万〜30万、温度240℃における粘度1,000〜10,000,000ポイズ、ガラス転移温度130〜220℃という物性を有する。この発明の製造方法により得られるマレイミド系共重合体は、高い耐熱性を持つとともに優れた成形性(流動性)も持っていることから、他の1種類以上の熱可塑性樹脂と混練し、樹脂組成物として用いることもできる。たとえば、メチルメタクリレート樹脂、メチルメタクリレート−スチレン樹脂ポリカーボネート樹脂ポリエチレンテレフタレート樹脂ポリブチレンテレフタレート樹脂ポリフェニレンオキサイド樹脂、塩化ビニル樹脂塩素化塩化ビニル樹脂アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−メチルメタクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸樹脂、スチレン−メタクリル酸−アクリロニトリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの改質剤として用いると、耐熱性が向上する。特に、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)、MBS樹脂(メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン樹脂)などに代表されるゴム変性樹脂や、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等の結晶性樹脂との混和性に優れている。2軸押出機などの装置を用い、通常の作動条件で、これらの樹脂とマレイミド系共重合体の重量比が10:90〜90:10の割合でブレンドすると、これらの樹脂の特徴を損なうことなく耐熱性が向上し、しかも成形加工性に優れた樹脂組成物となるので好ましい。

0033

上記の樹脂組成物は、マレイミド系共重合体とその他の熱可塑性樹脂以外にも、必要に応じてヒンダードフェノール系酸化防止剤ホスファイト系安定剤を熱安定性の改良を目的に、ベンゾフェノン系やヒンダードアミン紫外線吸収剤耐候性の改良に、また、アミド系の滑剤金属石鹸類を成形加工性改良を目的として配合使用することができる。さらに炭酸カルシウム硫酸カルシウムタルクマイカベントナイトガラス繊維等の無機充填剤難燃剤帯電防止剤着色剤などの添加剤を配合することができる。これらは、1または2以上を含有することができる。これらの含有量は、必要に応じて適宜設定すればよい。

0035

この発明では、芳香族ビニル系単量体(a)およびマレイミド系単量体(b)を必須成分とする単量体成分を溶媒に溶解した状態でラジカル重合させてマレイミド系共重合体を製造するので、反応系には系を安定させるための乳化剤のような薬剤を添加する必要がなくなる。しかも、反応系には上記特定の溶媒(S)を反応系に供給する単量体成分の総量100重量部に対して50〜500重量部の割合で仕込んでおくので、単量体成分を他の溶媒に溶解させて反応系に導入することにより反応系の溶媒組成が変動したとしても、生成したマレイミド系共重合体が溶媒へ溶解するのが防止され、固体となって析出する。析出したマレイミド系共重合体は、濾別、遠心分離、デカンテーションなどの操作により、反応液から容易に分離することができる。

0036

なお、溶液状態での重合では、マレイミド系共重合体の組成は、反応系中の単量体(a)、(b)および(c)の比率のみにより規定されるので、組成分布を狭くすることができる。

0037

以下に、この発明の具体的な実施例および比較例を示すが、この発明は下記実施例に限定されない。なお、特に断らない限り「部」は「重量部」、「%」は「重量%」である。
−実施例1〜2−
コンデンサー攪拌機および3つの滴下ロートを備えた重合反応槽に、表1に示す量の溶媒(S)に表1に示す量の単量体(a)(スチレンを使用した)と開始剤(表1に示すものを用いた)を溶解してなる単量体溶液を仕込み、内部を窒素置換した。重合反応槽内部を表1に示した重合温度昇温し、表1に示す、重合開始剤および単量体(a)の残量と、単量体(b)(N−フェニルマレイミドを使用した)の全量とを別々の滴下ロートから表1に示す時間にわたって均一に滴下して、ラジカル重合を行って、析出したマレイミド系共重合体を含む反応液を得た。得られた反応液を濾別、乾燥することにより、マレイミド系共重合体を得た。

0038

−比較例1−
実施例1において、溶媒(S)の使用量を単量体成分の総量100部に対して45部に変え、表1に示すような配合にしたこと以外は実施例1と同様に重合を行った。その結果は、重合途中で生成した共重合体が凝集し、攪拌が困難となった。

0039

−比較例2−
実施例1において、溶媒(S)を使用量を単量体成分の総量100部に対して600部に変え、表1に示すような配合にしたこと以外は実施例1と同様に重合を行った。その結果は、共重合体の生成速度がおそく、生産性の悪いものであった。

0040

−比較例3−
実施例1において、溶媒(S)代わりにマレイミド系共重合体の製造に通常用いられる溶媒であるトルエンを用いたこと以外は実施例1と同様に重合を行った。得られた反応液は、マレイミド系共重合体を溶解しており、マレイミド系共重合体を反応液から分離するのは困難であった。

0041

−比較例4−
表1に示す単量体混合物を水中に懸濁させ、通常の方法で懸濁重合を行った。その結果は、生成共重合体にTgが2つ観測された。

0042

0043

上記実施例および比較例で得られたマレイミド系共重合体について、共重合体構造単位の種類と含有量、共重合体の重量平均分子量、ガラス転移温度および外観を次のようにして調べた。それらの結果を表2に示した。共重合体構造単位の種類と含有量は、赤外分析および元素分析により調べた。共重合体の重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒にしたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)の溶出曲線からポリスチレン標準重合体を基準として算出した。

0044

ガラス転移温度は、理学電気株式会社製のDSC−8230を用い、窒素気流下でα−アルミナリファレンスとして昇温速度5℃/分で測定したDSC曲線から中点法で求めた。外観は、得られた共重合体を目視によって観察して調べた。

0045

0046

表1〜2にみるように、実施例1〜2では、単一のガラス転移温度を有する均質なマレイミド系共重合体を着色することなく得ることができた。これに対し、比較例1では、重合反応途中に共重合体が凝集したため、共重合体を得ることができなかった。比較例2では、得られた共重合体は非常に少なく、生産性が悪かった。比較例3では、濾過などの方法による共重合体の分離は困難であった。比較例4では、得られた共重合体は淡黄色に着色しており、また、ガラス転移温度が2つ観測され、組成分布が広い共重合体であった。

発明の効果

0047

この発明の製造方法によれば、組成分布が狭く、乳化剤を含まないマレイミド系共重合体を、高温かつ高真空を必要とする脱溶媒工程を経ずに得ることができるので、コスト的に有利であり、透明性に優れ着色されていないマレイミド系共重合体が生成し、マレイミド系共重合体中の高沸点不純物が少ない。

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