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技術 浮体物の繋留装置

出願人 ヤマシタ工業株式会社
発明者 東原優
出願日 1992年8月17日 (27年11ヶ月経過) 出願番号 1992-241319
公開日 1994年3月8日 (26年4ヶ月経過) 公開番号 1994-064582
状態 特許登録済
技術分野 養殖 船体構造 艤装・その他の海洋構造
主要キーワード 閉塞室 緩衝シリンダ 開閉孔 最大降下 繋留装置 浮体物 緩衝弁 平均水面
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1994年3月8日)のものです。
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図面 (6)

目的

時化や台風時には浮体物波浪の谷まで自動的に沈下させ、干満に対しては浮体物が変位する水面に追従できるように支持し、しかも、これらの時化や台風時及び干満時においても常に、索条に作用する張力が同一の状態で浮体物を支持して、索条の張力の変動に起因する係留装置疲労破壊を防ぐ。

構成

水面上に浮かぶ浮体物1を水底に連結支持する索条5の途中に索条調節器4を取付け筒体の索条調節器4の内部を開放室側4cと閉塞室側4dとに二分するピストン6を移動自在に内装し、水底側に連なる索条5aを閉塞室側4dに挿入してピストン6に連結し、養殖生簀側に連なる索条5bを開放室側4cに挿入してピストン6に連結し、逆止め弁6aを閉塞室側4dに設け、養殖生簀側に連なる索条5bの先端側を浮体物1に滑動自在に連結すると共にその先端に重り7を取付けた。

概要

背景

今日、一般に普及している浮体物としての例えば養殖生簀は、極めて構造が単純であり故に価格も安価であるが、一度台風等の天災が起こると波浪により、又は繋留装置の疲労により破壊されて養殖魚逃走や斃死するなど大きな被害を受けやすいものであった。

このような被害原因を考えると、まず第一に筏が波浪の衝撃が最も強い水面に設置してある為に破壊が起こると考えられる。第二に、浮体物の生簀が波浪で左右に揺れる為、浮体物の生簀を繋留するアンカーロープ緊張した状態と緩んだ状態とが常時繰り返され、繋留装置が疲労し破壊される。

上述したものが浮体物の生簀破壊の主な原因であることは以前から認識されており、様々な解決案は考えられている。その解決案として浮体物としての生簀を沈下式にした所謂、沈下式養殖生簀がある。この沈下式養殖生簀は、波浪の衝撃による被害を減少できる利点を備えている。

概要

時化や台風時には浮体物を波浪の谷まで自動的に沈下させ、干満に対しては浮体物が変位する水面に追従できるように支持し、しかも、これらの時化や台風時及び干満時においても常に、索条に作用する張力が同一の状態で浮体物を支持して、索条の張力の変動に起因する係留装置疲労破壊を防ぐ。

水面上に浮かぶ浮体物1を水底に連結支持する索条5の途中に索条調節器4を取付け筒体の索条調節器4の内部を開放室側4cと閉塞室側4dとに二分するピストン6を移動自在に内装し、水底側に連なる索条5aを閉塞室側4dに挿入してピストン6に連結し、養殖生簀側に連なる索条5bを開放室側4cに挿入してピストン6に連結し、逆止め弁6aを閉塞室側4dに設け、養殖生簀側に連なる索条5bの先端側を浮体物1に滑動自在に連結すると共にその先端に重り7を取付けた。

目的

この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、時化や台風時には浮体物本体を波浪の谷まで自動的に沈下させて荒波の影響を回避し、また、干満に対しては浮体物が変位する水面に追従できるように支持し、しかも、これらの時化や台風時及び干満時においても常に、索条に作用する張力が同一の状態で浮体物を支持して、索条の張力の変動に起因する係留装置の疲労破壊を防ぐことのできる浮体物の繋留装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

水面上に浮かぶ浮体物水底に連結支持する索条の途中に索条調節器取付け、該索条調節器を筒体で形成し、筒体からなる索条調節器の一端を開放し他端を閉塞状に形成し、筒体からなる索条調節器の内部を開放室側と閉塞室側とに二分するピストンを索条調節器の内部に移動自在に内装し、浮体物側に連なる索条を索条調節器の開放された一端から上記開放室側に挿入して上記ピストンに連結し、水底側に連なる索条を索条調節器の閉塞状の他端から上記閉塞室側に挿入して上記ピストンに連結し、ピストンで二分された索条調節器内部の水底側に連なる索条が挿入された閉塞室側に、該閉塞室を広げる方向にピストン移動時には開く逆止め弁を設け、浮体物側に連なる索条の先端側を浮体物に滑動自在に連結すると共にその先端に重りを取付けたことを特徴とする浮体物の繋留装置

請求項2

逆止め弁はピストンに設けられている請求項1記載の浮体物の繋留装置。

請求項3

索条調節器の開放された一端側の側周面には複数の通水孔が一端側に向かって形成されている請求項1記載の浮体物の繋留装置。

請求項4

索条調節器の閉塞状の他端には一定圧力以上で閉じる緩衝弁が設けられている請求項1記載の浮体物の繋留装置。

請求項5

索条調節器は開放された一端側を下向きにした鉛直方向に取付けられている請求項1記載の浮体物の繋留装置。

請求項6

索条調節器は水平方向に取付けられている請求項1記載の浮体物の繋留装置。

請求項7

索条調節器は開放された一端側を上向きにした斜め方向に取付けられている請求項1記載の浮体物の繋留装置。

技術分野

0001

この発明は、浮体物の本体を上面の一部を残して水面下に索条で支持する浮体物の繋留装置の改良に係り、特に、時化や台風時には浮体物本体を波浪の底まで自動的に沈下させて荒波の影響を回避し、また、干満に対してはこれに追従して浮体物を上下揺動させ、しかも、これらの時化や台風時及び干満時においても常に、同一張力の索条で浮体物を支持することのできる浮体物の繋留装置に関するものである。

背景技術

0002

今日、一般に普及している浮体物としての例えば養殖生簀は、極めて構造が単純であり故に価格も安価であるが、一度台風等の天災が起こると波浪により、又は繋留装置の疲労により破壊されて養殖魚逃走や斃死するなど大きな被害を受けやすいものであった。

0003

このような被害原因を考えると、まず第一に筏が波浪の衝撃が最も強い水面に設置してある為に破壊が起こると考えられる。第二に、浮体物の生簀が波浪で左右に揺れる為、浮体物の生簀を繋留するアンカーロープ緊張した状態と緩んだ状態とが常時繰り返され、繋留装置が疲労し破壊される。

0004

上述したものが浮体物の生簀破壊の主な原因であることは以前から認識されており、様々な解決案は考えられている。その解決案として浮体物としての生簀を沈下式にした所謂、沈下式養殖生簀がある。この沈下式養殖生簀は、波浪の衝撃による被害を減少できる利点を備えている。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、浮体物としての前記沈下式養殖生簀にも、次のような問題点がある。沈下式養殖生簀を水底で繋留するアンカーロープの長さは一定であるため、干満による水面の水位の変動に追従して沈下式養殖生簀が上下揺動すると、干潮時における沈下式養殖生簀を繋留するアンカーロープに作用する張力は満潮時に比べて弱く、干満の周期でアンカーロープに作用する張力は変動し、つまり、干満の周期で繋留装置に弛緩と緊張が常時繰り返され、疲労破壊要因となっている。しかも、干潮時には満潮時と同じ強度で沈下式養殖生簀を繋留支持することができなった。

0006

また、時化や台風時には、波浪によって沈下式養殖生簀の繋留装置には強い外力が作用し、これに対応するためには、常時から強度の繋留装置を使用しなければならないが、平時においては過分な強度となり、繋留装置のコストが増大するという欠点があった。

0007

この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、時化や台風時には浮体物本体を波浪の谷まで自動的に沈下させて荒波の影響を回避し、また、干満に対しては浮体物が変位する水面に追従できるように支持し、しかも、これらの時化や台風時及び干満時においても常に、索条に作用する張力が同一の状態で浮体物を支持して、索条の張力の変動に起因する係留装置の疲労破壊を防ぐことのできる浮体物の繋留装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

以上の目的を達成するためにこの発明は、水面上に浮かぶ浮体物を水底に連結支持する索条の途中に索条調節器取付け、該索条調節器を筒体で形成し、筒体からなる索条調節器の一端を開放し他端を閉塞状に形成し、筒体からなる索条調節器の内部を開放室側と閉塞室側とに二分するピストンを索条調節器の内部に移動自在に内装し、浮体物側に連なる索条を索条調節器の開放された一端から上記開放室側に挿入して上記ピストンに連結し、水底側に連なる索条を索条調節器の閉塞状の他端から上記閉塞室側に挿入して上記ピストンに連結し、ピストンで二分された索条調節器内部の水底側に連なる索条が挿入された閉塞室側に、該閉塞室を広げる方向にピストン移動時には開く逆止め弁を設け、浮体物側に連なる索条の先端側を浮体物に滑動自在に連結すると共にその先端に重りを取付けた構成よりなるものである。

0009

ここで、好ましい態様として、逆止め弁はピストンに設けられており、また、索条調節器の開放された一端側の側周面には複数の通水孔が一端側に向かって形成されており、索条調節器の閉塞状の他端には一定圧力以上で閉じる緩衝弁が設けられている。

0010

また、索条調節器は開放された一端側を下向きにした鉛直方向に取付けられてもよく、或いは索条調節器は水平方向に取付けられてもよく、又は、索条調節器は開放された一端側を上向きにした斜め方向に取付けられてもよい。

0011

以上のような構成を有するこの発明は、次のように作用する。すなわち、時化や台風時には水面は大きなうねりとなり、浮体物が浮かんでいる水面が波浪の山の状態となった場合には、浮体物を水底側に連結支持する索条が連結された索条調節器内のピストンの移動が阻止されるので、浮体物は索条調節器の働きによってその上昇が阻止されて、波浪の平均水面上にそのまま保持される。

0012

他方、浮体物が浮かんでいる水面が波浪の谷の状態となった場合には、波浪の谷の波面に追従して浮体物は降下し、浮体物を水底に連結支持する索条には瞬間的に張力が作用しない状態となるが、索条の先端の重りによって、索条は引っ張られて、索条には再び一定の張力が作用することになる。このとき、ピストンは索条調節器内を一端側に向けて移動する。そして、再び、浮体物が浮かんでいる水面が波浪の山の状態となっても、上記の索条調節器の働きによって、浮体物の上昇は阻止され、浮体物の降下のみが許容されるので、その最大降下位置で浮体物は保持されて、荒波による影響を浮体物は極力免れる。

0013

以下、図面に記載の実施例に基づいてこの発明をより具体的に説明する。ここで、図1は養殖生簀からなる浮体物の全体側面図、図2(A)は索条調節器の断面図、図2(B)は索条調節器の中間省略の部分拡大図である。

0014

図において、水面に浮かぶ例えば養殖生簀からなる浮体物1は、内部が中空フロート型枠体2と、該フロート型枠体2に取付け支持される網3から主に構成されている。フロート型枠体2は方形状に配置され、その内部に網3が四側面及び上面側と底面側に配設されている。フロート型枠体2は浮体としての機能と網3を支持する枠体として機能する。そして、六面が網3で囲まれた内部で種々のが養殖される。

0015

例えば養殖生簀からなる浮体物1の外側には索条調節器4が鉛直方向に各々取付けられている。索条調節器4には浮体物1を水底に連結支持する索条5が当該調節器4内を挿通している。索条調節器4は、水面の変位に追従して昇降する浮体物1を支持する索条5に作用する張力を一定に保持する機能を果たすと共に、時化や台風時には浮体物1を波浪の谷まで自動的に沈下させて荒波の影響を回避させるように機能する。

0016

索条調節器4は、例えば、円筒形状の細長い筒体から形成され、その一端(図2(A)では下端)が開放されて開放端4aとなっている。索条調節器4の他端(図2(A)では上端)は閉塞状に形成されて閉塞端4bとなっている。索条調節器4の開放端4aには網4eが配設されていて、塵等が開放端4aを通じて索条調節器4内に流入するのが防がれている。

0017

索条調節器4の内部にはピストン6が上下方向に移動自在に内装されている。ピストン6は索条調節器4の内部側周面に完全に密着状態には内装されておらず、ピストン6と索条調節器4の内部側周面との間には僅かな隙間が生じる程度の大きさのものが使用されている。

0018

索条調節器4はその内部がピストン6によって、開放室側4cと閉塞室側4dに二分されている。図2では、開放室側4cはピストン6の下側に形成され、閉塞室側4dはピストン6の上側に形成される。開放室側4cは上記の開放端4aに通じており、開放室側4cの海水(又は水)は開放端4aを通じて外部と連通状態にある。

0019

これに対して、閉塞室側4dは外界遮断された状態となっていて、閉塞室側4dの海水(又は水)は一応は外部と連通状態にないが、この閉塞室側4dは完全な密閉状態に形成されてなく、少しの量の海水(又は水)が漏水できるようになっている。

0020

閉塞室側4dには逆止め弁6aが設けられている。逆止め弁6aは閉塞室側4dを広げる方向にピストン6が移動する場合に開くように取付けられている。つまり、図2において、ピストン6が索条調節器4の下端の開放端4a側に移動する場合には、逆止め弁6aが開いて閉塞室側4dを開通状態にして、閉塞室側4dが負圧状態になるのを防ぎ、ピストン6が開放端4a側にスムーズに移動できるようにしている。

0021

この実施例では、逆止め弁6aは閉塞室側4dの一部を構成するピストン6に設けられている。即ち、ピストン6に設けられた逆止め弁6aは、閉塞室側4dに臨む側のピストン表面に形成され、閉塞室側4dに開き、開放室側4cに向かって閉じるように形成されている。なお、逆止め弁6aは閉塞室側4dの一部を構成する箇所であれば何れでもよく、例えば、閉塞端4bや閉塞端4b側の索条調節器4の側周面に設けてもよい。

0022

例えば養殖生簀からなる浮体物1を水底に連結支持する前記索条5は、索条調節器4の内部の上記ピストン6に連結されている。索条5はピストン6を挟んで、水底側に連なる索条5aと、浮体物1側に連なる索条5bとに分けられる。この場合、索条5aと索条5bは1つの連続した索条5がピストン6を貫通したものから構成されていてもよく、或いは別々の索条5aと索条5bがピストン6で連結されていてもよい。索条5には例えばワイヤーが使用されている。

0023

水底側に連なる索条5aは、その一端側が索条調節器4の上端に取付けられた滑車2aで反転して下向きとなり索条調節器4の外部中央側面に取付けられた滑車2bで斜め下方に方向を変え、図示しない水底に固定されている。索条5aの他端側は、閉塞端4bの中央に形成された小孔を通過して索条調節器4の閉塞室側4d内に挿入し、閉塞室側4dの内部を張設され、その対面側のピストン6に連結されている。ピストン6に連結する側の索条5aはニードルシャフト5cで形成されている。

0024

例えば養殖生簀からなる浮体物1側に連なる索条5bの一端側は、開放端4aから索条調節器4の開放室側4cに挿入し、開放室側4cの内部を張設され、その対面側のピストン6に連結されている。又、索条5bの先端側は索条調節器4の下端に取付けられた滑車2cで反転して上向きとなって延び、そこからフロート型枠体2の上部に取付けられた滑車2dで反転して下向きとなり、その下向きとなった先端には重り7が取付けられている。

0025

上述のように、ピストン6に連結されている索条5bの先端側は、上記の滑車2c,2dによって、例えば養殖生簀からなる浮体物1に滑動自在に連結されている。また、索条5bの先端の重り7は、索条5を常に張った状態に保ち、索条5に一定の引張力が作用するようにしている。

0026

索条調節器4の開放室側4cの開放端4a側の側周面には、開放端4aに向けて複数の通水孔8が斜め方向にわたって形成されている。通水孔8はピストン6が開放端4a近くまで索条調節器4内を降下した場合に、降下したピストン6によって形成される閉塞室側4dの海水(又は水)が外部と連通状態となるための孔であり、閉塞室側4dの海水(又は水)を外部に排出してピストン6が簡単に索条調節器4内を上昇して、ピストン6が開放端4aから飛び出すのを防ぐ機能を果たしている。

0027

索条調節器4の閉塞室側4dの閉塞端4bには、一定圧力以上で閉じる緩衝弁9が設けられている。緩衝弁9は、閉塞端4bから上方に延び途中で下向きに曲がったバイパス路9aと、下向きに曲がったバイパス路9aの先端側に設けられた下向きの緩衝シリンダ9b、下向きの緩衝シリンダ9bに下向きに装着された開閉弁9c、開閉弁9cによってその開閉される閉塞端4bに形成された開閉孔9d、及び調整弁9eから構成されている。

0028

緩衝弁9はピストン6が索条調節器4内を上昇して閉塞端4bの近くまで移動したとき、ピストン6が閉塞端4bに当たるのを防ぐ緩衝部材として機能するもので、ピストン6が閉塞端4bの近くまで移動したときには、閉塞室側4dの水圧がバイパス路9aを通じて緩衝シリンダ9bに伝わり、緩衝シリンダ9bの開閉弁9cを下方に移動させて、開閉弁9cの下方に形成された開閉孔9dを塞ぐ。そして、開閉孔9dを塞ぐことによって、閉塞室側4dを略閉塞状態にして閉塞室側4d内の水圧を高めて、その水圧によって、ピストン6が更に閉塞端4b側に移動するのを阻止する機構である。

0029

次に、上記実施例の構成に基づく作用について、図3を参照しながら以下説明する。すなわち、時化や台風時には水面は大きなうねりとなり、例えば養殖生簀からなる浮体物1が浮かんでいる水面が波浪の山の状態となった場合には、その波浪によって浮体物1には上昇力が作用し、浮体物1を水底に連結支持する索条5には引張力が作用する。

0030

索条5は索条調節器4内のピストン6に連結されており、索条5に引張力が作用すると、その引張力によって索条5が連結されたピストン6を索条調節器4内部を閉塞室側4dの閉塞端4b側に移動させるような力が作用する。

0031

ピストン6で閉塞された閉塞室側4dは海水(又は水)で満たされており、しかも閉塞室側4dの海水(又は水)は外部に僅かの量を除いて流出することがないため、ピストン6が閉塞室側4dを狭める方向への移動が阻止される。

0032

その結果、浮体物1は水面が波浪の山の状態となった場合に、索条調節器4の働きによってその上昇が阻止されて、浮体物1は波浪の平均水面H上にそのまま保持される。また、このとき、索条5には一定の張力が作用しており、この張力によって、浮体物1が左右に揺動するのを阻止する。

0033

他方、浮体物1が浮かんでいる水面が波浪の谷Lの状態となった場合には、その波浪によって浮体物1には下降力が作用し、波浪の谷Lの波面に追従して浮体物1は降下し、浮体物1を水底に連結支持する索条5には瞬間的に張力が作用しない状態となる。

0034

浮体物1側に連なる索条5bの先端には重り7が取付けられており、索条5に瞬間的に張力が作用しない状態となると、この重り7が水底側に移動する。重り7が水底側に降下すると、重り7がその先端に取付けられた索条5bはこの重り7によって下方に引っ張られて、索条5には再び一定の張力が作用することになる。

0035

このとき、索条5が連結された索条調節器4内のピストン6には、重り7の水底側への移動によって、当該ピストン6を索条調節器4内部の開放室側4cの開放端4a側に移動させる方向に力が作用する。

0036

ピストン6で分けられた開放室側4cは開放端4aが開放されており、又、ピストン6が索条調節器4内部の開放端4a側に移動する場合、つまり、開放室側4cを狭め、閉塞室側4dを広げる方向にピストン6が移動する場合には閉塞室側4dを閉塞状態にする逆止め弁6aが開くため、ピストン6は閉塞室側4dの海水(又は水)の抵抗を受けなくなり、ピストン6は索条調節器6内を開放端4aに向けて移動する。

0037

その結果、浮体物1は水面が波浪の谷Lの状態となった場合に、波浪に追従して降下し、又、索条調節器4の働きによって降下した浮体物1を連結支持する索条5には降下前と同一の大きさの張力が作用し続け、降下位置に浮体物1を保持する。

0038

そして、再び、浮体物1が浮かんでいる水面が波浪の山の状態となっても、上記の索条調節器4の働きによって、浮体物1の上昇は阻止される。しかも、浮体物1が浮かんでいる水面の波浪の谷Lが前回の谷よりも更に低くなった場合には、その分、浮体物1は降下し、最終的には、波浪の最大谷の低さまで浮体物1は降下し続け、その最大降下位置で浮体物1は保持されて、荒波による影響を浮体物1は極力免れる。

0039

また、ピストン6で閉塞される閉塞室側4dは完全な閉塞状態でないため、ピストン6は閉塞室側4dを狭める方向へも非常にゆっくりした速度で少しづつ移動することができる。このため、満潮に向かって水面が除々に上昇する場合には、非常にゆるやかな水面の上昇速度に対応した速度でピストン6も索条調節器4内を閉塞室側4dを狭める方向に移動し、浮体物1は上昇することが可能となる。

0040

干潮に向かって水面が除々に降下する場合には、前述したように、浮体物1の下降時にはピストン6は移動するため、浮体物1は下降する。このように、浮体物1は干満によって変位する水面に追従して昇降し、しかも、浮体物1を連結支持する索条5に作用する張力は重り7によって一定に保持される。

0041

なお、この発明は上記実施例に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。例えば、上記実施例においては、浮体物1として養殖生簀の場合で説明したがこれに限定されるものではない。また、索条調節器4が鉛直に取付けられている場合で説明したが、これに限定されるものではなく、図4に図示するように、索条調節器4を水平に取付けてもよく、或いは、図5に図示するように、開放端4aを上向きにして索条調節器4を斜めに取付けてもよい。

発明の効果

0042

以上の記載より明らかなように、この発明に係る浮体物の繋留装置によれば、浮体物が浮かんでいる水面が波浪の山の状態となった場合には、浮体物を水底側に連結支持する索条が連結された索条調節器内のピストンの移動が阻止されるので、索条調節器の働きによって浮体物が上昇するのを阻止でき、波浪の平均水面上に浮体物をそのまま保持することができる。また、浮体物が浮かんでいる水面が波浪の谷の状態となった場合には、波浪の谷の波面に追従して浮体物は降下することができる。このとき、浮体物を水底に連結支持する索条には瞬間的に張力が作用しない状態となるが、索条の先端の重りによって、索条は引っ張られて、索条には再び一定の張力を作用させることができる。しかも、この場合、ピストンは索条調節器内を一端側に向けて移動する。そして、再び、浮体物が浮かんでいる水面が波浪の山の状態となっても、上記の索条調節器の働きによって、浮体物の上昇は阻止され、浮体物の降下のみが許容されるので、浮体物は波浪の最大谷の深さまで降下することができ、しかも、最大降下位置で浮体物を保持することができる。

0043

このように、時化や台風時には浮体物本体を波浪の最大谷の深さまで自動的に沈下させて荒波の影響を回避することができ、また、干満に対しては浮体物が変位する水面に追従して昇降することができ、しかも、これらの時化や台風時及び干満時においても常に、索条に作用する張力が同一の状態で浮体物を支持して、索条の張力の変動に起因する係留装置の疲労破壊を防ぐことができる等、極めて新規的有益なる効果を奏するものである。

図面の簡単な説明

0044

図1この発明の実施例を示す養殖生簀からなる浮体物の全体側面図である。
図2(A)はこの発明の実施例を示す索条調節器の断面図である。(B)はこの発明の実施例を示す索条調節器の中間省略の部分拡大図である。
図3(A)(B)はこの発明の実施例を示す作用説明図である。
図4この発明の他の実施例を示す養殖生簀からなる浮体物の全体側面図である。
図5この発明の他の実施例を示す養殖生簀からなる浮体物の全体側面図である。

--

0045

1浮体物
2フロート型枠体
2a〜2d滑車
3 網
4索条調節器
4a開放端
4b閉塞端
4c開放室側
4d閉塞室側
4e 網
5 索条
5a水底側に連なる索条
5b 浮体物側に連なる索条
5cニードルシャフト
6ピストン
6a逆止め弁
7重り
8通水孔
9緩衝弁
9aバイパス路
9b緩衝シリンダ
9c開閉弁
9d開閉孔
9e 調整弁

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