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技術 放電加工装置

出願人 三菱電機株式会社
発明者 寺田裕
出願日 1992年8月5日 (29年6ヶ月経過) 出願番号 1992-209088
公開日 1994年3月1日 (27年11ヶ月経過) 公開番号 1994-055350
状態 特許登録済
技術分野 放電加工、電解加工、複合加工
主要キーワード 電蝕作用 アノード分極特性 ステンレス鋳物 耐蝕効果 接触通電 耐蝕材 放電加工処理 テーブル部材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1994年3月1日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

目的

漬加工方式における加工槽本体及びテーブル部材などの電蝕を確実に防止する。

構成

被加工物8を浸漬するための加工液12を貯留する加工槽11と、加工槽11内で被加工物8を安定的に取り付ける補助テーブル16と、被加工物8をワイヤ電極1に位置ずれなく直線上に案内する下部ガイドブロック6Aとを有し、被加工物8とワイヤ電極1間に加工電圧印加しながら加工液12を加圧供給して被加工物8を加工する放電加工装置において、補助テーブル16の少なくとも被加工物8と接触する上面を、クロム(Cr)が20%以上含有する材質で構成することを特徴とする。

概要

背景

図6は、従来における放電加工装置を示すもので、1はワイヤ電極であり、該ワイヤ電極1はボビン2より繰り出され上部プーリー3を通過し、上部ワイヤガイド4及び下部ワイヤガイド5に案内されて、下部プーリー6を通過して回収ローラー7にて巻き取られる。8はワイヤ電極1に対抗する被加工物であり、テーブル9に固定される。該テーブル9はベースとなる支持テーブル10に支持される。11は加工槽であり、加工液12を貯留し、該加工液12中にて被加工物8に対する加工処理を実行する。

また、13は扉であり、昇降式もしくは開閉式に構成され、該扉13を下げた状態で被加工物8の搬入及び搬出を行う。加工処理中は加工液を滞留させるため閉じられた状態となる。被加工物8はテーブル9の上面14にボルトなどで固定される。上記下部プーリー6は、下部ガイド5及び下部プーリー6を収納支持する下部ブロック6Aで加工槽11の側面に設けられた貫通穴11Aを貫通係合する下部アーム6Bにて支持されている。6Cはシール板で下部アーム6Bに係合し、支持テーブル10がXY軸方向に移動する際の加工液12の漏れを防止する。

実際の加工処理は、上部ガイド4及び下部ガイド5は一体となって上記支持テーブル10と相対的なXY平面上の運動を行う。加工電圧はワイヤ電極1に接触通電(図示せず)されて加工処理が進行するが、一般的にはワイヤ電極1はマイナス電位、被加工物8にはプラスの電位が作用するように回路を構成するため、電気化学的な腐食は被加工物8及びワイヤ電極1に対抗するプラス側のテーブル9にて発生する。

電気化学的な腐食を考察するためには、電位分布を調べる必要がある。しかしながら、加工槽11内の空間的な電位分布は極めて複雑に偏在するため測定が困難である。そこで、二次元的な見方をすると比較的検討が容易となるため以降はそれに準拠して説明する。

ここで、錆の発生メカニズムを簡単に説明すると、イオン電流漏れ電流)はテーブル9表面の加工液12と接する近傍において、該テーブル部材のFeはFe2+に、H2 OはH+ とOH- に分解する。さらにFe2+はOH- と反応して水酸化鉄になり、Feの溶出を促進する。また、加工液12中に含有されるCl-イオンはFe2+と反応して塩化鉄FeCl2 を生成し、上記同様Feの溶出を促進する。特に、イオン電流による水酸化鉄の生成よりCl- イオンとの反応は耐蝕材料にとって重大な穴蝕(ピッチング)或いは隙間腐食を発生し、早期的な劣化につながる。Cl- イオンを完全に加工液12中より除去することは極めて困難であり、数PPM程度はイオン交換樹脂による処理後にあっても残留する。これは、いわゆるバックグラウンドとして自然界に存在する値である。

一般的に、加工処理に供される電位は、略100%加工エネルギーとして消費されるが、加工液12が完全な誘電体とは異なり、比抵抗の高い(1万Ωcm以上の)純水を用いるため、加工処理以外の漏れ電流がイオン化してイオン電流として流れる。該イオン電流は、ワイヤ電極1と同電位に帯電する下部ブロック6Aとプラス側の電位、即ち、被加工物8及びテーブル9,10等との間に流れることになる。該イオン電流は、加工液12の比抵抗値により大きく変化し、比抵抗値が小であれば多く流れ、逆に比抵抗値が大であれば少なく流れる。また、加工液12の汚れ具合により大きく影響を受けることになるため、加工液12は常時フィルタリングされ、常に濾過された加工液12が加工槽11に供給されるようなシステムが一般的に採用されている。また、加工処理により発生するスラッジ加工屑酸化鉄、ワイヤ電極の等)が堆積すると、そこに集中してイオン電流が流れることもある。

イオン電流の分布は、空間の等電位曲線を求めると容易に算出することができるが、被加工物8を除けば下部ブロック6Aもしくはワイヤ電極1の対抗する最も近いテーブル9に集中して流れる。実際のイオン電流は加工液12の比抵抗値から求められる電路に対応した抵抗逆比例して流れる。即ち、等電位分布密度の高い箇所はイオン電流も多いことになる。

なお、従来における加工液12を吹きかけて加工する方式では、上記電路に対応した抵抗値が高いため、イオン電流が極めて少なく電気化学的な腐食はほとんど問題にはならず、たとえ問題化したとしても極めて長期間経過した後であり機械自体の寿命として処理されるケースが多かった。

概要

漬加工方式における加工槽本体及びテーブル部材などの電蝕を確実に防止する。

被加工物8を浸漬するための加工液12を貯留する加工槽11と、加工槽11内で被加工物8を安定的に取り付ける補助テーブル16と、被加工物8をワイヤ電極1に位置ずれなく直線上に案内する下部ガイドブロック6Aとを有し、被加工物8とワイヤ電極1間に加工電圧を印加しながら加工液12を加圧供給して被加工物8を加工する放電加工装置において、補助テーブル16の少なくとも被加工物8と接触する上面を、クロム(Cr)が20%以上含有する材質で構成することを特徴とする。

目的

この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、浸漬加工方式における加工槽本体及びテーブル部材などの電蝕を確実に防止する放電加工装置を得ることを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

被加工物を浸漬するための加工液貯留する加工槽と、前記加工槽内で被加工物を安定的に取り付けるテーブルと、前記被加工物をワイヤ電極位置ずれなく直線上に案内するガイドブロックとを有し、前記被加工物とワイヤ電極間加工電圧印加しながら加工液を加圧供給して被加工物を加工する放電加工装置において、前記テーブルの少なくとも被加工物と接触する上面を、クロム(Cr)が20%以上含有する材質で構成することを特徴とする放電加工装置。

請求項2

前記テーブルの材質が、SCS11であることを特徴とする請求項1記載の放電加工装置。

請求項3

前記加工槽の内壁部及び底部に対抗して取り付けられ、加工処理時は加工液中に位置する前記ガイドブロックを絶縁材料にて被覆することを特徴とする請求項1記載の放電加工装置。

請求項4

被加工物を浸漬するための加工液を貯留する加工槽を有し、前記加工槽に加工処理中常に加工液を溜めて被加工物を加工する放電加工装置において、前記加工液を前記加工槽に供給する経路に加工液の塩素イオンを除去する塩素イオン除去手段を具備することを特徴とする放電加工装置。

請求項5

前記塩素イオン除去手段は、マグネットで構成されたノズルを用い、前記ノズル内を加工液が高速に通過するようにしたことを特徴とする請求項4記載の放電加工装置。

技術分野

0001

この発明は、加工液貯留した加工槽内において、被加工物を加工する浸漬加工方式の放電加工装置に関し、特に、加工処理中におけるテーブル部材電気化学的腐食を防止する放電加工装置に関するものである。

背景技術

0002

図6は、従来における放電加工装置を示すもので、1はワイヤ電極であり、該ワイヤ電極1はボビン2より繰り出され上部プーリー3を通過し、上部ワイヤガイド4及び下部ワイヤガイド5に案内されて、下部プーリー6を通過して回収ローラー7にて巻き取られる。8はワイヤ電極1に対抗する被加工物であり、テーブル9に固定される。該テーブル9はベースとなる支持テーブル10に支持される。11は加工槽であり、加工液12を貯留し、該加工液12中にて被加工物8に対する加工処理を実行する。

0003

また、13は扉であり、昇降式もしくは開閉式に構成され、該扉13を下げた状態で被加工物8の搬入及び搬出を行う。加工処理中は加工液を滞留させるため閉じられた状態となる。被加工物8はテーブル9の上面14にボルトなどで固定される。上記下部プーリー6は、下部ガイド5及び下部プーリー6を収納支持する下部ブロック6Aで加工槽11の側面に設けられた貫通穴11Aを貫通係合する下部アーム6Bにて支持されている。6Cはシール板で下部アーム6Bに係合し、支持テーブル10がXY軸方向に移動する際の加工液12の漏れを防止する。

0004

実際の加工処理は、上部ガイド4及び下部ガイド5は一体となって上記支持テーブル10と相対的なXY平面上の運動を行う。加工電圧はワイヤ電極1に接触通電(図示せず)されて加工処理が進行するが、一般的にはワイヤ電極1はマイナス電位、被加工物8にはプラスの電位が作用するように回路を構成するため、電気化学的な腐食は被加工物8及びワイヤ電極1に対抗するプラス側のテーブル9にて発生する。

0005

電気化学的な腐食を考察するためには、電位分布を調べる必要がある。しかしながら、加工槽11内の空間的な電位分布は極めて複雑に偏在するため測定が困難である。そこで、二次元的な見方をすると比較的検討が容易となるため以降はそれに準拠して説明する。

0006

ここで、錆の発生メカニズムを簡単に説明すると、イオン電流漏れ電流)はテーブル9表面の加工液12と接する近傍において、該テーブル部材のFeはFe2+に、H2 OはH+ とOH- に分解する。さらにFe2+はOH- と反応して水酸化鉄になり、Feの溶出を促進する。また、加工液12中に含有されるCl-イオンはFe2+と反応して塩化鉄FeCl2 を生成し、上記同様Feの溶出を促進する。特に、イオン電流による水酸化鉄の生成よりCl- イオンとの反応は耐蝕材料にとって重大な穴蝕(ピッチング)或いは隙間腐食を発生し、早期的な劣化につながる。Cl- イオンを完全に加工液12中より除去することは極めて困難であり、数PPM程度はイオン交換樹脂による処理後にあっても残留する。これは、いわゆるバックグラウンドとして自然界に存在する値である。

0007

一般的に、加工処理に供される電位は、略100%加工エネルギーとして消費されるが、加工液12が完全な誘電体とは異なり、比抵抗の高い(1万Ωcm以上の)純水を用いるため、加工処理以外の漏れ電流がイオン化してイオン電流として流れる。該イオン電流は、ワイヤ電極1と同電位に帯電する下部ブロック6Aとプラス側の電位、即ち、被加工物8及びテーブル9,10等との間に流れることになる。該イオン電流は、加工液12の比抵抗値により大きく変化し、比抵抗値が小であれば多く流れ、逆に比抵抗値が大であれば少なく流れる。また、加工液12の汚れ具合により大きく影響を受けることになるため、加工液12は常時フィルタリングされ、常に濾過された加工液12が加工槽11に供給されるようなシステムが一般的に採用されている。また、加工処理により発生するスラッジ加工屑酸化鉄、ワイヤ電極の等)が堆積すると、そこに集中してイオン電流が流れることもある。

0008

イオン電流の分布は、空間の等電位曲線を求めると容易に算出することができるが、被加工物8を除けば下部ブロック6Aもしくはワイヤ電極1の対抗する最も近いテーブル9に集中して流れる。実際のイオン電流は加工液12の比抵抗値から求められる電路に対応した抵抗逆比例して流れる。即ち、等電位分布密度の高い箇所はイオン電流も多いことになる。

0009

なお、従来における加工液12を吹きかけて加工する方式では、上記電路に対応した抵抗値が高いため、イオン電流が極めて少なく電気化学的な腐食はほとんど問題にはならず、たとえ問題化したとしても極めて長期間経過した後であり機械自体の寿命として処理されるケースが多かった。

発明が解決しようとする課題

0010

上記図6に示した加工液を加工槽に溜めて加工する浸漬加工方式の放電加工装置にあっては、以上のように構成されているので、テーブルの腐食が激しく、特に比抵抗を低い(1万Ωcm程度の)状態で使用すると頻繁に交換する必要が生じるという問題点があった。

0011

また、この浸漬加工方式による放電加工装置にあっては、被加工物を取り付けるテーブル及び加工槽の電蝕が激しく定期的な交換が必要となるため、一部において電蝕対策として、テーブル等を石材或いはセラミックス系の部材で構成する試みも実行されてきているが、全体を石材或いはセラミックス系の部材により構成すること自体難しく、部分的な使用となり加工上の問題並びに熱膨脹係数相違による歪みの発生という多くの問題点があった。

0012

この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、浸漬加工方式における加工槽本体及びテーブル部材などの電蝕を確実に防止する放電加工装置を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

この発明に係る放電加工装置は、被加工物を浸漬するための加工液を貯留する加工槽と、前記加工槽内で被加工物を安定的に取り付けるテーブルと、前記被加工物をワイヤ電極に位置ずれなく直線上に案内するガイドブロックとを有し、前記被加工物とワイヤ電極間に加工電圧を印加しながら加工液を加圧供給して被加工物を加工する放電加工装置において、前記テーブルの少なくとも被加工物と接触する上面を、クロム(Cr)が20%以上含有する材質で構成するものである。

0014

また、前記テーブルの材質が、SCS11で構成されている。また、前記加工槽の内壁部及び底部に対抗して取り付けられ、加工処理時は加工液中に位置する前記ガイドブロックを絶縁材料にて被覆するものである。

0015

また、被加工物を浸漬するための加工液を貯留する加工槽を有し、前記加工槽に加工処理中常に加工液を溜めて被加工物を加工する放電加工装置において、前記加工液を前記加工槽に供給する経路に加工液の塩素イオンを除去する塩素イオン除去手段を具備するものである。

0016

また、前記塩素イオン除去手段は、マグネットで構成されたノズルを用い、前記ノズル内を加工液が高速に通過するようにしたものである。

0017

この発明に係る放電加工装置は、テーブルの、少なくとも被加工物と接触するテーブル上面にクロム(Cr)を20%以上含有した材料(例えば、SCS11)を用いたので、従来までの材質に比べて不働態化領域にある場合は腐食は生じない。

0018

また、加工槽の内壁部及び底部に対抗して取り付けられ、加工処理時は加工液中に位置するガイドブロックを絶縁材料にて被覆することにより、下部ガイドブロックより加工液を通して流れる漏れ電流を抑制し、電蝕を防止することができる。

0019

また、加工処理中常に加工液を加工槽に溜めて被加工物を加工する放電加工装置において、加工液を加工槽に供給する経路に塩素イオン除去装置を具備したので、浸漬加工における電蝕作用の主原因である加工液中の塩素イオンを極力減少させることができる。

0020

また、塩素イオン除去装置は、例えば、磁気ノズルにより構成し、ノズルに直接水もしくは空気を通過させ磁気の作用により加工液中の酸素活性化させ、加工液中の塩素イオンを除去する。

0021

〔実施例1〕この発明に係る放電加工装置の実施例1を図について説明する。図1は、この発明に係る放電加工装置の構成を示すものであり、1はワイヤ電極であり、該ワイヤ電極1はボビン2より繰り出され上部プーリー3を通過し、上部ワイヤガイド4及び下部ワイヤガイド5に案内されて、下部プーリー6を通過して回収ローラー7にて巻き取られる。11は加工槽であり、加工液12を貯留し、該加工液12中にて被加工物8に対する加工処理を実行する。なお、12Aは加工液タンクである。

0022

また、15はテーブルで、上記図6において示したテーブル9、テーブル10を機能的に一体構成としたもので、箱形形状をなし、その上面は閉口しており、加工液12を貯留する加工槽11を形成している。周囲には、被加工物8を取り付ける縁付きのテーブル上面14を有する。そのテーブル上面14には補助テーブル16がボルトなどで固定されている。テーブル15は、FC20などで構成され内面は電蝕保護のため、塗装にて表面を強化している。また、補助テーブル16はクロム(Cr)を20%以上含有したステンレス鋳物、例えば、SCS11などにより構成されているため加工液中においては不働態化し、その表面電位不働態膜破壊する電圧以上になることはなく、酸化作用は発生しない。仮に、加工電圧が高く表面電位が前記不働態電位以上となった場合でも、不働態化しない材料に比較してその腐食程度軽微ですむ。

0023

上記の如く、この発明に係る放電加工装置は、テーブルの、少なくとも被加工物と接触するテーブル上面にクロム(Cr)を20%以上含有した材料(例えば、SCS11)を用いたので、従来までの材質に比べて不働態化領域にある場合は腐食は生じない。

0024

次に、成分元素の異なる各種ステンレス鋳鋼につきアノード分極特性を測定し、高電位まで不働態化領域を持つ材料を調査した結果を図5に示す。図5は、腐食電流と表面電位の関係を示すグラフであり、テーブル15の表面電位が高くなるほど腐食に寄与する電流(腐食電流)が多く流れることを示している。従来までのテーブル材質であるステンレス鋳鋼材(SCS5)では約100mV程度で不働態膜が破壊され腐食電流が流れ始めるのに対し、クロム(Cr)を25%含有するSCS1の場合は約800mV程度まで腐食電流は流れない。即ち、クロム(Cr)含有量の多い材料ほど腐食に対し不働態膜が安定に保持され、耐蝕性が向上する。

0025

通常放電加工処理時における表面電位は約400mV程度であり、約20%以上のクロム(Cr)含有量を要する。例えば、JISに示す材料ではSCS11相当の材料を適用することが電蝕防止に有効である。しかしながら、加工槽11本体、テーブル15全体を高価なステンレス鋳鋼などで製作することは装置自体コストアップ要因ともなり、廉価な部材で構成することが望ましい。高価な耐蝕材料の使用は被加工物固定用として分離独立した補助テーブルなどに限定して、耐蝕効果を発揮させるのが望ましい。

0026

〔実施例2〕図2は、この発明の実施例2に係る放電加工装置の一部を拡大した説明図であり、加工液タンク12Aからイオン交換樹脂を介して高比抵抗の純水が加工槽11に供給されている。17は加工液供給口であり、加工処理時に必要な加工液12はここから加工槽11内に供給される。18は塩素イオン除去装置であり、加工液供給口17に予め取り付けられている。即ち、加工液12はこの塩素イオン除去装置18を高速で通過し、加工槽11内に供給される。塩素イオン除去装置18内を通過した加工液12は活性化され、塩素濃度の低い液となる。

0027

上記の如く、加工液8を加工槽11に供給する経路に塩素イオン除去装置18を具備したので、浸漬加工処理における電蝕作用の主原因である加工液12中の塩素イオンを極力減少させることができる。即ち、放電加工装置の加工液12は水道水をイオン交換樹脂を通して高比抵抗の純水に変換したものを使用する。一般的に水道水の残留塩素は約0.7ppm程度であるが、イオン交換樹脂を通しても塩素イオンを取り去ることはできない。そこで、加工槽11内に加工液12を供給する際、塩素イオン除去装置18を介して供給することにより残留塩素を極力減少させ、腐食を抑制する。

0028

〔実施例3〕図3は、図2に示した上記塩素イオン除去装置18の構成を示す説明図であり、塩素イオン除去装置18には、例えば、磁気ノズルが有効であり、19はマグネットであり、該マグネット19内に加工液12とともに酸素を高速に流すことによりマグネット19間の磁力線を高速に通過し、酸素が活性状態になる。活性化された酸素が加工液12中の塩素イオンと結合し、加工液12中から塩素イオンが除去される。この磁気ノズルにより加工槽11内に送られた加工液12は、塩素イオンが通常の約1/2まで除去される。従って、加工槽11内には前述の如く腐食に悪影響を及ぼす塩素イオンを取り除いた加工液12が供給されることになる。即ち、磁気ノズルに直接水もしくは空気を通過させ磁気の作用により加工液12中の酸素を活性化させ、加工液12中の塩素イオンを除去する。この方式により残留塩素を約0.3ppmまで抑制することができる。

0029

その他の方法として、酸素のみを水中に爆気させる方法も考えられる。この磁気ノズルより加工処理中において断続的に酸素を加工槽11内に爆気することにより、加工液12を常に循環させ、加工処理時に発生するスラッジの堆積を防止し、且つ、加工槽11内の塩素イオンの増加を抑制することができる。

0030

〔実施例4〕図4は、この発明に係る実施例4を示す説明図であり、6Aは下部ガイドブロックで、ワイヤ電極1の位置を正確に拘束する。加工処理中において、下部ガイドブロック6Aとワイヤ電極1は同電位でマイナス電位に帯電している。20は絶縁被膜、例えば、セラミックスコーティングであり、下部ガイドブロック6Aからの漏れ電流を防止している。

0031

上記の如く、加工槽11の内壁部及び底部に対抗して取り付けられ、加工処理時は加工液12中に位置する下部ガイドブロック6Aを絶縁材料にて被覆することにより下部ガイドブロック6Aより加工液12を通して流れる漏れ電流を抑制し、電蝕を防止することができる。即ち、現在では、漏れ電流を抑制する手段として加工液12の比抵抗値を十分に高く設定し加工を実行している。しかし、高比抵抗の加工液12を供給するにはランニングコストと時間を大幅に費やさなければならない。従って、加工処理中加工液12中に設定されて、ワイヤ電極1と同電位である下部ガイドブロック6Aの加工液12と接触する表面を全て絶縁被膜20で覆うことは非常に効果的である。絶縁被膜としては、セラミックスコーティングの他にゴムライニング等がある。

発明の効果

0032

以上のように、この発明によれば、テーブル上面に補助テーブルを固定接合し、この補助テーブルはCrを20%以上含有した材料で構成することにより、不働態膜が強化され、加工電圧により供される補助テーブルの表面電位では不働態膜が破壊されず、テーブル本体の電蝕を防止する効果がある。また、塩素イオン除去装置により電蝕に対し悪影響を及ぼす加工液中の塩素イオンを従来の1/2にするため、特別な電蝕対策保護機能を持つことなく電蝕を防止できる効果がある。更に、下部ガイドブロックの表面を絶縁被膜することにより下部ガイドブロックより発生する漏れ電流を抑制し、電蝕を防止することができる。

0033

即ち、この発明により電蝕の防止に著しい効果が期待できる。さらに、従来にあっては、加工液の比抵抗値を約10万Ωcmで加工をする必要があったが、塩素イオンを除去できることにより比抵抗値を低く下げることができ、イオン交換樹脂の寿命を向上させることができる効果もある。

図面の簡単な説明

0034

図1この発明に係る放電加工装置の概略構成を示す説明図である。
図2この発明に係る放電加工装置における塩素イオン除去装置の配置位置を示す説明図である。
図3図2に示した塩素イオン除去装置の構成を示す説明図である。
図4この発明に係る放電加工装置の下部ガイドブロックに対する絶縁被膜のコーティング状態を示す説明図である。
図5表面電位と腐食電流の関係を示すグラフである。
図6従来における放電加工装置の概略構成を示す説明図である。

--

0035

1ワイヤ電極
6A 下部ガイドブロック
8被加工物
11加工槽
12加工液
15 テーブル
16補助テーブル
17加工液供給口
18塩素イオン除去装置
19マグネット
20 絶縁被膜

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