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図面 (5)

目的

複数の回転軸同期回転させる流体回転装置において、これらの回転軸に対して、加減速時および定常回転時の何れでも、適切な回転制御が行えるとともに、回転制御における不必要な電力消費を無くすことができるようにする。

構成

複数個ロータおよび回転軸を同期回転させる容積式ポンプ部分を備えた流体回転装置において、各回転軸の駆動をPLL制御により制御する際に、PLL制御回路ゲインを、ゲイン切換スイッチなどのゲイン切換手段により、回転軸の加減速時(A−B、C−D)には大きく、回転軸の定常回転時(B−C)には小さくする。

概要

背景

半導体製造プロセスにおけるCVD装置ドライエッチング装置スパッタリング装置蒸着装置などには、真空環境を作りだすための真空ポンプが必要である。真空ポンプは、磁気ディスク液晶などの製造プロセスでも用いられている。

図4は従来の容積式スクリュー型真空ポンプの一例を示している。ハウジング211内には回転中心軸を平行にしたロータが2個設けられており、これら2個のロータ212a、212bは、それぞれの外周面スクリューが形成されていて、互いの凹部(溝)213aを相手側の凸部213bと噛み合せることにより、両者の間に密閉空間を作り出している。両ロータ212a、212bが回転すると、この回転に伴い、前記密閉空間の容積が変化して、吸入排気作用を行う。

概要

複数の回転軸同期回転させる流体回転装置において、これらの回転軸に対して、加減速時および定常回転時の何れでも、適切な回転制御が行えるとともに、回転制御における不必要な電力消費を無くすことができるようにする。

複数個のロータおよび回転軸を同期回転させる容積式のポンプ部分を備えた流体回転装置において、各回転軸の駆動をPLL制御により制御する際に、PLL制御回路ゲインを、ゲイン切換スイッチなどのゲイン切換手段により、回転軸の加減速時(A−B、C−D)には大きく、回転軸の定常回転時(B−C)には小さくする。

目的

このような課題を解決するために、本発明者らは、独立したモータによって駆動される複数個のロータを備え、ロータリーエンコーダ等の回転角及び/または回転数の検出手段を用いた非接触方式の同期回転により、前記複数個のモータの回転を同期制御するようになっていることを特徴とする容積型の真空ポンプを既に提案している(特願平2−255798号)。この提案により、ロータの高速回転が可能であり、メンテナンスの必要性がなく、クリーン化及び小型化が容易な真空ポンプを提供することができる。

本発明は前記提案をさらに改良するもので、前述した特徴に加えて、前記複数個のモータの同期回転制御における不必要な電力消費を無くすことができるようにする真空ポンプを提供するものである。

容積式の真空ポンプでは、複数の駆動モータすなわち回転軸を正確に同期回転させなければ、ロータ同志が接触衝突して、目的とするポンプ作用が十分に果たせなくなったり、動力損失が大きくなったり、ロータなどの機構部品が損傷したりする問題が生じる。同期回転とは、回転軸の回転速度及び回転位置すなわち位相の両方を一致させるということである。

そこで、この発明の課題は、前記したような流体回転装置において、回転軸の回転制御を適正に行えるとともに、回転制御に伴う電力の無駄を無くして、ランニングコストを低減できるようにすることにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

ハウジング内に収容された複数個ロータ及びこれらのロータと一体化した複数個の回転軸と、これらの回転軸の回転を支持する軸受と、前記ハウジングに形成された流体吸入口および吐出口と、前記複数個の回転軸をそれぞれ独立して回転駆動するモータと、このモータの回転角および/または回転数を検知する回転検出手段と、この回転検出手段からの信号によって前記複数個のモータを同期制御することにより前記ロータおよび前記ハウジングで形成される密閉空間の容積変化を利用して流体の吸入・排気を行う容積式ポンプ部分を備えてなる流体回転装置において、前記回転軸の同期回転駆動をPLL制御方式により行い、このPLL制御回路ゲインを、回転軸の加減速時には大きく、回転軸の定常回転時には小さくするゲイン切換手段を備えていることを特徴とする流体回転装置。

技術分野

0001

この発明は、流体回転装置に関し、詳しくは、真空ポンプのように、高速で回転する回転軸回転駆動する際に、回転軸を所望の回転数および位相で正確に回転させる必要のある流体回転装置に関するものである。

背景技術

0002

半導体製造プロセスにおけるCVD装置ドライエッチング装置スパッタリング装置蒸着装置などには、真空環境を作りだすための真空ポンプが必要である。真空ポンプは、磁気ディスク液晶などの製造プロセスでも用いられている。

0003

図4は従来の容積式スクリュー型真空ポンプの一例を示している。ハウジング211内には回転中心軸を平行にしたロータが2個設けられており、これら2個のロータ212a、212bは、それぞれの外周面スクリューが形成されていて、互いの凹部(溝)213aを相手側の凸部213bと噛み合せることにより、両者の間に密閉空間を作り出している。両ロータ212a、212bが回転すると、この回転に伴い、前記密閉空間の容積が変化して、吸入排気作用を行う。

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、容積型スクリュー真空ポンプでは、2個のロータ212a、212bの同期回転タイミングギヤの働きによっている。すなわち、モータ215の回転は、駆動ギヤ216aから中間ギヤ216bに伝達され、両ロータ212a、212bの軸に設けられて互いに噛み合っているタイミングギヤ216c、216dの一方に伝達される。両ロータ212a、212bの回転角の位相は、これら2個のタイミングギヤ216c、216dの噛み合いにより調節されている。この種の真空ポンプでは、このように、モータの動力伝達と同期回転にギヤを用いているので、前記各ギヤが納められている機械作動室217に満たされた潤滑油が前記ギヤに供給される構成となっている。また、この潤滑油がロータを収納する液体作動室218に侵入しないように、両室間にメカニカルシール219が設けられている。

0005

このような構成からなる2ロータ型のスクリュー真空ポンプには、動力伝達と同期回転のための多数のギヤを必要とし、部品点数が多く装置が複雑化する。ギヤを用いた接触型の同期回転であるため高速化ができず、装置が大型化する。メカニカルシールの摩耗によるシールの定期的交換がやはり必要であり、完全なメンテナンスフリーではない。メカニカルシールによる摺動トルクが大きいため機械的損失が大きい、等の問題があった。

0006

このような課題を解決するために、本発明者らは、独立したモータによって駆動される複数個のロータを備え、ロータリーエンコーダ等の回転角及び/または回転数の検出手段を用いた非接触方式の同期回転により、前記複数個のモータの回転を同期制御するようになっていることを特徴とする容積型の真空ポンプを既に提案している(特願平2−255798号)。この提案により、ロータの高速回転が可能であり、メンテナンスの必要性がなく、クリーン化及び小型化が容易な真空ポンプを提供することができる。

0007

本発明は前記提案をさらに改良するもので、前述した特徴に加えて、前記複数個のモータの同期回転制御における不必要な電力消費を無くすことができるようにする真空ポンプを提供するものである。

0008

前記既提案の真空ポンプでは、各ロータを駆動するには、それぞれに駆動モータを備えておき、この駆動モータを電気的に制御して同期回転させている。駆動モータには、その回転速度を自由に制御できるサーボモータ等が用いられている。

0009

容積式の真空ポンプでは、複数の駆動モータすなわち回転軸を正確に同期回転させなければ、ロータ同志が接触衝突して、目的とするポンプ作用が十分に果たせなくなったり、動力損失が大きくなったり、ロータなどの機構部品が損傷したりする問題が生じる。同期回転とは、回転軸の回転速度及び回転位置すなわち位相の両方を一致させるということである。

0010

回転軸の回転を制御する方法としては、回転基準とする基準周波数の位相と、回転軸に取り付けられたエンコーダなどから得られる位相の検出情報とが常に一致するように駆動モータを制御する方法がある。また、このような制御方法の具体例して、PLL(Phase locked loop)制御と呼ばれる方法がある。

0011

PLL制御では、クリスタル発振器等の発振周波数を基準に用い、これと比較する周波数を駆動モータと同軸上の周波数ジェネレータなどから取り出し、両者に位相(比較)制御することによって、駆動モータの回転速度変動を、クリスタルなみの精度の高い安定度に保つことができる。複数の回転軸を同期させるには、各回転軸のロータを回転駆動するPLL制御回路に、同じ基準周波数を供給することによって、各回転軸の回転を同期させていた。ところが、前記既提案の真空ポンプにおける回転軸の駆動制御方法では、回転軸の作動開始あるいは減速停止時と定常回転時の何れの状態でも、制御回路におけるゲインを同じに設定していたため、電力の無駄が多いという問題があった。

0012

これは次のような理由になる。まず、回転軸の回転を大きな加減速度で変化させる際には、駆動モータのパワートルク)を大きくする必要がある。この状態で、負荷の変動などによる外乱が加わると、回転に変動が生じやすく、わずかな外乱でも回転に大きな影響が出る。前記した容積式ポンプでは、当然、加減速時でも各回転軸を同期回転させる必要があるから、各回転軸の制御回路に与える速度指令信号は、全ての回転軸について同じように変化させる。ところが、各回転軸に同じ速度指令信号を与えても、前記したような個々の回転軸における回転の乱れにより、互いの同期がずれてしまうのである。複数の回転軸の同期がずれないようにするには、各回転軸の回転が乱れないように、それぞれの回転軸の制御回路における同期制御を強く効かせる必要がある。同期制御を強く効かせるには、制御回路におけるゲイン(増幅率)の設定を大きくしておけばよい。ゲインが大きければ、外乱による回転変動に対して、より大きなパワーで元の正しい回転状態に迅速に戻すことができる。

0013

しかし、ゲインを大きくすると、当然、消費される電気エネルギーが増え、必要とされる電力が大きくなる。

0014

定常回転時には、慣性効果がはたらくため、回転軸に外乱が加わっても、回転が乱れ難く、複数の回転軸を同期させている場合も、それほど同期がずれない。したがって、定常回転時には、ゲインを大きくした制御回路を用いる必要はない。不必要に大きなゲインに設定された制御回路を用いるのは、電気エネルギーの無駄である。

0015

同期回転させる複数の回転軸を備えた装置の作動条件が、頻繁に作動開始停止をくり返したり、大きな加減速を絶えず行ったりするものであれば別であるが、定常作動期間が多くを占める装置においては、前記従来の駆動制御方法では、電気エネルギーの無駄が多く、ランニングコストも高くついて不経済である。前記した容積式真空ポンプなどは、このような定常作動が多くを占める装置であると言える。

0016

そこで、この発明の課題は、前記したような流体回転装置において、回転軸の回転制御を適正に行えるとともに、回転制御に伴う電力の無駄を無くして、ランニングコストを低減できるようにすることにある。

課題を解決するための手段

0017

上記課題を解決するため、この発明にかかる流体回転装置は、ハウジング内に収容された複数個のロータ及びこれらのロータと一体化した複数個の回転軸と、これらの回転軸の回転を支持する軸受と、前記ハウジングに形成された流体の吸入口および吐出口と、前記複数個の回転軸をそれぞれ独立して回転駆動するモータと、このモータの回転角および/または回転数を検知する回転検出手段と、この回転検出手段からの信号によって前記複数個のモータを同期制御することにより前記ロータおよび前記ハウジングで形成される密閉空間の容積変化を利用して流体の吸入・排気を行う容積式のポンプ部分を備えてなる流体回転装置において、前記回転軸の同期回転駆動をPLL制御方式により行い、このPLL制御回路のゲインを、回転軸の加減速時には大きく、回転軸の定常回転時には小さくするゲイン切換手段を備えている。

0018

PLL制御方式で回転軸の回転制御を行う際に、PLL制御回路のゲインを大きくしておくと、回転軸の回転変動に対して元に戻そうとする作用が強く働くとともに、消費する電気エネルギーは多くなる。これとは逆に、ゲインを小さくしておけば、電力消費は少ないが、回転制御は弱くなる。

0019

そこで、PLL制御回路にゲイン切換手段を備えておき、前記したような理由で回転変動が生じやすい加減速時に、制御回路のゲインを大きくしておけば、回転変動を確実かつ迅速に解消することができる。複数の回転軸を同期回転させている場合には、加減速過程で、各回転軸の速度変化が全く同じ過程を経て目的の速度に到達することになり、加減速時にも同期がずれない。

0020

そして、回転変動の可能性が少ない回転軸の定常回転時には、PLL制御回路のゲインを小さくしておけば、電気エネルギーの消費を削減できることになる。

0021

すなわち、加減速時および定常回転時の何れについても、同期回転させる複数の回転軸に対して、適切な回転制御を行うことができるとともに、電気エネルギーの無駄がなく経済的である。

0022

図1は、この発明にかかる流体回転装置における回転軸の駆動制御方法を説明し、グラフ横軸に時間の経過、縦軸に回転軸の回転速度を表している。

0023

A点で回転を開始して加速し、B点で目的の回転速度Vに達した後は、この定常速度Vで回転をつづける。C点で回転軸の停止を行うための減速入り、D点で回転軸が停止する。加減速中の速度変化および定常速度Vの値は、操作盤などで設定したり、予め適当なプログラムを記憶させておいたりして、PLL制御回路に、速度変化に対する指令を与えることによって、回転軸の回転速度を変化させる。また、負荷の変動などの外部要因速度変動が生じたときに所定の速度に戻したり、回転軸を別の回転軸と同期回転させるために、速度調整を行ったりする場合には、PLL制御回路による回転制御が行われる。

0024

上記のような、回転速度の制御を行う際に、回転軸の加速時(A−B)と減速時(C−D)には、PLL制御回路のゲインを大きくし、回転軸の定常回転時(B−C)には、PLL制御回路のゲインを小さくする。PLL制御回路のゲインを変更するには、PLL制御回路中に、ゲイン切換用のスイッチを設けておいたり、予めプログラミングしておいて自動的に変更されるようにしておいたりするなどのゲイン切換手段を備えておけばよい。

0025

PLL制御回路のゲインが大きい加減速時(A−B、C−D)には、回転軸の駆動モータに加わる印加パワーが大きくなり、迅速な速度変化を行わせることができる。また、定常回転時(C−D)には、回転速度の変動を、小さなゲインすなわち小さな印加パワーで調整制御する。

0026

図2は、PLL制御回路の具体例を表している。基本的な回路構成は、通常のPLL制御回路と同様である。回転軸20が取り付けられた駆動モータ30には、回転速度を検出するためのエンコーダ40が取り付けられている。このエンコーダ40は、インクリメンタル型エンコーダである。駆動モータ30を駆動制御するPLL制御回路は、ドライバ300、リップルフィルタ302、加算器304、位相系ゲインコントローラ310、位相比較器306、速度系ゲインコントローラ320、速度比較器308、周波数電圧変換器309などで構成されている。

0027

位相比較器306には、位相基準発振器(図示せず)で作られた基準信号と、エンコーダ40における回転検出情報が比較され、位相に関する誤差信号が得られる。この誤差信号が位相系ゲインコントローラ310で増幅されて、加算器304に送られる。速度比較器308には、基準速度指令電圧変換器で作られた基準信号と、エンコーダ40における回転検出情報が比較され、速度に関 する誤差信号が得られる。この誤差信号が速度系ゲインコントローラ320で増幅されて、加算器304に送られる。加算器304では、増幅された位相および速度の誤差信号を加算して、リップルフィルタ302、ドライバ300に、駆動モータ30の回転を進めたり遅らせたりする指令が送られて、駆動モータ30の回転が制御される。

0028

位相系ゲインコントローラ310および速度系ゲインコントローラ320には、互いに連動しているゲイン切換スイッチ312、322が取り付けられている。このゲイン切換スイッチ312、322を切り換えることによって、位相系ゲインコントローラ310および速度系ゲインコントローラ320のゲインを、大小の何れかの状態に切り換えることができる。具体的には、ゲイン切換スイッチ312、322で、回路抵抗を変えて、ゲインを制御している。

0029

したがって、上記した構造のPLL制御回路では、切換スイッチ312、322の操作によって、回転軸の加減速時にはゲインを大きくし、回転軸の定常回転時にはゲインを小さくすればよい。

0030

PLL制御回路の具体的構造やゲインの制御方法は、上記実施例以外にも、通常のPLL制御に用いられている各種の回路構造やゲインの制御方法が適用できる。

0031

また、上記した実施例では、位相系ゲインコントローラ310と速度系ゲインコントローラ320のゲインを一緒に切換スイッチ312、322により切換えたが、位相系ゲインコントローラ310のゲインのみを切換えてもよい。

0032

つぎに、図3は、この発明にかかる流体回転装置の実施例となる広帯域真空ポンプの全体構造を表す。

0033

この真空ポンプは、ハウジング1の内部に、容積式ポンプ部Aと運動移送ポンプ部Bの2種類のポンプ構造部分が上下に配置されており、上段側の運動量移送式ポンプ部Bでハウジング1に設けられた吸入口10から流体すなわち気体を吸入して、運動量移送式ポンプ部Bから容積式ポンプ部Aへと気体を通過せて、下段側の容積式ポンプ部Aでハウジング1に設けられた排出口12から気体を排出するようになっている。

0034

容積式ポンプ部Aの構造を説明する。2本の駆動軸20、22が垂直方向に平行に配置されている。駆動軸20、22の下部には、それぞれ駆動モータ30、32が取り付けられている。駆動モータ30、32よりも下方で、駆動軸20、22の下端には回転検出エンコーダ40、42が取り付けられている。回転検出エンコーダ40、42は、ハウジング1のエンコーダ収容室14に収容されている。駆動モータ30、32の上部で、駆動軸20、22は、軸受24、25によりハウジング1に回転可能に支持されている。軸受24、25の上部で、駆動軸20、22には接触防止ギア50、52が取り付けられている。接触防止ギア50、52の上方でも、駆動軸20、22は軸受26、27によりハウジング1に支持されている。軸受26、27の上部で、駆動軸20、22には、ロータ60、62が取り付けられている。

0035

ロータ60、62は、ハウジング1のポンプ室16に収容されている。ポンプ室16の下部は、前記した排出口12につながっている。ロータ60、62の外周に形成されたねじ溝64、66が互いに噛み合うようにして、ロータ60、62が互いに逆方向に回転することにより、ポンプ室16の内壁とロータ60、62の間に形成された密閉空間が周期的に容積変化を起こし、この容積変化により、ポンプ室16の上方から気体を吸い込み下方へと送り出す、いわゆるポンプ作用を果たす。このような容積式ポンプ部Aにおけるロータ60、62の具体的構造は、通常の各種流体回転装置における容積式ポンプの構造を採用することができる。

0036

接触防止ギア50、52は、ロータ60、62同士が接触衝突するのを防止するために設けられている。すなわち、接触防止ギア50、52は、互いの歯面同士の間に一定の隙間をあけた状態で配置されており、駆動軸20、22が良好な同期回転を行っているときには、接触防止ギア50、52同士が接触することはない。そして、駆動軸20、22の同期がずれると、ロータ60、62同士が接触衝突するよりも先に、接触防止ギア50、52同士が接触することより、ロータ60、62同士の接触衝突や損傷を防止するのである。したがって、駆動軸20、22の回転は、接触防止ギア50、52の歯形同士の隙間(バックラッシュ)以上に同期がずれることはない。なお、上記したような作用を達成するには、ロータ60、62のねじ溝64、66同士のバックラッシュよりも、接触防止ギア50、52の歯形同士のバックラッシュのほうを小さく設定しておく。接触防止ギア50、52の歯面に固体潤滑膜を形成しておけば、歯面の摩擦を少なくできる。

0037

回転検出エンコーダ40、42は、各駆動軸20、22の回転速度や回転位置を検出する。検出された各駆動軸20、22の回転速度や回転位置の情報をもとにして、互いの同期をとるように、駆動モータ30、32を制御する。この駆動モータ30、32の回転制御に、前記したPLL制御方式が適用される。すなわち、駆動モータ30、32を加減速するときには、制御回路のゲインを大きくし、駆動モータ30、32が定常回転しているときには、制御回路のゲインが小さくなるように、前記ゲイン切換スイッチ312、322を操作するのである。エンコーダ40、42から制御装置への情報伝達を、光ケーブルを利用して行えば、電気的な雑音による検出情報の誤りあるいは同期制御の不安定化が防止できる。

0038

エンコーダ40、42の作動信頼性を高めるには、エンコーダ収容室14に、外界からゴミホコリ等の異物が侵入しないようにしておく必要がある。そのため、エンコーダ収容室14と、その上方の空間との境界で、駆動軸20、22が貫通する個所に、磁性流体シールを設けておくことが有効である。また、エンコーダ収容室14を、N2ガスなどで一定圧力に加圧しておくガスパージ手段を設けておいてもよい。磁性流体シールやガスパージ手段は、ポンプ室16とその下方の軸受26、27や駆動モータ30、32の間に設けて、腐食性の気体などを取り扱う際に、この腐食性の気体が装置の内部構造に浸入するのを防止するにも有効である。

0039

つぎに、容積式ポンプ部Aの上方に配置された運動量移送式ポンプ部Bについて説明する。

0040

前記駆動軸20、22のうち、一方の駆動軸20は、容積式ポンプ部Aのポンプ室16から、さらに上方に延びている。そして、駆動軸20の上端円筒状のロータ70が取り付けられている。ロータ70は、ハウジング1の内壁、および、ハウジング1と一体になった円筒状の内部隔壁118の間に収容されている。ハウジング1の内壁および内部隔壁118の外壁には、ねじ溝が形成されており、ロータ70の内外面との間にポンプ空間18を構成している。ロータ70が回転することによって、流体の吸入口10から吸い込まれた流体が、内部隔壁118のねじ溝とロータ70の隙間を通って上方に送られ、つぎに、ロータ70とハウジング1内壁のねじ溝の隙間を通って、今度は下方に送られることになる。すなわち、この構造では、ロータ70の回転により、このロータ70と接触している気体分子に運動量を与えて、気体の排出作用あるいはポンプ作用を果している。気体を、ロータ70の内面側および外面側で折り返し移動させることにより、気体に長い時間にわたって大きな運動量を与えることができ、ポンプ作用を高めることができる。ポンプ空間18は、前記した容積式ポンプAのポンプ室16につながっており、運動量移送式ポンプ部Bから排出された気体が容積式ポンプ部Aに送り込まれる。

0041

運動量移送式ポンプ部Bの具体的構造は、上記した以外にも、通常の各種流体回転装置における運動量移送式ポンプの構造が採用できる。

0042

以上に説明した真空ポンプにおいて、容積式ポンプ部Aおよび運動量移送式ポンプ部Aを収容するハウジング1の構造を説明する。

0043

ハウジング1は、その下部から上部へと、複数段分割体101、102、104、106、108、110、112、114を積み重ねた構造になっている。最下部の分割体101は、エンコーダ収容室14を構成するとともに、下端に装置全体を移動するためのキャスタ116を備えている。つぎの分割体102は、駆動モータ30、32を収容している。つぎの分割体104は、軸受24、25を収容している。つぎの分割体106は、接触防止ギア50、52を収容している。つぎの分割体108は、ロータ60、62を収容し、ポンプ室16を構成している。つぎの分割体110は、ポンプ室16の上端を塞ぐとともに、運動量移送式ポンプ部Aから容積式ポンプ部Aへの流体通路を構成している。駆動軸20は、上記分割体110を貫通して上方に延びている。つぎの分割体112は、運動量移送式ポンプ部Aのロータ70を収容しており、分割体112の内面にはねじ溝が形成されている。最上部の分割体114は、内部隔壁118を挟んで、分割体112の上に取り付けられ、流体の吸入口10を構成している。各分割体101…同士の分割面は、何れも水平面になっており、互いにボルト等で連結一体化される。

0044

ハウジング1を組み立てるには、最下部の分割体101の上に、順次上方の分割体102…を積み重ねていくとともに、その中心に駆動軸20、22を配置したり、回転検出エンコーダ40、42や駆動モータ30、32などの構成部品を組み込んだりすることになる。分解する際には、上記と逆に、上方の分割体114から順番に取り外しながら、内部の構成部品も取り外していくことになる。但し、分割体101…の組み立てを、途中の分割体から始めて、その上下に分割体を接続して、ハウジング1全体を組み立てることも可能である。

0045

上記実施例では、ハウジング1を構成する複数の分割体101…を順番に合体させながら、その内部に各種構成部品を簡単かつ正確に組み込んでいくことができるので、真空ポンプの組み立てが極めて簡単になる。特に、エンコーダ40、42や駆動モータ30、32などの各構成部品毎に、分割体101、102が分割されているので、各構成部品および分割体101…の細かな位置調整が可能であり、組み立て作業性の向上および組み立て精度の向上が図れる。

0046

但し、ハウジング1の分割構造は、上記実施例以外にも、任意の分割位置および分割個数でよい。

0047

つぎに、この実施例のハウジング1構造では、真空ポンプを、容積式ポンプ部Aと運動量移送式ポンプ部Bとが一体化された状態で使用する場合だけでなく、容積式ポンプ部Aだけを単独で使用することも可能になっている。具体的には、駆動軸20の上端から、運動量移送式ポンプ部Bのロータ70を取り外し、容積式ポンプ部Aのポンプ室16を構成する分割体108の上から、分割体110も取り外して、吸入口を備えた蓋で塞げば、吸入口から吸い込んだ流体を、容積式ポンプ部Bのみを機能させて、吐出口12から吐出することになる。この方法は、それほど高真空度を要求されない粗引き作業などを能率的に行うのに有効である。

0048

上記実施例の真空ポンプにおいては、左右のロータ60、62の回転速度および位相を正確に同期させる必要がある。位相を同期させるために、前記した接触防止ギア50、52が取り付けられているが、接触防止ギア50、52では、バックラッシュの大きさ以下の、小さな位相変動までを正確に同期させることはできない。また、接触防止ギア50、52の歯形が接触すると、騒音が発生したり、動力の無駄が生じたりするため、通常の作動時には、なるべく接触防止ギア50、52が非接触で回転するほうが好ましい。

0049

そこで、前記した回転制御方法を適用すれば、各駆動軸20、22の回転駆動を正確に制御すると同時に電力の無駄を無くして経済的な稼働を果たすことが可能になる。なお、複数の駆動軸20、22の回転を同期させる場合、各駆動軸20、22のPLL制御回路に供給する基準位相および基準速度の信号は、互いの位相差あるいは速度差を解消するような補正が加えられたものにしておく。具体的には、例えば、各駆動軸20、22の回転をエンコーダ40、42で検出した結果から、一方の駆動軸20の回転に同期させるように他方の駆動軸22の回転を進ませたり遅らせたりするような補正を、基準位相および基準速度の信号に行うのである。

発明の効果

0050

この発明にかかる流体回転装置は、PLL制御回路にゲイン切換手段を備えており、同期回転させる複数の回転軸に対して、回転軸の加減速時と定常回転時とで、PPL制御回路のゲインを変え、加減速時には大きなゲインで回転変動を確実に抑え、定常回転時には小さなゲインで電力消費を削減することができる。その結果、加減速時および定常回転時の何れについても、適切な回転制御が行え、複数の回転軸を正確に同期させることができるとともに、装置を稼働中の無駄な電力消費を無くし、ランニングコストを低減することができる。

図面の簡単な説明

0051

図1この発明にかかる流体回転装置の実施例における回転制御方法を説明する速度線図
図2PPL制御回路の構成を示す回路構成図
図3流体回転装置の全体構造断面図
図4従来の容積式スクリュー型真空ポンプの一例を示す図

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0052

20駆動軸
30駆動モータ
310位相系ゲインコントローラ
312ゲイン切換スイッチ
320速度系ゲインコントローラ

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