図面 (/)

技術 (メタ)アクリル酸(塩)系重合体の乾燥法、該重合体の粉末およびその製法

出願人 株式会社日本触媒
発明者 横井時浩坪井啓史
出願日 1992年7月23日 (27年8ヶ月経過) 出願番号 1992-197010
公開日 1994年2月15日 (26年1ヶ月経過) 公開番号 1994-041313
状態 特許登録済
技術分野 高分子物質の処理方法 アクリル系重合体 付加系(共)重合体、後処理、化学変成
主要キーワード CA線 前半期 マイクロ波加熱方式 水溶液重量 沈殿析出物 高含水状態 回転式乾燥装置 離型コーティング
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1994年2月15日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

目的

粘性粘着剤増粘剤吸水剤凝集剤などとして非常に優れた低中和度の(メタアクリル酸(塩)系重合体の特性を悪化させることなく効率よく乾燥し、更には再溶解性の優れた粉末を得ることのできる方法、および粘着性等に優れると共に再溶解性や保存安定性に優れた(メタ)アクリル酸(塩)系重合体粉末を得ること。

構成

中和度が50%以下である(メタ)アクリル酸(塩)系重合体からなる含水溶液を乾燥するに際し、含水率を40%まで、更には10%以下にまで低減するときの表面温度を夫々適正に制御すると共に、表面温度と内部温度との温度差を50℃以下に抑え、過熱による重合体変質を防止する。また本発明の粉末は、中和度、分子量、10%水溶液粘度を特定するとともに、酸価粒度構成、固め見掛密度、水への再溶解時間を特定し、保存安定性、取扱い性、再溶解物の特性を著しく改善した(メタ)アクリル酸(塩)系重合体粉末である。

概要

背景

メタアクリル酸(塩)系重合体は優れた粘着性増粘性吸水性凝集作用等を有しており、その性能を生かして増粘剤パップ剤紙力増強剤硬化剤凝集剤脱水剤土壌改良剤等として広く利用されている。中でも中和度の低い(中和度50%程度以下)(メタ)アクリル酸(塩)系重合体は粘着剤、増粘剤、凝集剤等として優れた性能を発揮する。

(メタ)アクリル酸(塩)系重合体を上記の様な用途に使用する場合、配合の容易さ、取扱い性や搬送の便宜等を考慮して粉末状もしくは粒状の形態で供給されることが多い。(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製法としては、塊状重合法懸濁重合法、乳化重合法スラリー重合法水溶液重合法等が挙げられるが、これらの中で最も汎用されているのは水溶液重合法およびスラリー重合法である。

スラリー重合によれば、(メタ)アクリル酸(塩)を主体とする重合性単量体疎水性溶液に周知のラジカル重合開始剤を添加し、必要により適度に加熱することによって重合反応を行なうと、(メタ)アクリル酸(塩)系重合体が沈殿析出物として得られる。一方水溶液重合法によれば、(メタ)アクリル酸(塩)を主体とする重合性単量体の水溶液に周知のラジカル重合開始剤を添加し、必要により適度に加熱することによって重合反応を行なうと、(メタ)アクリル酸(塩)系重合体が粘着性及び粘性を有する含水溶液として得られる。

概要

高粘性で粘着剤、増粘剤、吸水剤、凝集剤などとして非常に優れた低中和度の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の特性を悪化させることなく効率よく乾燥し、更には再溶解性の優れた粉末を得ることのできる方法、および粘着性等に優れると共に再溶解性や保存安定性に優れた(メタ)アクリル酸(塩)系重合体粉末を得ること。

中和度が50%以下である(メタ)アクリル酸(塩)系重合体からなる含水溶液を乾燥するに際し、含水率を40%まで、更には10%以下にまで低減するときの表面温度を夫々適正に制御すると共に、表面温度と内部温度との温度差を50℃以下に抑え、過熱による重合体変質を防止する。また本発明の粉末は、中和度、分子量、10%水溶液粘度を特定するとともに、酸価粒度構成、固め見掛密度、水への再溶解時間を特定し、保存安定性、取扱い性、再溶解物の特性を著しく改善した(メタ)アクリル酸(塩)系重合体粉末である。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

中和度が50%以下である(メタアクリル酸(塩)系重合体からなる水分含有量が45%超の含水溶液を乾燥するに当たり、(1) 該含水溶液を予熱する工程、(2) その後、表面温度を70〜150℃に保つと共に、表面温度と内部温度の差を50℃以下に抑えながら、全体の水分含有率を40%にまで低減する工程、(3) 更に、表面温度および内部温度を80〜170℃に保つと共に、表面温度と内部温度の差を50℃以下に抑えながら、全体の水分含有率を10%以下にまで低減する工程、を順次実施することを特徴とする(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の乾燥法

請求項2

請求項1によって得た(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の乾燥物粉砕し、固め見掛比重が0.6 以上で且つ本文記載の方法によって求められる水への溶解時間が3時間以下である粉末を得ることを特徴とする(メタ)アクリル酸(塩)系重合体粉末製法

請求項3

中和度が50%以下の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体からなる粉末であって、水溶媒中で測定される酸価が250 以上で、且つ(メチルアルコール溶媒中で測定される酸価)/(水溶媒中で測定される酸価)の比が0.90以上であると共に、水分含有率が10%以下、固め見掛比重が0.6以上の要件を満たす他、本文記載の方法によって求められる水への溶解時間が3時間以下であることを特徴とする(メタ)アクリル酸(塩)系重合体粉末。

請求項4

10%水溶液の粘度が10cps以上で、16メッシュパスで且つ300メッシュオンが50重量%以上であり、且つ300メッシュパスが30重量%以下の粒度構成を有するものである請求項3記載の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体粉末。

技術分野

比較例6:沈殿重合法によって得たものであり、微細沈殿として得ることができるので乾燥が容易であり高粘性で経日安定性も良好であるが、固め見掛比重が小さいために水への再溶解時に「ままこ」状となり、溶解に長時間を要する。

背景技術

0001

本発明は、中和度の低い(メタアクリル酸(塩)系重合体含水溶液を効率良く乾燥する方法、並びに低中和度で水への溶解性の優れた(メタ)アクリル酸(塩)系重合体粉末およびその製法に関するものである。

0002

(メタ)アクリル酸(塩)系重合体は優れた粘着性増粘性吸水性凝集作用等を有しており、その性能を生かして増粘剤パップ剤紙力増強剤硬化剤凝集剤脱水剤土壌改良剤等として広く利用されている。中でも中和度の低い(中和度50%程度以下)(メタ)アクリル酸(塩)系重合体は粘着剤、増粘剤、凝集剤等として優れた性能を発揮する。

0003

(メタ)アクリル酸(塩)系重合体を上記の様な用途に使用する場合、配合の容易さ、取扱い性や搬送の便宜等を考慮して粉末状もしくは粒状の形態で供給されることが多い。(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製法としては、塊状重合法懸濁重合法、乳化重合法スラリー重合法水溶液重合法等が挙げられるが、これらの中で最も汎用されているのは水溶液重合法およびスラリー重合法である。

発明が解決しようとする課題

0004

スラリー重合によれば、(メタ)アクリル酸(塩)を主体とする重合性単量体疎水性溶液に周知のラジカル重合開始剤を添加し、必要により適度に加熱することによって重合反応を行なうと、(メタ)アクリル酸(塩)系重合体が沈殿析出物として得られる。一方水溶液重合法によれば、(メタ)アクリル酸(塩)を主体とする重合性単量体の水溶液に周知のラジカル重合開始剤を添加し、必要により適度に加熱することによって重合反応を行なうと、(メタ)アクリル酸(塩)系重合体が粘着性及び粘性を有する含水溶液として得られる。

0005

スラリー重合で得られた(メタ)アクリル酸(塩)系重合体沈殿物は、減圧乾燥等により粉末を得ることができるが、溶媒の除去・回収および防爆のための設備投資が必要であること、粉末中に残留する溶媒の安全性といった問題点を有する。また得られる粉末は固め見掛比重の小さな微粉末でしか得られないため、水に再溶解した時に所謂「ままこ」になり易く溶解に著しく時間を要する。

0006

一方水溶液重合により得られる(メタ)アクリル酸(塩)系の含水溶液の場合、中和度が50%を超える高中和度のものは概して加熱に対して安定であるため乾燥温度を高めることができ、更には粘着性が小さく且つガラス転移温度も高いため、乾燥途中で粉砕することが可能であり、粉砕して表面積を高めてから再び乾燥することにより比較的簡単に含水率が10%以下で品質変化の少ない粉末を得ることができる。

0007

ところが中和度が50%以下である低中和度の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の含水溶液は、非常に粘着性が高く、ガラス転移温度が低いため乾燥途中での破砕が困難であり、乾燥に長時間を要するばかりでなく、通常の熱風乾燥法等を採用すると表層部のみが乾燥されて皮張り状態となり、内部に残った水分を揮発除去できなくなる。そして内部の水分までも除去しようとして乾燥温度を過度に高めると、表層部が過熱状態となって分岐反応や架橋反応等が起こり、水への再溶解性が低下するばかりでなく水不溶解物が生成し、あるいは解重合反応が起こって再溶解後の増粘作用および粉体の経日安定性にまで悪影響が表われてくる。

0008

この皮張りや加熱による物性の変化は、高粘度(つまり高分子量)であるほど起こり易く、また起こった時の影響も大きい。また低含水率まで乾燥するほど、加熱による物性の変化が起こり易くなるため、高粘度および/または低含水率で水への再溶解性および経日安定性に優れた、(メタ)アクリル酸(塩)系重合体粉末を得ることは非常に困難であった。

課題を解決するための手段

0009

本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、粘着性が高く、加熱に対して不安定な低中和度の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の含水溶液を、乾燥後の水への再溶解性に悪影響を及ぼすことなく効率良く乾燥する方法、並びに水への再溶解性および経日安定性に優れた(メタ)アクリル酸(塩)系重合体粉末およびその製法を提供しようとするものである。

0010

上記課題を解決することのできた本発明に係る乾燥法の構成は、中和度が50%以下である(メタ)アクリル酸(塩)系重合体からなる水分含有量が45%超の含水溶液を乾燥するに当たり、(1) 該含水溶液を予熱する工程、(2) その後、表面温度を70〜150℃に保つと共に、表面温度と内部温度の差を50℃以下に抑えながら、全体の水分含有率を40%にまで低減する工程、(3) 更に、表面温度および内部温度を80〜170℃に保つと共に、表面温度と内部温度の差を50℃以下に抑えながら、全体の水分含有率を10%以下にまで低減する工程、を順次実施するところに要旨を有するものである。

0011

そして上記で得られる乾燥物を、固め見掛比重が0.6以上となる様に粉砕すると、水への再溶解性および経日安定性に優れた(メタ)アクリル酸(塩)系重合体粉末を得ることができる。また本発明に係る(メタ)アクリル酸(塩)系重合体粉末とは、水溶媒中で測定される酸価が250以上で、且つ(メチルアルコール溶媒中で測定される酸価)/(水溶媒中で測定される酸価)の比が0.90以上であると共に、水分含有率が10%以下、固め見掛比重が0.6以上の要件を満たす他、後述する方法によって求められる水への溶解時間が3時間以下であるところに要旨が存在する。

0012

本発明に係る乾燥法は、上記の様に中和度が50%以下である(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の含水溶液を対象とし、乾燥工程で架橋反応等による水への再溶解性の低下を防止しつつ効率良く乾燥し、或はこれを更に粉砕して水への再溶解性に優れた粉末とする技術を提供するものであり、また本発明に係る(メタ)アクリル酸(塩)系重合体粉末は、その水分含有率、酸価、固め見掛比重を特定すると共に、後述する方法によって求められる水への溶解時間を特定し、それによって粘着剤、増粘剤、凝集剤等としての性能を高めることに成功したものである。

0013

まず本発明に係る(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の主たるモノマー単位は(メタ)アクリル酸(塩)であり、重合体を構成する全モノマー単位のうち70モル%以上、より好ましくは90モル%以上が(メタ)アクリル酸(塩)からなるものであって、必要により含まれることのある共重合性単量体成分としては、マレイン酸フマル酸イタコン酸等のカルボキシル基含有単量体成分ビニルスルホン酸メタリルスルホン酸アリルスルホン酸、3−(メタ)アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有単量成分;(メタ)アクリルアミド、第3級ブチル(メタ)アクリルアミド等のアミド系単量体成分;グリセロールモノ(メタ)アリルエーテル等のアリルエーテル系単量体成分;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートアリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1オールイソプレノール)、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体成分;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系単量体成分;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体成分酢酸ビニル等のビニル系単量体成分スチレンα−メチルスチレン等のスチレン系単量体成分等が例示され、これらは必要により2種以上を含むものであってもよい。

0014

しかしこれらの共重合性単量体成分のうち疎水性の単量体成分は重合体の水溶性阻害する傾向があるので、好ましくは親水性の単量体成分を使用するのがよく、これらの中でも特に好ましいのはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有単量体成分である。

0015

そして本発明を実施するに当たっては、高レベルの水溶性を確保するため全単量体中に占める(メタ)アクリル酸(塩)の量を70モル%以上とし、必要により共重合させることのできる他の共重合性単量体成分の量は、全ての重合性単量体成分中に占める比率で30モル%以下に抑えるのがよい。

0016

また本発明においては、(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の中和度を50%以下に定めたが、この理由は、先に述べた様に中和度が50%を超える高中和度の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の含水溶液は比較的粘着性が乏しく、低中和度のものに比べて粘着剤等としての性能が劣るばかりでなく、加熱に対し安定であり、乾燥途中に比較的容易に破砕することで乾燥を促進できるので乾燥も容易であり、本発明で規定する乾燥法を採用せずとも容易に乾燥することができるからである。

0017

尚(メタ)アクリル酸(塩)系重合体における塩とは、ナトリウムカリウムリチウム等のアルカリ金属塩アンモニウム塩の如く1価の塩を意味するものであり、たとえばカルシウムマグネシウムの如く2価もしくは3価以上の多価金属塩は水溶性に欠けるものであるから、本発明における塩からは除外される。

0018

この(メタ)アクリル酸(塩)系重合体は、乳化重合法や懸濁重合法等によって得ることもできるが水溶液重合が最も好ましい。水溶液重合法は、周知のラジカル重合開始剤を使用し必要により適宜加熱して重合することによって製造され、濃度に応じて粘稠な含水溶液として得られる。ところが、これを粉末状にするための乾燥工程で様々の問題(加熱乾燥時の架橋反応等による水溶性の低下等)を生じることは先に述べた通りである。

0019

そこで本発明では、乾燥工程での架橋反応等による水溶性の低下、あるいは粘着性の低下等の問題を解消するため、具体的な乾燥条件について詳細に検討を行なった。尚乾燥に当たっては、揮発水分の放出を促進するため若干の吸引排気を行なうことがあるとしても、実質的には設備負担の少ない常圧乾燥法を採用することとした。

0020

そして、水分含有量が45%超である上記重合体含水溶液を実質的に常圧で乾燥する際に、前述の如く先ず(1)該含水溶液を予熱し、次いで(2)全体の水分含有率が40%に達するまでは、表層部のみの乾燥が集中的に進んで皮張りを起こすことがない様、表面温度を70〜150℃の範囲に保つと共に、表面温度と内部温度の差を50℃以下に抑え、更に(3)表面温度および内部温度を80〜170℃に保つと共に、表面温度と内部温度の差を50℃以下に抑えながら、全体の水分含有率を10%以下にまで低減する、という乾燥法を採用すれば、上記の問題が見事に解消されることを知った。

0021

ちなみに、実質的に常圧で乾燥を行なう場合、含水物の温度が70℃程度に達するまでの予熱工程では水分の揮発量が非常に少ないため、加熱温度等が問題になることはない。しかし、70℃を超えると水分揮発量は急激に増大してくる。

0022

そして乾燥初期高含水状態では、乾燥末期に比べて大量の水分が揮発するが、たとえば通常の熱風乾燥等の様に格別の温度制御も行なわずに重合体含水溶液の表面側から加熱して乾燥させる方法では、表層部の水分が集中的に揮発して粘性が急速に高まり表面で皮張りを起こすため、内部の水分が揮発できなくなる。そして本発明者らが種々研究を重ねたところでは、こうした皮張り状態は(メタ)アクリル酸(塩)重合体含水物の水分含量が40%に達するまでの乾燥前半期に生じ易く、このときの表面温度が150℃を超え、しかも表面温度と内部温度の差が大きくなるにつれて顕著になることが確認された。しかし表面温度を70〜150℃の範囲に保ち且つ上記温度差を50℃以下に抑えると、十分な水分揮発量を維持しつつ、最表層部からの水の揮発速度と内部から表面方向への水分の移行速度均衡を良好に保つこことができ、表面に皮張りを生じることなく含水物全体の水分を40%程度まで効率よく揮発除去することができる。

0023

水分含有量が40%に達した後更に乾燥を続け、目標の水分含有量である10%まで乾燥する。この時の温度は、過熱による重合体の架橋反応、分岐反応、解重合反応等が起こらない様に、表面温度および内部温度を80〜170℃の範囲に設定する必要があり、またこの間にも生じ得る表層部の皮張りを防止するため、表面温度と内部温度の差は50℃以下に抑えなければならず、170℃を超える場合は乾燥時における架橋反応や分岐反応によって水への溶解性が低下したり、あるいは解重合反応によって水に再溶解したときの粘着性や増粘作用に影響が現れる。尚この乾燥工程では、乾燥が進んで揮発水分量が減少してくるにつれて蒸発潜熱量が少なくなり、被加熱体である重合体の温度はヒーター加熱温度に近ずいてくる。そして、こうした蒸発潜熱量の減少は、重合体中の水分量が約20%に達した時点で顕著になる傾向があるので、その後は、ヒーター加熱温度が重合体の前記温度範囲の上限値を超えない様に制御することが望まれる。

0024

上記の条件で乾燥を行なえば、乾燥時に皮張りを起こして乾燥不良になったり、表層部が過熱状態となって分岐反応や架橋反応或は解重合反応等が起こって乾燥物の水への再溶解性を悪くしたり、再溶解物の粘着性等に悪影響を及ぼすことなく、効率的に乾燥を行なうことができる。

0025

尚乾燥時間は、採用される乾燥温度に応じて適宜設定すればよいが、水分含有量が恒量に達した後更に加熱を続けると、その間に架橋反応等が起こって水溶性などに悪影響を及ぼす恐れがあるので、好ましくは実質的な乾燥の行なわれる前記(2) と(3) 工程の総和で3時間以下、より好ましくは2時間以下に止めるのがよい。

0026

本発明では上記温度条件を確保し得る限り乾燥に用いられる装置の構成は特に限定されないが、好ましいのは図1に略示する様な無端回動型の乾燥装置を使用する方法である。図1において1は重合体支持用のベルトであり、ローラ2a,2bに張架されて連続的に回動する構成とする。このベルトは、両端縁側板を立設して重合体含水溶液の流出を防止できる様にしたものであってもよく、あるいは多数のパレットを載置固定して重合体含水溶液を受け入れる様にしたもの等、要は重合体含水溶液をその上方に支持し得るものであればどの様なものでもかまわない。但し(メタ)アクリル酸(塩)系重合体含水溶液は前述の如く非常に粘着性の高いものであるから、乾燥後の取出しを容易にするため重合体含水物に接する面はテフロン等の離型コーティング処理を施しておくのがよい。

0027

そして該無端回動ベルト1の一方端側上方に重合体含水溶液供給部3を設け、ベルト1上に含水溶液Pを一定厚さとなる様に供給すると共に、ベルト1の下面側にはヒーター4a,4b,4cを配置して下方側から含水物Pを加熱する構成とし、ベルト1上を移送される間に乾燥された重合体は、ベルト1の他端に設けたスリッター5によって載断する。

0028

ヒーター4a〜4bは、たとえば図示する如く最上流側を予熱部として含水溶液Pを70℃程度まで予熱し、ヒーター4bは80〜150℃程度に、またヒーター4cは90〜170℃程度に設定することによって順次乾燥を進め、最下流側は冷却部6とすることにより乾燥を終えた重合体の冷却を行なう。尚図1では3個のヒーター4a〜4cで加熱する例を示したが、ヒーターの数は必要に応じて更に増やすことも可能である。またベルト1上に供給される重合体含水溶液Pは、前述の如く乾燥時の表面温度と内部温度の差をより小さくする意味から厚みを10mm程度以下、より好ましくは5mm程度以下にするのがよい。

0029

この様に重合体含水溶液をベルト上に薄めに載置し下方から加熱乾燥する方法を採用するのが最も好ましい。下方から加熱すると、水分は重合体含水物の下方側から順次表層側へ移行しつつ揮発していくので、表面と下方部の温度差が小さくなると共に表面で皮張りを起こすことがなく、しかもヒーター4bの温度を150℃程度以下に、またヒーター4cは170℃程度以下に夫々抑えてやれば、重合体が局部的に過熱状態となる恐れもない。但し乾燥工程における重合体の温度は、水分の蒸発潜熱によりヒーターの温度よりも若干低くなるので、ヒーターの設定温度は高めにしても構わない。

0030

尚上記ではベルト下方側だけから加熱する例を示したが、場合によっては移送される重合体含水物の上方からもやや低めに温度設定されたヒーターあるいは温風によって補助的に加熱し、乾燥促進を図ることも可能である。またヒーターとしては蒸気加熱および熱媒加熱タイプのものが一般的であるが、赤外線遠赤外線電熱式ヒーター等を使用することも勿論可能であり、更にはマイクロ波加熱を利用することも可能である。尚マイクロ波加熱方式であれば重合体含水物の加熱面のみならず内部まで効率よく加熱することができる。ただしこの場合は、ベルトがマイクロ波加熱の障害となることがない様に重合体含水物の上方側から加熱する構成とするのがよい。

0031

かくして得られる乾燥物はシート状もしくはフィルム状として得られ、これは用途によってはそのままで適当な大きさに裁断してシート状もしくはフィルム状として製品化することもできるが、水への再溶解性を高める上では、乾燥物を破砕し、必要により分級して適当な固め見掛比重の粉末とすることが望まれる。

0032

即ち粉末とする場合には、固め見掛比重が小さ過ぎると水に再溶解する時に均一に分散することが難しくなり、「ままこ」状態になって溶解性が悪くなり、また搬送および取扱い性においても不都合を生じ易いので、固め見掛比重は0.6以上になる様に調整するのが望ましい。

0033

次に本発明に係る(メタ)アクリル酸(塩)系重合体粉末は、水への再溶解性および粉体の経日安定性に優れると共に水溶液として優れた粘着性や増粘作用を発揮するものであって、水分含有率が10%以下(より好ましくは8%以下、更に好ましくは5%以下)、水溶媒中で求められる酸価(以下、AVH2O という)が250以上(より好ましくは500以上)、メチルアルコール溶媒中で求められる酸価(以下、AVMeOHという)とAVH2O の比、即ち[AVMeOH/AVH2O ]が0.90以上(より好ましくは0.92以上)、固め見掛比重が0.6以上(より好ましくは0.7以上)であり、且つ後述する方法によって求められる水への溶解時間が3時間以下の易水溶性で且つ粘性の水性液を与える粉末である。

0034

上記においての構成要件は主として粉砕性の観点から決められるものであって、10%を超える高含水率の重合体は粘着性を帯びたゴム状を呈し、微粉砕が困難であって粗めのフレーク状にしか裁断できず、水への再溶解に長時間を要する。水分含水率を低減すればするほど加熱による物性の変化が起こり易く、他の構成要件との両立が困難になるが、水分含水率は本発明における重要な構成要件であり、10%以下、より好ましくは8%以下、更に好ましくは5%以下が良い。

0035

また上記の構成要件は、重合体中の中和されていない酸基の量を表わすものであって、水への再溶解性を確保する上で極めて重要な特性であり、AVH2O が250未満では本発明で意図する様な水への再溶解性が得られない。

0036

上記の構成要件は、重合体粉末中の酸無水物の量と遊離状態として存在する酸の量との比率を表わす指標となる。即ちAVH2O は、前述の如く水溶媒中で測定される酸価であり、重合体中の酸無水物および遊離状態の酸基のすべてが酸価として現れる。これに対しAVMeOHは、メチルアルコール溶媒中で測定された酸価であり、アルコ−ル溶媒中で酸無水物は開環して一方はエステルとなるため、このエステル化された部分は酸価として測定されない。従ってAVMeOH/AVH2O の比が1であるものは、重合体中のすべての酸基が遊離状態の酸基として存在することを意味し、この比が小さいものほど酸無水物としての存在比率が高いことを意味する。

0037

そして本発明者等が種々検討を行ったところによると、たとえAVH2O が同じものであっても、重合体粉末中に多量の酸無水物が存在するもの程その経日安定性(特に高温経日後の水への再溶解性)は悪くなり、本発明で意図する様な水への優れた再溶解性を長期的に維持するためには、上記AVMeOH/AVH2O の比を0.90以上、より好ましくは0.92以上にしなければならず、この要件を外れる重合体は特に夏季のごとく高温条件下での保管輸送時に変質して水不溶物が生成し易くなる。

0038

換言すると、本発明に係る上記(メタ)アクリル酸(塩)系重合体粉末は、分子鎖中に酸無水物構造が非常に少ないことに大きな特徴を有するものであり、これは乾燥条件と重要な関連を有しているものと考えられる。即ち乾燥時における架橋反応の一態様として、(メタ)アクリル酸(塩)成分中のカルボキシル基同士が結合して無水物を形成し、更にはこの無水物が乾燥時もしくは保存時に脱炭酸反応を起こして強固な架橋構造となって水溶性に悪影響を及ぼすことが考えられるが、前述の如く乾燥条件をうまくコントロールして過熱を防止してやれば、こうした無水物の形成および脱炭酸反応が抑制され、これが水溶性の向上に好影響をもたらしているものと推定される。

0039

上記の構成要件は、所謂「ままこ」を生じることなく、水への再溶解を高めるために定めたものであって、固め見掛比重が小さ過ぎる場合は、水に再溶解するときにいわゆる「ままこ」状になり易く再溶解性が悪くなり、本発明で意図する様な再溶解性が得られなくなる。又搬送及び取扱い性においても不都合を生じ易くなる。

0040

上記の構成要件は、水への溶解性を示す新たな基準として本発明者らが定めたものであって、乾燥時における架橋反応や分岐反応等によって起こる水溶性低下の有無を評価するための指標として極めて重要であり、該溶解時間の長短は、該粉末を水に再溶解して実用化するときの作業性に顕著な影響を及ぼす。そしてこの溶解時間が前述の要件を外れるものでは、水への再溶解に長時間を要するばかりでなく再溶解物の粘性や増粘作用も悪くなる傾向があり、本発明の目的にそぐわなくなる。

0041

そして上記〜のすべての要件を満足する(メタ)アクリル酸(塩)系重合体粉末は、経日安定性が良好で経時変化(水溶性の劣化や粘度の変化等)が少なく、且つ飛散等も少ないので取扱いも容易であり、しかも水への再溶解が容易でしかも再溶解により優れた粘着性や増粘性を示すものとなる。

0042

本発明に係る(メタ)アクリル酸(塩)系重合体粉末は上記の〜の他、更に、10%水溶液粘度が10cps以上、および粒度構成が16メッシュパスで且つ300メッシュオンが50重量%以上であり、且つ300メッシュパスが30重量%以下という構成要件を付加すれば、水への再溶解性、経日安定性および水溶液として粘着性や増粘作用は更に向上する。

0043

上記においての構成要件は、水に再溶解した時の粘着性、増粘性、凝集作用等の観点から決められるものであって、10%水溶液粘度が低いと本発明で意図する粘着性、増粘性、凝集性が不十分になることがあり、10%水溶液粘度が10cps以上が好ましく、より好ましくは30cps 以上、更に好ましくは100cps 以上、最も好ましくは200cps 以上であり、一方10%水溶液粘度が高すぎると粘着性が低下することがあるので、5000cps 以下、より好ましくは3000cps 以下がよい。

0044

上記の構成要件は、所謂「ままこ」を生じることなく、しかも表面積を可及的に増大して水への再溶解を高めるために定めたものであって、粒度構成が細か過ぎる場合は取扱い時に飛散し易いという欠点に加えて水に再溶解する時に所謂「ままこ」状になり易くかえって再溶解性が悪くなり、また粒度構成が粗過ぎる場合は比表面積が小さいため矢張り水への再溶解に長時間を要することになり、いずれの場合も本発明で意図する様な再溶解性が得られにくい。

0045

そして上記〜のすべての要件を満足する(メタ)アクリル酸(塩)系重合体粉末は、経日安定性が良好で経時変化(水溶液の粘度変化や水溶性の劣化等)が少なく、且つ飛散等も少ないので取扱いも容易であり、しかも水への再溶解が容易でしかも再溶解により優れた粘着性を示すものとなる。

発明の効果

0046

このような要件を備えた(メタ)アクリル酸(塩)系重合体粉末を得るには、特に乾燥工程で過度の加熱や局部加熱を与えないことが重要であると思われ、現に前に詳述した様な乾燥法により水分含有量が10%以下となるまで乾燥してから所定の粒度構成および固め見掛比重となる様に粉砕し、あるいは必要により分級することにより、上記目的に合致する重合体粉末を容易に得ることができる。

0047

本発明は以上の様に構成されており、保存安定性、取扱い性、水への再溶解性、再溶解後の粘性や増粘作用等のすべてにおいて非常に優れた(メタ)アクリル酸(塩)系重合体粉末を効率よく提供し得ることになった。そしてこの重合体粉末は、その優れた増粘作用、吸水作用、粘着作用などを生かして、増粘剤、粘着剤、吸水剤、凝集剤等として幅広活用することができる。

0048

次に実施例を挙げて本発明の構成および作用効果をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。尚下記実施例で採用した物性試験法は次の通りである。

0049

10%水溶液粘度:ブルックフィールド回転粘度計使用、25℃、30rpm
粒度構成:JISふるい使用(wt%)
固め見掛比重:細川ミクロン社製のパウダーテスター使用
経日安定性:乾燥直後に再溶解したときの10%水溶液粘度(A)と、重合体粉末を80℃で7日間静置した後再溶解したときの10%水溶液粘度(B)を測定し、B/Aによって経日安定性を評価する。

0050

酸価:
AVH2O :0.1%重合体水溶液に0.2N水酸化カリウム水溶液を加えながら電気伝導度を測定する。電気伝導度の変曲点を中和の終点とし、中和に要した添加量(A)からAVH2O (水溶媒中で重合体1gを中和するのに必要な水酸化カリウムミリグラム数)を求める。
AVH2O =(56.11×A×0.2 ×FKOH )/B
A:0.2 N水酸化カリウム溶液添加量(ml)
B:重合体グラム数
FKOH:0.2 N水酸化カリウムのファクター
AVMeOH:AVH2O の測定に使用した溶媒をMeOHに代えた以外は全て上記と同様にして行なった(但し、部分中和によって重合体がMeOHに溶解しない時は0.2 N−HCl−MeOH溶液を重合体が溶解するまで必要に応じて添加した後行なう)。
AVMeOH=[56.11×0.2(A・FKOH −C・FHCl)] /B
C:0.2 N−塩化水素メタノール溶液の添加量(ml)
FHCl:0.2 N−塩化水素メタノール溶液のファクター

0051

最終含水率:乾燥重合体粉末約1gをシャーレに厚みが5g/mm以下となるように積載し、105℃で90分乾燥を行なった後の重量減により最終含水率を求める。
含水率:下記式により乾燥途中の含水率を求める。

0052

0053

水への溶解時間:500mlのビーカーに水450gを入れ、マグネチックスターラーにより攪拌しながら重合体粉末50gを30秒以内で投入して分散させる。この分散液を、図2に示す如く羽根(7.5 ×7.5cm の平板の4か所に1.5 ×1.5cm の穴をあけたもの)付き撹拌機を使用し、25℃、20rpm で攪拌する。そして所定時間攪拌した後、分散液を50メッシュのふるいによって濾過し、ふるい上に不溶物が認められなくなるまでの時間を測定し、下記の基準で評価した。
◎:2時間以内で完全溶解
○:3時間以内で完全溶解
△:24時間で完全溶解
×:24時間以上でも不溶解物残存
不溶物:重合体50gを、水への溶解時間測定法と同様にして溶解し、24時間後に50メッシュのふるい上に残る不溶物を採取して140 ℃で8時間乾燥して重量を測定し、不溶物の残存率(重量%)を求める。
不溶物(%)=((B) /(A) )×100

0054

重合体製造例1
温度計窒素導入管、撹拌機および還流冷却機を備えた容量5リットル四つ口フラスコに水2540gを仕込み、100℃まで昇温した。次に0.8 重量%の過硫酸ナトリウム水溶液50gと80重量%のアクリル酸水溶液920gを60分かけて常圧下、沸点温度で連続的に滴下し、重合反応を行なった。次いで更に0.8 重量%過硫酸ナトリウム水溶液150gを15分かけて常圧下、沸点温度で連続的に滴下し、滴下終了後沸点温度で更に30分間撹拌して重合反応を完了し、固形分20%のポリアクリル酸含水溶液(重合体A1)を得た。

0055

重合体製造例2
温度計、窒素導入管、撹拌機および還流冷却機を備えた容量5リットルの四つ口フラスコに水1791gを仕込み、100℃まで昇温した。次に10重量%の過硫酸ナトリウム水溶液71gと80重量%のアクリル酸水溶液1282gを120分かけて常圧下、沸点温度で連続的に滴下し、重合反応を行なった。更に48重量%の水酸化ナトリウム水溶液356gを15分かけて常圧下、沸点温度で連続的に滴下し、滴下終了後沸点温度で更に30分間撹拌して重合反応を完了し、固形分32%のポリアクリル酸塩含水溶液(重合体A2)を得た。

0056

重合体製造例3
温度計、窒素導入管、撹拌機および還流冷却機を備えた容量5リットルの四つ口フラスコに水890gと無水マレイン酸466gを仕込み、100℃まで昇温した。次に10重量%の過硫酸ナトリウム水溶液476g,10重量%の過酸化水素水溶液47gおよび80重量%のアクリル酸水溶液1714gを120分かけて常圧下、沸点温度で連続的に滴下し、重合反応を行なった。滴下終了後沸点温度で更に30分間撹拌して重合反応を完了し、固形分55%のポリアクリル酸含水溶液(重合体A3)を得た。

0057

重合体製造例4
温度計、窒素導入管、撹拌機および還流冷却機を備えた容量5リットルの四つ口フラスコに水505g、無水マレイン酸424gおよび48重量%の水酸化ナトリウム651gを仕込み、100℃まで昇温した。次に10重量%の過硫酸ナトリウム水溶液434gと80重量%のアクリル酸水溶液1562gを120分かけて常圧下、沸点温度で連続的に滴下し、重合反応を行なった。滴下終了後沸点温度で更に30分間撹拌して重合反応を完了し、固形分55%のポリアクリル酸塩含水溶液(重合体A4)を得た。

0058

重合体製造例5
温度計、窒素導入管、撹拌機および還流冷却機を備えた容量1リットルのセパラブルフラスコに200gのメタクリル酸、4gの過硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム3.4 gおよび水を仕込み、水溶液重量を1000gとした。撹拌しながら窒素ガス吹込み水溶液中に溶存している酸素を除去した後、56℃で恒温槽浸すと、水溶液は5分後から増粘し始め、重合開始20分後に最高温度76℃を示した。3時間後固形分20%のポリメタクリル酸含水溶液(重合体A5)を得た。

0059

重合体製造例6
温度計、窒素導入管、撹拌機および還流冷却機を備えた容量5リットルの四つ口フラスコに水2564gを仕込んで、100℃まで昇温した。次に5%の過硫酸ナトリウム水溶液710gと80重量%のアクリル酸水溶液726gを180分かけて常圧下、沸点温度で連続的に滴下し、重合反応を行なった。滴下終了後沸点温度で更に60分間撹拌して重合反応を完了し、固形分15.4%のポリアクリル酸含水溶液(比較重合体A6)を得た。

0060

重合体製造例7
温度計、窒素導入管、撹拌機および還流冷却機を備えた容量5リットルの四つ口フラスコに水2510gを仕込み、100℃まで昇温した。次に0.8 重量%の過硫酸ナトリウム水溶液80gと80重量%のアクリル酸水溶液920gを60分かけて常圧下、沸点温度で連続的に滴下し、重合反応を行なった。次いで更に0.8 重量%過硫酸ナトリウム水溶液 150gを15分かけて常圧下、沸点温度で連続的に滴下し、滴下終了後沸点温度で更に30分間撹拌して重合反応を完了し、固形分20%のポリアクリル酸含水溶液(重合体A7)を得た。

0061

重合体製造例8
温度計、窒素導入管、撹拌機および還流冷却機を備えた容量5リットルの四つ口フラスコに水1620gを仕込み、100℃まで昇温した。次に0.8 重量%の過硫酸ナトリウム水溶液40gと40重量%のアクリル酸水溶液1840gを60分かけて常圧下、沸点温度で連続的に滴下し、重合反応を行なった。次いで更に0.8 重量%過硫酸ナトリウム水溶液150gを15分かけて常圧下、沸点温度で連続的に滴下し、滴下終了後沸点温度で更に30分間撹拌して重合反応を完了し、固形分20%のポリアクリル酸含水溶液(重合体A8)を得た。

0062

重合体比較製造例1
温度計、窒素導入管、撹拌機および還流冷却機を備えた容量1リットルの四つ口フラスコにベンゼン450gを仕込み、次にアクリル酸50gおよびアゾビスイソブチロニトリル0.1 gを仕込んで、窒素気流下に70℃で沈澱重合を行なった。生成ポリマー微粒子となって析出沈澱した。スラリーを40℃で180分減圧(20mmHg)乾燥しポリアクリル酸粉末(比較重合体B1)を得た。得られた各重合体の10%水溶液粘度および分子量を表1に示す。

0063

0064

上記で得た各重合体含水溶液を、下記乾燥法1〜4に示す方法で加熱条件を種々変更して乾燥を行ない、得られた各粉末の物性を調べた。結果を、乾燥条件などを含めて表2〜表4に一括して示す。

0065

乾燥法1
図3に示した様な回転式乾燥装置を用いて、テフロン製ベルト1の下方から伝熱板A、B、C、D、Eにより伝熱加熱する方式の乾燥法を採用し、各伝熱板の温度を表1に示す様に変更して乾燥を行なう。尚ベルト加熱領域の長さは300cmとし、各伝熱板A、B、C、D、Eによる加熱部の長さは夫々50cmとし、冷却ゾーンFの長さは50cmとした。このベルト上に各重合体含水溶液Pを所定の厚さとなる様に供給して連続的に乾燥を行なうと共に、各加熱ゾーンにおける表面温度および内部温度を測定する。尚温度測定は、乾燥中の重合体含水溶液Pの表面にCA線(直径0.3mm)の先端がほぼ埋没する様に押し当てて表面温度を測定し、また内部温度はCA線(同前)の先端部が乾燥中の重合体含水溶液Pのほぼ真中に位置する様に斜め方向から差し込んで測定する。

0066

乾燥法2
図4に略示する如く、横方向に熱風送りながら乾燥するタイプの熱風乾燥機を使用し、その中の金網a上に、重合体含水溶液Pをテフロンシートb上に所定厚さに塗布してから載置し、所定温度で熱風乾燥を行なう。

0067

乾燥法3
図5に略示する様な減圧式箱形乾燥機を使用し、その中の金網a上に上記と同様に重合体含水溶液Pをテフロンシートb上に所定厚さに塗布してから載置し、所定の減圧度および温度で減圧乾燥を行なう。

0068

乾燥法4
テフロンシート上に所定の厚さで載置した重合体含水溶液を25℃×65%RHの恒温恒室内に放置し、常温常圧自然乾燥させる。

0069

0070

0071

0072

表2〜表4より次の様に考察することができる。
実施例1〜12:本発明の規定要件を全て満足する実施例であり、いずれの重合体粉末も経日安定性が良好であり、水への再溶解性も良好で且つ不溶解物の存在も認められない。
これに対し比較例1〜6は、本発明で規定する何れかの要件を欠如するものであり、以下に示す如く経日安定性、水への溶解性のいずれかに問題がある。

0073

比較例1:乾燥時における重合体の温度が規定範囲を超えているため、AVMeOH/AVH2O の値が低く、乾燥時に相当量の酸無水物が生成していることを確認することができ、経日安定性および水への再溶解性が悪く、且つ不溶物の残存量も多い。
比較例2,3:乾燥時における重合体の温度が規定範囲を超えているばかりでなく、表面温度と内部温度の差も50℃を超えているため、AVMeOH/AVH2Oの値が低く、乾燥時に相当量の酸無水物が生成していることを確認することができ、経日安定性および水への再溶解性が悪く、且つ不溶物の残存量も多い。

図面の簡単な説明

0074

比較例4:最終の含水率が10%を超えるため粉砕が困難であり、極めて粗い粒が存在し、更には粒度構成も好適要件を外れているため目標の溶解時間を得ることができない。
比較例5:常温常圧で自然乾燥したものであって水への再溶解に長時間を要する。

--

0075

図1本発明で使用される好ましい乾燥装置を例示する概念説明図である。
図2水への溶解時間の測定に用いた撹拌羽根の形状を示す図である。
図3実施例で採用した乾燥法を示す説明図である。
図4実施例で採用した乾燥法を示す説明図である。
図5比較例で採用した乾燥法を示す説明図である。

0076

1ベルト
2a,2bローラ
3重合体含水溶液供給部
4a,4b,4cヒーター
5スリッター
P 重合体含水溶液

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ