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技術 イオン加速装置

出願人 バリアン・セミコンダクター・エクイップメント・アソシエイツ・インコーポレイテッド
発明者 所伸宏
出願日 1993年1月8日 (27年3ヶ月経過) 出願番号 1993-018087
公開日 1994年1月28日 (26年3ヶ月経過) 公開番号 1994-020641
状態 特許登録済
技術分野 物理蒸着 電子源、イオン源 荷電粒子線装置 アニール
主要キーワード ターミナル電圧 加速方式 エネルギ依存性 接地棒 大地側 エネルギ領域 非接地状態 イオン加速装置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1994年1月28日)のものです。
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図面 (8)

目的

負イオンだけでなく、正イオン及び中性ビームを使用することが可能であり、ビーム使用効率ビーム電流を増大させることが可能なイオン加速装置を提供する。

構成

荷電変換セル2は金属蒸気の発生及び非発生を選択でき、ストリッパカナル8はガスの導入、非導入を選択でき、また90度分析磁石3と前段レンズ4は正・負両イオンが扱い可能に構成されている。接地棒9は加速器ターミナルTを接地させることが出来るようになっている。またビーム中性化器5はガスの導入により適宜イオンの中性化を行うことが可能であり、これらの設定を最終エネルギに応じて切り換えることにより、ビーム電流を増大させ、またビーム使用効率を増大させる。

概要

背景

近年の半導体高集積化に伴い、不純物濃度の深さ方向の分布シリコン基板内部で自由に制御できる高エネルギイオン注入プロセス重要性が高まっている。イオン高エネルギ加速し、シリコン基板に注入する方法としては、現在タンデム加速方式が最も広く採用されている。このタンデム加速方式は、米国特許3353107号等により広く知られている。タンデム加速方式においては、正イオン源と荷電変換セルを組み合わせるか、スパッタイオン源を用いて負イオンビームが生成される。この負イオンビームは正の高電圧印加された加速器ターミナルTに向けて入射加速され、ターミナル電圧まで加速される。そして加速ターミナルTにおいて、この加速された負イオンビームを気体又は薄膜衝突させることにより、電子はぎ取り、これにより負イオンビームを正イオンビームへと変換する。この正イオンビームは正の高電圧が印加されている加速器ターミナルTから大地側へ再び加速されて、その最終エネルギを得るようになっている。この時のイオンの最終エネルギEtot(eV)は、次の様に表せる。
Etot(eV)=Einj+Q×(N+1)Vter
ここで、Einj(eV)は加速装置への入射エネルギであり、Vter(Volt)はターミナル電圧、Nは正イオンの荷数、Qは素電荷である。この式からわかるように、印加電圧Vterを効率よく粒子の加速に用いることができる。

このようなタンデム方式を用いた実際の装置を図5に示す。この装置はGenusu社のモデルG1500高エネルギイオン注入装置である。この装置において、正イオンは熱陰極PIGイオン源1により生成される。この正イオンはイオン源に正の高電圧を印加することによりビームとして引き出される。引き出された正イオンビームは、引き出し電極系の直後に設置された荷電変換セル2を通過する際にマグネシウム蒸気と衝突し、一部がマグネシウムから電子を2個受け取り、負イオンビームへと変換されるように構成されている。この負イオンビームは荷電変換セル2を通過した後、90度分析磁石3により荷電状態及び質量を分析され、目的とする負イオンのみがタンデム加速器6へ入射されるようになっている。タンデム加速器6は前段加速管7とその前段に前段Qレンズ4を備えており、90度分析磁石3で質量分析された負イオンビームは該前段Qレンズ4により収束作用を受け、ストリッパカナル8の中央にビームウエストを形成するようになっている。この時に、同時に負イオンビームは前段加速管7により正の高電圧が印加されたタンデム加速ターミナルT部に向かって加速されるようになっている。

加速された負イオンビームはストリッパカナル8を通過する際に、ストリッパカナル8内に導入された窒素ガスと衝突して軌道電子を失い、再び正イオンビームへと変換される様に構成されている。この時の荷電状態の分布は衝突のエネルギにより決まっており、衝突エネルギが高いほど多くの多価イオンが生成される。この価電状態分布の一例をホウ素の場合について図6に示す。得られた正イオンビームはタンデム加速器ターミナルTから大地電圧へ向かって後段加速管10により再び加速され、このように最終エネルギを得たビームは、後段Qレンズ11により再び収束作用を受け、10度分析磁石12により荷電状態を選別され、ターゲットの設置されているプロセスチャンバ13へと導かれるようになっている。

概要

負イオンだけでなく、正イオン及び中性ビームを使用することが可能であり、ビーム使用効率ビーム電流を増大させることが可能なイオン加速装置を提供する。

荷電変換セル2は金属蒸気の発生及び非発生を選択でき、ストリッパカナル8はガスの導入、非導入を選択でき、また90度分析磁石3と前段Qレンズ4は正・負両イオンが扱い可能に構成されている。接地棒9は加速器ターミナルTを接地させることが出来るようになっている。またビーム中性化器5はガスの導入により適宜イオンの中性化を行うことが可能であり、これらの設定を最終エネルギに応じて切り換えることにより、ビーム電流を増大させ、またビーム使用効率を増大させる。

目的

しかし上記した従来のタンデム加速装置の場合、ターゲットにおける有効ビーム電流が加速器ターミナルTにおける荷電状態分布により規定されているため、最終エネルギが低い領域ではビーム電流が急激に減少するという欠点があった。例えば、図7に示すようにホウ素の場合には最終エネルギが500KeV以下の領域で、ビーム電流が急激に減少していることがわかる。また、負イオンの生成効率が一般的に5〜15%と低いため、ビームの使用効率が低いという欠点があった。本発明は上記した従来技術の問題点を解決することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

ガスを導入した状態とガスを導入しない状態とを設定可能なストリッパカナルを有する高電圧ターミナルと、負イオンを該ターミナルに向けて加速する低エネルギ加速管と、該ターミナルからの正イオンを加速する高エネルギ加速管と、正イオン源と、金属蒸気を発生し該正イオン源からのイオンを負イオンに変換する状態と、金属蒸気を発生せず正イオン源からのイオンをそのまま通過させる状態を設定可能な荷電変換セルと、正イオンを屈折させる状態と、負イオンを屈折させる状態を設定可能な前段分析磁石と、正イオンを収束させる状態と負イオンを収束させる状態とを設定可能な前段Qレンズと、該前段Qレンズから入射したイオンを中性化する状態と中性化せずそのまま通過させる状態を設定可能なビーム中性化器と、前記ターミナルをショートさせた状態と非ショート状態を設定可能な接地棒と、を備え;前記荷電変換セル、前段分析磁石、前段Qレンズ、ビーム中性化器、ストリッパカナル、接地棒の前記状態を最終エネルギに応じて選択する、ことを特徴とするイオン加速装置

請求項2

ストリッパカナルを有する高電圧のターミナルと、該ターミナルを0〜500kVのターミナル電圧Vに維持する手段と、負イオンを該ターミナルに向けて加速する低エネルギ加速管と、該ターミナルからの正イオンを加速する高エネルギ加速管と、正イオン源と、荷電変換セルと、前段分析磁石と、前段Qレンズと、ビーム中性化器と、接地棒と、該正イオン源から正イオンを引き出し、これらを順次荷電変換セル、前段分析磁石、前段Qレンズ、ビーム中性化器、低エネルギ加速管、ストリッパカナル、高エネルギ加速管、に通過させ、これにより前記イオンを前記低エネルギ加速管に入射エネルギE(keV)で入射させる手段と、を備え;前記荷電変換セルが金属蒸気を発生した第1状態と金属蒸気を排除した第2状態の中の1つの状態に設定可能であり、前記前段分析磁石と前段Qレンズが、正イオンを屈折させ収束させる第1状態と、負イオンを屈折させ収束させる第2状態の中の1つの状態に設定可能であり、前記ビーム中性化器がガスを導入した第1状態とガスを排除した第2状態の中の1つの状態に設定可能であり、前記ストリッパカナルがガスを導入した第1状態とガスを排除した第2状態の中の1つの状態に設定可能であり、接地棒が前記ターミナルをショートさせた第1状態と、ショートさせない第2状態の中の1つの状態に設定可能であり;更に前記荷電変換セル、前段分析磁石、前段Qレンズ、ビーム中性化器、ストリッパカナル、接地棒の状態を最終エネルギに応じて下記の様に設定し、後段加速管からのイオンのそれぞれの該最終エネルギを得る手段と、を備えたことを特徴とするイオン加速装置。EkeV以下 E以上(V+E) (V+E)keV以下 keV以上荷電変換セル 第2状態 第2状態 第1状態前段分析磁石 第1状態 第1状態 第2状態前段Qレンズ 第1状態 第1状態 第2状態ビーム中性化器 第2状態 第1状態 第2状態ストリッパカナル 第2状態 第1状態 第1状態接地棒 第1状態 第2状態 第2状態

請求項3

ストリッパカナルを有する高電圧のターミナルと、該ターミナルを0〜500kVの電圧に維持する手段と、負イオンを該ターミナルに向けて加速する低エネルギ加速管と、該ターミナルからの正イオンを加速する高エネルギ加速管と、60kVまでの正電圧が印加される正イオン源と、荷電変換セルと、前段分析磁石と、前段Qレンズと、ビーム中性化器と、接地棒と、該正イオン源から正イオンを引き出し、これらを順次荷電変換セル、前段分析磁石、前段Qレンズ、ビーム中性化器、低エネルギ加速管、スリッパカナル、高エネルギ加速管、に通過させる手段と、を備え;前記荷電変換セルがガスを導入した第1状態とガスを排除した第2状態の中の1つの状態に設定可能であり、前記前段分析磁石と前段Qレンズとが、正イオンを屈折させ収束させる第1状態と、負イオンを屈折させ収束させる第2状態の中の1つの状態に設定可能であり、前記ビーム中性化器がガスを導入した第1状態とガスを排除した第2状態の中の1つの状態に設定可能であり、前記ストリッパカナルがガスを導入した第1状態とガスを排除した第2状態の中の1つの状態に設定可能であり、接地棒が前記ターミナルをショートさせた第1状態と、ショートさせない第2状態の中の1つの状態に設定可能であり;更に前記荷電変換セル、前段分析磁石、前段Qレンズ、ビーム中性化器、ストリッパカナル、接地棒の状態を最終エネルギに応じて下記の様に設定し、後段加速管からのイオンのそれぞれの該最終エネルギを得る手段と、を備えたことを特徴とするイオン加速装置。0〜60keV以下 60〜560keV 560〜1560keV荷電変換セル 第2状態 第2状態 第1状態前段分析磁石 第1状態 第1状態 第2状態前段Qレンズ 第1状態 第1状態 第2状態ビーム中性化器 第2状態 第1状態 第2状態ストリッパカナル 第2状態 第1状態 第1状態接地棒 第1状態 第2状態 第2状態

技術分野

0001

この発明は半導体の製造等に用いられるイオン加速装置に関する。

背景技術

0002

近年の半導体の高集積化に伴い、不純物濃度の深さ方向の分布シリコン基板内部で自由に制御できる高エネルギイオン注入プロセス重要性が高まっている。イオン高エネルギ加速し、シリコン基板に注入する方法としては、現在タンデム加速方式が最も広く採用されている。このタンデム加速方式は、米国特許3353107号等により広く知られている。タンデム加速方式においては、正イオン源と荷電変換セルを組み合わせるか、スパッタイオン源を用いて負イオンビームが生成される。この負イオンビームは正の高電圧印加された加速器ターミナルTに向けて入射加速され、ターミナル電圧まで加速される。そして加速ターミナルTにおいて、この加速された負イオンビームを気体又は薄膜衝突させることにより、電子はぎ取り、これにより負イオンビームを正イオンビームへと変換する。この正イオンビームは正の高電圧が印加されている加速器ターミナルTから大地側へ再び加速されて、その最終エネルギを得るようになっている。この時のイオンの最終エネルギEtot(eV)は、次の様に表せる。
Etot(eV)=Einj+Q×(N+1)Vter
ここで、Einj(eV)は加速装置への入射エネルギであり、Vter(Volt)はターミナル電圧、Nは正イオンの荷数、Qは素電荷である。この式からわかるように、印加電圧Vterを効率よく粒子の加速に用いることができる。

0003

このようなタンデム方式を用いた実際の装置を図5に示す。この装置はGenusu社のモデルG1500高エネルギイオン注入装置である。この装置において、正イオンは熱陰極PIGイオン源1により生成される。この正イオンはイオン源に正の高電圧を印加することによりビームとして引き出される。引き出された正イオンビームは、引き出し電極系の直後に設置された荷電変換セル2を通過する際にマグネシウム蒸気と衝突し、一部がマグネシウムから電子を2個受け取り、負イオンビームへと変換されるように構成されている。この負イオンビームは荷電変換セル2を通過した後、90度分析磁石3により荷電状態及び質量を分析され、目的とする負イオンのみがタンデム加速器6へ入射されるようになっている。タンデム加速器6は前段加速管7とその前段に前段Qレンズ4を備えており、90度分析磁石3で質量分析された負イオンビームは該前段Qレンズ4により収束作用を受け、ストリッパカナル8の中央にビームウエストを形成するようになっている。この時に、同時に負イオンビームは前段加速管7により正の高電圧が印加されたタンデム加速ターミナルT部に向かって加速されるようになっている。

0004

加速された負イオンビームはストリッパカナル8を通過する際に、ストリッパカナル8内に導入された窒素ガスと衝突して軌道電子を失い、再び正イオンビームへと変換される様に構成されている。この時の荷電状態の分布は衝突のエネルギにより決まっており、衝突エネルギが高いほど多くの多価イオンが生成される。この価電状態分布の一例をホウ素の場合について図6に示す。得られた正イオンビームはタンデム加速器ターミナルTから大地電圧へ向かって後段加速管10により再び加速され、このように最終エネルギを得たビームは、後段Qレンズ11により再び収束作用を受け、10度分析磁石12により荷電状態を選別され、ターゲットの設置されているプロセスチャンバ13へと導かれるようになっている。

発明が解決しようとする課題

0005

しかし上記した従来のタンデム加速装置の場合、ターゲットにおける有効ビーム電流が加速器ターミナルTにおける荷電状態分布により規定されているため、最終エネルギが低い領域ではビーム電流が急激に減少するという欠点があった。例えば、図7に示すようにホウ素の場合には最終エネルギが500KeV以下の領域で、ビーム電流が急激に減少していることがわかる。また、負イオンの生成効率が一般的に5〜15%と低いため、ビームの使用効率が低いという欠点があった。本発明は上記した従来技術の問題点を解決することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するために本発明のイオン加速装置は、ガスを導入した状態とガスを導入しない状態とを設定可能なストリッパカナルを有する高電圧のターミナルと、負イオンを該ターミナルに向けて加速する低エネルギ加速管と、該ターミナルからの正イオンを加速する高エネルギ加速管と、正イオン源と、金属蒸気を発生し該正イオン源からのイオンを負イオンに変換する状態と、金属蒸気を発生せず正イオン源からのイオンをそのまま通過させる状態を設定可能な荷電変換セルと、正イオンを屈折させる状態と、負イオンを屈折させる状態を設定可能な前段分析磁石と、正イオンを収束させる状態と負イオンを収束させる状態とを設定可能な前段Qレンズと、該前段Qレンズから入射したイオンを中性化する状態と中性化せずそのまま通過させる状態を設定可能なビーム中性化器と、前記ターミナルをショートさせた状態と非ショート状態を設定可能な接地棒とを備え、前記荷電変換セル、前段分析磁石、前段Qレンズ、ビーム中性化器、ストリッパカナル、接地棒の前記状態を最終エネルギに応じて選択する、ことを特徴とする。

0007

最終エネルギに応じて、前記荷電変換セル、前段分析磁石、前段Qレンズ、ビーム中性化器、ストリッパカナル、接地棒の前記状態を選択する。

0008

以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1において、図4に示す従来と同一のものには同一の番号を付してある。熱陰極PIGイオン源1には60kVまでの正電圧が印加され、ここから正イオンがビームとして引き出されるように構成されている。引き出し電極系の直後に設置された荷電変換セル2は、金属蒸気を発生する場合には400°C前後に昇温され、金属蒸気を発生させない場合は室温に保たれるようになっている。

0009

90度分析磁石3は極性切り換えることが出来るようになっており、正イオンと負イオンの両方の分析ができるようになっている。90度分析磁石3の後段に設定された前段Qレンズ4も同様に極性を切り換えることが出来るようになっており、正イオンと負イオンの両方を収束可能に構成されている。

0010

前段Qレンズ4と前段加速管7の間にはビーム中性化器5が介装されている。このビーム中性化器5は正イオンビームを中性化するためのものであり、ビーム電流の約70%を中性化できるように構成されている。このビーム中性化器5の基本的な構成を図2に示す。このビーム中性化器5はターボモレキュラーポンプ50とガス導入口51とを備えたガスセルであり、室内に大量のガスが導入されても差動排気により周囲の真空度に極力影響を及ぼさないように配慮されている。正イオンビームはこの室内に導入されたガスと衝突することにより、荷電変換されて中性化されるようになっている。室内に導入されるガスとしては水素窒素酸素エタン或いはメタン等が使用され、入射されるイオン種により適宜選択すれば良い。このように中性化され入射されたビームは、たとえ加速器ターミナルに正の高電圧が印加されていても、電荷を持たないため加速されることなくタンデム加速器ターミナルTに達し、ここでストリッパカナル8に導入された窒素ガスと衝突することにより一部が正イオンへと再変換される。そして、この変換された正イオンビームは加速器ターミナルTから大地に向かって加速され、最終エネルギを得るようになっている。この中性ビームを入射したときの最終エネルギは、
Etot(eV)= Einj + Q×Vter
となる。なお、ビーム中性化器5にはガスを導入した中性化を行うモードとガスを導入せず中性化を行わないモードとを選択出来るようになっている。

0011

タンデム加速器6のターミナルTは接地棒9により接地され、タンデム加速器6のターミナルTがチャージアップすることを防止するようになっている。この接地棒9もターミナルTの接地状態非接地状態の切り換えが行えるようになっている。

0012

またタンデム加速器6の前段加速管7、ストリッパカナル8、後段加速管10及び後段Qレンズ11、10度分析磁石12とプロセスチャンバ13の構成は従来のものと同じであるのが、ストリッパカナル8はガスを導入した状態と非導入状態を選択出来るようになっており、イオンの変換を行わないモードも選択出来るように構成されている。また後段Qレンズ11及び10度分析磁石12は常に正イオンビームに対して正しく作用するように極性を固定してある。

0013

以上の構成を有する装置において、得られる最終エネルギに応じて次のように装置を使用する。
(1)0〜60keV
このエネルギ領域においては、PIGイオン源1に印加する電圧によってのみ、加速エネルギが得られるようにする。また荷電変換セル2は金属蒸気を発生せず、室温に保って使用しない。更に90度分析磁石3の極性を正イオンを分析するように設定し、前段Qレンズ4は正イオンを収束するように設定しておく。またビーム中性化器5にはガスを導入せず、中性変換は行わない。更にストリッパカナル8には窒素ガスを導入せず、また接地棒9により加速器ターミナルTを接地しておく。このような状態において、PIGイオン源1から引き出された正イオンは、90度分析磁石3により質量分析され、前段Qレンズ4により収束され、タンデム加速器6を通過する。この際、加速器ターミナルTは接地棒9により接地されているから、加速器ターミナルTのチャージアップの防止が図られる。このようにして得られたビーム電流値をホウ素及び燐の場合について、それぞれ図3図4にそれぞれ示す。図3図6との比較から明かなように、例えばホウ素の場合従来の負イオンを使用した場合に比較して、60KeV以下の領域におけるビーム電流は2倍〜10倍に増大している。

0014

(2)60〜560keV
このエネルギ領域においても、荷電変換セル2は金属蒸気を発生せず、室温に保ち使用しない。更に90度分析磁石3の極性を正イオンを分析するように設定し、前段Qレンズ4は正イオンを収束するように設定しておく。またビーム中性化器5を稼働しここでビーム電流の約70%以上を中性化して、タンデム加速器6に入射するようにしておく。ストリッパカナル8にはガスを導入し、また加速器ターミナルTは接地棒9により接地しない。この状態において、正イオンビームは前段Qレンズ4により収束作用を受けて焦点をストリッパカナル8中央に結ぶように調節され、その後ビーム中性化器5により中性化される。そして中性化されたイオンビームはタンデム加速器6に入射するが、加速器ターミナルTに正の高電圧が印加されていても電荷をもたないため加速されることなく、加速器ターミナルTに到達する。そして、ストリッパカナル8に導入された窒素ガスと衝突することにより、加速器ターミナルTから大地に向かって加速され、最終エネルギを得る。この中性ビームを入射したときの最終エネルギは、前記した様にEtot(eV)= Einj + Q×Vterで表される。図3及び図4の×印のプロットは、それぞれこの使用方法により得られたビーム電流を示すもので、この領域で図7に示す従来のものに比較して1.5〜2倍に増大されていることがわかる。なお、加速器ターミナルTの電圧を変化させてもストリッパカナル8での衝突エネルギは変化しないため、ビーム電流のエネルギ依存性はほとんど無くなる。

0015

(3)560〜1560keV
このエネルギ領域においては、荷電変換セル2に金属蒸気を発生し、90度分析磁石3及び前段Qレンズ4の極性は負イオンに対してのものに変更される。またビーム中性化器5は使用せず、ストリッパカナル8にはガスを導入し、接地棒9は加速器ターミナルTを接地しない。即ち従来のタンデム加速の使用方法が採用され、560〜1060KeVのエネルギを得るために1価イオンが使用され、1060〜1560KeVのエネルギを得るために2価イオンが使用される。

発明の効果

0016

以上説明したように本発明のイオン加速装置は、ガスを導入した状態とガスを導入しない状態とを設定可能なストリッパカナルを有する高電圧のターミナルTと、負イオンを該ターミナルTに向けて加速する低エネルギ加速管と、該ターミナルTからの正イオンを加速する高エネルギ加速管と、正イオン源と、金属蒸気を発生し該正イオン源からのイオンを負イオンに変換する状態と、金属蒸気を発生せず正イオン源からのイオンをそのまま通過させる状態を設定可能な荷電変換セルと、正イオンを屈折させる状態と、負イオンを屈折させる状態を設定可能な前段分析磁石と、正イオンを収束させる状態と負イオンを収束させる状態とを設定可能な前段Qレンズと、該前段Qレンズから入射したイオンを中性化する状態と中性化せずそのまま通過させる状態を設定可能なビーム中性化器と、前記ターミナルTをショートさせた状態と非ショート状態を設定可能な接地棒とを備え、前記荷電変換セル、前段分析磁石、前段Qレンズ、ビーム中性化器、ストリッパカナル、接地棒の前記状態を最終エネルギに応じて選択するため、最終エネルギに応じて、大きなビーム電流を得ることが可能になる。

図面の簡単な説明

0017

図1本発明の一実施例を示す概略図。
図2本発明のビーム中性化器5の一実施例を示す概略図。
図3本発明の一実施例におけるホウ素の最大ビーム電流を示すグラフ
図4本発明の一実施例におけるリンの最大ビーム電流を示すグラフ。
図5従来の装置の一例を示す概略図。
図6従来の装置における荷電状態分布を示すグラフ。
図7従来の装置における規格化されたビーム電流を示すグラフ。

--

0018

1:PIGイオン源、2:荷電変換セル、3:90度分析磁石、4:前段Qレンズ、5:ビーム中性化器、6:タンデム加速器、7:前段加速管、8:ストリッパカナル、9:接地棒、10:後段加速管、11:後段Qレンズ、12:10度分析磁石、13:プロセスチャンバ、50:ターボモレキュラーポンプ、51:ガス導入口、52:ガスセル。

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