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技術 ステンレス合金を硫酸で処理した廃液からの硫酸の回収方法

出願人 AGC株式会社
発明者 青木良輔堀江浩文長沼力
出願日 1992年6月30日 (28年0ヶ月経過) 出願番号 1992-196563
公開日 1994年1月25日 (26年5ヶ月経過) 公開番号 1994-017272
状態 特許登録済
技術分野 半透膜を用いた分離 硫黄、窒素等及びそれらの化合物;過化合物 化学的方法による金属質材料の清浄、脱脂
主要キーワード 締付枠 モネル合金 不純金属 拡散透析装置 表面錆 固定イオン 電解研磨後 高クロム鋼
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この項目の情報は公開日時点(1994年1月25日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

目的

ステンレス合金硫酸処理廃液から硫酸を長時間にわたり安定して回収する。

構成

ステンレス合金を硫酸で処理した、モリブデンニオブバナジウムの少なくとも一つを含む廃液から陰イオン交換膜を用いて拡散透析して硫酸を回収するに際し、前記硫酸処理廃液を40℃以上にする。

概要

背景

陰イオン交換膜を使用して、酸と金属を含有する溶液から濃度差駆動力として酸を回収し、金属イオンを分離する、いわゆる拡散透析はすでに多くの分野で採用されている。かかる酸の拡散透析用膜としては、数多くの文献、特許が報告されているが、もっとも実用的で有益なものとして、クロルメチルスチレン(またはビニルピリジン)−ジビニルベンゼン共重合体アミノ化(または4級ピリジニウム化)陰イオン交換膜がある。

ステンレス合金の製造の最終過程において、ステンレス合金に付着または形成された油、汚れ酸化物等を除去するために、酸液中で所定時間浸漬するという酸洗工程が必須となっている。かかる酸洗では、塩酸硫酸、フッ酸、硝酸などの一種以上の各種酸が使用される。

概要

ステンレス合金の硫酸処理廃液から硫酸を長時間にわたり安定して回収する。

ステンレス合金を硫酸で処理した、モリブデンニオブバナジウムの少なくとも一つを含む廃液から陰イオン交換膜を用いて拡散透析して硫酸を回収するに際し、前記硫酸処理廃液を40℃以上にする。

目的

本発明は、前述の問題を解消して、特定のステンレス合金硫酸処理廃液から硫酸を回収する際に有用な拡散透析方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

陰イオン交換膜の片面にステンレス合金硫酸で処理した、モリブデンニオブバナジウムの少なくとも一つを含む廃液を接触せしめ、もう一方の面に水を接触せしめ、前記廃液から硫酸を選択的に拡散透析せしめて硫酸を回収する方法において、前記廃液の温度を40℃以上としつつ拡散透析せしめることを特徴とする硫酸の回収方法

請求項2

前記廃液が、モリブデン、ニオブ、バナジウムの少なくとも一つを含むステンレス合金の表面錆取りのために硫酸で処理した廃液、または、モリブデン、ニオブ、バナジウムの少なくとも一つを含むステンレス合金の表面に歪のない結晶面を出すために硫酸で浸漬した廃液である請求項1の硫酸の回収方法。

技術分野

0001

本発明は、ステンレス合金硫酸で処理した、モリブデンニオブバナジウムの少なくとも一つを含む廃液から硫酸を回収する方法に関する。

背景技術

0002

陰イオン交換膜を使用して、酸と金属を含有する溶液から濃度差駆動力として酸を回収し、金属イオンを分離する、いわゆる拡散透析はすでに多くの分野で採用されている。かかる酸の拡散透析用膜としては、数多くの文献、特許が報告されているが、もっとも実用的で有益なものとして、クロルメチルスチレン(またはビニルピリジン)−ジビニルベンゼン共重合体アミノ化(または4級ピリジニウム化)陰イオン交換膜がある。

0003

ステンレス合金の製造の最終過程において、ステンレス合金に付着または形成された油、汚れ酸化物等を除去するために、酸液中で所定時間浸漬するという酸洗工程が必須となっている。かかる酸洗では、塩酸、硫酸、フッ酸、硝酸などの一種以上の各種酸が使用される。

発明が解決しようとする課題

0004

本発明者等は、モリブデン、ニオブ、バナジウムの少なくとも一種を含むステンレス合金の硫酸による洗浄廃液、浸漬廃液または電解研磨廃液などの硫酸処理廃液から陰イオン交換膜を使った拡散透析で硫酸を回収するとき、特に低温度で運転を続けたときに、硫酸の透過性が経時的に低下するという問題が発生することを見い出した。

0005

本発明は、前述の問題を解消して、特定のステンレス合金硫酸処理廃液から硫酸を回収する際に有用な拡散透析方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、陰イオン交換膜の片面にステンレス合金を硫酸で処理した、モリブデン、ニオブ、バナジウムの少なくとも一つを含む廃液を接触せしめ、もう一方の面に水を接触せしめ、前記廃液から硫酸を選択的に拡散透析せしめて硫酸を回収する方法において、前記廃液の温度を40℃以上としつつ拡散透析せしめることを特徴とする。ここで、廃液の温度とは、透析域内における前記廃液の全ての箇所の温度が40℃以上であることを示す。

0007

モリブデン、ニオブ、バナジウムの少なくとも一つを含むステンレス合金の洗浄廃液、浸漬廃液または電解研磨廃液などの硫酸処理廃液からの硫酸の回収で、硫酸の透過性が経時的に低下する原因についてはいまだ明らかではないが、単に鉄イオンを含有した硫酸処理廃液では、経時的な性能低下が見られないことから、ステンレス合金に含まれるモリブデン、ニオブ、バナジウムなどの特定成分により陰イオン交換膜が汚染され、硫酸の透過性の低下に至るものと思われる。

0008

さらに、この性能低下は、室温程度の拡散透析で発生するものの、前記廃液の温度を40℃以上とすることにより、硫酸の透過性の経時的低下を防止できることを見い出し、本発明に至った。

0009

本発明におけるステンレス合金としては、炭素を含有する高クロム鋼であるマルテンサイト系ステンレス鋼炭素含有量が少ない高クロム鋼のフェライト系ステンレス鋼クロムニッケル鋼オーステナイト系ステンレス鋼およびそれらの析出硬化形ステンレス合金などの鉄ベース系ステンレス鋼の他、非鉄系ステンレス合金、たとえばニッケルベースのステンレス合金(モネル合金インコネル合金ハステロイ合金)が例示される。

0010

これらのステンレス合金は、耐食性耐熱性、強度の改善のため、クロム、ニッケルコバルトマンガン、モリブデン、タングステンチタン、バナジウム、ニオブ、シリカリンボロンなどの各種金属が含有されており、これらを含有するステンレス合金を酸で処理した廃液に、鉄以外の上記記載の金属を含有していることが、銑鉄炭素鋼酸処理液と異なる。

0011

金属中には、その簡単な酸分子縮合して多数の無水酸分子を含む酸を形成するものがある。ただ一種類の金属によって生成される酸がイソポリ酸、二種類以上の金属によって生成される酸がへテロポリ酸である。イソポリ酸の一般式は、mM(I)2O・nM(V)2O5・xH2O 、mM(I)2O・nM(VI)O3・xH2O で表され、M(I)は主としてアルカリ金属、M(V)は周期表上のV族のバナジウム、ニオブ、タンタル、M(VI) はVI族のクロム、モリブデン、タングステン、ウランなどがよく知られている。

0012

ヘテロポリ酸を生成するポリ酸としては、バナジウム、モリブデン、タングステンがよく知られており、中心原子としては、水素、炭素、クロム、モリブデン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、チタン、バナジウム、ニオブ、シリカなど数が多い。これらのポリ酸は、酸性溶液のpH、濃度などによって各種の縮合体が存在する。

0013

上記ステンレス合金の表面錆取りのための硫酸洗浄後の廃液、上記ステンレス合金の表面に歪のない結晶面を出すための硫酸浸漬後の廃液または電解研磨後の廃液等の硫酸処理廃液中には、ポリ酸を形成する金属が含有されており、硫酸酸性液中であることから、各種のポリ酸が形成されていると考えられる。

0014

たとえば、モリブデンの場合、Mo3O102-、Mo4O132-、Mo8O252-、Mo10O312- 、Mo16O492- などを形成しており、これらが存在する液に陰イオン交換膜が接触すれば、容易にイオン交換し、これらイオンの大きさから判断して、陰イオン交換膜中の固定イオン吸着し、対イオンの透過を妨害することとなり、その結果、硫酸の透過速度も低下するものと思われる。

0015

本発明において、このような硫酸処理廃液は、40℃以上、好ましくは43〜70℃に保持されて、拡散透析が実施される。

0016

拡散透析は、図1に示す態様で実施される。陰イオン交換膜Aは、図1のように配列された複数の隔室を形成する。かかる構成を有する種々の装置が適用可能であるが、例えば適宜の締付枠体間に、硫酸処理廃液の供給および排出機構を有する室枠網目状のスペーサを介して複数の陰イオン交換膜Aを配列して、締付けてなる所謂フィルタープレス型(締付型)の透析槽が良好に使用される。

0017

拡散透析される硫酸処理廃液Xは、装置中の一つおきの隔室に、好ましくは0.5〜5.0リットル/hr・m2 の流量で供給され、一方、陰イオン交換膜Aを隔てて上記隔室に隣接するそれぞれの隔室には、水Yが、硫酸処理廃液Xとほぼ同流量にて供給される。水は、必ずしも純粋な水でなくともよく、硫酸処理廃液よりも硫酸濃度の低い硫酸水溶液も使用できる。また、水の温度も透析槽内において、硫酸処理廃液の温度を40℃以上に保つために加温することが好ましい場合がある。

0018

かくして、透析槽では、硫酸処理廃液Xと水Yとが陰イオン交換膜Aを隔てて対置されることになり、硫酸処理廃液X中の硫酸は水Y側との濃度勾配および陰イオン交換基の作用により陰イオン交換膜Aを通じて水Y側に選択的に移行する。拡散透析せしめられた硫酸処理廃液は硫酸が除去された廃液Zとなって槽外に排出されるが、必要ならばこれを再び硫酸処理廃液Xに戻し、硫酸が十分に回収されるまで循環させてもよい。

0019

かくして、十分な量の硫酸が除去された廃液Zは、本発明の処理を行わない場合に比べて少量のアルカリにて中和されて廃棄される。

0020

一方、回収硫酸含有液Wは、必要に応じて水Yに戻して循環し、硫酸濃度が所定の値に達した後に槽外に取り出される。回収硫酸含有液Wは少量の鉄を含むものの、硫酸処理廃液X中に含まれるモリブデン、ニッケル、バナジウムなどの不純金属は、ほとんど含まないので、ステンレス鋼、鋼の硫酸処理液その他において有効裡に再使用できる。

0021

硫酸処理廃液の温度を40℃以上とすることにより、硫酸の透過速度が低下せず、性能が安定する理由は明かではないが、ポリ酸はあまり安定でないものが多いため、温度を上げることにより加水分解が進むものと推察される。

0022

本発明に用いられる陰イオン交換膜には、特に限定はなく、一般に、工業的に使われているスチレンジビニルベンゼン系陰イオン交換膜でも、また、たとえば特開平2−68146、同2−71829、同2−211257にそれぞれ示された陰イオン交換膜などが適用される。また、多孔性支持体補強された陰イオン交換膜でも何ら問題なく適用される。

0023

つぎに、本発明を実施例により説明するが、本発明はかかる実施例により限定されるものではない。実施例中に使用する記号の説明は、以下の通りである。

0024

拡散透析において、硫酸および鉄の透過速度Uは、数1により求めた。

0025

鉄と硫酸との選択性Rs は数2により求めた。

0026

実施例1
特開平1−168629に記載された合成法と同様にして4、4−ジフェノールジクロロジフェニルスルホンと反応せしめ、芳香族ポリスルホンユニットからなる固有粘度0.22のプリカーサーを合成し、ついで、該プリカーサーとジクロロジフェニルスルホンと硫化ナトリウムを反応し、芳香族ポリスルホンとポリチオエーテルスルホン等モルで、固有粘度0.65のブロック共重合体Aを得た。

0027

共重合体Aは、1,1,2,2−テトラクロルエタンに溶解した後、クロルメチルメチルエーテル無水塩化スズを添加し、110℃で4時間反応せしめた後、メチルアルコール沈澱洗浄し、クロルメチル化共重合体Bを得た。共重合体Bをジメチルホルムアミドに溶解し、ついで、トリメチルアミンを添加し、イオン交換容量2.0ミリ当量/g樹脂陰イオン交換樹脂溶液を得た。該溶液をマイラーフィルム上に流延した後、110℃で30分加熱乾燥し、膜厚が25μmの陰イオン交換膜を得た。

0028

得られた陰イオン交換膜の片側にステンレス合金の硫酸洗浄廃液(鉄27g/リットル、モリブデン2g/リットル、ニオブ0.1g/リットル、バナジウム1g/リットル、その他を含む)を、もう一方の側にイオン交換水を接触せしめ、前記廃液の温度を45℃において、イオン交換水側に移動した硫酸および鉄の透過速度および選択性を求めた。その結果を表1に示した。長期間にわたって性能は安定している。

0029

比較例1
硫酸洗浄廃液の温度を30℃とした外は、実施例1と同様にして硫酸および鉄イオンの透過速度および選択性を求めた結果を表1に示した。短期間で透過性能が低下した。

0030

実施例2
クロルメチルスチレン−ジビニルベンゼンおよびスチレンモノマー混合液に5重量%のニトリルゴムを溶解せしめ、さらに重合開始剤として過酸化ベンゾイルを溶解せしめたモノマーシロップ液を調合した。

0031

該モノマーシロップ液をポリ塩化ビニル製クロスに塗布せしめた後、ポリエステルフィルム間に挟み、重合せしめた。かくて得られた重合膜をトリメチルアミン溶液中でアミノ化せしめ、イオン交換容量2.0ミリ当量/g乾燥膜、膜厚120μmの陰イオン交換膜を得た。該イオン交換膜を用いて実施例1と同様にして、硫酸および鉄の透過速度を求めた結果を表1に示した。長期間にわたって性能は安定していた。

0032

比較例2
硫酸洗浄廃液の温度を30℃とした外は、実施例2と同じ条件で硫酸および鉄イオンの透過速度および選択性を求めた結果を表1に示した。短期間で透過性能が低下した。

0033

発明の効果

0034

本発明により、拡散透析における硫酸の透過性能および選択性を安定させることが可能となり、工業的な拡散透析装置の長期安定運転が可能となる。

図面の簡単な説明

0035

図1本発明の拡散透析方法を実施するための説明図。

--

0036

A:陰イオン交換膜
X:硫酸処理廃液
Y:水
Z:硫酸が除去された廃液
W:回収硫酸含有液

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