建築資材・建築技術

限られた土地での高層・地下利用

最終更新日:2017/07/04

推定市場規模
500兆円

 近年「摩天楼」とも称される超高層ビルの建設が世界中で進んでいる。
 限られた土地で大きな収容力を求める場合や土地・都市・国などのランドマークとしての建設、不動産価値の高い土地での投資資金回収を増やす目的で多層化するなど超高層ビル建設の需要は高まっており、国土交通省の調査によると収益不動産市場規模は米国だけでも既に約500兆円にものぼる。
 この需要増に併せて成長したのが超高層建築物における設計技術やコスト低減・耐震技術や超高層ビル用の次世代エレベーターなどである。
 従来の大規模な金額・人員・作業量を削減するだけでなく、より高度な技術を安全に低コストで実現することで特定地域への人口集中における住居空間の解決のみならず、限られたスペースにおける有効活用は、我々の生活をより安全で快適に且つ低コストで持続させる技術となるだろう。

未来への変化の兆し

  • 超高層ビルに活かす耐震技術

     東日本大震災以降さらに防災・減災が重要視されるようになり高層ビルの多い都市にはより耐震技術が重要視されている。
    耐震技術には、建物自体の強度を高める「耐震化」や地盤と建物を絶縁することで揺れを抑える「免震化」などが存在するが建築時における耐震技術のため既存建物には応用が難しかった。そこで既存高層ベルへの対策技術が注目されるようになった。

     2014年鹿島建設が開発した長周期地震動を抑える「D3SKY」は、超高層ビル屋上に制震装置を設置し建物の揺れを吸収する「制震化」技術であるため既存の建物にも適応可能である。
    ゆっくり大きく揺れる長周期地震動は超高層ビルに大きな被害をもたらすことで対策を要していたが、従来の制震装置では各階の窓際に設置するため室内工事が必要で有効面積を減少させ眺望を妨げてしまうだけでなく騒音による就労環境の悪化が見受けられた。そのデメリットを打開した「D3SKY」では数百トンの巨大な"振り子型のおもり"を既存超高層ビル屋上に設置することで揺れを抑える技術として、既に東京都新宿区の超高層ビルに導入が進んでいる。

     建築時における耐震技術のみならず既存の建築物を守るための技術が日々進歩しており、地震のみならず様々な災害被害に対策することでより豊かで安全な都市が築かれるだろう。 超高層ビルに活かす耐震技術
  • VR技術による建設前の実物確認

     近年様々な技術が建築分野に応用され、限られた土地をより効率的に安全に利用する革新が進んでいる。日本の大地震により重要度の増す耐震技術のみならず構造技術や耐火技術を駆使し、コストを削減した実用化が望まれている中でも建築シミュレーション技術は急速に発展している。

     大成建設では複雑な大型施設や建造物の建築計画や施工計画に三次元画像システム「ハイブリッドビジョン」を活用し、建物内部の要素が再現できるVR(バーチャルリアリティ)の高度化システムによって建物や都市を実物大で再現し、建築物の構造評価だけでなく気流や温熱および音や光のシミュレーションを行っている。
    リアルスケールで合意形成できることで内部レイアウトの検討や床材・壁材・照明による建築空間の印象を体感でき、また高度音響システムと連動しているため視覚と聴覚を融合させた立体空間が体感できる技術となっている。そのため、災害時のシミュレーションだけでなく日々の生活が快適に送れるかを検討可能とする画期的な技術であり、既に住宅やホテル・病院などの公共施設及び都市空間の評価にも実用化されている。

     この技術がさらに多用されるようになれば試作品をつくるコストは格段に省かれ、構造の欠陥や事故が起こりにくくなるだけでなく快適な日常生活により則した建築物が提案可能となるのである。 VR技術による建設前の実物確認
  • 地下空間の安全な活用に必要な技術

     2016年は、日本国内において”地下空間”に関するニュースが大きく取り上げられた。
     福岡市で起きた大規模な陥没事故は迅速な対応などで大きな被害は出なかったが、地下空間の活用における安全性の重要さを浮き彫りにし、築地市場の移転に伴う豊洲移転問題においては、地下空間の盛り土に焦点が当たった。過去にあった施設の影響で有害な物質を計測したというニュースだ。

     限られたスペースの利活用が進む中、リスク対策が重要になる。国土交通省は「地下空間の利活用に関する安全技術の確立」をテーマに、議論をスタートさせたが2016年12月段階では具体的な話に至っていない。
     地下空間の精密な計測と把握の技術、また開発によって発生する湧水への対策だ。

     日本原子力研究開発機構と清水建設は2016年12月に岩盤の亀裂から出る高水圧の湧水を抑制する技術を開発したと発表した。
     地下構造物を建設する場合、安全確保のため周囲の透水性を低下させる必要がある、グラウチングはその方法の一つで岩盤の亀裂にセメントなどの溶液を注入することで水を流れにくくし、坑道に流入する水を抑制する。
     それをさらに推し進めた「ポストグラウチング」の実施にセメントより浸透性に優れた活性シリカコロイドを使用し、清水建設とライト工業が保有する特許技術「複合動的注入」を使用する。
     この技術は湧水抑制の要求が高い一般的な土木事業に適用可能で、湧水に伴う排水処理費の削減につながるとしている。
    地下空間の安全な活用に必要な技術

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