地球外資源

希少資源を宇宙で探索

最終更新日:2017/01/11

推定市場規模
90兆円

 地球上で採掘される資源には埋蔵量の枯渇や分離コストの上昇など様々な問題がある。そのため既存の採掘場所以外で資源採掘に期待が寄せられている。
 地球資源枯渇の問題は近年急激な技術革新が続く「宇宙探索」により解決に向けての動きが活発であり、特に地球で枯渇が喘がれるエネルギー資源や発掘困難な鉄・白金属・レアアースなどの採掘資源が、宇宙には数多く存在するとされている。
 今後、採掘手段や採掘した資源の安定的な輸送手段などの実用化に向けて従来にはない技術革新が求められており、国土交通省によると2030年の世界市場規模は90兆円にものぼるとされている。

未来への変化の兆し

  • 宇宙資源

     鉄や白金属、レアアースなど現在地球上で採掘されている有用金属には採掘量の限界が見え始めているものもある、その一方で既に小惑星にはこういった金属を含有率の高い状態で膨大に含んでいる場所が数多く存在していると言われており、これらを地球上に持ち帰り活用できれば資源問題を解決することができると考えられている。

     一例として、直径3kmの面積に及び地球での有用金属を含有する小惑星が存在し、これを地球に持ち帰る事ができれば地球上における総生産量を上回る量の白金等が手に入る。
     しかし宇宙資源を地球に持ち帰る為には往還コストの問題が存在する。例えば探査機「はやぶさ」では最大200グラムの資源を採取するが探査機打ち上げコストは200億円以上となり、1グラム採掘あたり1億円のコストという到底実用的では無い計算になってしまう。

     こうしたコスト面の解決、そして安定的に宇宙資源の採掘を行うための手段として「宇宙エレベーター」という地球に戻るときは重力で引き寄せ、宇宙へ向かう際は遠心力で稼働する軌道エレベーター技術の実用化が期待されている。
     地球以外から資源を調達し活用する段階までを実現する事で、今後資源の枯渇という課題に直面していく状況を打破する糸口になる。 宇宙資源
  • 推し進められる宇宙探索技術

     宇宙で人類の活動領域を拡張し、地球で補いきれない資源を宇宙から調達することが望まれている。
     進歩する宇宙探索は科学的知見を広げ、小惑星の物質を分析し太陽系の起源や進化と生命発生のメカニズムを解明するだけでなく、新たな生命の原材料となる有機物や水など資源の発見が期待されている。

     2014年12月3日午後1時22分に小惑星探査機「はやぶさ2」がH-IIAロケット26号機で種子島宇宙センターから打ち上げられ、米航空宇宙局(NASA)の深宇宙ネットワーク(DSN)ははやぶさ2との通信が行われている。計画として、1999年リンカーン研究所自動観測プログラムLINEARによって発見された地球近傍小惑星「1999 JU3」に2018年夏に到着、1年半滞在する計画だ。衝突装置を用いて人工クレーターを作り、小惑星の物質を採取して2020年末に地球へ帰還する。
    従来の探査機よりエンジン推力と寿命が向上し、燃費と耐久性に信頼のある機体で大容量のデータ送信が可能となった。
     
     宇宙探査は宇宙の謎に迫るという科学的なアプローチから、より人類の身近な資源として生活を豊かにする進歩を遂げている。近年の研究で環境や生活の課題は地球の限られた資源や要素だけでなく、広大で未知な宇宙の資源と情報によって解決へと推し進められているのである。 推し進められる宇宙探索技術
  • 宇宙空間での商業採掘

     2015年11月末、アメリカ合衆国大統領バラク・オバマが署名した法案は、今後の宇宙開発特に「資源の採掘」において重要な出来事になるかもしれない。

     正式名称「2015年商業宇宙打ち上げ競争力法」、通称:宇宙法と呼ばれる法案がアメリカで成立した。これは水や鉱物などの天然資源を、アメリカ国籍を持つ個人もしくは企業が月や小惑星から採鉱した場合その資源を発見者に帰属し自由にできると定めたもの。

     アメリカ合衆国のみが先行して宇宙に散らばる資源を自由にルール化出来るのか?といった議論も存在するが、少なくともアメリカ国内では投資家が投じた宇宙開発・宇宙資源採掘に投じた資金に対してのリターンを法律として確立したと言える。

     先進国の中でも抜きん出た投資力を持つアメリカ国籍を持つ投資家・投資会社が資金を投下することで、これまでよりも速いペースで宇宙開拓に関する技術革新が進むかもしれない。 宇宙空間での商業採掘
  • 宇宙産業へのベンチャー企業参入

     現在、政府と大企業・研究機関の連携や、大企業とベンチャーが連携するような組み合わせは珍しいものでは無くなっている。
     しかし、宇宙関連事業は他分野と比べ大規模な資金や研究拠点が必要といった理由から、NASAやJAXAなど国の機関主導であることが多かった。

     2016年12月、チーム「HAKUTO」の運営母体である株式会社ispaceはJAXA(国立研究法人宇宙航空研究開発機構)と【月資源の採掘、輸送及び利用等に関する産業の創出・展開】に向けた覚書を締結した。
     まずは月資源の特定、採掘、貯蔵、輸送、販売及び宇宙空間における利用その他必要な事項を含む月資源を用いた産業の全体構想を進めるとしており、
     それらを実現するための国内外・官民の役割や枠組みについても検討を進めため、個別の提携トピックではなく今後の流れを見据えたものであることが伺える。

     宇宙産業は、ロケットの打ち上げコストの低減や宇宙船、着陸船、ロボットなどの技術革新により「宇宙資源の採掘」が急激にSF映画の世界だけではない、現実的な成長産業として注目されている。
     米国に比べ、民間企業の参入が遅れていたが日本においても航空技術やロボット、採掘・加工技術など、既存の技術が有効展開されることで、未来の資源問題を解決する日が来るかもしれない。
    宇宙産業へのベンチャー企業参入

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