監視技術・予測技術

地震の予測と災害回避

最終更新日:2017/07/04

推定市場規模
300億円

 2011年3月11日にマグニチュード9.0を記録した日本地震観測史上最大の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)が発生し、巨大津波と併せて死者・行方不明者約2万人および福島第一原子力発電所事故を招くという甚大な被害を引き起こした。
 日本だけでなく地球上にいる限りその突然の恐怖に危惧せざるを得ないが、近年急速に研究が進んでいる地震予測技術として、衛星測位を活用した最先端測量技術や地殻活動監視技術などが注目されている。
 帝国データバンク調べによれば国内のみで地震と気象を併せた予報関連市場が約300億円規模と言われており、年を追うごとに拡大傾向にある。
 これからは地震の「後追い」ではなく精度の高い「予測」によって被害の拡大を抑えるのみならず、二次災害を防ぎ安全を確保し一方的な災害から身を守り、いづれ地震のエネルギーを活用できる時代がくるかもしれない。

未来への変化の兆し

  • 衛星測位を活用した最先端測量技術

     従来は人工衛星の高分解能衛星画像データを活用した地震対策技術は、専門家が最新の衛星画像データを判読及び解析する手間がかかることからリアルタイム処理ができずにいた。
     また衛星からの大容量データを受信できる機関や効率的に情報を活用するシステムがなかったため、より実用化した技術を防災に反映しやすい仕組み作りが求められていた。

     日立造船株式会社やJAXAなどにより2013年から行われていた実験は、準天頂衛星初号機「みちびき」と技術試験衛星Ⅷ型「きく8号」を用いたGPS津波計からのデータ伝送であり、これが実用化されることで誰でも・いつでも・どこからでも地震や津波などの災害状況が分かりやすい情報として入手できるようになる。

     これまで被災地のネットワークが途切れた際に現地の状況が不明瞭で迅速な対応ができずにいたが、リアルタイムで高精度の情報が確認できるようになることで的確かつ効率的な支援と、事実情報を元にした防災活動が行えるようになるのである。 衛星測位を活用した最先端測量技術
  • 自然災害を予知

     技術向上により便利になった社会でも自然災害という大規模な不測の事態に人類は太刀打ちできずにいた。
    しかし大規模な演算性能を持つシステムにより、地震・津波・火山噴火などの自然災害に関するデータを解析することでシュミレーションが可能となってきた。

     2014年11月に防災科学技術研究所より発表された日立製作所のデータ処理高速化を図った総合理論演算性能は、旧システムの約21倍にあたる298.9TFLOPSで合計3.3ペタバイトのストレージ環境によって従来は難しかった将来発生する地震規模などを不確実性も含めて評価できるようになった。
    これにより地震・津波・火山噴火・地すべり・風水害・雪氷災害など様々な自然災害の大規模シミュレーションの研究・解析が可能となり危険を予知した避難経路の確保や防災対策が可能となる。

     自然災害は人類の天敵であるが技術向上により予測された天災では従来の大規模被害を回避した予防できる事故となり、我々の生活はより安全を持続しやすくなるだろう。 自然災害を予知
  • 災害データを統合し防災計画に活用

     いままで、災害や避難行動の予測解析は、地震や火災など個別に行われてきたが、実際には地震発生後の津波や火災発生など総合的に考える必要がある。

     2017年3月、竹中工務店は地震・火災・津波など複数の災害予測と避難行動の解析データを統合し、VR(バーチャルリアリティ)上で再現する「maXim(マキシム)」というシステムを開発した。
     収集された災害予測データをBIM(ビルディングインフォメーションモデリング)を活用し3次元モデル内に時間経過も含めて統合、起こりうる災害状況を可視化することで、設計する建物の防災計画や安全性の検証に活用するという。
     また、耐震工法や免振工法の比較など災害対策技術の効果も把握できるため、自治体のハザードマップや都市計画などに貢献することになる。

     これまで、地震対策や津波対策は震災以降とくに強い関心が寄せられつつも実際の技術の評価・効果については把握が難しかった。
     こうした仮想化技術と、それをBMIデータや交通など都市情報と連携させることで、効果的・効率的な未来の災害対策が可能になるかもしれない。 災害データを統合し防災計画に活用

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