生態系の創造

新たな生態系の創造

最終更新日:2015/01/06

推定市場規模
120兆円

 自然の生態系は、「生き物」と「大気・水・土壌・太陽エネルギー」の5つの要素から成り立つ。植物は土壌に根を張り、水と太陽エネルギーと二酸化炭素を利用して有機物や酸素を生産する。動物はその有機物を消費し、酸素を吸収して二酸化炭素を排出する。細菌は土壌に生息し、動植物の死骸を分解する。巡って動物が排出した二酸化炭素や、細菌の分解物は植物の栄養となる。
 ところが自然発生した生態系では地球が本来持つポテンシャルを十分に活用しきれているとは言いがたい。一例として遠洋・砂漠地帯・北極のような極地では、食物連鎖のうち一部が欠けたために生態系が維持できず、その地の利用が制限されてしまっている。
 しかし極地のような特殊環境下において欠けてしまう部分を補うことによって新たな生態系を生み出し、その地を活用することが可能になると期待されている。
 また、環境省が報告した自然環境保全に関する市場規模は国内のみに限定しても約8兆円と言われており、全世界で2020年には120兆円規模と急激な拡大が予想されている。

未来への変化の兆し

  • 海洋生態系を創りだす

     地球上の約7割を占める海には豊富な水産資源が存在するが、実は海のうち約90%は「遠洋」と呼ばれ、この遠洋における水産資源の生産量は全体の約0.8%にすぎない。
     これは遠洋には水深の深い場所が多く、日光が届かず植物プランクトンによる一次生産がほとんどなされず、その結果海洋生態系が生み出されない事が原因である。
     
     そこで社会から出される排出物を栄養塩として再利用し、遠洋のうち日光の届く場所で活用することで人為的に新たな海洋生態系を生み出し、その結果水産資源を新たに確保するという研究が進んでいる。
     この方法は海洋生態系の循環の過程で生産される水産資源を収穫するだけでなく、消費した後の排出物をさらに原料とし、再び栄養塩を生産し活用するというサイクルを確立する事も目的としている。

     一方遠洋において「日光が届かない場所」においても、人工海底を設けその水域に植物プランクトンを放流し栄養塩を与え新たに水産資源を生み出すという仕組みの研究も進んでいる。

     この技術が実用化することで従来は水産資源の確保が困難だった遠洋を活用すると同時に、生活排出物を栄養塩にリサイクルし続けることで、廃棄物や二酸化炭素の排出量を低減し水生生物が生息するのに適した環境を構築することも可能になると考えられている。 海洋生態系を創りだす
  • 生態系サービス

     環境破壊の進む現代、世界各地で環境保全と多様な生物と共生するための取り組みが注目されはじめた。
     生態系サービスとは、様々な生態系機能のうち人間社会が恩恵を受けているものをいい、農林漁業生産の供給・気候や洪水などの調整・地域の風土から生まれた文化的サービスなどである。

     コスタリカ共和国は多彩な生物相を生かしたエコツーリズム発祥の地として、20%にまで落ち込んでいた森林面積率を40%近くにまで回復させた。
     人口約480万人で国土面積5万㎢の3割を保護区域に指定している同国は、植林投資などをはじめとした積極的な保全施策を行っており土地所有者の保全行動に国から支払いがあるなど、農業生産と森林保全を両立するシステム作りを国の制度として取り組んでいる。
     また、マングローブ林では鳥類や両生類などが生息し観光客が訪れるものの生態系を研究し、管理体制を統一することで環境保全に努めているのである。

     環境破壊と生態系の崩れが改善されることで生物の絶滅や自然環境の研究促進が改善されるだけでなく、より自然が人間社会にとって有益で動植物にとっても育ちやすい共生環境が構築される。これからは、互いの必要性が強調される共生社会が地域レベルで期待されているのである。 生態系サービス

現在集まっている公募課題

  • 再生可能エネルギーの実用化・改良で環境負荷低下に貢献する

     IEAが2008年に発表した「World Energy Outlook」によると、2030年の二酸化炭素(CO2)排出量は406億トンと予測されている。これは2015年より約20%増に相当する。ちなみに、琵琶湖(日本最大の湖)の貯水量は280億トンのため、その1.5倍弱が排出されると考えると、相当…

    • スポンサー企業:公益財団法人 日立環境財団
    • 公開日:2014/12/08

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