海洋汚染対策

海洋汚染の拡散を防止

最終更新日:2017/07/04

推定市場規模
2兆円

 日本周辺海域での海洋汚染の発生確認件数は2008年で555件、これは海上保安庁によると前年比78件増であり依然として後を絶たない状況にある。
 海洋汚染を引き起こす汚染物質は陸上を起源とするものが多く、沿岸域から外洋域へと流出して公海領域にも拡散していくことが知られ、海上を航行する船舶などから排出・投棄される汚染物質も少なくない。
 被害規模の一例として、アラスカで原油約20万キロリットルを積載した米国エクソン海運会社所有の油タンカーが挫傷したことによる海洋汚染の被害総額は1394億円であった。
 海洋汚染の一因とみられている「バラスト水や沈殿物中の水生生物や菌類」を除去する設備の全世界の市場規模は2兆円を超えるとも言われている。
 これらの多発する汚染事故とその大規模被害のため、海洋汚染の問題は洋上のみならず陸上での人々の生活面からの総合的な対策も必要とされている。

未来への変化の兆し

  • 油流出の防止

     アラビア湾ではオイルタンカーなどの大型船舶の交通が多く、タンカー受け入れインフラが不足している。そのため違法な投棄によって油流出が深刻な海洋汚染につながり問題となっている。
     油流出を止めるためには厳しい法規則のみならず沿岸部のモニタリングや違反行為に対する厳しい罰則などが検討されている。

     こうした問題はアラビア湾だけはくインド洋・マラッカ海峡をはじめとするASEAN海域を主として石油連盟が結成され、油流出に対して国際的対策を開始している。
     その対策として油濁防除の資機材を備蓄する基地を各国各地に設置し、大規模石油流出災害の場合には資機材の貸し出しは無料にした上で支援と教育訓練を実施している。また調査研究事業に力を入れ海洋の自浄メカニズムの研究・タンカー安全運行支援情報システムの可能性研究なども実施し、今後もより国際協力の積極的推進を目指している。

     大規模な石油流出災害は広範囲で深刻な環境破壊となり災害が起こった国だけでなく国際的な被害を与えるため、国単位ではなく多国連携の対策と画期的解決が求められている。そうすることで環境保全が広範囲で大きく進展すると期待されている。 油流出の防止
  • 汚染事故を防止する

     海洋汚染の事故が多発するようになり汚染された海水を浄化するだけでなく、汚染事故の発生件数を減少・撲滅することが求められている。
     汚染物質とは船舶の運航に伴い機関室などの底に溜まる油・露・漏洩水が混じった油水混合物であり、原油から塩水が沈殿し腐食を起こし、その結果生じた穴やくぼみなどから油漏れを起こすなどの重大な事故が発生している。

     日本郵船は油濁防止対策「ダブルハル化」という仕組みにより油水混合物の発生量を従来の98%に削減した。これは船底・貨物油タンク・燃料タンクなどの壁面を二重構造にするだけでなく原油による腐食を防ぐ耐腐食鋼板を新日本製鐵株式会社と共同開発し実用化したことによる成果である。またこの仕組みは1996年には考案されていたものの技術的実現に動いたのは7年後の2006年であり、国際条約による義務化が行われたのは更に3年後の2009年、と長い月日を要している。

     海洋汚染における対策は事故防止や汚水浄化が長く研究され技術が向上しており、実現コストも取り入れやすい仕組みに構築されつつある。
     多様な海洋汚染防止の実用化は、生態系を壊さない海洋資源確保や物流を円滑にするだけでなく、妨げられていた海洋探索の研究が促進されることで陸上の人々の生活を豊かにする技術をも推し進めると考えられている。 汚染事故を防止する
  • レアメタル採掘による環境汚染

     地球上の資源やエネルギー問題を解決する鍵として期待されている白金や花崗岩などのレアメタル資源。
     しかし、膨大な採掘量が眠っているというニュースがあると共に、採掘プロセスにおいては環境汚染の問題が無視できない。

     中国南部では、一時期膨大な量のレアアース・レアメタルが採掘されていたが、イオン吸着型鉱床の溶解処理中に出てくるウランやトリウムなどの放射性物質や、フッ素化合物などの多くの化学物質を使用した精錬方法が、深刻な環境汚染を引き起こすことが判っており、こうした背景には採掘精錬業者が中小企業中心で汚染対策へのコストを十分に割けないなどの問題も内包している。

    レアメタル・レアアースの採掘や精錬時における環境汚染の少ない技術を確立することで、汚染問題だけでなく資源問題も解決する効果があるといえる  レアメタル採掘による環境汚染

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