エコ農薬・耐性菌対策

農薬による耐性菌の発生を回避

最終更新日:2015/01/06

推定市場規模
4兆円

 急激に蔓延して農作物に重大な損害を与えるため、いちごやきく等のアブラムシ類・いねのいもち病菌等には特別な防除対策が求められている。
 農薬による病害虫防除は防除技術の根幹ではあるが薬剤抵抗性の発生が問題視されており、果樹・野菜・花木等の重要害虫であるアブラムシ類は1980年代からワタアブラムシ・モモアカアブラムシに対し有機リン剤・カーバメート剤の防除効果が低下し薬剤抵抗性の問題が顕在化した。
 このため、害虫の農薬抵抗性の発達実態を検査した結果に基づき適正な農薬による適切な防除をすることが重視されており、アグロカネショウのレポートによる2012年の世界農薬市場規模は約472.6 億ドル(約4兆円)と試算され今後の需要も増加傾向にある。

未来への変化の兆し

  • 身体に良い農作物を安定的に収穫

     イネ苗床で発生する病害には馬鹿苗病やいもち病等がある。
    これらを防除するために、殺菌剤を用いた種子消毒あるいは土壌混和処理などが実用されているが、同系殺菌剤の連用に伴い耐性菌の出現が危惧されている。
    そこで化学農薬の代わりに、特殊な細菌を用いてイネ苗床の病害の発生を防除する方法が提案されている。これにより耐性菌の出現を回避しつつ、身体に良い農作物を経済的に生産できると見込まれている。

     この方法は新規微生物菌株を用いて植物病害防除をするという方法によって、イネの育苗の際に発生する糸状菌性病害などに対し、従来よりもはるかに防除効果があり人体への影響が少ない病害防除剤として研究が進んでおり、従来の方法よりも防除効果を飛躍的に高め、同時に化学農薬の懸念点であった人体への影響という点においても「微生物を供試する」という方法により大幅な効果が見込める。

     この微生物を素材とする手法の研究が進むことで、防除困難とされるイネ病害を育つ前の種子あるいは育苗の段階で防除する事が可能となり、安定した収穫を実現しながらも人体への影響低減だけでなく、環境保全や省資源などにも寄与すると期待されている。 身体に良い農作物を安定的に収穫
  • 既存農薬と併用できる革新的新薬

     近年の農業技術進歩により様々な作物を栽培・収穫できるようになった一方、農薬による人体への影響や数多ある農薬の併用の危険性に頭を悩ませてきた。故に使用難易度が低く人体及び作物・生態系に悪影響のない農薬の開発および実用化が強く望まれている。

     2014年農薬登録を取得した「インプレッションクリア」は、エス・ディー・エス バイオテックにより植物の根圏土壌から分離された成分(バチルス アミロリクエファシエンスAT-332株)を用いた水和剤であり、野菜類・豆類・いも類のうどんこ病・灰色かび病を適用として農薬実用化試験を続けられてきた。
     これは幅広い作物に防除効果を発揮し汚れが少ないため収穫期にも使用できるだけでなく、薬剤抵抗性発達の可能性が低く様々な薬剤・訪花昆虫・天敵等と併用可能な新薬である。
     また、高い防除効果と天然微生物を有効成分として利用されるため多くの化学農薬との混用が可能であることから環境保全型農業を担う中核資材として期待されている。

     新たな農業技術が開発されることで多種多様な作物をより安全に効率的に食糧とすることができるだけでなく、生態系を壊さない環境保全をも考慮した農産業が営まれるのである。 既存農薬と併用できる革新的新薬

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