生体情報センシング・リアルタイム通信

アスリートを守る最先端技術

最終更新日:2017/07/04

推定市場規模
約1500億ドル

 スポーツ選手にとって、競技力向上と、ケガの予防のために、トレーニングが必要不可欠である。トレーニングは、基礎体力作りと、高度な技術や戦術の習得をバランスよく行うことがポイントとなる。そのため、一人一人に最適なコーチングが必要となるが、広く行き渡らないのが現実である
 これに対して、近年、センシング技術や、リアルタイム通信・情報処理技術等が発達しており、これらを用いてスポーツ選手の行動を分析することにより、効果的で新しいスポーツが実現されうる。
 PwCの「PwC Outlook for the global sports market」によれば、スポーツ関連用品における世界の市場規模は既に約1500億ドルを超えており、今後も様々な先進技術がスポーツの分野に進出すると見込まれている。

未来への変化の兆し

  • 分析によるトレーニング効果

     2014年1月、ソニーはテニスラケットに取り付けたセンサーによってスマートフォンでプレーをリアルタイム表示できるSmart Tennis Sensor (スマートテニスセンサー)という製品を発売した。
     ラケットに装着する事でスウィング種別やボール速度等のプレーレポートが自動的に作られ、後から自分のプレーを客観的に振り返って分析することができる。

     adidasから2014年8月に登場した『miCoach FIT SMART』というウェアラブル製品は、心拍ゾーンを視認できるリストバンド型心拍モニターであり光学式心拍センサーと加速度センサーをわずか45グラムの大きさに搭載している。
     これは従来のような心拍数に異常をきたした際にアラートを発するだけの製品ではなく、表示される数値を確認するだけで有酸素運動領域にあるかどうかをリアルタイムに確認できる。
     そしてスマートフォンアプリに同期することでトレーニングの進捗や運動データを分析でき、パーソナルトレーナー機能で目標やスポーツの種類にあわせて基礎体力向上から追込みや休息などをマネジメントしてくれる。
     こうしたウェアラブル製品を利用し分析・サポートすることで高度なトレーニング専門知識が不要になるだけでなく、身体に負担となる過度なトレーニングを防ぎ効果的に能力の向上や体力維持に励むことが出来る。

     このようにトレーニング効果を手軽かつ正確に分析できるようになる研究と実用化が、プロスポーツ選手のみならず障害者スポーツなどの発展につながり、今後の長寿社会において健康のためにスポーツへ取り組むあらゆる人々にとって充実した生活を送る助けになると期待されている。 分析によるトレーニング効果
  • 過剰トレーニングによるケガの予防

     スポーツにおいて、限界まで体に負荷をかけるトレーニングによるケガやその後の後遺症などは自覚症状なく突然起こるものも多く、こうしたケガや病気の発症・再発を防ぐための研究が進んでいる。

     なかでも体の状態を精密に診断できるセンサー技術の発達はトレーニング効果自体をより効果的にするだけでなく、自覚症状だけではケアし難い筋肉疲労度や心拍数などの状況を正確にセンシングすることを可能にし実用化に向けて活発な取り組みが行われている。

     アメリカのクラウドファンディングサービス、インディゴーゴーで2014年の夏に登場した製品化プロジェクト「LEO」は、スポーツ時のバイオシグナルをモニタリングすることで筋肉の活動量・疲労度や心拍数・乳酸値・水分補給率・カロリーなどを計測し、取り組んでいるスポーツ競技によってアドバイス内容をカスタマイズしてくれるという。

     スポーツ用ウェアラブルでは機能性だけでなく装着感や快適性が重要であり、運動の妨げにならず多くの情報を取得することが求められてきた。
     今後も違和感なく装着可能で軽量化されたデバイスが実用化され、複合的な判断によって必要以上の負荷を体にかけないウェアラブル技術の発展が期待されている。 過剰トレーニングによるケガの予防
  • アメフト競技に導入されるベンチャーの技術

     肉体の極限状態で競技を行うアスリートは常に大けがや命の危険に晒されている、代表的な競技の1つに「アメリカンフットボール」がある。

     激しくぶつかり合うことで試合中や現役中に亡くなる選手も後を絶たず、脳震盪によって引退後に後遺症が残るケースも問題化している。また未だ確証を得るほどではないが「脳に与える影響から、選手が事件を起こしたり自殺率が高いのでは」といった因果関係も取りざたされている。

     アメリカのプロリーグ最高峰NFLは、率先してこうした問題の解決に取り組もうとしている。
     2016年に第1回が開催されたイベント「1st and future」は、NFLがスタンフォード大学やテキサス医療センターと提携して開催するスポーツ関連技術のコンテスト。「選手を守る素材技術」や「ケガの少ないトレーニング技術や装置」などの分野にわかれ、技術系ベンチャー企業に優勝賞金5万ドルの支援やベンチャー企業育成プログラムへの参加権を提供している。

     また、同じくNFLの公式スポンサーであるマイクロソフト社も新技術アイデアを募集するイマジンボウルというイベントを開催している。

     スポーツリーグと技術系ベンチャー業界、元々交流の少ない業界だが、スポンサーをはじめとした世界的企業がこうした問題に率先して取り組むことで、アスリートを悲惨な事故から守る技術が発展し、あらゆる競技に活用の可能性が拡がると期待されている。 アメフト競技に導入されるベンチャーの技術

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