無痛治療・ナノテクノロジー・非侵襲

治療・手術時の身体的負担がない社会を実現する

最終更新日:2018/06/11

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治療や手術時の身体的負担をなくすと、患者本人や周囲の家族の生活を変え、国の財政面にもメリットをもたらします。

病気を治す技術は日々進化していますが、重病を治療するためには痛みや副作用といった身体的負担をともなう場合が多く存在します。
こうした負担を取り除くことができると、身体的負担の軽減はもちろん、治療が短期化し、医療費の削減にもつながります。
そこで現在、治療や検査時の非侵襲・低侵襲さに強みを持つ技術や、血管内を泳ぐ極小ロボットなどの開発が進められ、治療・手術時の身体的負担がない社会の実現がはじまっています。

治療・手術時の身体的負担がない社会を実現する

未来への変化の兆し

  • 3Dプリンターが心臓の治療に貢献

    株式会社JMCは、大阪大学との心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID(ハートロイド)」の開発をしています。

    従来の心臓手術では、開胸するまで詳細が分かりにくかった点もありますが、このシミュレーターでは患者自身のデータを元に患部を3Dプリンターで再現し、手術前にチームで段取りを決めることが出来ます。開胸後の時間が長引くと出血量が増し患者の負担につながりますが、ハートロイドの導入によって開胸後の処置をスムーズに進めることが可能です。実際にドクターからは、「手術時間が約3分の1に短縮できる」といった反響があります。

    このような技術が手術時間の短縮をもたらし、患者・医師ともに身体的負担が軽減され、より正しい治療にも繋がると期待されています。 3Dプリンターが心臓の治療に貢献
  • 新しい麻酔薬の開発

    Expanestheticsは新しい麻酔薬・鎮痛薬を開発している企業です。
    同社はスクリーニングを用いて、新しい吸入麻酔薬の発見・開発を行っています。

    これまで、吸入麻酔薬は分子メカニズムについて不明な点が多く、効率的なスクリーニングが不可能でした。しかし、同社は分子メカニズムに関する新しい発見に基づいて、新しい麻酔候補を特定するためのロードマップと効率的なスクリーニングプロセスを開発し、新しい麻酔性と鎮痛性のある分子を発見しました。
    2017年9月に約300万ドル調達し、現在は臨床試験に向けてこの分子を使った麻酔薬の開発を進めています。 新しい麻酔薬の開発
  • 手術時の負担を軽減する

    近年では、切開や穿刺を極力少なくする低侵襲型の手術も増加傾向にあるが、その際のモニタリングにおいては血管カテーテルの挿入などが行えず、血液循環状況の正確な把握などが難しかった。
    しかし、非侵襲且つ従来よりも正確な状況把握が可能な技術の研究が進むことでこうした問題を解決できるかもしれない。

    エドワーズライフサイエンス社が2015年秋に発売した製品では、センサー付きのカフを指に巻くだけで心拍出量などの測定が可能であり、従来の血管カテーテルの挿入による測定と比べて遜色のない性能があるという。

    心拍出量は、手術中の患者の「循環管理」における指標の1つに過ぎないが、今後こうした非侵襲型の循環管理技術が充実することで、従来よりもより正確に、そして身体への負担が少ない医療が可能になるかもしれない。 手術時の負担を軽減する
  • 日々のインスリン注射の苦痛を和らげる「無痛針」

    糖尿病患者にとって、心身共に大きな負担となるのが「インスリン注射」です。
    日常的に行う必要があり、特に小さな子どもやその家族にとっては大きな負担となることがあります。

    この領域に挑戦するベンチャー、シンクランド社の開発した「ヒアルロン酸で出来た無痛針」は、インスリン注射を大きく変える可能性があります。
    光渦レーザーという特殊なレーザーを用いて、外径100ミクロンという小さな針をつくり、しかもその針は体内で溶けてなくなります。使用後の処理も簡単にできるようになるため、多くの企業から注目を浴びています。
    現在は開発が進められており、2021年に患者への提供を実現することを目指しています。

    ヒアルロン酸の無痛針が実用化されれば、世界中の糖尿病患者にとって大きな変化となる可能性を秘めています。

    (参考記事)
    世界中の糖尿病患者を、ヒアルロン酸の「無痛針」が救う ――シンクランド株式会社
    http://astavision.com/contents/interview/4192 日々のインスリン注射の苦痛を和らげる「無痛針」
  • 手術時の外科医をサポートするロボット「Versius」

    CMR Surgicalは、外科手術医をサポートするロボット開発・販売を行うアメリカのベンチャー企業です。

    彼らが開発する医療ロボット「Versiusは、手術時に外科医の手首に装着し、主に腹腔鏡手術において難しいプロセスをサポートします。
    そしてVersiusのサポートを受けた状態での手術スキルを習得するために、仮想空間でトレーニングするプログラムも提供しています。

    難しい腹腔鏡手術は、外科医にかかる身体的・精神的負担も非常に重く、手術を行う人材の育成も大きな課題となっていました。

    彼らのロボットはまだ一般の医療機関には提供開始前であるものの、2018年6月には総額100億円以上の資金調達を行い、今後急速にVersiusシステムの開発を商用化に向かうと見込まれています。 手術時の外科医をサポートするロボット「Versius」

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