無人型・危険物の処理

平和や安全のための軍事技術

最終更新日:2017/07/04

推定市場規模
1兆7000億ドル

 古来より人類は科学技術を開発し、それが軍事的に利用されてきたが、国家安全保障においても国家は科学技術の研究開発を維持しなければならないと考えられている。
従来は、紛争やテロなどの脅威に対して、新しい兵器の開発など、かつて技術革新はそれらを推し進める側面を持っていた。
しかし、未来の軍事技術は、平和や安全のために存在する無限の可能性を秘めていると期待されており、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の最新発表では、全世界軍事費は1兆7000億ドルにものぼるとのことである。

未来への変化の兆し

  • 無人兵器による防衛

     紛争やテロにおける警備・防衛はそうした任務に着く兵士たちの人命だけでなくその後の人生において長年PTSDの問題に悩まされるなどの問題を抱えている。
     無論、戦争や紛争・テロ自体が完全に撲滅されることが究極の問題解決ではあるが、歴史的背景などからテロや紛争が起こりやすい地域において、無人兵器や高精密レーダーの研究を糸口にこうした軍事任務による人命の犠牲を撲滅し、同時に紛争の巻き添えになる民間人を減らすという試みが進んでいる。

     中国工程物理研究院より2014年に低空の無人機追撃用レーザー兵器が開発され、これは射程距離2kmで捕捉後5秒以内に追撃可能であるとの発表があった。
     このレーザー兵器は高度500m上空を時速180kmで飛行する物体を追撃でき、最近の実証実験では30機以上の追撃に成功しその追撃率は100%であったという。
     こうした小型無人機は紛争地域におけるミサイルなどを未然に追撃するなど、地域の安全確保において大きな役割を果たすとされ、安価で扱いやすい故に逆にテロなどによる悪用の可能性について対策が必要と問題視されている程である。

     無人機によって人命が危険に晒されることなく安全な生活を送るための開発や実用化が期待されているものの、悪用や故障によって逆に被害を拡大させてしまう危険性と隣り合わせになっているため「防衛」という観点においては更なる研究が必要となっている。 無人兵器による防衛
  • 遠隔操作と危険物の処理

     戦争や紛争によって生じてしまった不発弾・地雷の処理、テロリスト対策としての爆発物処理などはその作業に当たる兵士や周辺に住む民間人の命が危険にされらされており、未だ世界中にこうした地域が点在しているという問題がある。

     こうした問題の解決手段として、ロボットによる遠隔操作の研究が進みその一例としてiRobot社のUrbieを元に開発されたPackBotは、爆弾処理に長けており紛争地域で約3500台が既に導入されており、このPickBot導入実績により民間人の犠牲者や爆弾処理時に人命が危険に晒される機会を減少させたとの功績で米軍から感謝状が贈られた。
     PackBotは時速9キロで移動する可動式キャタビラによって瓦礫や階段などの障害物も乗り越え、耐久性においては約2メートルの高さから落下した場合にも耐えられる設計になっている。

     日本では火災発生時に消防士が近づき難い災害現場に対応するレスキューロボットが消防庁により開発されている。カメラや熱センサーを備え火災状況を把握するだけでなく的確な位置へと自動運転によって移動し消火・放水活動を行うなど、災害時に活躍する可能性を秘めた多くのロボットが実用化されつつある。

     遠隔操作が可能なセンサー機能の充実したロボットは、被爆者を出さないだけでなく処理にあたる人の危険という問題を安全に解決する重要な鍵を握っている。 遠隔操作と危険物の処理
  • サイボーグ兵士の研究を脳機能障害に役立てる

     米国防総省の研究機関である国防高等研究計画局(以下、DARPA)は、人間の脳細胞とコンピューターを接続する研究に取り組んでいる。
     
     これまでも脳と機会を接続する研究は進んでいたが、新たに設置された「脳科学技術システムデザイン(NESD)」の研究プログラムでは、一度に接続できる脳細胞の数を従来の数万個単位から数百万個単位へと飛躍的に増加させることを目指している。
     最終的には、1立方センチメートルよりも小さい脳に埋め込める大きさのチップを製造することを目標としているが、実現には脳科学、生物工学、省電力技術、医療機器などの各分野で画期的なイノベーションが必要だ。

     これまでもDARPAが軍事用に開発され、その後民間転用された技術には、インターネットやGPS、音声通訳システムなど今日現在社会に大きなインパクトを与えており、NESDの研究プログラムは米国が推進する脳機能障害を治療する研究の一環でもある。

    サイボーグ兵士の研究を脳機能障害に役立てる
  • 有毒ガスを検出する小型センサー

     災害現場や被災地では、有毒物質の対策のために重装備が必要になることがある。
     機敏に動き迅速な対処が必要な現場でこうした装備は作業員の重荷となり、装備にかかるコストも問題となる。

     2016年、アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)は、あるエリアの有毒ガス濃度の上昇を検知しモバイルやウェアラブルなどの端末に情報を送るセンサーを公表した。
     10ppmの濃度でも検出でき、有毒ガスが検知されるとセンサー内カーボンナノチューブが絶縁材から解除されNFC(近距離無線装置)アラームが起動される仕掛けとなっている。

     今後はRFIDバッジへの搭載も見込んでおり、軍事目的だけでなく被災地や化学薬品を扱う現場でのガス漏れや塩化チオニルバッテリーの液漏れ検知にも利用可能となる予定だ。 有毒ガスを検出する小型センサー

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