淡水化・水処理・衛生状態の改善

排水によって汚染された水の浄化

最終更新日:2015/03/17

推定市場規模
約90兆円

 生活排水、下水など、排出される汚水の問題は都市化が進む先進国に限らず、下痢が原因で死亡する幼児が多い途上国や災害時の飲料水・生活用水確保などあらゆる人にとって切り離す事が出来ない。
従来よりも安価な水質浄化剤の実用化、大規模なエネルギーを必要としない排水浄化装置の開発などが促進されることで、汚水排出問題の解消に繋がると共に、淡水資源の確保が難しい地域における飲料水や生活用水の確保にも活用することができる。
 また、この水ビジネス市場規模は経済産業省の試算によると、世界規模で2007年に36兆円だったものが、2025年には約2.5倍となる約90兆円にもなるといわれている。

未来への変化の兆し

  • 途上国における環境改善

     汚水浄化における大きな課題の1つにコスト面の問題がある。
     大規模な水質浄化プラントは先進国においての実用化は可能だが、途上国での導入においては膨大なコストが障壁となり実用化が進まないケースが多い。
     こうした問題の解決策として、近年納豆菌から開発した安価な水質浄化剤などが途上国で実用化されつつある。

     アオコで濁った水が入ったビーカーに1匙の粉を入れてかき混ぜると汚れが沈殿し、残ったうわ水は飲料水として飲めるほどにきれいになる。この粉が納豆菌を主材料とした水質浄化剤である。
     これは1グラムで10リットルもの水を浄化でき、水中の汚れや重金属類などの毒物を短時間で凝集させ水より比重の重い毒性物質はすぐに沈殿する。
     また、納豆菌を加工して作られたエコバイオブロックという水質浄化製品は池や水槽に置くだけで濁り・匂いなどの水質改善が可能とされ、既にインドでは大規模な水質浄化性能実験が行われ全長約3kmの水路に8000個のエコバイオブロックを設置することにより、水質汚染低減効果が実証された。

     この納豆菌水質浄化剤は100グラム約150円程度でバングラディシュやミャンマーで既に販売されており、その安価な導入のしやすさにより広まりつつある。
     これにより汚れた河川の水を飲料水や料理に使うしかなく下痢が原因で死亡する乳幼児がいたバングラディッシュに安全な水が確保できつつあり、今後も普及することが期待されている。 途上国における環境改善
  • 飲料水への転換

     汚水浄化による効果は排水・上下水の衛生問題だけに留まらない。
     地球上の淡水資源は地域によって確保の難易度が異なるため、汚水浄化の技術が災害時に水インフラがマヒした際の飲料水確保にも繋がる可能性を秘めている。

     2014年NEDOと海外水循環ソリューション技術研究組合が、国内最大規模の省エネルギー型造水プラントとして北九州にデモプラントを設置し従来の海水淡水化システムに比べ30%以上の省エネルギー・低コスト化を達成した。
     これは海水淡水化プロセスと下水再利用プロセスを組み合わせた新たな浄化システムであり、それぞれの高濃度成分を中和した上でまとめて浄化を行うことで環境負荷を低減するシステムである。 既に生産された水は2年近く工業用水として使用した実績があり、水資源が不足している地域に最適な小分けパッケージとして応用・活用されることが期待されている。

     また海水・汚水浄化技術はただ生活用水・工業用水として利用するに留まらず、そのまま飲料水に転換する事で環境に調和した水資源の確保にも繋がるとされ、水不足に苦しむ途上国での活用が望まれている。 飲料水への転換
  • 光触媒による水浄化技術

     雑菌や有害物質が混入してしまった水は、飲料水やその他生活用水としての活用が難しくなる。
     しかし近年、こうした水をあらゆる方法で浄化する技術についての動きが活発である。

     2014年12月、パナソニック社は水中の有害物質を浄化する新たな技術「光触媒水浄化技術」を開発したと発表した。
     この技術は水中のヒ素・六価クロム・雑菌等の有害物質を、光触媒と紫外線によって高速で処理し人が飲める安全な水へ浄化する技術である。

     使用する光触媒の粒子には、ゼオライトの表面に二酸化チタンを結合させた新しい粒子を使用しているのが特徴であり、光触媒は光を駆動力とし薬品等を使用しない。
     このことから、低コストで環境汚染の心配をせずに安全な飲料水を作り出すことが可能となった。

     同発表によれば「光触媒水浄化技術」の開発背景にはインド等の新興国で安全な水が不足しているという事情があり、今後は開発した「光触媒水浄化技術」を使用した浄水装置を搭載したトラックを水を必要とする地域に回したり、現地業者へ水処理技術の提供等を検討していく方針だ。
     こうした技術が広く実用化されることで、安全な飲料水を作り出すために環境を汚染してしまうという矛盾を打破できるかもしれない。 光触媒による水浄化技術

現在集まっている公募課題

  • 再生可能エネルギーの実用化・改良で環境負荷低下に貢献する

     IEAが2008年に発表した「World Energy Outlook」によると、2030年の二酸化炭素(CO2)排出量は406億トンと予測されている。これは2015年より約20%増に相当する。ちなみに、琵琶湖(日本最大の湖)の貯水量は280億トンのため、その1.5倍弱が排出されると考えると、相当…

    • スポンサー企業:公益財団法人 日立環境財団
    • 公開日:2014/12/08

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