飲料水・水処理・オアシス

持続可能な淡水確保技術

最終更新日:2016/09/12

推定市場規模
87兆円

 水は生きるために必要不可欠な資源である。しかし、地球上のわずか2.5%のみが人間生活に利用可能とされている水の量なのだ。
今日のような人口増加社会において淡水を確保することはますます重要である。既存の淡水化技術は大量のエネルギーを消費するため、持続可能な淡水化手法の効率化を図ることが必要とされている。この技術は、毎日何千もの渇きに苦しんでいる途上国の子供たちの命を救い、農業に活用することで食糧危機を救うだろう。
そして、この水ビジネス市場規模は経済産業省の試算によると、世界規模で2007年に36兆円だったものが、2025年には約2.5倍となる87兆円にもなるといわれている。

未来への変化の兆し

  • より少ないコストで、より多くの飲料水の確保

     地球上に大量に存在する海水の淡水化技術の研究は、未だ達成してない海水資源の更なる有効活用を通じ、今後の人口増加社会の維持を助けるものとして注目されている。

     この海水淡水化技術の研究は1960年代から徐々に実用化に向け発展してきており、水を通しイオンや塩類など水以外の不純物を通過させない性質を持つ「RO膜」など、逆浸透に必要な技術分野においては世界的に見ても日本企業の取り組みが活発であり、日東工業の製品では脱塩率99.75%・ろ過膜の穴の大きさ100万分の1mm以下という抜きんでた数値をマークしている。
     また福岡県に設置された海水淡水化施設では1日当たり25万人分の生活用水に相当する水が供給できるようになったという報告もある。

     一方、アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)が2016年に発表した手法は逆浸透法を用いず、まったく別のアプローチで研究を進めている。
     小さなガラス粒子を焼き固めて作った多孔質の素材を通し、塩分を含む水が流れるようにする。この素材にわずかな電流を発生させると素材の表面に衝撃波が発生し、淡水と塩水の2つの流れに完全に分離する、という手法だ。
     この手法では、構造が単純で安価な素材を使うため規模の大きな設備が作りやすいといわれている。

     海水や汚水の淡水化技術は世界中で研究・実証が行われており、特に淡水の確保が容易でない国や地域にとっては人命に関わるレベルでの問題である。
     新しい海水淡水化技術がより高い効率と少ないコストでの実用化が実現できれば、こういった地域を含めた世界中での活用が実現できると期待されている。 より少ないコストで、より多くの飲料水の確保
  • 農業用水を海水から確保

     世界的な人口増加とそれに伴う食糧需要の急激な上昇によって、農業の効率化や農作物生産のため利用可能な水源の確保が今後重要となる。
     地球上で人類が使用できる水のうち、97.5%は塩分を含んだ海水であり残り僅か2.5%が淡水である。これは今後海水の淡水化技術が確立されることでまだまだ多くの水をわたしたちの生活に活用できる可能性がある事を意味する。

     日立製作所は2010年からモルディブの上下水道事業全般の合理化に取り組んでおり、設置された海水淡水化装置によってモルディブの水資源確保と水のインフラ改善、徹底した水質管理によって安全な水を生活用水として供給しており、農業用水など幅広い領域で現地の生活を潤している。
     さらに現在ではこれらの水が生活用水・農業用水に留まらず、飲料水としてペットボトルに詰めたものが出荷され商品化されるにまで至っている。

     膨大な量が存在する海水の淡水化は、持続可能な生活用水や食物生産活動に役立つため近年この研究に期待が高まっている。 農業用水を海水から確保

現在集まっている公募課題

  • 再生可能エネルギーの実用化・改良で環境負荷低下に貢献する

     IEAが2008年に発表した「World Energy Outlook」によると、2030年の二酸化炭素(CO2)排出量は406億トンと予測されている。これは2015年より約20%増に相当する。ちなみに、琵琶湖(日本最大の湖)の貯水量は280億トンのため、その1.5倍弱が排出されると考えると、相当…

    • スポンサー企業:公益財団法人 日立環境財団
    • 公開日:2014/12/08

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