人工臓器・インプラント

人体機能を代替する技術の実現

最終更新日:2017/07/04

推定市場規模
約1.8兆円

 歯のインプラントや義足、心臓ペースメーカーなど技術の発達により人体機能を代替する手段は着実に私たちの生活に活用されはじめている。しかし、これらの技術は膨大な費用が必要なため、先進国以外での普及が進んでおらず、人体における拒否反応の問題、定期的なメンテナンスの問題など、まだまだ人体と全く同じ状態を代替するまでには至っていない。
 この分野における技術の研究がさらに進むことで、より安価で世界中のだれもが手にすることができ導入後も本来の器官や体の部位と差が無く、自然で安全な人体代替技術の実現が期待されている。
 人工臓器に関する世界市場規模は、marketsandmarkets.comに掲載されたTrends and Global Forecastsによれば既に約178億ドル(約1.8兆円)とも言われている。

未来への変化の兆し

  • 心臓人工弁の診断

     心臓弁に障害が起こり心臓人工弁置換手術を受けるケースは、全国で年間1万例を超える。
     しかし心臓人工弁は、長期間の使用に伴い血液凝固や生体組織の浸潤等により機能不全を起こし得ることが知られている。そのため年間約2500人が、人工弁を再度交換する手術を受けている。

     2014年10月国内初「脱細胞化」技術による心臓人工弁移植を大阪大病院が成功させた。
     この技術はドナー提供の肺動脈弁から細胞を取り除いて移植するというものであり、従来の人工弁による血液凝固を防ぐ薬は服用不要で患者の負担を大幅に軽減し、移植後の人工弁機能不全の不安は解消される。これまで不具合を抱え複数回の手術を許容してきた患者は、たった一度のこの手術で日常生活を取り戻せるようになった。

     しかし臓器代替における課題において技術革新の盛んな近年でも、人工弁機能不全は日常診療の場において簡便に検査する方法が存在せず早期発見が難しい。そのため産業技術総合研究所によって早期かつ簡便に機能不全を診断できる装置などが提案され、様々な課題解決の取り組みが進んでいる。 心臓人工弁の診断
  • 人工臓器

     古くから人工透析装置やペースメーカー等、体内に装着する事で補助する機器は存在している。しかし定期的な充電や部品交換などのメンテナンスが必要であり、あくまで補助機器の域を出なかった。
     現在研究が進んでいる人工臓器は、脳神経との接続により思い通りに動くよう器官や神経に刺激を与え視力や聴力を回復させるなどの取り組みが行われている。

     2014年フランスの医療器具メーカーであるカルマット社が作った人工心臓は実際の心臓移植手術に使用され、手術自体も成功したという。
     従来の人工心臓は薬の投与を毎日続けなければならないなど患者側の負担は拭いきれなかった、しかし同社の人工心臓は血液凝固を防ぐため生物由来の素材を使用し術後の薬の投与をせずとも日常生活を送れる可能性が高いという実験結果が出ている。
     現在の技術は5年ごとに人工心臓自体を交換する必要があるため低コストとは言い難いが、今後は量産化によって単価を下げると見込まれており手術を受けやすくする計画である。

     人工臓器は臓器提供者が現れるまでの待機時間やドナー不足の問題を解消すると期待されながらもメンテナンスのコストや高価であるという懸念材料を多く含んでいた。
     今後はより早くより安価・安全に導入でき日々のメンテナンスコストも少ない人工臓器の実用化と普及が期待されている。 人工臓器
  • 人体と装置を融合する「ジェル技術」

     「電子装置は硬くて乾燥しているが、人体は柔らかく湿っている。であれば電子装置を柔らかく、伸縮性に富むものにして人体環境に合わせることが望ましい。」
     非常にシンプルで明確な理論であり、それがいま実現されようとしている。

     マサチューセッツ工科大学が2015年12月に発表した「スマート・ワウンド・ドレッシング」(スマートな傷バンド)がそれだ。
     成分のほとんどが水で出来たゴム状のジェルは、金・チタニウム・アルミニウム・シリコン・セラミックの表面にしっかり接着するようにデザインされている。

     開発チームのシュアンへ・ジャオ氏によれば、ジェルに包まれた電子装置は皮膚の表面だけではなく、体内でも使用できる可能性があると説明している。例えば埋め込まれた生体適合性のあるグルコースセンサーや柔らかい神経針が実現できるという。

     人体をセンシングし、医療に活かすには皮膚の表面だけでなく「内側」への設置が欠かせない。こうした技術の進歩が未来の医療の常識を変えるかもしれない 人体と装置を融合する「ジェル技術」

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