石油・石炭・新素材・宇宙資源

化石燃料の枯渇を解決する

最終更新日:2018/01/23

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 国際エネルギー機関(IEA)によれば、2040年の世界のエネルギー消費量は、2014年と比べておよそ1.3倍に増加するとみられ、経済を支える化石燃料の需要も同時に増加していく見込みだ。
 一方で、石炭とウランはあと100年、石油と天然ガスはあと50年ほどで枯渇すると予測されている。
 先進諸国では脱化石燃料化の移行が進んでいるものの、後進国を中心に増加しつつある人口を支えるためには、新たな燃料の確保が欠かせない。
 現在、再生可能エネルギーの活用などと並行し、宇宙資源活用の活用も進められており、まずは宇宙空間開発の第一歩としてスペースデブリの除去や宇宙ステーションの建築など、目覚ましい技術発展が国をまたいで進められつつある。

化石燃料の枯渇を解決する

未来への変化の兆し

  • 超小型宇宙ロボット技術、宇宙資源を得る

     株式会社ispaceは、月で走行するローバーなどの開発を進めています。近い未来、月面に軟着陸して月面探査ローバーで月面探査を行うことを目指しています。

     月には様々な資源があり、その中の一つ「ヘリウム3」は核融合発電でエネルギーを生み出せるのではないかと期待を寄せられています。
     ヘリウム3による核融合は、放射性廃棄物や二次的に出る放射線の量が僅かです。またエネルギー効率が高く、月の砂に吸着されているヘリウム3をすべて使えば世界で必要な電力の数千年分に相当するエネルギーになると見られています。

     こうした技術は地球上での生活のエネルギー補給に留まらず、月やその他の惑星の探索をさらに進め、多くのエネルギーを得るきっかけになると期待されています。 超小型宇宙ロボット技術、宇宙資源を得る
  • 紙・プラスチックの代替 日本発の新素材

     世界の資源は枯渇に近づいていますが、その影響の一つに、身近な加工品が使えなくなる点が挙げられます。
     例えば水と木の枯渇は紙をなくし、石油の枯渇はプラスチックの消滅に繋がります。日本のように多くの資源を海外に依存している国では、資源が枯渇し輸入できなくなった場合には代替する資源も手に入れることが出来ません。

     株式会社TBMは、新しい素材の開発によってこの問題に取り組んでいます。
     TBMの開発した新素材「LIMEX」は、石灰石を原料に作られ、紙やプラスチックの新たな原料として使われています。紙は石灰石と木材パルプから、プラスチックは石油の代わりに石灰石から作ることができます。

     石灰石は世界中にも日本にも豊富な埋蔵量があり、当面の間は枯渇の心配がなく、日本での自給も十分可能です。
     このような新素材が広く使われるようになれば、資源枯渇を遅らせるだけでなく、資源の少ない日本のような国のエネルギー自給率の安定にもつながると期待されています。 紙・プラスチックの代替 日本発の新素材
  • 大腸菌を活用したレアメタルの回収

     日本は、レアメタルの大半を輸入に依存しているがその一方で日本近海には豊富なレアメタルが眠っているといわれている。問題は、その採取方法の確立だ。

     資源採掘と一見かかわりが薄そうな生命科学の研究で、このレアメタル採掘の未来に重要な研究結果が出た。
     法政大学の山本教授は、ゲノム分野を専門とした大腸菌の研究に取り組んでいる。
     この大腸菌の4500個ある遺伝子のうち、モリブデンなどレアメタルに反応する遺伝子を活性化させると、特定の金属だけを回収・蓄積できるのではという仮説の元、実証実験を行い大腸菌を用いたレアメタル回収・蓄積の仕組みを発見した。

     この仕組みを応用すれば、日本が輸入に頼っているレアメタルが国内でも海水から採取可能となったり、工業廃液に含まれるリンや亜鉛などの環境汚染の要因とされる金属を回収し、地球環境の改善に役立てたりするなど、さまざまな分野への発展も期待できる。

     現在は、今回実験対象となったモリブデン以外の金属でも同じことができないか?を企業と共同研究を行っている段階だ。
     今後、こうした「金属の応答性」に着目した研究が、世界の資源問題を解決する糸口になるかもしれない。 大腸菌を活用したレアメタルの回収
  • 宇宙産業へのベンチャー企業参入

     現在、政府と大企業・研究機関の連携や、大企業とベンチャーが連携するような組み合わせは珍しいものでは無くなっている。
     しかし、宇宙関連事業は他分野と比べ大規模な資金や研究拠点が必要といった理由から、NASAやJAXAなど国の機関主導であることが多かった。

     2016年12月、チーム「HAKUTO」の運営母体である株式会社ispaceはJAXA(国立研究法人宇宙航空研究開発機構)と【月資源の採掘、輸送及び利用等に関する産業の創出・展開】に向けた覚書を締結した。
     まずは月資源の特定、採掘、貯蔵、輸送、販売及び宇宙空間における利用その他必要な事項を含む月資源を用いた産業の全体構想を進めるとしており、
     それらを実現するための国内外・官民の役割や枠組みについても検討を進めため、個別の提携トピックではなく今後の流れを見据えたものであることが伺える。

     宇宙産業は、ロケットの打ち上げコストの低減や宇宙船、着陸船、ロボットなどの技術革新により「宇宙資源の採掘」が急激にSF映画の世界だけではない、現実的な成長産業として注目されている。
     米国に比べ、民間企業の参入が遅れていたが日本においても航空技術やロボット、採掘・加工技術など、既存の技術が有効展開されることで、未来の資源問題を解決する日が来るかもしれない。
    宇宙産業へのベンチャー企業参入

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