図面 (/)

カテゴリー:日本 - 生活必需品 ( 世界での技術分布を見る )

世界でのこの技術分類の技術分布

技術 リポソーム

出願人 発明者
出願日 2008年5月13日 (6年7ヶ月経過) 出願番号 2009-514167
公開日 2010年8月5日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 WO2008-140081
登録日 2014年5月9日 (7ヶ月経過) 登録番号 5532921
特許期限 2028年5月13日 (残13年4ヶ月) 状態 特許維持
技術分野
関連キーワード

図面

図面はありません

以下の情報は公開日時点(2014年5月9日)のものです。

課題・解決手段

本発明は、リポソームであって、1種または2種以上の機能性脂質(たとえば、荷電脂質分極性脂質、脂溶性脂質、水溶性脂質など他の化合物化学的相互作用するもの)を含む脂質で構成されている内膜と、1種または2種以上の機能性脂質を含むまたは含まない脂質で構成されている外膜とからなる脂質二分子膜層を有し、少なくとも、当該内膜に含まれるいずれか1つの種類の機能性脂質については、その内膜における量が、その外膜における量を上回るとの条件を満たすことを特徴とし、造影剤水酸基を有する中性物質)や抗癌活性を有するsiRNA(アニオン性物質)などを内包させるリポソームとして好適であり、薬剤類内包率分散定性コントロールリリースなどが改善されたリポソーム製剤を提供する。

この項目の情報は公開日時点(2014年5月9日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

背景

リポソームは、リン脂質主成分とする脂質二分子膜からなる閉鎖小胞体である。細胞膜と類似の構造および機能を有するため、免疫系刺激しにくく(低抗原)、素材としての安全性が高い。また、水溶性の薬剤を脂質二分子膜で囲まれる内部の水相に、脂溶性の薬剤類を二分子膜の中に保持することができ、本来不安定で失活しやすい薬効成分を安定的に内包させることが可能である。このようなことから、医薬化粧品などの分野におけるリポソームの応用、特に、薬物送達システム(Drug Delivery System: DDS)への応用に好適薬剤内包リポソーム(リポソームの粒径脂質膜性質の調整、特定細胞に対する標的性付与など)や、その調製方法について、盛んに研究、開発が行われている。

なお、本発明において1つのリポソームを構成するための脂質二分子膜は、1つでもよいし、複数であってもよい。すなわち、脂質二分子膜が1つの場合は、当該二分子膜がリポソームの外殻を構成する。一方、1つのリポソームが複数の脂質二分子膜で構成される場合は、複数の脂質二分子膜のうちいずれか一つが、リポソームの外殻を構成し、残りの脂質二分子膜はその外殻を構成する脂質二分子膜の内部に存在することになる。

従来のリポソームは、脂質二分子膜を一段階で形成する方法により製造された、内外膜の脂質の成分構成が同じものが一般的である(たとえば特許文献1参照)。また、リポソームの体内動態には外膜の化学的性質関与することから、たとえば水溶性を向上させるために外膜の脂質にポリオキシアルキレン基結合させるなど、通常のリポソームを調製した後に外膜修飾する手法が用いられることもある(たとえば非特許文献1参照)。

しかしながら、送達すべき薬剤に接するリポソームの内膜の構成成分を、外膜とは異なる態様とすることにより、薬剤の内包率の向上やコントロールリリース徐放性)などの体内動向改善を図る手法、あるいは内外膜の構成成分の異なるリポソームの製造方法は、これまでに提案されていなかった。 特開2005−162678号公報 Biophys. J. 35, 637-652, 1981

概要

本発明は、リポソームであって、1種または2種以上の機能性脂質(たとえば、荷電脂質分極性脂質、脂溶性脂質、水溶性脂質など他の化合物化学的相互作用するもの)を含む脂質で構成されている内膜と、1種または2種以上の機能性脂質を含むまたは含まない脂質で構成されている外膜とからなる脂質二分子膜層を有し、少なくとも、当該内膜に含まれるいずれか1つの種類の機能性脂質については、その内膜における量が、その外膜における量を上回るとの条件を満たすことを特徴とし、造影剤水酸基を有する中性物質)や抗癌活性を有するsiRNA(アニオン性物質)などを内包させるリポソームとして好適であり、薬剤類の内包率や分散定性、コントロールリリースなどが改善されたリポソーム製剤を提供する。

目的

本発明は、薬剤類の内包率や分散安定性、コントロールリリースなどが改善されたリポソーム製剤を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

( 分野番号表示ON )※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

請求項

以下の情報は公開日時点(2014年5月9日)のものです。

請求項1

1種または2種以上の機能性脂質を含む脂質で構成されている内膜と、1種または2種以上の機能性脂質を含むまたは含まない脂質で構成されている外膜とからなる脂質二分子膜層を有し、少なくとも、当該内膜に含まれるいずれか1つの種類の機能性脂質については、その内膜における量が、その外膜における量を上回るとの条件を満たすことを特徴とするリポソーム

請求項2

前記内膜に含まれる機能性脂質の少なくとも1種が、他の化合物化学的相互作用するものであることを特徴とする、請求の範囲第1項に記載のリポソーム。

請求項3

前記機能性脂質が、荷電脂質分極性脂質、脂溶性脂質および水溶性脂質からなる群より選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のリポソーム。

請求項4

膜構成成分および溶媒以外の化合物を内包していることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のリポソーム。

請求項5

前記化合物が塩基配列を有するアニオン性物質であることを特徴とする請求の範囲第4項に記載のリポソーム。

請求項6

前記塩基配列を有するアニオン性物質が抗癌活性を有するsiRNAであることを特徴とする、請求の範囲第5項に記載のリポソーム。

請求項7

前記化合物が水酸基を有する中性物質であることを特徴とする請求の範囲第4項に記載のリポソーム。

請求項8

前記水酸基を有する中性物質が造影剤であることを特徴とする請求の範囲第7項に記載のリポソーム。

請求項9

下記工程(1)〜(4)を有することを特徴とするリポソームの製造方法。(1)一次乳化工程:超臨界または亜臨界状態二酸化炭素水性溶媒(W1)、およびリポソームの内膜を構成する混合脂質成分(F1)を撹拌することにより、W1/CO2エマルション調製する工程;(2)二次乳化工程:水性溶媒(W2)およびリポソームの外膜を構成する混合脂質成分(F2)の混合液に、上記工程(1)により得られたW1/CO2エマルションを添加し、撹拌することにより、W1/CO2/W2エマルションを調製する工程;(3)上記工程(2)により得られたエマルションに含まれる有機溶媒を除去することにより、F1を内膜、F2を外膜とするリポソームの懸濁液を調製する工程;(4)上記工程(3)により得られたリポソームの懸濁液、または当該リポソームの凍結乾燥物を再分散させた水性溶媒に、リポソームに内包させるべき化合物を添加し、撹拌する工程;但し、上記工程(1)のF1に含まれる少なくとも1つの種類の機能性脂質について、その量は、上記工程(2)のF2に含まれるその機能性脂質の量よりも多いものとする。

請求項10

下記工程(1)〜(4)を有することを特徴とする、リポソームの製造方法。(1)一次乳化工程:超臨界または亜臨界状態の二酸化炭素、水性溶媒(W1)、リポソームに内包させるべき化合物、およびリポソームの内膜を構成する混合脂質成分(F1)を撹拌することにより、W1/CO2エマルションを調製する工程;(2)二次乳化工程:水性溶媒(W2)およびリポソームの外膜を構成する混合脂質成分(F2)の混合液に、上記工程(1)により得られたW1/CO2エマルションを添加し、撹拌することにより、W1/CO2/W2エマルションを調製する工程;(3)上記工程(2)により得られたエマルションに含まれる有機溶媒を除去することにより、F1を内膜、F2を外膜とするリポソームの懸濁液を調製する工程;但し、上記工程(1)のF1に含まれる少なくとも1つの種類の機能性脂質について、その量は、上記工程(2)のF2に含まれるその機能性脂質の量よりも多いものとする。

詳細

以下の情報は 公開日時点 (2014年5月9日)のものです。

技術分野


背景技術

0002

リポソームは、リン脂質主成分とする脂質二分子膜からなる閉鎖小胞体である。細胞膜と類似の構造および機能を有するため、免疫系刺激しにくく(低抗原)、素材としての安全性が高い。また、水溶性の薬剤を脂質二分子膜で囲まれる内部の水相に、脂溶性の薬剤類を二分子膜の中に保持することができ、本来不安定で失活しやすい薬効成分を安定的に内包させることが可能である。このようなことから、医薬、化粧品などの分野におけるリポソームの応用、特に、薬物送達システム(Drug Delivery System: DDS)への応用に好適薬剤内包リポソーム(リポソームの粒径脂質膜性質の調整、特定細胞に対する標的性付与など)や、その調製方法について、盛んに研究、開発が行われている。

0003

なお、本発明において1つのリポソームを構成するための脂質二分子膜は、1つでもよいし、複数であってもよい。すなわち、脂質二分子膜が1つの場合は、当該二分子膜がリポソームの外殻を構成する。一方、1つのリポソームが複数の脂質二分子膜で構成される場合は、複数の脂質二分子膜のうちいずれか一つが、リポソームの外殻を構成し、残りの脂質二分子膜はその外殻を構成する脂質二分子膜の内部に存在することになる。

0004

従来のリポソームは、脂質二分子膜を一段階で形成する方法により製造された、内外膜の脂質の成分構成が同じものが一般的である(たとえば特許文献1参照)。また、リポソームの体内動態には外膜の化学的性質関与することから、たとえば水溶性を向上させるために外膜の脂質にポリオキシアルキレン基結合させるなど、通常のリポソームを調製した後に外膜修飾する手法が用いられることもある(たとえば非特許文献1参照)。

0005

しかしながら、送達すべき薬剤に接するリポソームの内膜の構成成分を、外膜とは異なる態様とすることにより、薬剤の内包率の向上やコントロールリリース徐放性)などの体内動向改善を図る手法、あるいは内外膜の構成成分の異なるリポソームの製造方法は、これまでに提案されていなかった。 特開2005−162678号公報 Biophys. J. 35, 637-652, 1981


発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、薬剤類の内包率や分散定性、コントロールリリースなどが改善されたリポソーム製剤を提供することを目的とする。


課題を解決するための手段

0007

本発明者は、たとえば、薬剤類などの化合物化学的相互作用する機能性脂質を外膜よりも内膜に多く含むなど、内外膜の構成成分(機能性脂質の量)が相違するリポソームは、そのような機能性脂質を内外膜に同量含むリポソームよりも、薬剤類の内包率や分散安定性、コントロールリリースに優れること(このような本発明のリポソームを、以下「内膜機能性リポソーム」と称することもある)、また、従来のリポソームの製造方法(超臨界二酸化炭素法)を改良することにより、そのようなリポソームを効率的に製造することが可能であること等を見出し、本発明を完成させるに至った。

0008

すなわち、本発明のリポソームは、1種または2種以上の機能性脂質を含む脂質で構成されている内膜と、1種または2種以上の機能性脂質を含むまたは含まない脂質で構成されている外膜とからなる脂質二分子膜層を有し、少なくとも、当該内膜に含まれるいずれか1つの種類の機能性脂質については、その内膜における量が、その外膜における量を上回るとの条件を満たすことを特徴とする。この内膜に含まれる機能性脂質の少なくとも1種は、他の化合物と化学的に相互作用するものであることが望ましい。また、上記「機能性脂質」としては、荷電脂質分極性脂質、脂溶性脂質および水溶性脂質からなる群より選択される1種または2種以上の機能性脂質が好ましい。

0009

このような本発明のリポソームは、膜構成成分および溶媒以外の化合物を内包していることを、望ましい態様の一つとする。そのような化合物の好ましいものとしては、塩基配列を有するアニオン性物質、たとえば抗癌活性を有するsiRNA、あるいは、水酸基を有する中性物質、たとえば造影剤などが挙げられる。

0010

また、本発明は、上述のようなリポソームの好ましい製造方法を提供する。すなわち、本発明のリポソームの製造方法の一つは、下記工程(1)〜(4)を有することを特徴とする; (1)一次乳化工程:超臨界または亜臨界状態二酸化炭素水性溶媒(W1)、およびリポソームの内膜を構成する混合脂質成分(F1)を撹拌することにより、W1/CO2エマルションを調製する工程; (2)二次乳化工程:水性溶媒(W2)およびリポソームの外膜を構成する混合脂質成分(F2)の混合液に、上記工程(1)により得られたW1/CO2エマルションを添加し、撹拌することにより、W1/CO2/W2エマルションを調製する工程; (3)上記工程(2)により得られたエマルションに含まれる有機溶媒を除去することにより、F1を内膜、F2を外膜とするリポソームの懸濁液を調製する工程; (4)上記工程(3)により得られたリポソームの懸濁液、または当該リポソームの凍結乾燥物を再分散させた水性溶媒に、リポソームに内包させるべき化合物を添加し、撹拌する工程; 但し、上記工程(1)のF1に含まれる少なくとも1つの種類の機能性脂質について、その量は、上記工程(2)のF2に含まれるその機能性脂質の量よりも多いものとする。

0011

また、本発明のリポソームの製造方法のもう一つは、下記工程(1)〜(4)を有することを特徴とする; (1)一次乳化工程:超臨界または亜臨界状態の二酸化炭素、水性溶媒(W1)、リポソームに内包させるべき化合物、およびリポソームの内膜を構成する混合脂質成分(F1)を撹拌することにより、W1/CO2エマルションを調製する工程; (2)二次乳化工程:水性溶媒(W2)およびリポソームの外膜を構成する混合脂質成分(F2)の混合液に、上記工程(1)により得られたW1/CO2エマルションを添加し、撹拌することにより、W1/CO2/W2エマルションを調製する工程; (3)上記工程(2)により得られたエマルションに含まれる有機溶媒を除去することにより、F1を内膜、F2を外膜とするリポソームの懸濁液を調製する工程; 但し、上記工程(1)のF1に含まれる少なくとも1つの種類の機能性脂質について、その量は、上記工程(2)のF2に含まれるその機能性脂質の量よりも多いものとする。


発明の効果

0012

本発明により、薬剤類の内包率や分散安定性、コントロールリリースなどの特性に優れた内膜機能性リポソームを効率的に製造することが可能となり、DDSにおける薬剤内包リポソームの利用に大きく寄与する。


発明を実施するための最良の形態

0013

脂質二分子膜(リポソーム膜)構成成分 <機能性脂質> 本発明における「機能性脂質」とは、リポソームの内膜または外膜を構成しうる脂質のうち、他の化合物(リポソームの調製時に用いられる膜構成成分および溶媒以外の化合物)と化学的に相互作用する脂質、あるいは、生理活性作用を有するなどの機能性を持った脂質をいう。より具体的には、たとえば、リポソームに内包させる薬剤類の内包率や保持効率の向上に寄与しうる、主としてリポソームの内膜に含まれることが望ましい脂質、あるいは、リポソームの生体内での動向(ターゲティング性など)に関与する、主としてリポソームの外膜に含まれることが望ましい脂質が挙げられる。

0014

本発明では、リポソームの内膜および外膜に同一の種類の機能性脂質が含まれていてもよく、また、内膜および外膜に含まれる機能性脂質の種類が異なるものであってもよい。ただし、本発明のリポソームは、詳細は後述するが、内膜に含まれる少なくとも1つの種類の機能性脂質について、その内膜における量が、その外膜における量を上回るとの条件を満たす。たとえば、リポソームに内包させるべき化合物の保持に寄与しうるある種類の機能性脂質が、内膜だけに含まれ、外膜には含まれていないような態様のリポソームは、望ましいものの一つである。

0015

上記「相互作用」は、「他の化合物」をリポソームに保持することに寄与するものであれば特に限定されるものではないが、たとえば、水酸基やアミノ基等との水素結合イオン性結合、その他の化学的な相互作用であって、他の化合物を付着吸着、結合させることができる性質のものをいう。すなわち、リポソームに内包させる化合物およびリポソーム膜を構成する機能性脂質は、相互作用の面で好適な組み合わせとなるよう、それらの態様を適切に調整することが望ましい。

0016

さらに、上記「相互作用」は、リポソーム構造の安定化に寄与するものでもよい。リポソーム構造の安定化は脂質同士の相互作用、あるいは「他の化合物」と脂質との相互作用により、脂質の配列が強固になることはよく知られており、この効果により、壊れにくいリポソーム構造を構築できる。

0017

以下、本発明において使用することのできる機能性脂質として、「荷電脂質」、「分極性脂質」、「脂溶性脂質」および「水溶性脂質」を挙げて説明するが、機能性脂質はこれらに何ら限定されるものではなく、同様に、リポソームへの内包率や保持効率あるいは安定性の向上に寄与しうる相互作用を発揮しうる、またはリポソームの生体内での動向に関与しうる、その他の脂質を用いることもできる。

0018

<荷電脂質> 本発明における荷電脂質は、生理学的pHで正または負の荷電を有し、他の化合物と静電気的な相互作用により結合しうる脂質全般をいう。

0019

カチオン性脂質としては、たとえば、1,2-ジオレイルオキシ-3-(トリメチルアンモニウム)プロパンDOPTAP)、N,N-ジオクタデシルアミドグリシルスペルミン(DOGS)、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミドDDAB)、N-[1-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、2,3-ジオレイルオキシ-N-[2(スペルミン-カルボキサミド)エチル]-N,N-ジメチル-1-プロパンアミニウムトリフルオロアセテート(DOSPA)、N-[1-(2,3-ジミリスチルオキシ)プロピル]-N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムブロミド(DMRIE)、あるいは、ジパルミトイルホスファチジン酸DPPA)とヒドロキシエチレンジアミンとのエステルジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)とヒドロキシエチレンジアミンとのエステルなどが挙げられる。

0020

また、カチオン性官能基を導入したコレステロール誘導体も、上記荷電脂質に含まれる。たとえば、3-β-[N-(N',N'-ジメチルアミノエタン)-カルバモイル]-コレステロール略称DC-Chol)は、かかるカチオン性コレステロールの一つとして望ましいものである(Biochem Biophys Res Commun 179, 1991, 280-285.、Chem. Pharm. Bull. 53, 2005, 871-880.参照)。

0021

一方、アニオン性リン脂質としては、たとえば、ホスファチジルセリンジパルミトイルホスファチジルセリン(DPPS)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS)、ホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ホスファチジルイノシトール、ジパルミトイルホスファチジルイノシトール(DPPI)、ジステアロイルホスファチジルイノシトール(DSPI)、ホスファチジン酸、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)等の負に荷電したグリセロリン脂質が挙げられる。

0022

なお、上記のようなリン脂質は、卵白大豆もしくはその他の動植物由来するもの(レシチン等)であっても、合成または半合成により得られたもの(リン脂質の部分的もしくは完全な水素添加物、またはポリエチレングリコールアミノグリカン類を導入したリン脂質誘導体等)であってもよい。

0023

<分極性脂質> たとえば、脂肪酸エステル(R−CO−O−R′)は、本発明における分極性脂質として好適なものの一種である。リポソーム膜の表面閉鎖空間内に面する側)において、脂肪族エステル分子エステル結合部が、リポソームに内包された化合物(たとえば後述するような水酸基を有する中性物質)と相互作用し、水素結合などの化学的な結合を形成することにより、その化合物の内包率の向上に寄与するものと考えられる。

0024

上記脂肪酸エステルの脂肪酸残基であるRは、飽和脂肪酸残基または不飽和脂肪酸残基のいずれでもよく、好ましくは、直鎖であるか、または分岐していてもよい飽和脂肪酸残基である。そのような脂肪酸残基の炭素数は5〜26であることが好ましく、15〜24であることがより好ましい。炭素数が5未満であると脂質中に十分に取り込まれなくなり、膜構造から遊離して安定性に欠け、一方で炭素数が28以上であると生体適合性が低くなる。

0025

脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、具体的には、バレリアン酸吉草酸)(C5)、カプロン酸(C6)、エナント酸(C7)、カプリル酸(C8)、ペラルゴン酸(C9)、カプリン酸(C10)、ラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、ペンタデシル酸(C15)、パルミチン酸(C16)、マルガリン酸(C17)、ステアリン酸(C18)、アラキジン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、リグノセリン酸(C24)などが挙げられる。

0026

また、上記脂肪酸エステルのR′は、直鎖でも分岐していてもよい炭素数1〜4のアルキル基もしくはアルケニル基であり、アルキル基(時にメチル基またはエチル基)が好ましい。このアルキル基は、さらにハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシル基メルカプト基ニトロ基アルコキシ基カルボキシル基カルバモイル基スルホン酸基ピリジル基などによって置換されていてもよい。R′が親水基により置換された脂肪酸エステルは両親媒性であり、内包される薬剤物質特異的な相互作用も生じうるため、より好ましい。

0027

本発明では、上記のようなRおよびR′のいずれの組み合わせによる脂肪酸エステルを用いることもできるが、好ましい脂肪酸エステルとしては、パルミチン酸メチルエステル、アラキジン酸メチルエステル、リグノセリン酸メチルエステルなどが挙げられる。なお、糖エステルである脂肪酸ショ糖エステル脂肪酸ソルビタンエステルポリオキシエチレン基を有するポリオキシエチレン・脂肪酸エステルなどを用いることもできる。

0028

<脂溶性脂質> 脂溶性脂質としては、たとえば、コレステロールのエステル誘導体で、エステル部分が脂溶性の化合物が挙げられる。このような脂溶性脂質を膜成分に含むリポソームは、経口投与腸管吸収経路による取り込みの効率が高くなると考えられる。

0029

<水溶性脂質> 水溶性脂質としては、たとえば、コレステロールにポリオキシアルキレン基(−(CH2CH2O)nH)を導入した化合物などが挙げられる。膜構成脂質にポリオキシアルキレン基を導入することにより、リポソームの表面が親水性になり、リポソームの安定性が向上(崩壊性凝集性などが改善)し、また、体内で異物として認識されなくなるといった効果が得られる。

0030

<その他の脂質> 本発明のリポソーム膜の構成成分としては、前述のような機能性脂質の他、中性リン脂質糖脂質ステロール類グリコール類脂肪族アミンなど、公知の各種の化合物を用いることができる。

0031

中性リン脂質としては、たとえば、ホスファチジルコリンジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジミリストリルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレイルホスファチジルコリン(DOPC)、フォスファチジルエタノールアミンなどの中性グリセロリン脂質や、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質が挙げられる。

0032

糖脂質としては、たとえば、ジガラクトシルジグリセリド、ガラクトシルジグリセリド硫酸エステル等のグリセロ脂質ガラクトシルセラミド、ガラクトシルセラミド硫酸エステル、ラクトシルセラミド、ガングリオシドG7、ガングリオシドG6、ガングリオシドG4等のスフィンゴ糖脂質が挙げられる。

0033

ステロール類としては、たとえば、コレステロール、ジヒドロコレステロールコレステロールエステルフィトステロールシトステロールスチグマステロールカンペステロールコレスタノールラノステロール、さらに、1−O−ステロールグルコシド、1−O−ステロールマルトシド、1−O−ステロールガラクトシドといったステロール誘導体が挙げられ、特にコレステロールが好ましい。

0034

ステロール類を使用する場合、リポソーム膜の安定性への寄与などの観点から、リン脂質(PEG-リン脂質を除く)/ステロール類のモル比は、一般的には100/60〜100/90、好ましくは100/70〜100/85の範囲である。

0035

なお、コレステロールは、前述のようにエステル部に所定の構造を導入することでカチオン性脂質や脂溶性脂質となるほか、ポリアルキレンオキシド導入用アンカーにもなり、ポリオキシアルキレン鎖先端に、種々の機能性物質共有結合により固定化することも可能である(特開平09-003093号公報等参照)。

0036

グリコール類としては、たとえば、エチレングリコールジエチレングリコールトリエチレングリコールプロピレングリコールジプロピレングリコールトリメチレングリコール、1,4-ブタンジオールが挙げられる。グリコール類を用いることにより、リポソームに内包させる水溶性薬剤類の保持効率を向上させることができる。グリコール類を使用する場合、その使用量は、脂質の全質量に対して0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜0.1質量%である。

0037

脂肪族アミン類としては、製薬学的許容される直鎖または分岐した炭素数2〜22の第1級もしくは第2級アミン、たとえば、ステアリルアミンオクチルアミンオレイルアミン、リノレイルアミンなどが挙げられる。このような脂肪族アミン類は、リポソームの荷電のために用いることができる。脂肪族アミン類を使用する場合、その使用量は、脂質の全質量に対して0.01〜0.5質量%、好ましくは0.05〜0.1質量%である。

0038

<機能性脂質の配合量> 本発明の内膜機能性リポソームは、内膜に含まれるいずれか1つの種類の機能性脂質について、その内膜における量が、その外膜における量を上回るとの条件を満たすことを特徴とする。少なくとも1種の機能性脂質について上記条件が満たされていればよいのであって、別のある種類の機能性脂質については上記条件を満たさないような態様で内膜および外膜に含まれていてもよく、また、複数の種類の機能性脂質のそれぞれについて上記条件が満たされていてもよい。

0039

たとえば、リポソームに内包させるべき化合物の保持に寄与しうる機能性脂質の1つについて、上記の条件を満たすような態様のリポソームは、その製造過程において、リポソームに内包させるべき化合物がリポソーム表面外部環境と接する面)と相互作用することが抑制されるため、表面がフラットで、凝集しにくく、分散安定性の高いリポソームが得られるようになる。

0040

ここで、「機能性脂質の量」とは、後述のような本発明のリポソームの製造方法において、原料として添加する機能性脂質の絶対的な量(モル数)をいい、内膜を形成する工程における上述のような機能性脂質の添加量が、外膜を形成する工程におけるその機能性脂質の添加量を上回るようにすればよい。上述のような効果を考慮すれば、たとえば、リポソームに内包させるべき化合物の保持に寄与しうる機能性脂質を、内膜を形成する工程においてのみ使用し、そのような機能性脂質が内膜のみに含まれるリポソームを調製することは、本発明の望ましい態様の一つといえる。

0041

内膜および外膜の機能性脂質量は、公知の知見を利用しながら、リポソームの用途や目的とする機能性の程度、用いる機能性脂質の種類などに応じて適宜調整することができる。後述するような製造方法によれば、特定の機能性脂質の量について、内膜および外膜で所定の割合とすることが可能である。たとえば、前述のような、分散安定性などの高いリポソームを製造といった観点からは、リポソームに内包させるべき化合物の保持に寄与しうる機能性脂質について、内膜の含有量/外膜の含有量の比率が、100/1から100/50の範囲となるようにすることが好ましい。

0042

本発明の内膜機能性リポソームの一つの態様としては、たとえば、内膜、外膜ともにジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)およびコレステロールを主体とし、さらに、薬剤類の保持に寄与する荷電脂質を内膜だけに含有させ、一方でリポソームの安定性や体内動向に関与する水溶性脂質を外膜だけに含有させ、当該荷電脂質の量が当該水溶性脂質の量を上回るものが挙げられる。このような態様のリポソームにおける機能性脂質の配合量は、たとえば、内膜についてはDPPC/Cholesterol/機能性脂質=10/2/1程度、外膜についてはDPPC/Cholesterol/機能性脂質=10/2/0.1程度が好ましい。

0043

リポソームに内包される化合物 本発明の内膜機能性リポソームには、各種の化合物を効率的に内包(保持)させることができる。ここで、上記の「リポソームに内包される化合物」は、リポソームの用途などに応じて適宜選択される物質であり、リポソーム膜を構成している機能性脂質と化学的に相互作用しうる性質のものであって、後述するような製造方法において用いられる、リポソーム膜の構成成分および溶媒以外の化合物をいう。

0044

上述のような「リポソームに保持される化合物」の代表的なものは、医薬用のリポソームについて従来使用されているような、各種の薬剤類(所定の目的のための各種有効成分)である。たとえば、水溶液中カチオンまたはアニオンとなる水溶性の薬剤類であれば、前述の機能性脂質のうち荷電脂質との相互作用により、保持率を高めることができると考えられる。

0045

以下、リポソームに内包される化合物について、本発明における好適な薬剤類である「造影剤」および「siRNA」などを例示しながら説明するが、本発明の対象となる化合物はこれらの薬剤類に何ら限定されるものではなく、機能性脂質との相互作用について同様の効果を発揮しうるその他の化合物に対しても同様に適用することができる。

0046

なお、本発明では、下記の薬剤類の他、必要に応じて公知の各種の製薬助剤を用いることもできる。たとえば、水溶性アミン系緩衝剤(好ましくはトロメタモールなど)、炭酸塩系緩衝剤などのpH緩衝剤;エデト酸キレート化剤(たとえばEDTANa2-Ca)などのキレート化剤;α−トコフェロールアスコルビン酸などの抗酸化剤;その他、浸透圧調節剤安定化剤、粘度調節剤、保存剤無機塩類、さらには血管拡張剤凝固抑制剤などの薬理的活性物質が挙げられる。

0047

<造影剤> 本発明で用いることのできるヨードX線造影剤用のヨード化合物としては、例えば、イオメプロール、イオパミドールイオヘキソール、イオペントール、イオプロミドイオキシラン、イオシミド、イオベンゾール、イオトロラン、イオジキサノール、イオデシモルイオタスルメトリザミド、1,3-ビス-(N-3,5-ビス-(2,3-ジヒドロキシプロピルアミノカルボニル)-2,4,6-トリヨウフェニル)-N-ヒドロキシアセチル-アミノ)-プロパンなどの非イオン性ヨード化合物が挙げられる。なかでも、高度に親水性であり、高濃度でも浸透圧が高くならず、かつない点から、イオヘキソール、イオメプロール、イオパミドール、イオトロラン、イオジキサノールが好適である。

0048

<siRNA> 核酸(DNA、RNA)およびタンパク質などの生体高分子オリゴマーを含む)は、溶媒のpHにより正または負に荷電し、前述のような機能性分子静電的またはその他の相互作用により結合しうる。本発明では、医薬などの用途に向けた生体的高分子を、特に限定されることなくリポソームに内包させることが可能である。

0049

近年、遺伝子治療への応用が期待されているsiRNA(small interfering RNA)は、リポソームに内包させる薬剤類として好ましいものの一つであり、たとえば、がん細胞の増殖にとって重要な遺伝子の働きを抑制する抗癌活性を有するsiRNAが挙げられる。また、DNAもしくはRNAのセンス鎖もしくはアンチセンス鎖プラスミドベクターmRNAなど、用途に応じた塩基配列を有する核酸を用いることができる。

0050

<その他の薬剤類> 本発明では、上記造影剤やsiRNA以外にも、たとえば、リソマイシンレボフロキサシンストレプトマイシンリファンピシンアムホテリシンBナイスタチンミデカマイシンなどの抗菌剤インターフェロンエリスロポエチンインターロイキンポルフィルンなどの生体内物質;その他水溶性ビタミン、アスコルビン酸ジパルミタートヘスペリジンルチンナリンジンジゴキシンといった水溶性非電解質の薬剤類を、リポソームに効率的に内包させることが可能である。

0051

リポソームの製造方法 本発明の内膜機能性リポソームは、以下に説明するような「マイクロカプセル化法」、「膜乳化法」または「超臨界二酸化炭素法」などの手法により製造することができる。本発明のリポソームは、基本的には、マイクロカプセル化法や膜乳化法についての従来と同様の通常の条件(撹拌条件温度条件加圧条件など)に従い、一般的な装置、手法を用いて製造することができるが、本発明では、少なくとも1種の機能性脂質の量について、以下に述べる一次乳化工程(内膜の形成)における添加量を、二次乳化工程(外膜の形成)における添加量よりも多くすることが特徴的である。

0052

<マイクロカプセル化法> マイクロカプセル化法は、リポソームを製造するための公知の手法であり(たとえば特開2001-139460号公報参照)、その工程の概略は以下の通りである。

0053

(1)一次乳化工程:水性溶媒(W1)、有機溶媒(O)、およびリポソームの内膜を構成する混合脂質成分(F1)を撹拌することにより、W1/Oエマルションを調製する。F1からなる一重膜の内部は水相(W1)であり、外部は油相(O)である。

0054

(2)二次乳化工程:水性溶媒(W2)およびリポソームの外膜を構成する混合脂質成分(F2)の混合液に、上記工程(1)により得られたW1/Oエマルションを添加し、撹拌することにより、W1/O/W2エマルションを調製する。F2からなる一重膜の内部はW1/Oエマルションであり、外部は水相(W2)である。

0055

(3)上記工程(2)により得られたエマルションに含まれる有機溶媒をエバポレータ等で除去することにより、F1を内膜、F2を外膜とするリポソームの懸濁液を調製する。

0056

(4)上記工程(3)により得られたリポソームの懸濁液、またはそのリポソームの凍結乾燥物を再分散させた水性溶媒に、リポソームに内包させるべき化合物(各種の有効成分など)を添加し、撹拌する。この工程により、F1を内膜、F2を外膜とし、所定の化合物を内包したリポソームが得られる。

0057

<膜乳化法> 膜乳化法もリポソームを調製するための公知の手法であるが(たとえば市川創作(2007): 単分散エマルション基材とした新規ベシクル調整法によるサイズ制御と内包率の向上. 日本薬学会年会要旨集Vol.127, No1, P205参照)、たとえば以下のような工程で行うことにより、内外膜の膜構成成分の相違するリポソームを調製することができる。

0058

(1)一次乳化工程:水性溶媒(W1)の混合液に圧力をかけ、所定の孔径を有する疎水性の多孔質膜、またはシリコン基板で形成されたマイクロチャンネルスリット)などを透過させ、リポソームの内膜を構成する混合脂質成分(F1)が溶解しているヘキサン等の有機溶媒(O)中に静的押し出すことにより、W1/Oエマルションを調製する。

0059

(2)凍結乾燥工程:上記工程(1)より得られたW1/Oエマルション(水相の液滴)を液体窒素等で凍結する。続いて、液滴の凍結状態を保持した条件下で、脂質成分を含まないヘキサン等の有機溶媒で上記有機溶媒(O)を置換した後、その有機溶媒をエバポレータ等で蒸発させ、除去する。なお、このような凍結乾燥工程により、生成するリポソームの粒径を他の製造方法による粒径よりも大きなもの(1000〜3000nm程度)とすることができる。

0060

(3)二次乳化工程:上記工程(2)により得られた凍結乾燥物を、リポソームの外膜を構成する混合脂質成分(F2)が溶解した水性溶媒(W2)中で水和させる。この工程により、F1を内膜、F2を外膜とするリポソームの懸濁液を調製する。

0061

(4)上記工程(3)により得られたリポソームの懸濁液、またはそのリポソームの凍結乾燥物を再分散させた水性溶媒に、リポソームに内包させるべき化合物(各種の有効成分など)を添加し、撹拌する。この工程により、F1を内膜、F2を外膜とし、所定の化合物を内包したリポソームが得られる。

0062

<超臨界二酸化炭素法> 従来の超臨界二酸化炭素法(たとえば特開2005-162678号公報参照)では、一般的に、内外膜ともに同様の脂質成分で構成されているリポソームが得られる。本発明では、前述のマイクロカプセル化法の油相として、通常の有機溶媒ではなく、超臨界状態(亜臨界状態を含む)の二酸化炭素を用いることにより、内外膜の脂質成分の構成が相違し、しかも従来のマイクロカプセル化法よりも内包率などの特性が改善されたリポソームを調製することができる。従来の超臨界二酸化炭素法はそのリポソーム形成メカニズムの考察から、リポソーム製造法分類においては逆送蒸留法範疇にあると考えられている。逆送蒸留法では内外膜の脂質成分の構成が相違するリポソームは製造できず、溶媒の蒸留溜去が必要なことから、製造法としては制約が多い。改良した超臨界二酸化炭素法である2段階乳化法は、こうした制約を克服し、分散安定性が高く、粒度分布の狭い、SLV(一枚膜)のリポソームを調製することができる。

0063

かかる製造方法の工程の概略は以下の通りである。 (1)一次乳化工程:超臨界(亜臨界を含む)状態におかれた二酸化炭素と、水性溶媒(W1)およびリポソームの内膜を構成する混合脂質成分(F1)とを撹拌することにより、W1/CO2エマルションを調製する。F1からなる一重膜の内部は水相(W1)であり、外部は油相(CO2)である。 (2)二次乳化工程:水性溶媒(W2)およびリポソームの外膜を構成する混合脂質成分(F2)の混合液に、上記工程(1)により得られたW1/CO2エマルションを添加し、撹拌することにより、W1/CO2/W2エマルションを調製する。F2からなる一重膜の内部はW1/CO2エマルションであり、外部は水相(W2)である。 (3)上記工程(2)により得られたエマルションに含まれる有機溶媒をエバポレータ等で除去することにより、F1を内膜、F2を外膜とするリポソームの懸濁液を調製する。

0064

(4)上記工程(3)により得られたリポソームの懸濁液、またはそのリポソームの凍結乾燥物を再分散させた水性溶媒に、リポソームに内包させるべき化合物(各種の有効成分など)を添加し、撹拌する。この工程により、F1を内膜、F2を外膜とし、所定の化合物を内包したリポソームが得られる。

0065

<上記製造方法の異なる態様> 上述のような態様のマイクロカプセル化法、膜乳化法および超臨界二酸化炭素法はいずれも、まず、空のリポソームを調製し、その後、内包させるべき化合物と撹拌することにより、その化合物を空のリポソームに取り込ませている。

0066

このような方法の他、上記マイクロカプセル化法、膜乳化法および超臨界二酸化炭素法それぞれの工程(1)において、水性溶媒(W1)に内包させるべき化合物(各種の有効成分など)を溶解させておくことにより、工程(4)によらずとも、目的とするリポソームを調製することも可能である。

0067

<その他の工程> 上述のような方法におけるリポソームを調製する工程のほか、必要に応じて、その他の工程を適宜設けてもよい。

0068

たとえば、リポソームを調製した後、さらに他の化合物と反応させることにより、外膜を構成する脂質に所定の官能基、化学的構造(たとえばリンカーを介して所定の細胞へのターゲティング性を付与しうるリガンドが結合した部位、あるいはポリエチレングリコール鎖のように親水性等を付与する部位)を導入するような工程を設けてもよい。

0069

また、リポソームの粒径分布所望範囲内に揃え、不純物の除去、滅菌等を行うための濾過工程などを、必要に応じてさらに設けてもよい。たとえば、孔径0.1〜0.4μmのポリカーボネート膜またはセルロース膜フィルターとして装着した静圧式押出し装置に通すことにより、中心粒径が100〜300nm程度であるリポソームが効率よく調製される。このようなサイズのリポソームは、毛細血管閉塞するおそれがほとんどないと同時に、がん組織近辺の血管にできる間隙を通過できるといった利点を有する。上記の静圧式押出し装置としては、例えば、日油リポソーム社製「エクストルーダー」、野マイクロサエンス社製「リポナイザー」などが挙げられる。

0070

さらに、リポソームの懸濁液が得られた後は、さらにそれを凍結乾燥し、リポソームを使用までの間の保管に適した態様にすることが望ましい。凍結乾燥は、従来のリポソームを製造する場合と同様の手段や装置を用いて行うことができる。たとえば、間接加熱凍結方法冷媒直膨方法、熱媒循環方法三重熱交換方法重複冷凍方法などに従い、適切な条件下(温度:−120〜−20℃、圧力:1〜15Pa、時間:16〜26時間など)で凍結乾燥を行えばよい。

0071

実施例1 脂肪酸エステルを内壁のみに含有するリポソーム造影剤の製造 (1)マイクロカプセル化法によるリポソームの製造 1Lの撹拌機付き耐圧容器にて、DPPC(日本油脂製)35gとDPPS(日本油脂製)5gとリグノセリン酸メチルエステル2.5gを、水200gに懸濁後、ヘキサン280gを加え、温度20℃、回転数470rpmにて、均一に分散させ、W/O型エマルション溶液を得た。

0072

別に用意した10Lのステンレス容器に、水6kgとメタノール100mlとDPPC(日本油脂製)35gとを入れ直径8cmの平羽根タービン翼(3枚羽根)にて370rpmで撹拌大気圧、20℃の条件下、上記W/Oエマルション溶液水中に30分かけて添加していき、リポソーム溶液を得た。次に、このリポソーム溶液をエバポレータで減圧下、40℃の湯浴上で、溶媒除去を行った。得られた水溶液を凍結乾燥して粉末状のリポソームを得た。

0073

(2)リポソーム造影剤の製造 上記(1)で得られた粉末状のリポソームを「オムニパーク240」(コニカミノルエムジー株式会社製造影剤:イオヘキソールを517.7mg/ml含有)65gを加えて再水和混合し、リポソーム造影剤を製造した。

0074

比較例1] 脂質二分子膜を構成する内膜と外膜に脂肪酸エステルを等量含有するリポソーム造影剤の製造 温めた(80℃)リグノセリン酸メチルエステル25mgを容器に採り、そこへエタノール0.2mlを加えて、80℃の温浴中でリグノセリン酸メチルエステルを溶かした。エタノールに溶かしたリグノセリン酸メチルエステルへ、予め温めておいた(50℃)「オムニパーク240」6.5gを加えて混合した。この混合物に、脂質としてジパルミトイルフォスファチジルコリン(DPPC)500mgとジパルミトイルフォスファチジルセリン(DPPS)50mgを加え、これを50℃に設定した恒温槽に入れ、ホモジナイザー差し込んで毎分16000回転により撹拌した。脂質が混合された後に60分間放置し、リポソーム造影剤を得た。

0075

実施例1および比較例1により得られたリポソーム造影剤それぞれの、内包率および平均粒径測定結果を表1に示す。 なお、実施例において内包率および平均粒径の測定は次の手法で実施した。 <内包率の評価> 得られた試料を20mLの小瓶に入れ、蓋をして、蓋の周囲をシールテープ密閉した。そのサンプルを23℃、湿度55%の雰囲気で、60分間暗所保管した。その後、その試料を等張の食塩水透析し、透析終了後にエタノールを添加してリポソームを破壊して、吸光度の測定によりリポソーム内ヨウド化合物量を求めた。試料中の全ヨウド化合物量に対するリポソーム内のヨウド化合物量の比率を内包率(質量%)として表した。 <平均粒径の評価> 粒径は、水溶性薬剤を内包するリポソームを含む分散液を、動的光散乱粒測定器シスメックス社、Malvern HPPS)を用いて、25℃の条件下で測定した。

0076

0077

表1の結果からリポソームを構成する脂質二分子膜のうち、脂肪酸エステルを内壁のみに含有するリポソームは、内壁と外壁に等量含有するリポソームに比べて、造影剤の内包率が52%に向上していることが分かる。

0078

実施例2 カチオン脂質を脂質二分子膜の内膜のみに含有するsiRNA内包リポソームの製造 (1)マイクロカプセル化法によるリポソームの製造 1Lの撹拌機付き耐圧容器にて、DPPC(日本油脂製)30gとコレステロール(日本油脂製)15gとDOTMA(N-(2,3-オレイロキシ)プロピル-N,N,N-トリメチル塩化アンモニウム)15gを、水200gに懸濁後、ヘキサン280gを加え、温度20℃、回転数470rpmにて、均一に分散させ、W/O型エマルション溶液を得た。

0079

別に用意した10Lのステンレス容器に、水6kgとメタノール100mlとDPPC(日本油脂製)35gとを入れ、直径8cmの平羽根タービン翼(3枚羽根)にて370rpmで撹拌、大気圧、20℃の条件下、上記W/Oエマルション溶液を水中に30分かけて添加していき、リポソーム溶液を得た。次に、このリポソーム溶液をエバポレータで減圧下、40℃の湯浴上で、溶媒除去を行った。得られた水溶液を凍結乾燥して粉末状のリポソームを得た。

0080

(2)siRNA内包リポソームの製造 上記(1)で得られた粉末状のリポソーム80mgを、siRNA(1mg,Dharmacon社製商品名「siRNA-Luc+」)の水溶液5mlで水和、混合し、siRNA内包リポソームを製造した。

0081

[比較例2] 脂質二分子膜を構成する内膜と外膜にカチオン脂質を等量含有するsiRNA内包リポソームの製造 特表2005-538967号公報に記載の手法に従い、DSPC:コレステロール:PEG−DSG:DOTMA=20:45:10:25である膜構成脂質成分を合計50mg溶解させた水−エタノール(1:1)溶液5mlと、siRNA(Dharmacon社製)を5mg溶解させた水溶液とを調製した後、蠕動式ポンプミキサーを用いて両水溶液等速度(60mL/分)で導入し、混合した。

0082

実施例2および比較例2により得られたそれぞれのsiRNA内包リポソームの内包率および平均粒径の測定結果を表2に示す。この結果から脂質二分子膜の外膜の表面電位を示すゼータ電位がゼロに近くなったことから、カチオン性脂質が外膜には少ないことが分かる。そして、リポソームを構成する脂質二分子膜のうち、カチオン性脂質が外膜に比べて内膜に多いときはsiRNAの内包率が76%に向上していることが分かる。

0083

0084

実施例3 カチオン性プルランを脂質二分子膜の内膜のみに含有するsiRNA内包リポソームの製造 (1)マイクロカプセル化法によるリポソームの製造 1Lの撹拌機付き耐圧容器にて、DPPC(日本油脂製)30gとコレステロール(日本油脂製)10gとカチオン性プルラン5gを、水200gに懸濁後、ヘキサン280gを加え、温度20℃、回転数470rpmにて、均一に分散させ、W/O型エマルション溶液を得た。

0085

別に用意した10Lのステンレス容器に、水6kgとメタノール100mlとDPPC(日本油脂製)35gとを入れ、直径8cmの平羽根タービン翼(3枚羽根)にて370rpmで撹拌、大気圧、20℃の条件下、上記W/Oエマルション溶液を水中に30分かけて添加していき、リポソーム溶液を得た。次に、このリポソーム溶液をエバポレータで減圧下、40℃の湯浴上で、溶媒除去を行った。得られた水溶液を凍結乾燥して粉末状のリポソームを得た。

0086

(2)siRNA内包リポソームの製造 上記(1)で得られた粉末状のリポソーム80mgを、siRNA(1mg,Dharmacon社製商品名「siRNA-Luc+」)の水溶液5mlで水和、混合し、siRNA内包リポソームを製造した。

0087

[比較例3] 脂質二分子膜を構成する内膜と外膜にカチオン性プルランを等量含有するsiRNA内包リポソームの製造 (1)マイクロカプセル化法によるリポソームの製造 1Lの撹拌機付き耐圧容器にて、DPPC(日本油脂製)30gとコレステロール(日本油脂製)10gとカチオン性プルラン(特開2006-028061号公報の[0018]段落に準じた方法により調製)5gを、水200gに懸濁後、ヘキサン280gを加え、温度20℃、回転数470rpmにて、均一に分散させ、W/O型エマルション溶液を得た。

0088

別に用意した10Lのステンレス容器に、水6kgとメタノール100mlとDPPC(日本油脂製)30gとコレステロール(日本油脂製)10gとカチオン性プルラン5gとを入れ、直径8cmの平羽根タービン翼(3枚羽根)にて370rpmで撹拌、大気圧、20℃の条件下、上記W/Oエマルション溶液を水中に30分かけて添加していき、リポソーム溶液を得た。次に、このリポソーム溶液をエバポレータで減圧下、40℃の湯浴上で、溶媒除去を行った。得られた水溶液を凍結乾燥して粉末状のリポソームを得た。

0089

(2)siRNA内包リポソームの製造 上記(1)で得られた粉末状のリポソーム80mgを、siRNA(1mg,Dharmacon社製商品名「siRNA-Luc+」)の水溶液5mlで水和、混合し、siRNA内包リポソームを製造した。

0090

実施例3および比較例3により得られたsiRNA内包リポソームそれぞれの、内包率および平均粒径の測定結果を表3に示す。

0091

0092

実施例3および比較例3により得られたそれぞれのsiRNA内包リポソームの内包率および平均粒径の測定結果を表3に示す。この結果から実施例3の脂質二分子膜の外膜の表面電位を示すゼータ電位が比較例3に比べてゼロに近くなったことから、カチオン性脂質が外膜には少ないことが分かる。そして、リポソームを構成する脂質二分子膜のうち、カチオン性脂質が外膜に比べて内膜に多いときはsiRNAの内包率が71%に向上していることが分かる。

0093

実施例4 カチオン脂質を内壁にのみ、トランスフェリン修飾PEG脂質を外壁にのみ含有するsiRNA内包リポソームの製造 (1)マイクロカプセル化法によるリポソームの製造 1Lの撹拌機付き容器にて、DPPC(日本油脂製)30gとコレステロール(日本油脂製)15gとDOTMA(N-(2,3-オレイロキシ)プロピル-N,N,N-トリメチル塩化アンモニウム)15gを、水200gに懸濁後、ヘキサン280gを加え、温度20℃、回転数470rpmにて、均一に分散させ、W/O型エマルション溶液を得た。

0094

別に用意した10Lのステンレス容器に、水6kgとメタノール100mlとDPPC(日本油脂製)35gと“DSPE(ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン)−PEG−OMe”1.5gと“DSPE−PEG−COOH”0.2gとを入れ、直径8cmの平羽根タービン翼(3枚羽根)にて370rpmで撹拌、大気圧、20℃の条件下、上記W/Oエマルション溶液を水中に30分かけて添加していき、リポソーム溶液を得た。

0095

(2)トランスフェリンの導入 上記(1)で得られたリポソーム溶液に、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノ-プロピル)カルボジイミド塩酸50mgと、N-ヒドロキシスルホスクシンイミド100mgとを加え、室温で10分間放置した後、トランスフェリン200mgを加え、室温で3時間撹拌した。200,000×gで30分間遠心分離し、沈殿物を9%ショ糖溶液再懸濁した。続いて、クエン酸鉄クエン酸ナトリウムを加え、室温で15分間撹拌した。これを200,000×gで30分間遠心分離し、沈殿物を9%ショ糖溶液に再懸濁した。

0096

得られたリポソーム溶液をエバポレータで減圧下、40℃の湯浴上で、溶媒除去を行った。得られた水溶液を凍結乾燥して粉末状のリポソームを得た。

0097

なお、腫瘍細胞の表面には通常の細胞よりも多くのトランスフェリンレセプターが存在することから、上述のようにして導入したトランスフェリンは、リポソームの腫瘍細胞へのターゲティングに寄与する。

0098

(3)siRNA内包リポソームの製造 上記(2)で得られた粉末状のリポソーム80mgを、siRNA(1mg,Dharmacon社製商品名「siRNA-Luc+」)の水溶液5mlで水和、混合し、siRNA内包リポソームを製造した。

0099

実施例5 油相に超臨界二酸化炭素を使用したカチオン脂質を内壁にのみ、トランスフェリン修飾PEG脂質を外壁にのみ含有するsiRNA内包リポソームの製造 (1)改良超臨界二酸化炭素法によるリポソームの製造 200mLの撹拌機付き耐圧容器にて、DPPC(日本油脂製)0.51gとコレステロール(日本油脂製)0.18gとDOTMA(N−(2,3−オレイロキシ)プロピル−N,N,N−トリメチル塩化アンモニウム)0.04gを、エタノール 14.3mLに溶解後密閉して、超臨界二酸化炭素85gを5分で導入し、温度60℃、19MPa加圧状態で撹拌した。 撹拌の回転数は50rpmとし、HPLCを使用して1.6mL/minの搬送速度容器内に水5mLを導入して均一に分散させ、W/O型エマルション溶液を得た。

0100

別に用意した500mLの攪拌機付き耐圧容器にて、DPPC(日本油脂製)0.25g、コレステロール(日本油脂製)0.10g、“DSPE−PEG−OMe”0.02gと“DSPE−PEG−COOH”0.008gとを、エタノール 14.3mLに溶解後、さらに水445gを添加して密閉し、超臨界二酸化炭素を適量導入して、温度60℃、8MPa加圧状態とした。回転数は59rpmで撹拌しながら、HPLCを使用して上記W/O型エマルション溶液を10mL/minの搬送速度で500mLの攪拌機付き耐圧容器に導入した。200mLの撹拌機付き耐圧容器中のW/O型エマルションを35分かけてすべて搬送したのち、減圧して二酸化炭素を排出し、リポソーム溶液を得た。

0101

(2)トランスフェリンの導入 上記(1)で得られたリポソーム溶液に、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノ-プロピル)カルボジイミド塩酸50mgと、N-ヒドロキシスルホスクシンイミド100mgとを加え、室温で10分間放置した後、トランスフェリン200mgを加え、室温で3時間撹拌した。200,000×gで30分間遠心分離し、沈殿物を9%ショ糖溶液に再懸濁した。続いて、クエン酸鉄−クエン酸ナトリウムを加え、室温で15分間撹拌した。これを200,000×gで30分間遠心分離し、沈殿物を9%ショ糖溶液に再懸濁した。

0102

得られたリポソーム溶液をエバポレータで減圧下、40℃の湯浴上で、溶媒除去を行った。得られた水溶液を凍結乾燥して粉末状のリポソームを得た。

0103

(3)siRNA内包リポソームの製造 上記(2)で得られた粉末状のリポソーム80mgを、ホタルルシフェラーゼ遺伝子発現を抑制するsiRNA(1mg,Dharmacon社製商品名「siRNA-Luc+」)の水溶液5mlで水和、混合し、siRNA内包リポソームを製造した。

0104

RNAi効果比較試験 24穴ポリスチレン製細胞培養プレートファルコン社製)に、ヒト肝癌細胞(HuH-7cell)を5×104cell/well播種し、24時間培養した後、「LipofectAMINE」(Invitrogen社製、1.22μL/well)を用い、ホタルルシフェラーゼプラスミドDNA(Promega社製「pGL-3」、0.084μg/well)およびウミシイタケルシフェラーゼプラスミドDNA(Promega社製「pRL-TK」、0.75μg/well)のレポーター遺伝子を、OptiMEM(Invitrogen社製)中で細胞にトランスフェクションした。

0105

つづいて、上記実施例3、比較例3、実施例4および実施例5により得られたリポソームを再水和した溶液(siRNA濃度、100 mM)を添加し、24時間10%血清存在下で細胞に接触させた。

0106

その後、細胞を回収し、「Dual Luciferase Reporter Assay System」(Promega社製)により、上記レポーター遺伝子の発現量を測定した。そして、ホタルルシフェラーゼ発現量/ウミシイタケルシフェラーゼ発現量([pGL]/[pRL])の値により、RNAi効果を比較した。結果は表4の通りである。

0107

0108

以上の培養細胞による評価実験では、培養細胞で活性になった2種類のプラスミドから放出されるレポーター遺伝子、すなわちホタルルシフェラーゼ遺伝子およびウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子のうち、前者の発現量が優位に低下していることが、遺伝子の産物であるタンパク質の発現量([pGL]および[pRL])の比較により示された。そして、ホタルルシフェラーゼ遺伝子の発現量が優位に低下するそのレベルの大小は、ホタルルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAの絶対量に左右される。すなわち、[pGL]/[pRL]の値(%)が高いほど、ホタルルシフェラーゼ遺伝子の発現量が高く、siRNAの絶対量が少ない(siRNAの内包率が低い)と言える。逆に[pGL]/[pRL]の値(%)が低いほど、ホタルルシフェラーゼ遺伝子の発現量が低く、siRNAの絶対量が多い(siRNAの内包率が高い)と言える。そこで、表4の結果は、siRNAのみを培養細胞に接触させた場合はsiRNAのよく知られた不安定性による分解・絶対量低下のために遺伝子発現量低下はわずか(100%−82%=18%)なのに対し、実施例4,5はリポソーム内でsiRNAが安定に存在するために遺伝子発現量低下が大きくなったと解される。さらに、比較例3に比べ実施例3はリポソーム内のsiRNAの絶対量が多いために、遺伝子発現量低下が大きくなったと解される。


ページトップへ

Do you need an accurate translation of this document?

Request for estimate

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある課題・分野

将来の市場規模・変化の兆しを知りたい方- 課題視点で見る -

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

( 分野番号表示ON )※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

Do you need an accurate translation of this document?

Request for estimate

新着 最近公開された関連が強い技術

この技術と関連性が強い技術

この技術と関連性が強い法人

この技術と関連性が強い人物

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)、及び、法人情報を提供している企業からの情報を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ

法人情報…有価証券報告書、財務諸表(XBRL)、企業データ提供会社情報(ヒアリング、企業コーポレートサイト等)

「SNS上の友人」や「同僚・知人」に、このページをお勧めできそうな方はいませんか?