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カテゴリー:日本 - 化学,冶金 ( 世界での技術分布を見る )

世界でのこの技術分類の技術分布

技術 噴霧熱分解装置の反応室及び噴霧熱分解装置

出願人 発明者
出願日 2008年7月9日 (6年3ヶ月経過) 出願番号 2008-179404
公開日 2010年1月28日 (4年9ヶ月経過) 公開番号 2010-018466
登録日 2013年9月20日 (1年1ヶ月経過) 登録番号 5368740
特許期限 2028年7月9日 (残13年8ヶ月) 状態 特許維持
技術分野
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課題

より実用的な噴霧熱分解装置用の反応室を提供する。

解決手段

原料ミスト熱分解する噴霧熱分解装置のための反応室を、ミストMを、ミストを加熱するための加熱手段10に対してより遠位部位からより近位部位へと移送可能な移送経路4を備えるようにする。こうした反応室2によると、反応室2内に形成される温度分布を利用してミストの熱履歴を均一化できる。

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背景

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セラミックス金属粉末合成方法として噴霧熱分解法が知られている。噴霧熱分解法は、セラミックスや金属原料液ミスト化し、このミスト原料熱分解温度以上の雰囲気ガス流とともに供給して、溶媒蒸発金属塩析出及び熱分解を経て、セラミックス又は金属粉末を得る。噴霧熱分解方法によれば、粒度分布揃いほぼ球状の微粒子合成でき、たとえば、固体酸化物形燃料電池電極用微粒子合成法として有用である。一方、粒子合成速度が低く量産化が困難であるという問題がある。

噴霧熱分解方法を実施する噴霧熱分解装置としては、例えば、管状の反応室複数加熱帯区画して温度勾配を設けることが行われている(特許文献1、2)。

これらの噴霧熱分解装置は、いずれも図11に示すように、原料液をミスト化するミスト化ユニットと、ミストを加熱して原料を熱分解するため雰囲気を形成する反応ユニットと、反応ユニットから排出される粉末回収する回収ユニットと、前記反応のための雰囲気にミストを供給するとともに前記反応雰囲気から合成粉末を回収するためのガス流を形成するキャリアガス供給ユニットと、を備えている。反応ユニットは、通常、周囲にヒーターを備える単管状の反応室構造を有しており、一方の開口からキャリアガスによってミストが供給され他方の開口からミストが排出されるようになっている。

特開平5−253469号公報 特開平11−71601号公報

概要

より実用的な噴霧熱分解装置用の反応室を提供する。原料のミストを熱分解する噴霧熱分解装置のための反応室を、ミストMを、ミストを加熱するための加熱手段10に対してより遠位部位からより近位部位へと移送可能な移送経路4を備えるようにする。こうした反応室2によると、反応室2内に形成される温度分布を利用してミストの熱履歴を均一化できる。

目的

そこで、本発明は、より実用的な噴霧熱分解装置用の反応室、反応ユニット及び噴霧熱分解装置を提供することを一つの目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項

以下の情報は公開日時点(2013年9月20日)のものです。

請求項1

原料ミスト熱分解する噴霧熱分解装置のための反応室であって、前記ミストを、前記ミストを加熱するための加熱手段に対してより遠位部位からより近位部位へと移送可能な移送経路備える、反応室。

請求項2

前記遠位部位は、前記加熱手段によって囲繞される被加熱空間中央部又はその近傍であり、前記近位部位は反応室の外周部又はその近傍である、請求項1に記載の反応室。

請求項3

前記移送経路は前記ミストが段階的に前記近位部位に近接するように形成されている、請求項1又は2に記載の反応室。

請求項4

前記移送経路は、前記加熱手段に対して異なる距離離間した複数流路がそれぞれ最も近接する他の前記流路とその一部において連通された多重管構造を有する、請求項3に記載の反応室。

請求項5

前記多重管構造の前記複数の流路が、前記ミストが前記複数の流路を交互に逆方向に移送するように連通されている、請求項4に記載の反応室。

請求項6

噴霧熱分解装置において原料のミストを熱分解する反応ユニットであって、請求項1〜5のいずれかに記載の反応室と、該反応室を加熱する加熱手段と、を備える、反応ユニット。

請求項7

噴霧熱分解装置であって、原料をミスト化して原料ミストを形成するミスト化ユニットと、請求項6に記載の反応ユニットと、前記反応室から排出される反応生成物回収する回収ユニットと、前記ミストを前記反応室に供給するキャリアガス供給ユニットと、を備える、装置。

請求項8

セラミックス粉末製造方法であって、前記セラミックス粉末の原料のミストを準備する工程と、前記ミストを所定温度に加熱された請求項1〜5のいずれかに記載の反応室に供給して熱分解する工程と、前記反応室から前記熱分解工程の反応生成物を回収する工程と、を備える、製造方法。

請求項9

前記熱分解工程は、前記ミストを昇温態様温度勾配下で熱分解する工程である、請求項8に記載の製造方法。

詳細

以下の情報は 公開日時点 (2013年9月20日)のものです。

技術分野

0001

本発明は、噴霧熱分解装置反応室反応ユニット及び噴霧熱分解装置に関する。


背景技術

0002

セラミックス金属粉末合成方法として噴霧熱分解法が知られている。噴霧熱分解法は、セラミックスや金属原料液ミスト化し、このミスト原料熱分解温度以上の雰囲気ガス流とともに供給して、溶媒蒸発金属塩析出及び熱分解を経て、セラミックス又は金属粉末を得る。噴霧熱分解方法によれば、粒度分布揃いほぼ球状の微粒子合成でき、たとえば、固体酸化物形燃料電池電極用微粒子合成法として有用である。一方、粒子合成速度が低く量産化が困難であるという問題がある。

0003

噴霧熱分解方法を実施する噴霧熱分解装置としては、例えば、管状の反応室を複数加熱帯区画して温度勾配を設けることが行われている(特許文献1、2)。

0004

これらの噴霧熱分解装置は、いずれも図11に示すように、原料液をミスト化するミスト化ユニットと、ミストを加熱して原料を熱分解するため雰囲気を形成する反応ユニットと、反応ユニットから排出される粉末回収する回収ユニットと、前記反応のための雰囲気にミストを供給するとともに前記反応雰囲気から合成粉末を回収するためのガス流を形成するキャリアガス供給ユニットと、を備えている。反応ユニットは、通常、周囲にヒーターを備える単管状の反応室構造を有しており、一方の開口からキャリアガスによってミストが供給され他方の開口からミストが排出されるようになっている。

0005

特開平5−253469号公報 特開平11−71601号公報


発明が解決しようとする課題

0006

噴霧熱分解法によってセラミックス粉末等を量産化可能に効率よく生産する手段の一つとして、反応室のスケールアップが考えられる。

0007

しかしながら、反応室の管径を大きくすると、組成粒径分布均質な合成粉末を得ることが困難になってしまうことがわかった。本発明者らの検討によれば、こうした不均質化は、反応室の大径化により半径方向での温度分布が生じ、それにより、ミストの通過部位により温度履歴相違することによるものであることがわかった。

0008

そこで、本発明は、より実用的な噴霧熱分解装置用の反応室、反応ユニット及び噴霧熱分解装置を提供することを一つの目的とする。


課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、反応室の大径化に伴う半径方向の温度分布を緩和するよりも、敢えてこの温度分布を利用して原料ミスト熱履歴を均一化できるという知見を得た。本発明者らは、これらの知見に基づき本発明を完成した。すなわち、本発明によれば、以下の手段が提供される。

0010

本発明によれば、原料のミストを熱分解する噴霧熱分解装置のための反応室であって、前記ミストを、前記ミストを加熱するための加熱手段に対してより遠位部位からより近位部位へと移送可能な移送経路を備える、反応室が提供される。

0011

本発明の反応室においては、前記遠位部位は、前記加熱手段によって囲繞される被加熱空間中央部又はその近傍であり、前記近位部位は反応室の外周部又はその近傍とすることができる。また、前記移送経路は前記原料ミストが段階的に前記近位部位に近接するように形成されていてもよいし、連続的に前記近位部位に近接するように形成されていてもよい。また、前記移送経路は、前記加熱手段に対して異なる距離離間した複数の流路のそれぞれがその一部において最も近接する他の前記流路と連通された多重管構造を有していてもよい。さらに、この態様において、前記多重管構造の前記複数の流路が、原料ミストが前記複数の流路を交互に逆方向に移送するように連通されていてもよい。

0012

本発明によれば、噴霧熱分解装置において原料のミストを熱分解する反応ユニットであって、上記いずれかに記載の反応室と、該反応室を加熱する加熱手段と、を備える、反応ユニットが提供される。

0013

本発明によれば、噴霧熱分解装置であって、原料をミスト化して原料ミストを形成するミスト化ユニットと、上記反応ユニットと、前記反応室から排出される反応生成物を回収する回収ユニットと、前記原料ミストを前記反応室に供給するキャリアガス供給ユニットと、を備える、装置が提供される。

0014

本発明によれば、セラミックス粉末の製造方法であって、前記セラミックス粉末の合成原料のミストを準備する工程と、前記ミストを所定温度に加熱された請求項1〜5のいずれかに記載の反応室に供給して熱分解する工程と、前記反応室から前記熱分解工程の反応生成物を回収する工程と、を備える、製造方法が提供される。この製造方法においては、前記熱分解工程は、前記ミストを昇温態様温度勾配下で熱分解する工程としてもよい。


発明を実施するための最良の形態

0015

本発明は、噴霧熱分解装置用の反応室、該反応室を有する噴霧熱分解装置用の反応ユニット及び噴霧熱分解装置に関する。本発明の噴霧熱分解装置用の反応室は、原料のミストを、該ミストを加熱するための加熱手段に対してより遠位部位からより近位部位へと移送可能な移送経路を備えることができる。このようなミスト移送経路を備えるため、反応室を大径化するのに伴って生じる反応生成物の品質の低下を回避又は抑制できる。したがって、本発明によれば、噴霧熱分解法により効率的に反応生成物を製造することができる。

0016

本発明の反応室のミスト移送経路による作用の概略を図1に示す。図1(a)に示すように、反応室を大径化すると、図1(b)及び図1(c)に示すように、反応室内キャリアガス流があるとき反応室内における加熱手段からの距離の相違によって反応室内に温度分布が形成されやすくなる。すなわち、反応室のミスト供給口からの距離が同一であっても、ミスト粒子存在する位置(加熱手段から遠いか近いか)によりミストが受け取る熱量が異なりやすくなる。このため、反応室を通過するミストの通過軌跡によりミストが受ける熱履歴が異なってしまう。この結果、ミストの受ける熱履歴が不均一化し、得られる反応生成物の品質をコントロールできなくなり、反応生成物の品質が低下してしまう。しかしながら、本発明の反応室は、図1(d)及び図2に示すように、加熱手段10に対してより遠位部位からより近位部位にミスト移送可能な移送経路を備えているため、ミストは、加熱手段からの距離に応じて形成される温度分布の低温部分から高温部分へと移送され、温度分布の特定温度部位のみを移送されるのが回避されている。したがって、本発明によれば、スケールアップ等により反応室内において温度分布が形成されやすくなっても、ミストの受ける熱履歴の不均一化が回避又は抑制される。よって、上記のとおり、本発明によれば、噴霧熱分解法により効率的に反応生成物を製造できる。

0017

また、本発明の反応室によれば、ミストは加熱手段に対してより遠位部位からより近位部位に、すなわち、反応室内に形成される可能性のある温度分布の低温部位から高温本部位に移送される。このため、ミストは、加熱手段により徐々に加熱されることになり、昇温態様の温度勾配で加熱され熱分解されることになる。また、反応室内を複数の加熱帯に分離して温度勾配を形成しなくても昇温態様の温度勾配により加熱されることになる。したがって、本発明の反応室によれば、昇温態様の温度勾配による反応制御を容易に実現可能となっている。さらに、本発明の反応室によれば、移送経路の態様のほか、流量、加熱手段による温度制御組み合わせることで従来にないより精度よくしかも複雑な温度制御が可能となり、より高度な反応生成物の組成、粒径及び構造制御が可能となる。

0018

以下、本発明の各種実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、既に述べたように、本発明の反応室のミスト移送経路による作用の概略を示す図であり、図2は、本発明の反応室及び反応ユニットの一例を示す図であり、図3は、ミスト移送態様の例を示す図であり、図4は、図1に示す、段階的に連続的にミストを移送する移送経路を構成する多重間構造の一例を示す図であり、図5は、段階的にミストを移送する移送経路の他の一例を示す図であり、図6は、連続的にミストを移送する移送経路の一例を示す図であり、図7は本発明の噴霧熱分解装置の一例を示す図である。

0019

(反応室) 図2に示すように、本発明の反応室2は、ミストMを熱分解するために加熱手段10によって加熱される被加熱空間12内にあり、原料のミストMを移送する移送経路4を備えている。被加熱空間12にある反応室2の内部は、移送経路4によってミストMが移送される経路が規定されている。反応室2及び移送経路4を構成する隔壁は、アルミナムライト等、必要に応じた耐熱性を有するセラミックスの他、ガラス、金属、樹脂等を用いることができる。

0020

加熱手段10は、必ずしも移送経路4に一体化されているものではないが、後述する噴霧熱分解装置30及びそのための反応ユニット20に備えられる。加熱手段10は、内側に反応室2を配置し囲繞できるような被加熱空間12を形成している。加熱手段10は、通常、反応室2内部を均一に加熱するために、反応室2内の外周に沿って均等に備えられている。

0021

移送経路4は、ミストMを加熱するための設置される加熱手段10に対してより遠位部位から近位部位にミストMを移送可能に形成されている。上述の加熱手段10の配置形態に基づくと、加熱手段10に対してより遠位部位とは、多くの場合、反応室2の奥側、すなわち、中央部又はその近傍である。また、加熱手段10に対してより近位な部位とは、多くの場合、反応室2の内部であってその外周側又はその近傍である。図1に示すように、加熱手段10に対してより遠位部位では、可能性ある温度分布のより低温部分に相当し、より近位部位は可能性ある温度分布のより高温部分に相当することになる。

0022

移送経路4の形態は特に限定されない。結果として、あるいは全体として、より遠位部位(より低温部分)から近位部位(より高温部分)に移送されていれば足りる。より具体的には、反応室2の中央部近傍から外周部近傍に移送されていれば足りる。例えば、移送距離(又は移送時間)を横軸とし、加熱手段10からの距離を縦軸とする移送態様としては、図3に示すような各種の態様及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。すなわち、移送経路4は図3(a)に示すように、移送距離の増大に応じて段階的に近位部位に近接する移送態様が挙げられる。この移送態様によれば、図3(b)に示すように、移送距離の増大に応じて温度が段階的に上昇する昇温態様を実現することができる。また、図3(c)に示すように移送距離の増大に応じて連続的に近位部位に近接する移送態様が挙げられる。この移送態様によれば、図3(d)に示すように、移送距離に応じて連続的に温度が上昇する昇温態様を実現することができる。さらに、図3(e)に示すように、移送距離の増大に対して連続的に近位部位に近接する態様と段階的に近位部位に近接する態様とを組み合わせた態様が挙げられる。この移送態様によれば、図3(f)に示すように、移送距離に応じて温度が連続的に上昇する態様と段階的に上昇する昇温態様を実現することができる。

0023

段階的な移送態様の移送経路4としては、例えば、図2に示すような反応室2の多重管構造が挙げられる。この態様では、移送経路4は、加熱手段10に対して異なる距離で配置される複数の流路6が連通されて形成されている。より具体的には、複数の流路6がそれぞれ最も近接する他の流路6とその一部において連通された多重管構造を有している。このような多重管構造によると、ミストは、一定距離一定時間)を、加熱手段10から同一距離にある一の流路6を移送された後、連通部位7にて異なる距離(より近位部位)にある隣の流路6に移動する。こうした多重管構造は、ミストMをより長い時間かけて加熱分解するのに適している。特に、図2に示すように、加熱手段10によって囲繞されて形成される被加熱空間12が一定方向に長く伸びるように備えられている場合、被加熱空間12の長手方向に沿って各流路6を形成することで各流路6の長さも長くすることができる。また、このような場合において、各流路6が加熱手段10の長手方向の端部側で隣の流路6に連通されると、結果として、ミストMが複数の流路6を交互に逆方向に移送されることになる。このような移送経路4を確保することで十分な移送距離(時間)を得ることができる。

0024

図2に示す多重管構造は、例えば、図4に示すように、複数の片側に底部を有していてもよい管状体14、15、16で構築できる。これらの管状体14、15、16は、それぞれ流路に対応している。管状体14、15、16は、いずれも耐熱性等の観点からセラミックス製であることが好ましい。こうした管状体14〜16のうち、最も近位部位(中央部側)にある管状体14が、金属製等の固定手段に対してセラミックス製の固定手段Aにより固定されている。管状体14の図4下端の開口は、反応室2へのミストMの供給口であり、移送経路4の開始端である。管状体14の図4中上端開口は、セラミックス製固定手段Bにより固定されるとともに封止されている。さらに、封止部位の近傍には連通部位となるスリット状の開口14aが形成されている。管状体14のすぐ外側には、底部を有する管状体15が備えられている。管状体15は、管状体14の上端部を封止したセラミックス製固定手段Bがその底部に挿入されて固定されている。管状体15の下端開口は、セラミックス製固定手段Aに固定されるとともに封止されている。管状体15の封止部位の近傍には連通部位となるスリット状の開口15aが形成されている。管状体15のさらに外側に管状体16が備えられている。底部を有しない管状体16は、その下端側がセラミックス製固定手段Aで固定及び封止されているとともに、上端側は開放されている。管状体16の上端開口は、反応室2からのミストMの排出口であり、移送経路4の終端でもある。

0025

また、段階的な移送態様の移送経路4の別例を図5に示す。図5に示す態様では、図1に示す態様とは異なり、加熱手段10で囲繞されて形成される被加熱空間12内を周方向に沿ってミストMを移送する移送経路4が形成されている。この移送経路4は、例えば、周方向でのミストMの移送を誘導するように、各流路6の周方向の端末を封止するとともに、その近隣の流路6への連通部位7を備えている。こうした態様は、より短時間でミストMを分解するのに適している。こうした態様は、また、反応室2が扁平な場合には、移送距離を確保しやすい。

0026

連続的な移送態様の移送経路4としては、例えば、図6に示すスパイラル状の移送経路4が挙げられる。この態様では、反応室2内を周方向に沿ってスパイラル状にミストMが移送される。スパイラル状の移送経路によれば、図3(d)に示す昇温態様を容易に実現することができる。また、このようなスパイラル状の移送経路4を複数個重ねるとともに、重ねた移送経路4毎に徐々に設定温度の高い加熱手段10を組み合わせることにより、図3(e)に示す移送経路を構築でき、図3(f)に示す昇温態様を容易に実現することができる。

0027

本発明の反応室2は、移送経路4の各種態様と、流量制御及び加熱手段の温度制御により、ミストMに対する熱履歴を高度に調整することができる。本発明の反応室2によれば、移送経路6を、ミストMを、加熱手段10に対して遠位部位から近位部位まで移送するため、昇温態様の温度勾配を容易に構成できるが、加えて、流量制御や加熱手段の温度制御(異なる温度帯の形成等)により、より細かく温度勾配を制御することも可能である。熱履歴の均質化組成、粒径及び粒子構造を精度よく制御できる。

0028

反応室2へのミストMの供給口と排出口は、移送経路4の形態に応じて適宜決定される。排出口では、反応生成物の粒子捕集するため、供給口と排出口とは排出口での捕集を妨げない程度に離間されていることが好ましい。

0029

(噴霧熱分解装置の反応ユニット) 本発明の噴霧熱分解装置において原料のミストを熱分解する反応ユニット20は、本発明の反応室2と、前記ミストを加熱するための加熱手段10と、を備えることができる。こうした反応ユニット20によれば、従来の噴霧熱分解装置の反応ユニットに替えて用いることで効率的に噴霧熱分解法によりセラミックス粉末などを製造できる。なお、本発明の反応ユニット20における反応室2は、既に説明した本発明の反応室2の各種実施態様をそのまま適用できる。加熱手段10は、ミストMを熱分解できる程度に加熱可能な加熱装置であればよい。

0030

(噴霧熱分解装置) 本発明の噴霧熱分解装置30は、図7に示すように、ミスト化ユニット32と、反応室2と、加熱手段10と、反応生成物を回収する回収ユニット34と、キャリアガス供給ユニット36と、を備えている。本発明の噴霧熱分解装置30によれば、本発明の反応室2を備えているため、効率的に均質な反応生成物を得ることができる。また、熱分解にあたり、昇温態様での温度勾配を容易に付与できるため、組成、粒径及び粒子構造がよく制御された均質な反応生成物を得ることができる。なお、本発明の噴霧熱分解装置30における反応室2としては、既に説明した本発明の反応室2の各種態様をそのまま適用できる。加熱手段10は、ミストMを熱分解できる程度に加熱可能な加熱装置であればよい。

0031

ミスト化ユニット32は、合成原料の溶液又は懸濁液をミスト化するものである。ミスト化ユニット32におけるミスト化手法は特に限定されないが、例えば、噴霧ノズルを用いたノズル式超音波方式などが挙げられる。二流体ノズル圧力噴霧ノズルなどノズル方式や超音波方式を採用するにあたっても、各種態様を採ることができる。回収ユニット34は、反応生成物を捕集できれば特に限定されないが、典型的には、集塵手段等が利用される。キャリアガス供給ユニット36は、反応室2に所要量のミストMを供給可能に構成される。キャリアガスは外気又は特定ガス源からのガスを用いてもよい。キャリアガスの供給手法は特に限定されない。ミスト化ユニット32におけるミスト生成時の噴射ノズルによる吸気を利用して外気等を取り込むものであってもよいし、送気ポンプでキャリアガスを供給してもよい。なお、図7に示す例では、キャリアガス供給ユニット36をミスト導入側に形成したが、これに限定するものではなく、回収ユニット34の下流に設けることもできる。

0032

本発明の噴霧熱分解装置30は、金属酸化物であるセラミックス粉末の合成に好ましく用いることができる。例えば、固体酸化物形燃料電池の燃料極材料及び燃料極支持体材料の粉末の合成に適している。

0033

本発明のセラミックス粉末の製造方法は、セラミックス粉末の原料のミストを準備する工程と、ミストを所定温度に加熱された反応室に供給して熱分解する工程と、反応室から前記熱分解工程の反応生成物を回収する工程と、を備えることができる。本発明の製造方法は、本発明の反応室を用いており、このため、効率的に均質な反応生成物を得ることができる。また、熱分解工程を、ミストを昇温態様の温度勾配下で熱分解する工程とするとき、その温度制御を、移送経路の形態、流量、加熱温度等で制御できるため、組成、粒径及び粒子構造がよく制御された均質な反応生成物を得ることができる。

0034

以下、本発明を実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。

0035

(反応室内部の半径方向における温度分布の確認本実施例では、図5 に示す構造の反応室を作製して熱分解反応装置を構成し、キャリアガスの供給時非供給時における反応室内部温度を、加熱手段からの距離の異なる部位、すなわち、反応室中心部(第1の管状体内部)、中間部(第1の管状体と第2の管状体の間)及び外周部(第2の管状体及び第3の管状体の間)で測定した。なお、図5に示す反応室の多重管構造は、最内部の管状体としてアルミナ製の管状体、中央部及び最外部の管状体としてムライト製の管状体を用いた。加熱温度は、500℃、650℃及び800℃とし、キャリアガスの移動方向において温度勾配は付与しなかった。また、キャリアガス流量は60L/分とした。結果を、図8に示す。

0036

図8に示すように、いずれの加熱温度であっても、キャリアガスの非供給時には反応室中心部、中間部及び外周部で温度はほぼ同等であったが、キャリアガス供給時には、中心部で最も低く、次いで中間部、さらに外周部で高温となっていた。すなわち、反応室の外周側に設置した加熱手段に対する距離に応じて反応室内部において温度分布が形成されていた。

0037

本実施例では、実施例1で利用した熱分解反応装置を用いて、図4に示す構造の反応室を作製して、キャリアガスの供給時と非供給時における反応室内部温度を、ミスト供給口からの距離に加熱手段からの距離の異なる部位(計6箇所)で測定した加熱温度は、500℃、650℃及び800℃とし、キャリアガスの移動方向において温度勾配は付与しなかった。また、キャリアガス流量は60L/分とした。結果を、図9に示す。

0038

図9に示すように、いずれの加熱温度であっても、キャリアガスの非供給時には加熱温度に応じて均一に加熱されていた。これに対して、キャリアガス供給時には、ミスト供給口付近で低く、排出口付近で高くなっていた。すなわち、キャリアガスの流れ方向に温度勾配が形成されていた。具体的には、第1管の内部では、その下段より上段が温度が高く、第1管から第2管では、その上段より下段が温度が高く、第2管から第3管では、その下段より上段が温度高くなっていた。

0039

本実施例では、燃料極材料として、Ni/SDC(SDC:Ce0.8Sm0.2O2、Ni:SDC=6/4(体積比))の合成粉末(複合粒子)を、実施例1で用いた多重管構造の噴霧熱分解法にて合成した。複合粒子は原料塩として、硝酸ニッケル酸化サマリウム及び硝酸セリウムを用いた。これらの原料塩を、上記組成となるような比率調合し、これらを硝酸溶解した後、さらに純水を加えて濃度調製して、噴霧熱分解用の試料液を調製した。噴霧熱分解法は、熱分解温度800℃、に加熱した電気炉の中に実施例1の多重管構造の反応管をいれ、その中に試料溶液のミストを低温側から導入して合成した。)、キャリアガスとして60L/分の空気を用いて行った。なお、比較例として反応管として従来の単管を用いる以外は実施例と同様に操作し、合成粉末を得た。これら2種類の合成粉末についての熱分析結果を図10A及び図10Bに示す。

0040

図10Aに示すように、多重管構造の反応管で合成した粉末については、昇温工程及び降温工程のいずれにおいても、原料などの夾雑物を示すピーク観察されず、原料の熱分解が完了していることがわかった。これに対して、図10Bに示すように、従来の単管構造の反応管で合成した粉末については、その昇温工程の300℃近傍にて異常な熱流量ピークが観察され、それと対応して重量減少が認められた。このことは、原料として用いた硝酸塩あるいは酢酸塩が熱分解せずに残っていたことを示しており、反応管内部だけを通過したミストには熱が均一に伝わっておらず、不十分にしか加熱されていないミストがあることがわかった。

0041

以上のことから、多重管構造等を有する本発明の噴霧熱分解装置によれば、ミストの熱履歴を均一化し、ミスト全体を意図したように十分に加熱できることがわかった。

0042

上より、本発明が提案する多重管構造を有する反応管は大口径反応管を用いた場合でも噴霧熱分解合成に適した温度分布を得ることが可能であることが分かった。


図面の簡単な説明

0043

本発明の反応室のミスト移送経路による作用の概略を示す図である。 本発明の反応室及び反応ユニットの一例を示す図である。 ミスト移送態様の例(a)、(c)及び(e)並びにこれらに対応する昇温態様(b)、(d)及び(f)を示す図である。 図1に示す反応室を構成する多重管構造の一例を示す図である。 近位部位に対して段階的にミストを移送する移送経路の他の一例を示す図である。 近位部位に対して連続的にミストを移送する移送経路の一例を示す図である。 本発明の噴霧熱分解装置の一例を示す図である。 キャリアガス供給時及び非供給時における反応室内部の加熱手段に対する距離の異なる部位での温度測定結果を示す図である。 キャリアガス供給時及び非供給時における反応室内部のミスト供給口からの距離の異なる部位での温度測定結果を示す図である。 多重管構造の反応管を用いた噴霧熱分解による合成粉末の熱分析結果を示す図である。 単管構造の反応管を用いた噴霧熱分解による合成粉末(比較例)の熱分析結果を示す図である。 従来の噴霧熱分解装置の一例を示す図である。


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0044

2 反応室、4 移送経路、6 流路、7 連通部位、10 加熱手段、12 被加熱空間、20 反応ユニット、30 噴霧熱分解装置、32 ミスト化手段、34 回収手段、36 キャリアガス供給手段


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