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カテゴリー:日本 - 生活必需品 ( 世界での技術分布を見る )

世界でのこの技術分類の技術分布

技術 細胞バリア機能障害の調整

課題・解決手段

本発明は、内皮細胞および上皮細胞バリア疾患および障害のような、細胞バリア疾患および障害を治療するために、μ-オピオイド受容体アンタゴニスト投与するための予防方法および治療方法を提供する。急性肺損傷アテローム性動脈硬化、腸由来敗血症熱傷新生児壊死性腸炎重症の好中球減少中毒性大腸炎炎症性腸疾患、腸疾患、移植拒絶反応嚢炎ピッグリー(ピッグベル)、シュードモナス属を介した眼科感染、シュードモナス属を介した科感染およびシュードモナス属を介した皮膚感染のような炎症を含む疾患または障害に、この方法が適用可能であってもよい。より一般的に、予防方法および治療方法に適用可能なものとして、上皮細胞バリア障害が検討される。疾患および障害は、緑膿菌のような病原菌を含む微生物病原体によって誘導されてもよい。本発明は、細菌のPA-Iレクチン/アドヘシン発現阻害および細菌のMvfR活性レベルの阻害ための、予防方法および治療方法をさらに提供する。さらに、医薬製品において、μ-オピオイド受容体アンタゴニストを本明細書において記述された方法の用途のために使用する方法が提供される。

背景

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概要

本発明は、内皮細胞および上皮細胞バリア疾患および障害のような、細胞バリア疾患および障害を治療するために、μ-オピオイド受容体アンタゴニスト投与するための予防方法および治療方法を提供する。急性肺損傷アテローム性動脈硬化、腸由来敗血症熱傷新生児壊死性腸炎重症の好中球減少中毒性大腸炎炎症性腸疾患、腸疾患、移植拒絶反応嚢炎ピッグリー(ピッグベル)、シュードモナス属を介した眼科感染、シュードモナス属を介した科感染およびシュードモナス属を介した皮膚感染のような炎症を含む疾患または障害に、この方法が適用可能であってもよい。より一般的に、予防方法および治療方法に適用可能なものとして、上皮細胞バリア障害が検討される。疾患および障害は、緑膿菌のような病原菌を含む微生物病原体によって誘導されてもよい。本発明は、細菌のPA-Iレクチン/アドヘシン発現阻害および細菌のMvfR活性レベルの阻害ための、予防方法および治療方法をさらに提供する。さらに、医薬製品において、μ-オピオイド受容体アンタゴニストを本明細書において記述された方法の用途のために使用する方法が提供される。 なし

目的

例えば、内皮細胞は、血液と下にある血管との間の半選択的なバリアを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項

請求項1

オピオイド誘導性副作用のない被験体に、効果的な量のμ-オピオイド受容体アンタゴニスト投与することを含む、細胞バリア機能障害によって特徴づけられた障害を予防または治療する方法

請求項2

前記オピオイド誘導性の副作用が、オピオイド誘導性の便秘過敏性大腸症候群術後腸閉塞、オピオイド誘導性の悪心、オピオイド誘導性の嘔吐掻痒症尿貯留胃腸管排出の遅れ、胃腸管運動性の減少およびオピオイド誘導性の免疫系抑制から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。

請求項3

細胞が、内皮細胞である、請求項1に記載の方法。

請求項4

細胞が、上皮細胞である、請求項1に記載の方法。

請求項5

μ-オピオイド受容体アンタゴニストが、末梢μ-オピオイド受容体アンタゴニストである、請求項1に記載の方法。

請求項6

μ-オピオイド受容体アンタゴニストが、N-メチルナルトレキソンアルビモパン、ADL 08-0011、ピペリジン-N-アルキルカルボキシレート四級モルフィナンアヘンアルカロイド誘導体および四級ベンゾモルファン化合物から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。

請求項7

四級モルフィナン化合物が、N-メチルナルトレキソン、N-メチルナロキソン、N-メチルナロルフィン、N-ジアリルノルモルヒネ、N-アリルレバロルファンおよびN-メチルナルメフェンの四級塩から成る群から選択される、請求項6に記載の方法。

請求項8

四級ベンゾモルファン化合物が、2'-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-2,2-ジアリル-6,7-ベンゾモルファニウム-ブロミド、2'-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-2-n-プロピル-6,7-ベンゾモルファン、2'-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-2-アリル-6,7-ベンゾモルファン、2'-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-2-n-プロピル-2-アリル-6,7-ベンゾモルファニウムブロミド、2'-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-2-n-プロピル-2-プロパルギル-6,7-ベンゾモルファニウムブロミド、および2'-アセトキシ-5,9-ジメチル-2-n-プロピル-2-アリル-6,7-ベンゾモルファニウムブロミドから成る群から選択される、請求項6に記載の方法。

請求項9

前記被験体が、ヒト患者である、請求項1に記載の方法。

請求項10

少なくとも15キロダルトン平均分子量がある高分子量ポリエチレングリコール様化合物の投与をさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項11

μ-オピオイド受容体アンタゴニストが、非経口、経口、皮下経皮皮下埋め込み筋肉内静脈内鞘内眼内ガラス体内、眼科的脊髄内局所的直腸、経皮、舌下腺、筋肉内、腔内、および鼻孔吸入による送達から成る群から選択された経路によって投与される、請求項1に記載の方法。

請求項12

細胞バリア機能障害によって特徴づけられた障害を発症するリスクを減少させる方法であって、前記障害を発症するリスクがある被験体に、予防に効果的な量のμ-オピオイド受容体アンタゴニストを投与することを含む方法。

請求項13

細胞バリ障害関連した症状を予防または減少させる方法であって、そのような処置を必要とする被験体に、μ-オピオイド受容体アンタゴニストを投与することを含み、前記化合物が前記障害の症状の少なくとも1つを減少させるのに効果的な量で投与される方法。

請求項14

外科的処置が可能な腫瘍を有する患者に、効果的な量のμ-オピオイド受容体アンタゴニストを周術期に投与することを含む、腫瘍細胞転移予防する方法。

請求項15

細菌性病因からの発症または被害のリスクがある被験体に、効果的な量のμ-オピオイド受容体アンタゴニストを投与することを含む、細菌のPA-Iレクチン/アドヘシン発現阻害する方法。

請求項16

細菌性病因からの発症または被害のリスクがある被験体に、効果的な量のμ-オピオイド受容体アンタゴニストを投与することを含む、細菌のMvfRタンパク質活性調節する方法。

請求項17

経上皮細胞電気抵抗を減少または増加を阻害するのに効果的なμ-オピオイド受容体アンタゴニストの量を被験体に投与することを含む、細菌毒素に対する上皮の透過性を減少させるまたは透過性の増加を予防する方法。

請求項18

障害が、腸由来敗血症熱傷新生児壊死性腸炎重症の好中球減少中毒性大腸炎炎症性腸疾患、腸疾患、移植拒絶反応嚢炎ピッグベルシュードモナス属を介した眼科感染、シュードモナス属を介した耳科感染およびシュードモナス属を介した皮膚感染から成る群から選択される、請求項1、12、13、15、16および17のいずれか一項に記載の方法。

請求項19

オピオイド誘導性の副作用のない被験体に、効果的な量の末梢μ-オピオイド受容体アンタゴニストを投与することを含む、μ-オピオイド受容体依存的効果のない細胞バリア機能障害を緩和する方法。

請求項20

末梢μ-オピオイド受容体アンタゴニストが、N-メチルナルトレキソンである、請求項19に記載の方法。

請求項21

細胞バリア機能障害が、トロンビンおよび細菌性脂質多糖体から成る群から選択された誘発剤によって誘導される、請求項19に記載の方法。

請求項22

プロテインフォスファターゼが、前記細胞で活性化される、請求項19に記載の方法。

請求項23

S1P3受容体リン酸化が減少される、請求項22に記載の方法。

請求項24

受容体蛋白質チロシンホスファターゼμが活性化される、請求項22に記載の方法。

請求項25

オピオイド誘導性副作用のない被験体に、効果的な量の末梢μ-オピオイド受容体アンタゴニストを投与することを含む、S1P3受容体のトランス活性化によって誘導された細胞バリア機能障害を緩和する方法。

請求項26

末梢のμ-オピオイド受容体アンタゴニストが、N-メチルナルトレキソンである、請求項25に記載の方法。

請求項27

炎症、アテローム性動脈硬化急性肺損傷、腸由来敗血症、熱傷、新生児壊死性腸炎、重症の好中球減少、中毒性大腸炎、炎症性腸疾患、腸疾患、移植拒絶反応、嚢炎、ピッグベル、シュードモナス属を介した眼科感染、シュードモナス属を介した耳科感染およびシュードモナス属を介した皮膚感染から成る群から選択された障害を、治療改善、または予防するための医薬品の調製において、μ-オピオイド受容体アンタゴニストを使用する方法。

請求項28

感染を予防または感染のリスクを低下させる方法であって、そのような処置を必要とする患者に、効果的な量のオピオイド受容体アンタゴニストを投与することを含む方法。

請求項29

患者が、外傷内部損傷手術、急性肺損傷、熱傷または高レベルストレスを有する、または有すると予想される、請求項28に記載の方法。

請求項30

感染が、細菌の日和見感染因子から起こる、請求項28に記載の方法。

請求項31

感染因子が、クロストリジウムディフィシレ(Clostridium dificile)または緑膿菌である、請求項30に記載の方法。

請求項32

炎症を予防または治療する方法であって、そのような処置を必要とする患者に、効果的な量のオピオイド受容体アンタゴニストを投与することを含む方法。

請求項33

炎症患者が、外傷、内部損傷、手術、急性肺損傷、熱傷または感染を有する、または有すると予想される、請求項32に記載の方法。

請求項34

敗血症を予防または治療する方法であって、そのような処置を必要とする患者に、効果的な量のオピオイド受容体アンタゴニストを投与することを含む方法。

請求項35

投与が、周術期である、請求項34に記載の方法。

詳細

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0001

本発明は、国立衛生研究所(NIH)によって与えられた契約番号DE12322、DE00470、R01-GM-62344-01およびDE015830の下で、米国政府援助により行なわれた。米国政府は、本発明に対する一定権利を有する。

0002

関連出願相互参照 本願は、2005年6月3日に出願された米国仮特許出願番号第60/687,568号、2005年10月28日に出願された第60/731,009号、および2006年1月20日に出願された第60/760,851号の利益を主張するものである。本願は、米国を指定国とする、国際的な(PCT)特許出願PCT/US06/07892の優先権の利益も主張する。上記の識別された特許出願の各々は、ここにその全体の参照によって明らかに本明細書において組み入れられる。

0003

技術分野 本発明は、ヒトなどの脊椎動物(例えば哺乳類)を苦しめる障害または疾患に特徴的細胞バリア機能障害の調整におけるオピオイド受容体アンタゴニスト予防的および治療的用途の分野に概して関する。

0004

背景技術 脊椎動物(例えば哺乳類)細胞バリア機能障害は、多細胞生物内部区画化および/またはそのような生物の内部環境外部環境分離に寄与する細胞バリアの透過性に変化をもたらす。典型的には、細胞バリア機能障害は、高等真核生物の血管で見出される内皮細胞の層、または皮膚、および腸を含む、外部環境に露出された組織で見出される上皮細胞の層のような特定の細胞層透過性の増加として示される。ヒトのような脊椎動物を苦しめる様々な障害および疾患は細胞バリア機能障害を含む。総体として、これらの病弊は、ヒトおよび他の動物(例えば飼育動物動物園の動物または外来の動物、ペット)の生活の質に影響し、その上重く漸増する保険費用の一因となる。以下の説明において、細胞バリア機能障害は前述の内皮細胞および上皮細胞を含む様々な細胞タイプ当てはまるという理解とともに、内皮細胞または上皮細胞のような特定の細胞型が説明の容易さのために使用されるだろう。

0005

例えば、内皮細胞は、血液と下にある血管との間の半選択的なバリアを提供する。このバリアの破壊血管透過性の増加と臓器機能不全をもたらす。例えば、炎症過程は、細胞間および細胞基質間接着を減少させることによって、ならびに求心的方向の張力を増加させることによって、巨大分子輸送を増加させ、細胞間ギャップの形成をもたらす。内皮細胞のバリア機能を促進する薬剤は、様々な炎症性疾患アテローム性動脈硬化および急性肺損傷のために望ましい治療方針を提供する。

0006

細胞バリア機能障害は、微生物病原体を含む様々な因子、およびトロンビンイオノマイシンLPS、および同種のものを含む様々な薬剤により引き起こされるか悪化する。緑膿菌(P. aeruginosa)のような微生物病原体は、バリア機能妨害することができる様々なペプチドおよび毒性因子発現することができる。微生物学者は、多くの細菌が環境からの合図反応して毒性遺伝子活性化することを、長い間認識していた。一般に、そのような物理化学的な合図は、酸化還元状態、pH、浸透圧、および同種のものの変化のような、環境ストレスまたは副作用を伝える。例えば、緑膿菌および他の細菌は、レクチン/アドヘシンPA-Iを発現することができる。その環境に依存して、細菌のPA-Iの分布は、主として細胞質内または細胞外のいずれかであり得る。細菌が理想的な増殖条件成長する場合、PA-Iの約85%は細胞内位置し、少ないが有意な量で細胞膜中に、外膜上に、および細胞周辺腔中に位置する。際立って対照的に、ストレスを受け宿主胃管内では、PA-I存在量は増加し、外膜に局在し、腸上皮への緑膿菌の接着を促進する。さらに、遊離したPA-Iが細胞外環境へ脱落し、培養上清および緑膿菌に感染した肺からの両方で25μg/mlもの高濃度検出できるという証拠がある。培養された上皮細胞(例えばT-84、Caco-2bbe、MDCK気管上皮細胞)への25μg/mlの精製PA-Iの投与が、重大な透過性欠損を引き起こすので、この発見はかなり重要である。この緑膿菌の効果は、インビボ腸管でも見られる。緑膿菌が院内感染症例中で単離された最も一般的なグラム陰性菌であり、すべての院内感染の中で最も高い致死率を伴うことが報告されているので、これらの効果は臨床的に重要である。重症患者の腸管内でこの病原体がわずかに存在することは、死亡率の4倍の増加に、遠隔器官への伝搬非依存的に関連する。

0007

緑膿菌の毒性遺伝子発現を活性化する特異的な膜センサーについての研究はほとんどなかったが、CyaB、GacSと呼ばれる緑膿菌の細胞膜の中にある2つのセンサータンパク質は、3つの公知の外部シグナルである、宿主細胞接触、低カルシウムおよびビート種子抽出物に反応することが示された。CyaB(cAMPを介する)およびGacS4(リン酸化を介する)は、転写調節因子のVfrおよびGacAをそれぞれ活性化し、細胞密度感受性PcrAと共に、緑膿菌における毒性遺伝子調節のための2つの中心システムのQSおよびRpoSシグナリングシステムへ、全体的な調節性の影響を及ぼす。マウスにおいて、CyaBおよびGacSの欠損変異株の肺点滴後の致死性は減少した。

0008

種子抽出物および細胞接触のような宿主の細胞要素は、膜バイオセンサーのCyaBおよびGacSを活性化する。これら二成分の膜貫通性の警報装置は、その後、毒性の2つの主要な全体的な調節因子のVfrおよびGacAを活性化する。Vfrは、LasRIの活性化に関与し、今度はQSのRhlRIシステムの活性化を促進する。GacAは、lasRおよびrhlR遺伝子の転写誘導し、rpoSの発現に関与する。最終的に、第3のシステム(PQS)は、RhlRおよびRpoSの両方の発現を誘導する。したがって、膜バイオセンサーのうちのいずれかの活性化は、多くの異なる経路の関与によりPA-Iの発現を導くことができた。

0009

オピオイドは、実質的には身体のすべての組織に分布し、様々なストレス条件に反応して多量放出される大きな化合物グループを含む;例えばダイノルフィンおよびβ-エンドルフィンは、ストレスに続いて、優勢的に放出される内因性オピオイドであるようだ(S. Yoshida, et al., Surg Endosc 14, 137 (2000), C. Sternini, S. Patierno, I. S. Selmer and A. Kirchgessner, Neurogastroenterol Motil 16 Suppl 2, 3 (2004))。モルヒネ様化合物(オピオイド)と同様に、モルヒネおよびモルヒネ誘導体(オピエート)は、世界中で最も広く用いられている鎮痛剤であり、しばしば手術後の養生慢性的疼痛管理、および進行癌患者またはAIDSのような重症患者において、継続的な投薬間隔高用量でも投与される。静脈内に投与されたモルヒネは、100μMという高濃度で腸粘膜のような細菌感染組織部位蓄積することが実証され(P. Dechelotte, A. Sabouraud, P. Sandouk, I. Hackbarth and M. Schwenk, Drug Metab Dispos 21, 13 (1993)) 、腸壁を横切って内腔へと急速に通過することが示された(M. M. Doherty and K. S. Pang, Pharm Res 17, 291 (2000))。したがって、緑膿菌のような日和見病原体(それは3日間入院中に、重症患者の腸の50%以上に存在する)は、内因的に放出されたオピオイド化合物外因的に適用されるオピオイド化合物の両方に曝露されるだろう。腸を越えた細菌の遊出が、腸運動性の減少した、熱傷またはICUの患者に、敗血症率の増大を導びくかもしれないことを、臨床データーは示唆する。

0010

オピオイドと感染の関連は、CCR5受容体発現増加によってオピオイドがヒトマクロファージHIV感染を促進するという証拠を含めて、十分に確立される(Risdahl, et al., J Neuroimmunol 83:4 (1998))。Ho et al., J. Pharm. And Exp. Ther. 307:1158-1162 (2003)。それにもかかわらず、この領域のほとんどの研究は、免疫系に対するオピオイドの抑制効果に注目してきた(Eisenstein, et al., Adv Exp Med Biol 493, 169 (2001))。オピオイドは、細菌除去障害および動物死亡率促進をもたらす様々な免疫細胞の抑制を示したが(Wang, et al., J Leukoc Biol 71, 782 (2002))、オピオイド化合物が、さらに直接細菌の毒性を活性化するかもしれないことは、従来は考慮されてこなかった。

0011

オピオイド、ならびにモルヒネおよびDAMGO([D-Ala2, N-MePhe4, Gly5-ol]、μオピオイドエンケファリン)のようなオピオイドアンタゴニストは、中枢神経系(CNS)および末梢組織にあるmOP-Rに結合する。mOP-Rは内皮細胞と上皮細胞を含む様々な細胞型で発現する。mOP-Rは、単一の遺伝子にコードされたmRNAオルタナティブスプライシング由来する複数アイソフォームを持つGタンパク質共役型受容体である。ナロキソンを含むほとんどのμオピオイド受容体アンタゴニストは、荷電していない状態で存在し、CNS依存的鎮痛効果反転させるように血液脳関門(BBB)通って急速に通過する。しかしながら、MNTXはBBBを透過することができないことで知られる荷電分子である。MNTXおよびノロキシモルフォン(noroxymorphone)(QDNM)の他の四級誘導体の細胞バリア調節に対する効果は、報告されていない。

0012

いくつかの受容体は、細胞(例えば内皮細胞)のバリア機能に関係することが示されてきた。1つの重要な受容体ファミリーは、スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)受容体(Edg(内皮分化遺伝子)受容体とも呼ばれる)である。S1Pは、内皮を含む様々な細胞型で発現される、細胞膜Gタンパク質共役型S1P受容体1(Edg1)、2(Edg5)、3(Edg3)、4(Edg6)および5(Edg8)に結合する。S1P3シグナリングはGi、Gq/11およびG12/13経路に連動し、Rac1よりもはるかに大きな程度までRhoAを活性化するが、ヒト内皮細胞は、Gi経路およびRac1の活性化に連動するS1P1シグナリングにより、S1P1およびS1P3の高発現を示す。Rac1によるS1P1受容体依存的活性化は、血管構造の全体性増進することが示された。対照的に、RhoAのS1P3受容体依存的活性化は、内皮細胞バリアの破壊を調節する可能性がある。

0013

Src(pp60Src、c-Srcチロシンキナーゼ)は、アミノ末端ミリストイル化部位、Src相同(SH)部位(すなわちSH2とSH3)、チロシンキナーゼ触媒ドメインおよび調節性のチロシンリン酸化部位を含む、非受容体型チロシンキナーゼである。Srcの活性化は、内皮細胞バリアの破壊および内皮細胞の収縮を増進する。Srcの阻害は、心筋梗塞後浮腫および組織損傷を減ずる。

0014

チロシンホスファターゼタンパク質(PTP)は、無数の細胞的事象を調節する100以上の遺伝子によってコードされる多様なスーパーファミリーである。肺内皮で高発現する1つのPTPは、受容体様タンパク質のチロシンホスファターゼμ(RPTPμ)である。構造上、RPTPμは、細胞外のMAM(メプリン-A5タンパク質M型-RPTP(RPTPμ)、免疫グロブリン(Ig)様ドメインおよびフィブロネクチン3型(FN3)様ドメイン、ならびに細胞内のPTP触媒ドメインからなる。RPTPμは内皮細胞間結合に局在し、血管構造の全体性を調節する。

0015

インビトロ分析は非常に有用であり、細菌性病因メカニズムについての重要な情報を提供し続けるが、病原体は、感染する間に様々な点で宿主中の根本的に異なるいくつかの環境に出会うので、それらは宿主病原体相互作用のすべての局面を正確に再現することができるとは限らない。結果的に、インビトロの研究で重要に見える遺伝子はインビボで重要ではないかもしれないし、インビトロの分析で重要でなく見える遺伝子は自然感染の間に重大な役割を果たすかもしれない。更に、細菌の機能的なゲノムのおよそ3分の1が差異的に調節されていることにから判断されるように、固形アガー表面増殖する細菌は、培養液中で増殖する細菌とは著しく異なる生理状態を有することが最近示された。したがって、生育環境およびホスト環境変数について制御する実験が、今やデザインされなければならないし、その上、ストレスを受けたマウスのような従来のモデルで可能でない遺伝子発現パターンおよび表現型分析の測定を同時に可能にしている。

0016

重症の敗血症は引き続き重症患者の中で死亡率の一番の原因である全身性の免疫反応の調節性のアームを減少させる介入臨床的な失敗に終わた。代わりに、より新しくより強力な抗生物質は、使用の減少以外に考えられる治療がない、高耐性細菌株出現をもたらした。緑膿菌は、今や公衆に対して現実的かつ当面の危険を提起する、新興耐性病原体の国際的なリストに載っている。

0017

したがって、当技術分野において、内皮細胞バリア機能障害および上皮細胞バリア機能障害を含む細胞バリア機能障害の予防、緩和、または治療方法に対する要求は存在し続ける。さらに、細胞バリア機能障害の状態と関連した症状を緩和する組成物および方法に対する要求は満たされていない。

0018

発明の開示 本発明は、効果的な量のオピオイド受容体アンタゴニスト(OP-RA)の投与によって、細胞バリア機能障害を予防または治療のための組成物および方法を提供することで、当技術分野において前述の要求の少なくとも1つを満たす。本発明は、重要な実施形態において、内皮細胞または上皮細胞バリア機能障害の予防または治療に向けられる。具体的には、本発明は、中枢に作用するアンタゴニストと同様に、末梢に限定されたアンタゴニスト(例えばメチルナルトレキソンによって代表された極性アンタゴニストまたは荷電アンタゴニスト)を含む、オピオイド受容体アンタゴニストの細胞バリア機能障害抑制効果に関する。本方法は、炎症、アテローム性動脈硬化、および微生物による病因のような、様々な疾患および障害と関連した、バリア機能障害および付随する状態、ならびにそれから生じる症状の予防または治療に効果的である。特定の非限定例として、細胞バリア機能障害が起こる状態は、腸由来敗血症、熱傷、化学的接触損傷、急性肺損傷、新生児壊死性腸炎重症好中球減少中毒性大腸炎炎症性腸疾患クローン病、腸疾患、移植拒絶反応嚢炎、壊死性腸炎(ピッグベル)、尿毒症心膜液貯留、眼ガラス体液漏出黄斑変性網膜機能不全および感染(例えば、ウイルス感染、細菌感染、日和見細菌感染、クロストリジウムディフィシレ(Clostridium difficile)感染、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)感染、シュードモナス属(Pseudomonas)を介した眼科感染、シュードモナス属を介した科感染およびシュードモナス属を介した皮膚感染)であってもよい。

0019

本明細書において記述された本発明に有用なオピオイド受容体アンタゴニストは、詳細な説明でより包括的に以下で説明され、その説明は参照によってこの発明の開示に組み入れられる。適切なオピオイド受容体アンタゴニストの例は、いくつかのクラスの化合物に属するヘテロ環式アミン化合物を含む。1つのクラスは、モルフィナン三級誘導体および特にノロキシモルフォンの三級誘導体である。1つ実施形態において、ノロキシモルフォンの三級誘導体、例えばナロキソン、ナルトレキソンが、検討される。他のクラスは、モルフィナンの四級誘導体および特にノロキシモルフォンの四級誘導体である。他のクラスは窒素置換ピペリジンである。他のクラスはベンゾモルファンの四級誘導体である。特定の実施形態では、オピオイド受容体アンタゴニストは、N-メチルナルトレキソン、アルビモパン、ADL 08-0011、ピペリジン-N-アルキルカルボキシレート、四級モルフィナン、アヘンアルカロイド誘導体または四級ベンゾモルファン化合物のような末梢μ-オピオイド受容体アンタゴニストである。さらに、四級モルフィナン化合物は、N-メチルナルトレキソン、N-メチルナロキソン、N-メチルナロルフィン、N-ジアリルノルモルヒネ、N-アリルレバロルファンまたはN-メチルナルメフェンの四級塩であってもよい。いくつかの実施形態では、四級ベンゾモルファン化合物は、2'-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-2,2-ジアリル-6,7-ベンゾモルファニウム-ブロミド;2'-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-2-n-プロピル-6,7-ベンゾモルファン;2'-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-2-アリル-6,7-ベンゾモルファン;2'-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-2-n-プロピル-2-アリル-6,7-ベンゾモルファニウムブロミド;2'-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-2-n-プロピル-2-プロパルギル-6,7-ベンゾモルファニウムブロミド;または2'-アセトキシ-5,9-ジメチル-2-n-プロピル-2-アリル-6,7-ベンゾモルファニウムブロミドである。いくつかの実施形態では、本方法は、さらに少なくとも15キロダルトン平均分子量を有する高分子量ポリエチレングリコール様化合物の投与を含む。

0020

好ましい実施形態では、アンタゴニストはμオピオイド受容体アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、アンタゴニストは末梢オピオイド受容体アンタゴニスト(例えばMNTX)であり、VEGF、血小板由来増殖因子(PDGF)、スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)および/または肝細胞増殖因子(HGF)に刺激または誘導された細胞バリア機能障害を阻害するだろう。

0021

述べられたように、本発明のいくつかの実施形態では、オピオイド受容体アンタゴニストはμオピオイド受容体アンタゴニストである。他の実施形態では、オピオイド受容体アンタゴニストは、κオピオイド受容体アンタゴニストである。本発明は、μオピオイド受容体アンタゴニストの組合せ、κオピオイド受容体アンタゴニストの組合せ、およびμおよびκのオピオイド受容体アンタゴニストの組合せ、例えば、メチルナルトレキソンおよびアルビモパン(またはADL 08-0011)の組合せ、またはナルトレキソンおよびメチルナルトレキソンの組合せを含む、1つ以上のオピオイド受容体アンタゴニストの投与も包含する。

0022

本明細書において記述された本発明は、脊椎動物、およびより好ましくは哺乳類における細胞バリア機能障害の防止および/または処理を含む。治療される重要な被験体または「患者」は、家畜(例えばウマヤギウシヒツジブタ、サカナおよびニワトリ)および家庭動物(イヌおよびネコ)およびヒトである。

0023

本明細書において記述された本発明は、細胞バリア機能障害の防止または治療を含む。本明細書において使用されるような防止は、細胞バリア機能障害のリスクがある患者へ、細胞バリア機能障害から生じる症状または有害な病状の出現の阻害、進行の減少、またはすべての出現の予防に効果的な量での、オピオイド受容体アンタゴニストの投与を意味する。本明細書において使用されるような治療は、細胞バリア機能障害に関連した状態または症状を有するまたは有すると思われる患者へ、細胞バリア機能障害から生じる症状もしくは有害な病状の阻害に、さらなる進行の停止に、減少に、またはすべての除去に効果的な量での、オピオイド受容体アンタゴニストの投与を意味する。

0024

μオピオイド受容体アンタゴニスト(mOP-RA)様メチルナルトレキソン(MNTX)のようなオピオイド受容体アンタゴニストは、細胞バリア機能障害を阻害する。例えば、MNTXを含むμオピオイド受容体アンタゴニストは、μオピオイド受容体(mOP-R)依存的および非依存的メカニズムによって、オピエート誘導性、トロンビン誘導性およびLPS誘導性の内皮細胞バリア機能障害を阻害する。mOP-RA(例えばMNTX)誘導性の内皮細胞バリア調節のmOP-R非依存的メカニズムは、受容体様タンパク質チロシンホスファターゼμ(RPTPμ)の活性化、ならびにトロンビン誘導性およびLPS誘導性で、Src依存性のS1P3受容体トランスアクチベーション(チロシンリン酸化)の阻害を含む。したがって、MNTXのようなmOP-RAは、細胞バリア保護剤として有用である。

0025

本明細書において記述された本発明は、細胞バリア機能(例えば、内皮細胞バリア機能および/または上皮細胞バリア機能)を促進する方法で、そのような治療を必要とする患者に、効果的な量の1つまたは複数のオピオイド受容体アンタゴニストを含む組成物を投与することを含む方法を提供する。例えば、細胞バリア機能は、ある炎症性の症候群において破壊されている場合がある。したがって本発明は、アテローム性動脈硬化および微生物による病因(例えば感染)と同様に、細胞バリア機能障害、典型的には上皮細胞または内皮細胞バリア機能障害によって特徴づけられる、炎症性の症候群(例えば急性肺損傷)を予防または治療する方法を提供する。本明細書において記述された方法は、これらの疾患のうちのいずれかと関連した細胞バリア機能障害から生じる症状を、治療または予防することも含む。

0026

本明細書において記述された本発明のすべての局面に関して、好ましくは患者はヒトである。いくつかの実施形態では、ヒト患者は、癌ではなく、および/またはメタドン維持療法プログラム中ではなく、および/または免疫抑制されていない。いくつかの実施形態では、患者は術後腸管機能不全を経験していない。患者の有する特定の障害、障害の重症度、および患者の疼痛管理の必要性に依存して、患者は併用オピオイド療法中であってもよいし、なくてもよい。いくつかの実施形態では、患者は併用オピオイド療法を採用している。いくつかの実施形態では、患者は併用オピオイド療法を採用していない。いくつかの実施形態では、患者は常習的な併用オピオイド療法を採用している。いくつかの実施形態では、患者は常習的な併用オピオイド療法を採用していない。いくつかの実施形態では、患者は、同時に投与されたオピオイド療法の任意用量に依存しない、オピオイドのアンタゴニストの用量を受け取っている。

0027

いくつかの実施形態では、効果的な量は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、およびさらに少なくとも4週間続けて、患者に効果的な循環血漿レベルのオピオイドのアンタゴニストがあるようなものである。1つの実施形態では、オピオイドのアンタゴニストは周術期(peri-operatively)に使用される。周術期は、手術手順前(例えば、準備ために)、手術手順中、および/または手術手順直後(すなわち3日または5日までさえ)を意味する。オピオイドのアンタゴニストは、細胞バリア機能を弱化保存、または維持するように作用し、それによって炎症を阻害し、日和見感染を含む感染を阻害し、腫瘍および特に内皮細胞腫瘍でない腫瘍の除去に関する手術手順の場合の、腫瘍の再発および/または転移を阻害する。

0028

本発明は、オピオイドアンタゴニストでないが、それにもかかわらず、細胞バリア機能障害と関連した障害、状態または症状を治療するのに有用な薬剤と共に、オピオイドアンタゴニストを同時投与することも含む。そのような薬剤の例は、抗癌剤、抗新血管新生剤(例えば、抗VEGFモノクローナル抗体)、抗感染薬剤(例えば抗菌剤および抗ウイルス剤)、抗炎症剤および抗アテローム性動脈硬化剤、抗血栓症剤および同種のものを含む。

0029

本発明の局面は、オピオイド誘導性の副作用のない被験体に、効果的な量のμ-オピオイド受容体アンタゴニストを投与することを含む、細胞バリア機能障害によって特徴づけられた障害を治療する方法を提供する。オピオイド誘導性の副作用は、オピオイド誘導性の便秘過敏性大腸症候群、術後腸閉塞または腸管機能不全、オピオイド誘導性の悪心、オピオイド誘導性の嘔吐尿貯留胃腸管排出の遅れ、胃腸管運動性の減少およびオピオイド誘導性の免疫系抑制を含む。いくつかの実施形態では、細胞バリア機能障害は、内皮細胞、上皮細胞または両方の型の細胞に起因してもよい。

0030

本発明の他の局面は、障害を発症するリスクがある被験体に、予防に効果的な量のオピオイド受容体アンタゴニストを投与することを含む、細胞バリア機能障害によって特徴づけられた障害を発症するリスクを減少させる方法を提供する。

0031

本発明の他の局面は、化合物が、障害の少なくとも1つの症状を減少させるのに効果的な量で投与されるように、必要性のある被験体にオピオイド受容体アンタゴニストを投与することを含む、細胞バリア障害と関連した症状を減少させる方法を提供する。

0032

本発明の他の局面は、外科的処置が適用可能な腫瘍を有する患者への効果的な量のオピオイド受容体アンタゴニストを周術期に投与することを含む、腫瘍細胞転移を予防する方法である。いくつかの実施形態では、腫瘍細胞は内皮細胞腫瘍ではない。

0033

本発明の他の局面は、そのような治療を必要とする患者に効果的な量のオピオイド受容体アンタゴニストを投与することによって、感染予防または感染リスク低下の方法を提供する。いくつかの実施形態では、患者は、内部損傷手術、急性肺損傷または熱傷のような外傷を有する。他の実施形態では、患者は高レベルのストレスにさらされる。いくつかの実施形態では、感染は日和見感染因子からである。いくつかの実施形態では、感染は細菌感染である。いくつかの実施形態では、感染因子は、クロストリジウム・ディフィシル、または緑膿菌のような有毒な表現型を発揮することができる他の細菌である。

0034

本発明の他の局面は、細菌性病因からの発症または被害のリスクがある被験体への効果的な量のオピオイド受容体アンタゴニストを投与することを含む、患者中の細菌による細菌のPA-Iレクチン/アドヘシンの発現を阻害する方法を提供する。クロストリジウム・ディフィシルのような任意の公知の病原体または緑膿菌のような有毒な表現型を発揮することができる細菌が、さらにPA-Iレクチン/アドヘシンオルソログを発現可能かについて検討される。

0035

本発明の他の局面は、細菌性病因からの発症または被害のリスクがある被験体へ、効果的な量のオピオイド受容体アンタゴニストを投与することを含む、細菌のMvfRタンパク質の活性を調整する方法を提供する。

0036

本発明の他の局面は、経上皮細胞電気抵抗を減少、または増加を阻害するのに効果的なオピオイド受容体アンタゴニストの量を被験体に投与することを含む、細菌毒素への上皮の透過性を減少させるまたは透過性の増加を予防する方法を提供する。

0037

本発明の他の局面は、そのような治療を必要とする患者に効果的な量のオピオイド受容体アンタゴニストを投与することによって、敗血症を予防または治療する方法を提供する。

0038

本発明の他の局面は、そのような治療を必要とする患者に効果的な量のオピオイド受容体アンタゴニストを投与することによって、炎症を予防または治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、患者は、内部損傷、手術、急性肺損傷または熱傷のような外傷からの炎症を有する。他の実施形態では、患者は、感染からの炎症を有する。いくつかの実施形態では、感染は細菌感染である。いくつかの実施形態では、感染因子は、クロストリジウム・ディフィシル、または緑膿菌のような有毒な表現型を発揮することができる他の細菌である。

0039

本発明の他の局面は、オピオイド誘導性の副作用のない被験体に、効果的な量の末梢μ-オピオイド受容体アンタゴニストを投与することを含む、μ-オピオイド受容体依存的効果のない細胞バリア機能障害を緩和する方法を提供する。いくつかの実施形態では、末梢μ-オピオイド受容体アンタゴニストはN-メチルナルトレキソンである。さらに、いくつかの実施形態では、細胞バリア機能障害は、トロンビンおよび細菌性脂質多糖体から成るグループから選択された誘発剤によって誘導される。本発明のこの局面は、S1P3受容体のリン酸化が減少する方法のような、プロテインフォスファターゼが細胞で活性化される方法までも及ぶ。この方法のいくつかの実施形態では、受容体蛋白質チロシンホスファターゼμのようなチロシンホスファターゼタンパク質が活性化される。

0040

さらに、本発明の他の局面は、オピオイド誘導性の副作用のない被験体に、効果的な量の末梢μ-オピオイド受容体アンタゴニストを投与することを含む、S1P3受容体のトランス活性化によって誘導された細胞バリア機能障害を緩和する方法である。いくつかの実施形態では、末梢μ-オピオイド受容体アンタゴニストは、N-メチルナルトレキソンである。

0041

さらに本発明に記載の他の局面は、炎症、アテローム性動脈硬化、急性肺損傷、腸由来敗血症、熱傷、化学的接触損傷、新生児壊死性腸炎、重症の好中球減少、中毒性大腸炎、炎症性腸疾患、クローン病、腸疾患、移植拒絶反応、嚢炎、ピッグベル、尿毒症心膜液貯留、眼ガラス体液漏出、黄斑変性、網膜機能不全、感染(例えばウイルス感染、細菌感染、日和見細菌感染、クロストリジウム・ディフィシレ感染、緑膿菌感染、シュードモナス属を介した眼科感染、シュードモナス属を介した耳科感染およびシュードモナス属を介した皮膚感染)から成るグループから選択された障害または障害の症状を治療、改善、または予防するための医薬品の調製において、オピオイド受容体アンタゴニストを使用する方法である。

0042

インビボおよび分子的な方法の組合せを使用して、外科的ストレスは、緑膿菌の毒性機構を直接活性化する、宿主細胞由来の細菌のシグナリング化合物(宿主ストレス由来BSC)の腸管腔の中への放出を引き起こすことが示された。そのような宿主由来のBSCの放出(それはモルヒネ、κおよびδオピオイド受容体アゴニスト、およびインターフェロンγ(IFN-γ)を含む)は、不活性入植菌の表現型から致死の病原体へ、緑膿菌または正常な腸内菌叢の他のメンバーの表現型を変えることが可能である。宿主ストレス由来のBSCへの緑膿菌の曝露は、PA-Iレクチン/アドヘシン(PA-I)(マウスの致死性腸由来敗血症に関与する重要な毒性遺伝子)の発現を誘導する。少なくともいくつかの実例では、PA-I発現の誘導は、毒性遺伝子MvfR発現の転写調節因子によって仲介される。PA-Iは、この生物の少なくとも2つの強力な細胞毒素エキソトキシンAおよびエラスターゼに対する上皮透過性欠損を誘導し、上皮細胞バリア機能障害によって特徴づけられた、致死性腸由来敗血症および他の障害を引き起こす。このデーターは、手術に由来するストレスのようなストレスの間に、重要な仲介物質が腸管中へ宿主によって放出されたことを知覚することによって、日和見病原体が宿主ストレスおよび脆弱性感知するというモデルのための証拠を提供する。宿主ストレス由来の化合物は、緑膿菌において増強された毒性を導く重大な遺伝子を直接活性化する。

0043

生理的なストレスの間に増加した量で放出されるオピオイドは、ピオシアニン生物膜、およびレクチン/アドヘシンPA-Iのような、緑膿菌におけるいくつかの菌体数感知機構依存的毒性因子の発現を直接誘導する。具体的には、U-50,488(ブレマゾシンすなわちtrans-3,4-ジクロロ-N-メチル-N[2-(1-ピロリジニル)シクロヘキシル]ベンゼンアセトアミドメタンスルフォナート、典型的なκ- オピオイド受容体アゴニスト)は、全体的な毒性転写調節因子MvfRを介して、緑膿菌におけるピオシアニン産生を誘導する。U-50,488は、通常はピオシアニンを産生する細胞密度より低い細胞密度でもピオシアニンを誘導する。これらの研究結果は、外因性内因性かにかかわらず、緑膿菌における毒性反応を活性化することができる、宿主ストレス由来の細菌のシグナリング分子としてオピオイドが作動することを示す。本発明に記載の1つの局面は、少なくとも1つのオピエートを受け取る、または少なくとも1つの内因性オピオイド(例えばエンドルフィン)放出を経験する、しかしオピオイド誘導性副作用を経験しない被験体への、効果的な量のμ-オピオイド受容体アンタゴニスト投与を含む、バリア機能障害(例えば上皮細胞または内皮細胞)によって特徴づけられた障害を治療する方法を提供する。オピオイド誘導性の副作用は、オピオイド誘導性便秘、過敏性大腸症候群、術後腸閉塞または腸管機能不全、オピオイド誘導性悪心、オピオイド誘導性嘔吐、尿貯留、胃腸管排出の遅れ、胃腸管運動性の減少およびオピオイド誘導性免疫系抑制を含む。いくつかの実施形態では、患者は、癌のための治療または薬物依存のためのメタドン治療を受けていないだろう。いくつかの実施形態では、被験体は外因性オピオイドまたは内因性オピオイドを受け取っていない、または経験しないだろう。

0044

一局面において、本発明は、障害を発症するリスクがある被験体へ、予防に効果的な量のμ-オピオイド受容体アンタゴニストを投与することを含む、細胞バリア機能障害(例えば上皮細胞または内皮細胞)によって特徴づけられた障害を発症するリスクを減少させる方法を、このように提供する。本発明の他の局面は、化合物が障害の少なくとも1つの症状を減少させるのに効果的な量で投与されるように、必要性のある被験体へμ-オピオイド受容体アンタゴニスト投与することを含む、細胞バリア障害(例えば上皮細胞または内皮細胞バリア障害)と関連した症状を減少させる方法へと向けられる。本発明の他の局面は、細菌性病因からの発症または被害のリスクがある被験体へ、効果的な量のμ-オピオイド受容体アンタゴニストを投与することを含む、細菌のPA-Iレクチン/アドヘシンの発現を阻害する方法である。この方法のいくつかの実施形態では、細菌のPA-Iレクチン/アドヘシンは、哺乳類の腸に存在する細菌で見出される。この局面のいくつかの実施形態において、細菌のPA-Iレクチン/アドヘシンは、シュードモナス属菌PA-Iレクチン/アドヘシンである。重要なシュードモナス属菌は緑膿菌である。本発明の他の局面は、細菌性病因からの発症または被害のリスクがある被験体へ、効果的な量のμ-オピオイド受容体アンタゴニストを投与することを含む、細菌のMvfRタンパク質の活性を調整する方法へ向けられる。いくつかの実施形態では、細菌のMvfRタンパク質は、哺乳類の腸に存在する細菌で見出される。さらに、いくつかの実施形態では、細菌のMvfRタンパク質は、シュードモナス属菌MvfRタンパク質、好ましくは緑膿菌MvfRタンパク質である。他の列挙された局面では、本発明は、経上皮細胞電気抵抗(すなわち上皮の経細胞電気抵抗)を減少させる、または増加を阻害するのに効果的な量のμ-オピオイド受容体アンタゴニストを被験体へ投与することを含む、細菌毒素への上皮の透過性を減少させる、または透過性の増加を予防する方法を提供する。本発明のこの局面の文脈における上皮は、少なくとも2つの上皮細胞を含む。いくつかの実施形態では、上皮細胞は腸上皮細胞である。さらに、緑膿菌またはクロストリジウム・ディフィシルのような微生物病原体を含む被験体が、本発明のこの局面で検討される。

0045

本発明の局面のすべてにおいて、当技術分野で公知であるオピオイド受容体アンタゴニストを投与する任意の方法が検討される、および特に、吸入およびエアロゾルを介するものを含む鼻孔吸入と同様に、非経口、経口、皮下経皮皮下埋め込み筋肉内、静脈内、鞘内眼内ガラス体内、眼科的脊髄内滑液内局所直腸、経皮を含む経上皮、舌下、筋肉内、腔内、および耳経路による送達である。緑膿菌のような微生物病原体は腸管に生息するだけではなく、これらの病原菌は、被験体(例えばヒト)の眼および耳および皮膚への感染が可能である。したがって本発明は、直接的な経路によって(例えば、局所送達、皮膚送達、ガラス体内送達および脳室内送達によって)、アンタゴニストの局所化された治療上有益な濃度を達成するためにオピオイド受容体アンタゴニストを投与することを包含する。さらに本発明は、治療上有用な全身性のレベルのアンタゴニストを達成するのに十分なレベルで、ガラス体内、脳室内、および局所的(例えば、眼科的に、耳科的に、皮膚で)経路を含む、従来の全身的経路によってオピオイド受容体アンタゴニストを投与することによって、緑膿菌のような微生物病原体によって少なくとも一部分は引き起こされた、シュードモナス属を介した眼科障害、シュードモナス属を介した耳科障害、またはシュードモナス属を介した皮膚障害を含む任意の障害の治療を包含する。

0046

本発明の他の特徴および利点は、図面および例を含む以下の詳細な説明への参照によって一層よく理解されるだろう。

0047

発明を実施するための最良形態 様々な炎症性障害腫瘍転移、ならびに様々な他の疾患および障害は、増加した細胞バリア透過性、または選択的透過性消失、および細胞、細胞内含有量液体またはタンパク質のバリアを越えた同時浸出として示された細胞バリア機能障害によって特徴づけられる。例えば、内皮細胞バリア機能障害は、血管透過性の増加を導き、炎症過程に特徴的なタンパク質および液体の管外溢出につながる。McVerry et al., Cell. Signal. 17:131-139 (2005)。同様に、細胞バリア機能障害は腫瘍細胞転移に対して寛容になることが可能である。例えば、哺乳類の腸の微生物による病因の情況で生じる上皮細胞バリア機能障害は、腸由来敗血症を含む様々な病気へと導くことが可能である。微生物による病因はさらに、病原菌(例えばクロストリジウム・ディフィシル)による感染、または生物と関連した正常細菌叢(例えば腸内菌叢)の通常は良性のメンバーの表現型の病原性または有毒状態(例えば緑膿菌)へのシフトによる結果でありえる。これらの説明例を除いて、脊椎動物(例えばヒトを含む哺乳類)のような多細胞生物は、一般に組織、器官および臓器系のための不連続の間隔をもたらす細胞レベル以上の区画化を示す。この必要な区画化へ主に寄与するのは、数種類の細胞バリアである。内皮細胞および上皮細胞バリアの面から例示されるのは、ほとんどの組織、器官および臓器系、例えば脳(例えば脳の内膜/血液脳関門)、脾臓肝臓、眼、肺、血管(血液およびリンパ)、腎臓膀胱尿管尿道小腸および大腸を含む消化管、肺および同種のものと関連した細胞バリアがある。本発明は、疾患または障害がある被験体または患者の生活の質を低下させる、または健康に有害な影響を与える疾患または障害と関連した細胞バリア機能障害を、予防、減少、または除去する方法を提供する。

0048

宿主ストレスシグナリング化合物、および感染性細菌のような病原性微生物上の受容体だけでなく、宿主細胞(例えば上皮および内皮細胞)上の受容体のような、それらが結合する膜受容体の同定は、その最も直接的な点で、感染を含む様々な細胞バリア疾患および障害における、防止または治療を可能にする治療標的の発見を導くだろう。その後更に、保存された受容体(例えば他の微生物種へ共通の細菌の受容体)の同定は、受容体アンタゴニストまたはデコイの開発へと導くだろう。受容細胞(例えばコロニーを形成する病原菌)を宿主ストレス活性化因子に対して無感覚にするようなアプローチは、細胞バリア機能障害によって特徴づけられる様々な疾患および障害のための効果的かつコスト効率の良い治療を提供する潜在能力がある。

0049

異常状態」は、細胞バリア機能障害によって特徴づけられる、哺乳類の疾患、哺乳類の障害、および哺乳類の健康の任意の異常状態を含むものと、広く定義される。細胞バリア機能障害を示す、またはそのような機能障害を発症するリスクにある典型的な細胞は、内皮細胞および上皮細胞を含んでいる。異常状態はヒト、ヒト以外の哺乳類、または任意の哺乳類で見出されてもよい。

0050

「熱傷」は、(i)熱、例えば直火蒸気熱い液体、および熱面形式への組織の露出に由来する哺乳類組織に対する損傷を意味する。

0051

化学的な接触損傷」は、化学薬品との直接的な接触によって引き起こされた損傷を指し化学的熱傷または他の損傷を含むことができる。

0052

「重症の好中球減少」には、循環好中球の数の著しい減少の、通常の習慣的な意味が与えられる。

0053

「投与」には、当技術分野において認識される任意の適切な手段によって、必要とする生物への治療上の送達の、通常の習慣的な意味が与えられる。投与の典型的な形式は、鼻孔吸入(例えば霧状噴霧)と同様に、非経口、経口、皮下、経皮、皮下埋め込み、筋肉内、静脈内、鞘内、眼内、ガラス体内、眼科的、脊髄内、局所的、直腸、経皮、舌下腺、筋肉内、腔内、および耳経路による送達を含む。送達のメカニズムは、カニューレ挿入と同様に、直接的な穿刺または注入、または眼、耳、、口、肛門もしくは尿道口へのゲルもしくは液体の適用であってもよい。

0054

有効量」は、用量を受け取る生物に対する有益な効果を提供し、用量を投与する目的、用量を受け取る生物の大きさおよび状態、および有効用量の測定へ関連するものとして当技術分野において認識された他の変数に依存して変化してもよい、物質の量である。有効量を決定する過程は、当技術分野における技能中にあるルーチン最適化手順を含む。

0055

「動物」には、非植物および非原生生物生物の、従来の意味が与えられる。好ましい動物はヒトのような哺乳類である。

0056

本開示の文脈では、「必要」は、その状態によって特徴づけられた生物に対しての有効用量の投与から利益を得ることができる、生物の器官、組織または細胞の状態である。例えば、腸由来敗血症を発症またはその症状を提示するリスクがあるヒトは、本発明によれば、医薬組成物のような産物の有効用量を必要とする生物である。

0057

「平均分子量」には、平均の測定の正確さにかかわらず、組成物の成分(例えば分子)の分子量の相加平均の、通常の習慣的な意味が与えられる。例えば、それらの分子量の相加平均がある程度のレベルの正確さで3.5のキロダルトンであるならば、3.5キロダルトンの平均分子量があるポリエチレングリコール(またはPEG)は、様々な分子量のPEG分子を含んでもよく、当技術分野において理解されるように、それらは相加平均の推定を反映してもよい。同様に、PEG 15-20は、上での言及に従う相加平均により、その分子量が相加平均15〜20キロダルトンをもたらすPEGを意味する。これらのPEG分子は単純なPEGポリマーを含むが、限定されない。例えば、複数の比較的より小さなPEG分子(例えば7,000から10,000のダルトン)は、より高平均分子量(例えば15,000から20,000のダルトン)を有する単一分子へと任意でフェノールのようなリンカー分子により結合されてもよい。

0058

「PA-I」、または、「PA-Iレクチン/アドヘシン」、または「PA-IL」発現は、PA-Iレクチン/アドヘシンに特徴的な活性の産生または生成を意味する。典型的には、PA-Iレクチン/アドヘシンの発現は、PA-Iレクチン/アドヘシンに特徴的な少なくとも1つの活性を有するPA-Iレクチン/アドヘシンポリペプチドをもたらすような、PA-Iレクチン/アドヘシンをコードするmRNAの翻訳を含む。任意で、PA-Iレクチン/アドヘシンは、前述のmRNAをもたらすような、PA-Iレクチン/コードする(アドヘシン)DNAの転写をさらに含む。

0059

腸内病原菌」は、全体または部分で、ヒトのような動物の腸由来敗血症を引き起こすことができる微生物病原体を意味する。当技術分野において公知である腸内病原菌は、シュードモナス属菌(例えば緑膿菌)のようなグラム陰性菌を含み、この定義によって包含される。

0060

病原性の菌体数」は、当技術分野において公知であるように、生物(例えば腸内病原菌)が閾値濃度または閾値数で存在する、菌体数感知シグナルまたは伝達を開始または維持するのに、十分な数の病原性生物(例えば緑膿菌)の集合または群叢を意味する。

0061

「経細胞の電気抵抗」(またはTER)は、このフレーズが当技術分野において得た意味が与えられ、それは規定の型の細胞(例えば上皮または内皮細胞)を横切った電気抵抗の測定を指し、そのような細胞間で密着結合の状態を評価するのに包括的に有用である。関連する用語の「TEER」は、本明細書において「経上皮細胞電気抵抗」または「経内皮細胞電気抵抗」を指すために使用され、特定の使用は文脈から明らかになる。

0062

「医薬組成物」は、ヒト患者のような生きている動物に対する、治療上の投与のために適切な化合物の製剤を意味する。本発明に記載の好ましい医薬組成物は、同時係争中米国特許公報20040266806番に記述され、それらの内容はそれらの全体の参照により本明細書において組み入れられる。本発明の医薬組成物は、電解質、デキストランでコートされたL-グルタミン、デキストランでコートされたイヌリンクツラーゼ(lactulase)、Dガラクトース、N-アセチルD-ガラクトサミンおよび5〜20%のPEG(15,000-20,000)を含む、粘性電解質組成および浸透圧でバランスのとれた溶液を含んてもよい。化合物は、好ましくは選択された投与経路に基づいて選択された薬学的担体、および例えばRemington's Pharmaceutical Sciences (Mack Pub. Co., Easton, Pa., 1980)に記述されるような標準の薬学的手段と組み合わせ、本開示はそれら全体で参照によりここで本明細書において組み入れられる。

0063

アジュバント」、「担体」または「希釈剤」は各々、それらの用語が当技術分野において得られている意味が与えられる。アジュバントは、同時投与された免疫原免疫原性延長する役目をする、1つまたは複数の物質である。担体は、運搬されている物質の移動のような操作を促進する、1つまたは複数の物質である。希釈剤は、希釈剤へ曝露された規定の物質の濃度を減少または希釈する、1つまたは複数の物質である。

0064

「アルキル」は、飽和されており、直鎖、分岐鎖、または環状鎖であってもよく、および鎖中に1〜約10の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基、ならびにその中の鎖のすべてのコンビネーションおよびサブコンビネーションも同様に指す。典型的なアルキル基は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルブチルイソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルヘプチルオクチル、ノニルおよびデシルを含む。

0065

「低級アルキル」は、1〜約6の炭素原子を有するアルキル基を指す。

0066

アルケニル」は、少なくとも1つの炭素炭素二重結合を含み、鎖中に2〜約10の炭素原子まで有する脂肪族炭化水素基、ならびにその中の鎖のすべてのコンビネーションおよびサブコンビネーションも同様に指す。典型的なアルケニル基は、ビニル基プロペニル基ブテニル基ペンテニル基ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基およびデケニル基を含む。

0067

アルキニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含み、鎖中に2〜約10の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基、ならびにその中の鎖のすべてのコンビネーションおよびサブコンビネーションも同様に指す。典型的なアルキニル基は、エチニル基プロピニル基ブチニル基、ペンチニル基ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基およびデキニル基を含んでいる。

0068

アルキレン」は、1〜約6の炭素原子を有する二価脂肪族炭化水素基、ならびにその中の鎖のすべてのコンビネーションおよびサブコンビネーションを指す。アルキレン基は、直鎖、は分岐鎖、または環状鎖であってもよい。任意で、以前に記述されたように、アルキレン基中に1つまたは複数の酸素硫黄または任意で置換チッ素原子が挿入されてもよく、ここで窒素置換基はアルキル基である。

0069

アルケニレン」は、少なくとも1つの炭素炭素二重結合を含むアルキレン基を指す。典型的なアルケニレン基は、エテニレン(CH=CH -)およびプロペニレン(CH=CHCH2 -)を含む。

0070

シクロアルキル」は、約3〜約10の炭素を有する任意の安定した単環式または二環式の環、ならびにその中の環のすべてのコンビネーションおよびサブコンビネーションを指す。任意で、シクロアルキル基は1つまたは複数のシクロアルキル基置換基と置換されてもよい。典型的なシクロアルキル基は、シクロプロピル基シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基シクロヘプチル基およびシクロオクチル基を含む。

0071

「シクロアルキルに置換されたアルキル」は、シクロアルキル基、好ましくはC3-C8シクロアルキル基と、炭素鎖末端において置換された、直鎖アルキル基、好ましくは低級アルキル基を指す。典型的なシクロアルキルに置換されたアルキル基は、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロペンチルエチル、シクロペンチルプロピル、シクロプロピルメチルおよび同種のものを含む。

0072

シクロアルケニル」は、約4〜約10の炭素を有するオレフィン性不飽和脂環式基、ならびにその中の環のすべてのコンビネーションおよびサブコンビネーションを指す。

0073

アルコキシ」は、アルキル置換ヒドロキシル(アルキル-O)基を指し、ここでアルキルは以前に記述されたものである。典型的なアルコキシ基は、例えば、メトキシエトキシプロポキシブトキシおよびヘプタオキシを含む。

0074

「アルコキシ-アルキル」はジ-アルキルエーテル(アルキル-O-アルキル)基を指し、ここでアルキルは以前に記述されたものである。

0075

アシル」はアルキル-CO基を意味し、ここでアルキルは以前に記述されたものである。典型的なアシル基は、アセチル、プロパノイル、2-メチルプロパノイルブタノイルおよびパルミトイルを含む。

0076

アリール」は、約6〜約10の炭素を含む炭素環式芳香族基、ならびにその中の環のすべてのコンビネーションおよびサブコンビネーションを指す。任意で、アリール基は、1つまたは2つまたは複数のアリール基置換基と置換されてもよい。典型的なアリール基は、フェニルおよびナフチルを含む。

0077

アリール置換アルキル」は、任意で置換アリール基、好ましくは任意で置換フェニル環と、炭素鎖末端において置換された直鎖状アルキル基、好ましくは低級アルキル基を指す。典型的なアリール置換アルキル基は、例えば、フェニルメチルフェニルエチルおよび3-(4-メチルフェニル)プロピルを含む。

0078

「ヘテロ環式」は、約4〜約10員環を含む、単環式または多環式環系炭素環式基またはラジカル、およびその中の環のすべてのコンビネーションおよびサブコンビネーションを指し、ここで1つまたは複数の環のメンバーは、炭素以外の元素、例えば窒素、酸素、硫黄である。ヘテロ環基は、芳香族または非芳香族であってもよい。典型的なヘテロ環基は、例えば、ピロール基およびピペリジン基を含む。

0079

ハロ」はフルオロクロロ、ブロモまたはヨードを指す。

0080

「アヘンアルカロイド誘導体」は、アヘンアルカロイド合成誘導体または半合成誘導体またはアナログである、μオピオイド受容体アンタゴニスト(例えば末梢アンタゴニスト)を指す。

0081

アゴニスト活性が実質的にない」は、アヘンアルカロイド誘導体に関して、1μMの濃度においては、受容体の最大の測定生理反応(例えば、電気的に刺激されたモルモット回腸)が、モルヒネと比較して約60%またはそれ以下であることを意味する。

0082

「HMW PEG様化合物」は、3.5のキロダルトン(kD)以上の平均分子量を有するものとして定義される、比較的高分子量にPEG化合物を指す。好ましくは、HMW PEGは5キロダルトン以上の平均分子量を有し、および特定の実施形態では、HMW PEGは少なくとも8キロダルトン、12キロダルトン以上、少なくとも15キロダルトン、および15〜20のキロダルトンの平均分子量を有する。さらに、「HMW PEG様化合物」は、そのような誘導体の各々が少なくとも1つの追加官能基を含むHMW PEGである、HMW PEG誘導体を包含する。好ましいHMW PEG誘導体は、カチオン性ポリマーである。典型的な官能基は、アルコキシ系のうちのいずれか、好ましくはC1-C10、アリールオキシ系のうちのいずれか、フェニル基および置換フェニル基を含む。そのような官能基は、末端または中央のいずれかを含むどの場所でも、HMW PEG分子と結合されてもよく;さらに、小さなPEG分子またはその誘導体を、単一のHMW PEG様化合物へと結合する役目をする官能基、例えばフェニルおよびその置換基を含む。さらに、追加官能基があるHMW PEG様分子は、1つのそのような基または1つ以上のそのような基を有してもよく;各々の分子は、さらに追加の官能基の混合物をしていてもよく、提供されたそのような分子は、その送達の間、または上皮細胞の疾患、障害または状態を治療、改善または予防中に、治療薬の少なくとも1つを安定化するのに有用である。

0083

培地(複数)」および「培地」は、出願の全体にわたって、細胞培養培地および細胞培養培地(複数)を指すために使用される。名詞単数または複数は、各々の使用の文脈から明らかになる。

0084

用語「末梢」オピオイド受容体アンタゴニストは、主として生理系および中枢神経系外部の構成要素に作用する(すなわち、アンタゴニストは容易には血液脳関門を通過しない)、μ-オピオイド受容体アンタゴニストを含むオピオイド受容体アンタゴニストを示す。いくつかの実施形態では、本発明の方法に使用した末梢オピオイド受容体アンタゴニストは、胃腸組織について高レベルの活性を示すが、中枢神経系(CNS)活性の減少、および好ましくは実質的に中枢神経系(CNS)活性が無いことを示す。用語「CNSの活性が実質的にない」は、本明細書において使用されるように、CNSの外部で示された末梢オピオイド受容体アンタゴニストの薬理活性の20%未満が、CNSの内部で示されることを意味する。好ましい実施形態では、本発明の方法で使用した末梢オピオイド受容体アンタゴニストは、CNSにおいて15%未満の薬理活性を示し、約10%未満がより好ましい。さらにより好ましい実施形態では、本発明の方法で使用した末梢オピオイド受容体アンタゴニストは、CNSにおいて5%未満の薬理活性を示し、約0%(すなわち、CNS活性はない)もより好ましい。本発明の好ましい末梢オピオイド受容体アンタゴニストはR-メチルナルトレキソンのようなノロキシモルフォンの四級誘導体である。

0085

一般論として、微生物病原体が、生理的にストレスを受けた宿主の腸管内部から致死性敗血症症候群を引き起こす過程に対する独自の洞察を提供する、マウスの致死の敗血症のモデルが開発されている。生理的な3つの「打撃」例えば、外科的ストレス(30%の肝臓切除術)、飢餓(水のみ48時間)および遠位の腸管(盲腸)へ緑膿菌の導入は、死をもたらす。このモデルは100%の死亡をもたらすが、3つの因子のうちのいずれか1つの除去は、完全な生存をもたらす。単一の毒性決定因子PA-Iが緑膿菌で同定され、それは生理的にストレスを受けた宿主の腸管に特有の局所的に放出された化合物に反応して、インビボで発現されるものである。PA-Iは、マウスにおけるような致死性腸由来敗血症で役割を果たすことが実験によって実証され、この実験では、エキソトキシンAを分泌できるPA-Iを欠いた緑膿菌の変異株は、培養上皮細胞のバリア機能に対する効果は著しく弱まっており、致死性腸由来敗血症マウスモデルで完全に非病原性であった。PA-Iレクチン/アドヘシンは、エキソトキシンAおよびエラスターゼのような緑膿菌の強力かつ致死性の細胞毒素に対する透過性欠損を生成することによって、この生物の致死効果において重要な役割を果たす。腸の緑膿菌の致死効果は、完全に腸管外伝搬(移動)に非依存的に起こるように見える。意外にも、このモデルにおける緑膿菌の等しい用量の全身注射(静脈内、腹腔内)は、死亡および全身性炎症をもたらさない。以上をまとめて、このデーターは、外科的ストレスの間に生成された宿主ストレス由来の細菌のシグナリング化合物(BSC)で毒性が局所的に活性化される微生物病原体によって、敗血症を生成することができるという強い証拠を提供する。

0086

緑膿菌が、血液感染性の場合よりも上皮表面で存在する場合のほうが、はるかにより有毒でより致死性であるという観察は、敗血症の肺モデルによって支持される。緑膿菌(PA103)の高度に細胞毒性のある株の静脈注射は、ウサギにおいて全身性のサイトカイン放出および死亡をもたらさなかったが、等しい用量(およそ108 cfu/ml)の肺点滴は、有意な全身性のサイトカイン放出(TNFα、IL-8)および100%の死亡をもたらした。大規模な数の研究は、今や、肺点滴後に敗血症を引き起こす緑膿菌の最有毒および最高致死性の株は、最も侵襲性 (移動/伝播)の高い表現型を示さず、むしろ局所的に放出された細胞毒素で細胞構造の全体性および上皮の選択透過性を最も破壊する株であることを実証した。これらの観察は、上皮細胞の存在下で培養された場合、緑膿菌の細胞外毒性因子(すなわちエラスターゼ、アルカリ性プロテアーゼ)が25倍増加するという研究結果と結び付けられて、この病原菌の致死性は上皮自体との相互作用および活性化により支配されることを示唆する。実験データーは、ストレス(例えば、手術、低酸素熱ショック)に曝露された腸上皮の可溶性要素および接触を介した要素の両方は、PA-Iを発現する緑膿菌の能力を促進し、腸上皮細胞および肺上皮細胞の両方の細胞構造の全体性において深刻な破壊を引き起こすことができることを示す。

0087

ストレスを受けた宿主の腸管内部から緑膿菌が死亡を誘導する主要な作用機序は、致死性細胞毒素のエキソトキシンAおよびエラスターゼに対するPA-I誘導性の透過性欠損を経由する。外科的にストレスを受けて擬似手術をされた対照マウスの盲腸へ、エキソトキシンAまたはエラスターゼのいずれかと精製されたPA-Iの組合せの点滴は、有意な死亡数を誘導した。しかし、いずれか化合物の単独の注入は効果がなかった。PA-Iの臨床的な役割は、起源未同定重症敗血症をともなう患者の糞便試料スクリーニングすることによって調べられた。多数の研究室株および環境株の中での場合と同様に、重症患者の糞便から単離された緑膿菌の株の中で、PA-I遺伝子型は非常に優勢であることが見出された。今や腸管環境が、活性のある感染の間にのみ存在するまだ知られていない「合図」によって、高度に致死の病原菌(すなわちコレラ菌(Vibrio cholera))の重要な毒性決定因子が活性化される独自のニッチであるという説得力のある証拠がある。

0088

PA-Iをコードする遺伝子(lecA遺伝子)は、宿主ストレス由来のBSCに反応した緑膿菌での全体の毒性遺伝子発現を検討するのに理想的な生物学的読み出し」およびレポーター遺伝子である。

0089

細菌のバイオセンサーを活性化する正確な宿主細胞要素は知られていない。PA-Iの発現はQSおよびRpoSの両方に依存的であるので、GFP-PA-Iレポーター株(本明細書において記述される)は、ストレスの間に放出される、膜センサーを活性化してPA-I発現を導く、宿主細胞由来の細菌のシグナリング化合物のスクリーニングする独自の機会を提供する。

0090

内因性のモルヒネアルカロイドを含む様々なオピオイド受容体アゴニストは、激しいストレスの間に保持された濃度で放出され、維持される。オピオイドは非常に保存された化合物であり、緑膿菌を含む様々な細菌および菌類はモルヒネを合成および代謝する。同様に、本明細書において示されるように、IFN-γのような免疫系の要素は、さらに強力な宿主ストレス由来のBSCとして役立つことができる。緑膿菌は、IFN-γの存在を感知することができ、2つの菌体数感知依存的毒性因子のPA-Iおよびピオシアニンを発現することによって反応する。緑膿菌の立場から見ると、宿主の免疫活性化、特にIFN-γ(その機能は除菌へ向けられる)を感知し反応する能力は、この生物に宿主の免疫活性化に対する対抗策を提供する。特にインターフェロン-γは緑膿菌中の外膜蛋白のOprFに結合し、菌体数感知依存的毒性決定因子のPA-Iレクチンの発現をもたらすことが以下で示される。IFN-γは大腸菌膜にも結合した。これらの観察は、原核生物真核生物宿主中の免疫活性化によって直接シグナリングされるメカニズムの詳細を提供する。

0091

オピオイドへの緑膿菌の曝露は、緑膿菌でいくつかの菌体数感知依存的毒性因子の発現を導く。QSが緑膿菌の何百もの毒性遺伝子の発現を制御することから、QS系がオピオイドによって活性化されるかもしれないことは重要な発見である(M. Schuster, M. L. Urbanowski and E. P. Greenberg, Proc Natl Acad Sci U S A 101, 15833 (2004))。

0092

本明細書において開示されたデーターは、MvfRがU-50,488に反応してPCNを産生するために必要であるという証拠を提供する。さらに、本研究からのデーターは、アントラニル酸メチルが、PCN産生に対するU-50,488を介した効果を弱めたので、U-50,488に反応したPCN産生がシュードモナス属キノロンシグナル(PQS)の合成も必要とすることを示唆する。C4-HSLがPCNを産生するために完全なMvfRも必要とすることは、複数のmvfR遺伝子を有する株における非常にアップレギュレートされたPCN産生の発見と結び付けられ、菌体数感知活性化がコアのQSの転写調節因子(すなわちRhlR、LasR)へのQSシグナリング分子の結合に依存するだけではなく、近位転写調節因子を活性化するQSシグナルも有していることと一致している。

0093

本明細書において開示されたデーターは、緑膿菌の特定の毒性表現型を誘導する能力という点で、オピオイド化合物が異なってもよいことを立証する。緑膿菌の毒性の状態に影響を及ぼすことができる複数の宿主ストレス由来の細菌のシグナリング化合物があることが検討される。ノルエピネフリンは、さらに緑膿菌(J. Alverdy, et al., Ann Surg 232, 480 (2000))でQS依存的毒性因子のPA-ILに影響することが可能であり、低酸素腸上皮細胞によって培地へ放出された溶解性化合物も、PA-ILの発現を誘導する。これらの開示と一致している開示は、ノルエピネフリンが大腸菌 のQS回路に直接影響するものである(V. Sperandio, A. G. Torres, B. Jarvis, J. P. Nataro and J. B. Kaper, Proc Natl Acad Sci U S A 100, 8951 (2003))。

0094

本発明は、オピオイド受容体アゴニスト、モルヒネ、およびインターフェロンγのような調節因子を含む、1つまたは複数のBSCによって誘導されたシグナリングの調節因子のためのスクリーニング方法を提供する。これらの治療薬は、それらを必要とするヒト患者のような生物に送達される。投与レベルおよび送達経路およびスケジュールは、ルーチン手順を使用して、当業者によって容易に同定および適応され、状況に依存して変化するだろう。

0095

本発明に記載の治療薬はさらにHMWのPEG様化合物を含んでもよく、状態または障害を治療するのに適切である任意の手段によって投与されてもよい。化合物は、錠剤カプセル剤顆粒粉末、またはシロップ剤を含む液体製剤ののような形式で経口的に;舌下、頬、または経皮的な送達によって;非経口、皮下、経皮膚、皮下埋め込み、静脈内、筋肉内、鞘内、眼内、眼科的、脊髄内、局所的、または胸骨内(例えば、滅菌注射可能な水溶液または非水溶液または懸濁液として)の注入または点滴によって;経口、経鼻的に吸入スプレーのようななもので;耳、直腸で坐剤のような形式で;経膣または尿道に座剤または点滴経由で、例えば、カニューレ挿入またはリポソームおよび腔内の送達によって送達されてもよい。無毒であり薬学的に許容される賦形剤または希釈剤を含む用量単位製剤が投与されてもよい。化合物は即時放出または持続放出のために適切な形式で投与されてもよい。即時放出または持続放出は当技術分野において公知である適切な医薬組成物により達成されてもよい。

0096

経口投与のための典型的な組成物は、例えば、インパーティングバルクのための微結晶性セルロース懸濁化剤としてのアルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、粘性促進剤としてメチルセルロース甘味料または香料、当技術分野において公知のそれらのようなものを含んでもよい懸濁液;および例えば、微結晶性セルロース、リン酸カルシウムデンプンステアリン酸マグネシウムおよび/またはラクトースおよび/または、他の添加剤結合剤増量剤錠剤分解物質、希釈剤および滑沢剤、当技術分野において公知のそれらのようなものを含んでもよい即時放出錠剤を含む。本発明の化合物は、舌下および/または頬の投与によって、例えば成型錠剤圧縮錠剤、または凍結乾燥錠剤で経口的に送達されてもよい。典型的な組成物は、マンニトール、ラクトース、ショ糖、および/またはシクロデキストリンのような速溶性の希釈剤を含んでもよい。さらにそのような製剤に含まれるのは、比較的高分子量のセルロース(AVICEL(登録商標))またはポリエチレングリコール(PEG; GoLytely(登録商標)、3.34 kD)のような添加剤;ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシルメチルセルロースナトリウム(SCMC)、および/または無水マレイン酸共重合体(例えばGANTREZ(登録商標))のような粘膜の接着を援助する賦形剤かもしれない。滑沢剤、流動促進剤着香料および着色剤および安定剤も製作および使用の容易さのための加えられてもよい。

0097

鼻エアロゾルまたは吸入投与のための典型的な組成物は、例えば、ベンジルアルコールまたは他の適切な防腐剤吸収および/または生体利用率を促進する吸収促進剤、および/または、他の可溶化剤または分散剤、当技術分野において公知のそれらのようなものを含んでもよい溶液を含む。

0098

腸の投与のための典型的な組成物は、例えば、マンニトール、1,3-ブタンジオール、水、リンガー液等張食塩水、または合成モノグリセリドまたはジグリセリドおよびオレイン酸を含む脂肪酸を含む、他の適切な分散剤、湿潤剤および懸濁化剤のような、適切な無毒の希釈剤または溶媒を含んでもよい溶液または懸濁液を含む。例えば、ココアバター、合成グリセリドエステルまたはポリエチレングリコール(例えばGoLytely(登録商標))のような適切な刺激のない添加剤を含んでもよい坐剤が、この文脈で検討される。

0099

本発明の効果的な量の化合物は、当技術分野において通常の技能の中の1つによって決定されてもよい。任意の特定の被験体のための特異的な用量レベルおよび投薬頻度は変化し、用いられた特異的な化合物の活性、その化合物の代謝的定性および活性の長さ、被験体の種、年齢、体重、公衆衛生性別および食餌、投与の様式および時間、排泄率、薬剤の組合せ、および特定の状態の重症度を含む様々な因子に依存するだろう。治療のための好ましい被験体は、動物、最も好ましくはヒトのような哺乳類種、ならびにイヌ、ネコ、ウマおよび同種のもののような家庭動物、腸由来敗血症のような微生物を介した上皮の状態または疾患を発症するリスクにあるもの、または細胞バリア機能障害によって特徴づけられた炎症性障害(例えば急性肺損傷)を発症するリスクにあるものを含む。一般に、本発明の末梢オピオイド受容体アンタゴニストは、効果的な量、例えば10-6M〜10-9Mで投与される。患者の薬剤血漿中濃度は、当業者に公知のルーチンHPLC法を使用して測定されてもよい。

0100

本発明は、細胞バリア機能障害を特徴的に示す疾患または障害と関連した症状を治療、予防、または緩和するために、オピオイド受容体アンタゴニストを投与する方法を提供する。オピオイド受容体アンタゴニストはμオピオイドのアンタゴニスト、またはこのアンタゴニストはκオピオイドのアンタゴニストであってもよい。本発明は、μアンタゴニストの組合せ、κアンタゴニストの組合せ、ならびに少なくとも1つのμアンタゴニストおよび少なくとも1つのκアンタゴニストの組合せを含む、1つ以上のオピオイドアンタゴニストの投与も包含し;本発明は、さらに少なくとも1つの中枢に作用するオピオイド受容体アンタゴニストおよび少なくとも1つの末梢に限定されたオピオイド受容体アンタゴニストの組合せの投与を包含する。例えば、メチルナルトレキソンおよびアルビモパンまたはその代謝物質ADL 08-0011のいずれかの組合せ、またはナルトレキソンおよびメチルナルトレキソンの組合せが、投与されてもよい。

0101

実施例、特に実施例26で以下に記述されるように、モルヒネおよびDAMGOの両方が、肺の微小血管内皮細胞バリア破壊のような細胞バリア機能障害を誘導することも明らかになった。血液と組織の間の伝達は、細胞を経たまたは細胞間のいずれかでの方向性のある輸送によって、分子の送達および内皮バリアを超えて循環する物質を経て起こる。特定の炎症性の症候群(例えば急性肺損傷および敗血症)は、バリア機能を減少させる。そのようなバリア破壊は、血管透過性の増加および臓器機能不全をもたらす。本発明に従う末梢オピオイド受容体アンタゴニストが、内皮細胞バリア機能を促進したことを立証するデーターが以下で開示される。具体的には、細胞バリア破壊は末梢オピオイド受容体アンタゴニストによる前処理によって阻止される。例えば、末梢オピオイド受容体アンタゴニスト(例えばMNTX)による前処理は、μオピオイド受容体依存的効果またはμオピオイド受容体非依存的効果のいずれかから生じる細胞バリア機能障害から保護する。もちろん、末梢オピオイド受容体アンタゴニストは、μオピオイド受容体依存的効果から生じる細胞バリア機能障害(例えば、μオピオイド受容体アゴニスト(例えばモルヒネ)結合の効果)、およびμオピオイド受容体非依存的効果から生じる細胞バリア機能障害(例えば、内皮細胞などでのトロンビン依存的細胞バリア機能障害および/またはリポ多糖(LPS)依存的細胞バリア機能障害または破壊のような、μオピオイド受容体からの寄与なしで実現された効果)、の両方から保護するのにも有用である。したがって、μオピオイド受容体アンタゴニスト(例えば末梢μオピオイド受容体アンタゴニスト)は、炎症性症候群(例えば急性肺損傷、アテローム性動脈硬化、および細胞バリア機能障害によって特徴づけられた他の疾患)の予防または治療において有用である。したがって、本発明の方法は、バリア機能障害または破壊(例えばアテローム性動脈硬化、急性肺損傷、微生物感染、および同種のもの)によって特徴づけられる症候群の治療において治療的価値を有する。したがって、本発明が、細胞へ効果的な量の細胞バリア促進保護剤(例えばMNTX)を投与することによって、細胞バリア破壊を減少する方法を含むことが検討される。

0102

本発明の方法は、オピオイド受容体アゴニストによる治療を受けている患者の治療も包含するが、いくつかの実施形態では、患者は任意のオピオイド受容体アゴニストの常習的な受容者ではない。オピオイド受容体アゴニストは、外因的または内因的に供給されてもよく、アゴニストは天然に存在するオピオイドまたは天然に存在しない合成化合物であってもよい。しかしオピオイド受容体アゴニストによる治療を受けている患者を治療する方法の1つの例として、癌患者は、その疾患の進行期に関連した痛みを制御するためにモルヒネをしばしば受け取り、この情況においてμオピオイド受容体アンタゴニストが痛みの制御を弱めずに、細胞バリア機能障害に対する有益な効果を提供することで有用な一方、これらのμオピオイド受容体アンタゴニストは、はるかに早期の段階で癌を治療することでも用途が見出される。特に、疼痛管理にモルヒネのようなμオピオイド受容体アゴニストの必要性がない場合には、μオピオイド受容体アンタゴニストは、前転移期腫瘍を有する癌患者に、例えば周術期に、有益に投与される。多くの癌の進行におけるこの比較的早期の段階で、μオピオイド受容体アンタゴニストは、細胞バリア機能障害を活用する転移過程(すなわち腫瘍細胞の播種)に対する耐性を促進して、正常細胞バリア機能の治療援助を提供する。結果的に、μオピオイド受容体アンタゴニストは、前転移癌患者集団(典型的にはモルヒネのようなオピオイド受容体アゴニストの常習的な受容者のない集団)において特定の適用を有する。本発明のこの局面の特定の実施形態では、μオピオイド受容体アンタゴニスト、例えばMNTXのような末梢μオピオイド受容体アンタゴニストは、癌手術の間の手術時または周術期に投与される。手術可能な任意の型の癌が、μオピオイド受容体アンタゴニストの周術期投与が可能になることが期待される。理論によって結び付けられていないのだが、外科的処置は、癌細胞の移動または転移を促進する細胞バリア機能障害を導く様式で、様々な組織および器官および臓器系(例えば肺、腸、血管、眼)の内皮細胞および/または上皮細胞のような細胞にシグナルを伝える宿主ストレスを生成する。この結び付けられていない理論を支持する間接的な証拠は、手術を受ける乳癌患者後向き研究において利用可能である。「外科的ストレス」の調査は、傍脊椎麻酔(レボブピバカイン)に対する対外科患者のための術後のモルヒネ鎮痛作用の比較という形式での局所麻酔法の研究に結びついた。術後のモルヒネではなく、むしろ局所麻酔が投与された場合、腫瘍再発および腫瘍転移が実質的に減少する結果が示された。この結果は、転帰の差が局所麻酔薬の有益な効果ではなく、モルヒネの有害作用に起因したという見解と一致している。したがって、モルヒネの効果を打ち消す、末梢オピオイド受容体アンタゴニストを含むオピオイド受容体アンタゴニストのような任意の薬剤は、モルヒネのようなオピオイドのアゴニストが外科治療または手術後の養生手順の一部として検討されたかどうかにかかわらず、癌手術の周術期の環境において有益だろう。

0103

オピオイド受容体アゴニストは、モルヒネ、メタドン、コデインメペリジンフェンティジン(fentidine)、フェンタニルサフェンタニルアルフェンタニルおよび同種のものを含むが、限定されない。オピオイド受容体アゴニストは、受容体の1つの型を、もう一つのものよりも一桁分効果的に、アゴナイズする(作動する)能力によって分類される。例えば、μ受容体に対するモルヒネの相対的親和度はκ受容体に対するものよりも200倍大きく、したがって、μオピオイド受容体アゴニストとして分類される。いくつかのオピオイド化合物は1つの受容体型へのアゴニストとして、および他の受容体型へのアンタゴニストとして作用してもよく;そのようなものはアゴニスト/アンタゴニスト(混合アゴニストまたは部分アゴニストとしても知られている)として分類される。「アゴニスト/アンタゴニスト」、「部分アゴニスト」および「混合アゴニスト」は、本明細書において同じ意味で使用される。これらのオピオイドは、ペンタゾシンブトルファノール、ナロルフィン、ナルブフィンブプレノルフィン、ブレマゾシン、およびベゾシン(bezocine)を含むが、限定されない。オピオイドアゴニスト/アンタゴニストグループの多くは、κ受容体のアゴニストおよびμ受容体のアンタゴニストである。さらに、オピオイド受容体アゴニストの活性代謝物も、本発明の方法において活性があるだろうことが予見される。例えば、モルヒネの代謝物質のモルヒネ3-グルクロニドおよびモルヒネ6-グルクロニドが、細胞バリア機能障害の予防、減少、消去において活性があると期待される。

0104

例えば、患者の疼痛管理に対する受け入れがたい干渉を回避するための、末梢オピオイド受容体に選択的に拮抗する能力は、末梢オピオイド受容体アンタゴニストが細胞バリア機能障害関連した疾患および障害に取り組むのに有用になることを示す。末梢オピオイド受容体アンタゴニストは、末梢受容体相互作用への限定を維持しているが、構造の異なる化合物のクラスを形成する。これらの化合物は、三級および四級モルフィナン、特に、ノロキシモルフォン誘導体および窒素置換ピペリジン、および特に、ピペリジン-N-アルキルカルボキシレート、および三級および四級ベンゾモルファンを含む。末梢に限定されたアンタゴニストは、構造では変化するが、典型的には荷電した極性のおよび/または高分子量のものであり、その各々は血液脳関門の通過を妨害する。

0105

血液脳関門を通過し、中枢(および末梢)で活性のあるオピオイド受容体アンタゴニストの例は、例えばナロキソン、ナルトレキソン(その各々はバクスター医薬品社(Baxter Pharmaceutical Products, Inc.)から市販入手可能)、およびナルメフェン(例えば、デュポンファーマ(DuPont Pharma)から入手可能)を含む。これらは特定の患者(疼痛管理または他のオピエート治療のための治療をされていない患者ののような)の細胞バリア機能障害を減じることにおいて価値があってもよい。

0106

特定の実施形態では、本方法は、ピペリジン-N-アルキルカルボキシレート化合物である末梢μ-オピオイド受容体アンタゴニスの患者への投与を含む。ピペリジン-N-アルキルカルボキシレートのオピオイドアンタゴニストは、例えば、米国特許番号5,250,542;5,159,081;5,270,328;および5,434,171に開示された化合物を含み、この開示は、ここでそれらの全体で参照によって本明細書において組み入れられる。ピペリジン-N-アルキルカルボキシレートオピオイドのアンタゴニストのクラスは、次式(I)にあるものを含む: 式中: R1は水素またはアルキルであり; R2は水素、アルキルまたはアルケニルであり; R3は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキル置換アルキルシクロアルケニル置換アルキルまたはアリール置換アルキルであり; R4は水素、アルキルまたはアルケニルであり; AはOR5またはNR6 R7あり;ここに: R5は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキル置換アルキル、シクロアルケニル置換アルキルまたはアリール置換アルキルであり; R6は水素またはアルキルであり; R7は水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、シクロアルキル置換アルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニル置換アルキル、アリール置換アルキル、アリール置換アルキル、もしくは、アルキレン置換Bであり、または、それらが結合されている窒素原子と共に、R6およびR7はヘテロ環を形成し;Bは C(=O)WまたはNR8 R9であり;ここに; R8は水素またはアルキルであり; R9は水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル置換アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニル置換アルキル、アリールもしくはアリール置換アルキルであり、または、それらが結合されている窒素原子と共に、R8およびR9はヘテロ環を形成し; WはOR10、NR11 R12またはOEであり;ここに; R10は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキル置換アルキル、シクロアルケニル置換アルキル、またはアリール置換アルキルである; R11は水素またはアルキルである; R12は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキル置換アルキル、シクロアルケニル置換アルキル、アリール置換アルキルもしくはアルキレン置換C(=O)Yであり、または、それらが結合されている窒素原子と共に、R11およびR12はヘテロ環を形成し; Eは アルキレン置換(C=O)D、または--R13OC(=O)R14であり; ここに R13はアルキル置換アルキレンであり; R14はアルキルであり; DはOR15またはNR16 R17であり; ここに; R15は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキル置換アルキル、シクロアルケニル置換アルキル、またはアリール置換アルキルであり; R16は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリール置換アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキル置換アルキルまたはシクロアルケニル置換アルキルであり; R17は、水素またはアルキルであり、または、それらが結合されている窒素原子と共に、R16およびR17はヘテロ環を形成し; YはOR18またはNR19 R20であり; ここに: R18は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキル置換アルキルで、シクロアルケニル置換アルキル、またはアリール置換アルキルであり; R19は水素またはアルキルであり; R20は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキル置換アルキル、シクロアルケニル置換アルキル、もしくはアリール置換アルキルであり、または、それらが結合されている窒素原子と共に、R19およびR20はヘテロ環を形成し; R21は水素またはアルキルであり;および nは0〜約4であり; または立体異性体プロドラッグ、または薬学的に許容されるそれらの塩類水和物もしくはN-酸化物

0107

上記の式(I)では、R1は水素またはアルキルである。いくつかの実施形態では、R1は水素またはC1 -C5アルキルである。重要な実施形態では、R1は水素である。

0108

上記の式(I)では、R2は水素、アルキルまたはアルケニルである。いくつかの実施形態では、R2は、水素、C1 -C5アルキルまたはC2 -C6アルケニルである。いくつかの実施形態では、R2はアルキルであり、C1 -C3のアルキルがより好ましい。

0109

上記の式(I)では、R3は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキル置換アルキル、シクロアルケニル置換アルキルまたはアリール置換アルキルである。いくつかの実施形態では、R3は、水素、C1 -C10アルキル、C3 -C10アルケニル、フェニル、シクロアルキル、C5 -C8シクロアルケニル、シクロアルキル置換C1 -C3アルキル、C5-C8シクロアルキル置換C1 -C3アルキルまたはフェニル置換C1 -C3アルキルである。いくつかの実施形態では、R3はベンジル、フェニル、シクロヘキシル、またはシクロヘキシルメチルである。

0110

上記の式(I)では、R4は水素、アルキルまたはアルケニルである。いくつかの実施形態では、R4は、水素、C1 -C5アルキルまたはC2 -C6アルケニルである。他の実施形態では、R4はC1 -C3アルキルであり、メチルがより好ましい。

0111

上記の式(I)では、AはOR5またはNR6 R7である。上記の式(I)では、R5は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキル置換アルキル、シクロアルケニル置換アルキル、またはアリール置換アルキルである。いくつかの実施形態では、R5は、水素、C1 -C10アルキル、C2 -C10アルケニル、シクロアルキル、C5 -C8シクロアルケニル、シクロアルキル置換C1 -C3アルキル、C5-C8シクロアルケニル置換C1 -C3アルキル、またはフェニル置換C1 -C3アルキルである。さらに、いくつかの実施形態では、R5が水素またはアルキルである、C1 -C3アルキルがより好ましい。

0112

上記の式(I)では、R6は水素またはアルキルである。いくつかの実施形態では、R6は水素またはC1 -C3アルキルである。いくつかの実施形態では、R6は水素である。

0113

上記の式(I)では、R7は水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、シクロアルキル置換アルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニル置換アルキル、アリール置換アルキル、アリール置換アルキルまたはアルキレン置換Bである。いくつかの実施形態では、R7は、水素、C1 -C10アルキル、C3 -C10アルケニル、フェニル、シクロアルキル、シクロアルキル置換C1 -C3アルキル、C5 -C8シクロアルケニル、C5-C8シクロアルケニル置換C1 -C3アルキル、フェニル置換C1 -C3アルキルまたは(CH2)q -Bである。いくつかの実施形態では、R7はq -Bである(CH2)。

0114

特定の他の実施例では、上記の式(I)において、R6およびR7は、それらが結合されている窒素原子と共に、ヘテロ環を形成する。

0115

R7の定義における基Bは、 C(=O)WまたはNR8 R9である。いくつかの実施形態では、BはC(=O)Wである。

0116

Bの定義における基R8は、水素またはアルキルである。いくつかの実施形態では、R8は水素またはC1 -C3アルキルである。

0117

Bの定義における基R9は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル置換アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニル置換アルキル、アリールまたはアリール置換アルキルである。いくつかの実施形態では、R9は、水素、C1 -C10アルキル、C3 -C10アルケニル、シクロアルキル置換C1 -C3アルキル、シクロアルキル、C5 -C8シクロアルケニル、C5-C8シクロアルケニル置換C1 -C3アルキル、フェニルまたはフェニル置換C1 -C3アルキルである。

0118

特定の他の実施形態では、Bの定義において、R8およびR9は、それらが結合されている窒素原子と共に、ヘテロ環を形成する。Bの定義における基Wは、OR10、NR11 R12またはOEである。

0119

Wの定義における基R10は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキル置換アルキル、シクロアルケニル置換アルキル、またはアリール置換アルキルである。いくつかの実施形態では、R10は、水素、C1 -C10アルキル、C2 -C10アルケニル、シクロアルキル、C5 -C8シクロアルケニル、シクロアルキル置換C1 -C3アルキル、C5-C8シクロアルケニル置換C1 -C3アルキル、またはフェニル置換C1 -C3アルキルである。さらに、いくつかの実施形態では、R10は、水素、アルキル、C1 -C5アルキル、フェニル置換アルキル、フェニル置換C1 -C2アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキル置換アルキル、C5-C6シクロアルキル置換C1 -C3アルキルである。

0120

Wの定義における基R11は、水素またはアルキルである。いくつかの実施形態では、R11は水素またはC1 -C3アルキルである。

0121

Wの定義における基R12は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキル置換アルキル、シクロアルケニル置換アルキル、アリール置換アルキルまたはアルキレン置換C(=O)Yである。いくつかの実施形態では、R12は、水素、C1 -C10アルキル、C3 -C10アルケニル、フェニル、シクロアルキル、C5 -C8シクロアルケニル、シクロアルキル置換C1 -C3アルキル、C5-C8シクロアルケニル置換C1 -C3アルキル、フェニル置換C1 -C3アルキル、またはアルキレン置換C(=O)Yである。さらに、いくつかの実施形態では、mが1〜4である場合、R12は、水素、アルキル、いくつかのC1 -C3アルキルまたは(CH2)m C(O)Yである。

0122

R12の定義における基Yは、OR18またはNR19 R20である。特定の他の実施形態では、Wの定義において、R12およびR13は、それらが結合されている窒素原子と共に、ヘテロ環を形成する。

0123

Wの定義における基Eは: アルキレンに置換された(C=O)D、または--R13 OC(=O)R14である。いくつかの実施形態において、Eは: (CH2)m(C=O)D(ここでmは上で定義された通りである)、または--R13 OC(=O)R14である。

0124

Eの定義における基R13は、アルキル置換アルキレンである。いくつかの実施形態では、R13はメチレン置換C1 -C3アルキルである。いくつかの実施形態では、R13は--CH(CH3)--または--CH(CH2 CH3)--である。

0125

Eの定義における基R14は、アルキルである。いくつかの実施形態では、R14はC1 -C10アルキルである。Eの定義における基Dは、OR15またはNR16 R17である。

0126

Dの定義における基R15は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキル置換アルキル、シクロアルケニル置換アルキル、またはアリール置換アルキルである。いくつかの実施形態では、R15は、水素、C1 -C10アルキル、C2 -C10アルケニル、シクロアルキル、C5 -C8シクロアルケニル、シクロアルキル置換C1 -C3アルキル、C5-C8シクロアルケニル置換C1 -C3アルキル、またはフェニル置換C1 -C3アルキルである。さらに、いくつかの実施形態では、R15は水素またはアルキルであり、C1 -C3アルキルがより好ましい。

0127

Dの定義における基R16は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリール置換アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキル置換アルキルまたはシクロアルケニル置換アルキルである。いくつかの実施形態では、R16は、水素、C1 -C10アルキル、C3 -C10アルケニル、フェニル、フェニル置換C1 -C3アルキル、シクロアルキル、C5 -C8シクロアルケニル、シクロアルキル置換C1 -C3アルキル、C5-C8シクロアルケニル置換C1 -C3アルキルである。いくつかの実施形態では、R16はメチルまたはベンジルである。

0128

Dの定義における基R17は、水素またはアルキルである。いくつかの実施形態では、R17は水素またはC1 -C3アルキルである。さらによりいくつかの実施形態では、R17は水素である。

0129

特定の他の実施形態では、Dの定義における、R16およびR17は、それらが結合されている窒素原子と共に、ヘテロ環を形成する。

0130

Yの定義における基R18は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキル置換アルキルで、シクロアルケニル置換アルキルまたはアリール置換アルキルである。いくつかの実施形態では、R18は、水素、C1 -C10アルキル、C2 -C10アルケニル、シクロアルキル、C5 -C8シクロアルケニル、シクロアルキル置換C1 -C3アルキル、C5-C8シクロアルケニル置換C1 -C3アルキル、またはフェニル置換C1 -C3アルキルである。いくつかの実施形態では、R18は水素またはC1 -C3アルキルである。

0131

Yの定義における基R19は、水素またはアルキルである。いくつかの実施形態では、R19は水素またはC1 -C3アルキルである。

0132

Yの定義における基R20は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキル置換アルキル、シクロアルケニル置換アルキル、またはアリール置換アルキルである。いくつかの実施形態では、R20は、水素、C1 -C10アルキル、C3 -C10アルケニル、フェニル、シクロアルキル、C5 -C8シクロアルケニル、シクロアルキル置換C1 -C3アルキル、C5-C8のシクロアルケニル置換C1 -C3アルキル、またはフェニル置換C1 -C3アルキルである。いくつかの実施形態では、R20は水素またはC1 -C3アルキルである。

0133

特定の他の実施形態では、Yの定義におけるR19およびR20は、それらが結合されている窒素原子と共に、ヘテロ環を形成する複素環。

0134

Bの定義における基R21は、水素またはアルキルである。いくつかの実施形態では、R21は水素またはC1 -C3アルキルである。いくつかの実施形態では、R21は水素である。

0135

上記の式(I)では、nは0〜約4である。いくつかの実施形態では、nは約1または2である。 R7の上記の定義では、qは約1〜約4である。いくつかの実施形態では、qは約1〜約3である。 Eの上記の定義では、mは約1〜約4である。いくつかの実施形態では、mは約1〜約3である。

0136

式(I)の化合物は、ピペリジン環の3-位および4-位での置換によりトランスおよびシス立体化学的異性体として存在することができ、そのような立体化学的異性体は本請求範囲内である。用語「トランス」は、本明細書において使用されるように、4位のメチル基から反対側にある3位のR2を指すが、「シス」異性体では、R2および4-メチルは環の同じ側にある。本発明の方法では、用いられた化合物は、立体異性体の混合物だけでなく、個々の立体異性体であってもよい。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、3-位のR2基が、環の反対側(すなわち4-位のメチル基に対してトランス)、および環の同じ側に位置する、式(I)の化合物を含む。これらのトランス異性体は、3R,4R-異性体または3S,4S-異性体として存在することができる。

0137

用語「R」および「S」は、キラル中心の特異的な立体配置を表わすために、有機化学において一般に使用されるように、本明細書において使用される。用語「R」は「右」を指し、最低の優先度の基に向かって結合に沿って見た場合の、基の優先度の時計回りの関係による(最高から下から2番目へ)キラル中心の立体配置を指す。用語「S」または「左」は、最低の優先度の基に向かって結合に沿って見た場合の、基の優先度の反時計回りの関係による(最高から下から2番目へ)キラル中心の立体配置を指す。基の優先度は原子番号(最も重い同位元素、1番め)に基づく。優先度の部分的なリストおよび立体化学の考察は以下の本に含まれる:有機化学のボキャブラリー(The Vocabulary of Organic Chemistry), Orchin, et al., John Wiley and Sons Inc., page 126 (1980), 全体の参照により本明細書において組み入れられる。

0138

本発明の方法で使用されるピペリジン-N-アルキルカルボキシレート化合物は、ピペリジン環上の置換基の立体配置が3Rおよび4Rである式(I)のものである。

0139

R3が水素でない場合、R3が結合されている炭素原子は非対称である。それゆえ、化合物のこのクラスは、このキラル中心で個々のRまたはS立体異性体として、または立体異性体の混合物としてさらに存在することが可能であり、すべては本発明の範囲内で検討される。本発明の化合物の実質的に純粋な立体異性体(すなわちR3が結合されているキラル中心で立体配置がRまたはSである異性体、すなわち3つのキラル中心で立体配置が3R、4R、Sまたは3R、4R、Rである化合物)を使用することができる。

0140

更に、他の不斉炭素はAの構造に依存する分子へ導入することができる。それゆえ、化合物のこれらのクラスは、これらのキラル中心で個々のRもしくはS立体異性体として、または立体異性体の混合物として存在することが可能であり、すべては本発明の方法の範囲内として検討される。

0141

本発明の方法で使用される、特定のピペリジン-N-アルキルカルボキシレート化合物は、以下を含む: U--OCH2 CH3; U--OH; G--OH; U--NHCH2 C(O)NHCH3; U--NHCH2 C(O)NH2; G--NHCH2 C(O)NHCH3; U--NHCH2 C(O)NHCH2 CH3; G--NH(CH2)3 C(O)OCH2 CH3; G--NHCH2 C(O)OH; M--NHCH2 C(O)NH2; M--NH(CH2)2 C(O)OCH2 (C6 H5); X--OCH2 CH3; X--OH; X--NH(CH2)2 CH3; Z--NH(CH2)3 C(O)OCH2 CH3; X--NHCH2 C(O)OH; Z--NH(CH2)2 N(CH3)2; Z--NH(CH2)2 C(O)NHCH2 CH3; X--OCH2 (C6 H5); X--N(CH3)2; Z--NH(CH2)3 C(O)NHCH3; Z--NH(CH2)3 C(O)NH2; Z--NH(CH2)3 C(O)NHCH2 CH3; X--OCH2 C(O)OCH3; X--OCH2 C(O)NHCH3; およびX -- N(CH3)CH2 C(O)CH2 CH3;この中で: 本発明の方法で使用される、重要なピペリジン-N-アルキルカルボキシレート化合物は以下を含む: Z--OH; Z--NH(CH2)2 C(O)OH; G--NH(CH2)2 C(O)NH2; G--NH(CH2)2 C(O)NHCH3; G--NHCH2 C(O)NH2; G--NHCH2 C(O)NHCH2 CH3; G--NH(CH2)3 C(O)NHCH3; G--NH(CH2)2 C(O)OH; G--NH(CH2)3 C(O)OH; X--NH2; X--NHCH(CH3)2; X--OCH2 CH(CH3)2; X--OCH2 C6 H5; X--OH; X--O(CH2)4 CH3; X--O--(4-メトキシシクロヘキシル);X--OCH(CH3)OC(O)CH3; X--OCH2 C(O)NHCH2 (C6 H5); M--NHCH2 C(O)OH; M--NH(CH2)2 C(O)OH; M--NH(CH2)2 C(O)NH2; U-NHCH2 C(O)OCH2 CH3; およびU-NHCH2 C(O)OH;ここで、Z、G、X、MおよびUは上で定義された通りである。

0142

本発明のいくつかの実施形態に従って、他の方法を述べると、式(I)の化合物には、式Q--CH2 CH(CH2 (C6 H5))C(O)OH、Q--CH2 CH2 CH(C6 H5)C(O)NHCH2 C(O)OCH2 CH2、 Q--CH2 CH2 CH(C6 H5)C(O)NHCH2 C(O)OH、 Q--CH2 CH2 CH(C6 H5)C(O)NHCH2 C(O)NHCH3、 Q--CH2 CH2 CH(C6 H5)C(O)NHCH2 C(O)NHCH2 CH3、 G--NH(CH2)2 C(O)NH2、 G--NH(CH2)2 C(O)NHCH3、 G--NHCH2 C(O)NH2、 G--NHCH2 C(O)NHCH3、 G--NHCH3 C(O)NHCH2 CH3、 G--NH(CH2)3 C(O)OCH2 CH3、 G--NH(CH2)3 C(O)NHCH3、 G--NH(CH2)2 C(O)OH、 G--NH(CH2)3 C(O)OH、 Q--CH2 CH(CH2 (C6 H11))C(O)NHCH2 C(O)OH、 Q--CH2 CH(CH2 (C6 H11))C(O)NH(CH2)2 C(O)OH、 Q--CH2 CH(CH2 (C6 H11))C(O)NH(CH2)2 C(O)NH2、 Z--NHCH2 C(O)OCH2 CH3、 Z--NHCH2 C(O)OH、 Z--NHCH2 C(O)NH2、 Z--NHCH2 C(O)N(CH3)2、 Z--NHCH2 C(O)NHCH(CH3)2、 Z--NHCH2 C(O)OCH2 CH(CH3)2、 Z--NH(CH2)2 C(O)OCH2 (C6 H5)、 Z--NH(CH2 C(O)OH、 Z--NH(CH2)2 C(O)NHCH2 CH3、 Z--NH(CH2)3 C(O)NHCH3、 Z--NHCH2 C(O)NHCH2 C(O)OH、 Z--NHCH2 C(O)OCH2 C(O)OCH3、 Z--NHCH2 C(O)O(CH2)4 CH3、 Z--NHCH2 C(O)OCH2 C(O)NHCH3、Z -- NHCH2 C(O)O--(4-メトキシシクロヘキシル、Z--NHCH2 C(O)OCH2 C(O)NHCH2 (C6 H5) またはZ--NHCH2 C(O)OCH(CH3)OC(O)CH3があり;ここで、Q、GおよびZは上で定義された通りである。

0143

いくつかの実施形態では、式(I)の化合物には、式(3R,4R,S)--Z--NHCH2 C(O)OCH2 CH(CH3)2、(+)--Z--NHCH2 C(O)OH、 (-)--Z--NHCH2 C(O)OH、 (3R,4R,R)--Z--NHCH2 C(O)--OCH2 CH(CH3)2、 (3S,4S,S)--Z--NHCH2 C(O)OCH2 CH(CH3)2、 (3 S,4S,R)--Z--NHCH2 C(O)OCH2 CH(CH3)2、 (3R,4R)--Z--NHCH2 C(O)NHCH2 (C6 H5)または(3R,4R)--G--NH(CH2)3 C(O)OHがあり、ここでZおよびGは上で定義された通りである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物には、式(+)--Z--NHCH2 C(O)OHまたは(-)--Z--NHCH2 C(O)OHがあり、ここでZは上で定義された通りである。

0144

腸のような局所的に作用し、高効能を有しており、経口的に活性のある、式(I)の化合物。本発明の実施形態は、化合物(+)--Z--NHCH2 C(O)OH、すなわち、次式(II)の化合物である。 式(II)の化合物は、低pHまたは高pHでの条件以外は水においては低溶解度である。両性イオン性質は、化合物に固有であってもよく、経口投与に続いて、低全身性吸収および腸での保持された局所効果のような望ましい特性があってもよい。

0145

代替の実施形態では、本発明の方法は、患者に四級モルフィナン化合物である末梢μ-オピオイド受容体アンタゴニストの投与を含んでもよい。本発明の方法で使用するために適切であろう四級モルフィナン化合物の実施例は、例えば、N-メチルナルトレキソンの四級塩、N-メチルナロキソン、N-メチルナロルフィン、N-ジアリルノルモルヒネ、N-アリルレバロルファンおよびN-メチルナルメフェンを含む。

0146

さらに他の代替の実施形態では、本発明の方法は、患者にアヘンアルカロイド誘導体の形式で末梢μ-オピオイド受容体アンタゴニストの投与を含んでもよい。用語「アヘンアルカロイド誘導体」は、本明細書において使用されるように、アヘンアルカロイドの合成誘導体、半合成誘導体またはアナログである末梢μ-オピオイド受容体アンタゴニストを指す。好ましい形式では、本発明の方法で用いられたアヘンアルカロイド誘導体は、高レベルのモルヒネアンタゴニスト作用を示すが、アゴニスト活性の減少、および好ましくは実質的にアゴニスト活性が無いことを示す。用語「アゴニスト活性が実質的にない」は、アヘンアルカロイド誘導体に関して本明細書において使用されるように、電気的に刺激されたモルモット回腸についての最大反応が、1μMの濃度で、モルヒネと比較して約60%またはそれ以下であることを意味する。いくつかの実施形態では、本方法で用いられたアヘンアルカロイド誘導体のモルモット回腸についての最大反応は、1μMの濃度でモルヒネと比較して約50%またはそれ以下であり、より好ましくは最大反応は約40%またはそれ以下である。いくつかの実施形態では、本方法で用いられたアヘンアルカロイド誘導体のモルモット回腸についての最大反応は、1μMの濃度でモルヒネと比較して約30%またはそれ以下であり、最大反応は約20%またはそれ以下である。さらに他の実施形態では、本方法で用いられたアヘンアルカロイド誘導体のモルモット回腸についての最大反応は、1μMの濃度でモルヒネと比較して約10%またはそれ以下である。特定の実施形態では、アヘンアルカロイド誘導体のモルモット回腸についての最大反応は、1μMの濃度でモルヒネと比較して約0%(すなわち反応はない)である。

0147

電気的に刺激されたモルモット回腸についてのアヘンアルカロイド誘導体の最大反応を決定するための適切な方法は、例えば米国特許番号4,730,048および4,806,556に記述されており、本開示は、ここにそれらの全体の参照により本明細書において組み入れられる。

0148

いくつかの実施形態では、本発明の方法で用いられたアヘンアルカロイド誘導体には、次式(III)または(IV)がある: III (または) IV 式中: Rは、アルキル、シクロアルキル置換アルキル、アリール、アリール置換アルキルまたはアルケニルであり; Zは水素またはOHであり; R' はX'-J(L)(T)であり、ここで: Jはアルキレンまたはアルケニレンであり; Lは、水素、アミノ、またはCO2 H、OHもしくはフェニルで任意に置換されたアルキルであり;および、TはCO2 H、SO3 H、アミノまたはグアニジノであり; X'は直接結合またはC(=O)であり;および R"は、NH--J(L)(T)またはグアニジノであり;または立体異性体、プロドラッグ、または薬学的に許容されるそれらの塩類、水和物もしくはN-酸化物。

0149

上記の式(III)および(IV)の化合物では、Rは、アルキル、シクロアルキル置換アルキル、アリール、アリール置換アルキルまたはアルケニルである。いくつかの実施形態では、Rは、C1 -C5アルキル、C3の-C6のシクロアルキルに置換されたアルキル、アリール、アリールアルキルまたはトランスC2 -C5アルケニルである。いくつかの実施形態では、RはC1 -C3アルキル、アリルまたはシクロプロピルメチルであり、シクロプロピルメチルがさらにより好ましい。

0150

上記の式(III)および(IV)の化合物では、Zは水素またはOHである。いくつかの実施形態では、ZはOHである。 式(III)および(IV)の化合物では、R'はX--J(L)(T)であり、R"はNH--J(L)(T)またはグアニジノである。

0151

R'およびR"の定義では、Gはアルキレンまたはアルケニレンである。いくつかの実施形態では、Jは、C1 -C5アルキレン、酸素原子により遮られたC2 -C6アルキレンまたはC2 -C5アルケニレンである。 R'およびR"の定義では、Lは、水素、アミノまたはCO2 H、OHまたはフェニルで任意に置換されたアルキルである。いくつかの実施形態では、Lは、水素、アミノ、またはCO2 H、OHもしくはフェニルで任意に置換されたC1 -C5アルキルである。いくつかの実施形態では、Lは水素またはアミノである。 R'およびR"の定義では、TはCO2 H、SO3 H、アミノまたはグアニジノである。いくつかの実施形態では、TはCO2 Hまたはグアニジノである。 R'の定義では、Xは直接結合またはC(=O)である。

0152

本発明の方法で用いられてもよい重要なオピオイドのアルカロイド誘導体は、Rがシクロプロピルメチルであり、ZがOHであり、およびR'がC(=O)(CH2)2 CO2 H、 C(=O)(CH2)3 CO2 H、 C(=O)CH--CHCO2 H、 C(=O)CH2 OCH2 CO2 H、 C(=O)CH(NH2)(CH2)3 NHC(--NH)NH2またはC(=O)CH(NH2)CH2 CO2 Hから選択される、式(III)の化合物を含む。さらに重要なものは、Rがシクロプロピルメチルであり、ZがOHであり、およびR'がCH2CO2Hである、式(III)のオピオイドのアルカロイド誘導体である。他の実施形態では、本発明の方法で用いられてもよいオピオイドのアルカロイド誘導体は、Rがシクロプロピルメチルであり、ZがOHであり、R"がNHCH2CO2Hである、式(IV)の化合物を含む。例えばN-メチルナルトレキソン (またはメチルナルトレキソン、MNTX)は次式(V)である。 V

0153

MNTXの合成、製剤化および製造のための方法は、2006年5月25日に出願された、特許弁護士協議事項表番号P0453.70119US01「(R)-N-メチルナルトレキソンの合成(SYNTHESIS OF(R)-N-METHYLNALTREXONE)」と表題をつけられた、同時係争中の米国の特許出願(まだ番号は割り当てられない)に記述されており、本明細書においてその全体の参照により組み入れられる。

0154

本発明の方法で用いられてもよい他のオピオイドのアルカロイド誘導体は、例えば米国特許番号4,730,048および4,806,556に記述されており、その開示はそれらの全体の参照によりここで本明細書において組み入れられる。

0155

さらに他の実施形態では、本発明の方法は、患者に四級ベンゾモルファン化合物の形式での、末梢μ-オピオイド受容体アンタゴニスト化合物の投与を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本発明の方法で用いられる四級ベンゾモルファン化合物は、高レベルのモルヒネアンタゴニスト作用を示すが、アゴニスト活性の減少、および好ましくは実質的にアゴニスト活性が無いことを示す。用語「アゴニスト活性が実質的にない」は、四級ベンゾモルファン化合物に関して本明細書において使用されるように、電気的に刺激されたモルモット回腸についての最大反応が、1μMの濃度で、モルヒネと比較して約60%またはそれ以下であることを意味する。いくつかの実施形態では、本方法で用いられた四級ベンゾモルファン化合物のモルモット回腸についての最大反応は、1μMの濃度でモルヒネと比較して約50%またはそれ以下であり、より好ましくは最大反応は約40%またはそれ以下である。いくつかの実施形態では、本方法で用いられた四級ベンゾモルファン化合物のモルモット回腸についての最大反応は、1μMの濃度でモルヒネと比較して約30%またはそれ以下であり、最大反応は約20%またはそれ以下である。さらに他の実施形態では、本方法で用いられた四級ベンゾモルファン化合物のモルモット回腸についての最大反応は、1μMの濃度でモルヒネと比較して約10%またはそれ以下である。特定の実施形態では、四級ベンゾモルファン化合物のモルモット回腸についての最大反応は、1μMの濃度でモルヒネと比較して約0%(すなわち反応はない)である。

0156

いくつかの実施形態では、本発明の方法で用いられる四級ベンゾモルファン化合物は次式(VI)である: VI 式中: R24は水素またはアシルであり;および R25はアルキルまたはアルケニルであり; または立体異性体、プロドラッグ、または薬学的に許容されるそれらの塩類、水和物もしくはN-酸化物。

0157

上記の式(VI)では、R24は水素またはアシルである。いくつかの実施形態では、R24は水素またはC1 -C6アシルである。いくつかの実施形態では、R24は水素またはC1 -C2アシルである。いくつかの実施形態では、R24は水素またはアセトキシであり、水素がさらにより好ましい。

0158

上記の式(VI)では、R25はアルキルまたはアルケニルである。いくつかの実施形態では、R25はC1 -C6アルキルまたはC2 -C6アルケニルである。いくつかの実施形態では、R25はC1 -C3アルキルまたはC2 -C3アルケニルである。いくつかの実施形態では、R25はプロピルまたはアリルである。

0159

本発明の方法で用いられてもよい重要な四級ベンゾモルファン化合物は、式(VI)の以下の化合物を含んむ:2'-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-2,2-ジアリル-6,7-ベンゾモルファニウム-ブロミド;2'-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-2-n-プロピル-6,7-ベンゾモルファン;2'-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-2-アリル-6,7-ベンゾモルファン;2'-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-2-n-プロピル-2-アリル-6,7-ベンゾモルファニウム-ブロミド;2'-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-2-n-プロピル-2-プロパルギル-6,7-ベンゾモルファニウム-ブロミド;および2'-アセトキシ-5,9-ジメチル-2-n-プロピル-2-アリル-6,7-ベンゾモルファニウム-ブロミド。

0160

本発明の方法で用いられてもよい他の四級ベンゾモルファン化合物は、例えば米国特許番号3,723,440に記述されており、この開示は、ここにそれらの全体の参照により本明細書において組み入れられる。

0161

上に例示されたものに加えて、本発明の方法および組成物に使用してもよい他のμオピオイド受容体アンタゴニストは、本開示の教示をいったん身に付けた当業者の一人には容易に明らかとなるだろう。

0162

本発明の方法で用いられた化合物は、プロドラッグの形式で存在してもよい。本明細書において使用されるように、「プロドラッグ」は、そのようなプロドラッグが哺乳類の被験体に投与される場合、例えば式(I)もしくは(II)、またはインビボの本発明の方法で用いられた他の式もしくは化合物に記載されている活性のある親薬物を放出する、任意の共有結合で結合する担体を含むことが意図される。プロドラッグが医薬品の多数の望ましい特質(例えば溶解度、生体利用率、製造など)を促進することが知られているので、本方法で用いられた化合物は、所望の場合、プロドラッグの形式で送達されてもよい。したがって、本発明は、プロドラッグを送達する方法を検討する。本発明、例えば式(I)で用いられた化合物のプロドラッグは、薬理学的に活性のある部分をもたらすためにルーチン操作またはインビボのいずれかで修飾が切断されるような、化合物中に存在する官能基の修飾により調製されていてもよい。

0163

したがって、プロドラッグは、例えば、プロドラッグが哺乳類被験体に投与される場合、遊離ヒドロキシル、遊離アミノ、またはカルボン酸を形成するために切断されるような、それぞれヒドロキシ基、アミノ基またはカルボキシ基が任意の基に結合される、本明細書において記述される化合物を含む。実施例は、アルコール官能基およびアミン官能基酢酸誘導体ギ酸誘導体および安息香酸誘導体;およびメチルエステルエチルエステルプロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステルイソブチルエステル、sec-ブチルエステル、tert-ブチルエステル、シクロプロピルエステル、フェニルエステルベンジルエステルおよびフェネチルエステル、および同種のもののような、アルキルエステル炭素環式エステル、アリールエステル、およびアルキルアリールエステルを含むが、限定されない。

0164

本発明の方法で用いられた化合物は、当業者に十分に公知の多くの方法で調製されてもよい。この化合物は、例えば下記に述べられる方法、または当業者により認識されるような、その変形によって合成することができる。本発明と関連して開示された過程はすべて、ミリグラム、グラム、マルチグラム、キログラム、マルチキログラムまたは商用産業上の規模を含む任意の規模で実行されるために検討される。

0165

本方法で用いられた化合物は1つまたは複数の非対称的に置換された炭素原子を含んでもよく、光学活性体またはラセミ体で単離されてもよい。したがって、特異的な立体異性体または異性体が具体的には示されなければ、構造のキラル体ジアステレオマー体、ラセミ体およびすべての幾何学的な異性体はすべて意図される。そのような光学活性体を調製および単離する方法は、当技術分野において周知である。例えば、立体異性体の混合物は、ラセミ体の分割および通常のクロマトグラフィー逆相クロマトグラフィーおよびキラルクロマトグラフィー優先造塩、再結晶、および同種のものを含む標準技術、またはキラル出発物質からのキラル合成もしくは標的キラル中心の計画的な合成のいずれかによってによって分離されてもよいが、限定されない。

0166

容易に理解されるように、存在する官能基は合成の経過の間に保護基を含んでもよい。保護基は、官能性に選択的に追加することができ、官能性から取り除くことができる、水酸基およびカルボキシル基のような、化学的な官能基としてそれ自体知られている。これらの基は、化合物が曝露される化学反応状態に対して、そのような官能性を不活性にするために、化学化合物中に存在する。様々な保護基のうちのいずれも本発明で用いられてよい。保護基はベンジルオキシカルボニル基およびtert-ブチルオキシカルボニル基を含む。本発明に従って用いられてもよい他の保護基は、Greene, T. W. and Wuts, P. G. M., 有機合成の保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)第2版Ed., Wiley & Sons, 1991に記述されるだろう。

0167

本発明に記載のピペリジン-N-アルキルカルボキシレート化合物は、例えば米国特許番号5,250,542、5,434,171、5,159,081および5,270,328で教示された方法を用いて合成されてもよく、この開示は、ここでそれらの全体の参照によって本明細書において組み入れられる。例えば、本化合物の合成の出発物質として用いられた3-置換-4-メチル-4-(3-ヒドロキシ-またはアルカノイルオキシフェニル)ピペリジン誘導体は、米国特許番号4,115,400および米国特許番号4,891,379で教示された一般的な手順によって調製されていてもよく、それらの開示は、ここで全体の参照によって本明細書において組み入れられる。本明細書において記述した化合物の合成のための出発物質の(3R,4R)-4-(3-ヒドロキシフェニル)-3,4-ジメチルピペリジンは、米国特許番号4,581,456で記述されていた手順によって調製されてもよく、それらの開示は、ここで全体の参照によって本明細書において組み入れられるが、記述されるようにβ-立体異性体が好まれるような調節がなされた。

0168

この過程の最初の工程は、アルキルリチウム試薬で3-アルコキシブロモベンゼンを反応させることによる、3-アルコキシフェニルリチウム試薬の形成を含んでもよい。この反応は、不活性状態下でおよび乾燥ジエチルエーテルまたは好ましくは乾燥テトラヒドロフランのような適切な非反応性の溶媒の存在下で実行されてもよい。この過程において使用される好ましいアルキルリチウム試薬は、n-ブチルリチウムおよび特にsec-ブチルリチウムである。一般に、ほぼ等モルよりわずかに過剰なアルキルリチウム試薬が、反応混合物へ加えられてもよい。反応は約−20℃〜約−100℃、より好ましくは約−50℃〜約−55℃の温度で行なわれてもよい。

0169

いったん3-アルコキシフェニルリチウム試薬が形成されたならば、ほぼ等モルの量の1-アルキル-4-ピペリドンを、−20℃〜−100℃の間の温度を維持する間に混合物へ加えてもよい。この反応は、典型的には約1〜24時間後に完了している。この時点で、反応混合物を室温へと徐々に暖めてもよい。産物は、残存リチウム試薬をクエンチングするための飽和塩化ナトリウム溶液の反応混合物への追加によって単離されてもよい。適切な1-アルキル-4-(3-アルコキシフェニル)ピペリジノル誘導体を提供するために、所望の場合、有機質層は分離され、さらに精製されてもよい。

0170

上で調製された4-フェニルピペリジノールの脱水は、周知の手順に記載の強酸で成し遂げられてもよい。脱水は、塩酸臭化水素酸および同種のもののようないくつかの強酸のうちのいずれか1つの様々な量において起こるが、脱水は、好ましくはリン酸、または特にトルエンまたはベンゼン中のp-トルエンスルホン酸で行われる。この反応は、典型的には還流条件下で、より一般には約50℃〜150℃で行なわれてもよい。このように形成された産物は、産物の塩形態酸性の水溶液の塩基性化、および適切な水不混和性の溶媒による水溶液の抽出によって単離されてもよい。その後、所望の場合、蒸発後に生じた残留物はさらに精製することができる。

0171

1-アルキル-4-メチル-4-(3-アルコキシフェニル)テトラヒドロピリジン誘導体は、メタロエナミンアルキル化によって調製されていてもよい。この反応は、窒素またはアルゴンのような不活性雰囲気下で、好ましくはテトラヒドロフラン(THF)中のn-ブチルリチウムにより行なわれる。一般に、n-ブチルリチウムのわずかな過剰量を、約−50℃〜約0℃、より好ましくは、約−20℃〜−10℃の範囲の温度へ冷却されたTHFの、1-アルキル-4-(3-アルコキシフェニル)-テトラヒドロピリジン撹拌溶液へ加えてもよい。この混合物は、反応混合物の温度を0℃以下に維持しながら、およそ10〜30分間撹拌され、その後ハロゲン化メチルの約1.0〜1.5当量の溶液への追加が続いてもよい。約5〜60分後に、水は反応混合物へ加えられてもよく、有機相回収されてもよい。産物は標準手順に従って精製することができる。しかし、粗製生成物は、好ましくは真空下蒸留するまたは約2時間ヘキサン:酢酸エチル(65:35、容積:容積)およびシリカゲルの混合物中でスラリーにすることによって精製される。後者の手順によれば、それから濾過を行い、その後産物を減圧下濾液を蒸発させることによって単離してもよい。

0172

この過程の次の工程は、結合していない環内エナミンへのアミノメチル化マンニッヒ反応の適用を含んでもよい。この反応は、好ましくは水溶性のホルムアルデヒドの約1.2〜2.0当量、および適切な溶媒中の適切な二級アミンの約1.3〜2.0当量を組み合わせることによって行なわれる。水が好ましい溶媒かもしれないが、アセトンおよびアセトニトリルのような他の非求核性溶媒もこの反応で用いることができる。この溶液のpHは非求核性陰イオンを提供する酸でおよそ3.0〜4.0に調節されてもよい。そのような酸の実施例は硫酸メタンスルホン酸およびp-トルエンスルホン酸のようなスルホン酸およびリン酸およびテトラフルオロ硼酸を含み、硫酸が好ましい。この溶液に、典型的には水溶性の硫酸中で溶解された1-アルキル-4-メチル-4-(3-アルコキシフェニル)テトラヒドロピリジンの1当量を追加してもよく、溶液のpHは非求核性酸または適切な二級アミンで再調整されてもよい。反応の間のpHは好ましくは約1.0〜5.0の範囲中で維持され、pH約3.0〜3.5がより好ましい。約50℃〜約80℃、より好ましくは約70℃の範囲の温度で行われた場合、この反応は実質的には約1〜4時間後に、より典型的には約2時間後に完了する。それから、その反応はほぼ30℃に冷却され、水酸化ナトリウム溶液に加えられてもよい。次に、この溶液は、ヘキサンまたは酢酸エチルおよび有機相のような水不混和性の有機溶媒で抽出してもよく、残存ホルムアルデヒドを除去するための水による完全な洗浄後に、減圧下で乾燥するまで蒸発させてもよい。

0173

この過程の次の工程は、対応するtrans-1-アルキル-3,4-ジメチル-4-(3-アルコキシフェニル)ピペリジンへの、調製した1-アルキル-4-メチル-4-(3-アルコキシフェニル)-3-テトラヒドロピリジンメタンアミン触媒水素化を含んでもよい。この反応は、実際には2つの工程で起こる。第1の工程は、エキソC--N結合が3-メチルテトラヒドロピリジンを生成するように還元的開裂される、水素化分解反応である。第2の工程では、所望のピペリジン環を与えるように、2,3-二重結合がテトラヒドロピリジン環中で還元される。

0174

エナミンの二重結合の還元は、ピペリジン環の3および4の炭素原子で重大な相対立体化学を導入した。この還元は、一般に完全な立体選択性では起こらない。この過程で用いられる触媒は、様々なパラジウム触媒および好ましくは白金触媒の中から選択されてもよい。

0175

この過程の触媒水素化工程は、好ましくは酸性の反応媒体中で行なわれる。この過程で使用される適切な溶媒は、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサンおよび同種のものと同様に、メタノールまたはエタノールのようなアルコールも含む。

0176

適切な立体化学の転帰は、用いられた触媒の量に依存的かもしれない。所望の立体化学の結果をもたらすのに必要な触媒量は、様々な触媒毒の存在の有無に関連した出発物質の純度に依存的かもしれない。

0177

反応槽水素圧力は重要でないかもしれないが、約5〜200psiまでの範囲でありえる。容積による出発物質の濃度は、好ましくは出発物質1グラム当たり約20 mLの液体であるが、増加または減少した濃度の出発物質を用いることができる。本明細書において指定された条件下では、分子の過還元はできないので、触媒水素化のための時間は重大ではないかもしれない。反応は24時間またはそれ以上まで継続することができるが、理論上の水素2モルの取り込み後に還元条件を継続することは必要ではないかもしれない。次に、産物は、反応混合物を、例えば珪藻土を通してろ過し、減圧下で濾液を蒸発させ乾燥することによって単離されてもよい。このように単離された産物のさらなる精製は必要ではないかもしれなく、好ましくは、ジアステレオマーの混合物は次の反応へ直接導かれてもよい。

0178

アルキル置換基は、標準の脱アルキル手順によってピペリジン環の1-位から取り除かれてもよい。好ましくは、クロロギ酸誘導体(特にビニルまたはフェニル誘導体)は用いられてもよく、酸で除去されてもよい。次に、調製されたアルコキシ化合物は、対応するフェノールへと脱アルキル化されてもよい。この反応は、一般に48%水性臭化水素酸溶液中で化合物を反応させることによって行なわれてもよい。約50℃〜約150℃の温度で、より好ましくは反応混合物の還流温度で行われた場合、この反応は、約30分〜24時間後に実質的に完了してもよい。次にこの混合物の溶液を冷やし、その後塩基によりpH8付近中和して使ってもよい。この水溶液は水不混和性の有機溶媒で抽出してもよい。次に、有機相の蒸発後に、残留物を次の工程で直接使用してもよい。

0179

本発明の化合物へ出発物質として用いられた化合物も、1-アルキル-4-メチル-4-(3-アルコキシフェニル)-3-テトラヒドロピリジンメタンアミンを3位で臭素化し、このように調製されたブロモ化合物リチオ化すること、および対応する1-アルキル-3,4-ジメチル-4-(3-アルコキシフェニル)テトラヒドロピリジンメタンアミンを提供するために臭化メチルのようなハロゲン化メチルでリチオ化された中間体を反応させることによって調製することができる。次に、この化合物は上に示されるような出発物質へ還元および変換されてもよい。

0180

本発明の化合物は個々の立体異性体として存在することができる。好ましくは、米国特許番号4,581,456で開示されるように、または米国特許番号5,250,542の実施例1で示されるように、実質的に立体選択性で本質的に2つの鏡像異性体ラセミ混合物を提供するように、反応条件は調節される。次に、これらの鏡像異性体は分割されてもよい。これらの化合物の合成において使用される、分割された出発物質の調製に用いられてもよい手順は、分割された中間体を提供するために、(+)-または(−)-ジトルオイル酒石酸のいずれかで、アルキル-3,4-ジメチル-4-(3-アルコキシフェニル)ピペリジンのラセミ混合物を処理することを含む。次に、この化合物はクロロギ酸ビニルにより1位で脱アルキル化され、最終的に、所望の4-(3-ヒドロキシフェニル)ピペリジン異性体に変換されてもよい。

0181

当業者によって理解されるように、本発明の化合物の対応するラセミ混合物から、本発明の個々の鏡像異性体も(+)または(−)ジベンゾイル酒石酸のいずれかにより、所望されたように、単離することができる。好ましくは(+)-トランス鏡像異性体が得られる。

0182

(+)-トランス-3,4立体異性体が好ましいが、本明細書において記述された化合物の可能な立体異性体はすべて本発明で検討された範囲の内である。実質的に純粋な立体異性体だけでなく、立体異性体のラセミ混合物も、本発明の範囲内である。本明細書において使用されるように、用語「実質的に純粋な」は、他の可能な立体異性体と比較して、所望の立体異性体が、少なくとも約90モルパーセント、より好ましくは少なくとも約95モルパーセント、および最も好ましくは少なくとも98モルパーセント存在することを指す。

0183

中間体は、Lが塩素臭素またはヨウ素のような離脱基、Eはカルボン酸、エステルまたはアミド、およびR3およびnは上記に定義された通りである場合に、式LCH2(CH2),C1CHR3C(O)Eの化合物と3,4-アルキル-置換-4-(3-ヒドロキシフェニル)ピペリジンを反応させることによって調製することができる。好ましくは、Lは塩素であり、反応はピペリジン窒素をアルキル化するために塩基の存在下で行なわれる。例えば、4-クロロ-2-シクロヘキシルブタン酸、エチルエステルは、4-[(3R,4R)-4-(3-ヒドロキシフェニル)-3,4-ジメチル-1-ピペリジン]ブタン酸、エチルエステルを提供するために、(3R,4R)-4-(3-ヒドロキシフェニル)-3,4-ジメチルピペリジンと接触させることができる。カルボン酸のエステルが好まれてもよいが、遊離酸それ自体またはカルボン酸のアミドが使用されてもよい。

0184

代替の合成では、置換ピペリジンは、ピペリジン窒素をアルキル化するためにメチレン基を含むアルキルエステルと接触させることができる。例えば、2-メチレン-3-フェニルプロパン酸、エチルエステルは、2-ベンジル-3-ピペリジンプロパン酸エチルエステルを提供するために所望のピペリジンと接触させることができる。

0185

他の合成経路は、ハロアルキルニトリルによる置換ピペリジンの反応を含むことが可能である。もたらされたピペリジンアルキルニトリルのニトリル基は対応するカルボン酸へ加水分解することができる。

0186

各々の合成経路で、修飾された化学構造を提供するために、もたらされたエステルまたはカルボン酸を、アミンまたはアルコールと反応させることができる。アミドの調製では、ジシクロヘキシルカルボジイミドホウ酸ボラン-トリメチルアミンおよび同種のもののような結合剤の存在下で、ピペリジン-カルボン酸または-カルボン酸エステルを、アミンと反応させてもよい。エステルは、p-トルエンスルホン酸、三弗化硼素エーテラートまたはN,N'-カルボニルジイミダゾールのような結合剤の存在下で、ピペリジン-カルボン酸を、適切なアルコールと接触させることによって調製することができる。代わりに、ピペリジン-カルボン酸塩化物は、塩化チオニル三塩化リン五塩化リンおよび同種のもののような試薬を使用して調製することができる。対応するアミドまたはエステルを提供するために、この塩化アシルを適切なアミンまたはアルコールと反応させることができる。

0187

本発明に記載のアヘンアルカロイド誘導体は、例えば、米国特許番号4,730,048および4,806,556で教示された方法を用いて合成されてもよく、それらの開示は、ここに全体の参照によって本明細書において組み入れられる。例えば、式(III)のアヘンアルカロイド誘導体は、ナルトレサミン(Rが(シクロプロピル)メチル、ZがOH、およびR!がHである、式(III))、またはオキシモルファミン(RがCH3、ZはOH、およびR!がHである、式(III))の6-アミノ基へ、親水性のイオン化部分のR'およびR"を結合することによって、調製されていてもよい。式IVのアヘンアルカロイド誘導体は、適切なアミノ化合物シッフ塩基反応によって、オキシモルホン(RがCH3およびZがOHである、式(VII))またはナルトレキソン(Rが(シクロプロピル)メチルおよびZがOHである、式(VII);式Vも参照)の6-ケト基を、イオン化親水基(R"N=)に変換することによって、調製されていてもよい。 VII 同様の様式で、Zが水素である、式(III)および(IV)のデオキシオピエートは、容易に入手可能な出発物質から調製されていてもよい。

0188

式(VII)の化合物は、例えば、米国特許番号3,723,440で、教示された方法を用いて、合成されてもよく、それらの開示は、ここで全体の参照によって本明細書において組み入れられる。

0189

アンタゴニストは、例えば、不活性な希釈剤または吸収可能な食用の担体と共に経口的に投与されてもよく、またはハードまたはソフトシェルゼラチンカプセル剤で包まれてもよく、または錠剤に圧縮封入されてもよく、または食餌の食品と直接組み合わせてもよい。治療上の経口投与に対して、アンタゴニストは賦形剤と組み合わせてもよく、摂取可能な錠剤、口腔錠トローチ、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁液、シロップ剤およびウエハースおよび同種のものの形式で使用される。そのような治療上有用な組成物のアンタゴニストの量は、当技術分野における技能の中のルーチン技術を使用して、適切な投薬量を達成するために調節される。アンタゴニストのための典型的な投薬量は、約0.1〜約1000 mgのアンタゴニストを含む、経口投薬単位の形式である。

0190

錠剤、トローチ、ピル、カプセル剤および同種のものは、トラガカントゴムアラビアゴムトウモロコシデンプンまたはゼラチンのような結合剤;リン酸カルシウムのような賦形剤;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸および同種のもののような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤;ショ糖、ラクトース、サッカリンのような甘味剤、および/または、ペパーミントウインターグリーン油またはサクランボ香味料のような香料の、1つまたは複数も含んでもよい。単位投薬形式がカプセルである場合、上記の型の材料に加えて、液体キャリアを含んでもよい。様々な他の材料は、コーティングとして、または他の場合には投薬単位物理的形式を修飾するために存在してもよい。例えば、錠剤、ピルまたはカプセル剤は、セラック、糖または両方により覆われてもよい。シロップまたはエリキシルは、活性化合物(甘味剤としてショ糖、防腐剤としてメチルパラベンおよびプロピルパラベン色素、および/またはサクランボもしくはオレンジ風味のような香味料)を含んでもよい。もちろん、任意の単位投薬形式を調製するのに使用される任意の材料は、好ましくは、用いられた量において薬学的に純粋で実質的に無毒である。さらに、活性化合物は徐放性製剤および徐放性製剤へ組み入れられてもよい。

0191

アンタゴニストは、さらに非経口的または腹腔内に投与されてもよい。未修飾の形式または薬理学的に許容できる塩としてアンタゴニストの溶液は検討され、ヒドロキシプロピルセルロースのような界面活性剤と適切に混合された水で調製することができる。分散液も、グリセロール、液体のポリエチレングリコール好ましくは平均分子量が少なくとも15 kDaの高分子量ポリエチレングリコール、その混合物、および油脂で調製することができる。さらに、本明細書において開示された投与経路、または当技術分野において公知の任意の投与経路が使用されてもよい。


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