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世界でのこの技術分類の技術分布

技術 ステント

出願人 発明者
出願日 2006年11月7日 (8年0ヶ月経過) 出願番号 2006-301720
公開日 2008年5月22日 (6年6ヶ月経過) 公開番号 2008-113958
登録日 2012年6月8日 (2年5ヶ月経過) 登録番号 5008181
特許期限 2026年11月7日 (残11年11ヶ月) 状態 特許維持
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図面 (1)

以下の情報は公開日時点(2012年6月8日)のものです。

課題

体内での加温を行わずとも、良好な、デリバリー性ステント血管内輸送性)、任意留置性および再狭窄防止性を兼ね備え初期留置位置からの変位し難いステントを提供する。

解決手段

ステント11は、屈曲部12を形成した環状ストラット13とそれをつなぐリンク部15とを有するとともに、Nbを含むTi-Ni系形状記憶合金からなる筒状のステント11であり、少なくとも屈曲部12の拡張性保持部の形状回復とする温度デリバリー時において生体温度を超えるようにしている。

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背景

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ステント治療は、近年急速に使われてきている新しい技術である。ステントは、血管などの狭窄拡張後再狭窄を防ぐ為に、体内留置されるメッシュ状金属パイプのことである。カテーテル先端部に縮径収納されたステントは、狭窄部への導入後、カテーテルからの解放拡張操作によって、血管などの腔内壁に取り付けられる。PTCA(経皮的冠動脈形成術)の場合、ステントは、収納内壁に組み合わせされている風船膨張による血管拡張操作に伴って拡げられる。これはバルーン(風船)拡張型(balloon-expandable)と呼ばれ、金属材料としてはステンレスタンタル、あるいはコバルトクロム合金が用いられている。

一方、蜘蛛膜出血などの原因となる動脈瘤の破裂防止方法としてはへの血流止めることにある。一例として、プラチナなどの金属コイルを瘤に詰め血栓化を図る塞栓技術がある。しかし、血栓の一部が金属から離脱し、血流と伴に末梢流れ血管を塞ぐ懸念が指摘されている。その対策として、人工血管によって瘤を塞栓するカバードステント技術が検討されている。カバードステント技術のステントはカテーテルから解放されると同時に自己のバネ性で拡張し、人工血管を血管壁押し付けるものである。いわゆる、自己拡張型(Self-expandable)と呼ばれ、バネ特性に優れる材料が求められている。

次に、優れたバネ特性を有する合金としてTi-Ni合金を始めとした形状記憶合金が知られている。形状記憶合金は、高温相である母相から、冷却により低温相であるマルテンサイト相へとマルテンサイト変態をする。また、マルテンサイト相からの昇温による母相へのマルテンサイト逆変態(以下、逆変態ともいう)することにより自発的形状回復を示すと共に、母相温度域において超弾性効果(いわゆる形状記憶合金で見られる超弾性効果であり、以下、超弾性ともいう)を有し、優れたバネ特性を示す。 超弾性特性は、数多くの形状記憶合金の中でも特に、Ti-Ni合金およびTi-Ni-X合金(X=V,Cr,Co,Nb等)に顕著に現れる。Ti-Ni合金の形状記憶効果は、下記の特許文献1に、超弾性効果は特許文献2にそれぞれ示されている。Ti-Ni-X合金の形状記憶効果および超弾性効果は、例えば、Ti-Ni-V合金に関しては特許文献3及び特許文献4に、Ti-Ni-Nb合金に関しては特許文献5に記載されている。 尚、本発明に関わるTi-Ni-Nb合金は、Ti-Ni合金に比べ温度ヒステリシス応力付加によって広くすることができる特長を示すために、原子炉配管継ぎ手などに実用化されている。

Ti-Ni形状記憶合金の特徴は、合金の逆変態温度開始温度(As温度)に始まり逆変態終了温度(Af温度)以上では、外部から変形受けても、外部拘束解除と同時に元の形に復元し、回復量は伸び歪みで約7%に達する。As温度は形状回復とする開始温度、Af温度は形状回復とする終了温度(形状回復とする温度)を意味する。ステント用途の場合、留置内腔よりやや大きめに形成したフープ形状テントは、カテーテルに縮径マウント・カテーテルから解放後、直ちに、その元径に自発的に復元し、内腔に密着する。 即ち、合金のAf温度は生体温度(37℃近傍)以下としている。超弾性ステントは、前記の特徴と同時に、自発形状復元性による血管壁損傷留置位置決めズレデリバリー性欠けるなどの難点があるために、冠動脈などの繊細な拡張、留置が必要な血管系には使用し難い。

PTCA用ステントの素材は、血管を損傷し難くデリバリー性(尚、デリバリーとは、ステントの血管内輸送という意味で使用する)に優れる弾性限の低い金属材料が好ましいが、拡張後の腔壁への押し付け力拡張力)が弱い。その解決手段として、形状記憶合金を用いたステントが提案されている。また、特許文献6には本発明に係るTi-Ni-Nb合金のステント適用が記載されている。特徴としては、「Ti-Ni-Nb形状記憶合金の形状回復時低ヤング率性、外力による形状変形時の高ヤング率性ステントは、合金変形における応力歪み曲線上の荷重時変曲点での応力対非荷重時の変曲点での応力の比が少なくとも、2.5:1とすることで得られる」と述べている。しかし、この技術はカテーテルからの解放後生体温度で超弾性効果を示すもので、PTCAに求められる課題(位置決め任意性など)を十分に解決するものではない。

また、本発明者らによる発明としてのステントを特許文献7に提案している。すなわち、体内挿入時、生体温度での形状記憶効果であって、バルーンによる形状復元後の超弾性効果を示すステントの提案である。実施例では、Ti-Ni合金およびTi-Ni-X合金(X=Cr,V,Cu,Fe,Coなど)からなるステントを強変形することで回復温度を上昇させることを述べている。しかし、歪み付加スロット加工ステントをカテーテルに収納することでの強変形のみであり、スロット形状によっては充分な効果は得られないものである。また、歪み付加による形状回復とする温度の上昇幅が大きいTi-Ni-Nb合金の言及がなく、バルーンへの装着性が不十分で、カテーテルでの外側からの拘束の必要性が述べられている。

特許文献8ではTi-Ni合金、Ti-Ni-X合金を用いたステントで、熱処理によって部分的に材料の剛性を変化させることを提案している。具体的には、熱処理変化によって比較的剛性の高い超弾性部と低剛性の塑性変形部分(明細書中、超弾性が破壊される部分)を交互に連鎖させるとしており、本発明の意図する主旨、手段とは異なるものである。また、ステントの様な複雑な形状に、異なった熱処理を施すことは再現性とコストの面で問題がある。 特許文献9、においては、Ti-Ni-Nb合金を用いたステントの提案を行った。特許文献9では、バルーン拡張され、留置される以前まで形状回復とする温度が生体温度以上となり、拡張後に加温することにより歪み効果を解消し形状回復とする温度を生体温度以下となし、生体温度で超弾性効果を示すステント、を提案している。 米国特許3,174,851号 特開昭58−161753号公報 特開昭63−171844号公報 特開昭63−14834号公報 米国特許4,770,725号 特開平11−42283号公報 特開平11−099207号公報 特表2003−505194号公報 特開2005−245848号公報

概要

体内での加温を行わずとも、良好な、デリバリー性(ステントの血管内輸送性)、任意留置性および再狭窄防止性を兼ね備え初期留置位置からの変位し難いステントを提供する。ステント11は、屈曲部12を形成した環状ストラット13とそれをつなぐリンク部15とを有するとともに、Nbを含むTi-Ni系形状記憶合金からなる筒状のステント11であり、少なくとも屈曲部12の拡張性保持部の形状回復とする温度がデリバリー時において生体温度を超えるようにしている。

目的

ステントに求められる作用は、デリバリー性(血管内輸送性)、任意留置性(必要な箇所への留置の容易性)、再狭窄防止性(留置後の強い拡張力と柔軟な形状追随性)である。近年のステント治療症例急増に伴い、課題として、ステント留置後の再狭窄や初期留置位置からの変位がある。特に前記の様に超弾性効果を有するステントが使用し難い冠動脈等、現在、バルーン拡張が行われる場合に生起する。 本発明の課題は、これらを解決するため、本発明者らの提案である前記Ti-Ni-Nbステントの問題点をも解決し、体内での加温を行わずとも、良好な、デリバリー性、任意留置性および再狭窄防止性を兼ね備え、初期留置位置からの変位し難いステントを提供することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項

以下の情報は公開日時点(2012年6月8日)のものです。

請求項1

変形性保持部を有する屈曲部を形成したストラットとストラットを屈曲部同士つなぐリンク部とを有するとともに、Nbを含むTi-Ni系形状記憶合金からなる筒状ステントであり、少なくとも屈曲部の変形性保持部が形状回復する生体温度を超えることを特徴とするステント。

請求項2

前記屈曲部の変形性保持部が選択的歪み付加され、該変形性保持部の形状回復とする温度が他の部分と比較して上昇する構造を有する請求項1に記載のステント。

請求項3

前記屈曲部の変形性保持部のみ形状回復とする温度を生体温度以上に上昇させ、他の部分が生体温度以下に形状回復とする温度を有する請求項1または2に記載のステント。

請求項4

前記屈曲部の変形性保持部のみ形状回復とする温度を生体温度以上に上昇させ、他の部分が生体温度以下の形状回復とする温度を有することによって生体温度での超弾性効果を有することを特徴とする請求項1または2に記載のステント。

請求項5

前記形状回復とする温度が他の部分と比較して上昇する構造は、屈曲部を波形状連続して形成された環状のストラットであって、屈曲部を前記ストラットの軸方向に向けて配設し、該軸方向へ隣接するストラットの屈曲部間を前記リンク部で連結するようにしたことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載のステント。

詳細

以下の情報は 公開日時点 (2012年6月8日)のものです。

技術分野

0001

本発明は、血管、胆道及び尿道の如き人体管状器官狭窄症状等の治療器具として使用される形状記憶合金からなるステントに関する。


背景技術

0002

ステント治療は、近年急速に使われてきている新しい技術である。ステントは、血管などの狭窄拡張後再狭窄を防ぐ為に、体内留置されるメッシュ状金属パイプのことである。カテーテル先端部に縮径収納されたステントは、狭窄部への導入後、カテーテルからの解放拡張操作によって、血管などの腔内壁に取り付けられる。PTCA(経皮的冠動脈形成術)の場合、ステントは、収納内壁に組み合わせされている風船膨張による血管拡張操作に伴って拡げられる。これはバルーン(風船)拡張型(balloon-expandable)と呼ばれ、金属材料としてはステンレスタンタル、あるいはコバルトクロム合金が用いられている。

0003

一方、蜘蛛膜出血などの原因となる動脈瘤の破裂防止方法としてはへの血流止めることにある。一例として、プラチナなどの金属コイルを瘤に詰め血栓化を図る塞栓技術がある。しかし、血栓の一部が金属から離脱し、血流と伴に末梢流れ血管を塞ぐ懸念が指摘されている。その対策として、人工血管によって瘤を塞栓するカバードステント技術が検討されている。カバードステント技術のステントはカテーテルから解放されると同時に自己のバネ性で拡張し、人工血管を血管壁押し付けるものである。いわゆる、自己拡張型(Self-expandable)と呼ばれ、バネ特性に優れる材料が求められている。

0004

次に、優れたバネ特性を有する合金としてTi-Ni合金を始めとした形状記憶合金が知られている。形状記憶合金は、高温相である母相から、冷却により低温相であるマルテンサイト相へとマルテンサイト変態をする。また、マルテンサイト相からの昇温による母相へのマルテンサイト逆変態(以下、逆変態ともいう)することにより自発的形状回復を示すと共に、母相温度域において超弾性効果(いわゆる形状記憶合金で見られる超弾性効果であり、以下、超弾性ともいう)を有し、優れたバネ特性を示す。 超弾性特性は、数多くの形状記憶合金の中でも特に、Ti-Ni合金およびTi-Ni-X合金(X=V,Cr,Co,Nb等)に顕著に現れる。Ti-Ni合金の形状記憶効果は、下記の特許文献1に、超弾性効果は特許文献2にそれぞれ示されている。Ti-Ni-X合金の形状記憶効果および超弾性効果は、例えば、Ti-Ni-V合金に関しては特許文献3及び特許文献4に、Ti-Ni-Nb合金に関しては特許文献5に記載されている。 尚、本発明に関わるTi-Ni-Nb合金は、Ti-Ni合金に比べ温度ヒステリシス応力付加によって広くすることができる特長を示すために、原子炉配管継ぎ手などに実用化されている。

0005

Ti-Ni形状記憶合金の特徴は、合金の逆変態温度開始温度(As温度)に始まり逆変態終了温度(Af温度)以上では、外部から変形受けても、外部拘束解除と同時に元の形に復元し、回復量は伸び歪みで約7%に達する。As温度は形状回復とする開始温度、Af温度は形状回復とする終了温度(形状回復とする温度)を意味する。ステント用途の場合、留置内腔よりやや大きめに形成したフープ形状テントは、カテーテルに縮径マウント・カテーテルから解放後、直ちに、その元径に自発的に復元し、内腔に密着する。 即ち、合金のAf温度は生体温度(37℃近傍)以下としている。超弾性ステントは、前記の特徴と同時に、自発形状復元性による血管壁損傷留置位置決めズレデリバリー性欠けるなどの難点があるために、冠動脈などの繊細な拡張、留置が必要な血管系には使用し難い。

0006

PTCA用ステントの素材は、血管を損傷し難くデリバリー性(尚、デリバリーとは、ステントの血管内輸送という意味で使用する)に優れる弾性限の低い金属材料が好ましいが、拡張後の腔壁への押し付け力拡張力)が弱い。その解決手段として、形状記憶合金を用いたステントが提案されている。また、特許文献6には本発明に係るTi-Ni-Nb合金のステント適用が記載されている。特徴としては、「Ti-Ni-Nb形状記憶合金の形状回復時低ヤング率性、外力による形状変形時の高ヤング率性ステントは、合金変形における応力歪み曲線上の荷重時変曲点での応力対非荷重時の変曲点での応力の比が少なくとも、2.5:1とすることで得られる」と述べている。しかし、この技術はカテーテルからの解放後生体温度で超弾性効果を示すもので、PTCAに求められる課題(位置決め任意性など)を十分に解決するものではない。

0007

また、本発明者らによる発明としてのステントを特許文献7に提案している。すなわち、体内挿入時、生体温度での形状記憶効果であって、バルーンによる形状復元後の超弾性効果を示すステントの提案である。実施例では、Ti-Ni合金およびTi-Ni-X合金(X=Cr,V,Cu,Fe,Coなど)からなるステントを強変形することで回復温度を上昇させることを述べている。しかし、歪み付加スロット加工ステントをカテーテルに収納することでの強変形のみであり、スロット形状によっては充分な効果は得られないものである。また、歪み付加による形状回復とする温度の上昇幅が大きいTi-Ni-Nb合金の言及がなく、バルーンへの装着性が不十分で、カテーテルでの外側からの拘束の必要性が述べられている。

0008

特許文献8ではTi-Ni合金、Ti-Ni-X合金を用いたステントで、熱処理によって部分的に材料の剛性を変化させることを提案している。具体的には、熱処理変化によって比較的剛性の高い超弾性部と低剛性の塑性変形部分(明細書中、超弾性が破壊される部分)を交互に連鎖させるとしており、本発明の意図する主旨、手段とは異なるものである。また、ステントの様な複雑な形状に、異なった熱処理を施すことは再現性とコストの面で問題がある。 特許文献9、においては、Ti-Ni-Nb合金を用いたステントの提案を行った。特許文献9では、バルーン拡張され、留置される以前まで形状回復とする温度が生体温度以上となり、拡張後に加温することにより歪み効果を解消し形状回復とする温度を生体温度以下となし、生体温度で超弾性効果を示すステント、を提案している。 米国特許3,174,851号 特開昭58−161753号公報 特開昭63−171844号公報 特開昭63−14834号公報 米国特許4,770,725号 特開平11−42283号公報 特開平11−099207号公報 特表2003−505194号公報 特開2005−245848号公報


発明が解決しようとする課題

0009

ステントに求められる作用は、デリバリー性(血管内輸送性)、任意留置性(必要な箇所への留置の容易性)、再狭窄防止性(留置後の強い拡張力と柔軟な形状追随性)である。近年のステント治療症例急増に伴い、課題として、ステント留置後の再狭窄や初期留置位置からの変位がある。特に前記の様に超弾性効果を有するステントが使用し難い冠動脈等、現在、バルーン拡張が行われる場合に生起する。 本発明の課題は、これらを解決するため、本発明者らの提案である前記Ti-Ni-Nbステントの問題点をも解決し、体内での加温を行わずとも、良好な、デリバリー性、任意留置性および再狭窄防止性を兼ね備え、初期留置位置からの変位し難いステントを提供することである


課題を解決するための手段

0010

TI-Ni-Nb合金はTi-Ni合金や他のTi-Ni-X合金に比べ、種々の特徴ある特性が知られている。歪み付加にともなう逆変態温度の上昇幅がより大きいことや、歪み付加前後にて、逆変態開始温度と逆変態終了温度の幅が急激に小さくなること等である。最終冷間加工率30%とした46.4Ti-47.6Ni-6Nbのφ1mmの線材を、400℃1時間で熱処理を行った後、室温にて引っ張り試験を行った。図9はその応力歪み曲線である。歪み量を1%ずつ増加し14%まで、除荷と引っ張りを繰り返した。 歪み量が小さい場合は超弾性効果を示すが、歪み量の増加にともない変態温度が上昇し、残留歪みが大きくなり元の長さに戻らなくなり、超弾性効果も減少し最終的に失われた。また、歪み量の増加にともない降伏応力が低下し柔らかくなった。これらの特性は、Ti-Ni合金や他のTi-Ni-X系合金に比べて顕著である。また、これらの特性を損なわない程度に、V,Cr,Co,Fe等の元素添加しても良い。Ti-Ni-Nb合金も他のTi-Ni-X合金およびTi-Ni2元合金と同様に、組成、最終的な冷間加工率および熱処理条件の選択により、適宜にこれら特性を変化させ得る。本発明では、このTi-Ni-Nb合金の機械的特性を使用してステントを作製した。

0011

ここで、本発明者らは、Ti-Ni-Nb合金のステントに局所的に歪みを与え形状回復とする温度を制御することにより、バルーンへの格納性と、拡張後の超弾性あるいは高弾性(本来の意味で弾性変形歪み量が大きいこといい、超弾性効果を示さないものも含む)、高い拡張力を、加温することなく付与することが可能であることを知り得た。 すなわち、本発明のステントによれば、変形性保持部を有する屈曲部を形成したストラットとストラットを屈曲部同士つなぐリンク部とを有するとともに、Nbを含むTi-Ni系形状記憶合金からなる筒状のステントであり、少なくとも屈曲部の変形性保持部が形状回復する生体温度を超えるようにした。 上記ステントは、前記屈曲部の変形性保持部が選択的に歪みが付加され、該変形性保持部の形状回復とする温度が他の部分と比較して上昇する構造を有するようにしている。 上記ステントは、前記屈曲部の変形性保持部のみ形状回復とする温度を生体温度以上に上昇させ、他の部分が生体温度以下に形状回復とする温度を有することができる。 上記ステントは、前記屈曲部の変形性保持部のみ形状回復とする温度を生体温度以上に上昇させ、他の部分が生体温度以下の形状回復とする温度を有することによって生体温度での超弾性効果を有するようにした。 また、上記ステントは、前記形状回復とする温度が他の部分と比較して上昇する構造は、屈曲部を波形状連続して形成された環状のストラットであって、屈曲部を前記ストラットの軸方向に向けて配設し、該軸方向へ隣接するストラットの屈曲部間を前記リンク部で連結するようにした。


発明の効果

0012

本発明では、セル屈曲部への歪み付加により他の部分より形状回復とする温度が高くなるため、バルーン拡張が可能であり、かつ、部分的に超弾性あるいは高弾性を有する拡張力が高く変形に対する回復が良好なステントを供給可能となる。デリバリー性、任意留置性および再狭窄防止性を兼ね備え、初期留置位置からの変位し難いステントが可能となる。付加された歪みを解消するための加温を行うことなく拡張力が高く変形に対する回復が良好なステントが得られるため、システムを簡略に構成可能であり、また加温が困難な条件にも適用できる。ステント拡張に必要な力と形状回復性、拡張力をこれまでよりも幅広く種々設定することが可能になる。


発明を実施するための最良の形態

0013

以下、本発明の実施形態によるステントについて、図面を参照しながら説明する。 図1及び図2は、本発明に従って構成された形状記憶合金でなるステントの好適実施形態を示している。第1のステントは全体を番号11で示し、第2のステントは全体を番号21で示し、これらの第1及び第2のステント11,21は、各々全体が網状でなる円筒形状であり、図1及び図2では平面展開したものを示している。 ステント11,21の作製は、周波溶解によりTi-Ni-Nb合金を作製し、熱間加工および冷間加工によりチューブ状の前駆体を形成する。冷間加工率は、10%以上であり機械的破壊が起こり得る60%以下であるが、好ましくは、良好な機械特性が得られる20%以上であり、安定した加工が可能な50%以下である。本実施形態では、チューブ寸法は、およそ外径2.45mm、肉厚0.19mmの大きさに形成した。この際のチューブの最終的な冷間加工率は、断面積減面率で約30%であった。

0014

次にチューブをNd:YAGレーザ装置にて、所用部位以外を切断加工した。具体的には、照射されるレーザ光スキャンさせ、チューブも回転および長手方向移動させながら、予めプログラムされた形状に、チューブを切断した。本実施形態では、図2及び図4に示す形状に切断した。図2及び図4は、切断品を平面に添加した図である。これらを所定の外径に拡張するため、先端が円錐状の丸棒をステントに挿入し熱処理を行った。本実施形態では、ステントの外径が5mmになるように拡張熱処理を施した。図3の切断品3を拡張して図1のステント11を、ならびに図4の切断品4を拡張して図2のステント21を作製した。熱処理温度は300℃から600℃であるが、好ましくは400℃から500℃である。 尚、ステント11,21の表面には、必要に応じて生体適合性を有する適宜の合成樹脂コーティングを施すことができ、また、所要薬剤を施すこともできる。

0015

上述したように、本発明では、Ti-Ni-Nb合金のステントに局所的に歪みを加え形状回復とする温度を制御することにより、バルーンへの格納性と、拡張後の超弾性あるいは高弾性、高い拡張力を、加温することなく付加する。以下、局所的に歪みを加えることができるステント形状の構造について説明する。 第1のステント11は、長手方向(ステントの軸方向)において、図1に示す上下方向に配列し、複数個の環状のストラット13と隣接するストラット13間の各々に配設した複数個のリンク16を含んでいる。ストラット13は、波形状(若しくはジグザグ形状コルゲート形状)で周方向、すなわち、図1において左右方向に延在する。更に詳述すると、ストラット13は傾斜した直線ストラット部13aと反対側に傾斜した曲線ストラット部13bとを含み、直線ストラット部13aと曲線ストラット部13bとは、周方向に交互に配列している。曲線ストラット13bは、2個所に変曲点14a,14bを有する曲線形状とし、本実施形態では内角角度を一致させるようにした。ストラット13は、一方の曲線ストラット13bのみ変曲点14a,14bを形成したが、直線ストラット部13aについても同様に変曲点を形成してもよい。 直線ストラット部13aの一端と曲線ストラット部13b一端の連結部は、略半円弧状(若しくは角形状)の屈曲部12を介して接続するようにしている。すなわち、屈曲部12は、直線ストラット部13aの両端位置及び曲線ストラット部13bの両端位置に設けている。こうしたストラット11は、1組の直線ストラット部13a、曲線ストラット部13b及び屈曲部12の組み合わせによって1つのセルを形成することになる。そして、これらのセルを周方向に複数配設することによって、環状のストラット13になる。

0016

リンク16は、周方向、図1において左右方向に間隔をおいて配置するようにした。リンク16の各々は、ステント11の長手方向にZ字(若しくはS字を鏡に映した鏡像S字)形状に延びている。リンク16の形状は、折曲部17a,17bを2個所形成しているが、折曲部17a,17bの向きは、ステント11の周方向へ向けて配置する必要がある。 リンク16の各々は、ステント11の軸方向に対向して位置する屈曲部12,12間の各々に配置し、リンク16の一端及び他端を屈曲部12,12間に連結するようにしている。リンク16の断面積は、本実施形態では、直線ストラット13a及び曲線ストラット13bの断面積よりも小さく形成しているが、同じ断面積であってもよい。リンク16の配設場所は、ステント11の長手方向の両端部を除いた全ての屈曲部12に配設している。 なお、ステント11は、長手方向にZ字形状に延びるリンク16に代えて、鏡像Z字形状にリンクを形成してもよい。

0017

第2のステント21は、長手方向(ステントの軸方向)、すなわち、図2おいて上下方向に配列した複数個の環状のストラット23と隣接するストラット23間に配設した複数個のリンク26を含んでいる。リンク26の数は、本実施形態では、屈曲部22をステント21の周方向へ5つ空けた状態で配設し、第1のステント11と比較して数が少ない。そして、そのリンク26aがあるさらに下段のストラット23を連結するリンク26bは、リンク26a,26aとの間に位置するように、上段のリンク26a,26aに対して周方向にずらしている。

0018

ストラット23は、波形状(若しくはジグザグ形状、コルゲート形状)で周方向、すなわち、図2において左右方向に延在する。更に詳述すると、ストラット23は、各々が複数ある直線ストラット部23a,23bを含み、直線ストラット部23aと23bは環状のストラット23の周方向へ、交互に配列した状態にある。直線ストラット部23aの一端と直線ストラット部23b一端の連結部は、略半円弧状(若しくは角形状)の屈曲部22を介して接続している。すなわち、屈曲部22は、直線ストラット部23a,23bの両端位置にある。このようなステント21は、1組の直線ストラット部23a,23b及び屈曲部22の組み合わせによって1つのセルを形成することになる。リンク26の形状は、ほぼノ字形状に形成し、リンク26の断面積は、直線ストラット23a,23bの断面積よりも小さく形成しているが、同じ断面形状であってもよい。

0019

次に、本実施形態のステントの作用について説明する。 図1及び図2に示すステント11,21を縮径し、歪みを付与した。専用の治具を用い、ステント11,21の外側から外力で抑える形式連続的に徐々に外径を縮め、円形を保ったままほぼ同心円状に外径5mmから2.5mmまで縮径させた。その後、治具による外側からの抑えを開放しステント11,21への外力を解消した。2.5mmへ縮径した際のステント11,21の基本的形状は、切断されたままの状態(図3、図4)に同様であった。 このとき、ストラット13,23は、各屈曲部12,23の角度のみ狭小となり、直線ストラット13a、曲線ストラット13b及び直線ストラット23a,23bの部位については形状変化がなく、リンク16,26についても形状変化がなかった。これは、各屈曲部12,22の頂部の位置を軸方向へ向けているので、ステント11,21に縮径方向の力が負荷したときに、各屈曲部12,22に応力が負荷する構造になっており、各屈曲部12,22間に位置する直線ストラット13a、曲線ストラット13b及び直線ストラット23aには、実質的な応力が負荷されていない。一方、リンク16,26は、周方向(図1及び図2の左右方向)に隣接する屈曲部12,22が、ステント11,21が縮径することによって互いに近づくと、隣接するリンク16,26が互いに平行移動して近づく状態となり、実質的な応力が負荷されず形状変化も生じなかった。こうして、屈曲部12,22に歪みを付加させて、形状回復とする温度が上昇した部分である屈曲部12,22の変形性保持部を有するステント11,21を製造できる。

0020

以下、本発明のステントの実施例について説明する。 [実施例によるステントの作製] 本実施例では、下記のステントの組成によって、ステントの外径が5mmになるように拡張熱処理を施した。図3の切断品を拡張して図1のステント11を、または図4の切断品を拡張して図2のステント21を、表1に示す実施例1〜3及び比較例1,2として作製した。

0021

[表1] 表1に示すように、実施例1(No.1:46.4Ti-47.6Ni-6Nb)のステントでは、Ti46.4at%、Ni47.6at%、Nb6%の合金組成とし、熱処理条件を500℃の温度で施して、ステントを作製した。ステントの形状は、図2に示すステント21と同じである。 実施例2(No.2:46.4Ti-47.6Ni-6Nb)のステントでは、Ti46.4at%、Ni47.6at%、Nb6%atの合金組成とし、ステントの組成は実施例1と同じ条件とし、熱処理条件を450℃の温度で施したことが異なる。ステントの形状は、図1に示すステント12と同じである。 実施例3(No.3:47.2Ti-47.8Ni-5Nb)のステントでは、Ti47.2at%、Ni47.8at%、Nb5%atの合金組成とし、熱処理条件を450℃の温度で施して、ステントを作製している。形状は、図2に示すステント21と同じである。 比較例1(No.4:49.4Ti-50.6Ni)のステントでは、Ti49.4at%、Ni50.6%atの合金組成とし、熱処理条件を500℃の温度で施して、ステントを作製した。形状は、図1に示すステント12と同じである。 比較例2(No.5:50Ti-50Ni)のステントでは、Ti50at%、Ni50%atの合金組成とし、熱処理条件を500℃の温度で施して、ステントを作製した。形状は、図1に示すステント12と同じ形状である。

0022

[ステントの歪み付加と変態点上昇変化] 次に、上記No.1〜5のステントを縮径し、歪みを付加した。歪みは専用の治具を用い、ステントの外側から外力で抑える形式で連続的に徐々に外径を縮め、円形を保ったままほぼ同心円状に外径5mmから2.5mmまで縮径した。その後、治具による外側からの抑えを開放しステントへの外力を解消した。 2.5mmへ縮径した際のステントの形状は、切断されたままの状態(図3、図4)に同様であった。ステントの1単位における拡張状態縮径状態との比較を図7と図8に示した。ステントの縮径による形状変化は、主にセル屈曲部の変化であり、セルのその他の部分およびリンクの形状にはほとんど変化が見られなかった。 従って、5mmから2.5mmへの縮径による歪みも、セル屈曲部以外のセルおよびリンクには付加されず、主にセル屈曲部に付加されたことが判った。セル屈曲部の形状の変化から、付加された歪み量は、図2のステント21において8%、図1のステント12において7%であった。

0023

次に、縮径により歪みが付与されたセル屈曲部と、歪みが付与されなかったそれ以外の部分のマルテンサイトの逆変態開始温度と逆変態終了温度を測定した。なお、逆変態開始温度は形状回復が始まる温度であり、逆変態終了温度は形状回復が完了する温度である。具体的には、表1の各ステントにおいて、治具により縮径された後さらに治具から開放された状態で、セル屈曲部と、セル内のセル屈曲部間の線状あるいは曲線状部分のほぼ中央部とを、歪みを入れないように各々切断し、DSC(示差走査熱量分析)により分析した。表1に逆変態開始温度と逆変態終了温度の測定結果を示した。No.1〜No.3では、前記の歪みが付与されていないセル屈曲部の間の部分に比較して、セル屈曲部の逆変態温度の上昇が認められた。いずれにおいても、セル屈曲部の逆変態終了温度は生体温度よりもはるかに高く、No.1およびNo.3では逆変態開始温度も生体温度以上であった。つまり、セル屈曲部は高弾性または超弾性を発現せず、変形がそのまま残りやすいバネ性の小さい状態であった。一方、セル屈曲部の間の部分は、No.1〜No.3のいずれ組成でも、逆変態温度が生体温度以下であり、高弾性または超弾性が表れる状態であることが判った。

0024

No.4とNo.5のTi-Ni2元系合金の比較例では、セル屈曲部の逆変態温度の上昇が小さく、セル屈曲部とセル屈曲部の間の部分との機械的特性に大きな差を与えることができなかった。No.4ではセル屈曲部とセル屈曲部の間の部分とも逆変態温度が生体温度以下であり、いずれの部分も超弾性効果の表れることがわかった。No.5ではセル屈曲部とリンク部とも逆変態温度が生体温度以上であり、いずれの部分も超弾性あるいは高弾性が表れなかった。 Ti-Ni-Nbも含めてTi-Ni系形状記憶合金の降伏応力は、変態温度と使用温度との相対的度差に依存する。例えば生体温度での超弾性や高弾性においても、その形状回復とする温度が低いほど降伏応力は高く、ステント形状での拡張力も大きい。Ti-Ni-Nb合金は歪み付加による変態温度の上昇幅が大きいため、セル屈曲部の歪み量を種々にコントロールすることにより、本実施例の数値に限らず、ステントにおけるセル屈曲部と他の部分とに種々の異なる変態温度とそれにともなう機械的特性を付加することが容易である。

0025

[バルーンへの格納性] 次に、前記のNo.1からNo.5までのステントにおいて、外径5mmから2.5mmまで縮径し、その後、治具による外側からの抑えを開放した際のステント径変化を調べた。表2に、37℃での結果を示した。

0026

[表2] バルーン拡張型ステントでは、体内へのデリバリーの際に、ステントを小さな径でバルーンに密着させるため、拡張以前は小径に維持されることが重要である。すなわち、本実施例では2.5mm縮径後の解放時に、なるべく小さい径であること、いわゆる、スプリングバックが小さいことが望ましい。本実施例では、Ti-Ni-Nb合金のステントNo.1〜No.3において、セル屈曲部の変態温度が高いためスプリングバックが小さく変形に対する戻りが小さく、縮径後の径保持性の良いことがわかった。一方、比較例のNo.4では、縮径後もセル屈曲部の変態温度が生体温度以下であるため、超弾性効果を発現し縮径前の外径に回復した。つまりバルーンへの格納性が悪くバルーン拡張には適さないことがわかった。さらに、比較例のNo.5では、縮径前後ともセル屈曲部の変態温度が生体温度以下であるため、縮径後の径保持性は比較的良好であった。

0027

[ステントとしての形状回復] 次に本実施例では、前記のNo.1からNo.5までのステントにおいて、セル屈曲部、セル、環状ユニット、リンクを含むステント全体としての形状回復性を検証した。拡張と熱処理により4.5mmに拡張しステントを、圧縮試験機により押し込み圧縮し、その後除荷して、残留変形量を測定し、圧縮前の外径に対する回復率を検証した。なお、押し込みは図6に示す様に、基台41の上にステント11軸が水平方向に向くようにして配置し、ステント11の外周面当て板42を載せて、当て板42を介して外径の一方向からの圧縮とした。試験は、37℃の温度で行った。 また、比較例として、SUS316Lおよびコバルトクロム合金のステントも同様に検証した。これら2つのステントは、バルーン拡張用ステントとされるもので、1.55mmのチューブからレーザ加工機により切断し、機械的に拡張して作製された。バルーン拡張留置される際の形状と径を想定し、直径3mmで図5の形状に形成した。このステント31は、波形状が連続して形成される環状のストラット33を備え、環状の隣接したストラット33の屈曲部32を、逆S字形状のリンク36が結んだ形状であって、屈曲部32にのみ歪みを受ける形状である。そして、比較例3(No.6)として、上述のSUS316Lを用い、比較例4(No.7)として上述のコバルトクロム合金を用いて形成し、押し込み量及び残留変形量を調べた。 表3に上記No.1からNo.7までの7種のステントの検証結果を示した。

0028

[表3] 試験結果として、No.4のTi-Ni2元系の比較例1では、ステント全体が超弾性効果を発現し、高い弾性を有し大変良好な径の回復率を示した。但し、このステントがバルーン拡張に極めて不向きであることは前記のとおりである。No.5の比較例2では、ステント全体の変態温度が37℃以上であり超弾性効果が表れず弾性が小さいため、残留変形量が大きく径の回復率もNo.4と比較して小さかった。したがって、外力による歪みに対し容易に変形し、一旦変形すると回復し難いことがわかった。

0029

これらの典型的なバルーン拡張型ステントであるNo.6およびNo.7においては、弾性がさらに小さいため、大きな残量変形量を示し、径の回復率がきわめて悪く、外からの変形に対しきわめて弱いことが判った。 一方、No.1からNo.3のステントでは、前記のようにセル屈曲部以外の部分が超弾性あるいは高弾性を示すため、残留変形量が小さく、径の回復率が大きく、バルーン拡張可能なステントとしてはきわめて良好な弾性を有し、良好な形状回復性と拡張力を有することが判った。 このように、本実施例によっても、Ti-Ni-Nb合金を含んでいる実施例1〜3のステントが、バルーン拡張が可能であり、かつ、部分的に超弾性あるいは高弾性を有する拡張力が高く変形に対する回復が良好なステントを供給可能となる。デリバリー性、任意留置性および再狭窄防止性を兼ね備えたステントの供給が可能となる。

0030

以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的思想に基づいて、勿論、本発明は種々の変形又は変更が可能である。 尚、本発明の実施例の形状以外でも、縮径および拡張による歪み量がセル屈曲部と他の部分で異なる形状であれば、同様の結果が実現できる。セル屈曲部以外の他の部分に歪みが導入されても、セル屈曲部との歪み量の差が大きければ、組成や冷間加工率や熱処理条件等の作製条件を変更することにより、同様の結果が実現できる。

0031

これまでの実施例では、セル屈曲部以外のセルとリンクとが超弾性あるいは高弾性の場合を述べてきた。しかし、前記部分が超弾性あるいは高弾性を示さずとも、従来とは異なったステントを提供できる。例えば、バルーン拡張に必要な力と形状回復性、拡張力がこれまでとは異なったステントが提供できる。石炭化進み硬化した血管をバルーンで拡張する際は大きな力を必要とする。狭窄部の血管拡張とステント留置を同時に行う際、ステントの拡張に要する力が小さければ、血管拡張はより容易になる。このような場合、本発明の方法を用いると、セル屈曲部を柔らかく形成することで、従来のSUSやコバルトクロムのステントの拡張に必要な力をより小さく設定し、変形に対する回復は従来と同様のステントが可能になる。 また、上記第1及び第2のステント11,21のリンク16,26については、各々が同一形状のリンク16,26を配設したが、リンクの形状については1つのステントに2種以上の異なるリンクの形状を設けるようにしてもよい。更には、図5で示した形状のものであってもよい。


図面の簡単な説明

0032

本発明の実施形態における第1の形状のステントを平面に展開した平面図である。 本発明の実施形態における第2の形状のステントを平面に展開した平面図である。 図1の第1の形状のステントを拡張する前のレーザ加工によって得られた切断品を平面に展開した平面図である。 図2の第2の形状のステントを拡張する前のレーザ加工によって得られた切断品を平面に展開した平面図である。 比較例3としてのSUS316Lおよび比較例4としてのコバルトクロム合金のステントの平面展開図である 本実施例及び比較例にて行ったステントの圧縮試験方法の模式側面図である。 本発明の実施形態における第1の形状のステントにおける縮径時(a)と拡張時(b)の比較を示す拡大平面図である。 本発明の実施形態における第2の形状のステントにおける縮径時(a)と拡張時と(b)の比較を示す拡大平面図である。 Ti-Ni-Nb合金線材の応力歪み曲線を示す線図である。


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0033

11 ステント 12 ステントの屈曲部 13 ステントの環状ストラット 14a,14b ステントのストラットの変曲点 16 ステントのリンク 21 ステント 22 ステントの屈曲部 23 ステントの環状ストラット 26 ステントのリンク


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