排ガス・二酸化炭素の再利用

環境汚染物質を資源として消費

最終更新日:2016/10/24

推定市場規模
8兆円

 環境汚染物質は自然に発生する場合と工場や自動車を私達が利用することによって発生する場合があり、これらの物質には自動車排出ガス・ばい煙・粉じん・有害大気汚染物質・及び揮発性有機化合物などがあり従来は工場や事業場の施設ごとの排出規制などが設定されている。
 近年では単純に排出量を減らすのみならず、環境汚染物質を効率よく回収し資源として消費するというアプローチも注目されつつある。
 例えば自動車排出ガスの一種である窒素酸化物(NOx)については、吸収塔を増やすことでNOx除去率を高め、硝酸としてほぼ完全に回収可能な技術が確立されている。
 このような一石二鳥のアプローチを他の物質に対しても適用することで、増加する資源需要に対応しつつ環境汚染を防止することが期待されている。なお日本産業機械工業会によると、排ガス・CO2対策プラント市場は2008年の500億円から2020年には8兆円に拡大すると見込まれている。

未来への変化の兆し

  • 飲料水への転換

     汚水浄化による効果は排水・上下水の衛生問題だけに留まらない。
     地球上の淡水資源は地域によって確保の難易度が異なるため、汚水浄化の技術が災害時に水インフラがマヒした際の飲料水確保にも繋がる可能性を秘めている。

     2014年NEDOと海外水循環ソリューション技術研究組合が、国内最大規模の省エネルギー型造水プラントとして北九州にデモプラントを設置し従来の海水淡水化システムに比べ30%以上の省エネルギー・低コスト化を達成した。
     これは海水淡水化プロセスと下水再利用プロセスを組み合わせた新たな浄化システムであり、それぞれの高濃度成分を中和した上でまとめて浄化を行うことで環境負荷を低減するシステムである。 既に生産された水は2年近く工業用水として使用した実績があり、水資源が不足している地域に最適な小分けパッケージとして応用・活用されることが期待されている。

     また海水・汚水浄化技術はただ生活用水・工業用水として利用するに留まらず、そのまま飲料水に転換する事で環境に調和した水資源の確保にも繋がるとされ、水不足に苦しむ途上国での活用が望まれている。 飲料水への転換
  • CO2そのものを原料として消費

     資源をリサイクルで確保しつつ、同時に温暖化対策にも繋がると注目されているのが工場等から排出される二酸化炭素と水素からメタノールを合成し、その得られたメタノールから石化製品を製造する技術の研究である。

     慶応義塾大学と東京理科大学が2014年に開発した二酸化炭素と海水から工業原料となるホルムアルデヒドを合成する技術は、火力発電所や工場から回収した二酸化炭素を有効活用することで資源確保と同時に地球温暖化対策にもなると目されている。
     また二酸化炭素の回収コストにまだまだ課題は残されているが、材料となる海水は天然資源として膨大な量が存在しており、回収後の合成効率は非常に高く工業生産化も現実的であるという。このようにして生産されたホルムアルデヒドは粘着剤や塗料溶剤のほか車部品や食器・プラスチックの原料としても利用でき石油燃料製品の代替手段になると考えられている。

     こうした手法が実用化に至れば二酸化炭素の大幅な削減と同時に原油代替原料の確保が可能と期待されている。 CO2そのものを原料として消費
  • 二酸化炭素を液体燃料へと変える

     エネルギー材料やプラチナなどの希少資源の確保は未来の世界にとって大きな課題だが、一方でCo2(二酸化炭素)のように排出される量自体に頭を悩ませる物質もある。
     しかしこの2つが結びつき、エネルギーの問題と廃棄物の問題を一度に解決するかもしれない技術が生まれようとしている。

     2016年、米国エネルギー省所属のオークリッジ国立研究所(ORNL)は驚くべき発表をした。
     二酸化炭素をエタノールに変える方法を「偶然」見つけたというこの内容は、低コスト・常温で再現させることができ、この方法で生成されるエタノールには、その生産プロセスにおいてプラチナのような高価な金属やレアメタルを使用していないため低コストにも繋がっているのだ。

     今後このプロセスを利用することで、風力発電や太陽光発電で余った電気を再度液体燃料として保管する、などの応用が期待されている。 二酸化炭素を液体燃料へと変える

現在集まっている公募課題

  • 再生可能エネルギーの実用化・改良で環境負荷低下に貢献する

     IEAが2008年に発表した「World Energy Outlook」によると、2030年の二酸化炭素(CO2)排出量は406億トンと予測されている。これは2015年より約20%増に相当する。ちなみに、琵琶湖(日本最大の湖)の貯水量は280億トンのため、その1.5倍弱が排出されると考えると、相当…

    • スポンサー企業:公益財団法人 日立環境財団
    • 公開日:2014/12/08

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