農工業用水の供給インフラ

農工業用水の不足を解消する仕組み

最終更新日:2015/10/30

推定市場規模
30億米ドル

 地球は水の惑星と言われその表面面積のうち3分の2は水で覆われている。しかし地球上に存在する水の大部分は海水であり淡水の占める割合は全体の僅か約2.5%程度に過ぎない。
 一方世界の年間水使用量は1995年時点で年間約3兆7,500億立方メートルとなっており、そのうち約9割が農業用・工業用水として使われている。1950年から1995年の間に使用量は約2.74倍の規模で増加しており、今後も人口の増加や新興国での産業の発達に伴い増加の一途をたどると予想されている。
 今後さらに水需要が増す中で環境へ配慮した新たな農工業用水を確保するには、枯渇の懸念がない資源の有効利用や環境保全の向上が注目されている。
 食料生産に大きく影響する農業用水だけでも2000年にWorld Water Visionによって発表された2025年予測では市場規模30億米ドルに達すると見込まれ、環境保全と生産効率を両立させた技術の実用化が望まれている。

未来への変化の兆し

  • 農業用水を海水から確保

     膨大な量が存在する海水の淡水化は、持続可能な経済活動に役立つため近年この研究に期待が高まっている。
     日立製作所は2010年からモルディブの上下水道事業全般の合理化に取り組んでおり、設置された海水淡水化装置によってモルディブの水資源確保と水のインフラ改善、徹底した水質管理によって安全な水を生活用水として供給しており、工業用・農業用水など幅広い領域で現地の生活を潤している。
     さらに現在ではこれらの水が生活用水・工業用・農業用水に留まらず、飲料水としてペットボトルに詰めたものが出荷され商品化されるにまで至っている。
    農業用水を海水から確保
  • 水中生態系の保全により水資源を確保

     閉鎖性水域での水質汚染要因の一つに、富栄養化水中に含まれるリンの溶出がある。
    そこでリン酸を効率よく回収して安価に富栄養化水の浄化を行うと共に、回収したリンを有効に再利用する技術が提案されている。
     これにより富栄養化を抑止し水中生態系を保全し、その結果農業用水に適した水資源を確保することも可能になるとの期待が寄せられている。

     リン資源は下水汚泥から回収する場合、強アルカリ溶液によってリン酸イオンを抽出しリン酸化合物として回収するという手法やリン吸着担体を設置することにより水中のリンを吸収させるといった方法も存在する。
     リンを汚水や富栄養化水中から回収することによって、かつて活用不可能だった汚水を農業用水として活用する等、食糧生産において欠かせない「水資源」として使用できる。

     そして回収されたリン資源も、100%海外からの輸入に依存するリン鉱石資源の乏しい日本にとって貴重な資源となる。汚水から回収した状態では使用できないリンを高度合併処理浄化槽などを用いて不純物を取り除くリサイクル方法が考案されている。
     現在これらの方法は高度な処理技術を要するが、より簡易で純度の高い水質の浄化、その後の回収資源活用が実用化されることで、農作物の生産性向上や枯渇資源の問題解決が期待できる。 水中生態系の保全により水資源を確保

現在集まっている公募課題

  • 再生可能エネルギーの実用化・改良で環境負荷低下に貢献する

     IEAが2008年に発表した「World Energy Outlook」によると、2030年の二酸化炭素(CO2)排出量は406億トンと予測されている。これは2015年より約20%増に相当する。ちなみに、琵琶湖(日本最大の湖)の貯水量は280億トンのため、その1.5倍弱が排出されると考えると、相当…

    • スポンサー企業:公益財団法人 日立環境財団
    • 公開日:2014/12/08

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