昆虫・無脊椎動物の食糧資源化

新しい食糧資源

最終更新日:2016/05/02

推定市場規模
20兆円

 栄養不良の主な指標のひとつである低体重は、ユニセフによると世界では1億4600万人の5歳未満の子どもが該当するとの報告がある。栄養が偏ってタンパク質が不足すると子どもたちの成長が阻害されてしまうだけでなく、ビタミンAが不足すると免疫力が低下し病気にかかりやすく風邪や下痢などのありふれた病気が原因で命を落とす危険がある。
 そこで、従来の食糧よりも多くの栄養を含んだ昆虫が現在注目を浴びている。昆虫はタンパク質とミネラル脂肪分を含むとされ家畜や農業に比べて生産性が高い。

未来への変化の兆し

  • 昆虫を食べる

     昆虫を食べる、というと心理的なハードルを感じる人も少なくない。しかし世界人口が90億人になった時、現在の食糧生産手法のみで必要な食糧を供給すると考えた場合膨大なコストが掛かるという懸念がある。
     昆虫にはタンパク質とミネラル脂肪分を含み、家畜や農業に比べ大規模飼育時に必要な資源が少なく済み、1ヘクタールの土地で生産できる大豆からのタンパク質が約10トンに対して、昆虫の場合は150トンにも及ぶと見込まれている。

     カナダのトロントにはコオロギやイモムシをタンパク源として食品化している企業がある。昆虫の姿を残したままの商品もあるが売れ筋の多くは粉末状で料理に応用できるよう加工されている。
     昆虫は生産時のコストにおいても牛肉450gを飼育するために必要な穀物約7㎏に比べ、昆虫の場合は約1kgで済むと共に広大な土地や大量の水も必要としない。
     また、良質なタンパク質だけでなくコレステロールを減らす不飽和脂肪酸・ミネラル・食物繊維などを多く含む高栄養で健康的な食糧とされており、ベルギーでは既にEU内初の「昆虫食認可」条例も発効されている。

     このように世界が抱える食糧問題において、生産コスト・栄養面などの観点から食肉に代わる動物性タンパク質の供給源を昆虫でまかなうことが注目されているのである。 昆虫を食べる
  • ナマコの腸を食べる

     ナマコは海底をゆっくり這う不活発な動物のため捕獲が容易であり、日本や中国では古来より食料として利用してきた。
     ナマコを食料用に加工する過程で副産されるナマコの腸はタンパク質含有率が約70%と高く、重要な栄養源になりうる。しかし中国ではナマコの腸は廃棄物として捨てられ資源の浪費及び環境の汚染をもたらしている。

     このため、ナマコの腸をタンパク源として摂取するための調理法が考案されてきた。近年ではナマコの腸が非常に強い自己消化能力を有することが判明しており、その活物質は多種の機能性食品製造に利用可能であることが期待されている。
     また、ナマコは切断されても約3ヶ月で再生し、腸を抜いても1ケ月で同じく再生するため延々と増殖を繰り返すことで食糧資源として枯渇や絶滅の危惧は少なく、現在も世界中に生息している。

     これまで食糧と認識してこなかった高栄養価で危険の少ない存在が、食糧不足を解決するだけでなく人間の健康状態をよりよくする食材として広がり始めている。
     そして容易に捕獲入手できる食糧が更に発見されていくことで飢餓に苦しむ地域や食糧輸送の厳しい環境下の自給自足を可能にするだろう。 ナマコの腸を食べる

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