ウェアラブル生体情報センサ・未病

体調変化の管理を自動化する

最終更新日:2015/12/04

推定市場規模
約500億ドル

 一年での世界総死亡者数は約6000万人であり、その6割以上が生活習慣病が原因で死亡している。この原因は日々の生活において、本人の認識以上に健康を管理・監視できていないことにあり、大病の多くは自覚症状が現れた時には既に手遅れであることも少なくない。
例えば、体調変化について自覚症状の前にアラートで本人や周囲に共有される、それは“気になった時に”ではなく“日常的に生活に溶け込む形”で実行される。自身や離れて暮らす家族の健康が持続するのである。
 こうしたIT技術とヘルスケアが結合した市場の予測としてmarketsandmarkets.comが発表した「Global Healthcare IT Market」においては、2017年の市場規模は約500億ドルと試算されている。

未来への変化の兆し

  • 高齢者の見守り技術

     面倒な手間や手順を踏まずに体の状態を計測する技術や、漠然とした気分や経験に依存せず精密に体調を予測する技術の研究が進んでいる。
     例えば自動で検出した自分の生体情報とその日の天候・現象を関連付けて、日常生活のアドバイスとして摂取すべき食材やお勧めの行動をアナウンスしてくれるツールなどである。こうした手法は導入後に面倒な測定を強制しないため健康管理の意識が低く従来のツールでは中々継続的に計測を続けられないような人にも魅力的であり、体調不良を改善するだけでなく日々の健康レベルを向上させるため集中力の向上や快眠など生活そのものの質を上げる事に繋がる。

     鍵となるのは無意識且つ正確に身体情報を読み取ることのせきる生体情報センサーの技術だ。
     NTTドコモが秋田県で実施した認知症高齢者見守りサービスの実証実験は、僅か30g・縦横4cm・厚さ1cmのGPS端末を認知高齢者本人が外してしまわないよう靴やポシェットに装着することで高齢者の行動パターンを自動検出し、把握・分析することができた。
     他にもこうした身体に触れず自動で無意識のうちに情報収集ができる非侵襲計測の生体情報センサーは、血液を採取せずとも血液成分を検出できるようになると見込まれている。

     医療機関に頼らず生活者個人が自分自身の体調を把握できるだけでなく、高齢者など家族の生活も見守ることが可能になることで、日々の健康や安否に関する不安を解消し生活の質を向上させる技術に注目が集まっている。 高齢者の見守り技術
  • 早期発見・早期治療の実現

     今後のセルフケア・体調管理において重要なキーワードの一つに「バイオセンサ」がある。
     特殊なコンタクトレンズをすることで目を経由して様々な生体情報を得る、体臭から体内の状態を計測するといった本来計測時にあった手間や痛みなどの負担が圧倒的に減少する技術を指している。

     東京医科歯科大学の生体材料工学研究所は、コンタクトレンズを装着するだけで血糖値を測定できるセンシング技術を開発した。 これはバイオセンサー技術によって涙液中のグルコース(血糖)を計測するため従来のように注射での採血が必要なく、装着車本人が無意識のうちに血糖値を継続的に計測できることを意味する。これにより血糖値の上昇や異常を検出し糖尿病の早期発見や急上昇時のインスリン投与の治療に繋げられる。

     こうした技術が今後実用化・普及のフェーズに移行する事で最新の健康状態を正確に計測できるようになり、突発性の症状や僅かな病の兆しを逃さず自覚症状が出る前に治療や予防を行えると期待されている。 早期発見・早期治療の実現
  • 24時間自動で体温変化をキャッチ

     体調の変化をどれだけ早く、自動で知ることが出来るか?
     高齢者や乳幼児は急な発熱などの場合、自覚症状が乏しかったり周囲の人に変調を伝えられないまま体温が上昇し、症状が重くなるケースもある。また普段は健康的な成人であっても夏の熱中症など急激な体温変化に無自覚なため対処できないことがある。
     しかも、従来の体温計は脇の下や口内でしっかりと計測する必要があり、常に持ち歩いている人も少ない。

     オムロンヘルスケアが2015年秋にCEATEC2015で「超小型貼り付け体温測定技術」を発表した。
     これは独自のセンサ構造で体の表面から体温を測定する独自のアルゴリズムが搭載され、使用されている深部温度センサはチップサイズ8.8mm×7.7mmと非常に小さい。これをお腹など外部から目立たない箇所に取り付け、センサーからの測定データをスマートフォンに送ることで、家族やかかりつけの医師に迅速な体調変化を知らせることが可能となる。

     古くから体調管理というものは個人責任であり、優秀な人材の素養の1つとして語られる事も多かった。しかし未来の世界では「自分の体調は、センサーが教えてくれる、そして変化があった時に知らせたい人へ通知が届くもの」になるのかもしれない。 24時間自動で体温変化をキャッチ
  • アプリを使った病気の早期発見

     最新Apple Watchなどの最新ウェアラブル機器や、それらに対応したヘルスケアサービスの充実は、生活者個人の健康管理の形を大きく変える可能性を持っている。

     2015年11月、慶應義塾大学の福田教授・髙月准教授らはiPhoneを用いた国内初の臨床研究を開始したと発表した。
     これは「Heart & Brain」と呼ばれるもので、Apple Watchが記録した心拍数や歩数、運動量などのヘルスケアデータを収集すると共に、不整脈や脳梗塞に関する質問に答えるなどの仕組みで、気軽にiPhoneでの臨床研究参加が可能となる。

     こうした簡単な検査が行われると共に、収集したデータを今後の臨床研究に役立てるという。

     これまでの医学研究は、研究協力者が病院や研究所に出向いて参加するのが通常だった。今後、こうしたスマートフォンを活用した気軽で自由な臨床研究プロセスが活発になることで、生活者の病気早期発見に大きな変化が訪れるかもしれない。 アプリを使った病気の早期発見

現在集まっている公募課題

  • 難治性疾患に苦しむ世界中の患者を日本発のバイオ3Dプリンティング技術で救いたい

     公益社団法人日本臓器移植ネットワークの発表によると、心臓・肺・肝臓・膵臓・腎臓・小腸の移植を希望して日本臓器移植ネットワークに登録しているのは13,696名(2014年11月末現在)。なお、2014年の全臓器移植件数は224件である。つまり、数字が示すように移植希望者が後を絶たないものの、提供が多…

    • スポンサー企業:株式会社サイフューズ
    • 公開日:2014/12/19

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  • 慢性疾患の状態における健康のセルフマネジメント(海外)

    (原題:Self-Management for Health in Chronic Conditions (R21)) The purpose of this initiative is to support research in self-management focused across conditions. A recent report from the Institute of Medicine (IOM) identifies the epidemic of chronic condition as the nations leading health challenge and calls for cross-cutting, coordinated public health actions for living well with chronic illness. This Funding Opportunity Announcement (FOA) addresses that recommendation by describing an initiative that focuses on self-management as a mainstream science in order to reduce the burden of chronic illnesses/conditions. Self-management is the ability of the individual, in conjunction with family, community, and healthcare professionals, to manage symptoms, treatments, lifestyle changes, and psychosocial, cultural, and spiritual consequences associated with a chronic illness or condition.

    • 公開日:2014/09/19
    • 報酬など$275,000
    • 状態:open

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