栄養バランス・フードバリューチェーン

自己生成型の栄養確保

最終更新日:2016/06/29

推定市場規模
16億円

 人間が生きていく上で食事は欠かせない、食事によって摂取した栄養を通じ体を構成する成分を作り、体内でエネルギーを生み出す。成人男性であれば1日あたり約2660kcal程度のエネルギーが必要となる。
 しかし、近年の人口爆発により、世界規模での食料・栄養不足は日に日に大きな問題となっている。今後2050年までに90億人を突破するとの予測もある一方で既に2000年以降、作物のバイオ燃料用途が加速し輸送コスト上昇等の要因も加わり、アジア・アフリカなどで食料危機が発生した。今後、外部からの食事による栄養素に頼らない、自己生成型の栄養メソッドの確立が求められている。
 また、栄養失調重症患者が恒常的に25万人以上の5歳未満児がいるエチオピアだけでも、この治療には市場規模16億円が試算されており、今後緊急援助も増えることでより規模は拡大するとJETROにより発表(2009年)されているだけでなく、重度患者以外の治療にもあたるとなれば市場規模は2倍を容易く超えるといわれている。

未来への変化の兆し

  • 人工光合成で栄養確保

     植物による自然光合成では、第一プロセスでできた水素の化合物が、第二プロセスで空気中の二酸化炭素を糖に変化させ、エネルギーを得る。 この光合成を人工的に再現する研究がカリフォルニア工科大学ほか世界中で推進されている。

     ロイヤル・カレッジ・オブ・アートの学生が考案した人工的なバイオリーフは、普通の植物と同様に光と水を与え酸素を放出する。これは植物細胞から抽出した葉緑体を植物のように呼吸する絹タンパク質の人口素材で包み込んでおり、史上初の「人口葉っぱ」として注目されている。

     植物は光合成によって太陽光エネルギーを元に栄養源を作り出すことができるため、こうした人工光合成技術を人体内で作用するための研究が進むことで、人が自らの体内で自発的な栄養補給をすることができるようになり、食料不足の解消や貧困層の栄養失調等も抑止されると期待されている。

     人工光合成は主に再生可能エネルギーの分野などで注目され、九州大学の研究チームでは「フォトン・アップコンバージョン」というこれまで利用できなかった低エネルギーの光を、高エネルギーの光に変換する技術も開発されており、今後さらに研究が進むことで人工光合成の効率を高めるための画期的な方法論になることが期待されている。 人工光合成で栄養確保
  • 余計な輸送コストを削減

     動物が栄養を摂取する効率を大幅に改善する事で、栄養源としての穀物等を世界中で運搬する際に必要となる輸送コストを大量に削減できると考えられているおり、現在体外摂取量を減らしつつも栄養失調にならない食物に関する技術が実用化に向けて動いている。

     クラウドファンディングから大規模な出資が集まった事でアメリカで製品化が進んだ「ソイレント」は1日に必要な栄養素をすべて賄えるプロテインタイプの栄養食品であり、一ヵ月間「ソイレント」のみで生活を送る実証実験も行われ、その結果肉体的な問題は発生せず健康体の維持にも成功している。
     しかし現時点では健康を維持するために必要な一食当たりのコストは約317円となり途上国で大幅に導入するには今後より一層のコストを削減するための取り組みが必要となっていく。

     人口増加に伴う世界的な食糧不足を解決するために生み出された様々な製品により、"栄養を取り入れる"ために必要な物質量の常識が劇的に変化すると思われており、その結果グローバルなフードバリューチェーンでは、贅沢品のみが流通する傾向が強まり環境負荷が低下するのみならずトータルな輸送コストが削減されると期待される。 余計な輸送コストを削減

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